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JP7034331B2 - 電力変換装置および断線検出方法 - Google Patents

電力変換装置および断線検出方法 Download PDF

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JP7034331B2 JP2020557032A JP2020557032A JP7034331B2 JP 7034331 B2 JP7034331 B2 JP 7034331B2 JP 2020557032 A JP2020557032 A JP 2020557032A JP 2020557032 A JP2020557032 A JP 2020557032A JP 7034331 B2 JP7034331 B2 JP 7034331B2
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Description

この発明は、電力変換装置および断線検出方法に関する。
電気鉄道車両には、架線を通して変電所から供給された電力を所望の交流電力に変換し、変換した電力を電動機に供給する電力変換装置が搭載されているものがある。この種の電力変換装置の一例が特許文献1に開示されている。この電力変換装置は、複数のフィルタコンデンサと、それぞれの一次端子にフィルタコンデンサが接続され、フィルタコンデンサに印加された直流電圧を所望の交流電圧に変換して、二次端子に接続された電動機に供給する複数の電力変換部と、複数のフィルタコンデンサを放電させる複数のフィルタコンデンサに共通の放電回路と、を備える。
特開2001-145208号公報
特許文献1に開示される電力変換装置はさらに、逆流防止用の複数のダイオードを備える。各ダイオードのアノードは対応するフィルタコンデンサに接続され、カソードは、放電回路に共通に接続されている。電気鉄道車両に搭載される電力変換装置が有する複数のフィルタコンデンサは高電圧に充電されている。そのため、電力変換装置の保守作業の際には、放電スイッチを操作して放電回路を動作させ、複数のフィルタコンデンサを放電させてから、保守作業が行われる。この電力変換装置が有する複数のダイオードの一部がオープン故障すると、放電回路が動作しても、オープン故障したダイオードに接続されるフィルタコンデンサは放電されない。この電力変換装置は、ダイオードのオープン故障の有無を判別する機能を有さないため、放電されていないフィルタコンデンサが存在することは、保守作業を行う作業員に通知されない。そのため、作業員が保守作業を安全に行うことができないという課題が生じる。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、複数のフィルタコンデンサのそれぞれから共通放電回路に至る回路の断線の有無を判別することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の電力変換装置は、複数の電力変換部と、複数のフィルタコンデンサと、少なくとも1つの接触器と、複数のフィルタコンデンサに共通する共通放電回路と、判定部と、断線検出部と、を備える。複数の電力変換部はそれぞれ、電源から一次端子を介して供給された直流電力を直流電力または交流電力に変換して、二次端子に接続された負荷に供給する。複数のフィルタコンデンサのそれぞれは、対応する1つの電力変換部の一次端子の間に接続されている。少なくとも1つの接触器は、少なくとも1つの電力変換部を、電源に電気的に接続または電源から電気的に切り離す。共通放電回路は、複数のフィルタコンデンサに接続され、複数のフィルタコンデンサを放電する。判定部は、複数の電力変換部が電源から電気的に切り離されているか否かを判定する。断線検出部は、判定部が複数の電力変換部が電源から電気的に切り離されていると判定した場合に、複数のフィルタコンデンサの電圧に基づいて、複数のフィルタコンデンサのそれぞれから共通放電回路に至るまでの回路の断線の有無を判別する。
本発明によれば、複数のフィルタコンデンサの電圧に基づいて、複数のフィルタコンデンサのそれぞれから共通放電回路に至るまでの回路の断線の有無を判別することが可能である。
本発明の実施の形態1に係る電力変換装置のブロック図 実施の形態1に係る電力変換装置の鉄道車両への搭載例を示す図 実施の形態1に係る電力変換装置が行う断線の有無を判別する動作のフローチャート 本発明の実施の形態2に係る電力変換装置のブロック図 実施の形態2に係る電力変換装置が行う断線の有無を判別する動作のフローチャート 本発明の実施の形態に係る電力変換装置が行う断線の有無を判別する動作のフローチャート 本発明の実施の形態に係る電力変換装置の鉄道車両への搭載例を示す図
以下、本発明の実施の形態に係る電力変換装置について図面を参照して詳細に説明する。なお図中、同一または同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
