[第1実施形態に係る部品実装システムの全体構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る部品実装システム100の構成を概略的に示す図である。部品実装システム100は、部品実装機1と、制御装置30と、部品管理装置50とを備える。部品実装システム100において、部品管理装置50は、制御装置30とデータ通信可能に接続され、部品実装機1による部品搭載基板の生産を管理する管理装置である。部品実装システム100では、複数の部品実装機1が並設されている。なお、図1に示す例では、4台の部品実装機2が並設されている。
<部品実装機の構成>
まず、図2の平面図を参照して部品実装機1の構成を説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向の一方向側を「+X側」と称し、X方向の一方向側とは反対の他方向側を「-X側」と称する。また、Y方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y方向の一方向側とは反対の他方向側を「-Y側」と称する。更に、Z方向はX方向及びY方向と直交する上下方向であり、Z方向の一方向側(上側)を「+Z側」と称し、Z方向の一方向側とは反対の他方向側(下側)を「-Z側」と称する。
部品実装機1は、基板Pに部品を搭載して部品搭載基板を生産する装置である。部品実装機1は、部品が保持されたパレットを供給する複数の部品供給装置2が並設される部品供給部2Aと、本体フレーム11と、移動フレーム12と、コンベア13と、ヘッドユニット14と、第1駆動機構15と、第2駆動機構16とを備える。
本体フレーム11は、部品実装機1を構成する各部が配置される構造体であり、X方向及びY方向の両方向と直交するZ方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。コンベア13は、X方向に延び、本体フレーム11に配置される。コンベア13は、基板PをX方向に搬送する。コンベア13上を搬送される基板Pは、所定の作業位置(基板P上に部品が搭載される部品搭載位置)に位置決めされるようになっている。
部品供給部2Aは、本体フレーム11におけるY方向の+Y側及び-Y側の領域部分にそれぞれ、X方向に2箇所ずつ合計4箇所に配置される。部品供給部2Aは、基板Pに搭載される部品を供給するものであり、複数の部品供給装置2が並設される。部品供給装置2は、QFP(Quad Flat Package)やBGA(Ball Grid Array)等のパッケージ型の部品をパレットに保持された状態でヘッドユニット14に対して供給するものである。なお、部品供給部2Aには、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状のチップ部品をヘッドユニット14に対して供給する、テープフィーダー等が配置されていてもよい。テープフィーダーは、チップ部品を収納、保持したテープが巻回されたリールを備え、このリールから間欠的にテープを繰り出しながらヘッドユニット14に対して供給するものである。部品供給部2Aに配置される部品供給装置2の詳細については後述する。
移動フレーム12は、X方向に延び、本体フレーム11に、所定の移動方向(Y方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム12にヘッドユニット14が搭載されている。ヘッドユニット14は、X方向に移動可能となるように、移動フレーム12に搭載される。すなわち、ヘッドユニット14は、移動フレーム12の移動に伴ってY方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム12に沿ってX方向に移動可能である。ヘッドユニット14は、部品供給部2Aとコンベア13により搬送された基板Pの所定の作業位置とにわたって移動可能とされ、部品供給部2Aに配置された部品供給装置2から部品を取り出すとともに、その取り出した部品を基板P上に搭載(実装)する。
第1駆動機構15は、本体フレーム11の+X側及び-X側の端部に配設される。第1駆動機構15は、移動フレーム12をY方向に移動させる機構である。第1駆動機構15は、例えば、駆動モーターと、Y方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム12に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構15は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム12をY方向に移動させる。
第2駆動機構16は、移動フレーム12に配設される。第2駆動機構16は、ヘッドユニット14を移動フレーム12に沿ったX方向に移動させる機構である。第2駆動機構16は、第1駆動機構15と同様に、例えば、駆動モーターと、X方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット14に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構16は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット14をX方向に移動させる。
<部品供給装置の構成>
図3は、部品供給装置2を概略的に示す図である。部品供給装置2は、部品が保持されたパレットをヘッドユニット14に供給することが可能に構成されている。また、部品供給装置2は、ヘッドユニット14に対する部品の供給後に部品切れとなった部品切れパレットを回収することが可能である。更に、部品供給装置2は、部品切れとなった部品と同種の部品が保持された補給用のパレット(以下、「補給パレット」という)の補給が可能である。
部品供給装置2は、装置本体21と、パレット収容部22と、パレット補給回収部23と、パレット載置テーブル24と、収容部移動機構25と、第1パレット移動部26と、テーブル移動機構27と、第2パレット移動部28と、を備える。
装置本体21は、パレット収容部22を収容可能な収容空間を有する筐体である。なお、装置本体21における+Y側の側面部は、テーブル支持部211に支持されたパレット載置テーブル24と、パレット収容部22との間でパレット60の移動が可能となるように、一部が切り欠かれている。また、装置本体21における-Y側の側面部は、パレット補給回収部23とパレット収容部22との間でパレット60の移動が可能となるように、一部が切り欠かれている。
更に、装置本体21における-Y側の側面部には、パレット収容部22の第1マガジン221及び第2マガジン222が通過可能な開口部が形成されており、この開口部を開閉する第1扉体212が設けられている。作業者は、第1扉体212を開放し、パレット収容部22から第1マガジン221又は第2マガジン222を引き出して、交換作業を行うことができる。
パレット収容部22は、パレット60をZ方向に複数並んだ状態で収容する構造体である。パレット収容部22は、Z方向に移動可能に装置本体21内に収容されている。本実施形態では、パレット収容部22は、Z方向に互いに隣接して配置された第1マガジン221と第2マガジン222とを含む。
第1マガジン221は、Y方向の両端が開口した箱形の構造体である。第1マガジン221のX方向の両側面には、パレット60をY方向に移動可能に支持する第1支持部221AがZ方向に並んで複数設けられている。第2マガジン222は、第1マガジン221と同様に、Y方向の両端が開口した箱形の構造体である。第2マガジン222のX方向の両側面には、パレット60をY方向に移動可能に支持する第2支持部222AがZ方向に並んで複数設けられている。
ここで、パレット収容部22に収容されるパレット60の構成を、図4を参照して説明する。図4は、パレット収容部22に収容されるパレット60を示す平面図である。パレット60には、複数の部品70が保持された少なくとも1つのトレイ61が載置されている。トレイ61は、平面視において長方形状をなしており、その上面に複数の部品収容部611がマトリクス状に設けられている。各部品収容部611には、それぞれ部品70が等間隔で収容されている。
パレット60は、平面視長方形状とされるとともに、四方が側壁に囲まれた浅皿であり、少なくとも1つのトレイ61を位置決めした状態で載置できるように構成されている。具体的には、トレイ61をパレット60の隅に押し付け、その周りに磁石からなる固定用部材62を沿わせてパレット60の内底面に磁力によって固定することにより、パレット60内にトレイ61を位置決めした状態で固定できるようになっている。
また、パレット60には、一方の長辺の側壁の中央部に平面視T字状の第1被係止部63が設けられ、他方の長辺の側壁の中央部に平面視T字状の第2被係止部64が設けられている。パレット60は、第1被係止部63が+Y側に向けられた姿勢で、第1マガジン221及び第2マガジン222内に収容されている。また、パレット60には、両短辺の側壁に、それぞれフランジ部65が設けられている。パレット60が後述する第1パレット移動部26によってパレット載置テーブル24上に移動される際には、第1被係止部63が第1パレットフック機構261に係止されるとともに、パレット60がフランジ部65を介して第1パレットレール264に沿って案内されるようになっている。また、パレット60が後述する第2パレット移動部28によってパレット補給回収部23に移動される際には、第2被係止部64が第2パレットフック機構281に係止されるとともに、パレット60がフランジ部65を介して第2パレットレール284に沿って案内される。
図3に示すように、収容部移動機構25は、装置本体21内においてパレット収容部22をZ方向に移動させる機構である。収容部移動機構25は、ボールねじ軸251と、ボールナット252と、駆動モーター253とを含む。ボールねじ軸251は、装置本体21内においてZ方向に延びるボールねじ軸である。ボールナット252は、ボールねじ軸251に螺合されている。駆動モーター253は、その出力軸がボールねじ軸251に接続されている。そして、ボールナット252には、パレット収容部22が取り付けられている。収容部移動機構25では、駆動モーター253が回転駆動すると、ボールねじ軸251に沿ってボールナット252が進退する。これにより、ボールナット252に取り付けられたパレット収容部22が、Z方向に移動する。
パレット補給回収部23は、装置本体21における-Y側の側面部から外方に突設される。パレット補給回収部23は、Y方向においてパレット収容部22を挟んでパレット載置テーブル24と対向するように、配置されている。また、パレット補給回収部23は、Z方向においてパレット載置テーブル24と同じ高さ位置となるように、配置されている。パレット補給回収部23は、パレット60を収容可能な収容空間を有し、当該収容空間内においてパレット60の補給及び回収が可能に構成されている。パレット補給回収部23において収容空間は、1枚のパレット60が収容可能な大きさに設定されている。また、パレット補給回収部23には、その収容空間を開閉する第2扉体231が設けられている。なお、パレット補給回収部23は、パレット60の補給と回収が可能に構成されているが、パレット60の補給用のパレット補給部と、パレット60の回収用のパレット回収部とが個別に設けられた構成であってもよい。
部品供給装置2では、ヘッドユニット14への部品70の供給に伴って部品切れとなった部品切れパレットは、パレット収容部22を経由してパレット補給回収部23にて回収される。なお、パレット補給回収部23に回収される部品切れパレットは、後述の制御装置30の回収対象特定部364(図8)によって回収対象パレットとして特定される。つまり、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレットがパレット収容部22からパレット補給回収部23へ移動されて回収される。また、部品供給装置2では、回収対象パレットの回収後において当該回収対象パレットと交換されるようにパレット収容部22に装填するための補給パレットは、パレット補給回収部23を経由してパレット収容部22に補給される。
