JP7185574B2 - 鋼材 - Google Patents
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Description
C :0.90~1.00質量%、
Si:0.10~0.35質量%、
Mn:0.80~1.20質量%、
P :0.020質量%以下、
S :0.10~0.20質量%、
Cr:0.10~0.30質量%、及び
Cu:0.10~0.25質量%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼材である。
Ni:0質量%超0.30質量%以下、
Mo:0質量%超0.50質量%以下、
B :0質量%超0.01質量%以下、
Ti:0質量%超0.50質量%以下、
Nb:0質量%超0.50質量%以下、及び
V :0質量%超0.50質量%以下
からなる群から選択される1種以上を更に含有する態様1に記載の鋼材である。
また、本明細書において、「Pbを実質的に含有しない」とは、Pb含有量が0.04質量%程度未満であることを意味し、後述するように、本発明の実施形態に係る鋼材は、0.04質量%程度未満のPbを不可避的不純物として含み得る。
C :0.90~1.00質量%、
Si:0.10~0.35質量%、
Mn:0.80~1.20質量%、
P :0.020質量%以下、
S :0.10~0.20質量%、
Cr:0.10~0.30質量%、及び
Cu:0.10~0.25質量%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる。
以下、各元素について詳述する。
Cは、鋼材の強度を確保するために有用である。この作用を有効に発揮させるため、C含有量は0.90質量%以上とする。C含有量は、好ましくは0.91質量%以上、より好ましくは0.92質量%以上である。一方、C含有量が過剰であると、鋼材が硬くなり過ぎて、被削性が低下する。そのため、C含有量は1.00質量%以下とする。C含有量は、好ましくは0.99質量%以下、より好ましくは0.98質量%以下である。
Siは、脱酸元素であり、また固溶強化により鋼材の強度を高めるために有用である。この作用を有効に発揮させるためには、Si含有量は0.10質量%以上とする。Si含有量は、好ましくは0.12質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上である。一方、Si含有量が過剰であると、鋼材が硬くなり過ぎて、被削性が低下する。そのため、Si含有量は0.35質量%以下とする。Si含有量は、好ましくは0.32質量%以下、より好ましくは0.30質量%以下である。
Mnは、上述のように、Sと結合してMnSを形成することにより被削性を向上させ、また鋼材の焼入れ性を向上させて鋼材の強度を高めるのに有用である。Mn含有量が0.80質量%未満であると、MnSの形成が不十分であるため被削性を十分に向上させることができず、またFeSが多く形成し、FeSにより熱間加工性が低下して製造効率が低下する。そのため、Mn含有量は0.80質量%以上とする。Mn含有量は、好ましくは0.85質量%以上、より好ましくは0.90質量%以上である。一方、Mn含有量が過剰であると、鋼材が硬くなり過ぎて、被削性が低下する。そのため、Mn含有量は1.20質量%以下とする。Mn含有量は、好ましくは1.15質量%以下、より好ましくは1.10質量%以下である。
Pは、不純物元素として鋼材中に不可避的に存在する。P含有量が0.020質量%を超えると、Pが粒界に偏析して、加工性及び疲労特性が低下する。そのため、P含有量は0.020質量%以下とする。P含有量は、好ましくは0.018質量%以下、より好ましくは0.015質量%以下である。P含有量は少ない程好ましく、0質量%であることが最も好ましいが、製鋼コスト及びその他の製造上の制約等により、通常は0質量%超残存する。
Sは、上述のように、Mnと結合してMnSを形成することにより被削性を向上させる。S含有量が0.10質量%未満であると、MnSの形成が不十分であるため被削性を十分に向上させることができない。そのため、S含有量は0.10質量%以上とする。S含有量は、好ましくは0.11質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上である。一方、S含有量が過剰であると、FeSが多く形成し、FeSにより熱間加工性が低下して製造効率が低下する。そのため、S含有量は0.20質量%以下とする。S含有量は、好ましくは0.19質量%以下、より好ましくは0.18質量%以下である。
Crは、鋼材の焼入れ性を向上させて鋼材の強度を高めるのに有用である。この作用を有効に発揮させるため、Cr含有量は0.10質量%以上とする。Cr含有量は、好ましくは0.11質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上である。一方、Cr含有量が過剰であると、鋼材が硬くなり過ぎて、被削性が低下する。そのため、Cr含有量は0.30質量%以下とする。Cr含有量は、好ましくは0.29質量%以下、より好ましくは0.28質量%以下である。