電気鉄道車両には、架線を通して変電所から供給された直流電力を交流電力に変換し、交流電力を電動機に供給する電力変換装置が搭載される。図1に示す実施の形態1に係る電力変換装置1は、供給された直流電力を、電動機51,52を駆動するための交流電力に変換して、交流電力を電動機51,52に供給する。電力変換装置1の電気鉄道車両への搭載例を図2に示す。なお図2は、直流き電方式の例である。集電装置4は、架線3を介して変電所から直流電力を取得し、高速遮断器5を介して、電力変換装置1に電力を供給する。なお集電装置4は、電力変換装置1に電力を供給する電源に相当する。高速遮断器5は、図示しない遮断器制御部によって制御され、集電装置4と電力変換装置1とを電気的に接続し、または電力変換装置1を集電装置4から電気的に遮断する。電動機51,52は、例えば、三相誘導電動機で構成される。電力変換装置1が、電動機51,52に電力を供給すると、電動機51,52が駆動され、電気鉄道車両の推進力が得られる。
図2に示すように、電力変換装置1は、高速遮断器5に接続される正極入力端子1aと、接地される負極入力端子1bとを備える。また電力変換装置1は、正極入力端子1aに一端が接続された接触器MC1,MC2と、一端が接触器MC1の他端に接続されたフィルタリアクトルFL1と、一端が接触器MC2の他端に接続されたフィルタリアクトルFL2と、一端がフィルタリアクトルFL1の他端に接続され、他端が負極入力端子1bに接続されたフィルタコンデンサFC1と、一端がフィルタリアクトルFL2の他端に接続され、他端が負極入力端子1bに接続されたフィルタコンデンサFC2と、を備える。
電力変換装置1はさらに、一次端子間にフィルタコンデンサFC1が接続され、各二次端子が電動機51に接続された電力変換部11と、一次端子間にフィルタコンデンサFC2が接続され、各二次端子が電動機52に接続された電力変換部12と、フィルタコンデンサFC1,FC2を放電する共通放電回路15と、を備える。電力変換装置1はさらに、アノードが接触器MC1の他端とフィルタリアクトルFL1の一端との接続点に接続され、カソードが共通放電回路15に接続されたダイオードD1と、アノードが接触器MC2の他端とフィルタリアクトルFL2の一端との接続点に接続され、カソードが共通放電回路15に接続されたダイオードD2と、フィルタコンデンサFC1に並列に接続された電圧測定部13と、フィルタコンデンサFC2に並列に接続された電圧測定部14と、を備える。
電力変換装置1はさらに、電力変換部11,12の制御を行うスイッチング制御部16と、電力変換部11,12が、集電装置4から電気的に切り離されているか否かを判定する判定部17と、フィルタコンデンサFC1,FC2から共通放電回路15に至る回路の断線の有無を判定する断線検出部18と、を備える。
接触器MC1,MC2は、図示しない接触器制御部によって投入または開放される。
接触器MC1は投入されると、高速遮断器5とフィルタリアクトルFL1とを電気的に接続する。高速遮断器5と接触器MC1が投入されると、電力変換部11は、集電装置4に電気的に接続される。接触器MC2は投入されると、高速遮断器5とフィルタリアクトルFL2とを電気的に接続する。高速遮断器5と接触器MC2が投入されると、電力変換部12は、集電装置4に電気的に接続される。高速遮断器5と接触器MC1,MC2が投入された状態で、フィルタリアクトルFL1,FL2は、高調波成分を低減する。またフィルタコンデンサFC1,FC2には、直流電圧が印加される。
また接触器MC1は開放されると、高速遮断器5とフィルタリアクトルFL1とを電気的に切断する。この結果、電力変換部11は、集電装置4から電気的に切り離される。接触器MC2は開放されると、高速遮断器5とフィルタリアクトルFL2とを電気的に切断する。この結果、電力変換部12は、集電装置4から電気的に切り離される。
電力変換部11は、一次端子を介して供給された直流電力を三相交流電力に変換し、三相交流電力を各二次端子が接続された電動機51に供給する。電力変換部12は、一次端子を介して供給された直流電力を三相交流電力に変換し、三相交流電力を各二次端子が接続された電動機52に供給する。電力変換部11,12は、例えば、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータで構成される。
共通放電回路15は、フィルタコンデンサFC1,FC2に共通の放電回路であって、直列に接続された抵抗R1とスイッチSW1とを有する。スイッチSW1は、例えば、放電用のナイフスイッチで構成される。作業員が放電用のナイフスイッチであるスイッチSW1を機械的に操作することで、スイッチSW1がオンまたはオフになる。電力変換部11,12が集電装置4から電気的に切り離された状態で、スイッチSW1がオンになると、共通放電回路15は、フィルタコンデンサFC1,FC2を放電させる。
ダイオードD1は、スイッチSW1がオンの場合に、共通放電回路15からフィルタコンデンサFC1に電流が逆流することを防止する。ダイオードD2は、スイッチSW1がオンの場合に、共通放電回路15からフィルタコンデンサFC2に電流が逆流することを防止する。
電圧測定部13は、フィルタコンデンサFC1の端子間電圧の値を測定し、スイッチング制御部16および判定部17に測定した電圧値を示す信号を供給する。電圧測定部14は、フィルタコンデンサFC2の端子間電圧の値を測定し、スイッチング制御部16および判定部17に測定した電圧値を示す信号を供給する。