ここで、パレット補給回収部23を用いたパレット60の補給及び回収は、作業者によって行われる。パレット収容部22に対して補給パレットを装填しようとする場合、作業者は、パレット収容部22に収容されているパレット60とは別の補給パレットに装置外で補給部品が保持されているトレイを設置する。その際に、作業者は、トレイに付された部品種(部品ID)を示すバーコードをバーコードリーダ43(図8)で読み取ると共に、トレイを設置した補給パレットに設けられた部品種特定用バーコードBR(記録部、図4参照)をバーコードリーダ43で読み取る読取操作を行う。部品種特定用バーコードBRは、補給パレットに設置したトレイに保持された補給部品の部品種を特定するための補給部品種情報等をコード化して記録されたものである。
作業者による部品種特定用バーコードBRの読取操作によって、補給しようとする補給パレットに保持された補給部品の部品種が後述の制御装置30に把握され、パレットの回収あるいは警告等の動作が行われる。この段階での部品種特定用バーコードBRの読み取りは補給部品の部品種を制御装置30が把握するためであるので、補給パレットに設置されるトレイに付されている部品種(部品ID)を示すバーコードに対する読取操作のみが行われてもよい。バーコードリーダ43を用いた読取操作により特定された部品種の補給部品が保持された補給パレットを装填すべきセット位置がパレット収容部22に存在しない場合には、後述するような警告がされると共に、パレット収容部22に収容されているパレット60がパレット補給回収部23に回収されることはない。または、パレット補給回収部23の第2扉体231が開かないようにロックしてもよい。補給パレットを装填すべきセット位置がパレット収容部22に存在する場合には、そのセット位置にセットされ、後述の制御装置30の回収対象特定部364によって特定される回収対象パレットがパレット収容部22からパレット補給回収部23へ移動されて回収される。
このようにパレット補給回収部23内に回収対象パレットが回収されると、作業者は、第2扉体231を開放し、回収対象パレットをパレット補給回収部23から取り出すという回収作業を行う。回収作業が終了すると、作業者は、読取操作後の補給パレットをパレット補給回収部23内に補給するという補給作業を行う。補給作業が終了すると、作業者は、第2扉体231を閉鎖し、パレット補給回収部23に近設される装填開始操作部232を操作する。装填開始操作部232は、補給作業によってパレット補給回収部23に収容された補給パレットの、パレット収容部22に対する装填開始が可能となったときに、作業者により操作される。
なお、補給パレットと回収対象パレットとを交換せずに、パレット補給回収部23に回収された回収対象パレットに設置されている空のトレイを取り外し、新たな部品が保持されたトレイを回収対象パレットに装着するようにして部品の補給を行ってもよい。この場合には、新たなトレイが装着された回収対象パレットが補給パレットとなり、当該新たなトレイのバーコードと回収対象パレットの部品種特定用バーコードBRとが読み取られて両者の紐付けをする。その後、新たなトレイが装着されたパレット(補給パレット)のパレット収容部22に対する装填開始が可能となったときに、装填開始操作部232を操作すればよい。
ここで、後記の図8に示すように、部品供給装置2は、制御部40と、パレット検知部41と、閉鎖検知部42とを更に備えている。制御部40は、後述の制御装置30から制御信号が入力されると、その制御信号に基づき部品供給装置2の各部の動作を制御する。
パレット検知部41(図7)は、パレット補給回収部23のパレット載置面23Aに配設され、パレット補給回収部23に回収対象パレット又は補給パレットが収容された場合に当該パレットを検知する検知センサである。閉鎖検知部42は、パレット補給回収部23に設けられた第2扉体231の閉鎖を検知する検知センサである。閉鎖検知部42が第2扉体231の閉鎖を検知した状態で、第2パレット移動部28によるパレット収容部22からパレット補給回収部23へのパレットの移動動作が行われた後に、パレット検知部41がパレットを検知すると、パレット補給回収部23に回収対象パレットが回収されたことを示す回収完了情報が、制御部40から制御装置30に送信される。一方、パレット検知部41がパレットを検知し、且つ、閉鎖検知部42が第2扉体231の閉鎖を検知した状態で、前述の装填開始操作部232が操作されると、パレット補給回収部23に補給パレットが補給され、その補給パレットのパレット収容部22に対する装填開始が可能であることを示す装填開始可能情報が、制御部40から制御装置30に送信される。
パレット載置テーブル24は、装置本体21における+Y側の側面部から外方に突設されたテーブル支持部211に支持されている。パレット載置テーブル24は、Y方向においてパレット収容部22を挟んでパレット補給回収部23と対向するように、配置されている。パレット載置テーブル24は、パレット60を載置可能な平面視矩形状とされ、ヘッドユニット14へのパレット60の供給場となる。パレット載置テーブル24は、Y方向に移動可能にテーブル支持部211に支持されている。テーブル支持部211は、-Z側からパレット載置テーブル24を支持する。
次に、第1パレット移動部26について、図3に加えて図5を参照して説明する。図5は、第1パレット移動部26を示す平面図である。第1パレット移動部26は、パレット載置テーブル24におけるパレット載置面24Aに配設される。第1パレット移動部26は、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させるための機構である。第1パレット移動部26は、第1パレットフック機構261と、一対の第1フックレール262と、第1フック移動モーター263と、第1パレットレール264とを含む。
第1パレットレール264は、パレット載置テーブル24のパレット載置面24AにおけるX方向両端部に、Y方向に沿って延設されるレールである。第1パレットフック機構261は、パレット60の第1被係止部63を係止するように構成され、パレット載置面24A上を、Y方向に移動可能である。一対の第1フックレール262は、パレット載置面24A上のX方向における略中央位置において、Y方向に延設されるレールである。第1パレット移動部26では、第1フック移動モーター263の駆動力が第1パレットフック機構261に伝達される。第1フック移動モーター263が回転駆動すると、第1パレットフック機構261が一対の第1フックレール262に沿ってY方向に移動する。これにより、第1被係止部63が第1パレットフック機構261に係止されたパレット60が、第1パレットレール264に沿って、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間で移動する。
次に、テーブル移動機構27について、図3に加えて図6を参照して説明する。図6は、テーブル移動機構27を示す側面図である。テーブル支持部211のパレット載置テーブル24と対向する対向面には、Y方向に延びるテーブルレール211Aが設けられている。そして、テーブル支持部211の前記対向面には、パレット載置テーブル24をテーブルレール211Aに沿って移動させるためのテーブル移動機構27が設けられている。テーブル移動機構27は、パレット載置テーブル24とパレット収容部22との間でパレット60の移動が行われる位置と、パレット60のヘッドユニット14への供給位置と、の間でパレット載置テーブル24を移動させる。テーブル移動機構27は、テーブル移動ベルト271と、テーブル移動モーター272と、テーブル可動軸273と、テーブル可動部274とを含む。
テーブル可動軸273は、Y方向に延びる軸部である。テーブル可動部274は、テーブル可動軸273に移動可能に支持されており、その+Z側の端部がパレット載置テーブル24に取り付けられている。テーブル移動機構27では、テーブル移動ベルト271がテーブル移動モーター272に巻回されるとともにテーブル可動軸273の-Y側の端部に巻回されている。テーブル移動モーター272が回転駆動すると、テーブル可動軸273が回転し、テーブル可動部274がテーブル可動軸273に沿ってY方向に移動する。これにより、テーブル可動部274に固定されたパレット載置テーブル24が、テーブル支持部211上でY方向に移動する。
次に、第2パレット移動部28について、図3に加えて図7を参照して説明する。図7は、第2パレット移動部28を示す平面図である。第2パレット移動部28は、パレット補給回収部23におけるパレット載置面23Aに配設される。第2パレット移動部28は、パレット収容部22とパレット補給回収部23との間でパレット60を移動させるための機構である。第2パレット移動部28は、第2パレットフック機構281と、一対の第2フックレール282と、第2フック移動モーター283と、第2パレットレール284とを含む。
第2パレットレール284は、パレット補給回収部23のパレット載置面23AにおけるX方向両端部に、Y方向に沿って延設されるレールである。第2パレットフック機構281は、パレット60の第2被係止部64を係止するように構成され、パレット載置面23A上を、Y方向に移動可能である。一対の第2フックレール282は、パレット載置面23A上のX方向における略中央位置において、Y方向に延設されるレールである。第2パレット移動部28では、第2フック移動モーター283の駆動力が第2パレットフック機構281に伝達される。第2フック移動モーター283が回転駆動すると、第2パレットフック機構281が一対の第2フックレール282に沿ってY方向に移動する。これにより、第2被係止部64が第2パレットフック機構281に係止されたパレット60が、第2パレットレール284に沿って、パレット収容部22とパレット補給回収部23との間で移動する。
[部品実装システムの制御系]
次に、部品実装システム100の制御系について、図8及び図9を参照して説明する。図8は部品実装機1のブロック図であり、図9は部品管理装置50のブロック図である。図1にて説明したように、部品実装システム100は、制御装置30と、制御装置30とデータ通信可能に接続された部品管理装置50とを備える。
制御装置30は、部品実装機1に配設され、部品実装機1の部品搭載動作を統括的に制御するとともに、部品供給装置2の動作を制御する装置である。制御装置30は、例えば制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)や一時的にデータを記憶するフラッシュメモリ等の記憶装置が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、前記制御プログラムが読み出されることにより、部品実装機1の部品搭載動作及び部品供給装置2の動作を制御する。制御装置30は、バス30Aを介して接続された、通信部31、記憶部32、表示部33、外部入出力部34、部品搭載動作処理部35、及び部品供給動作処理部36を含む。
通信部31は、部品供給装置2及び部品管理装置50とデータ通信するためのインターフェースである。部品実装機1の各部品供給部2Aに配置される部品供給装置2は全て、通信部31に接続されている。外部入出力部34は、バーコードリーダ43とデータ通信するためのインターフェースである。
記憶部32は、図10に示す基板情報JH1を記憶する。基板情報JH1は、部品実装機1にて生産される部品搭載基板に関する情報であって、基板Pの品種を表す基板品種情報J11と、基板Pに搭載される搭載部品の部品種を特定するための搭載部品種情報J12と、当該搭載部品を保持したパレット60のパレット収容部22内での位置を表すセット位置情報J13とを関連付けた情報である。基板情報JH1は、基板品種情報J11にて表される基板Pの品種が切り換えられる毎に、書き換えられる。搭載部品種情報J12は、搭載部品を識別する識別情報や搭載部品の名称を表す部品名情報などで示され、同種の部品には同じ部品種情報が付されている。記憶部32に記憶されているのは現在生産している基板品種の基板情報JH1である。言い換えると、記憶部32に記憶された基板情報JH1に基づき部品搭載基板の生産が行われることとなる。従って、現在の基板情報JH1の基板品種の基板の生産が終了した後に次の基板品種の基板の生産をするためには、次の基板品種の基板情報JH1を記憶部32に記憶させなければならない。
