添付の図面を参照しつつ、実施形態の例について以下詳細に説明する。以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
添付の図面において、矢印Fは、図示された構造の前方向を示している。矢印Bは、図示された構造の後方向を示している。矢印Lは、図示された構造の左方向を示している。矢印Rは、図示された構造の右方向を示している。矢印Uは、図示された構造の上方向を示している。矢印Dは、図示された構造の下方向を示している。以降の説明に用いる「左」および「右」は、運転席から見た左右の方向を示している。
図1は、第一実施形態に係る左前ランプ装置1010の構成を模式的に示している。左前ランプ装置1010は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置1010と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。
左前ランプ装置1010は、ハウジング1011と透光カバー1012を備えている。透光カバー1012は、車両100の外面の一部を形成する。透光カバー1012は、ハウジング1011とともに灯室1013を区画している。
左前ランプ装置1010は、第一ランプユニット1014を備えている。第一ランプユニット1014は、車両100の前方を含む領域に向けて光を出射する灯具である。第一ランプユニット1014は、例えば前照灯である。
左前ランプ装置1010は、第二ランプユニット1015を備えている。第二ランプユニット1015は、車両100の前方を含む領域に向けて光を出射する灯具である。第二ランプユニット1015は、例えば方向指示灯である。
左前ランプ装置1010は、第一センサユニット1016を備えている。第一センサユニット1016は、LiDARセンサ1161とハーフミラー1162を備えている。
LiDARセンサ1161は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の前方に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。車両100の前方は、車両の外部の一例である。LiDARセンサ1161は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
LiDARセンサ1161は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
すなわち、LiDARセンサ1161は、少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。LiDARセンサ1161は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、LiDARセンサ1161より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前ランプ装置1010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
ハーフミラー1162は、光学部材の一例である。ハーフミラー1162は、透明基材上に反射皮膜が蒸着された構造を有している。反射皮膜は、LiDARセンサ1161から出射される非可視光を透過可能な材料により形成される。そのような材料の例としては、錫(Sn)、銀(Ag)、フッ化カルシウム(CaF2)、酸化チタン(TiO2)、臭化カリウム(KBr)が挙げられる。
図1と図3に示されるように、ハーフミラー1162は、透光カバー1012が位置している側からLiDARセンサ1161の検出面1161aを覆うように配置されている。車両100の外方から透光カバー1012を通過して灯室1013内に到来する可視光は、ハーフミラー1162の反射皮膜によって反射される。したがって、ハーフミラー1162は、外方からは鏡のように視認され、背後に配置されているLiDARセンサ1161の視認性が低下する。
本開示において、「LiDARセンサの検出面」とは、LiDARセンサの外観を呈する外面のうち、情報の検出に関わる非可視光が通過する部分を有する面を意味する。
この場合、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有していると言える。他方、ハーフミラー1162の反射皮膜は、当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。ハーフミラー1162の反射皮膜は、低透明部の一例である。
車両100の外部の情報を効率的に取得するためには、LiDARセンサ1161が左前ランプ装置1010の灯室1013内に配置されていると有利である。しかしながら、LiDARセンサ1161は、比較的大きな寸法を有しており、かつ灯具とは大きく異なる外観を有していることが一般的である。よって、灯具との干渉を避けつつLiDARセンサ1161が情報を検出可能な設置場所を確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。
しかしながら、本実施形態の構成によれば、ハーフミラー1162によってLiDARセンサ1161の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、LiDARセンサ1161を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
さらに、ハーフミラー1162は、LiDARセンサ1161の検出面1161aを覆ってはいるものの、検出に用いられる非可視光の透過を許容する。したがって、ハーフミラー1162は、LiDARセンサ1161による情報の検出を妨げない。この事実もまた、LiDARセンサ1161を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
図1に示されるように、左前ランプ装置1010は、エクステンション部材1017を備えている。エクステンション部材1017は、灯室1013内に配置されている構造の一部を覆い隠して車両100の外側から視認できないようにする意匠部品である。エクステンション部材1017の表面は、鏡面仕上げされていることが一般的である。ハーフミラー1162の外観は、鏡面仕上げされた表面に類似している。したがって、ハーフミラー1162の存在により外観上の違和感が生じるおそれを抑制できる。
図1に示されるように、第一センサユニット1016は、遮光部材1163を備えている。遮光部材1163は、LiDARセンサ1161とハーフミラー1162の間に光が進入することを防ぐように設けられている。
ハーフミラー1162の背後から車両100の外方へ向かう光量が増えると、ハーフミラー1162によるLiDARセンサ1161の視認性の抑制効果が低下する。遮光部材1163は、このような事態の発生を防止するために設けられている。遮光部材1163は、第一ランプユニット1014と第二ランプユニット1015の少なくとも一方の点灯時において特に有効である。
ハーフミラー1162を備える第一センサユニット1016の構成は、情報の検出に赤外光を使用する他のセンサにも適用可能である。そのようなセンサの例としては、赤外線カメラが挙げられる。
左前ランプ装置1010は、第二センサユニット1018を備えている。第二センサユニット1018は、ミリ波レーダ1181とハーフミラー1182を備えている。
ミリ波レーダ1181は、ミリ波を発信する構成、および当該ミリ波が車両100の少なくとも左方に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する構成を備えている。車両100の左方は、車両の外部の一例である。本実施形態においては、周波数が76GHzのミリ波が使用されている。他の周波数の例としては、24GHz、26GHz、79GHzなどが挙げられる。
ミリ波レーダ1181は、例えば、ある方向へミリ波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。
すなわち、ミリ波レーダ1181は、少なくとも車両100の左方の情報を取得するセンサとして機能する。ミリ波レーダ1181は、検出された反射波に対応する信号を出力する。上記の情報は、ミリ波レーダ1181より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前ランプ装置1010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
ハーフミラー1182は、光学部材の一例である。ハーフミラー1182は、透明基材上に反射皮膜が蒸着された構造を有している。反射皮膜は、ミリ波レーダ1181から出射されるミリ波を透過可能な材料により形成される。そのような材料の例としては、インジウム(In)やニッケル(Ni)が挙げられる。
図1と図3に示されるように、ハーフミラー1182は、透光カバー1012が位置している側からミリ波レーダ1181の検出面1181aを覆うように配置されている。車両100の外方から透光カバー1012を通過して灯室1013内に到来する可視光は、ハーフミラー1182の反射皮膜によって反射される。したがって、ハーフミラー1182は、外方からは鏡のように視認され、背後に配置されているミリ波レーダ1181の視認性が低下する。
本開示において、「ミリ波レーダの検出面」とは、ミリ波レーダの外観を呈する外面のうち、情報の検出に関わるミリ波が通過する部分を有する面を意味する。
この場合、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有していると言える。他方、ハーフミラー1182の反射皮膜は、当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。ハーフミラー1182の反射皮膜は、低透明部の一例である。
車両100の外部の情報を効率的に取得するためには、ミリ波レーダ1181が左前ランプ装置1010の灯室1013内に配置されていると有利である。しかしながら、ミリ波レーダ1181は、比較的大きな寸法を有しており、かつ灯具とは大きく異なる外観を有していることが一般的である。よって、灯具との干渉を避けつつミリ波レーダ1181が情報を検出可能な設置場所を確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。
しかしながら、本実施形態の構成によれば、ハーフミラー1182によってミリ波レーダ1181の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、ミリ波レーダ1181を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
さらに、ハーフミラー1182は、ミリ波レーダ1181の検出面1181aを覆ってはいるものの、検出に用いられるミリ波の透過を許容する。したがって、ハーフミラー1182は、ミリ波レーダ1181による情報の検出を妨げない。この事実もまた、ミリ波レーダ1181を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
また、ハーフミラー1182の外観は、エクステンション部材1017の鏡面仕上げされた表面に類似している。したがって、ハーフミラー1182の存在により外観上の違和感が生じるおそれを抑制できる。
第一センサユニット1016に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するために、第二センサユニット1018と同様の構成が設けられうる。すなわち、LiDARセンサまたは赤外線カメラに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、ミリ波レーダによって取得されうる。
第二センサユニット1018に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するために、第一センサユニット1016と同様の構成が設けられうる。すなわち、ミリ波レーダに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、LiDARセンサと赤外線カメラの少なくとも一方によって取得されうる。
少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1010の仕様に応じて適宜に定められうる。
少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1010の仕様に応じて適宜に定められうる。
左前ランプ装置1010の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置1010と前後対称でありうる。但し、第一ランプユニット1014と第二ランプユニット1015の仕様は適宜に変更されうる。LiDARセンサ1161とミリ波レーダ1181の仕様もまた適宜に変更されうる。
左前ランプ装置1010の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
次に、図4を参照しつつ、第二実施形態に係る左前ランプ装置1020について説明する。左前ランプ装置1020は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置1020と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。左前ランプ装置1020は、第一センサユニット1026と第二センサユニット1028を備えている。それ以外の構成は第一実施形態に係る左前ランプ装置1010と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
第一センサユニット1026は、LiDARセンサ1261を備えている。LiDARセンサ1261の構成は、第一実施形態に係るLiDARセンサ1161と同一である。
第一センサユニット1026は、ELパネル1262を備えている。ELは、エレクトロルミネセンスの省略表現である。ELパネル1262は、不図示の駆動回路から入力される制御信号に基づいて所定の波長を含むように自己発光する光学部材である。ELパネル1262は、透明な基材を有している。当該基材の材料は、可視光のみならず、LiDARセンサ1261が情報の検出に用いる非可視光に対しても透過性を有するように選ばれる。ELパネル1262は、有機ELパネルでもよいし、無機ELパネルでもよい。ELパネル1262から出射された光は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。
図4に示されるように、ELパネル1262は、透光カバー1012(不図示)が位置する側からLiDARセンサ1261の検出面1261aを覆うように配置されている。ELパネル1262が自己発光すると、当該光の波長に対応する色が車両100の外方において視認される。これにより、背後に配置されているLiDARセンサ1261の視認性が低下する。
前述のように、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有している。ELパネル1262は、少なくとも一時的に当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。すなわち、ELパネル1262は、発光により低透明部を形成するように構成されている。
前述のように、灯具との干渉を避けつつLiDARセンサ1261が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、ELパネル1262によってLiDARセンサ1261の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、LiDARセンサ1261を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
さらに、ELパネル1262は、LiDARセンサ1261の検出面1261aを覆ってはいるものの、検出に用いられる非可視光の透過を許容する。したがって、ELパネル1262は、LiDARセンサ1261による情報の検出を妨げない。この事実もまた、LiDARセンサ1261を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
また、ELパネル1262から出射される光の色は、適宜に定められうる。したがって、LiDARセンサ1261の視認性を低下させるだけでなく、動作時において新規な外観を呈するランプ装置を提供できる。
ELパネル1262を備える第一センサユニット1026の構成は、情報の検出に赤外光を使用する他のセンサにも適用可能である。そのようなセンサの例としては、赤外線カメラが挙げられる。
第二センサユニット1028は、ミリ波レーダ1281を備えている。ミリ波レーダ1281の構成は、第一実施形態に係るミリ波レーダ1181と同一である。
第二センサユニット1028は、ELパネル1282を備えている。ELパネル1282は、不図示の駆動回路から入力される制御信号に基づいて所定の波長を含むように自己発光する透明な光学部材である。ELパネル1282は、透明な基材を有している。当該基材の材料は、可視光のみならず、ミリ波レーダ1281が情報の検出に用いるミリ波に対しても透過性を有するように選ばれる。ELパネル1282は、有機ELパネルでもよいし、無機ELパネルでもよい。ELパネル1282から出射された光は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。
図4に示されるように、ELパネル1282は、透光カバー1012(不図示)が位置する側からミリ波レーダ1281の検出面1281aを覆うように配置されている。ELパネル1282が自己発光すると、当該光の波長に対応する色が車両100の外方において視認される。これにより、背後に配置されているミリ波レーダ1281の視認性が低下する。
前述のように、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有している。ELパネル1282は、少なくとも一時的に当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。すなわち、ELパネル1282は、発光により低透明部を形成するように構成されている。
前述のように、灯具との干渉を避けつつミリ波レーダ1281が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、ELパネル1282によってミリ波レーダ1281の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、ミリ波レーダ1281を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
さらに、ELパネル1282は、ミリ波レーダ1281の検出面1281aを覆ってはいるものの、検出に用いられるミリ波の透過を許容する。したがって、ELパネル1282は、ミリ波レーダ1281による情報の検出を妨げない。この事実もまた、ミリ波レーダ1281を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
また、ELパネル1282から出射される光の色は、適宜に定められうる。したがって、ミリ波レーダ1281の視認性を低下させるだけでなく、動作時において新規な外観を呈するランプ装置を提供できる。
第一センサユニット1026に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するために、第二センサユニット1028と同様の構成が設けられうる。すなわち、LiDARセンサまたは赤外線カメラに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、ミリ波レーダによって取得されうる。
第二センサユニット1028に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するために、第一センサユニット1026と同様の構成が設けられうる。すなわち、ミリ波レーダに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、LiDARセンサと赤外線カメラの少なくとも一方によって取得されうる。
少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1020の仕様に応じて適宜に定められうる。
少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1020の仕様に応じて適宜に定められうる。
左前ランプ装置1020の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置1020と前後対称でありうる。但し、LiDARセンサ1261とミリ波レーダ1281の仕様もまた適宜に変更されうる。