スイッチング制御部16には、図示しない運転台から運転指令が供給される。運転指令は、電気鉄道車両の目標加速度を示す力行指令、電気鉄道車両の目標減速度を示すブレーキ指令等を含む。スイッチング制御部16は、後述するように、運転指令に応じて、電力変換部11,12が有するスイッチング素子にスイッチング制御信号S1を送り、スイッチング素子を制御する。
判定部17は、電力変換部11,12が集電装置4から電気的に切り離されているか否かを判定する。詳細には、判定部17は、接触器制御部が接触器MC1,MC2に供給する接触器制御信号を取得し、接触器制御信号に基づいて、接触器MC1,MC2が開放されているか否かを判定する。判定部17は、接触器MC1,MC2が開放されているか否かを断線検出部18に通知する。例えば、判定部17は、接触器MC1,MC2が開放されている場合にHighレベルとなり、接触器MC1,MC2の少なくともいずれかが投入されている場合にLowレベルとなる判定信号S2を断線検出部18に出力する。
断線検出部18は、電圧測定部13からフィルタコンデンサFC1の端子間電圧の値である電圧EFC1を取得し、電圧測定部14からフィルタコンデンサFC2の端子間電圧の値である電圧EFC2を取得し、電圧EFC1,EFC2に基づいて、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれの一端から共通放電回路15に至るまでの回路の断線の有無を判別する。この断線の一例として、ダイオードD1,D2のオープン故障がある。例えばダイオードD1のオープン故障が生じていると、共通放電回路15のスイッチSW1がオンになっても、フィルタコンデンサFC1は放電されず、フィルタコンデンサFC2のみが放電されるため、電圧EFC1は一定とみなせるが、電圧EFC2は減少する。換言すれば、共通放電回路15によるフィルタコンデンサFC1,FC2の放電中に、電圧EFC1,EFC2のいずれかのみが減少した場合には、フィルタコンデンサFC1,FC2のいずれかから共通放電回路15に至るまでの回路の故障が生じているとみなせる。
そこで、断線検出部18は、共通放電回路15がフィルタコンデンサFC1,FC2を放電している間の電圧EFC1,EFC2に基づいて回路の断線の有無を判別する。詳細には、断線検出部18は、Highレベルの判定信号S2が判定部17から供給された場合に、電圧EFC1,EFC2の一方が第1基準電圧Th1より大きく、かつ、電圧EFC1,EFC2の他方が第1基準電圧Th1より低い第2基準電圧Th2以下であるか否かを判定し、判定結果を出力する。
具体的に、断線検出部18は、電圧EFC1が、第1基準電圧Th1より大きく、かつ、電圧EFC2が、第2基準電圧Th2以下である場合に、フィルタコンデンサFC1に対応した振幅を有する断線検出信号S3を、判定結果として、運転台に設けられた表示機器に出力する。また断線検出部18は、電圧EFC1が第2基準電圧Th2以下であって、かつ、電圧EFC2が第1基準電圧Th1より大きい場合に、フィルタコンデンサFC2に対応した振幅を有する断線検出信号S3を、判定結果として表示機器に出力する。また断線検出部18は、電圧EFC1および電圧EFC2が第1基準電圧Th1より大きい、または、電圧EFC1および電圧EFC2が第2基準電圧Th2以下であると判定した場合は、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれに対応する振幅よりも低い振幅を有する断線検出信号S3を、判定結果として表示機器に出力する。
表示機器は、断線検出信号S3の振幅に基づいて、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じていない状態、フィルタコンデンサFC1から共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じている状態、または、フィルタコンデンサFC2から共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じている状態のいずれであるかを判別することができる。
なお判定部17は、第1基準電圧Th1および第2基準電圧Th2を予め保持している。第1基準電圧Th1および第2基準電圧Th2は、フィルタコンデンサFC1,FC2が充電された状態でのフィルタコンデンサFC1,FC2の端子間電圧の値に応じて定められる。例えば、第1基準電圧Th1は、フィルタコンデンサFC1,FC2の満充電時の端子間電圧値の2/3の値であって、第2基準電圧Th2は、フィルタコンデンサFC1,FC2の満充電時の端子間電圧値の1/3の値である。
次に、上記構成を有する電力変換装置1の動作について説明する。
電気鉄道車両の運転開始時に、集電装置4の一例であるパンタグラフを上昇させる上昇スイッチの操作が行われて、集電装置4が架線3に接触すると、集電装置4は、変電所から電力の供給を受ける。そして、高速遮断器5が投入された後に、接触器MC1,MC2が投入される。その結果、電力変換装置1に電力が供給される。