セット位置情報J13は、パレット収容部22を構成する第1マガジン221内における第1支持部221Aの位置、並びに、第2マガジン222内における第2支持部222Aの位置で特定される情報である。第1支持部221A及び第2支持部222Aには、+Z側から-Z側に向かって順番に支持部番号が割り当てられており、この支持部番号によって各第1及び第2支持部221A,222Aの位置、すなわちセット位置が特定されるようになっている。図3に示す例では、第1マガジン221には5つの第1支持部221Aが配置され、第2マガジン222にも5つの第2支持部222Aが配置されている。この場合、各第1及び第2支持部221A,222Aに対応して、+Z側から-Z側に向かって順番に、セット位置情報J13として「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」、「S06」、「S07」、「S08」、「S09」、「S10」が割り当てられている。
表示部33は、後述の部品供給動作処理部36の回収対象特定部364によって生成される情報や、通信部31によって受信される部品管理装置50から送信される情報などを表示する。
部品搭載動作処理部35は、部品実装機1による部品搭載基板の生産において、基板情報JH1に基づきヘッドユニット14などの動作を制御する。基板情報JH1において、基板品種情報J11にて表される基板品種の生産時に、セット位置情報J13にて表されるセット位置に配置された支持部221A,222Aに支持されたパレット60が供給されると、ヘッドユニット14は、搭載部品種情報J12にて表される搭載部品を取り出すように制御される。
部品供給動作処理部36は、通信部31を介して部品供給装置2の制御部40に制御信号を送信することにより、部品供給装置2の動作を統括的に制御する処理を行う。部品供給動作処理部36は、収容移動処理部361と、テーブル移動処理部362と、パレット移動処理部363と、回収対象特定部364と、を含む。
収容移動処理部361は、収容部移動機構25を制御する。これにより、パレット収容部22のZ方向の移動動作が制御される。テーブル移動処理部362は、テーブル移動機構27を制御する。これにより、パレット載置テーブル24のY方向の移動動作が制御される。
パレット移動処理部363は、パレット収容部22とパレット載置テーブル24との間でパレット60を移動させる第1パレット移動部26の動作を制御するとともに、パレット収容部22とパレット補給回収部23との間でパレット60を移動させる第2パレット移動部28の動作を制御する。なお、パレット移動処理部363は、第2パレット移動部28の動作を制御する際には、回収対象特定部364による回収対象パレットの特定結果を参照する。パレット移動処理部363は、回収対象特定部364により特定された回収対象パレットをパレット補給回収部23へ移動させるパレット回収動作を第2パレット移動部28に実行させる。また、パレット移動処理部363は、パレット回収動作後において回収対象パレットの支持が解除された支持部221A,222Aに対し、パレット補給回収部23に補給された補給パレットを移動させるパレット装填動作を、第2パレット移動部28に実行させる。
回収対象特定部364は、パレット収容部22に収容された複数のパレット60において、パレット収容部22からの回収対象の回収対象パレットを特定する。回収対象パレットは、パレット収容部22に収容された複数のパレット60において、作業者によるバーコードリーダ43を用いた読取操作によって補給パレットの部品種特定用バーコードBRから読み取られた、補給部品種情報にて表される補給部品と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットである。
つまり、回収対象特定部364は、作業者による読取操作によって補給パレットから読み取られた補給部品種情報に基づき、補給部品と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットを、回収対象パレットとして特定する。パレット補給回収部23に対する補給パレットの補給作業を行うために作業者が、補給部品種情報の読取操作を行った際に、回収対象特定部364による回収対象パレットの特定動作が実行される。更には、回収対象特定部364による特定動作に対応して、第2パレット移動部28による回収対象パレットのパレット回収動作が実行される。このため、補給パレットの補給部品種情報の読取操作を行うという作業者が意図したタイミングにおいて、パレット補給回収部23からの回収対象パレットの回収作業と、パレット補給回収部23に対する補給パレットの補給作業とを行うことができる。これにより、作業者によるパレットの補給及び回収の作業の負荷を軽減することが可能となる。従って、作業者によるパレットの補給及び回収作業の遅れに起因した部品搭載基板の生産効率の低下を抑止することができる。
本実施形態では、回収対象特定部364は、記憶部32に記憶された基板情報JH1において、補給パレットから読み取られた補給部品種情報と一致する搭載部品種情報J12が存在する場合、搭載部品種情報J12にて表される搭載部品であって、補給部品と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットを、回収対象パレットとして特定する。この場合の回収対象特定部364による回収対象パレットの特定動作は、通信部31を介した部品管理装置50との間のデータ通信によって実行される。
まず、図9を参照して部品管理装置50の構成を説明する。部品管理装置50は、バス50Aを介して接続された、通信部51、記憶部52及び部品管理判定部53を含む。通信部51は、制御装置30の通信部31とデータ通信を行うインターフェースである。
部品管理装置50の記憶部52は、図11に示す部品管理情報JH2を記憶する。部品管理情報JH2は、セット位置情報J21と管理部品種情報J22と部品残数情報J23とを関連付けた情報である。セット位置情報J21は、パレット収容部22の第1マガジン221及び第2マガジン222に配置された第1及び第2支持部221A,222Aの各々の、パレット収容部22内での位置を表す情報である。セット位置情報J21は、制御装置30の記憶部32に記憶された基板情報JH1におけるセット位置情報J13と同様に、各第1及び第2支持部221A,222Aに対応して、+Z側から-Z側に向かって順番に、セット位置情報J21として「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」、「S06」、「S07」、「S08」、「S09」、「S10」が割り当てられている。
部品管理装置50の記憶部52に記憶されている部品管理情報JH2は、現在の実際の状態を示している。すなわち、部品管理情報JH2では、セット位置を示すセット位置情報J21ごとに、現在セットされている部品種を示す管理部品種情報J22と、その残数を示す部品残数情報J23とが関連付けられている。現在の実際の状態を示す部品管理情報JH2が確実に記憶部52に記憶されるように、パレットにトレイを設置した際に、パレットのバーコードとトレイのバーコードとのバーコードリーダ43を用いた読取操作が行われてパレットとトレイの部品種の紐付けをすると共に、このようにした補給パレットをパレット補給回収部23に補給したときにその補給パレットの部品種特定用バーコードBRの読取操作が行われるようにしている。このようにすることにより、間違って異なるパレットを補給することを防止でき、補給したパレットに保持される部品の部品種を正確に示す管理部品種情報J22が紐付けられた部品管理情報JH2とすることができる。いずれかの部品が部品切れになっても、部品管理情報JH2ではその部品を保持するパレットに紐付けられている管理部品種情報J22は変更されずに保持される。
管理部品種情報J22は、第1及び第2支持部221A,222Aの各々に支持されたパレット60に保持された管理対象の部品の部品種を特定するための情報である。管理部品種情報J22は、基板情報JH1における搭載部品種情報J12と同様に、部品を識別する識別情報や部品の名称を表す部品名情報などで示され、同種の部品には同じ部品種情報が付されている。管理部品種情報J22は、セット位置情報J21にて表されるセット位置の支持部221A,222Aに支持されるパレット60が異種の部品を保持したパレットに交換される毎に、書き換えられる。
部品残数情報J23は、第1及び第2支持部221A,222Aの各々に支持されたパレット60の部品残数を表す情報である。この部品残数情報J23は、ヘッドユニット14によって部品が取り出される毎に、更新される。また、部品残数情報J23は、セット位置情報J21にて表されるセット位置の支持部221A,222Aに対し、回収対象パレットと交換されるように補給パレットが装填される毎に、書き換えられる。
部品管理判定部53は、回収対象特定部364が回収対象パレットを特定する際に参照する部品管理判定情報を生成する。図12は、部品管理判定部53により生成される部品管理判定情報JH3を説明するための図である。部品管理判定部53が部品管理判定情報JH3を生成するに至るまでの部品管理判定処理について、制御装置30の回収対象特定部363による回収対象特定処理の動作も含めて、図13~図16を参照して以下に説明する。図13は、制御装置30の回収対象特定部364の動作を説明するための図である。図14は、回収対象特定部364により実行される回収対象特定処理を含む、制御装置30により実行されるパレット補給回収処理を示すフローチャートであり、図15は、回収対象特定処理を示すフローチャートである。図16は、部品管理装置50の部品管理判定部53により実行される部品管理判定処理を示すフローチャートである。
なお、図13に示す例では、部品管理装置50の記憶部52に記憶された部品管理情報JH2において、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S01」の第1支持部221Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PA」の部品が部品切れとなったパレット60Aが支持されていることが示されている。同様に、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S02」、「S03」、「S04」、「S05」の第1支持部221Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PA」の部品が保持されたパレット60が支持されていることが示されている。また、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S06」の第2支持部222Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PB」の部品が部品切れとなったパレット60Aが支持されていることが示されている。同様に、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S07」、「S08」、「S09」、「S10」の第2支持部222Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PB」の部品が保持されたパレット60が支持されていることが示されている。
更に、図13に示す例では、制御装置30の記憶部32に記憶された基板情報JH1において、基板品種情報J11にて表される基板品種の部品搭載基板の生産時に用いるパレットとして、セット位置情報J13にて表されるセット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」の第1支持部221Aに支持されたパレット60が登録されていることが示されている。つまり、基板情報JH1には、第1支持部221Aのセット位置を表す「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」が部品搭載基板の生産に用いられるセット位置として登録され(生産登録セット位置)、第2支持部222Aのセット位置を表す「S06」、「S07」、「S08」、「S09」、「S10」は登録されていない(生産未登録セット位置)。