特に左後ランプ装置の場合、第一ランプユニット1014と第二ランプユニット1015の少なくとも一方に代えて、ELパネル1262とELパネル1282の少なくとも一方を、ストップランプ、ブレーキランプ、方向指示灯など灯具として利用できる。
この場合、灯具の背後にLiDARセンサ、赤外線カメラ、またはミリ波レーダを配置できるため、灯室内の限られた空間を有効に活用できる。
左前ランプ装置1020の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
次に、図5を参照しつつ、第三実施形態に係る左前ランプ装置1030について説明する。左前ランプ装置1030は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置1030と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。左前ランプ装置1030は、第一センサユニット1036と第二センサユニット1038を備えている。それ以外の構成は第一実施形態に係る左前ランプ装置1010と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
第一センサユニット1036は、LiDARセンサ1361を備えている。LiDARセンサ1361の構成は、第一実施形態に係るLiDARセンサ1161と同一である。
第一センサユニット1036は、導光部材1362と光源1363を備えている。導光部材1362は透明な光学部材である。光源1363から出射された光は、導光部材1362に入射し、内部反射、散乱、および拡散の少なくとも一つに供される。結果として導光部材1362から出射された光は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。
光源1363は、所定の波長を含む光を出射するように構成されたランプ光源または発光素子である。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、EL素子などが挙げられる。
図5に示されるように、導光部材1362は、透光カバー1012(不図示)が位置する側からLiDARセンサ1361の検出面1361aを部分的に覆うように配置されている。光源1363から出射された光が導光部材1362に入射すると、車両100の外方からは、当該光の波長に対応する色で導光部材1362が発光しているように見える。これにより、背後に配置されているLiDARセンサ1361の視認性が低下する。
前述のように、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有している。導光部材1362は、少なくとも一時的に当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。すなわち、導光部材1362は、発光により低透明部を形成するように構成されている。
前述のように、灯具との干渉を避けつつLiDARセンサ1361が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、導光部材1362によってLiDARセンサ1361の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、LiDARセンサ1361を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
また、導光部材1362から出射される光の色は、適宜に定められうる。したがって、LiDARセンサ1361の視認性を低下させるだけでなく、動作時において新規な外観を呈するランプ装置を提供できる。
導光部材1362の材料は、可視光のみならず、LiDARセンサ1361が情報の検出に用いる非可視光に対しても透過性を有するように選ばれることが好ましい。この場合、導光部材1362は、LiDARセンサ1361の検出面1361aの一部を覆ってはいるものの、検出に用いられる非可視光の透過を許容する。したがって、導光部材1362は、LiDARセンサ1361による情報の検出を妨げない。この事実もまた、LiDARセンサ1361を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
LiDARセンサ1361が情報の検出に用いる非可視光に対する導光部材1362の材料の透過性が低い場合、LiDARセンサ1361の検出面1361aのうち非可視光が通過する部分を避けるように導光部材1362が配置されることが好ましい。この場合、LiDARセンサ1361により検出される情報から導光部材1362による反射に係る情報を除去する処理を不要にできる。
図6に示されるように、第一センサユニット1036は、支持部材1364を備えている。支持部材1364は、灯室1013内に配置されている。支持部材1364は、LiDARセンサ1361、導光部材1362、および光源1363を支持している。LiDARセンサ1361、導光部材1362、および光源1363の相対位置関係は、支持部材1364によって維持されている。
第一センサユニット1036は、水平調節スクリュー1365を備えている。水平調節スクリュー1365は、調節機構の一例である。水平調節スクリュー1365は、ハウジング1011を貫通して延びている。水平調節スクリュー1365は、不図示のジョイントを介して支持部材1364と連結されている。水平調節スクリュー1365のヘッド部1365aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1365aが回転操作されると、水平調節スクリュー1365の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1364の姿勢を水平面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
第一センサユニット1036は、垂直調節スクリュー1366を備えている。垂直調節スクリュー1366は、調節機構の一例である。垂直調節スクリュー1366は、ハウジング1011を貫通して延びている。垂直調節スクリュー1366は、不図示のジョイントを介して支持部材1364と連結されている。垂直調節スクリュー1366のヘッド部1366aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1366aが回転操作されると、垂直調節スクリュー1366の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1364の姿勢を垂直面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
支持部材1364の姿勢調節は、LiDARセンサ1361の検出基準位置と導光部材1362からの光出射方向の少なくとも一方を調節するために行なわれる。前述のように、LiDARセンサ1361、導光部材1362、および光源1363の相対位置関係は、支持部材1364によって維持されている。したがって、前記の調節と、導光部材1362によりLiDARセンサ1361の視認性を低下させる効果を維持するための調整とを個別に行なう必要がない。
水平調節スクリュー1365は、支持部材1364の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。垂直調節スクリュー1366は、支持部材1364の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。
導光部材1362と光源1363を備える第一センサユニット1036の構成は、情報の検出に赤外光を使用する他のセンサにも適用可能である。そのようなセンサの例としては、赤外線カメラが挙げられる。
図5に示されるように、第二センサユニット1038は、ミリ波レーダ1381を備えている。ミリ波レーダ1381の構成は、第一実施形態に係るミリ波レーダ1181と同一である。
第二センサユニット1038は、導光部材1382と光源1383を備えている。導光部材1382は透明な光学部材である。光源1383から出射された光は、導光部材1382に入射し、内部反射、散乱、および拡散の少なくとも一つに供される。結果として導光部材1382から出射された光は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。
光源1383は、所定の波長を含む光を出射するように構成されたランプ光源または発光素子である。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、EL素子などが挙げられる。
導光部材1382は、透光カバー1012(不図示)が位置する側からミリ波レーダ1381の検出面1381aを部分的に覆うように配置されている。光源1383から出射された光が導光部材1382に入射すると、車両100の外方からは、当該光の波長に対応する色で導光部材1382が発光しているように見える。これにより、背後に配置されているミリ波レーダ1381の視認性が低下する。
前述のように、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有している。導光部材1382は、少なくとも一時的に当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。すなわち、導光部材1382は、発光により低透明部を形成するように構成されている。
前述のように、灯具との干渉を避けつつミリ波レーダ1381が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、導光部材1382によってミリ波レーダ1381の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、ミリ波レーダ1381を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
また、導光部材1382から出射される光の色は、適宜に定められうる。したがって、ミリ波レーダ1381の視認性を低下させるだけでなく、動作時において新規な外観を呈するランプ装置を提供できる。
さらに、導光部材1382は、ミリ波レーダ1381の検出面1381aの一部を覆ってはいるものの、検出に用いられるミリ波の透過を許容する。したがって、導光部材1382は、ミリ波レーダ1381による情報の検出を妨げない。この事実もまた、ミリ波レーダ1381を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
図6に示されるように、第二センサユニット1038は、支持部材1384を備えている。支持部材1384は、灯室1013内に配置されている。支持部材1384は、ミリ波レーダ1381、導光部材1382、および光源1383を支持している。ミリ波レーダ1381、導光部材1382、および光源1383の相対位置関係は、支持部材1384によって維持されている。
第二センサユニット1038は、水平調節スクリュー1385を備えている。水平調節スクリュー1385は、調節機構の一例である。水平調節スクリュー1385は、ハウジング1011を貫通して延びている。水平調節スクリュー1385は、不図示のジョイントを介して支持部材1384と連結されている。水平調節スクリュー1385のヘッド部1385aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1385aが回転操作されると、水平調節スクリュー1385の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1384の姿勢を水平面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
第二センサユニット1038は、垂直調節スクリュー1386を備えている。垂直調節スクリュー1386は、調節機構の一例である。垂直調節スクリュー1386は、ハウジング1011を貫通して延びている。垂直調節スクリュー1386は、不図示のジョイントを介して支持部材1384と連結されている。垂直調節スクリュー1386のヘッド部1386aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1386aが回転操作されると、垂直調節スクリュー1386の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1384の姿勢を垂直面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
支持部材1384の姿勢調節は、ミリ波レーダ1381の検出基準位置と導光部材1382からの光出射方向の少なくとも一方を調節するために行なわれる。前述のように、ミリ波レーダ1381、導光部材1382、および光源1383の相対位置関係は、支持部材1384によって維持されている。したがって、前記の調節と、導光部材1382によりミリ波レーダ1381の視認性を低下させる効果を維持するための調整とを個別に行なう必要がない。
水平調節スクリュー1385は、支持部材1384の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。垂直調節スクリュー1386は、支持部材1384の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。
第一センサユニット1036に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するために、第二センサユニット1038と同様の構成が設けられうる。すなわち、LiDARセンサまたは赤外線カメラに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、ミリ波レーダによって取得されうる。
第二センサユニット1038に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するために、第一センサユニット1036と同様の構成が設けられうる。すなわち、ミリ波レーダに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、LiDARセンサと赤外線カメラの少なくとも一方によって取得されうる。
少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1030の仕様に応じて適宜に定められうる。
少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1030の仕様に応じて適宜に定められうる。
左前ランプ装置1030の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置1010と前後対称でありうる。但し、第一ランプユニット1014と第二ランプユニット1015の仕様は適宜に変更されうる。LiDARセンサ1361とミリ波レーダ1381の仕様もまた適宜に変更されうる。
左前ランプ装置1030の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
次に、図7を参照しつつ、第四実施形態に係る左前ランプ装置1040について説明する。左前ランプ装置1040は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置1040と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。左前ランプ装置1040は、第一センサユニット1046と第二センサユニット1048を備えている。それ以外の構成は第一実施形態に係る左前ランプ装置1010と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
第一センサユニット1046は、LiDARセンサ1461を備えている。LiDARセンサ1461の構成は、第一実施形態に係るLiDARセンサ1161と同一である。
第一センサユニット1046は、複数のルーバ1462を備えている。図8に示されるように、各ルーバ1462は、LiDARセンサ1461から出射された非可視光を反射可能な表面を有する光学部材である。各ルーバ1462に反射された非可視光は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。車両100の外方に位置する物体からの戻り光は、各ルーバ1462に反射されてLiDARセンサ1461の検出面1461aに入射する。
図7に示されるように、複数のルーバ1462は、透光カバー1012(不図示)が位置する側からLiDARセンサ1461の検出面1461aを覆うように配置されている。各ルーバ1462は、車両100の外方から見て不透明な外観を有している。したがって、背後に配置されているLiDARセンサ1461の視認性が低下する。
前述のように、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有している。各ルーバ1462は、当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。各ルーバ1462は、低透明部の一例である。LiDARセンサ1461は、低透明部による反射を利用して車両100の外部の情報を検出する。
前述のように、灯具との干渉を避けつつLiDARセンサ1461が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、複数のルーバ1462によってLiDARセンサ1461の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、LiDARセンサ1461を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
さらに、複数のルーバ1462は、LiDARセンサ1461の検出面1461aを覆ってはいるものの、検出に用いられる非可視光の反射による通過を許容する。したがって、複数のルーバ1462は、LiDARセンサ1461による情報の検出を妨げない。この事実もまた、LiDARセンサ1461を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
図9に示されるように、第一センサユニット1046は、支持部材1464を備えている。支持部材1464は、灯室1013内に配置されている。支持部材1464は、LiDARセンサ1461と複数のルーバ1462を支持している。LiDARセンサ1461と各ルーバ1462の相対位置関係は、支持部材1464によって維持されている。
第一センサユニット1046は、水平調節スクリュー1465を備えている。水平調節スクリュー1465は、調節機構の一例である。水平調節スクリュー1465は、ハウジング1011を貫通して延びている。水平調節スクリュー1465は、不図示のジョイントを介して支持部材1464と連結されている。水平調節スクリュー1465のヘッド部1465aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1465aが回転操作されると、水平調節スクリュー1465の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1464の姿勢を水平面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
第一センサユニット1046は、垂直調節スクリュー1466を備えている。垂直調節スクリュー1466は、調節機構の一例である。垂直調節スクリュー1466は、ハウジング1011を貫通して延びている。垂直調節スクリュー1466は、不図示のジョイントを介して支持部材1464と連結されている。垂直調節スクリュー1466のヘッド部1466aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1466aが回転操作されると、垂直調節スクリュー1466の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1464の姿勢を垂直面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
支持部材1464の姿勢調節は、LiDARセンサ1461の検出基準位置と各ルーバ1462からの光反射方向の少なくとも一方を調節するために行なわれる。前述のように、LiDARセンサ1461と各ルーバ1462の相対位置関係は、支持部材1464によって維持されている。したがって、前記の調節と、複数のルーバ1462によりLiDARセンサ1461の視認性を低下させる効果を維持するための調整とを個別に行なう必要がない。
水平調節スクリュー1465は、支持部材1464の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。垂直調節スクリュー1466は、支持部材1464の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。