電気鉄道車両の運転時に、スイッチング制御部16には、図示しない運転台からの運転指令が入力される。運転指令が力行指令を含む場合、すなわち、電気鉄道車両の力行時に、スイッチング制御部16は、電力変換部11,12がそれぞれ、直流電力を電動機51,52を駆動するための三相交流電力に変換するように、電力変換部11,12のスイッチング素子を制御する。スイッチング制御部16は、力行指令が示す目標加速度を得るための目標トルクを算出する。またスイッチング制御部16は、図示しない電流測定部から電動機51,52に流れる電流の値を測定し、測定した電流値から電動機51,52の実トルクを算出する。具体的には、スイッチング制御部16は、電動機51,52に流れるU相、V相、W相の電流の値を測定する電流測定部から電動機51,52に流れる相電流の値を取得し、相電流の値から電動機51,52の実トルクを算出する。そして、スイッチング制御部16は、電動機51,52の実トルクを目標トルクに近づけるために、電力変換部11,12のスイッチング素子にスイッチング制御信号S1を送って、スイッチング素子を制御する。なお電力変換部11,12のそれぞれの一次端子の間に接続されたフィルタコンデンサFC1,FC2が充電されることで、電力変換部11,12が発生させるノイズが低減される。
電力変換装置1の保守作業を行う場合には、電力変換部11,12の停止後に、高速遮断器5および接触器MC1,MC2が開放される。これにより、電力変換部11,12は、集電装置4から電気的に切り離される。そして保守作業を行う前に、保守作業員が放電用のナイフスイッチであるスイッチSW1を機械的に操作することで、スイッチSW1がオンになる。接触器MC1,MC2が開放された状態で、スイッチSW1がオンになると、フィルタコンデンサFC1,FC2が放電される。
フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じていると、スイッチSW1がオンになっても、フィルタコンデンサFC1,FC2が放電されないため、保守作業を安全に行うことができない。そこで、電力変換装置1は、接触器MC1および接触器MC2が開放されていることを示す接触器制御信号が供給されると、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路の断線の有無を判別する処理を開始する。電力変換装置1が行う断線の有無を判別する処理について、図3を用いて説明する。
判定部17は、接触器MC1および接触器MC2が開放されているか否かを判定する(ステップS11)。そして、判定部17は、判定した結果を示す判定信号S2を断線検出部18に出力する。判定部17が、接触器MC1,MC2の少なくともいずれかが開放されていないと判定した場合は(ステップS11;No)、ステップS11の処理が繰り返される。このとき、判定部17はLowレベルの判定信号S2を断線検出部18に供給するため、断線検出部18は、後述のステップS12以降の処理を行わない。
判定部17は、接触器MC1および接触器MC2が開放されていると判定した場合は(ステップS11;Yes)、Highレベルの判定信号S2を断線検出部18に出力し、断線検出部18は後述のステップS12以降の処理を行う。判定部17がステップS11の処理を行うため、高速遮断器5と接触器MC1,MC2が投入されている状態で、例えば、架線3の直流電圧の変動に起因する電圧EFC1,EFC2の変動、回生動作中の電圧EFC1,EFC2の変動等が生じても、ステップS12以降の処理は行われない。したがって、電圧EFC1,EFC2の変動によって、誤って回路が断線していると判定することが防止される。
Highレベルの判定信号S2が供給されると、断線検出部18は、電圧測定部13,14のそれぞれから、電圧EFC1,EFC2を取得する(ステップS12)。断線検出部18は、電圧EFC1,EFC2と第1基準電圧Th1とを比較する(ステップS13)。
断線検出部18は、電圧EFC1が第1基準電圧Th1より大きく、かつ、電圧EFC2が第1基準電圧Th1より大きいと判定した場合(ステップS13;Yes)、接触器MC1,MC2が開放されてから定められた判定時間が経過したか否かを判定する(ステップS14)。詳細には、断線検出部18は、Highレベルの判定信号S2が供給されると、タイマを開始し、タイマの測定時間が判定時間に到達しているか否かを判定する。なお判定時間は、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じていない状態で、フィルタコンデンサFC1,FC2を満充電された状態から放電して、電圧EFC1,EFC2が第1基準電圧Th1まで低下するのに要する時間である。
断線検出部18が、判定時間が経過していると判定すると(ステップS14;Yes)、断線検出部18は、フィルタコンデンサFC1,FC2の放電が正常に行われていないことを表示機器に出力し(ステップS15)、断線の有無を判別する処理を終了する。断線検出部18が、判定時間が経過していないと判定すると(ステップS14;No)、ステップS11から上述の処理が繰り返し行われる。
断線検出部18は、電圧EFC1,EFC2の少なくともいずれかは第1基準電圧Th1以下であると判定した場合(ステップS13;No)、電圧EFC1,EFC2の一方が第1基準電圧Th1より大きく、かつ、電圧EFC1,EFC2の他方が第2基準電圧Th2以下であるか否かを判定する(ステップS16)。
断線検出部18は、電圧EFC1が第1基準電圧Th1より大きく、かつ、電圧EFC2が第2基準電圧Th2以下であると判定した場合(ステップS16;Yes)、フィルタコンデンサFC1に対応する振幅を有する断線検出信号S3を表示機器に出力する(ステップS17)。
