JP7108215B2 - 車両用シート - Google Patents
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Description
このため、軽量化を実現するとともに、当該軽量化部分を補強するための工夫がなされていた(例えば、特許文献1参照)。
このロアフレームには、下端側から前方に延出するフランジ部が形成されており、このフランジ部には、このフランジ部全幅(シート幅方向の長さ)にわたる寸法を有する樹脂製のブラケットが取付けられている。
そして、このような構成をもって、ロアフレーム下端側から前方に延出するフランジ部をその内側から補強している。
これらの、相反する要求を満たすため、特許文献1に係る技術においては、補強のためにブラケットを使用している。
しかしながら、更なる軽量化と剛性向上と、の双方を満たす技術が求められていた。
また、前記硬質パッドには、略矩形の凹部が形成されていると好ましい。
また、前記矩形の凹部が、前記軟質パッドとの接合面である前記硬質パッドの上面と前記硬質パッドの前方面とに設置されていると好適である。
また、前記ロアメンバーフレームと前記硬質パッドとに、両者の位置決めが可能な整合部を有すると好適である。
先ず、本実施形態に係る車両用シート(以下、本シートS)及びその骨格をなすシートフレームFの基本構成について、図1乃至図3を参照しながら基本構成を説明する。本シートSは、図1に示すように、シートバックS1、シートクッションS2及びヘッドレストS3を有する。シートバックS1及びシートクッションS2は、それぞれの図2や図3に図示のシートフレームにパッド材Pを載置して同パッド材Pの表面を表皮材Wで覆うことによって構成されている。ヘッドレストS3は、不図示の芯材にパッド材Pを配置して同パッド材Pの表面を表皮材Wで覆うことによって構成されている。なお、ヘッドレストS3の下部には、下方に延出した一対のヘッドレストピラー(不図示)が設けられている。ヘッドレストS3は、当該一対のヘッドレストピラーを介してシートバックS1(厳密には、シートバックフレームF1)の上端部に支持されている。
本シートSが有するシートバックフレームF1の構成について既出の図2及び3を参照しながら説明する。シートバックフレームF1は、図2に示すように、シートフレームFを前方から見たときに方形枠をなしている。また、シートバックフレームF1は、従来の一般的な車両用シートが有するシートバックフレームと比較して軽量化されたものとなっている。具体的に説明すると、シートバックフレームF1を構成する材料(例えば、後述するサイドフレーム10を構成する鋼板)として、従来のシートバックフレームに用いられていた材料よりも軽量な材料が用いられている。さらに、シートバックフレームF1を構成する部品同士を締結・連結する際には、ボルト・ナットやビス等の締結具を使用せず、レーザ溶接にて部品同士を締結・連結することとしている。このような構成を採用することで、本実施形態に係るシートバックフレームF1は、より軽量なものとなっている。
更に、シートバックフレームF1は、同図に示すように、各サイドフレーム10の下端部に取り付けられることでサイドフレーム10の間を連結するロアメンバーフレーム50を有する。さらに、サイドフレーム10の間には、乗員の背を後方から支持するSバネ60が架設されている。
このアッパフレーム30の両自由端側は、サイドフレーム10,10の上方に各々接合されている。
なお、アッパフレーム30のうち、上方に配置される水平部分の前面には、ヘッドレストピラーを支持する角筒型のピラーガイド34が取り付けられている。このピラーガイド34は、幅方向に間隔を空けて一対設けられている。
また、上述のように、サイドフレーム10の延出方向一端部(上端部)には、アッパフレーム30の自由端側が接合されている。
なお、本実施形態では、サイドフレーム10が薄厚の鋼板、より具体的には厚み1mm以下の超高張力鋼板によって構成されており、軽量化に寄与している。
また、ロアメンバーフレーム50の上縁部及び下縁部は、それぞれ、前方に曲げ加工された(以下、これらフランジ部分を「上下フランジ50d,50d」と記す)形状を有して形成されている。
このロアメンバーフレーム50の詳細な構成については、本実施形態の主要構成であるため、後に詳述する。
この腰部支持部材70は、樹脂製の長尺部材であり、幅方向に沿って延びるロアメンバーフレーム50に沿って、幅方向に長手方向を沿わせるよう配設されている。