複数のルーバ1462を備える第一センサユニット1046の構成は、情報の検出に赤外光を使用する他のセンサにも適用可能である。そのようなセンサの例としては、赤外線カメラが挙げられる。
第二センサユニット1048は、ミリ波レーダ1481を備えている。ミリ波レーダ1481の構成は、第一実施形態に係るミリ波レーダ1181と同一である。
第二センサユニット1048は、複数のルーバ1482を備えている。図8に示されるように、各ルーバ1482は、ミリ波レーダ1481から出射されたミリ波を反射可能な表面を有する光学部材である。各ルーバ1482に反射されたミリ波は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。車両100の外方に位置する物体からの反射波は、各ルーバ1482に反射されてミリ波レーダを1481の検出面1481aに入射する。
図7に示されるように、複数のルーバ1482は、透光カバー1012(不図示)が位置する側からミリ波レーダ1481の検出面1481aを覆うように配置されている。各ルーバ1482は、車両100の外方から見て不透明な外観を有している。したがって、背後に配置されているミリ波レーダ1481の視認性が低下する。
前述のように、透光カバー1012は、可視光に対して第一の透明性を有している。各ルーバ1482は、当該可視光に対して第二の透明性を有していると言える。第二の透明性は、第一の透明性よりも低い。各ルーバ1482は、低透明部の一例である。ミリ波レーダ1481は、低透明部による反射を利用して車両100の外部の情報を検出する。
前述のように、灯具との干渉を避けつつミリ波レーダ1481が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、複数のルーバ1482によってミリ波レーダ1481の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、ミリ波レーダ1481を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減可能である。
さらに、複数のルーバ1482は、ミリ波レーダ1481の検出面1481aを覆ってはいるものの、検出に用いられるミリ波の反射による通過を許容する。したがって、複数のルーバ1482は、ミリ波レーダ1481による情報の検出を妨げない。この事実もまた、ミリ波レーダ1481を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減可能である。
図9に示されるように、第二センサユニット1048は、支持部材1484を備えている。支持部材1484は、灯室1013内に配置されている。支持部材1484は、ミリ波レーダ1481と複数のルーバ1482を支持している。ミリ波レーダ1481と各ルーバ1482の相対位置関係は、支持部材1484によって維持されている。
第二センサユニット1048は、水平調節スクリュー1485を備えている。水平調節スクリュー1485は、調節機構の一例である。水平調節スクリュー1485は、ハウジング1011を貫通して延びている。水平調節スクリュー1485は、不図示のジョイントを介して支持部材1484と連結されている。水平調節スクリュー1485のヘッド部1485aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1485aが回転操作されると、水平調節スクリュー1485の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1484の姿勢を水平面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
第二センサユニット1048は、垂直調節スクリュー1486を備えている。垂直調節スクリュー1486は、調節機構の一例である。垂直調節スクリュー1486は、ハウジング1011を貫通して延びている。垂直調節スクリュー1486は、不図示のジョイントを介して支持部材1484と連結されている。垂直調節スクリュー1486のヘッド部1486aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1486aが回転操作されると、垂直調節スクリュー1486の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1484の姿勢を垂直面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
支持部材1484の姿勢調節は、ミリ波レーダ1481の検出基準位置と各ルーバ1482からの光反射方向の少なくとも一方を調節するために行なわれる。前述のように、ミリ波レーダ1481と各ルーバ1482の相対位置関係は、支持部材1484によって維持されている。したがって、前記の調節と、複数のルーバ1482によりミリ波レーダ1481の視認性を低下させる効果を維持するための調整とを個別に行なう必要がない。
水平調節スクリュー1485は、支持部材1484の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。垂直調節スクリュー1486は、支持部材1484の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。
第一センサユニット1046に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するために、第二センサユニット1048と同様の構成が設けられうる。すなわち、LiDARセンサまたは赤外線カメラに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、ミリ波レーダによって取得されうる。
第二センサユニット1048に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するために、第一センサユニット1046と同様の構成が設けられうる。すなわち、ミリ波レーダに加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、LiDARセンサと赤外線カメラの少なくとも一方によって取得されうる。
少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1040の仕様に応じて適宜に定められうる。
少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1040の仕様に応じて適宜に定められうる。
左前ランプ装置1040の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置1010と前後対称でありうる。但し、第一ランプユニット1014と第二ランプユニット1015の仕様は適宜に変更されうる。LiDARセンサ1461とミリ波レーダ1481の仕様もまた適宜に変更されうる。
左前ランプ装置1040の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
次に、図10を参照しつつ、第五実施形態に係る左前ランプ装置1050について説明する。左前ランプ装置1050は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置1050と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。左前ランプ装置1050は、センサユニット1056を備えている。それ以外の構成は第一実施形態に係る左前ランプ装置1010と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
センサユニット1056は、LiDARセンサ1561を備えている。LiDARセンサ1561の構成は、第一実施形態に係るLiDARセンサ1161と同一である。すなわち、LiDARセンサ1561は、車両100の少なくとも前方を含む領域の情報を検出する。
センサユニット1056は、光学部材1562を備えている。光学部材1562は、基材1562aの表面に金属皮膜1562bが形成された構成を有している。基材1562aは、LiDARセンサ1561が情報の検出に用いる非可視光に対して透過性を有する材料からなる。金属皮膜1562bは、蒸着、接着、ホットスタンプなどの手法により形成される。図11に示されるように、基材1562aは、集光部1562cを有している。集光部1562cは、LiDARセンサ1561から出射された非可視光を集光可能な構成を有している。集光部1562cによって集光された非可視光は、金属皮膜1562bの間に形成された隙間から出射される。光学部材1562から出射された非可視光は、透光カバー1012を通過して車両100の外方へ向かう。
図10に示されるように、金属皮膜1562bは、透光カバー1012(不図示)が位置する側からLiDARセンサ1561の検出面1561aを部分的に覆うように配置されている。金属皮膜1562bは、車両100の外方から見て不透明な外観を有している。したがって、背後に配置されているLiDARセンサ1561の視認性が低下する。金属皮膜1562bは、低透明部の一例である。
前述のように、灯具との干渉を避けつつLiDARセンサ1561が情報を検出可能な設置場所を灯室1013内に確保し、かつ外観上の違和感を避けるには困難が伴う。しかしながら、本実施形態の構成によれば、金属皮膜1562bによってLiDARセンサ1561の視認性が低下されるため、少なくとも外観上の違和感に係る制約を軽減できる。よって、LiDARセンサ1561を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減できる。
さらに、LiDARセンサ1561の検出面1561aの一部が金属皮膜1562bによって覆ってはいるものの、検出に用いられる非可視光の通過を集光部1562cが許容する。したがって、光学部材1562は、LiDARセンサ1561による情報の検出を妨げない。この事実もまた、LiDARセンサ1561を灯室1013内に配置しようとする際に生じるレイアウト上の制約を軽減しうる。
図12に示されるように、センサユニット1056は、支持部材1564を備えている。支持部材1564は、灯室1013内に配置されている。支持部材1564は、LiDARセンサ1561と光学部材1562を支持している。LiDARセンサ1561と光学部材1562の相対位置関係は、支持部材1564によって維持されている。
センサユニット1056は、水平調節スクリュー1565を備えている。水平調節スクリュー1565は、調節機構の一例である。水平調節スクリュー1565は、ハウジング1011を貫通して延びている。水平調節スクリュー1565は、不図示のジョイントを介して支持部材1564と連結されている。水平調節スクリュー1565のヘッド部1565aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1565aが回転操作されると、水平調節スクリュー1565の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1564の姿勢を水平面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
センサユニット1056は、垂直調節スクリュー1566を備えている。垂直調節スクリュー1566は、調節機構の一例である。垂直調節スクリュー1566は、ハウジング1011を貫通して延びている。垂直調節スクリュー1566は、不図示のジョイントを介して支持部材1564と連結されている。垂直調節スクリュー1566のヘッド部1566aは、ハウジング1011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部1566aが回転操作されると、垂直調節スクリュー1566の回転が、上記のジョイントによって、支持部材1564の姿勢を垂直面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
支持部材1564の姿勢調節は、LiDARセンサ1561の検出基準位置と光学部材1562からの光出射方向の少なくとも一方を調節するために行なわれる。前述のように、LiDARセンサ1561と光学部材1562の相対位置関係は、支持部材1564によって維持されている。したがって、前記の調節と、光学部材1562によりLiDARセンサ1561の視認性を低下させる効果を維持するための調整とを個別に行なう必要がない。
水平調節スクリュー1565は、支持部材1564の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。垂直調節スクリュー1566は、支持部材1564の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。
光学部材1562を備えるセンサユニット1056の構成は、情報の検出に赤外光を使用する他のセンサにも適用可能である。そのようなセンサの例としては、赤外線カメラが挙げられる。
少なくとも車両100の前方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1050の仕様に応じて適宜に定められうる。
センサユニット1056に加えてあるいは代えて、少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するために、センサユニット1056と同様の構成が設けられうる。すなわち、少なくとも車両100の前方を含む領域の情報は、LiDARセンサと赤外線カメラの少なくとも一方によって取得されうる。
少なくとも車両100の左方を含む領域の情報を検出するためのセンサの種別と数は、左前ランプ装置1050の仕様に応じて適宜に定められうる。
左前ランプ装置1050の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置1010と前後対称でありうる。但し、第一ランプユニット1014と第二ランプユニット1015の仕様は適宜に変更されうる。LiDARセンサ1561の仕様もまた適宜に変更されうる。
左前ランプ装置1050の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
図13は、第五実施形態に係る左前ランプ装置1050の変形例を示している。本例においては、上述の光学部材1562に代えて光学部材1562Aが設けられる。光学部材1562Aは、上述の集光部1562cに代えて、光拡散部1562dを備えている。このような構成によっても、金属皮膜1562bによってLiDARセンサ1561の視認性を低下させつつ、LiDARセンサ1561が情報の検出に用いる非可視光の通過を許容できる。
上記の第一実施形態から第五実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。第一実施形態から第五実施形態に係る各構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
第一実施形態から第五実施形態を参照して説明した各構成は、使用されるセンサの種別に応じて、相互に組み合わせや置き換えが可能である。
図14は、第六実施形態に係る左前センサシステム2010の外観を示している。左前センサシステム2010は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前センサシステム2010と左右対称の構成を有する右前センサシステムが搭載される。
左前センサシステム2010は、ハウジング2011と透明カバー2012を備えている。図15は、図14に示された状態から透明カバー2012を取り外した左前センサシステム2010の一部を示している。ハウジング2011と透明カバー2012は、収容空間2013を区画している。
左前センサシステム2010は、ランプユニット2014、第一センサユニット2015、および第二センサユニット2016を備えている。ランプユニット2014、第一センサユニット2015、および第二センサユニット2016は、収容空間2013内に配置されている。
図16は、図15に示された状態の左前センサシステム2010の一部を車両100の前方から見た外観を示している。
ランプユニット2014は、光源2141を備えている。光源2141としては、ランプ光源や発光素子が使用されうる。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。本実施形態においては、四つの光源2141が設けられている。しかしながら、光源2141の数は、左前センサシステム2010の仕様に応じて適宜に定められうる。
ランプユニット2014は、リフレクタ2142を備えている。リフレクタ2142は、光源から出射された光を所定の方向へ向けて反射するように構成されている。本実施形態においては、四つの光源2141の各々に一つのリフレクタ2142が設けられている。しかしながら、光源2141とリフレクタ2142の数の関係は、左前センサシステム2010の仕様に応じて適宜に定められうる。
ランプユニット2014は、ランプハウジング2143を備えている。ランプハウジング2143は、光源2141とリフレクタ2142を収容している。
第一センサユニット2015は、第一LiDARセンサ2151を備えている。第一LiDARセンサ2151は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の前方に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。車両100の前方は、車両の外部の一例である。第一LiDARセンサ2151は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
第一LiDARセンサ2151は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
すなわち、第一LiDARセンサ2151は、少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。第一LiDARセンサ2151は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、第一LiDARセンサ2151より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前センサシステム2010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
第一センサユニット2015は、第一センサハウジング2152を備えている。第一センサハウジング2152は、第一LiDARセンサ2151を収容している。
図17は、図15に示された状態の左前センサシステム2010の一部を車両100の左方から見た外観を示している。
第二センサユニット2016は、第二LiDARセンサ2161を備えている。第二LiDARセンサ2161は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の左方に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。車両100の左方は、車両の外部の一例である。第二LiDARセンサ2161は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
第二LiDARセンサ2161は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
すなわち、第二LiDARセンサ2161は、少なくとも車両100の左方の情報を検出するセンサである。第二LiDARセンサ2161は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、第二LiDARセンサ2161より出力された信号が図示しない情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前センサシステム2010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
第二センサユニット2016は、第二センサハウジング2162を備えている。第二センサハウジング2162は、第二LiDARセンサ2161を収容している。
図16に示されるように、左前センサシステム2010は、一対の第一発光ユニット2017を備えている。一対の第一発光ユニット2017は、収容空間2013内における第一LiDARセンサ2151の検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、一対の第一発光ユニット2017は、第一センサハウジング2152に設けられている。一対の第一発光ユニット2017と第一LiDARセンサ2151は、車両100の前方から見て車両100の左右方向に対応する向きに配列されている。