また断線検出部18は、電圧EFC1が第2基準電圧Th2以下であり、かつ、電圧EFC2が第1基準電圧Th1より大きいと判定した場合(ステップS16;Yes)、フィルタコンデンサFC2に対応する振幅を有する断線検出信号S3を表示機器に出力する(ステップS17)。ステップS17の処理が完了すると、電力変換装置1は、断線の有無を判別する処理を終了する。
以上説明したとおり、実施の形態1に係る電力変換装置1によれば、電圧EFC1,EFC2に基づき、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路の断線の有無を判別することが可能である。
(実施の形態2)
フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じていると、共通放電回路15によってフィルタコンデンサFC1,FC2を放電することができない。そこで、実施の形態2に係る電力変換装置2は、フィルタコンデンサFC1,FC2から共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じている場合に、電圧EFC1,EFC2が過電圧になることを防止するために設けられている個別放電回路を動作させて、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれを放電する。
この個別放電回路を動作させるタイミングについて説明する。
電力変換装置2は、例えば、電力変換部11,12の出力が異常となって、電力変換部11,12を停止した際に電圧EFC1,EFC2が過電圧になることを防止するため、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれに接続される2つの個別放電回路を備える。電力変換装置2は、電力変換部11,12の出力が異常となったときに、個別放電回路を動作させることで、フィルタコンデンサFC1,FC2を放電する。
また電力変換装置2は、電気鉄道車両の回生ブレーキ時、すなわち、電動機51,52が発電機として動作し、電動機51,52が発生させた電力を架線3に供給することで、電気鉄道車両に回生ブレーキ力がかかっている間に、電圧EFC1,EFC2が架線3の電圧と比べて高くなり過ぎることを防止するために、この個別放電回路を動作させる。
さらに、この個別放電回路を、フィルタコンデンサFC1,FC2から共通放電回路15に至るまでの回路に断線が生じている場合にも作動させることで、保守作業を安全に行うことが可能になる。
図4に示す実施の形態2に係る電力変換装置2は、実施の形態1に係る電力変換装置1の構成に加えて、フィルタコンデンサFC1に並列に接続される個別放電回路19と、フィルタコンデンサFC2に並列に接続される個別放電回路20と、個別放電回路19,20の動作を制御する放電制御部21と、をさらに備える。
実施の形態1に係る電力変換装置1と異なる電力変換装置2の各部について説明する。
個別放電回路19は、直列に接続された抵抗R2とスイッチング素子SW2を備える。放電制御部21の制御によって、スイッチング素子SW2がオンになると、個別放電回路19は、フィルタコンデンサFC1を放電する。個別放電回路20は、直列に接続された抵抗R3とスイッチング素子SW3を備える。放電制御部21の制御によって、スイッチング素子SW3がオンになると、個別放電回路20は、フィルタコンデンサFC2を放電する。スイッチング素子SW2,SW3は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)で構成される。
放電制御部21は、電力変換部11,12の出力が異常となって、スイッチング制御部16が電力変換部11,12を停止した際に、スイッチング素子SW2,SW3をオンにする。詳細には、スイッチング制御部16は、電力変換部11,12の出力の異常によって電力変換部11,12を停止すると、停止された電力変換部11,12を示す保護停止信号S4を放電制御部21に供給する。放電制御部21は、電力変換部11を示す保護停止信号S4が供給されると、電力変換部11に接続された個別放電回路19が有するスイッチング素子SW2をオンにする。また放電制御部21は、電力変換部12を示す保護停止信号S4が供給されると、電力変換部12に接続された個別放電回路20が有するスイッチング素子SW3をオンにする。
また放電制御部21は、電気鉄道車両の回生動作中に、フィルタコンデンサFC1,FC2の電圧が閾値電圧以上である場合は、スイッチング素子SW2,SW3をオンにする。詳細には、放電制御部21は、運転台から運転指令を取得し、電圧測定部13から電圧EFC1を取得し、電圧測定部14から電圧EFC2を取得する。そして、放電制御部21は、運転指令がブレーキ指令を含み、かつ、電圧EFC1が閾値電圧以上である場合、スイッチング素子SW2をオンにする。また放電制御部21は、運転指令がブレーキ指令を含み、かつ、電圧EFC2が閾値電圧以上である場合、スイッチング素子SW3をオンにする。閾値電圧は、架線3の直流電圧に応じて定められ、回生動作が可能であって、架線3で過電圧が生じない範囲の電圧である。
さらに放電制御部21は、フィルタコンデンサFC1を示す断線検出信号S3が供給されると、スイッチング素子SW2をオンにする。この結果、フィルタコンデンサFC1が放電される。また放電制御部21は、フィルタコンデンサFC2を示す断線検出信号S3が供給されると、スイッチング素子SW3をオンにする。この結果、フィルタコンデンサFC2が放電される。