前述したように、補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われた際に(図13参照)、回収対象特定部364の回収対象特定処理を含む、制御装置30のパレット補給回収処理が実行される。図13(A)に示す例では、補給パレット60Hには部品種「PA」の補給部品が保持されており、補給部品種情報JH0にて表される部品種は「PA」であることが示されている。また、図13(B)に示す例では、補給パレット60Hには部品種「PB」の補給部品が保持されており、補給部品種情報JH0にて表される部品種は「PB」であることが示されている。補給パレット60Hから読み取られた補給部品種情報JH0は、外部入出力部34により取得されて、制御装置30に入力される(図14のステップa1)。この補給部品種情報JH0は、通信部31を介して部品管理装置50に送信される(図14のステップa2)。
部品管理装置50は、制御装置30から送信された補給部品種情報JH0を受信する(図16のステップb1)と、部品管理判定処理を実行する。部品管理装置50において、部品管理判定部53は、受信された補給部品種情報JH0と、記憶部52に記憶された部品管理情報JH2とを照合し(図16のステップb2)、補給部品種情報JH0にて表される補給部品と同種の部品の存否を判定する(図16のステップb3)。部品管理判定部53は、部品管理情報JH2において、補給部品種情報JH0と一致する管理部品種情報J22が存在する場合、当該管理部品種情報J22にて表される部品種の部品が、補給部品種情報JH0にて表される補給部品と同種の部品であると判定する。
一方、補給部品種情報JH0と一致する管理部品種情報J22が存在しない場合、部品管理判定部53は、補給部品種情報JH0にて表される補給部品と同種の部品が存在しないと判定する。このとき、部品管理判定部53は、補給部品と同種の部品が存在しないことを警告するための第1警告情報を生成する。第1警告情報は、例えば、「読取操作された補給部品と同種の部品を保持したパレットは、パレット収容部に収容されていません。」等のメッセージ情報である。部品管理判定部53により生成された第1警告情報は、通信部51を介して制御装置30に送信される(図16のステップb31)。
制御装置30は、部品管理装置50から送信された第1警告情報を通信部31が受信したか否かを判定する(図14のステップa3)。第1警告情報が通信部31を介して受信されると、その第1警告情報は表示部33に表示される(図14のステップa31)。作業者は、表示部33に表示された第1警告情報を認識することにより、読取操作した補給パレット60Hと交換可能な回収対象パレットがパレット収容部22に収容されていないことを把握することができる。
補給部品種情報JH0と一致する管理部品種情報J22が存在する場合、部品管理判定部53は、部品管理情報JH2において管理部品種情報J22と関連付けられた部品残数情報J23に基づき、管理部品種情報J22にて表される部品が部品切れとなった部品切れパレットの存否を判定する(図16のステップb4)。この場合、補給部品種情報JH0と管理部品種情報J22とが一致しているので、補給部品種情報JH0にて表される補給部品と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットの存否を判定することになる。部品管理判定部53は、部品残数情報J23にて表される部品残数が「0:ゼロ」の場合、当該部品残数情報J23と関連付けられたセット位置情報J21にて表されるセット位置の支持部221A,222Aに支持されたパレットが、部品切れパレットであると判定する。図13(A)に示す例では、補給部品種情報JH0にて表される補給部品の部品種「PA」と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットとして、セット位置情報J21にて表されるセット位置が「S01」の第1支持部221Aに支持されたパレット60Aが特定される。同様に、図13(B)に示す例では、補給部品種情報JH0にて表される補給部品の部品種「PB」と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットとして、セット位置情報J21にて表されるセット位置が「S06」の第2支持部222Aに支持されたパレット60Aが特定される。
一方、部品管理情報JH2において、部品残数が「0:ゼロ」であることを示す部品残数情報J23が存在しない場合、部品管理判定部53は、部品切れパレットが存在しないと判定する。このとき、部品管理判定部53は、部品切れパレットが存在しないことを警告するための第2警告情報を生成する。第2警告情報は、例えば、「読取操作された補給部品と同種の部品が部品切れとなった部品切れパレットは、パレット収容部に収容されていません。」等のメッセージ情報である。部品管理判定部53により生成された第2警告情報は、通信部51を介して制御装置30に送信される(図16のステップb41)。
制御装置30は、部品管理装置50から送信された第2警告情報を通信部31が受信したか否かを判定する(図14のステップa4)。第2警告情報が通信部31を介して受信されると、その第2警告情報は表示部33に表示される(図14のステップa41)。作業者は、表示部33に表示された第2警告情報を認識することにより、読取操作した補給パレット60Hと交換可能な、部品切れパレットとしての回収対象パレットがパレット収容部22に収容されていないことを把握することができる。
部品管理情報JH2において、部品残数が「0:ゼロ」であることを示す部品残数情報J23が存在する場合、部品管理判定部53は、当該部品残数情報J23と関連付けられたセット位置情報J21にて表されるセット位置を注目セット位置として認識する。そして、部品管理判定部53は、注目セット位置のセット位置情報(注目セット位置情報J31)に対応した管理部品種情報J22を、当該注目セット位置情報J31と関連付けて部品管理判定情報JH3(図12)を生成する(図16のステップb5)。図13(A)に示す例では、部品管理判定情報JH3は、部品種「PA」を表す管理部品種情報J22と、注目セット位置「S01」を表す注目セット位置情報J31とが関連付けられた情報となる。同様に、図13(B)に示す例では、部品管理判定情報JH3は、部品種「PB」を表す管理部品種情報J22と、注目セット位置「S06」を表す注目セット位置情報J31とが関連付けられた情報となる。部品管理判定部53により生成された部品管理判定情報JH3は、通信部51を介して制御装置30に送信される(図16のステップb6)。
制御装置30は、部品管理装置50から送信された部品管理判定情報JH3を通信部31が受信したか否かを判定する(図14のステップa5)。部品管理判定情報JH3が通信部31を介して受信されると、回収対象特定部364は、回収対象特定処理を実行する(図14のステップa6)。回収対象特定処理において、回収対象特定部364は、記憶部32に記憶された基板情報JH1と、部品管理判定情報JH3とを照合する(図15のステップa61)。回収対象特定部364は、基板情報JH1と部品管理判定情報JH3との照合において、部品管理判定情報JH3の管理部品種情報J22及び注目セット位置情報J31と一致する搭載部品種情報J12及びセット位置情報J13がそれぞれ基板情報JH1に存在するか否かを判定する(図15のステップa62)。
部品管理判定情報JH3の注目セット位置情報J31と一致するセット位置情報J13が基板情報JH1に存在し、それに対応する(関連付けられた)搭載部品種情報J12が部品管理判定情報JH3の管理部品種情報J22と一致する場合、回収対象特定部364は、セット位置情報J13にて表されるセット位置の支持部221A,222Aに支持された部品切れパレットを、回収対象パレットとして特定する(図15のステップa63)。図13(A)に示す例では、注目セット位置情報J31にて表される注目セット位置「S01」と一致するセット位置「S01」を表すセット位置情報J13が基板情報JH1に存在し、それに対応する搭載部品種情報J12にて表される部品種「PA」が、補給部品種情報JH0と同一の管理部品種情報J22にて表される部品種「PA」と一致している。この場合、回収対象特定部364は、基板情報JH1のセット位置情報J13にて表されるセット位置「S01」の第1支持部221Aに支持された部品切れパレットを、回収対象パレット60Aとして特定する。
一方、管理部品種情報J22と一致する搭載部品種情報J12が基板情報JH1に存在しない場合、回収対象特定部364は、回収対象パレットを特定しない。図13(B)に示す例では、補給部品種情報JH0と同一の管理部品種情報J22にて表される部品種「PB」と一致する部品種を表す搭載部品種情報J12は、基板情報JH1には未登録であるので、回収対象特定部364は、回収対象パレットを特定しない。回収対象パレットを特定しなかった場合、回収対象特定部364は、部品搭載基板の生産上、補給パレット60Hと交換が必要な部品切れパレットがパレット収容部22に収容されていないことを警告するための第3警告情報を生成する。第3警告情報は、例えば、「読取操作された補給パレットと交換が必要な部品切れパレットは、パレット収容部に収容されていません。」等のメッセージ情報である。回収対象特定部364により生成された第3警告情報は、表示部33に表示される(図15のステップa621)。作業者は、表示部33に表示された第3警告情報を認識することにより、読取操作した補給パレット60Hと交換が必要な部品切れパレットがパレット収容部22に収容されていないことを把握することができる。なお、第3警告情報が出力される場合には、回収対象特定部364は回収対象パレットを特定せず、パレット収容部22に収容されているパレット60がパレット補給回収部23に回収されることはない。この場合、補給パレット60Hがパレット補給回収部23に補給されないように、パレット補給回収部23の第2扉体231が開かないようにロックしてもよい。
回収対象特定部364による回収対象特定処理が終了し、回収対象パレット60Aが特定されると、パレット移動処理部363は、パレット収容部22に収容されている回収対象パレット60Aをパレット補給回収部23へ移動させるパレット回収動作を、第2パレット移動部28に実行させる(図14のステップa7)。図13(A)に示す例では、第2パレット移動部28は、セット位置「S01」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aをパレット補給回収部23へ移動させるパレット回収動作を実行する。
部品供給装置2では、第2パレット移動部28によるパレット収容部22からパレット補給回収部23への回収対象パレット60Aの移動動作が行われた後に、パレット検知部41がパレットを検知すると、パレット補給回収部23に回収対象パレットが回収されたことを示す回収完了情報を、制御部40から制御装置30へ送信する。更に、部品供給装置2では、装填開始操作部232が操作されると、パレット補給回収部23に補給パレット60Hが補給され、その補給パレット60Hのパレット収容部22に対する装填開始が可能であることを示す装填開始可能情報を、制御部40から制御装置30へ送信する。
制御装置30は、部品供給装置2の制御部40から送信された回収完了情報及び装填開始可能情報を通信部31が受信したか否かを判定する(図14のステップa8,a9)。回収完了情報及び装填開始可能情報が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、回収対象パレット60Aの支持が解除された支持部221A,222Aに対し、パレット補給回収部23に補給された補給パレット60Hを移動させるパレット装填動作を、第2パレット移動部28に実行させる(図14のステップa10)。図13(A)に示す例では、第2パレット移動部28は、回収対象パレット60Aの支持が解除された、セット位置「S01」に配置された第1支持部221Aに、補給パレット60Hを移動させて装填するパレット装填動作を実行する。