Cuは、上述のように、被削性を向上させるために重要である。Cuを鋼材に含有させることにより被削性が向上することについて、そのメカニズムの詳細は調査中であるが、Cuを鋼材に含有させることにより焼鈍後の鋼材が脆化し、鋼材を切削した際に生じる切り屑の分断が容易となるため、切削抵抗が低減し、すくい面の摩耗が低減するからであると考えられる。Cu含有量が0.10質量%未満であると、被削性を十分に向上させることができない。そのため、Cu含有量は0.10質量%以上とする。Cu含有量は、好ましくは0.11質量%以上、より好ましくは0.12質量%以上である。一方、Cu含有量が過剰であると、熱間加工性が低下して製造効率が低下する。そのため、Cu含有量は0.25質量%以下とする。Cu含有量は、好ましくは0.24質量%以下、より好ましくは0.23質量%以下である。
基本成分は上記のとおりであり、残部は鉄及び不可避的不純物(例えば、As、Sb、Sn等)である。不可避的不純物は、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる元素である。
また、上述のように、本発明の実施形態に係る鋼材は、0.04質量%程度未満、例えば0.04質量%未満のPbを不可避的不純物として含み得る。
なお、例えば、Pのように、通常、含有量が少ないほど好ましく、従って不可避的不純物であるが、その組成範囲について上記のように別途規定している元素がある。このため、本明細書において、残部を構成する「不可避的不純物」という場合は、別途その組成範囲が規定されている元素を除いた概念である。
Niは、熱間加工性の向上に有用である。この作用を有効に発揮させるため、Niを選択的に鋼材に含有させる場合、Ni含有量は、好ましくは0質量%超、より好ましくは0.05質量%以上である。一方、Niの含有量が過剰であると、鋼材が硬くなり過ぎて、被削性が低下する。そのため、Niを選択的に鋼材に含有させる場合、Ni含有量は、好ましくは0.30質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以下である。
本発明の実施形態に係る鋼材の製造方法は特に限定されず、上述の化学成分組成を有する鋼を通常の製鋼法に従って溶製し、例えばビレット又はスラブ等の鋼片を鋳造し、得られた鋼片を用いて、常法に従って熱間圧延又は熱間鍛造を行った後、鋼片を冷却することにより、また必要に応じて更に焼鈍を施すことにより、本発明の実施形態に係る鋼材を製造してよい。
表1に記載のNo.1の化学成分組成を有する鋼片を真空誘導加熱炉(2t)で溶解鋳造し、得られた鋼片に熱間鍛造を施し、直径80mmの鍛造材を得た。当該鍛造材を730℃で60分間焼鈍した後、放却し、No.1の試験材とした。No.1の試験材は、Pbを実質的に含有しない実施例である。
また、表1に記載のNo.2の化学成分組成を有する鋼片を転炉で溶解鋳造し、得られた鋼片に熱間圧延を施し、直径60mmの圧延材を得た。当該鍛造材を730℃で60分間焼鈍した後、放却し、No.2の試験材とした。No.2の試験材は、Pbを実質的に含有しない比較例である。
また、表1に記載のNo.3の化学成分組成を有する鋼片を真空誘導加熱炉(150kg)で溶解鋳造し、得られた鋼片に熱間鍛造を施し、直径80mmの鍛造材を得た。当該鍛造材を730℃で60分間焼鈍した後、放却し、No.3の試験材とした。No.3の試験材は、Pbを含む従来鋼である。
なお、表1において、下線を付した数値は、本発明の実施形態の範囲から外れていることを示している。
工具を用いて切削加工を開始し、加工距離が1000mとなった時点で切削加工を止め、上記光学式三次元測定顕微鏡を用いて、加工距離が1000mである工具の形状を測定した。
加工距離が1000mである工具の形状と初期形状とを重ね合わせ、すくい面の摩耗深さ(すなわち、すくい面に垂直な方向の摩耗量)を測定し、当該摩耗深さの最大値を加工距離が1000mのときのクレータ磨耗量とした。
加工距離が1000mである工具を用いて切削加工を行い、加工距離が2000m(すなわち、初期からの合計の加工距離が2000m)となった時点で切削加工を中断し、上記と同様にして、加工距離が2000mのときのクレータ磨耗量を測定した。
上記と同様にして、加工距離が3000m、5000m及び6000mのときのクレータ摩耗量を順次測定した。
同一の加工距離において、クレータ摩耗量が小さい程、被削性に優れていると判定した。クレータ摩耗量の結果を表3及び図1に示す。
Claims (2)
- C :0.90~1.00質量%、
Si:0.10~0.35質量%、
Mn:0.80~1.20質量%、
P :0.020質量%以下、
S :0.10~0.20質量%、
Cr:0.10~0.30質量%、及び
Cu:0.10~0.25質量%
を含有し、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼材。 - Ni:0質量%超0.30質量%以下、
Mo:0質量%超0.50質量%以下、
B :0質量%超0.01質量%以下、
Ti:0質量%超0.50質量%以下、
Nb:0質量%超0.50質量%以下、及び
V :0質量%超0.50質量%以下
からなる群から選択される1種以上を更に含有する請求項1に記載の鋼材。
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JP2019056896A JP7185574B2 (ja) | 2019-03-25 | 2019-03-25 | 鋼材 |
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2019
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