JP7110553B2 - レンズ付き光ファイバの製造方法、及び切断装置 - Google Patents
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Description
また、光ファイバに長尺ロッドレンズを融着する都度、新たな長尺ロッドレンズを用意して、その先端を切り揃えて光ファイバに融着するのは、長尺ロッドレンズを無駄に消費してしまうため、コストの面からも好ましくない。そのため、長尺ロッドレンズを無駄なく使用して、生産性よくレンズ付き光ファイバを製造することも望まれる。
まず、本実施形態に係るレンズ付き光ファイバの製造方法の概略について説明する。
図1は、本実施形態に係るレンズ付き光ファイバの製造方法の概略を示す工程図である。
その際、光ファイバ2とGRINレンズ3とを、それぞれファイバホルダ20とレンズホルダ30とに保持し(図1(a)参照)、互いの先端を突き合せて光ファイバ融着接続装置にセットして、一対の放電電極40の間に位置決めされた両者の突き合わせ面をアーク放電により融着する(図1(b)参照)。
また、光ファイバ2に融着するGRINレンズ3には、クラッドのない屈折率分布型レンズのほか、GI(Graded Index)光ファイバなども含まれるものとし、屈折率分布(Gradient Index)によりレンズ機能を発現するものであれば、特に限定されない。
例えば、図1に示す例において、GRINレンズ3を保持するレンズホルダ30としては、その基板31の上面に、断面V字状又は断面コ字状などに形成された保持溝が、適当な間隔、深さで並設され、複数(図示する例では4本)のGRINレンズ3が、それぞれ突き合わされる光ファイバ2と同軸に位置決めできるように改良したものを用いることができる。
一方、レンズホルダ30については、保持板32を基板31の上面から浮き上がらせるなどして、GRINレンズ3を押圧する力(レンズホルダ30の保持力)を緩めつつ、ファイバホルダ20から離れる方向にレンズホルダ30を移動させる。このとき、GRINレンズ3は光ファイバ2に融着されているため、GRINレンズ3がバラバラになって脱落したりすることなく、レンズホルダ30を移動させることができる。
なお、本実施形態に用いるのに好適な切断装置については後述する。
GRINレンズ3を切断するにあたり、光ファイバ2との融着部から切断位置までの長さLは、GRINレンズ3の屈折率分布や開口数(Numerical Aperture)などに応じて、作動距離やビームウェスト径が所望の値となる長さでGRINレンズ3が切断されるように適宜調整される。そして、前述したようにしてGRINレンズ3を保持し直す際のレンズホルダ30の移動距離Δdを、当該長さLと等しくなるように設定(Δd=L)して、レンズホルダ30の移動距離Δdと等しい長さで、GRINレンズ3をその光軸に対して垂直に切断する。
また、特に図示しないが、このようにして製造されたレンズ付き光ファイバ1には、その先端に融着されたGRINレンズ3に、GRINレンズ3とは開口数が異なる別のGRINレンズをさらに融着したり(特許文献2参照)、プリズムレンズをさらに融着して側方出射を可能としたりすることができる(特許文献3参照)。
前者の場合には、例えば、GRINレンズ3とは開口数が異なる別のGRINレンズをレンズホルダ30に保持して、レンズ付き光ファイバ1に対して、前述した融着から切断までの工程を行うようにすればよい。
後者の場合には、例えば、プリズムレンズ用ファイバをレンズホルダ30に保持して、レンズ付き光ファイバ1に対して、前述した融着から切断までの工程を行いつつ、所定の長さで切断されたプリズムレンズ用ファイバの先端を研磨するなどして、先端傾斜面を形成することによって側方出射を可能とすることができる。
次に、本実施形態に係る切断装置について説明する。
図2は、本実施形態に係る切断装置の要部の概略を示す平面図、図3は、同正面図であり、図4は、図2のA-A断面図である。
また、本実施形態に係る切断装置は、前述したレンズ付き光ファイバの製造方法において、光ファイバ2と互いの先端を突き合せて融着されたGRINレンズ3を所定の長さで切断する際に好適に用いることができ、その使用例を図5に示す。
また、ホルダ20,30の個体差などによって、切断対象のGRINレンズ3がZ軸に対して斜めになってしまうこともある。このような場合を考慮して、切断刃141がスライドする方向がGRINレンズ3の光軸に対して常に直交するように、XZ平面において切断刃141がスライドする方向を所定の角度αで調整できるようにするのが好ましい。
2 光ファイバ
3 GRINレンズ
20 ファイバホルダ
20a 端面
20b 側面
30 レンズホルダ
30a 端面
30b 側面
100 切断装置
120 ファイバホルダ載置部
