JP7136973B2 - 冷蔵庫 - Google Patents
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Description
昨今、電気機器等がインターネットを通じて繋がることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデルのIoT(Internet of Things)の潮流が出現している。
無線機能をもつ冷蔵庫では、無線機能を制御部とは別ピースで手前側のドアヒンジの上やドアの上に埋め込んでいる。
図1は、本発明に係る実施形態1の冷蔵庫1の正面図である。図2は、実施形態1の冷蔵庫本体1Hの正面図である。図2は、冷蔵庫1から図1に示す扉(2、3、4a、4b、5、6)を外した状態を示す。
図2に示す冷蔵庫本体1Hには、上から下に、冷蔵室2r、製氷室4ar、急速冷凍室4br、冷凍室5r、および野菜室6rが画成されている。
冷蔵室左扉2には、電気機器の一例としての静電容量式タッチパネル2tまたは操作パネル2pが設置されている。利用者は、操作パネル2pを操作して冷蔵庫1の操作を行う。静電容量式タッチパネル2tは静電容量の変化で利用者の操作を検知する。
図1に示すように、冷蔵庫1は、後記の無線モジュール11c(図7参照)を介して、屋内に設置されるルータrと電波のやり取りを行う。こうして、冷蔵庫1は、無線モジュール11cを介して、インターネットiに接続され、インターネットiに接続されたサーバsに接続されている。これにより、冷蔵庫1をIoT化している。
野菜室6rの背面側には、圧縮機(図示せず)等の冷凍サイクル機器を配置するための機械室(図示せず)が形成されている。そのため、野菜室6rの底壁は前部よりも、後部が高く形成されている。
断熱箱体を構成する冷蔵庫本体1Hは、外箱1s、内箱1u、真空断熱材13(13a、13b)(図8、図9参照)等で構成されている。外箱1sは薄い鉄板、例えば、肉厚0.5mm~0.4mmの鉄板で作られている。なお、外箱1sとは、冷蔵庫本体1Hを覆う鋼板等の金属板をいう。
冷蔵庫本体1Hは、発泡断熱材10より熱伝導率が低い真空断熱材13を複数断熱性能向上のために外箱1sの内面に貼り付けて実装している。真空断熱材13(13a、13b)は積層したグラスウール等を外包材(薄肉のアルミニウムフィルムや金属蒸着層を有する積層フィルム)で包み、その後に外包材内を真空引きして形成されている。本実施例の外包材のような金属フィルムは、電波を遮蔽し得るものの、入射した電波が一部反射するに留まる程度の例えば厚みのものとしている。すなわち、真空断熱材13に達した、本実施例の通信に用いられる周波数の電波は減衰しつつも、真空断熱材13を通過し得る。
すなわち、本実施例の電波は真空断熱材13aが有する程度の薄肉のアルミニウムを必ずしも透過できないものではないが、減衰を考慮すると経路上に存在する回数は少ない方が好ましい。
冷蔵庫本体1Hの上後部には、発泡断熱材10の充填口1jが左右に一対形成されている。
冷蔵庫本体1Hの後部は、発泡断熱材10を充填した後に、外箱1sを形成する後板1s1が冷蔵庫本体1Hの後部にねじ止めされ固定されている。
図5(a)は、冷蔵室右扉3を内側から見た図であり、図5(b)は、冷蔵室右扉3の右側面図であり、図5(c)は、図1の冷蔵室右扉3のI-I断面図である。
冷蔵室右扉3の内側には、調味料、小物を入れるポケット3p1や飲み物を入れるポケット3p2が鉛直方向に形成されている。
そして、冷蔵室右扉3の外面板3aと内面板3bを含む外郭の内部には、発泡断熱材10aが充填されている。
そのため、冷蔵室右扉3における真空断熱材13aより上部は、後記の無線モジュール11cからの無線電波が円滑に透過できる。
図6は、冷蔵庫1の上面図である。
冷蔵庫1の背面上部の天板1s2(外箱1sの一部)に隣接または近接して、メイン基板11a等の制御部が格納される電気箱9が設けられている。
電気箱9は、樹脂製の電気品収容箱9aと、鋼板製の上蓋9bと有している。
これにより、無線モジュール11cとメイン基板11aとの間の配線を短くできる。また、無線モジュール11cからの電波にノイズが載ることを抑えられる。
なお、無線モジュール11cをメイン基板11aと略同じ高さに配置してもよい。これにより、無線モジュール11cの取付けが容易になる。