以上説明したように、回収対象特定部364は、部品搭載基板の生産に使用される搭載部品が部品切れとなった部品切れパレットを、回収対象パレット60Aとして特定する。この回収対象パレット60Aが第2パレット移動部28によるパレット回収動作の実行によってパレット補給回収部23に回収された後、作業者は、補給部品種情報JH0の読取操作後の補給パレット60Hをパレット補給回収部23に補給する。これにより、部品切れとなった搭載部品と同種の補給部品を保持した補給パレット60Hが、第2パレット移動部28によるパレット装填動作の実行によってパレット収容部22に装填されることになる。このため、部品搭載基板の生産に使用される部品を保持したパレット60の供給停止を可及的に回避することができる。
<回収対象特定部により実行される回収対象特定処理の変形例>
上述の例では、図13に示されるように、回収対象特定部364は、基板情報JH1に登録されている生産登録セット位置に配置された支持部221A,222Aに支持されている部品切れパレットを、回収対象パレット60Aとして特定し、基板情報JH1に登録されていない生産未登録セット位置に配置された支持部221A,222Aに支持されているパレットについては特定対象外としていた。回収対象特定部364により実行される回収対象特定処理は、上述の例に限定されるものではなく、次のような変形例を採ることができる。図17は、回収対象特定部364の動作の変形例を説明するための図である。図18は、回収対象特定部364により実行される回収対象特定処理の変形例を示すフローチャートである。
なお、図17に示す例では、部品管理装置50の記憶部52に記憶された部品管理情報JH2において、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S01」の第1支持部221Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PA」の部品が部品切れとなったパレット60Aが支持されていることが示されている。同様に、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S02」、「S03」、「S04」、「S05」の第1支持部221Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PA」の部品が保持されたパレット60が支持されていることが示されている。また、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S06」の第2支持部222Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PB」の部品が部品切れとなったパレット60Aが支持されていることが示されている。同様に、セット位置情報J21にて表されるセット位置「S07」、「S08」、「S09」、「S10」の第2支持部222Aには、管理部品種情報J22にて表される部品種「PB」の部品が保持されたパレット60が支持されていることが示されている。
更に、図17に示す例では、制御装置30の記憶部32に記憶された基板情報JH1において、基板品種情報J11にて表される基板品種の部品搭載基板の生産時に用いるパレットとして、セット位置情報J13にて表されるセット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」の第1支持部221Aに支持されたパレット60が登録されていることが示されている。つまり、基板情報JH1には、第1支持部221Aのセット位置を表す「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」が部品搭載基板の生産に用いられるセット位置として登録され(生産登録セット位置)、第2支持部222Aのセット位置を表す「S06」、「S07」、「S08」、「S09」、「S10」は登録されていない(生産未登録セット位置)。
補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われた際に、回収対象特定部364の回収対象特定処理が実行される。図17(A)に示す例では、補給パレット60Hには部品種「PA」の補給部品が保持されており、補給部品種情報JH0にて表される部品種は「PA」であることが示されている。また、図17(B)に示す例では、補給パレット60Hには部品種「PB」の補給部品が保持されており、補給部品種情報JH0にて表される部品種は「PB」であることが示されている。
前述したように、補給パレット60Hから読み取られた補給部品種情報JH0は、外部入出力部34により取得されて制御装置30に入力され、通信部31を介して部品管理装置50に送信される。補給部品種情報JH0を受信した部品管理装置50において、部品管理判定部53は、前述の図16に示される部品管理判定処理を実行し、補給部品種情報JH0と一致する管理部品種情報J22と、注目セット位置情報J31とを関連付けた部品管理判定情報JH3を生成する。図17(A)に示す例では、部品管理判定情報JH3は、部品種「PA」を表す管理部品種情報J22と、注目セット位置「S01」を表す注目セット位置情報J31とが関連付けられた情報となる。同様に、図17(B)に示す例では、部品管理判定情報JH3は、部品種「PB」を表す管理部品種情報J22と、注目セット位置「S06」を表す注目セット位置情報J31とが関連付けられた情報となる。部品管理判定部53により生成された部品管理判定情報JH3は、通信部51を介して制御装置30に送信される。部品管理判定情報JH3を受信した制御装置30において、回収対象特定部364は、図18に示す回収対象特定処理a6Aを実行する。
回収対象特定処理a6Aにおいて、回収対象特定部364は、記憶部32に記憶された基板情報JH1と、部品管理判定情報JH3とを照合する(図18のステップa61A)。回収対象特定部364は、基板情報JH1と部品管理判定情報JH3との照合において、部品管理判定情報JH3の管理部品種情報J22及び注目セット位置情報J31と一致する搭載部品種情報J12及びセット位置情報J13がそれぞれ基板情報JH1に存在するか否かを判定する(図18のステップa62A)。
部品管理判定情報JH3の注目セット位置情報J31と一致するセット位置情報J13が基板情報JH1に存在し、それに対応する(関連付けられた)搭載部品種情報J12が部品管理判定情報JH3の管理部品種情報J22と一致する場合、回収対象特定部364は、セット位置情報J13にて表されるセット位置の支持部221A,222Aに支持された部品切れパレットを、回収対象パレットとして特定する(図18のステップa63A)。図17(A)に示す例では、注目セット位置情報J31にて表される注目セット位置「S01」と一致するセット位置「S01」を表すセット位置情報J13が基板情報JH1に存在し、それに対応する搭載部品種情報J12にて表される部品種「PA」が、補給部品種情報JH0と同一の管理部品種情報J22にて表される部品種「PA」と一致している。この場合、回収対象特定部364は、基板情報JH1のセット位置情報J13にて表されるセット位置「S01」の第1支持部221Aに支持された部品切れパレットを、回収対象パレット60Aとして特定する。
一方、管理部品種情報J22と一致する搭載部品種情報J12が基板情報JH1に存在しない場合、回収対象特定部364は、補給部品種情報JH0にて表される補給部品が基板情報JH1に未登録であるか否かを判定する(図18のステップa64A)。具体的には、注目セット位置情報J31と一致するセット位置情報J13が基板情報JH1に存在するけれども、それに対応する(関連付けられた)搭載部品種情報J12が空欄とされていた場合、回収対象特定部364は、管理部品種情報J22と同一の補給部品種情報JH0にて表される補給部品が基板情報JH1に未登録の部品であると判定する。図10に示す基板情報JH1及び図12に示す部品管理判定情報JH3の例では、部品管理判定情報JH3の注目セット位置情報J31にて表される注目セット位置「S06」と一致するセット位置「S06」を表すセット位置情報J13が基板情報JH1に存在しているけれども、それに対応する(関連付けられた)搭載部品種情報J12が空欄とされ、部品管理判定情報JH3の管理部品種情報J22にて表される部品種「PB」と一致していない。この場合、回収対象特定部364は、補給部品が基板情報JH1に未登録の部品であると判定し、注目セット位置情報J31と一致するセット位置情報J13にて表されるセット位置の支持部221A,222Aに支持された部品切れパレットを、回収対象パレットとして特定する(図18のステップa63A)。図17(B)に示す例では、補給部品種情報JH0にて表される部品種「PB」の補給部品は基板情報JH1に未登録である。この場合、回収対象特定部364は、注目セット位置情報J31にて表される注目セット位置「S06」の第2支持部222Aに支持された部品切れパレットを、回収対象パレット60Aとして特定する。
一方、基板情報JH1において、注目セット位置情報J31と一致するセット位置情報J13に関連付けられた搭載部品種情報J12が存在し、その搭載部品種情報J12が管理部品種情報J22と一致しない場合、回収対象特定部364は、基板情報JH1の搭載部品種情報J12にて表される部品種が、補給部品種情報JH0と同一の管理部品種情報J22にて表される部品種とは異なると認識する。この場合、回収対象特定部364は、補給パレット60Hのパレット収容部22に対する装填が不許可であることを示す第4警告情報を生成する。第4警告情報は、例えば、「読取操作された補給パレットの装填はできません。」等のメッセージ情報である。回収対象特定部364により生成された第4警告情報は、表示部33に表示される(図18のステップa65A)。作業者は、表示部33に表示された第4警告情報を認識することにより、読取操作した補給パレット60Hのパレット収容部22に対する装填が不許可であることを把握することができる。
第4警告情報が出力される場合としては、例えば、補給パレットを補給しようとしたときには、その部品種を使用する基板品種の生産が終了して、異なる基板品種の基板を生産すべく、基板情報JH1が切り替えられている場合がある。すなわち、第4警告情報が出力される場合としては、切り替えた基板情報JH1では切り替え前の基板品種の基板情報でその補給パレットを装填するはずのセット位置情報には異なる搭載部品種情報が関連付けられている場合が考えられる。なお、第4警告情報が出力される場合には、回収対象特定部364は回収対象パレットを特定せず、パレット収容部22に収容されているパレット60がパレット補給回収部23に回収されることはない。この場合、補給パレット60Hがパレット補給回収部23に補給されないように、パレット補給回収部23の第2扉体231が開かないようにロックしてもよい。
以上説明したように、変形例に係る回収対象特定処理a6Aにおいて、回収対象特定部364は、基板情報JH1において補給部品種情報JH0と一致する搭載部品種情報J12が存在せず、補給部品種情報JH0にて表される部品種の補給部品が基板情報JH1に未登録の部品である場合、補給部品と同種の未登録の部品が部品切れとなった部品切れパレットを、回収対象パレット60Aとして特定する。この回収対象パレット60Aが第2パレット移動部28によるパレット回収動作の実行によってパレット補給回収部23に回収された後、作業者は、補給部品種情報JH0の読取操作後の補給パレット60Hをパレット補給回収部23に補給する。この補給パレット60Hは、部品切れとなった未登録の部品と同種の部品、すなわち、部品搭載基板の生産に使用されていない部品を保持したパレットである。つまり、作業者は、現在の基板生産には使用されないけれども、次の基板生産に使用されるような補給パレット60Hを、事前に補給することができる。
[第2実施形態に係る部品実装システムの全体構成]