素材としては、例えば、ウレタンフォーム、ポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフォーム等の樹脂発泡材が使用されていればよく、その硬度は、シートバックフレームF1に覆設されるパッド材Pよりも高くなるように構成されているとよい。
このため、成形性がよく、成形自由度が向上する。
この腰部支持部材70は、当該位置において、ロアメンバーフレーム50の強度を補強するための補強部材として機能するとともに、着座者の腰部を支持するための腰部支持部材としても機能するものである。
当該構成は、本発明の主要構成であるため、後に詳述する。
腰部支持部材70の構成について、詳しく説明する。
腰部支持部材70は、長尺状の立体棒状部材であり、幅方向左右端部を規定する配設部材底面71,71と、この双方の配設部材底面71,71間をわたって側面を規定する側面70Aにより略角柱形状に形成されている。
なお、この側面70Aは、ロアメンバーフレーム50に対面する配設部材取付面72と、前方側を規定する前方面73と、上方を規定する上面74と、下方を規定する下面75と、を有して構成されている。
配設部材取付け面72には、その上下方向略中央部付近を幅方向に延びる溝状の整合溝72aが形成されている。
また、上面74には、略矩形の凹部である上面凹部74aが、本例においては、2個形成されている。
更に、前方面73は、緩やかに湾曲した湾曲面となっており、その下方には、略矩形の凹部である前方面凹部73aが、本例においては、2個形成されている。
次いで、図1乃至図6により、ロアメンバーフレーム50の詳細な構成について説明する。
ロアメンバーフレーム50は、幅方向に長尺な尺矩形鋼板として構成されている。
そして、このロアメンバーフレーム50には、前方面に凸となるよう裏面から打設された整合突起部50aが形成されている。
この整合突起部50aは、前述した整合溝部72aに整合するよう、当該整合溝部72a内壁面形状に沿った形状に形成されている。
つまり、整合突起部50aは、整合溝部72aに整合して位置決めできるよう構成されている。この「整合」は、位置を特定する程度のものであればよく、遊嵌状態でもよいし、係合状態として仮止めのような機能をもたせてもよい。
本例においては、この整合突起部50aは、幅方向に長尺となるように形成されている。
しかし、形成状態はこれに限られることはなく、整合突起部50aを2個、つまり、ロアメンバーフレームの両端部付近に各々形成したような構成でもよい。
なお、後述するが、本例においては、整合突起部50aを整合溝部72aに整合させることにより、腰部支持部材70の位置決めを行うことを可能としているが、この整合突起部50aを形成することにより(つまり、平板に凹凸形状を形成することにより)、ロアメンバーフレーム50の強度を高め、当該ロアメンバーフレームの薄肉化に寄与することができる。
また更に、最適な適用構成としては、本実施形態のように、整合突起部50aは、幅方向に長尺となるように形成されていて、後述する腰部支持部材70の幅方向長さよりも、整合突起部50aの幅方向長さが長くなるように構成されるとよい。
この構成により、整合突起部50aに腰部支持部材70を効率的に位置決めすることが可能となる。
そして、この切欠き部50bの周縁からは、前方に起立する端部フランジ50cが起立している。
このように切欠き部50b,50bが形成されているため、ロアメンバーフレーム50を軽量化することが可能となるとともに、周縁から端部フランジ50c,50cが起立しているため、当該部分の強度を上げることができる。つまり、軽量化と剛性確保を両立させることが可能となる。
まず、図4、図7及び図8等により、腰部支持部材70について説明する。
腰部支持部材70は、硬質の発泡樹脂素材として形成されている。
このように形成された腰部支持部材70を、パッド材Pを金型により発泡形成する際にインサートし、一体的に形成する。
このとき、腰部支持部材70には、上面凹部74a及び前方面凹部73aが形成されているため、パッド材Pとの接合面積が広くとれるため、一体性が向上する。つまり、腰部支持部材70は、パッド材Pよりも高い硬度で形成されていると好適であるが、硬質部材と軟質部材を一体化するために、より一体化効率を高めるために接触部面積を大きくすることとしたものである。