つまり、図11の矢印α31に示すように、無線モジュール11cのアンテナからの電波は、電気箱9の前方および下方に配置される真空断熱材13bを減衰しながら透過して、冷蔵庫1の前方に進行する(図8の矢印α2)。また、無線モジュール11cのアンテナからの電波は、真空断熱材13bと側板1s4との間を通過して前方に進んで側板1s4に反射して、冷蔵庫1の前方に進行する(図8の矢印α2)。
そのため、電気品収容箱9aは、無線モジュール11cの電波の指向方向にある側板9a2(図7参照)が非金属の樹脂で形成されている。無線モジュール11cの取り付けは、電気品収容箱9a内に配置された金属部材の鋼板9cを除く範囲内で、無線モジュール11cを下向きに位置させるようにしている。これにより、無線モジュール11cの電波を下方に向けて送信できる。
無線モジュール11cの取付け位置は以下のことが配慮されている。
観音開きの冷蔵室左扉2および冷蔵室右扉3のうち一方の扉の冷蔵室左扉2の上ヒンジ7aには信号線7a2(図1参照)が引き回されている。そこで、観音開きの冷蔵室左扉2および冷蔵室右扉3のうち、信号線7a2が引き回されていない他方の冷蔵室右扉3側
近傍に、無線モジュール11cの指向性を配置している。
これにより、無線モジュール11cからの電波が信号線7a2や温度検知手段7a1の信号の影響を受けないで済む。
無線モジュール11cは、静電容量式タッチパネル2tや操作パネル2pが設けられる冷蔵室左扉2とは反対側の他方の冷蔵室右扉3の側に、無線モジュール11cのアンテナの指向性を配置している。これにより、無線モジュール11cのアンテナからの電波が静電容量式タッチパネル2tや操作パネル2pの信号の影響を受けないで済む。
なお、無線モジュール11cは比較的少ない電流量で駆動し得るため、鋼板9cを配置しないこともできる。この点、電波の反射を抑制する観点から、無線モジュール11c下方に鋼板9cを設けないようにすることもできる。
図8は、図1の冷蔵庫1をI-I断面で切断した断面模式図である。図9は、図8のII-II断面模式図である。図9は、冷蔵庫1の上部のおおよその断面構造を示す。
真空断熱材13bの上平坦部13b1の上面は外箱1sの天板1s2に接着剤を介して(不図示)当接して設置されている。そして、外箱1sと内箱1uとの間には、発泡断熱材10が充填されている。
冷蔵室右扉3の上方は、金属製ヒンジ1h(図8参照)に回転自在に支持されている。
そのため、無線モジュール11cのアンテナから前方に向けて発せられる電波は、冷蔵室右扉3の内部の真空断熱材13aと金属製ヒンジ1hとの間から、冷蔵室右扉3の発泡断熱材10aとガラス製の外面板3aとを透過して(図8の矢印α2)、庫外前方に進行できる。
真空断熱材13bの幅寸法s1は、冷蔵庫1の外箱1sを形成する側板1s3、1s4間の寸法s2より小さい。また、真空断熱材13bと側板1s4との間の寸法s3と無線モジュール11cのアンテナからの電波の波長λとの間には、s3>=λ/2の間係がある。
次に、無線モジュール11cのアンテナからの電波の庫外への伝播について説明する。
無線モジュール11cのアンテナからの電波は、図12に示すように、進行方向に向けて角度θ=略60度にわたる範囲に指向性を有している。そして、無線モジュール11cの電波の指向方向を、前方かつ天板から次第に離れる方向としている。比較的厚い金属製の天板での反射及び真空断熱材13の透過を介した進行よりも、真空断熱材13の透過を介した進行をさせることで、電波を冷蔵庫1の前方から取り出しやすい。
なお、無線モジュール11cのアンテナからの電波の方向は、例えば全方向性や特定の指向性を有する方向に向けることに限定されない。
第1の経路として、図11の矢印α31に示すように、無線モジュール11cのアンテナからの電波は、電気箱9の前方および下方に配置される真空断熱材13bを減衰しながら透過して、図8に示すように、冷蔵室右扉3の真空断熱材13aと金属製ヒンジ1hとの間(非金属材料で形成される箇所)から冷蔵庫1の前方に進行する(図8の矢印α2)。
ため、無線モジュール11cの電波は、当該箇所を通過して庫外に進行できる。なお、天板1s2の下方かつ冷蔵室扉の上方の領域に、無線モジュール11cの電波の波長の半分以上の寸法をもつ非金属材料で形成される箇所を設ければ、冷蔵室右扉3に限定せずに、冷蔵室左扉2から電波が進行できるように、無線モジュール11cの配置やアンテナの向き(上側や下側、前後左右に限定しない)、取付角度等を変更してもよい。
また、無線モジュール11cを含む電気箱9のパワー半導体等の大電流部が鋼板9cや上蓋9b等の板金でクローズドされるので、不燃化構造であり安全度が高い。