図17に示されるように、左前センサシステム2010は、一対の第二発光ユニット2018を備えている。一対の第二発光ユニット2018は、収容空間2013内における第二LiDARセンサ2161の検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、一対の第二発光ユニット2018は、第二センサハウジング2162に設けられている。一対の第二発光ユニット2018と第二LiDARセンサ2161は、車両100の左方から見て車両100の前後方向に対応する向きに配列されている。
図18は、左前センサシステム2010の一部を車両100の上方から見た外観を示している。各第一発光ユニット2017は、第一光源2171と第一導光部材2172を含んでいる。各第二発光ユニット2018は、第二光源2181と第二導光部材2182を含んでいる。
第一光源2171は、所定の波長を含む光を出射するランプ光源または発光素子である。ランプ光源と発光素子の例については上述した通りである。第一導光部材2172は、一端面から入射した光が内部反射、拡散、および散乱の少なくとも一つに供された後に別の端面から出射されるように構成された光学部品である。
図16と図18に示されるように、第一導光部材2172は、第一センサハウジング2152の外面に沿って延びている。第一光源2171から出射された光は、第一導光部材2172の後端面から入射する。当該入射光は、内部反射などを経て第一導光部材2172の外周面を形成している端面から出射される。したがって、第一光源2171が点灯されると、第一導光部材2172の外周面全体が発光しているように視認される。第一導光部材2172は、発光体の一例である。
第二光源2181は、所定の波長を含む光を出射するランプ光源または発光素子である。ランプ光源と発光素子の例については上述した通りである。第二導光部材2182は、一端面から入射した光が内部反射、拡散、および散乱の少なくとも一つに供された後に別の端面から出射されるように構成された光学部品である。
図17と図18に示されるように、第二導光部材2182は、第二センサハウジング2162の外面に沿って延びている。第二光源2181から出射された光は、第二導光部材2182の後端面から入射する。当該入射光は、内部反射などを経て第二導光部材2182の外周面を形成している端面から出射される。したがって、第二光源2181が点灯されると、第二導光部材2182の外周面全体が発光しているように視認される。第二導光部材2182は、発光体の一例である。
図18に示されるように、左前センサシステム2010は、制御部2019を備えている。制御部2019は、プロセッサとメモリを備えている。プロセッサの例としては、CPUやMPUが挙げられる。メモリは、プロセッサにより実行可能な命令を記憶している。メモリの例としては、各種の命令が記憶されたROMや、プロセッサにより実行される各種命令が記憶されるワークエリアを有しているRAMが挙げられる。制御部2019は、車両100に搭載されたECUが備えているプロセッサとメモリによって構成されてもよいし、収容空間2013内に配置されたASICやFPGAなどの専用デバイスによって構成されてもよい。
制御部2019は、第一LiDARセンサ2151の動作と連携して各第一光源2171を点灯させるように構成されている。すなわち、一対の第一発光ユニット2017は、第一LiDARセンサ2151の動作と連携して発光する。具体的には、第一LiDARセンサ2151による車両100の外部の情報の検出が行なわれているときに、各第一光源2171が点灯される。第一LiDARセンサ2151の起動時や動作終了時に第一光源2171が点灯されてもよい。点灯の態様、すなわち第一導光部材2172の発光態様(色、常時発光、点滅、明るさの増減など)は、第一LiDARセンサ2151の動作態様に応じて適宜に定められうる。
制御部2019は、第二LiDARセンサ2161の動作と連携して各第二光源2181を点灯させるように構成されている。すなわち、一対の第二発光ユニット2018は、第二LiDARセンサ2161の動作と連携して発光する。具体的には、第二LiDARセンサ2161による車両100の外部の情報の検出が行なわれているときに、各第二光源2181が点灯される。第二LiDARセンサ2161の起動時や動作終了時に第二光源2181が点灯されてもよい。点灯の態様、すなわち第二導光部材2182の発光態様(色、常時発光、点滅、明るさの増減など)は、第二LiDARセンサ2161の動作態様に応じて適宜に定められうる。
車両の外部の情報を効率的に取得する観点からは、灯具が配置されている車両の隅部は、LiDARセンサの配置場所として有利である。しかしながら、LiDARセンサは比較的大きな寸法を有しており、かつ灯具とは大きく異なる外観を有している。したがって、灯具の近傍にLiDARセンサを配置しようとすると、外観上の違和感を生じることを免れない。このような違和感を軽減するためには、LiDARセンサを不透明なカバーで覆うなどの手法が採られることが一般的である。
本実施形態の構成においては、透明カバー2012で区画された収容空間2013内に第一LiDARセンサ2151と第二LiDARセンサ2161を配置することにより、敢えてこれらが視認されるようにしている。さらに、第一LiDARセンサ2151の動作と連携して発光する第一導光部材2172、および第二LiDARセンサ2161の動作と連携して発光する第二導光部材2182が、収容空間2013内に配置されている。これにより、LiDARセンサの存在感を敢えて強調する新規な外観を伴う新たな商品価値を提供できる。また、LiDARセンサの存在感を抑制する必要性という制約から解放されるため、LiDARセンサの配置自由度を向上できる。
第一導光部材2172と第二導光部材2182が常時発光する構成の場合、これらを昼間点灯ランプや車幅灯として利用することも可能である。
好ましくは、車両100が第一LiDARセンサ2151を用いて運転支援動作を行なっているときに各第一光源2171が点灯される。運転支援動作は、運転操作(ハンドル操作、加速、減速)、走行環境の監視、および運転操作のバックアップの少なくとも一つを少なくとも部分的に行なう制御処理を意味する。すなわち、衝突被害軽減ブレーキ機能やレーンキープアシスト機能のような部分的な運転支援から完全自動運転動作までを含む意味である。運転支援のレベルに応じて点灯の態様、すなわち第一導光部材2172の発光態様が変更されてもよい。
同様に、車両100が第二LiDARセンサ2161を用いて運転支援動作を行なっているときに各第二光源2181が点灯される。運転支援動作は、運転操作(ハンドル操作、加速、減速)、走行環境の監視、および運転操作のバックアップの少なくとも一つを少なくとも部分的に行なう制御処理を意味する。すなわち、衝突被害軽減ブレーキ機能やレーンキープアシスト機能のような部分的な運転支援から完全自動運転動作までを含む意味である。運転支援のレベルに応じて点灯の態様、すなわち第二導光部材2182の発光態様が変更されてもよい。
このような構成によれば、車両100が運転支援動作中であることを車両100の外部からも認知でき、新たな商品価値を提供できる。このような機能の社会的認知が進めば、発光により歩行者や他のドライバーに対して安心感を与えることもできる。
本実施形態においては、第一LiDARセンサ2151の動作と連携して第一導光部材2172が発光し、第二LiDARセンサ2161の動作と連携して第二導光部材2182が発光する。
導光部材は、形状の選択自由度が比較的高く、広い発光領域を確保しやすい光学部品である。したがって、LiDARセンサの存在感を強調できる発光態様を容易かつ柔軟に実現できる。
本実施形態においては、第一センサユニット2015と第二センサユニット2016の双方がLiDARセンサを備えている。しかしながら、第一センサユニット2015と第二センサユニット2016の少なくとも一方は、車両100の外部の情報を検出可能な他のセンサを含むように構成されうる。そのようなセンサの例としては、ミリ波レーダ、超音波ソナー、可視光カメラ、赤外線カメラなどが挙げられる。
第一センサユニット2015と第二センサユニット2016のいずれかは省略されうる。あるいは、第一センサユニット2015と第二センサユニット2016に加えて、少なくとも一つのセンサユニットが設けられうる。当該センサユニットが備えるセンサの例としては、ミリ波レーダ、超音波ソナー、可視光カメラ、赤外線カメラなどが挙げられる。
左前センサシステム2010の構成は、左後センサシステムにも適用可能である。左後センサシステムは、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後センサシステムの基本的な構成は、左前センサシステム2010と前後対称でありうる。但し、ランプユニット2014、第一センサユニット2015、および第二センサユニット2016の仕様は適宜に変更されうる。
左前センサシステム2010の構成は、右後センサシステムにも適用可能である。右後センサシステムは、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後センサシステムの基本的な構成は、上述の左後センサシステムと左右対称である。
本実施形態においては、収容空間2013内にランプユニット2014が設けられている。しかしながら、左前センサシステム2010からランプユニット2014は省略されうる。センサの配置自由度を向上可能という観点からは、センサシステムの配置は、車両100の隅部に限定されない。
図19の(A)は、第七実施形態に係る左前センサシステム2020を車両100の前方から見た外観を模式的に示している。左前センサシステム2020は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前センサシステム2020と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。左前センサシステム2020は、センサユニット2025と一対の発光ユニット2027を備えている。それ以外の構成は第六実施形態に係る左前センサシステム2010と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
センサユニット2025は、ハウジング2011と透明カバー2012により区画された収容空間2013内に配置されている。センサユニット2025は、前述のLiDARセンサ、ミリ波レーダ、超音波ソナー、可視光カメラ、赤外線カメラのいずれかを備えている。
一対の発光ユニット2027は、収容空間2013内におけるセンサユニット2025のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、一対の発光ユニット2027は、車両100の外方から見てセンサユニット2025を包囲しているように見える位置に設けられている。
各発光ユニット2027は、光源2271と導光部材2272を含んでいる。光源2271は、所定の波長を含む光を出射するランプ光源または発光素子である。ランプ光源と発光素子の例については上述した通りである。導光部材2272は、一端面から入射した光が内部反射、拡散、および散乱の少なくとも一つに供された後に別の端面から出射されるように構成された光学部品である。なお、光源2271は、必ずしも収容空間2013内に配置されることを要しない。
光源2271から出射された光は、導光部材2272の入射端面から入射する。当該入射光は、内部反射などを経て導光部材2272の外面を形成している出射端面から出射される。したがって、光源2271が点灯されると、導光部材2272の出射端面全体が発光しているように視認される。導光部材2272は、発光体の一例である。
制御部2019は、センサユニット2025のセンサの動作と連携して各光源2271を点灯させるように構成されている。すなわち、一対の発光ユニット2027は、当該センサの動作と連携して発光する。具体的には、当該センサによる車両100の外部の情報の検出が行なわれているときに、各光源2271が点灯される。当該センサの起動時や動作終了時に光源2271が点灯されてもよい。点灯の態様、すなわち導光部材2272の発光態様(色、常時発光、点滅、明るさの増減など)は、当該センサの動作態様に応じて適宜に定められうる。
本実施形態の構成においては、透明カバー2012で区画された収容空間2013内にセンサユニット2025を配置することにより、敢えてこれらが視認されるようにしている。さらに、センサユニット2025のセンサの動作と連携して発光する導光部材2272が収容空間2013内に配置されている。これにより、センサの存在感を敢えて強調する新規な外観を伴う新たな商品価値を提供できる。また、センサの存在感を抑制する必要性という制約から解放されるため、車両100の外部の情報を取得するためのセンサの配置自由度を向上できる。
特に本実施形態においては、一対の導光部材2272が、車両100の外方から見てセンサユニット2025を包囲しているように見える位置に設けられている。これにより、センサの存在感をさらに強調する外観を提供できる。
一対の導光部材2272が常時発光する構成の場合、これらを昼間点灯ランプや車幅灯として利用することも可能である。あるいは、収容空間2013内に配置されうる不図示の昼間点灯ランプや車幅灯と併せて使用されうる。
好ましくは、車両100がセンサユニット2025のセンサを用いて運転支援動作を行なっているときに各光源2271が点灯される。運転支援のレベルに応じて点灯の態様、すなわち各発光ユニット2027の発光態様が変更されてもよい。
このような構成によれば、車両100が運転支援動作中であることを車両100の外部からも認知でき、新たな商品価値を提供できる。このような機能の社会的認知が進めば、発光により歩行者や他のドライバーに対して安心感を与えることもできる。
本実施形態においては、センサユニット2025のセンサの動作と連携して各導光部材2272が発光する。
導光部材は、形状の選択自由度が比較的高く、広い発光領域を確保しやすい光学部品である。したがって、センサの存在感を強調できる発光態様を容易かつ柔軟に実現できる。
なお、センサに対する所望の存在強調効果が得られるのであれば、一対の発光ユニット2027の一方は省略されうる。
図19の(B)に示されるように、一対の発光ユニット2027は、複数の光源2273で置き換えられうる。各光源2273は、所定の波長を含む光を出射するランプ光源または発光素子である。ランプ光源と発光素子の例については上述した通りである。各光源2273は、発光体の一例である。
本変形例において、複数の光源2273は、収容空間2013内におけるセンサユニット2025のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、複数の光源2273は、車両100の外方から見てセンサユニット2025を包囲しているように見える位置に設けられている。
この場合、制御部2019は、センサユニット2025のセンサの動作と連携して各光源2273を点灯させるように構成される。すなわち、複数の光源2273は、当該センサの動作と連携して発光する。具体的には、当該センサによる車両100の外部の情報の検出が行なわれているときに、各光源2273が点灯される。当該センサの起動時や動作終了時に光源2273が点灯されてもよい。点灯の態様、すなわち各光源2273の発光態様(色、常時発光、点滅、明るさの増減など)は、当該センサの動作態様に応じて適宜に定められうる。
本変形例の場合、導光部材による光の進行方向の変化を考慮する必要がなく、センサの存在感を強調可能な発光態様を実現するための光源の配置を容易かつ柔軟に決定できる。
なお、センサに対する所望の存在強調効果が得られるのであれば、複数の光源2273の一部は省略されうる。
本例の場合、図20の(A)に示されるような構成が採用されうる。左前センサシステム2020は、支持部材2028を備えうる。支持部材2028は、収容空間2013内に配置される。支持部材2028は、制御部2019、センサユニット2025、および複数の光源2273を支持する。制御部2019、センサユニット2025、および複数の光源2273の相対位置関係は、支持部材2028によって維持される。
このような構成によれば、連携動作に関与する制御部2019、センサユニット2025、および複数の光源2273をモジュール化して収容空間2013内に配置できる。
より具体的には、図20の(B)に示されるように、給電部2281と通信部2282が支持部材2028上に設けられている。
給電部2281は、車両100に搭載されている不図示の電源から電力の供給を受ける。給電部2281は、当該電力を、少なくとも制御部2019、センサユニット2025、および複数の光源2273に供給するように構成されている。
制御部2019は、通信部2282を介して車両100に搭載されている不図示の制御装置と通信可能に接続される。制御部2019は、通信部2282を介して当該制御装置からの制御信号を受信し、当該制御信号に基づいてセンサユニット2025と複数の光源2273の動作を制御するように構成されている。
図20の(A)に示されるように、左前センサシステム2020は、水平調節スクリュー2291を備えている。水平調節スクリュー2291は、調節機構の一例である。水平調節スクリュー2291は、ハウジング2011を貫通して延びている。水平調節スクリュー2291は、不図示のジョイントを介して支持部材2028と連結されている。水平調節スクリュー2291のヘッド部2291aは、ハウジング2011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部2291aが回転操作されると、水平調節スクリュー2291の回転が、上記のジョイントによって、支持部材2028の姿勢を水平面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
左前センサシステム2020は、垂直調節スクリュー2292を備えている。垂直調節スクリュー2292は、調節機構の一例である。垂直調節スクリュー2292は、ハウジング2011を貫通して延びている。垂直調節スクリュー2292は、不図示のジョイントを介して支持部材2028と連結されている。垂直調節スクリュー2292のヘッド部2292aは、ハウジング2011の外側に配置されている。所定の工具によりヘッド部2292aが回転操作されると、垂直調節スクリュー2292の回転が、上記のジョイントによって、支持部材2028の姿勢を垂直面内で変化させる動きに変換される。なお、ここで用いられている「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。ジョイントの構成自体は周知であるため、詳細な説明は省略する。
支持部材2028の姿勢調節は、センサユニット2025のセンサの検出基準位置と各光源2273からの光出射方向の少なくとも一方を調節するために行なわれる。前述のように、センサユニット2025と複数の光源2273の相対位置関係は、支持部材2028によって維持されている。したがって、いずれか一方の調節を行なえば、その結果が他方に反映される。
水平調節スクリュー2291は、支持部材2028の水平面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。垂直調節スクリュー2292は、支持部材2028の垂直面内における位置と姿勢の少なくとも一方を調節可能なアクチュエータで置き換えられうる。
図19の(C)に示されるように、一対の発光ユニット2027は、ELパネル2274で置き換えられうる。ELパネルは、所定の波長を含む光を出射可能な面発光源である。ELパネル2274は、有機ELパネルでもよいし、無機ELパネルでもよい。ELパネル2274は、発光体の一例である。
本変形例において、ELパネル2274は、収容空間2013内におけるセンサユニット2025のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、ELパネル2274は、車両100の外方から見てセンサユニット2025を包囲しているように見える位置に設けられている。
この場合、制御部2019は、センサユニット2025のセンサの動作と連携してELパネル2274を点灯させるように構成される。すなわち、ELパネル2274は、当該センサの動作と連携して発光する。具体的には、当該センサによる車両100の外部の情報の検出が行なわれているときに、ELパネル2274が点灯される。当該センサの起動時や動作終了時にELパネル2274が点灯されてもよい。点灯の態様、すなわちELパネル2274の発光態様(色、常時発光、点滅、明るさの増減など)は、当該センサの動作態様に応じて適宜に定められうる。
ELパネルは、形状の選択自由度が比較的高く、広い発光領域を確保しやすい光学部品である。また、導光部材のように光の進行方向の変化を考慮する必要がない。したがって、本例においても、センサの存在感を強調可能な発光態様を実現するための構成を容易かつ柔軟に決定できる。