図19は、本発明の第2実施形態に係る部品実装システム100Aの構成を概略的に示す図である。第2実施形態に係る部品実装システム100Aは、前述の第1実施形態に係る部品実装システム100と同様に、部品実装機1と、制御装置30と、部品管理装置50とを備える。第2実施形態に係る部品実装システム100Aは、更に生産管理装置55を備えることを特徴としている。部品実装システム100Aにおいて、部品管理装置50及び生産管理装置55は、制御装置30とデータ通信可能に接続されている。
生産管理装置55は、部品実装機1による部品搭載基板の生産に関する生産計画を管理する装置である。生産管理装置55は、図20のブロック図に示されるように、バス55Aを介して接続された、通信部56、記憶部57、生産管理判定部58及び選定部59を含む。通信部56は、制御装置30の通信部31とデータ通信を行うインターフェースである。
生産管理装置55の記憶部57は、図21に示す生産計画情報JH4を記憶する。生産計画情報JH4は、部品実装機1による部品搭載基板の生産に関する生産計画を表す情報である。生産計画情報JH4は、生産順序情報J41、基板品種情報J42、生産数情報J43、部品種情報J44、セット位置情報J45、部品保持数情報J46、部品必要数情報J47、サイクルタイム情報J48、及び部品使用期限情報J49が関連付けられた情報である。
生産順序情報J41は、部品搭載基板の生産順序を表す情報である。基板品種情報J42は、部品搭載基板の生産に供される基板Pの品種を表す情報である。生産数情報J43は、基板品種ごとの部品搭載基板の生産数を表す情報である。
部品種情報J44は、部品搭載基板の生産に使用される部品の部品種を特定するための情報である。部品種情報J44は、部品を識別する識別情報や部品の名称を表す部品名情報などで示され、同種の部品には同じ部品種情報が付されている。セット位置情報J45は、部品種情報J44にて表される部品を保持したパレット60を支持する支持部221A,222Aの、パレット収容部22内での位置を表す情報である。部品保持数情報J46は、1枚のパレット60に載置されたトレイ61において保持することが可能な部品の全数を表す情報である。部品必要数情報J47は、1枚の部品搭載基板の生産に必要な部品の必要数(数/枚)を表す情報である。サイクルタイム情報J48は、1枚の部品搭載基板の生産時における部品の搭載に要する時間(秒/枚)を表す情報である。部品使用期限情報J49は、部品ごとに予め設定された使用期限を表す情報である。
生産管理装置55には、制御装置30から送信された回収対象特定情報JH5(図22)が通信部56を介して入力される。回収対象特定情報JH5は、制御装置30の回収対象特定部364により特定された回収対象パレット60Aに関する情報である。回収対象特定情報JH5は、回収対象パレット60Aに保持されていた部品の部品種を特定するための部品種情報J51と、回収対象パレット60Aを支持する支持部221A,222Aのセット位置を表す回収対象セット位置情報J52とを関連付けた情報である。
生産管理判定部58は、回収対象特定情報JH5の回収対象セット位置情報J52にて表されるセット位置に配置された支持部221A,222Aに支持された回収対象パレット60Aの回収を許可するか否かを、生産計画情報JH4に基づき判定する回収判定処理を実行する。
生産管理判定部58により実行される回収判定処理の詳細について、制御装置30により実行されるパレット補給回収処理も含めて、図23~図26を参照して以下に説明する。図23は、生産管理判定部58の動作を説明するための図である。図24は、生産管理判定部58により生成される第1回収判定情報JH6を説明するための図である。図25は、制御装置30により実行されるパレット補給回収処理を示すフローチャートである。図26は、生産管理判定部58により実行される回収判定処理を示すフローチャートである。
前述したように、補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われた際に(図23参照)、制御装置30の回収対象特定部364は、回収対象特定処理を実行し(図25のステップc1)、回収対象パレット60Aを特定する(図25のステップc2)。回収対象特定部364は、回収対象パレット60Aの特定結果を表す回収対象特定情報JH5を生成する。回収対象特定部364により生成された回収対象特定情報JH5は、制御装置30から生産管理装置55へ送信される(図25のステップc3)。図23に示す例では、回収対象パレット60Aを支持する支持部221A,222Aのセット位置として「S01」、「S02」、「S03」、「S04」が登録された回収対象セット位置情報J52を含む回収対象特定情報JH5が、回収対象特定部364により生成されたことが示されている。つまり、図23に示す例では、回収対象特定部364により特定された回収対象パレット60Aが複数存在している。
生産管理装置55において、通信部56が回収対象特定情報JH5を受信すると(図26のステップd1)、生産管理判定部58は、第1判定処理を実行する(図26のステップd2)。第1判定処理において生産管理判定部58は、生産計画情報JH4に基づき、部品搭載基板の生産に応じて必要となる補給パレット60Hの必要数を算出する(図26のステップd3)。具体的には、生産管理判定部58は、下記式(1)に従って補給パレット60Hの必要数を算出する。
NX=(NA-NB)/NC ・・・(1)
上記式(1)において、「NX」は、1つの基板品種の部品搭載基板の全数を生産するために必要な補給パレット60Hの必要数を表す。「NA」は、1つの基板品種の部品搭載基板の全数を生産するために必要な部品数の全数を部品種ごとに表す。「NA」は、生産計画情報JH4の部品必要数情報J47にて表される部品必要数と、生産数情報J43にて表される生産数とを乗算することにより求められる。「NB」は、パレット収容部22内に収容される全てのパレット60に保持された部品の部品残数の合計値を部品種ごとに表す。「NB」は、部品管理情報JH2の部品残数情報J23にて表される部品残数に基づき求められる。「NC」は、1枚のパレット60に載置されたトレイ61において保持することが可能な部品の全数を部品種ごとに表す。「NC」は、生産計画情報JH4の部品保持数情報J46にて表される保持数に基づき求められる。
なお、上記式(1)に従って補給パレット60Hの必要数を算出したときに割り切れなかった場合には、生産管理判定部58は、小数点以下を切り上げる処理を行って、補給パレット60Hの必要数を算出する。
補給パレット60Hの必要数を算出すると、生産管理判定部58は、当該必要数を参照することにより、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレット60Aの回収許可又は回収不許可を判定する(図26のステップd4)。生産管理判定部58は、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレット60Aにおいて、算出した前記必要数に対応した数の回収対象パレット60Aの回収を許可し、前記必要数の超過分の回収対象パレット60Aの回収を不許可とする。図23に示す例では、生産管理判定部58は、補給パレット60Hの必要数として「2」を算出している。そして、生産管理判定部58は、回収対象特定情報JH5の回収対象セット位置情報J52にて表されるセット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」に配置された各第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aのうち、前記必要数「2」と同数の2つのセット位置「S01」、「S02」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、回収許可を判定している。一方、前記必要数「2」の超過分に相当する、セット位置「S03」、「S04」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、生産管理判定部58は、回収不許可を判定している。
回収対象パレット60Aの回収許可又は回収不許可を判定する第1判定処理が終了すると、生産管理判定部58は、判定結果を表す第1回収判定情報JH6(図24)を生成する(図26のステップd5)。第1回収判定情報JH6は、回収対象特定情報JH5に含まれている部品種情報J51及び回収対象セット位置情報J52に、生産管理判定部58による判定結果を表す判定結果情報J61が付加された情報である。生産管理判定部58により生成された第1回収判定情報JH6は、通信部56を介して制御装置30に送信される(図26のステップd6)。
制御装置30は、生産管理装置55から送信された第1回収判定情報JH6を通信部31が受信したか否かを判定する(図25のステップc4)。第1回収判定情報JH6が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、当該第1回収判定情報JH6に基づき、判定結果情報J61に応じたパレット回収動作を、第2パレット移動部28に実行させる(図25のステップc5)。図23に示す例では、第2パレット移動部28は、セット位置「S01」、「S02」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aを1枚ずつパレット補給回収部23へ移動させるパレット回収動作を実行する。
次に、制御装置30は、部品供給装置2の制御部40から送信された回収完了情報及び装填開始可能情報を通信部31が受信したか否かを判定する(図25のステップc6,c7)。回収完了情報及び装填開始可能情報が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、回収対象パレット60Aの支持が解除された支持部221A,222Aに対し、パレット補給回収部23に補給された補給パレット60Hを移動させるパレット装填動作を、第2パレット移動部28に実行させる(図25のステップc8)。図23に示す例では、第2パレット移動部28は、回収対象パレット60Aの支持が解除された、セット位置「S01」、「S02」に配置された第1支持部221Aに、補給パレット60Hを移動させて装填するパレット装填動作を実行する。
以上説明したように、生産管理判定部58は、1つの基板品種の部品搭載基板の全数を生産するために必要な補給パレット60Hの必要数に基づき、回収対象パレット60Aのパレット補給回収部23への回収の許可又は不許可を判定する。これにより、部品搭載基板の生産計画上、不要な回収対象パレット60Aの回収や補給パレット60Hの補給が行われることを可及的に回避することができる。
<生産管理判定部により実行される回収判定処理の変形例>
上述の例では、図23に示されるように、生産管理判定部58は、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレット60Aにおいて、算出した補給パレット60Hの必要数に対応した数の回収対象パレット60Aの回収を許可し、前記必要数の超過分の回収対象パレット60Aの回収を不許可とする判定を行っていた。生産管理判定部58により実行される回収判定処理は、上述の例に限定されるものではなく、次のような第1変形例、第2変形例及び第3変形例を採ることができる。
(回収判定処理の第1変形例)
図27は、生産管理判定部58の動作の第1変形例を説明するための図である。図28は、生産管理装置55に入力される回収対象特定情報JH5Aと、生産管理判定部58により生成される第2回収判定情報JH7とを説明するための図である。図29は、生産管理判定部58により実行される回収判定処理の第1変形例を示すフローチャートである。
前述したように、補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われた際に、制御装置30の回収対象特定部364は、回収対象特定処理を実行して回収対象パレット60Aを特定し、その特定結果を表す回収対象特定情報JH5Aを生成する。図27及び図28(A)に示す例では、回収対象パレット60Aを支持する支持部221A,222Aのセット位置として「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S06」、「S07」が登録された回収対象セット位置情報J52を含む回収対象特定情報JH5Aが、回収対象特定部364により生成されたことが示されている。