図13は、実施形態2の冷蔵庫21において、無線モジュール21cからの電波の進行状況を前方右斜め上から見た斜視模式図である。図14は、実施形態2の冷蔵庫21において、無線モジュール21cからの電波の進行状況を右側方から見た側面模式図である。なお、図13、図14では、外箱1s、発泡断熱材10を省略して示している。図13、図14では、電気箱9における無線モジュール21cのみを示し、電気箱9に係る他の構成要素は省略している。
その他の構成要素は、実施形態1と同様であるから、同様な構成要素には同一の符号を付して示し、詳細な説明は省略する。
そこで、実施形態2の無線モジュール21cは、電波の指向性が後方になるようにしている。なお、指向性アンテナに代えて、無指向性アンテナを設けてもよい。
j(図3参照)または取っ手取付口1t(図4参照)または電源ケーブル取付口1g(図4参照)を透過させて、冷蔵庫21の外部に取り出している。
ここで、充填口1jまたは取っ手取付口1t(図4参照)または電源ケーブル取付口1gの少なくとも一部はそれぞれ無線モジュール21cのアンテナからの電波の波長λ/2より大きな寸法を有している。
または、無線モジュール21cのアンテナからの電波の指向性を取っ手取付口1tや電源ケーブル取付口1gを向くように構成することで、無線モジュール21cからの電波は取っ手取付口1tや電源ケーブル取付口1gを通過して庫外に進行する。
なお、冷蔵室右扉23及び左扉(不図示)の外面板23aを金属板でなくガラス板としてもよい。
なお、電波の指向性が充填口1jまたは取っ手取付口1tまたは電源ケーブル取付口1gの近くを向くとは、電波が外箱1sに反射して、これらの口(1j、1t、1g)から庫外に電波が進行する位置をいう。
以上、まとめると、冷蔵室右扉3または外箱1sの少なくとも何れかに、無線モジュール11c、21cのアンテナからの電波の波長λの半分以上の寸法(>=λ/2)を有する非金属材料で形成される箇所を有することで、当該電波を庫外に取り出せる。
図15は、実施形態3の冷蔵庫の天板1s2の左右方向中央側に位置するとともに、後板1s1側に向かうにつれて下方向に傾斜した凹状の空間に埋設された電気箱9の上蓋9bを外した状態(電気品収容箱9aの内部)を示す図である。
実施形態3の構成は、以下の点を除き実施形態1又は2と同様にできる。
上述のように、無線モジュール11c及び制御信号回路11a2を結ぶ信号線11a3の配線長を短くすることが好ましい。しかし、比較的強いノイズを発する駆動回路11a1と無線モジュール11cとが近接すると自己ノイズの影響が現れやすくなってしまう。これに鑑みて、電気箱9内のレイアウトを検討したものが本実施形態3である。
ル11c及びリアクタ11bが配されている。無線モジュール11cとリアクタ11bとは左右方向で概ね同じ位置に配されている。すなわち、前後方向に並んで配されており、無線電波を前方の扉(冷蔵室右扉3等)から取り出そうとするか後方の充填口1j等から取り出そうとするか等に鑑みてどちらを前にするか決定できる。無線モジュール11cとリアクタ11b近接させた位置に配置することで、無線モジュール11cが電気的影響を受けることが抑制される。また、電気箱9内のコンパクトなレイアウトが可能となる。
駆動回路11a1は、冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機など、大電力を要する機器に電力を供給できる。制御信号回路11a2は圧縮機や庫内灯の制御信号等を生成する制御マイコンを有する。このため、制御信号回路11a2側よりも駆動回路11a1の方が電磁ノイズが大きく発生する。なお、駆動回路11a1と制御信号回路11a2とは、メイン基板11aに纏められている。また、メイン基板11aとリアクタ11bとは、鋼板9c上に取付けられた基板ケース9d1に固定されている。
基板ケース9d1の材質はABS樹脂等の絶縁性材料で成形されており、鋼板9cはメイン基板11aやリアクタ11bに対して電気的に絶縁された状態にある。
制御信号回路11a2は、駆動回路11a1と無線モジュール11cとの間に配されており、メイン基板11aの信号線11a3によって無線モジュール11cと接続している。詳細には、メイン基板11aのコネクタ等の接続部11a9に接続された信号線11a3が無線モジュール11cのコネクタ等の接続部11c1と接続している。