121 位置決め凹部(位置決め手段)
130 レンズホルダ載置部
131 位置決め凹部(位置決め手段)
140 切断部
141 切断刃(切断刃ユニット)
Claims (6)
- 光ファイバの先端に、長尺状に形成されたGRINレンズを同軸に融着し、次いで、前記GRINレンズを所定の長さでロッド状に切断するレンズ付き光ファイバの製造方法であって、
ファイバホルダに保持された前記光ファイバと、レンズホルダに保持された前記GRINレンズとを、互いの先端を突き合せて融着する工程と、
前記融着する工程の後に、前記ファイバホルダが前記光ファイバを保持したまま、前記レンズホルダの保持力を緩めつつ、前記ファイバホルダから離れる方向に前記レンズホルダを移動させて、前記GRINレンズを保持し直す工程と、
前記保持し直す工程の後に、前記ファイバホルダが前記光ファイバを保持したまま、かつ、前記レンズホルダが前記GRINレンズを保持したまま、前記レンズホルダの移動によって前記レンズホルダが前記ファイバホルダから離れた距離と等しい長さの前記GRINレンズが前記光ファイバの先端に残るように、前記GRINレンズを切断する工程と
を含み、
切断後に残った前記GRINレンズを前記レンズホルダに保持したまま、新たに用意された光ファイバと互いの先端を突き合せて、前記各工程を繰り返す
ことを特徴とするレンズ付き光ファイバの製造方法。 - 前記GRINレンズを切断する長さをLとし、
前記光ファイバと前記GRINレンズとを互いの先端を突き合せて融着する際に、対向する前記ファイバホルダの端面と前記レンズホルダの端面との離間距離をd0とし、
前記GRINレンズを保持し直す際に、前記レンズホルダの移動距離をΔdとし、
前記GRINレンズを切断する際に、対向する前記ファイバホルダの端面と前記レンズホルダの端面との離間距離をdとしたときに、
d=d0+Δd
Δd=L
の関係が成り立つ請求項1に記載のレンズ付き光ファイバの製造方法。 - 融着接続装置と切断装置とを備える、レンズ付き光ファイバの製造のための融着・切断システムであって、
前記融着接続装置は、
光ファイバを保持するように構成されたファイバホルダが載置されるように構成されており、前記ファイバホルダの位置決めをするように構成された、第1のファイバホルダ載置部と、
長尺状のGRINレンズを保持するように構成されたレンズホルダが載置されるように構成されており、前記ファイバホルダと前記レンズホルダとの距離がd 0 となるように前記レンズホルダの位置決めをするように構成された、第1のレンズホルダ載置部と、
前記第1のファイバホルダ載置部と前記第1のレンズホルダ載置部との間に配置され、前記光ファイバの先端と前記長尺状のGRINレンズの先端とを融着するように構成された電極と
を備え、
前記切断装置は、前記光ファイバと互いの先端を突き合せて融着された前記長尺状のGRINレンズを所定の長さで切断する切断装置であって、
前記融着のときから前記光ファイバを保持し続けるように構成された前記ファイバホルダが載置されるように構成された第2のファイバホルダ載置部と、
融着された前記GRINレンズを保持し直すように構成された前記レンズホルダが載置されるように構成された第2のレンズホルダ載置部と、
前記第2のファイバホルダ載置部と前記第2のレンズホルダ載置部との間に配設された切断部とを有し、
前記第2のファイバホルダ載置部が、載置された前記ファイバホルダを位置決めする位置決め手段を備え、
前記第2のレンズホルダ載置部が、前記ファイバホルダと前記レンズホルダとの距離がd 0 +Lとなるように載置された前記レンズホルダを位置決めする位置決め手段を備え、
前記切断部は、前記光ファイバの先端にその先端が融着された前記GRINレンズを当該GRINレンズの長さがLとなるように切断するように構成されている
ことを特徴とする融着・切断システム。 - 前記第2のファイバホルダ載置部に、前記位置決め手段として、前記ファイバホルダの端面と側面とに当接して、前記ファイバホルダを位置決めする位置決め凹部が刻設され、
前記第2のレンズホルダ載置部に、前記位置決め手段として、前記レンズホルダの端面と側面とに当接して、前記レンズホルダを位置決めする位置決め凹部が刻設された請求項3に記載の融着・切断システム。 - 一つの部材に切削加工を施して、前記位置決め凹部が刻設された前記第2のファイバホルダ載置部と、前記位置決め凹部が刻設された前記第2のレンズホルダ載置部とを一体に形成してなる前記切断装置を備える請求項4に記載の融着・切断システム。
- 前記切断部が有する切断刃ユニットが、XYZ回転ステージに支持された請求項3~5のいずれか一項に記載の融着・切断システム。
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