次に、上記構成を有する電力変換装置2の動作について説明する。電気鉄道車両の運転開始時およびブレーキ時の電力変換装置2の動作は、実施の形態1と同様である。
電力変換装置2は、実施の形態1に係る電力変換装置1と同様に、接触器MC1および接触器MC2が開放されていることを示す接触器制御信号が供給されると、フィルタコンデンサFC1,FC2のそれぞれから共通放電回路15に至るまでの回路の断線の有無を判別する処理を開始する。電力変換装置2が行う断線の有無を判別する処理について、図5を用いて説明する。
ステップS11-S17の処理は、図3のステップS11-S17と同様である。ステップS17の処理が完了すると、放電制御部21が、断線検出部18が出力する断線検出信号S3に応じて、スイッチング素子SW2,SW3のオンオフを切り替え、個別放電回路19,20がフィルタコンデンサFC1,FC2を放電する(ステップS18)。具体的には、フィルタコンデンサFC1に対応する振幅を有する断線検出信号S3が供給されると、放電制御部21は、スイッチング素子SW2をオンにして個別放電回路19を動作させて、フィルタコンデンサFC1を放電させる。またフィルタコンデンサFC2に対応する振幅を有する断線検出信号S3が供給されると、放電制御部21は、スイッチング素子SW3をオンにして個別放電回路20を動作させて、フィルタコンデンサFC2を放電させる。
以上説明したとおり、実施の形態2に係る電力変換装置2によれば、断線のために共通放電回路15がフィルタコンデンサFC1,FC2を放電させることができない場合に、個別放電回路19,20によってフィルタコンデンサFC1,FC2を放電させることが可能である。その結果、高い安全性を有する電力変換装置2を提供することが可能である。
本発明の実施の形態は、上述の例に限られない。例えば、判定部17は、接触器MC1,MC2のそれぞれが出力する接点信号に基づいて、接触器MC1,MC2のそれぞれが開放されているか否かを判定することができる。なお接点信号は、接触器MC1,MC2のそれぞれが有する接点が導通されているか否かを示すものとする。
また判定部17は、高速遮断器5が開放されているか否かを判定してもよい。詳細には、判定部17は、遮断器制御部が高速遮断器5に送る制御信号、または、高速遮断器5が出力する接点信号に基づいて、高速遮断器5が開放されているか否かを判定することができる。なお接点信号は、高速遮断器5が有する接点が導通されているか否かを示すものとする。
また判定部17は、上述の判定処理に加え、断線検出部18での誤検出を防止するための判定処理をさらに行ってもよい。判定部17が行う判定処理の一例を図6を用いて説明する。図6のステップS11-S17の処理は、図3のステップS11-S17の処理と同様である。判定部17は、接触器MC1および接触器MC2が開放されていると判定した場合は(ステップS11;Yes)、電力変換部11および電力変換部12のそれぞれが有する全てのスイッチング素子がオフになっているか否かを判定する(ステップS19)。
電力変換部11および電力変換部12のそれぞれが有する全てのスイッチング素子がオフになっているか否かの判定は、スイッチング制御部16が電力変換部11,12に供給するスイッチング制御信号S1に基づいて行われる。詳細には、判定部17は、スイッチング制御信号S1を取得し、スイッチング制御信号S1に基づいて、電力変換部11,12が有するスイッチング素子が全てオフになっている否かを判定する。
判定部17が、電力変換部11,12の少なくともいずれかが有する少なくとも1つのスイッチング素子がオンになっていると判定した場合(ステップS19;No)、ステップS11の処理が繰り返される。このとき、判定部17はLowレベルの判定信号S2を断線検出部18に供給するため、断線検出部18は、ステップS12以降の処理を行わない。
判定部17は、電力変換部11および電力変換部12のそれぞれが有する全てのスイッチング素子がオフになっていると判定した場合(ステップS19;Yes)、Highレベルの判定信号S2を断線検出部18に出力し、断線検出部18はステップS12以降の処理を行う。
また例えば、判定部17は、電力変換部11,12が集電装置4から電気的に切り離されていて、かつ、電力変換装置1,2が搭載される電気鉄道車両が停止しているか否かを判定してもよい。接触器MC1および接触器MC2が開放されているか否かの判定は、上述の実施の形態で示した通りである。電気鉄道車両が停止しているか否かの判定は、電気鉄道車両の速度に基づいて行うことができる。詳細には、判定部17は、電動機51,52に取り付けられた速度センサから電気鉄道車両の速度を取得し、電気鉄道車両が停止しているか否かを判定する。そして、判定部17は、接触器MC1および接触器MC2が開放されていて、かつ、電気鉄道車両が停止していると判定した場合に、Highレベルとなり、接触器MC1,MC2の少なくともいずれかが投入されている、または、電気鉄道車両が停止していないと判定した場合に、Lowレベルとなる判定信号S2を出力する。