左前センサシステム2020の構成は、左後センサシステムにも適用可能である。左後センサシステムは、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後センサシステムの基本的な構成は、左前センサシステム2020と前後対称でありうる。但し、ランプユニット2014とセンサユニット2025の仕様は適宜に変更されうる。
左前センサシステム2020の構成は、右後センサシステムにも適用可能である。右後センサシステムは、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後センサシステムの基本的な構成は、上述の左後センサシステムと左右対称である。
本実施形態においては、収容空間2013内にランプユニット2014が設けられている。しかしながら、左前センサシステム2020からランプユニット2014は省略されうる。センサの配置自由度を向上可能という観点からは、センサシステムの配置は、車両100の隅部に限定されない。
図21の(A)は、第八実施形態に係る左前センサシステム2030を車両100の前方から見た外観を模式的に示している。左前センサシステム2030は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前センサシステム2030と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。左前センサシステム2030は、第一センサユニット2035、第二センサユニット2036、第一発光ユニット2037、および第二発光ユニット2038を備えている。それ以外の構成は第六実施形態に係る左前センサシステム2010と同じであるため、繰り返しとなる説明は省略する。
第一センサユニット2035と第二センサユニット2036は、ハウジング2011と透明カバー2012により区画された収容空間2013内に配置されている。第一センサユニット2035と第二センサユニット2036の各々は、前述のLiDARセンサ、ミリ波レーダ、超音波ソナー、可視光カメラ、赤外線カメラのいずれかを備えている。
第一発光ユニット2037は、収容空間2013内における第一センサユニット2035のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、第一発光ユニット2037は、車両100の外方から見て第一センサユニット2035を包囲しているように見える位置に設けられている。第一発光ユニット2037は、図19の(A)を参照して説明した構成、図19の(B)を参照して説明した構成、および図19の(C)を参照して説明した構成のいずれかを採りうる。
第二発光ユニット2038は、収容空間2013内における第二センサユニット2036のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、第二発光ユニット2038は、車両100の外方から見て第二センサユニット2036を包囲しているように見える位置に設けられている。第二発光ユニット2038は、図19の(A)を参照して説明した構成、図19の(B)を参照して説明した構成、および図19の(C)を参照して説明した構成のいずれかを採りうる。
本実施形態の構成においては、透明カバー2012で区画された収容空間2013内に第一センサユニット2035と第二センサユニット2036を配置することにより、敢えてこれらが視認されるようにしている。さらに、第一センサユニット2035のセンサの動作と連携して発光する第一発光ユニット2037、および第二センサユニット2036のセンサの動作と連携して発光する第二発光ユニット2038が、収容空間2013内に配置されている。これにより、複数のセンサの存在感を敢えて強調する新規な外観を伴う新たな商品価値を提供できる。また、複数のセンサの存在感を抑制する必要性という制約から解放されるため、車両100の外部の情報を取得するためのセンサの配置自由度を向上できる。
特に本実施形態においては、第一発光ユニット2037と第二発光ユニット2038が、車両100の外方から見て第一センサユニット2035と第二センサユニット2036を個別に包囲しているように見える位置に設けられている。これにより、複数のセンサの存在感をさらに強調する外観を提供できる。
第一発光ユニット2037と第二発光ユニット2038が常時発光する構成の場合、これらを昼間点灯ランプや車幅灯として利用することも可能である。第一発光ユニット2037に割り当てられる機能と第二発光ユニット2038に割り当てられる機能は、同一であってもよいし、相違してもよい。例えば、第一発光ユニット2037と第二発光ユニット2038の双方が、昼間点灯ランプと車幅灯のいずれかとして使用されうる。あるいは、第一発光ユニット2037が昼間点灯ランプと車幅灯の一方として使用され、第二発光ユニット2038が他方として使用されうる。
本例においては、二つのセンサユニットが収容空間2013内に配置されている。しかしながら、左前センサシステム2030の仕様に応じて、三つ以上のセンサユニットが収容空間2013内に配置されうる。この場合、センサユニットと同数の発光ユニットが、各センサユニットが個別に包囲されているように見える位置に設けられる。
図21の(B)に示されるように、第一発光ユニット2037と第二発光ユニット2038は、発光ユニット2037Aで置き換えられうる。発光ユニット2037Aは、収容空間2013内における第一センサユニット2035のセンサによる検出動作および第二センサユニット2036のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、発光ユニット2037Aは、車両100の外方から見て第一センサユニット2035と第二センサユニット2036を個別に包囲しているように見える位置に設けられている。発光ユニット2037Aは、図19の(A)を参照して説明した構成、図19の(B)を参照して説明した構成、および図19の(C)を参照して説明した構成のいずれかを採りうる。
発光ユニット2037Aが常時発光する構成の場合、これらを昼間点灯ランプや車幅灯として利用することも可能である。あるいは、収容空間2013内に配置されうる不図示の昼間点灯ランプや車幅灯と併せて使用されうる。
本例においては、二つのセンサユニットが収容空間2013内に配置されている。しかしながら、左前センサシステム2030の仕様に応じて、三つ以上のセンサユニットが収容空間2013内に配置されうる。この場合、発光ユニット2037Aは、各センサユニットが個別に包囲されているように見える形状および配置とされる。
図21の(C)に示されるように、第一発光ユニット2037と第二発光ユニット2038は、発光ユニット2037Bで置き換えられうる。発光ユニット2037Bは、収容空間2013内における第一センサユニット2035のセンサによる検出動作および第二センサユニット2036のセンサによる検出動作を妨げない位置に配置されている。具体的には、発光ユニット2037Bは、車両100の外方から見て第一センサユニット2035と第二センサユニット2036を一括して包囲しているように見える位置に設けられている。発光ユニット2037Bは、図19の(A)を参照して説明した構成、図19の(B)を参照して説明した構成、および図19の(C)を参照して説明した構成のいずれかを採りうる。
発光ユニット2037Bが常時発光する構成の場合、これらを昼間点灯ランプや車幅灯として利用することも可能である。あるいは、収容空間2013内に配置されうる不図示の昼間点灯ランプや車幅灯と併せて使用されうる。
本例においては、二つのセンサユニットが収容空間2013内に配置されている。しかしながら、左前センサシステム2030の仕様に応じて、三つ以上のセンサユニットが収容空間2013内に配置されうる。この場合、発光ユニット2037Aは、各センサユニットが一括して包囲されているように見える形状および配置とされる。
左前センサシステム2030の構成は、左後センサシステムにも適用可能である。左後センサシステムは、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後センサシステムの基本的な構成は、左前センサシステム2030と前後対称でありうる。但し、ランプユニット2014、第一センサユニット2035、および第二センサユニット2036の仕様は適宜に変更されうる。
左前センサシステム2030の構成は、右後センサシステムにも適用可能である。右後センサシステムは、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後センサシステムの基本的な構成は、上述の左後センサシステムと左右対称である。
本実施形態においては、収容空間2013内にランプユニット2014が設けられている。しかしながら、左前センサシステム2030からランプユニット2014は省略されうる。センサの配置自由度を向上可能という観点からは、センサシステムの配置は、車両100の隅部に限定されない。
上記の第六実施形態から第八実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。第六実施形態から第八実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
第六実施形態から第八実施形態を参照して説明した各構成は、使用されるセンサの種別に応じて、相互に組み合わせや置き換えが可能である。
図22は、第九実施形態に係る左前ランプ装置3010の構成を模式的に示している。左前ランプ装置3010は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3010と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。
左前ランプ装置3010は、ハウジング3011と透光カバー3012を備えている。透光カバー3012は、車両100の外面の一部を形成する。透光カバー3012は、ハウジング3011とともに灯室3013を区画している。
左前ランプ装置3010は、ランプユニット3014を備えている。ランプユニット3014は、車両100の前方を含む領域に向けて光を出射する灯具である。ランプユニット3014は、例えば前照灯である。
左前ランプ装置3010は、LiDARセンサユニット3015を備えている。LiDARセンサユニット3015は、灯室3013内に配置されている。すなわち、灯室3013は、収容室の一例である。
LiDARセンサユニット3015は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の前方に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。車両100の前方は、車両の外部の一例である。LiDARセンサユニット3015は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
LiDARセンサユニット3015は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
すなわち、LiDARセンサユニット3015は、少なくとも車両100の前方の情報を検出するセンサである。LiDARセンサユニット3015は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、LiDARセンサユニット3015より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前ランプ装置3010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
灯室3013は、車両100の外部の情報を効率的に取得可能なLiDARセンサユニット3015の配置場所の一例である。しかしながら、LiDARセンサユニット3015は、比較的大きな寸法を有しており、かつランプユニット3014とは大きく異なる外観を呈していることが一般的である。したがって、灯室3013内にLiDARセンサユニット3015を配置しようとした場合、レイアウトに係る制約が大きくなる。
図22に示されるように、LiDARセンサユニット3015に係る上述の違和感を抑制するために、エクステンション部材3016が灯室3013内に設けられている。「エクステンション部材」とは、灯室3013内に配置されている構造の一部を覆い隠して車両100の外側から視認できないようにする意匠部品である。同図における二点鎖線LS0は、LiDARセンサユニット3015が本来有している検出可能領域の外縁を示している。ここで「検出可能領域」とは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に使用する検出光(出射光および戻り光)の進路上にある領域を意味している。
同図より明らかなように、LiDARセンサユニット3015が本来有している検出可能領域の一部は、エクステンション部材3016と干渉している。干渉が生じる領域については、所望の情報検出を遂行できない。他方、同図における一点鎖線LS1は、エクステンション部材3016との干渉を避けるために調節されたLiDARセンサユニット3015の検出範囲の外縁を示している。この場合、何らの策を講じることなく検出光に透光カバー3012を通過させると、検出可能領域が狭くなってしまう。
したがって、外観上の違和感を抑制しつつ、所望の検出可能領域を確保できるようなLiDARセンサユニット3015の配置を考慮する必要が生ずる。しかしながら、灯室3013内で利用可能な空間には限りがある上、ランプユニット3014などとの干渉も考慮する必要がある。よって、灯室3013を大型化することなくLiDARセンサユニット3015を適切な場所に配置することには困難が伴う。
本実施形態においては、透光カバー3012の内面3012aにレンズ部3017が設けられている。レンズ部3017は、光制御面3017aを有している。光制御面3017aは、凹面である。光制御面3017aは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる非可視光を屈折させつつ透過させうる材料により形成されている。
したがって、LiDARセンサユニット3015から出射された光は、光制御面3017aにおいて屈折されつつ透光カバー3012を通過する。結果として、車両100の外部においては、二点鎖線LS0で示される本来の検出可能領域と同等の検出可能領域が得られる。当該領域の情報に基づく戻り光は、透光カバー3012を通過する際に光制御面3017aによって再度屈折され、LiDARセンサユニット3015に戻る。
換言すると、光制御面3017aは、LiDARセンサユニット3015について所望の検出可能領域を確保できるように、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる検出光の進行方向を意図的に変化させる。このように光の進行方向を制御できるレンズ部3017が車両100の外面を形成する透光カバー3012の内面3012aに設けられている。当該箇所におけるレンズ部3017の配置および形状の選択自由度は比較的高いため、灯室3013内におけるLiDARセンサユニット3015のレイアウトに係る制約を緩和できる。
LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる検出光の全てに対して光制御を行なう必要はない。所望の検出可能領域の位置や範囲に応じて、検出光の一部に対して光制御を行なうように光制御面が構成されうる。図23は、そのような光制御面3017aを有する変形例に係るレンズ部3017Aを示している。
光制御面3017aの位置は、LiDARセンサユニット3015の検出可能領域が、二点鎖線LS0で示される本来の検出可能領域よりも右方(すなわち車両100の車幅方向における内方)に配置されるように定められている。このような構成によれば、LiDARセンサユニット3015のレイアウトに係る制約を緩和しつつ、検出可能領域の配置が比較的難しい車幅方向における内方にも検出可能領域を確保できる。
左前ランプ装置3010の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3010と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3010の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
図23における右側の一点鎖線LS1と右側の二点鎖線LS0の間に位置する領域を通過する検出光は、情報の検出に利用できない。灯室3013内における部材のレイアウトによっては、そのような検出光も有効活用しうる構成が採用されうる。
図24は、そのような構成を有する第十実施形態に係る左前ランプ装置3020を示している。左前ランプ装置3020は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3020と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前ランプ装置3020は、リフレクタ3027を備えている。リフレクタ3027は、透光カバー3012とLiDARセンサユニット3015の間に位置する空間に配置されている。リフレクタ3027は、光制御面3027aを有している。光制御面3027aは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる非可視光を反射可能な材料により形成されている。
図24における一点鎖線LS2は、LiDARセンサユニット3015が本来有している検出可能領域の一部の外縁を示している。LiDARセンサユニット3015から出射され、かつ一点鎖線LS2により区画される範囲を通る光は、光制御面3027aにより反射され、透光カバー3012を通過する。結果として、車両100の外部においては、一点鎖線LS1により区画される検出可能領域とは異なる検出可能領域が得られる。当該領域の情報に基づく戻り光は、透光カバー3012を通過した後、光制御面3027aによって反射され、LiDARセンサユニット3015に戻る。
換言すると、光制御面3027aは、LiDARセンサユニット3015について所望の検出可能領域を確保できるように、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる検出光の進行方向を意図的に変化させる。このように光の進行方向を制御できるリフレクタ3027が透光カバー3012とLiDARセンサユニット3015の間に位置する空間に設けられている。当該箇所におけるリフレクタ3027の配置および形状の選択自由度は比較的高いため、灯室3013内におけるLiDARセンサユニット3015のレイアウトに係る制約を緩和できる。
図24に示される例においては、リフレクタ3027の光制御面3027aによって反射される検出光は、エクステンション部材3016と干渉することを理由に一点鎖線LS1で区画される検出可能領域から除かれている。このような検出光をリフレクタ3027で反射して別の検出可能領域を形成できるため、LiDARセンサユニット3015の検出光の活用率を高めることができる。
本例に示されるように、所望される検出可能領域の位置と範囲によっては、リフレクタ3027の光制御面3027aで反射された検出光の一部は、レンズ部3017Aの光制御面3017aによるさらなる進行方向制御に供されうる。
所望される検出可能領域の位置と範囲によっては、レンズ部3017Aを設けることなく、リフレクタ3027の光制御面3027aのみで検出光の進行方向を制御してもよい。
左前ランプ装置3020の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3020と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3020の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
第九実施形態と第十実施形態においては、検出可能領域内における検出光の密度は一様である。例えば検出光を走査して情報を検出する構成の場合、検出可能領域内における単位時間当たりの走査距離あるいは走査角度(走査ピッチ)は一定である。しかしながら、所望する情報の種別によっては、検出可能領域内で局所的に検出光密度が変更されうる。例えば、より精密な情報の検出が求められる領域では、検出光密度が高い方がよい。
図25は、そのような動作が可能な第十一実施形態に係る左前ランプ装置3030を示している。左前ランプ装置3030は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3020と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前ランプ装置3030は、レンズ3037を備えている。レンズ3037は、透光カバー3012とLiDARセンサユニット3015の間に位置する空間に配置されている。レンズ3037は、光制御面3037aを有している。光制御面3037aは凸面である。光制御面3037aは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる非可視光を屈折させつつ透過させうる材料により形成されている。