生産管理装置55において、通信部56が回収対象特定情報JH5Aを受信すると(図29のステップe1)、生産管理判定部58は、生産計画情報JH4に基づき、現在進行中の第1基板品種の生産に関する判定処理を実行する(図29のステップe2)。生産管理判定部58は、生産計画情報JH4に基づき、第1基板品種の生産中において必要となる補給パレット60Hの必要数を、上記式(1)に従って算出する(図29のステップe3)。
第1基板品種の生産中において必要な補給パレット60Hの必要数を算出すると、生産管理判定部58は、当該必要数を参照することにより、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレット60Aの回収許可又は回収不許可を判定する(図29のステップe4)。生産管理判定部58は、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレット60Aにおいて、算出した前記必要数に対応した数の回収対象パレット60Aの回収を許可し、前記必要数の超過分の回収対象パレット60Aの回収を不許可とする。図27に示す例では、第1基板品種の生産に関する判定処理において、生産管理判定部58は、回収対象特定情報JH5Aの回収対象セット位置情報J52にて表されるセット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S06」、「S07」に配置された各支持部221A,222Aに支持された回収対象パレット60Aのうち、セット位置「S01」、「S02」、「S06」に配置された支持部221A,222Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、回収許可を判定している。一方、セット位置「S03」、「S04」、「S07」に配置された各支持部221A,222Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、生産管理判定部58は、回収不許可を判定している。
次に、生産管理判定部58は、第1基板品種の生産に関する判定処理において、回収不許可の注目パレットが存在するか否かを判定する(図29のステップe5)。生産管理判定部58は、注目パレットが存在しない場合には図29のステップe10に処理を移行し、注目パレットが存在する場合には図29のステップe6に処理を移行する。図27に示す例では、生産管理判定部58は、第1基板品種の生産に関する判定処理における回収不許可の注目パレットとして、セット位置「S03」、「S04」、「S07」に配置された各支持部221A,222Aに支持された回収対象パレット60Aの存在を認識している。
第1基板品種の生産に関する判定処理において、回収不許可の注目パレットが存在することを認識すると、生産管理判定部58は、生産計画情報JH4の第2基板品種以降の生産計画に基づく判定処理を実行する(図29のステップe6)。まず、生産管理判定部58は、第2基板品種以降の生産開始時における、パレット収容部22内に収容される全てのパレット60に保持される部品の予想部品残数の合計値を部品種ごとに算出する(図29のステップe7)。そして、生産管理判定部58は、上記式(1)の「NB」として算出した予想部品残数を代入することにより、第2基板品種以降の生産計画上、注目パレットのセット位置に対応して必要となる補給パレット60Hの必要数を算出する(図29のステップe8)。
第2基板品種以降の生産計画上、必要となる補給パレット60Hの必要数を算出すると、生産管理判定部58は、当該必要数を参照することにより、第1基板品種の生産に関する判定処理において回収不許可と判定した注目パレットについて、回収許可又は回収不許可を判定する(図29のステップe9)。
図27に示す例では、第1基板品種の生産に関する判定処理において回収不許可とされた注目パレットを支持するセット位置「S03」の第1支持部221Aは、第2基板品種の生産計画上では生産登録セット位置に対応した支持部であって、注目パレットに保持されていた部品「PA」と同種の部品「PA」を保持したパレット60を支持するように計画されている。この場合、生産管理判定部58は、セット位置「S03」の第1支持部221Aに支持された注目パレットについては、第2基板品種の生産計画上、第1基板品種の生産中における回収を許可する。
また、第1基板品種の生産に関する判定処理において回収不許可とされた注目パレットを支持するセット位置「S04」の第1支持部221Aは、第2基板品種の生産計画上では生産未登録セット位置に対応した支持部であって、第2基板品種の生産時に用いられる基板情報には部品が未登録の生産未登録パレット60Bを支持するように計画されている。更に、セット位置「S04」の第1支持部221Aは、第3基板品種の生産計画上では生産登録セット位置に対応した支持部であって、注目パレットに保持されていた部品「PA」と同種の部品「PA」を保持したパレット60を支持するように計画されている。この場合、生産管理判定部58は、セット位置「S04」の第1支持部221Aに支持された注目パレットについては、第3基板品種の生産計画上、第1基板品種の生産中における回収を許可する。
また、第1基板品種の生産に関する判定処理において回収不許可とされた注目パレットを支持するセット位置「S07」の第2支持部222Aは、第2基板品種の生産計画上では生産登録セット位置に対応した支持部であって、注目パレットに保持されていた部品「PB」とは異種の部品「PA」を保持したパレット60を支持するように計画されている。この場合、生産管理判定部58は、セット位置「S07」の第2支持部222Aに支持された注目パレットについては、第2基板品種以降の生産計画を考慮したとしても、第1基板品種の生産中における回収を不許可とする。
第1基板品種の生産に関する判定処理において回収不許可とされた注目パレットに対する、第2基板品種以降の生産計画に基づく回収許可又は回収不許可を判定する判定処理が終了すると、生産管理判定部58は、判定結果を表す第2回収判定情報JH7(図28(B))を生成する(図29のステップe10)。第2回収判定情報JH7は、回収対象特定情報JH5Aに含まれている部品種情報J51及び回収対象セット位置情報J52に、生産管理判定部58による、第1基板品種及び第2基板品種以降の生産に関する判定処理の判定結果を表す判定結果情報J71が付加された情報である。生産管理判定部58により生成された第2回収判定情報JH7は、通信部56を介して制御装置30に送信される(図29のステップe11)。
制御装置30において、第2回収判定情報JH7が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、当該第2回収判定情報JH7に基づき、判定結果情報J71に応じたパレット回収動作を、第2パレット移動部28に実行させる。更にパレット移動処理部363は、パレット回収動作後において、パレット補給回収部23に補給された補給パレット60Hをパレット収容部22に移動させるパレット装填動作を、第2パレット移動部28に実行させる。
以上説明したように、生産管理判定部58は、回収対象パレット60Aのパレット補給回収部23への回収の許可又は不許可を判定する際に、第1基板品種の生産に関する判定処理に加えて、第2基板品種以降の生産計画に基づく判定処理をも実行する。これにより、第1基板品種の生産中において不要な回収対象パレット60Aの回収や補給パレット60Hの補給が行われることを可及的に回避することができるとともに、第2基板品種の生産計画上必要とされる補給パレット60Hを、事前に補給することができる。
(回収判定処理の第2変形例)
図30は、生産管理判定部58の動作の第2変形例を説明するための図である。図31は、生産管理装置55に入力される回収対象特定情報JH5Bと、生産管理判定部58により生成される第3回収判定情報JH8とを説明するための図である。図32は、生産管理判定部58により実行される回収判定処理の第2変形例を示すフローチャートである。
前述したように、補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われた際に、制御装置30の回収対象特定部364は、回収対象特定処理を実行して回収対象パレット60Aを特定し、その特定結果を表す回収対象特定情報JH5Bを生成する。図30及び図31(A)に示す例では、回収対象パレット60Aを支持する第1支持部221Aのセット位置として「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」が登録された回収対象セット位置情報J52を含む回収対象特定情報JH5Bが、回収対象特定部364により生成されたことが示されている。なお、図30に示すように、補給部品種情報JH0にて表される補給部品の部品種は「PA」であり、セット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」の第1支持部221Aには、第1基板品種の生産時に用いられる基板情報JH1には部品が未登録の生産未登録パレット60Bが支持されている。
生産管理装置55において、通信部56が回収対象特定情報JH5Bを受信すると(図32のステップf1)、生産管理判定部58は、回収対象特定部364により特定された回収対象が生産未登録パレット60Bであることを認識する(図32のステップf2)。回収対象が生産未登録パレット60Bであることを認識すると、生産管理判定部58は、生産計画情報JH4の第2基板品種以降の生産計画に基づく判定処理を実行する(図32のステップf3)。まず、生産管理判定部58は、第2基板品種以降の生産計画上、生産未登録パレット60Bのセット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」、「S05」に対応した補給パレット60Hの必要数を算出する(図32のステップf4)。
生産未登録パレット60Bのセット位置に対応した補給パレット60Hの必要数を算出すると、生産管理判定部58は、当該必要数を参照することにより、生産未登録パレット60Bの回収許可又は回収不許可を判定する(図32のステップf5)。
図30に示す例では、生産未登録パレット60Bを支持するセット位置「S01」の第1支持部221Aは、第2基板品種の生産計画上では生産未登録セット位置に対応した支持部であって、第2基板品種の生産時に用いられる基板情報には部品が未登録の生産未登録パレット60Bを支持するように計画されている。更に、セット位置「S01」の第1支持部221Aは、第3基板品種の生産計画上では生産登録セット位置に対応した支持部であって、補給部品種情報JH0にて表される部品「PA」と同種の部品「PA」を保持したパレット60を支持するように計画されている。この場合、生産管理判定部58は、セット位置「S01」の第1支持部221Aに支持された生産未登録パレット60Bについては、第3基板品種の生産計画上、第1基板品種の生産中における回収を許可する。
また、生産未登録パレット60Bを支持するセット位置「S02」、「S03」、「S04」の第1支持部221Aは、第2基板品種の生産計画上では生産登録セット位置に対応した支持部であって、補給部品種情報JH0にて表される部品「PA」と同種の部品「PA」を保持したパレット60を支持するように計画されている。この場合、生産管理判定部58は、セット位置「S02」、「S03」、「S04」の第1支持部221Aに支持された生産未登録パレット60Bについては、第2基板品種の生産計画上、第1基板品種の生産中における回収を許可する。
また、生産未登録パレット60Bを支持するセット位置「S05」の第1支持部221Aは、第2基板品種の生産計画上では生産登録セット位置に対応した支持部であって、補給部品種情報JH0にて表される部品「PA」とは異種の部品「PB」を保持したパレット60を支持するように計画されている。この場合、生産管理判定部58は、セット位置「S05」の第1支持部221Aに支持された生産未登録パレット60Bについては、第2基板品種以降の生産計画を考慮したとしても、第1基板品種の生産中における回収を不許可とする。