フィルタコンデンサの数は、2以上の任意の値である。例えば、電力変換装置1,2が3つのフィルタコンデンサFC1,FC2,FC3を有する場合を例にして説明する。この場合に、電力変換装置1,2は、対応する電力変換部を集電装置4に電気的に接続する、または、集電装置4から電気的に切り離す接触器MC1,MC2,MC3を有するものとする。また電圧測定部で測定してフィルタコンデンサFC1,FC2,FC3のそれぞれの端子間電圧の値をEFC1,EFC2,EFC3とする。判定部17は、接触器MC1、接触器MC2、および接触器MC3が開放されているか否かを判定する。断線検出部18は、電圧EFC1,EFC2,EFC3の少なくともいずれかが第1基準電圧Th1より大きく、電圧EFC1,EFC2,EFC3の他の少なくともいずれかが第2基準電圧Th2以下であるか否かを判定し、判定結果を出力する。例えば、断線検出部18は、電圧EFC1が第1基準電圧Th1より大きく、電圧EFC3が第2基準電圧Th2以下である場合、フィルタコンデンサFC3を示す断線検出信号S3を出力する。
断線検出部18は、電圧EFC1,EFC2の差が基準電圧差以上であるか否かを判定し、判定結果を出力してもよい。詳細には、断線検出部18は、電圧EFC1と電圧EFC2の電圧差が基準電圧差以上であると判定すると、フィルタコンデンサFC1,FC2の内、端子間電圧が高いフィルタコンデンサFC1,FC2に対応する振幅を有する断線検出信号S3を判定結果として表示機器に出力する。具体的には、断線検出部18は、電圧EFC1と電圧EFC2の電圧差が基準電圧差以上であって、かつ、電圧EFC1が電圧EFC2より高い場合、フィルタコンデンサFC1に対応する振幅を有する断線検出信号S3を出力する。また断線検出部18は、電圧EFC1と電圧EFC2の電圧差が基準電圧差以上であって、かつ、電圧EFC2が電圧EFC1より高い場合、フィルタコンデンサFC2に対応する振幅を有する断線検出信号S3を出力する。基準電圧差は、フィルタコンデンサFC1,FC2の一方が充電された状態で、他方が放電されているとみなせる程度の電圧差であり、例えば、フィルタコンデンサFC1,FC2の満充電時の端子間電圧の1/3の値である。
この断線検出部18の処理を、電力変換装置1,2が3つのフィルタコンデンサFC1,FC2,FC3を有する場合を例にして説明する。断線検出部18は、電圧EFC1と電圧EFC2の電圧差、電圧EFC1と電圧EFC3の電圧差、電圧EFC2と電圧EFC3の電圧差を算出する。算出した各電圧差を基準電圧差と比較し、少なくとも1つの算出した電圧差が基準電圧差以上であるか否かを判定し、判定結果を出力する。例えば、断線検出部18は、電圧EFC1と電圧EFC3の電圧差が基準電圧差以上であり、かつ電圧EFC3が電圧EFC1より大きい場合、フィルタコンデンサFC3に対応する振幅を有する断線検出信号S3を出力する。
電力変換装置1,2は、接触器MC1,MC2が投入されてから放電に必要な時間が経過した後に、電圧EFC1,EFC2の少なくともいずれかが第2閾値電圧Th2より大きいか否かを判定し、判定結果を表示機器に出力してもよい。これにより、フィルタコンデンサFC1,FC2が放電されていない場合は、保守作業を行わないという運用が可能である。
電力変換装置1,2は、電力変換装置1,2に直流電力を供給可能な任意の車両、任意の機器等に搭載可能である。一例として、電力変換装置1,2は、交流き電方式の電気鉄道車両に搭載可能である。交流き電方式の電気鉄道車両に搭載された電力変換装置10を図7に示す。架線3を介して変電所から交流電力を取得した集電装置4から、高速遮断器5を介してトランス6の一次端子に交流電力が供給される。トランス6は、一次端子に供給された交流電力の電圧を下げて、降圧された交流電力を二次端子から電力変換装置10に供給する。
電力変換装置10は、接触器MC1,MC2に代えて、トランス6の二次端子に接続される接触器MC4と、一次端子に供給された交流電力を直流電力に変換して、直流電力を二次端子から出力するコンバータ22と、を備える。接触器MC3は、電力変換部11,12と集電装置4とを電気的に接続、または電気的に切断する。図7に示す電力変換装置10が有する判定部17は、接触器MC4が投入されているか否かを判定する。
また電気鉄道車両に限らず、気動車にも電力変換装置1,2を搭載することが可能である。
共通放電回路15は、フィルタコンデンサFC1,FC2を放電する回路であれば任意の構成である。フィルタコンデンサFC1,FC2から共通放電回路15に至るまでの回路に設けられるものはダイオードD1,D2に限られず、共通放電回路15によるフィルタコンデンサFC1,FC2の放電を可能にする回路であれば、任意の構成の回路を設けることができる。
電力変換部11,12は、VVVFインバータに限られず、一次端子に供給された直流電力を直流電力または交流電力に変換して、二次端子に接続される負荷に供給する機器であれば、任意である。例えば、電力変換部11,12は、DC(Direct Current)-DCコンバータ、または、照明機器、空調機器等に電力を供給する静止形インバータで構成される。また例えば、電力変換部11がVVVFインバータで構成され、電力変換部12が静止形インバータで構成される。また電力変換部11の二次端子に接続される負荷と、電力変換部12の二次端子に接続される負荷とは、異なる種類の負荷でもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