したがって、LiDARセンサユニット3015から出射された光は、光制御面3037aにおいて屈折されつつ透光カバー3012を通過する。結果として、車両100の外部においては、二点鎖線LS3で示される検出可能領域が得られる。当該領域の情報に基づく戻り光は、透光カバー3012を通過する際に光制御面3037aによって再度屈折され、LiDARセンサユニット3015に戻る。
換言すると、光制御面3037aは、LiDARセンサユニット3015について所望の検出可能領域を確保できるように、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる検出光の進行方向を意図的に変化させる。このように光の進行方向を制御できるレンズ3037が透光カバー3012とLiDARセンサユニット3015の間に位置する空間に設けられている。当該箇所におけるレンズ3037の配置および形状の選択自由度は比較的高いため、灯室3013内におけるLiDARセンサユニット3015のレイアウトに係る制約を緩和できる。
図25における二点鎖線LS0は、LiDARセンサユニット3015が本来有している検出可能領域の外縁を示している。すなわち、LiDARセンサユニット3015が本来有している検出可能領域の一部は、エクステンション部材3016と干渉するので使用できない。本実施形態においては、そのような検出光の一部を活用して検出光密度の高い検出可能領域(二点鎖線LS3により区画される範囲)を形成している。よって、LiDARセンサユニット3015の検出光の活用率を高めることができる。
LiDARセンサユニット3015が検出光を走査する機構を備えている場合、上記のような検出光密度の高い検出可能領域を形成するために、当該機構の単位時間当たりの走査距離あるいは走査角度(走査ピッチ)を変化させる必要はない。当該機構の操作ピッチは一定のまま検出光にレンズ3037を通過させるのみで、走査ピッチが見かけ上小さい状態を成立させている。したがって、検出光密度が一様でない検出可能範囲を形成しつつも、LiDARセンサユニット3015の動作制御に係る負荷を軽減できる。
所望される検出可能領域の位置と範囲によっては、レンズ部3017Aを設けることなく、レンズ3037の光制御面3037aのみで検出光の進行方向を制御してもよい。
左前ランプ装置3030の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3030と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3030の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
図26は、第十二実施形態に係る左前ランプ装置3040を示している。左前ランプ装置3040は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3040と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前ランプ装置3040は、レンズ部3047を備えている。レンズ部3047は、透光カバー3012の外面3012bに設けられている。レンズ部3047は、光制御面3047aを有している。光制御面3047aは、曲率が一定の弧状部分を有する凸面である。より具体的には、当該弧状部分の曲率中心は、LiDARセンサユニット3015の光源あるいは走査中心に一致している。光制御面3047aは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる非可視光を透過させうる材料により形成されている。
透光カバー3012の外面3012bは、車両100の意匠に基づく形状を有している。当該形状は、LiDARセンサユニット3015の光源あるいは走査中心とは無関係である。したがって、LiDARセンサユニット3015の検出光が透光カバー3012を通過する際に、媒質の変化に伴う僅かな屈折が生じる。しかしながら、本実施形態の構成によれば、LiDARセンサユニット3015から出射された光は、屈折をせずに光制御面3047aを通過する。検出可能領域の情報に基づく戻り光は、屈折をせずに光制御面3047aを再度通過し、LiDARセンサユニット3015に戻る。検出光の進行に伴う歪みを軽減できるため、LiDARセンサユニット3015の検出精度を向上できる。
光制御面3047aは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる検出光の進行方向を維持している。しかしながら、光制御面3047aが不在の場合と比較すると、LiDARセンサユニット3015の検出精度が向上するように、検出光の進行方向を意図的に変化させているとみなすことができる。このように光の進行方向を制御できるレンズ部3047が車両100の外面を形成する透光カバー3012の外面3012bに設けられている。当該箇所におけるレンズ部3047の配置および形状の選択自由度は比較的高いため、灯室3013内におけるLiDARセンサユニット3015のレイアウトに係る制約を緩和できる。
透光カバー3012の通過に伴う検出光の歪みをより抑制するためには、図26に破線で示されるように、透光カバー3012の内面3012aにも光制御面3047bを形成すればよい。光制御面3047bは、曲率が一定の弧状部分を有する凹面である。より具体的には、当該弧状部分の曲率中心は、LiDARセンサユニット3015の光源あるいは走査中心に一致している。
光制御面3047aに代えて光制御面3047bのみが透光カバー3012に設けられる構成も採用されうる。
左前ランプ装置3040の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3040と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3040の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
図27は、第十三実施形態に係る左前ランプ装置3050を示している。左前ランプ装置3050は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3050と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前ランプ装置3050は、カメラユニット3055を備えている。カメラユニット3055は、灯室3013内に配置されている。カメラユニット3055は、車両100の前方を含む領域の画像情報を取得するための装置である。すなわち、カメラユニット3055は、センサユニットの一例である。図27において破線Cにより区画される範囲は、カメラユニット3055の検出可能領域を表している。
カメラユニット3055は、取得した画像情報に対応する信号を出力する。画像情報は、カメラユニット3055より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前ランプ装置3050が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
左前ランプ装置3050は、ビームスプリッタ3057を備えている。ビームスプリッタ3057は、光制御面3057aを備えている。光制御面3057aは、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる非可視光を通過させ、かつカメラユニット3055が情報の検出に用いる可視光を所定の方向へ反射する材料により形成されている。
したがって、LiDARセンサユニット3015から出射された光は、ビームスプリッタ3057の光制御面3057aを通過し、透光カバー3012に設けられた光制御面3017aに至る。当該光は、光制御面3017aにおいて屈折されつつ透光カバー3012を通過する。検出可能領域の情報に基づく戻り光は、透光カバー3012を通過する際に再度光制御面3017aによって屈折され、さらに光制御面3057aを通過してLiDARセンサユニット3015に戻る。
他方、破線Cで区画される検出可能領域から到来する光は、透光カバー3012を通過する際に光制御面3017aによって屈折されつつ、灯室3013内に進入する。当該光は、ビームスプリッタ3057の光制御面3057aによって反射され、カメラユニット3055に至る。
換言すると、光制御面3017aは、カメラユニット3055について所望の検出範囲を確保できるように、カメラユニット3055が情報の検出に用いる検出光の進行方向を意図的に変化させる。他方、そのような光制御面3017aは、LiDARセンサユニット3015とカメラユニット3055により共有されている。光制御面3057aは、LiDARセンサユニット3015による情報検出を妨げることなくカメラユニット3055について所望の検出範囲を確保できるように、カメラユニット3055が情報の検出に用いる検出光の進行方向を意図的に変化させる。このように光の進行方向を制御できるビームスプリッタ3057が透光カバー3012とLiDARセンサユニット3015の間に位置する空間に設けられている。当該箇所におけるビームスプリッタ3057の配置および形状の選択自由度は比較的高いため、透光カバー3012に設けられた光制御面を共有する複数のセンサを灯室に配置する際の制約を緩和できる。
LiDARセンサユニット3015とカメラユニット3055の配置次第では、ビームスプリッタ3057の構成が変更されうる。すなわち、光制御面3057aは、カメラユニット3055が情報の検出に用いる可視光を通過させ、かつLiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる非可視光を所定の方向へ反射する材料により形成されうる。
左前ランプ装置3050の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3050と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3050の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
図28は、第十四実施形態に係る左前ランプ装置3060を示している。左前ランプ装置3060は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3060と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前ランプ装置3060は、遮光部材3068を備えている。遮光部材3068は、灯室3013内に配置されている。遮光部材3068は、LiDARセンサユニット3015とレンズ部3017の間に位置する検出光の光路の少なくとも一部を包囲するように配置されている。遮光部材3068は、少なくとも当該検出光と同じ波長を有する光の通過を抑制または遮断する材料により形成されている。そのような材料の例としては、表面が酸化処理された金属や、グラファイトが挙げられる。
様々な原因により、光制御面3017aを通過することなくLiDARセンサユニット3015に到達しうる外乱光Eが存在する。外乱光Eには、透光カバー3012の外部から到来するものもあれば、透光カバー3012の内部反射などによって生じるものもある。この外乱光Eが検出光と同じ波長を有しており、かつ図28に破線で示されるようにLiDARセンサユニット3015に到達すると、本来検出されるべきではない情報が認識されることになる。図28に実線で示されるように、遮光部材3068は、このような外乱光Eの通過を抑制または遮断するように設けられている。
このような構成によれば、外乱光Eに起因してLiDARセンサユニット3015が誤った情報を検出したり、検出される情報の精度が低下したりすることの回避が容易になる。
左前ランプ装置3060の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3060と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3060の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
図29は、第十五実施形態に係る左前ランプ装置3070を示している。左前ランプ装置3070は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置3070と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前ランプ装置3070は、複数の遮光部材3078を備えている。各遮光部材3078は、灯室3013内に配置されている。各遮光部材3078は、LiDARセンサユニット3015とレンズ部3017の間に位置する検出光の光路上に配置されている。各遮光部材3078は、当該検出光の進行方向に沿って延びている。各遮光部材3078は、少なくとも当該検出光と同じ波長を有する光の通過を抑制または遮断する材料により形成されている。そのような材料の例としては、表面が酸化処理された金属や、グラファイトが挙げられる。
様々な原因により、光制御面3017aを通過することなくLiDARセンサユニット3015に到達しうる外乱光Eが存在する。外乱光Eには、透光カバー3012の外部から到来するものもあれば、透光カバー3012の内部反射などによって生じるものもある。この外乱光Eが検出光と同じ波長を有しており、かつ図29に破線で示されるようにLiDARセンサユニット3015に到達すると、本来検出されるべきではない情報が認識されることになる。図29に実線で示されるように、各遮光部材3078は、検出光の進行を妨げることなく、このような外乱光Eの通過を抑制または遮断するように設けられている。
このような構成によれば、外乱光Eに起因してLiDARセンサユニット3015が誤った情報を検出したり、検出される情報の精度が低下したりすることの回避が容易になる。
拡大図に示されるように、各遮光部材3078の表面には微細な凹凸が形成されうる。このような表面構造によって検出光の進行方向とは異なる向きに外乱光Eを反射させてもよい。外乱光Eの一部が検出光の進行方向と同じ向きに反射されても、その強度が低減されているため、LiDARセンサユニット3015は、検出光に基づく情報と外乱光Eに基づく情報とを区別できる。
左前ランプ装置3070の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置3070と前後対称でありうる。但し、ランプユニット3014とLiDARセンサユニット3015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置3070の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
上記の第九実施形態から第十五実施形態においては、LiDARセンサユニット3015が灯室3013内に配置されている。しかしながら、ハウジング3011と透光カバー3012により区画される収容室内に、必ずしもランプユニット3014が配置されていることを要しない。
図30は、第十六実施形態に係る左前センサ装置3080を示している。左前センサ装置3080は、図2に示される車両100の左前隅部LFにおける左前ランプ装置の近傍に搭載される。車両100の右前隅部RFにおける右前ランプ装置の近傍には、左前センサ装置3080と左右対称の構成を有する右前センサ装置が搭載される。第九実施形態に係る左前ランプ装置3010と実質的に同一の構成要素には同一の参照符号を付与し、繰り返しとなる説明は省略する。
左前センサ装置3080においては、ハウジング3011と透光カバー3012により収容室3083が区画されている。収容室3083内には、LiDARセンサユニット3015とカメラユニット3085が収容されている。カメラユニット3085は、車両100の前方を含む領域の画像情報を取得するための装置である。すなわち、カメラユニット3085は、センサユニットの一例である。図30において二点鎖線C0により区画される範囲は、カメラユニット3085の検出可能領域を表している。
カメラユニット3085は、取得した画像情報に対応する信号を出力する。画像情報は、カメラユニット3085より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前センサ装置3080が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
光制御面3017aは、LiDARセンサユニット3015について所望の検出可能領域を確保できるように、LiDARセンサユニット3015が情報の検出に用いる検出光の進行方向を意図的に変化させる。このように光の進行方向を制御できるレンズ部3017が車両100の外面を形成する透光カバー3012の内面3012aに設けられている。当該箇所におけるレンズ部3017の配置および形状の選択自由度は比較的高いため、収容室3083内におけるLiDARセンサユニット3015のレイアウトに係る制約を緩和できる。
図30に示されるように、カメラユニット3085の検出可能範囲の一部(右側の二点鎖線C0と二点鎖線C1で区画される範囲)にレンズ部3017が位置している。当該部分に対応する画像には、レンズ部3017の形状に応じた歪みが生じる。
左前センサ装置3080は、補正部3089を備えている。補正部3089は、カメラユニット3085および上述の情報処理部と通信可能である。補正部3089は、ASICやFPGAなどの専用デバイスによって構成されてもよいし、上述の情報処理部が備えているプロセッサとメモリにより実現される一機能であってもよい。
補正部3089は、レンズ部3017に起因する画像歪みを補正する処理を行なうように構成されている。具体的には、カメラユニット3085から出力された信号、あるいは情報処理部が取得した画像情報に対し、画像歪みを補正する処理を適用する。カメラユニット3085とレンズ部3017の光学的な位置関係は一定であるため、補正が必要な信号あるいは情報と補正量は、予め定められうる。補正部3089は、予め定められた補正対象に対して予め定められた補正量の処理を適用する。
このような構成によれば、収容室内に配置された第一のセンサユニット(本例においてはLiDARセンサユニット3015)が使用する光制御面の存在に起因する第二のセンサユニット(本例においてはカメラユニット3085)のレイアウトに係る制約を緩和できる。
左前センサ装置3080の構成は、左後センサ装置にも適用可能である。左後センサ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBにおける左後ランプ装置の近傍に搭載される。左後センサ装置の基本的な構成は、左前センサ装置3080と前後対称でありうる。但し、LiDARセンサユニット3015とカメラユニット3085の仕様は、適宜に変更されうる。
左前センサ装置3080の構成は、右後センサ装置にも適用可能である。右後センサ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBにおける右後ランプ装置の近傍に搭載される。右後センサ装置の基本的な構成は、上述の左後センサ装置と左右対称である。
上記の第九実施形態から第十六実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。第九実施形態から第十六実施形態に係る各構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。第九実施形態から第十六実施形態を参照して説明した各構成は、相互に組み合わせや置き換えが可能である。
第九実施形態から第十六実施形態において、レンズ部3017またはレンズ部3017Aは、透光カバー3012の内面3012aに設けられている。しかしながら、同等の光学的機能を有する独立した光学部材が、灯室3013または収容室3083内に配置されうる。
第九実施形態から第十六実施形態において、レンズ部3017またはレンズ部3017Aの光制御面3017aは、連続した曲面である。しかしながら、光制御面3017aは、多数の微細なステップが同等の光学的機能を有するように配列された面とされうる。
カメラユニットと光制御面を共有しない実施形態については、LiDARセンサユニット3015をミリ波レーダユニットで置き換えてもよい。ミリ波は、検出光の一例である。ミリ波レーダユニットは、ミリ波を発信する構成、および当該ミリ波が車両100の外部に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する構成を備えている。ミリ波の周波数の例としては、24GHz、26GHz、76GHz、79GHzなどが挙げられる。