生産未登録パレット60Bに対する第2基板品種以降の生産計画に基づく回収許可又は回収不許可を判定する判定処理が終了すると、生産管理判定部58は、判定結果を表す第3回収判定情報JH8(図31(B))を生成する(図32のステップf6)。第3回収判定情報JH8は、「生産未登録パレット」を表すパレット種情報J81と、回収対象セット位置情報J52と、生産管理判定部58による判定処理の判定結果を表す判定結果情報J82とが関連付けられた情報である。生産管理判定部58により生成された第3回収判定情報JH8は、通信部56を介して制御装置30に送信される(図32のステップf7)。
制御装置30において、第3回収判定情報JH8が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、当該第3回収判定情報JH8に基づき、判定結果情報J82に応じたパレット回収動作を、第2パレット移動部28に実行させる。更にパレット移動処理部363は、パレット回収動作後において、パレット補給回収部23に補給された補給パレット60Hをパレット収容部22に移動させるパレット装填動作を、第2パレット移動部28に実行させる。
以上説明したように、生産管理判定部58は、生産未登録パレット60Bのパレット補給回収部23への回収の許可又は不許可を判定する。これにより、第1基板品種の生産中において、生産未登録パレット60Bの回収を行うことができる。
(回収判定処理の第3変形例)
図33は、生産管理判定部58の動作の第3変形例を説明するための図である。図34は、生産管理装置55に入力される回収対象特定情報JH5Cと、生産管理判定部58により生成される第4回収判定情報JH9とを説明するための図である。図35は、生産管理判定部58により実行される回収判定処理の第3変形例を示すフローチャートである。
前述したように、補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われた際に、制御装置30の回収対象特定部364は、回収対象特定処理を実行して回収対象パレット60Aを特定し、その特定結果を表す回収対象特定情報JH5Cを生成する。図33及び図34(A)に示す例では、回収対象パレット60Aを支持する支持部221A,222Aのセット位置として「S01」、「S02」、「S03」、「S04」が登録された回収対象セット位置情報J52を含む回収対象特定情報JH5Cが、回収対象特定部364により生成されたことが示されている。
生産管理装置55において、通信部56が回収対象特定情報JH5Cを受信すると(図35のステップg1)、生産管理判定部58は、第1判定処理を実行する(図35のステップg2)。第1判定処理において生産管理判定部58は、生産計画情報JH4に基づき上記式(1)に従って、部品搭載基板の生産に応じて必要となる補給パレット60Hの必要数を算出する(図35のステップg3)。
補給パレット60Hの必要数を算出すると、生産管理判定部58は、当該必要数を参照することにより、回収対象特定部364によって特定された回収対象パレット60Aの回収許可又は回収不許可を判定する(図35のステップg4)。図33に示す例では、生産管理判定部58は、回収対象特定情報JH5Cの回収対象セット位置情報J52にて表されるセット位置「S01」、「S02」、「S03」、「S04」に配置された各第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aのうち、セット位置「S01」、「S02」、「S03」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、回収許可を判定している。一方、セット位置「S04」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、生産管理判定部58は、回収不許可を判定している。
次に、生産管理判定部58は、第2判定処理を実行する(図35のステップg5)。第2判定処理において生産管理判定部58は、生産計画情報JH4に基づいて、補給パレット60Hに保持された補給部品がヘッドユニット14に取り出されて使用が開始される使用開始時刻を推定する(図35のステップg6)。生産管理判定部58は、第1判定処理にて回収許可であると判定した回収対象パレット60Aの回収後の支持部221A,222Aに対して、補給パレット60Hが装填される場合を想定して、前記補給部品の使用開始時刻を推定する。
そして、生産管理判定部58は、生産計画情報JH4の部品使用期限情報J49に基づき、推定した使用開始時刻において使用期限が期限切れとなる補給部品を判定する(図35のステップg7)。生産管理判定部58は、補給パレット60Hに保持された補給部品が使用開始時刻において期限切れとなる部品である場合には、当該補給パレット60Hの装填が想定される支持部221A,222Aに支持されている回収対象パレット60Aの回収を不許可とする判定を行う。図33に示す例では、生産管理判定部58は、第1判定処理において回収許可であると判定した、セット位置「S01」、「S02」、「S03」に配置された第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aのうち、セット位置「S03」の第1支持部221Aに支持された回収対象パレット60Aに対しては、部品の使用期限を考慮した第2判定処理において回収不許可を判定している。
第1判定処理及び第2判定処理が終了すると、生産管理判定部58は、判定結果を表す第4回収判定情報JH9(図34(B))を生成する(図35のステップg8)。第4回収判定情報JH9は、回収対象特定情報JH5Cに含まれている部品種情報J51及び回収対象セット位置情報J52に、生産管理判定部58による第1判定処理及び第2判定処理の判定結果を表す判定結果情報J91が付加された情報である。生産管理判定部58により生成された第4回収判定情報JH9は、通信部56を介して制御装置30に送信される(図35のステップg9)。
制御装置30において、第4回収判定情報JH9が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、当該第4回収判定情報JH9に基づき、判定結果情報J91に応じたパレット回収動作を、第2パレット移動部28に実行させる。更にパレット移動処理部363は、パレット回収動作後において、パレット補給回収部23に補給された補給パレット60Hをパレット収容部22に移動させるパレット装填動作を、第2パレット移動部28に実行させる。
以上説明したように、生産管理判定部58は、回収対象パレット60Aと交換されるように補給パレット60Hがパレット収容部22に装填される場合を想定して、補給パレット60Hに保持された補給部品の使用開始時刻を、生産計画情報JH4に基づき推定することができる。補給部品が推定の使用開始時刻において期限切れとなる部品である場合には、補給パレット60Hの補給部品種情報JH0の読取操作が行われたタイミングにおける、回収対象パレット60Aの回収が不許可とされる。これにより、使用開始時刻において期限切れとなる補給部品を保持した補給パレット60Hが、パレット収容部22に装填されることを回避することができる。
<生産管理装置の選定部について>
第2実施形態に係る部品実装システム100Aにおいて、生産管理装置55は、図20に示すように、選定部59を備えている。選定部59は、パレット収容部22に収容された複数のパレット60において、所定の期間内で未使用のパレットを、生産計画情報JH4に基づき選定する。この選定部59について、図36及び図37を参照して説明する。図36は、生産管理装置55の選定部59により実行される未使用パレット選定処理を示すフローチャートである。図37は、選定部59により生成される選定結果情報JH10を説明するための図である。
生産管理装置55は、制御装置30から送信された選定要求情報を受信する(図36のステップh1)。選定要求情報は、パレット収容部22に収容された複数のパレット60において、所定の期間内で未使用のパレットを選定する要求を表す情報である。制御装置30から生産管理装置55へ選定要求情報を送信するタイミングは、例えば、次の4つのタイミングの何れかより選択される。第1のタイミングは、補給パレット60Hに対するバーコードリーダ43を用いた補給部品種情報JH0の読取操作が作業者によって行われ、制御装置30において外部入出力部34が当該補給部品種情報JH0を取得したタイミングである。第2のタイミングは、部品供給装置2の制御部40から送信される、パレット補給回収部23に回収対象パレット60Aが回収されたことを示す回収完了情報を、制御装置30において通信部31が受信したタイミングである。第3のタイミングは、部品供給装置2の制御部40から送信される、装填開始操作部232の操作によってパレット補給回収部23からパレット収容部22への補給パレット60Hの装填開始が可能であることを示す装填開始可能情報を、制御装置30において通信部31が受信したタイミングである。第4のタイミングは、1つの基板品種の部品搭載基板の生産が完了したタイミングである。
生産管理装置55において、通信部56が選定要求情報を受信すると、選定部59は、未使用パレットの選定処理を実行する(図36のステップh2)。選定部59は、生産計画情報JH4に基づき、パレット収容部22に収容される全てのパレット60の中から、所定の期間内で未使用のパレットを選定する。
未使用パレットの選定処理が終了すると、選定部59は、選定結果を表す選定結果情報JH10(図37)を生成する(図36のステップh3)。選定結果情報JH10は、未使用パレットに保持された部品の部品種を表す部品種情報J101と、未使用パレットを支持する支持部221A,222Aのパレット収容部22内での位置を表す未使用パレットセット位置情報J102とを関連付けた情報である。選定部59により生成された選定結果情報JH10は、通信部56を介して制御装置30に送信される(図36のステップh4)。
制御装置30において、選定結果情報JH10が通信部31を介して受信されると、パレット移動処理部363は、当該選定結果情報JH10に基づき、未使用パレットをパレット補給回収部23へ移動させる動作を、第2パレット移動部28に実行させる。第2パレット移動部28は、選定結果情報JH10の未使用パレットセット位置情報J102にて表されるセット位置に配置された支持部221A,222Aに支持された未使用パレットを、パレット補給回収部23へ1枚ずつ移動させる。
以上説明したように、生産計画情報JH4に基づき選定部59により選定された未使用パレットは、パレット収容部22からパレット補給回収部23へ移動されて回収される。これにより、パレット収容部22において、補給パレット60Hの装填が可能な支持部221A,222Aを増やすことができるため、部品搭載基板の生産に必要な補給パレット60Hを効率よくパレット収容部22に装填することができる。また、パレット補給回収部23に回収された未使用パレットに保持された部品の寿命を延長させる処置を施すことができる。
なお、本実施形態では、パレット補給回収部23は1箇所であり、補給しようとする補給パレットのセットをするために載置する位置に回収されたパレットが移載されるが、パレット補給部とパレット回収部を別の位置に夫々個別に設けてもよい。例えば図3にて、パレット補給回収部23の下側に同様の機構を有するパレット回収部を設けて、上側はパレット補給用にして載置した補給パレットは所望の支持部221A,222Aに装填されるようにし、下側をパレット回収用にして支持部21A,222Aから回収されたパレットを載置するようにしてもよい。この場合、上記の各実施形態で説明したように同様のフローチャートの制御でパレットの回収及び装填が実行できる。補給用のパレット補給部と回収用のパレット回収部を設けた場合には、回収されたパレットを取り出してから補給パレットをセットすることはせずに、トレイまたはパレットのバーコードの読取操作後に補給パレットをパレット補給部にセットし、装填開始操作部232を操作すればよい。回収ができないときは補給する補給パレットのバーコードの読取操作時点で、上記の各実施形態と同様に補給できない旨の警告がされ、回収や装填動作はしない。