1,2,10 電力変換装置、1a 正極入力端子、1b 負極入力端子、3 架線、4 集電装置、5 高速遮断器、6 トランス、11,12 電力変換部、13,14 電圧測定部、15 共通放電回路、16 スイッチング制御部、17 判定部、18 断線検出部、19,20 個別放電回路、21 放電制御部、22 コンバータ、51,52 電動機、D1,D2 ダイオード、FC1,FC2,FC3 フィルタコンデンサ、FL1,FL2 フィルタリアクトル、MC1,MC2,MC3,MC4 接触器、R1,R2,R3 抵抗、S1 スイッチング制御信号、S2 判定信号、S3 断線検出信号、S4 保護停止信号、SW1 スイッチ、SW2,SW3 スイッチング素子。

Claims (9)

  1. それぞれが電源から一次端子を介して供給された直流電力を直流電力または交流電力に変換して、二次端子に接続された負荷に供給する複数の電力変換部と、
    それぞれが対応する1つの前記電力変換部の前記一次端子の間に接続されている複数のフィルタコンデンサと、
    少なくとも1つの前記電力変換部を、前記電源に電気的に接続または前記電源から電気的に切り離す少なくとも1つの接触器と、
    前記複数のフィルタコンデンサに接続され、前記複数のフィルタコンデンサを放電させ、前記複数のフィルタコンデンサに共通する共通放電回路と、
    前記複数の電力変換部が前記電源から電気的に切り離されているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部が、前記複数の電力変換部が前記電源から電気的に切り離されていると判定した場合に、前記複数のフィルタコンデンサの電圧に基づいて、前記複数のフィルタコンデンサのそれぞれから前記共通放電回路に至るまでの回路の断線の有無を判別する断線検出部と、
    を備える電力変換装置。
  2. 前記断線検出部は、前記複数のフィルタコンデンサの内、少なくとも1つのフィルタコンデンサの端子間電圧が、第1基準電圧より大きく、かつ、他の少なくとも1つのフィルタコンデンサの端子間電圧が、前記第1基準電圧より低い第2基準電圧以下であるか否かを判定し、判定結果を出力する、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記断線検出部は、前記少なくとも1つのフィルタコンデンサの端子間電圧が、前記第1基準電圧より大きく、かつ、前記他の少なくとも1つのフィルタコンデンサの端子間電圧が、前記第2基準電圧以下である場合に、前記少なくとも1つのフィルタコンデンサを示す断線検出信号を前記判定結果として出力する、
    請求項2に記載の電力変換装置。
  4. 前記断線検出部は、1つのフィルタコンデンサの端子間電圧と、他の1つのフィルタコンデンサの端子間電圧との差が、基準電圧差以上であるか否かを判定し、判定結果を出力する、
    請求項1に記載の電力変換装置。
  5. 前記断線検出部は、前記1つのフィルタコンデンサの端子間電圧と、前記他の1つのフィルタコンデンサの端子間電圧との差が、前記基準電圧差以上である場合、前記1つのフィルタコンデンサと前記他の1つのフィルタコンデンサの内、端子間電圧が高いフィルタコンデンサを示す断線検出信号を前記判定結果として出力する、
    請求項4に記載の電力変換装置。
  6. それぞれが対応する1つの前記フィルタコンデンサに接続されて、接続された前記フィルタコンデンサを放電させる複数の個別放電回路と、
    前記断線検出部が、前記断線が有ることを検出した場合に、前記断線が有ることが検出された前記回路に接続される前記フィルタコンデンサに接続された前記個別放電回路を動作させる放電制御部と、
    をさらに備える、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 前記判定部は、前記複数の電力変換部が前記電源から電気的に切り離されていて、かつ、前記複数の電力変換部が停止しているか否かを判定し、
    前記断線検出部は、前記判定部が、前記複数の電力変換部が前記電源から電気的に切り離されていて、かつ、前記複数の電力変換部が停止していると判定した場合に、前記複数のフィルタコンデンサの電圧に基づいて、前記複数のフィルタコンデンサのそれぞれから前記共通放電回路に至るまでの回路の断線の有無を判別する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 複数の前記接触器を備え、
    前記複数の接触器のそれぞれは、対応する前記電力変換部を前記電源に電気的に接続または前記電源から電気的に切り離す、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  9. それぞれが電源から一次端子を介して供給された直流電力を直流電力または交流電力に変換して、二次端子に接続された負荷に供給する複数の電力変換部が、前記電源から電気的に切り離されているか否かを判定し、
    前記複数の電力変換部が前記電源から電気的に切り離されていると判定した場合に、それぞれが対応する1つの前記電力変換部の前記一次端子に接続された複数のフィルタコンデンサの電圧に基づいて、前記複数のフィルタコンデンサのそれぞれから、前記複数のフィルタコンデンサに共通する共通放電回路に至るまでの回路の断線の有無を判別する、
    断線検出方法。
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