また、メイン基板11aにコネクタ等の接続部11a9を設けることで、無線モジュール11cの側から引き出された信号線11a3をメイン基板11aの接続部11a9を介して、着脱可能とできる。
メイン基板11a側から引き出された接続線11a8にはアース線11a7が設けられている。アース線11a7を、電気箱9から引き出し、冷蔵庫1の背面側の電源ケーブル取付口1g近傍のアース取り付け部1e(図4参照)に接続している。これにより、信号線11a3が駆動回路11a1のノイズを拾った場合でもその影響を低減できる。
1.前記実施形態1、2では、電気箱9の少なくとも一部を金属で形成する場合を説明したが、電気箱9の全体を樹脂等の非金属で構成してもよい。
1g 電源ケーブル取付口(非金属材料で形成される箇所、孔)
1j 充填口(非金属材料で形成される箇所、孔)
1s 外箱
1s1 後板(第2側板)
1s2 天板
1s4 側板(第1側板)
1t 取っ手取付口(非金属材料で形成される箇所、孔)
2 扉(冷蔵室左扉、観音開き扉のうち一方側)
2p 操作パネル(電気機器)
2t 静電容量式タッチパネル(電気機器)
3 扉(冷蔵室右扉、観音開き扉のうち他方側)
7a1 温度検知手段(電気機器)
7a2 信号線
9 ケース(電気箱)
10 樹脂断熱材(発泡断熱材)
11a メイン基板(回路基板)
11a1 駆動回路
11a2 制御信号回路
11a3 信号線(接続線)
11c、21c 無線モジュール(無線電波源)
13b 真空断熱材
Claims (7)
- 金属製の天板と、
前記天板に近接して配置される無線電波源と、
前記無線電波源を収容し、前記無線電波源の電波の指向方向にある少なくとも一部が非金属で形成されるケースと、
前端部に配置され少なくとも一部が非金属で構成され、庫内を開閉する扉と、
前記天板の下側に充填された樹脂断熱材とを備え、
正面視で、前記扉の上部の領域であって前記天板より下方の領域に前記無線電波源の電波の波長の半分以上の寸法を有して非金属材料で形成される箇所を有しており、
前記無線電波源の電波は、前記箇所を通って、前記電波が反射することなく前方かつ前記天板から次第に離れる方向を含んで発せられる
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記扉の上部の前記非金属材料で形成される箇所は、ガラス板を含んで形成されている
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記無線電波源の電波の指向方向は、前方かつ前記天板から次第に離れる方向である
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 金属製の天板と、
前記天板に近接して配置される無線電波源と、
前記無線電波源を収容し、前記無線電波源の電波の指向方向にある少なくとも一部が非金属で形成されるケースと、
前端部に配置され少なくとも一部が非金属で構成され、庫内を開閉する扉と、
前記天板の下側に充填された樹脂断熱材とを備え、
正面視で、前記扉の上部の領域であって前記天板より下方の領域に前記無線電波源の電波の波長の半分以上の寸法を有して非金属材料で形成される箇所を有しており、
前記天板の下方かつ前記ケースの前方に設けられる真空断熱材を備え、
前記真空断熱材と前記電波の指向方向側の第1側板との間の寸法は、前記無線電波源の電波の波長の半分以上の大きさである
ことを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記無線電波源は、前記ケースのうち前側に位置しており、
前記ケースは、前方に向かうにつれて上側に向かうように傾斜していることを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記ケースは、圧縮機に電力を供給する駆動回路と、制御信号を生成する制御信号回路と、を有し、
前記無線電波源及び前記制御信号回路は、信号線で接続しており、
前記制御信号回路の一方側に前記駆動回路が位置し、他方側に前記無線電波源が位置することを特徴とする冷蔵庫。 - 請求項1に記載の冷蔵庫において、
前記扉として、2つの観音開き扉を有し、
前記観音開き扉のうち一方側には電気機器又は信号線が設けられ、
前記無線電波源は、前記観音開き扉のうち他方側に、無線電波の指向方向を設定したことを特徴とする冷蔵庫。
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