ミリ波レーダユニットは、例えば、ある方向へミリ波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。すなわち、ミリ波レーダユニットは、車両100の外部の情報を検出するセンサユニットの一例である。
ミリ波レーダユニットは、検出された反射波の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、ミリ波レーダユニットより出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。
カメラユニットと光制御面を共有しない実施形態については、レンズ部3017またはレンズ部3017Aが設けられている部分は、可視光域について透明であることを要しない。情報の検出に検出光の波長に応じて適切な材料が選定されうる。例えば、ミリ波レーダユニットを用いる場合、可視光と近赤外光を透過しないポリエチレンが選定されうる。
上記の各実施形態において、LiDARセンサユニット3015は、赤外線カメラユニットで置き換えられうる。赤外線カメラユニットは、車両100の外部の情報を検出するセンサユニットの一例である。
図31は、第十七実施形態に係る左前センサシステム4010の構成を模式的に示している。左前センサシステム4010は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前センサシステム4010と左右対称の構成を有する右前センサシステムが搭載される。
本実施形態については、矢印Uまたは矢印Dで表される方向を第一方向と定義する。本実施形態については、当該第一方向と直交する方向、すなわち矢印L、矢印R、矢印F、または矢印Bで表される方向を第二方向と定義する。
左前センサシステム4010は、ハウジング4011と透光カバー4012を備えている。透光カバー4012は、車両100の外面の一部を形成する。透光カバー4012は、ハウジング4011とともに収容室4013を区画している。
左前センサシステム4010は、カメラユニット4014を備えている。カメラユニット4014は、収容室4013内に配置されている。カメラユニット4014は、車両100の前方を含む領域の画像情報を取得するための装置である。車両100の前方は、車両の外部の一例である。すなわち、カメラユニット4014は、センサユニットの一例である。
カメラユニット4014は、取得した画像情報に対応する信号を出力する。画像情報は、カメラユニット4014より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前センサシステム4010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
左前センサシステム4010は、ミリ波レーダユニット4015を備えている。ミリ波レーダユニット4015は、収容室4013内に配置されている。ミリ波レーダユニット4015は、ミリ波を発信する構成、および当該ミリ波が車両100の少なくとも前方に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する構成を備えている。ミリ波の周波数の例としては、24GHz、26GHz、76GHz、79GHzなどが挙げられる。
ミリ波レーダユニット4015は、例えば、ある方向へミリ波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。すなわち、ミリ波レーダユニット4015は、センサユニットの一例である。
ミリ波レーダユニット4015は、検出された反射波の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、ミリ波レーダユニット4015より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前センサシステム4010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
左前センサシステム4010は、LiDARセンサユニット4016を備えている。LiDARセンサユニット4016は、収容室4013内に配置されている。LiDARセンサユニット4016は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の前方に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。LiDARセンサユニット4016は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
LiDARセンサユニット4016は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
すなわち、LiDARセンサユニット4016は、センサユニットの一例である。LiDARセンサユニット4016は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する信号を出力する。上記の情報は、LiDARセンサユニット4016より出力された信号が不図示の情報処理部によって適宜に処理されることにより取得される。情報処理部は、左前センサシステム4010が備えていてもよいし、車両100に搭載されていてもよい。
図32は、カメラユニット4014の検出範囲CD、ミリ波レーダユニット4015の検出範囲MD、およびLiDARセンサユニット4016の検出範囲LDを示している。本例の場合、車両100の上下方向に対応する向きが第一方向であり、車両100の左右方向に対応する向きが第二方向である。カメラユニット4014の検出範囲CDは、第一方向よりも第二方向について広い検出範囲を有している。ミリ波レーダユニット4015の検出範囲MDは、第一方向よりも第二方向について広い検出範囲を有している。LiDARセンサユニット4016の検出範囲LDは、第一方向よりも第二方向について広い検出範囲を有している。
図31に示されるように、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016は、車両100の上下方向に対応する向き(第一方向)に配列されている。このようなレイアウトの利点について、図33と図34を参照して説明する。
図33の(A)は、各々が前述のように車両100の上下方向に対応する向きよりも左右方向に対応する向き(第二方向)について広い検出範囲を有する複数のセンサユニットが、第二方向に配列されている例を示している。隣接するセンサユニットの検出範囲の一部同士が重複しているため、効率よく車両100の外部の情報を取得しようとする観点からは、冗長性が高いと言える。
図33の(B)は、そのような冗長性を極力抑制しようとする構成の例を示している。各センサユニットの検出範囲が第二方向について広いため、隣接するセンサユニット同士の間隔が大きくなることを避けられない。したがって、収容室の大型化に繋がる。
図33の(C)は、各センサユニットの検出範囲を極力一致させようとする構成の例を示している。各センサユニットの検出範囲が第二方向について広いため、中央のセンサユニットの左右両側に位置するセンサユニットは、第二方向について比較的大きな検出方向の調整が必要とされる。
図34の(A)は、各々が上記のような検出範囲を有する複数のセンサユニットが、第一方向に配列されている例を示している。各センサユニットの検出範囲が第一方向について狭いため、隣接するセンサユニットの検出範囲の一部同士の重複量を、比較的小さくできる。
図34の(B)は、そのような冗長性を極力抑制しようとする構成の例を示している。各センサユニットの検出範囲が第一方向について狭いため、隣接するセンサユニット同士の間隔が大きくなることを回避できる。したがって、収容室の大型化を抑制できる。
図34の(C)は、各センサユニットの検出範囲を極力一致させようとする構成の例を示している。各センサユニットの検出範囲が第一方向について狭いため、中央のセンサユニットの上下両側に位置するセンサユニットは、第一方向について必要とされる検出方向の調整量は比較的小さい。
すなわち、検出範囲のより狭い方向に複数のセンサユニットを配列することにより、隣接するセンサユニットの検出範囲の重複を少なくしても当該センサユニット同士の間隔が広くなることを回避できる。他方、隣接するセンサユニットの検出範囲を一致させようとする場合において、各センサユニットにおいて必要とされる検出方向の調整量を少なくできる。したがって、複数のセンサユニットが車両100に搭載される場合のレイアウトに係る制約を緩和しつつ、車両の外部の情報を効率的に検出できる。
本実施形態においては、より高い発熱性を有するセンサユニットは、より低い発熱性を有するセンサユニットよりも上方に配置されている。「より高い発熱性を有するセンサユニット」とは、単位時間当たりに発する熱量がより高いセンサユニットを意味する。あるいは、単位時間当たりに発する熱量が同じ場合であって、より動作時間の長いセンサユニットを意味する。あるいは、左前センサシステム4010の起動から停止までの間に発する累積熱量がより高いセンサユニットを意味する。例えば、単位時間当たりに発する熱量がより低いセンサユニットであっても、動作頻度が高ければ累積熱量がより高くなる可能性がある。
熱は上方へ移動しやすい性質を有している。上記のような構成によれば、発熱性の高いセンサユニットの発する熱によって発熱性のより低いセンサユニットが受ける影響を抑制できる。また、例えば収容室4013の上部に熱対策の構成を集中的に配置することにより、複数のセンサユニットから生じた熱を効率的に取り扱える。
具体的には、ミリ波レーダユニット4015は、カメラユニット4014よりも上方に配置されている。すなわち、ミリ波レーダユニット4015の発熱性は、カメラユニット4014の発熱性よりも高い。
同様に、LiDARセンサユニット4016は、ミリ波レーダユニット4015よりも上方に配置されている。すなわち、LiDARセンサユニット4016の発熱性は、ミリ波レーダユニット4015の発熱性よりも高い。
さらに、LiDARセンサユニット4016は、カメラユニット4014よりも上方に配置されている。すなわち、LiDARセンサユニット4016の発熱性は、カメラユニット4014の発熱性よりも高い。
比較的発熱性の高いLiDARセンサユニット4016が収容室4013内のより上方の位置に配置されることによって、より有利な熱対策をとることができる。
図31に示されるように、左前センサシステム4010は、ヒートシンク4017とヒートシンク4018を備えている。ヒートシンク4017は、ミリ波レーダユニット4015と熱的に結合されている。ヒートシンク4018は、LiDARセンサユニット4016と熱的に結合されている。
本明細書において、「AがBと熱的に結合されている」という表現は、AとBの間で熱の伝達が可能にされている状態を意味する。熱の伝達が可能であれば、必ずしもAとBが接触していることを要しない。
LiDARセンサユニット4016と熱的に結合されているヒートシンク4018の放熱性は、ミリ波レーダユニット4015と熱的に結合されているヒートシンク4017の放熱性よりも高い。「より高い放熱性を有するヒートシンク」とは、単位時間当たりに放散可能な熱量がより高いヒートシンクを意味する。より高い放熱性は、ヒートシンクの形状、表面積、素材などを適宜に選択することにより実現されうる。図31に示される例においては、ヒートシンク4018の表面積は、ヒートシンク4017の表面積よりも大きい。
すなわち、より放熱性の高いヒートシンクがより上方の位置に配置されている。これにより、複数のセンサユニットから発生する熱を効率的に放散できる。また、図31に示される例のように、より表面積の小さいヒートシンクがより下方の位置に配置される場合、収容室4013の下部に空間的な余裕を生じさせることが可能である。
特に本実施形態の場合、より発熱性の高いセンサユニットに対してより放熱性の高いヒートシンクが熱的に結合されている。これにより、複数のセンサユニットから発生する熱を特に効率的に放散できる。
本実施形態においては、カメラユニット4014にはヒートシンクが結合されていない。しかしながら、カメラユニット4014にヒートシンクを熱的に結合させてもよい。この場合、当該ヒートシンクの放熱性は、ヒートシンク4017の放熱性よりも小さくされうる。
図31に示されるように、左前センサシステム4010は、冷却ファン4019を備えている。冷却ファン4019は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016を冷却するための装置である。換言すると、冷却ファン4019は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016にとって共通の冷却装置である。
前述のように、本実施形態に係る左前センサシステム4010は、収容室4013の上部においてより発熱性の高い構成とされている。したがって、効率よく冷却を行なうために、冷却ファン4019は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016の配列における上端寄りに配置されている。
より具体的には、冷却ファンの回転中心4191は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016の配列における車両100の上下方向の中央位置よりも上方に位置している。本実施形態の場合、中央位置は、車両100の前後方向に延びる直線CL上の点として定義される。直線CLは、最上位に位置するセンサユニットの上端において車両100の前後方向に延びる接線UEまでの距離と、最下位に位置するセンサユニットの下端において車両100の前後方向に延びる接線DEまでの距離が等しい直線である。
図32に示されるように、カメラユニット4014の検出範囲CDは、車両100の左右方向における検出基準点CPを有している。同様に、ミリ波レーダユニット4015の検出範囲MDは、車両100の左右方向における検出基準点MPを有しており、LiDARセンサユニット4016の検出範囲LDは、車両100の左右方向における検出基準点LPを有している。検出基準点CP、検出基準点MP、および検出基準点LPは、車両100の上下方向に揃っている。換言すると、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016は、車両100の左右方向について視差がない。
このような構成によれば、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016からそれぞれ取得された情報の統合が容易になる。したがって、制御装置における情報の統合に係る処理負荷の増大を抑制できる。
図31に示されるように、左前センサシステム4010は、ヒータ4020を備えている。ヒータ4020は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016の各々に熱を供給するように構成されている。
これにより、車両100の外部環境温度が低い場合においても、情報検出動作を遂行可能な温度まで各センサユニットを加熱できる。したがって、外部環境温度に依存しない情報検出を実現できる。
図31に示されるように、左前センサシステム4010は、支持部材4021と調節機構4022を備えている。支持部材4021は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016を支持する共通の部材である。調節機構4022は、車両100に対する支持部材4021の位置と姿勢の少なくとも一方を調節する機構である。
例えば、調節機構4022は、いわゆるエイミングスクリュー機構として構成されうる。エイミングスクリュー機構は、支持部材4021の姿勢を水平面内(車両100の左右方向と前後方向を含む面内)で変化させるエイミングスクリューと、支持部材4021の姿勢を垂直面内(車両100の上下方向と前後方向を含む面内)で変化させるエイミングスクリューとを含みうる。各エイミングスクリューは、所定の治具により操作されうる。エイミングスクリュー機構自体は周知であるため、詳細な構成の説明は省略する。なお、上記の「水平面」が厳密な水平面と一致している必要はない。同様に、上記の「垂直面」が厳密な垂直面と一致している必要はない。
左前センサシステム4010の出荷前調整の工程において、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016の各検出基準位置が調節される。調節は、センサユニット毎に設けられた不図示の調節機構を用いてなされる。
左前センサシステム4010が車両100に搭載される際、車体部品の公差や車体に対するハウジング4011の位置ずれに起因して、各センサユニットの検出基準位置が所望の位置からずれる場合がある。したがって、左前センサシステム4010が車両100に搭載された後、各センサユニットの検出基準位置の再調整が行なわれる。
本実施形態においては、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016が共通の支持部材4021に支持されている。そのため、調節機構4022の操作を通じて、各センサユニットの検出基準位置の調節を一括して行なえる。したがって、車両100に搭載されるセンサユニットの数が増加しても、車両100に対する各センサユニットの検出基準位置を調節する作業の負担を軽減できる。
調節機構4022の一例として説明した上記の各エイミングスクリューは、外部からの操作信号により動作するアクチュエータによって置き換えられうる。これに加えてあるいは代えて、調節機構4022は、支持部材4021の垂直面内における位置を調節するアクチュエータを含みうる。例えば、車両100の左右方向に対応する向きの支持部材4021の位置を調節するアクチュエータと、車両100の上下方向に対応する向きの支持部材4021の位置を調節するアクチュエータを含みうる。
図31に示されるように、左前センサシステム4010は、第一エクステンション部材4023を備えている。「エクステンション部材」とは、収容室4013内に配置されている構造の一部を覆い隠して車両100の外側から視認できないようにする意匠部品である。図35は、左前センサシステム4010の一部を、車両100の前方から見た外観を示している。
第一エクステンション部材4023は、カメラユニット4014とミリ波レーダユニット4015の間に配置されている第一部分4231を有している。第一部分4231の存在により、カメラユニット4014とミリ波レーダユニット4015の間に位置している内部配線や内部部品を車両100の外部から視認不能にできる。第一部分4231は、遮熱部材や緩衝部材としても利用可能である。第一部分4231の位置を適宜に選択することにより、カメラユニット4014への内部反射光の侵入を阻止する遮光部材としても利用可能である。
第一エクステンション部材4023は、ミリ波レーダユニット4015とLiDARセンサユニット4016の間に配置されている第二部分4232を有している。第二部分4232の存在により、ミリ波レーダユニット4015とLiDARセンサユニット4016の間に位置している内部配線や内部部品を車両100の外部から視認不能にできる。第二部分4232は、遮熱部材や緩衝部材としても利用可能である。
図31と図35に示されるように、左前センサシステム4010は、第二エクステンション部材4024を備えている。第二エクステンション部材4024は、開口4241を有している。開口4241は、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016の調節機構4022による変位を許容する空間を区画している。すなわち、第二エクステンション部材4024と各センサユニットの相対位置は可変である。
第二エクステンション部材4024の開口4241は、第一エクステンション部材4023よりも車両100の外側に対応する位置に配置されている。第一エクステンション部材4023は、車両100の内側に対応する側から見て開口4241を覆う部分を有している。第一エクステンション部材4023は、支持部材4021に固定されている。すなわち、第二エクステンション部材4024と各センサユニットの相対位置は不変である。
このような構成によれば、カメラユニット4014、ミリ波レーダユニット4015、およびLiDARセンサユニット4016の調節機構4022による変位を許容しつつも、各センサユニットの周辺に位置している内部配線や内部部品を車両100の外部から視認不能にできる。
上記の第十七実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。第十七実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
第十七実施形態においては、カメラユニット4014の前端4141、ミリ波レーダユニット4015の前端4151、およびLiDARセンサユニット4016の前端4161は、車両100の上下方向に対応する向きに揃っている。