また、このとき、腰部支持部材70とロアメンバーフレーム50との間には、不織布Gが介在している。
この構成により、腰部支持部材70とロアメンバーフレーム50とが直接触れ合うことがないため、使用時の摩擦による雑音発生を有効に抑制することができる。
なお、本例の腰部支持部材70は、ロアメンバーフレーム50の補強部材として機能するとともに、乗員の腰部を支持する腰部支持部材としても機能する。
13 側壁部
30 アッパフレーム
34 ピラーガイド
50 ロアメンバーフレーム
50a 整合突起部(整合部)
50b 切欠き部
50c 端部フランジ
50d 上下フランジ
60 Sバネ
70 腰部支持部材
71 配設部材底面
70A 側面
72 配設部取付面
72a 整合溝(被整合部)
73 前方面
73a 前方面凹部
74 上面
74a 上面凹部
75 下面
80 リクライニング装置
81 リクライニング軸
F シートフレーム
F1 シートバックフレーム
F2 シートクッションフレーム
R スライドレール装置
RL ロアレール
RU アッパレール
S 本シート(車両用シート)
S1 シートバック
S2 シートクッション
S3 ヘッドレスト
P パッド材
G 不織布
W 表皮材
XL 回動リンク
Claims (10)
- シートバックフレームと該シートバックフレームに載置されたシートバックパッドとを有するシートバックを備える車両用シートであって、
前記シートバックフレームは、
一対のサイドフレームと、
前記一対のサイドフレームの間に設けられ乗員の背を後方から支持するSバネと、
前記一対のサイドフレームの下端部に取り付けられ、前記一対のサイドフレームの間を連結するロアメンバーフレームと、を備え、
前記シートバックパッドは、前記Sバネの前方に配置された軟質パッドと、前記ロアメンバーフレームのすぐ前方に配置された硬質パッドと、を有し、
前記軟質パッドと前記硬質パッドは一体的に形成され、
前記硬質パッドは、前記Sバネより下部に位置して、乗員の腰部を支持することを特徴とする車両用シート。 - 前記ロアメンバーフレームは前記車両用シートの幅方向に沿って延びており、
前記硬質パッドは、長尺部材であり、前記ロアメンバーフレームに沿って、幅方向に前記硬質パッドの長手方向を沿わせるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。 - 前記硬質パッドには、略矩形の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用シート。
- 前記矩形の凹部が複数設置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
- 前記矩形の凹部が、前記軟質パッドとの接合面である前記硬質パッドの上面と前記硬質パッドの前方面とに設置されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の車両用シート。
- 前記矩形の凹部は前記軟質パッドとの前記接合面である前記硬質パッドの前方面に複数設置されていることを特徴とする請求項5に記載の車両用シート。
- 前記ロアメンバーフレームと前記硬質パッドとに、両者の位置決めが可能な整合部を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の車両用シート。
- 前記整合部は、
前記ロアメンバーフレームの前方面に凸となるように形成された整合突起部と、
該整合突起部に整合するよう前記硬質パッドに形成された整合溝部と、から構成されることを特徴とする請求項7に記載の車両用シート。 - 前記整合突起部は、幅方向に長尺となるように形成されていることを特徴とする請求項8に記載の車両用シート。
- リクライニング装置を介して前記シートバックフレームに連結されるシートクッションフレームと、
前記シートクッションフレームにパッド材を載置し、前記パッド材の表面を表皮材で覆うことによって構成されたシートクッションと、
前記シートバックフレームの上端部において支持されたヘッドレストと、
前記シートクッションフレームの下部に配置されたスライドレール装置と、を備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の車両用シート。
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