しかしながら、図36に示されるような構成も採用されうる。具体的には、ミリ波レーダユニット4015の前端4151が、カメラユニット4014の前端4141よりも車両100の前後方向における後方(車両100の内側)に位置している。同様に、LiDARセンサユニット4016の前端4161が、ミリ波レーダユニット4015の前端4151よりも車両100の前後方向における後方(車両100の内側)に位置している。すなわち、収容室4013におけるより上方の位置に配置されるセンサユニットは、収容室4013におけるより下方の位置に配置されるセンサユニットよりも車両100の前後方向における後方(車両100の内側)に位置している。
収容室4013を区画している透光カバー4012は、上方に向かうにつれて車両100の内側へ湾曲する形状を有していることが一般的である。当該形状に沿うように複数のセンサユニットをオフセット配置することにより、収容室4013の空間利用効率を向上できる。これにより、図31に示される収容室4013の下後部に対応する空間は、レイアウト自由度が増した空間として左前センサシステム4010の他の構成部品の占有スペースとして利用してもよいし、図36に示されるように収容室4013の形状を変更することにより、車両100側の部品の占有スペースとして利用可能としてもよい。
第十七実施形態における収容室4013は、ランプユニットが収容される灯室でありうる。この場合においても、左前センサシステム4010に含まれる複数のセンサユニットが車両100の上下方向に対応する向きに配列されているため、ランプユニットが配置される空間を確保しやすい。
第十七実施形態においては、収容室4013に三つのセンサユニットが収容されており、それらの種別が相違している。しかしながら、収容室4013に収容されるセンサユニットの数は、二つ以上の任意の数とされうる。また、収容室4013に収容されるセンサユニットの種別は、重複を許容するように適宜に選択されうる。収容室4013に収容される複数のセンサユニットがカメラユニットおよびランプユニットを含まない場合、透光カバー4012は、可視光について透明でなくてもよい。
第十七実施形態においては、カメラユニット4014の検出範囲CD、ミリ波レーダユニット4015の検出範囲MD、およびLiDARセンサユニット4016の検出範囲LDの全てについて、車両100の上下方向に対応する第一方向よりも当該第一方向に直交する向きに対応する第二方向について広い検出範囲を有している。しかしながら、当該条件は、左前センサシステム4010に含まれる複数のセンサユニットの少なくとも一つについて成立していればよい。その場合においても、図33と図34を参照して説明した効果は得られる。
第十七実施形態においては、左前センサシステム4010に含まれる複数のセンサユニットの検出範囲は、少なくとも車両100の前方に位置している。これに加えてあるいは代えて、左前センサシステム4010は、少なくとも車両100の左方に検出範囲を有する複数のセンサユニットを備えうる。
左前センサシステム4010の構成は、左後センサシステムにも適用可能である。左後センサシステムは、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後センサシステムの基本的な構成は、左前センサシステム4010と前後対称でありうる。但し、各センサユニットの仕様は、適宜に変更されうる。
左前センサシステム4010の構成は、右後センサシステムにも適用可能である。右後センサシステムは、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後センサシステムの基本的な構成は、上述の左後センサシステムと左右対称である。
図37は、第十八実施形態に係るセンサシステム5001の構成を模式的に示している。センサシステム5001は、左前照明装置5011LF、右前照明装置5011RF、左後照明装置5011LR、および右後照明装置5011RRを備えている。センサシステム5001は、図2に示される車両100に搭載される。左前照明装置5011LFは、車両100の左前隅部LFに搭載される。右前照明装置5011RFは、車両100の右前隅部RFに搭載される。左後照明装置5011LRは、車両100の左後隅部LBに搭載される。右後照明装置5011RRは、車両100の右後隅部RBに搭載される。
左前照明装置5011LFは、左前灯室5012LFを区画するハウジングと透光カバーを備えている。右前照明装置5011RFは、右前灯室5012RFを区画するハウジングと透光カバーを備えている。左後照明装置5011LRは、左後灯室5012LRを区画するハウジングと透光カバーを備えている。右後照明装置5011RRは、右後灯室5012RRを区画するハウジングと透光カバーを備えている。
センサシステム5001は、左前LiDARセンサ5002LF、左前カメラ5003LF、および左前ランプ5004LFを備えている。左前LiDARセンサ5002LF、左前カメラ5003LF、および左前ランプ5004LFは、左前照明装置5011LFの左前灯室5012LF内に配置されている。
センサシステム5001は、右前LiDARセンサ5002RF、右前カメラ5003RF、および右前ランプ5004RFを備えている。右前LiDARセンサ5002RF、右前カメラ5003RF、および右前ランプ5004RFは、右前照明装置5011RFの右前灯室5012RF内に配置されている。
センサシステム5001は、左後LiDARセンサ5002LR、左後カメラ5003LR、および左後ランプ5004LRを備えている。左後LiDARセンサ5002LR、左後カメラ5003LR、および左後ランプ5004LRは、左後照明装置5011LRの左後灯室5012LR内に配置されている。
センサシステム5001は、右後LiDARセンサ5002RR、右後カメラ5003RR、および右後ランプ5004RRを備えている。右後LiDARセンサ5002RR、右後カメラ5003RR、および右後ランプ5004RRは、右後照明装置5011RRの右後灯室5012RR内に配置されている。
センサシステム5001は、制御部5005を備えている。制御部5005は、プロセッサとメモリを備えている。プロセッサの例としては、CPUやMPUが挙げられる。メモリは、プロセッサにより実行可能な命令を記憶している。メモリの例としては、各種の命令が記憶されたROMや、プロセッサにより実行される各種命令が記憶されるワークエリアを有しているRAMが挙げられる。制御部5005は、車両100に搭載されたECUが備えているプロセッサとメモリによって構成されてもよいし、ASICやFPGAなどの専用デバイスによって構成されてもよい。
制御部5005は、左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、および右後LiDARセンサ5002RRの各々と通信可能に構成されている。通信は、有線接続を介して電気的あるいは光学的に行なわれてもよいし、無線通信を介して非接触に行なわれてもよい。
左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、および右後LiDARセンサ5002RRの各々は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が車両100の外部に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。すなわち、左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、および右後LiDARセンサ5002RRの各々は、車両100の外部の情報を検出するセンサである。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用される。
左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、および右後LiDARセンサ5002RRの各々は、例えば、所定の方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、および右後LiDARセンサ5002RRの各々は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応する検出信号を出力するように構成されている。上記の情報は、左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、および右後LiDARセンサ5002RRの各々より出力された検出信号が制御部5005によって適宜に処理されることにより取得される。
左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの各々は、車両100の外部における所定の領域を撮影する装置である。すなわち、左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの各々は、車両100の外部の情報を検出するセンサとして機能する。制御部5005は、左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの各々と通信可能に構成されている。通信は、有線接続を介して電気的あるいは光学的に行なわれてもよいし、無線通信を介して非接触に行なわれてもよい。
左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの各々は、撮影された映像に対応する映像信号を出力するように構成されている。左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの各々によって検出された車両100の外部の情報は、映像信号が制御部5005によって適宜に処理されることにより取得される。
左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの各々は、レンズとリフレクタの少なくとも一方を含む光学系を備えており、所定の方向へ向けて光を出射するように構成されている。左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの各々においては、ランプ光源や発光素子が使用されうる。ランプ光源の例としては、白熱ランプ、ハロゲンランプ、放電ランプ、ネオンランプなどが挙げられる。発光素子の例としては、発光ダイオード、レーザダイオード、有機EL素子などが挙げられる。
制御部5005は、左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの各々と通信可能に構成されている。通信は、有線接続を介して電気的あるいは光学的に行なわれてもよいし、無線通信を介して非接触に行なわれてもよい。制御部5005は、左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの各々に対して制御信号を出力するように構成されている。左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの各々は、制御部5005から出力された制御信号に応じた発光動作を行なう。
センサシステム5001は、通信部5006を備えている。通信部5006は、制御部5005と通信可能に構成されている。通信は、有線接続を介して電気的あるいは光学的に行なわれてもよいし、無線通信を介して非接触に行なわれてもよい。制御部5005は、所定のタイミングで通信部5006へ制御信号を出力するように構成されている。通信部5006は、当該制御信号に応じてインフラ情報を取得するように構成されている。通信部5006は、取得したインフラ情報を制御部5005へ出力するように構成されている。
インフラ情報は、道路に関する情報と道路上の建造物に関する情報の少なくとも一方を含みうる。道路に関する情報の例としては、車線数、交差点の存在、横断歩道の存在、高速道路の出入口の存在、カーブの存在などが挙げられる。建造物の例としては、信号機、カーブミラー、歩道橋、バス停、有料道路の料金所などが挙げられる。
図38を参照しつつ、上記のように構成されたセンサシステム5001の第一の動作例について説明する。
制御部5005は、所定のタイミングで通信部5006にインフラ情報を取得させる。次いで、制御部5005は、左前LiDARセンサ5002LF、左前カメラ5003LF、右前LiDARセンサ5002RF、右前カメラ5003RF、左後LiDARセンサ5002LR、左後カメラ5003LR、右後LiDARセンサ5002RR、および右後カメラ5003RRの少なくとも一つを通じて取得した車両100の外部の情報と当該インフラ情報を照合する(ステップS11)。
次に、制御部5005は、通信部5006を通じて取得したインフラ情報が、センサを通じて取得した車両100の外部の情報と一致しているかを判断する(ステップS12)。例えば、インフラ情報が車両100の左前方に信号機の存在を示している場合、左前LiDARセンサ5002LFと左前カメラ5003LFの少なくとも一方が車両100の左前方に信号機の存在を検出しているかを判断する。
インフラ情報がセンサを通じて取得された情報と一致していると判断された場合(ステップS12においてY)、制御部5005は、照合に関与したセンサが正常であると判断し(ステップS13)、処理を終了する。
インフラ情報がセンサを通じて取得された情報と一致していないと判断された場合(ステップS12においてN)、制御部5005は、照合に関与したセンサが正常でないと判断する(ステップS14)。
このような構成によれば、車両100に搭載されて車両100の外部の情報を取得するセンサが正常に動作しているかを自動的に判断できる。加えて、原則として設置場所が変化しないインフラの情報を判断に利用することにより、判断の信頼性を高めることができる。
図37に破線で示されるように、車両100は、記憶装置5013を備えうる。通信部5006は、記憶装置5013と通信可能とされる。通信は、有線接続を介して電気的あるいは光学的に行なわれてもよいし、無線通信を介して非接触に行なわれてもよい。
記憶装置5013は、地図情報を記憶している。当該地図情報は、例えば、車両100に搭載されるナビゲーション装置に使用されるものでありうる。当該地図情報は、予め記憶装置5013に記憶されていてもよいし、定期的に、あるいは必要に応じて外部ネットワークからダウンロードされたものであってもよい。
この場合、制御部5005は、所定のタイミングで通信部5006に記憶装置5013との通信を行なわせる。通信部5006は、記憶装置5013に記憶されている地図情報から上記のインフラ情報を取得する。
このような構成によれば、車両100の外部環境(天候、明暗、電波状態など)に依らず適宜のインフラ情報を取得し、車両100に搭載されて車両100の外部の情報を取得するセンサが正常に動作しているかを自動的に判断できる。
なお、車両100の搭乗者が所持している携帯情報端末の記憶装置に記憶されている地図情報からインフラ情報を取得することもできる。本明細書においては、この記憶装置を「車両に搭載された記憶装置」とみなす。
通信部5006は、車両100の外部との通信を通じてインフラ情報を取得してもよい。このような通信の例としては、いわゆる車車間通信、いわゆる路車間通信、外部ネットワークとの無線通信が挙げられる。
車車間通信の場合、通信部5006は、車両100の前方を走行している車両(先行車両あるいは対向車両)との無線通信を通じてインフラ情報を取得する。前方を走行している車両は、車両100がこれから到達する場所の情報を既に保有している蓋然性が高い。そのような車両から当該場所へ到達する前に当該情報を取得できる。
路車間通信の場合、通信部5006は、道路インフラ(信号機、横断歩道、カーブミラーなど)に埋設された装置との無線通信を通じて当該道路インフラ自体の情報を取得する。
あるいは、通信部5006は、地図情報や道路情報を提供している外部ネットワーク上のエンティティとの無線通信を通じて、インフラ情報を取得できる。
このような構成によれば、よりリアルタイム性の高いインフラ情報を取得し、車両100に搭載されて車両100の外部の情報を取得するセンサが正常に動作しているかを自動的に判断できる。
制御部5005が通信部5006にインフラ情報を取得させる所定のタイミングの例としては、定期的、ユーザ指示の入力時、インフラ情報を提供している道路インフラの検出時が挙げられる。
好ましくは、車両100が停車したときにインフラ情報の取得が行なわれる。例えば、交差点における信号待ちのための停車時にインフラ情報の取得が行なわれる。この場合、車両100とインフラの相対速度が零である状況下でセンサによる情報取得がなされるため、情報の正確性を向上できるだけでなく処理負荷の増大を抑制できる。
図38に破線で示されるように、センサが正常でないと判断されると、制御部5005は、報知処理(ステップS15)と自動運転支援の解除処理(ステップS16)の少なくとも一方を車両100に実行させうる。
報知処理は、車両100に搭載されている設備を通じて視覚的報知、聴覚的報知、および触覚的報知の少なくとも一つが運転者に対して行なわれる。
自動運転支援は、運転操作(ハンドル操作、加速、減速)、走行環境の監視、および運転操作のバックアップの少なくとも一つを少なくとも部分的に行なう制御処理を意味する。すなわち、衝突被害軽減ブレーキ機能やレーンキープアシスト機能のような部分的な運転支援から完全自動運転動作までを含む意味である。
ステップS16においては、正常でないと判断されたセンサが関与する運転支援制御のみが無効化されてもよいし、全ての運転支援制御が無効化されてもよい。
このような構成によれば、センサが正常でない事実を運転者が認識しないまま、当該センサが関与する運転支援制御が継続される事態を回避できる。
本動作例においては、車両100の外部の情報を検出するセンサとしてLiDARセンサとカメラを例示した。これに加えてあるいは代えて、適宜のセンサが車両100に搭載されうる。そのようなセンサの例としては、ミリ波レーダセンサ、超音波ソナー、非可視光カメラが挙げられる。
次に図39を参照しつつ、センサシステム5001の第二の動作例について説明する。
制御部5005は、所定のタイミングで左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRを点滅させ、左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRからの出力を取得する(ステップS21)。左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの各々は、光源の一例である。このとき、左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRは、車両100の外部の明るさに係る情報を取得するセンサとして機能する。
点滅動作は、左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの少なくとも一つについて行なわれればよい。但し、左前ランプ5004LFが点滅する場合、左前カメラ5003LFからの出力が取得される。同様に、右前ランプ5004RFが点滅する場合、右前カメラ5003RFからの出力が取得される。左後ランプ5004LRが点滅する場合、左後カメラ5003LRからの出力が取得される。右後ランプ5004RRが点滅する場合、右後カメラ5003RRからの出力が取得される。
制御部5005は、各カメラから取得した出力が、当該カメラに対応付けられた光源の点滅に対応しているかを判断する(ステップS22)。当該カメラが正常であれば、当該カメラからの出力は、当該カメラに対応付けられた光源の点滅に伴う車両100の外部の明るさ変化に対応する。したがって、制御部5005は、光源の点滅と当該光源に対応付けられたカメラからの出力とが対応している場合(ステップS22においてY)、当該カメラが正常であると判断し(ステップS23)、処理を終了する。
光源の点滅と当該光源に対応付けられたカメラからの出力とが対応していない場合(ステップS22においてN)、制御部5005は、当該カメラが正常でないと判断する(ステップS24)。
このような構成によれば、車両100に搭載されたカメラが正常に動作しているかを自動的に判断できる。加えて、車両100の外部を照明する光源を判断に利用することにより、低コストで診断システムを構築できる。
左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの制御部5005による点滅周波数は、人間が点滅を視認できない程度の値として選ばれる。例えば、当該点滅周波数は30Hz以上であり、60Hz以上であることが好ましい。
このような構成によれば、夜間であっても、車両100の搭乗者だけでなく車両100の周囲に居る者に違和感を与えることなく、車両100に搭載されたカメラが正常に動作しているかを自動的に判断できる。
制御部5005が左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRを点滅させる所定のタイミングの例としては、各光源の点灯開始時、定期的、ユーザ指示の入力時が挙げられる。
好ましくは、車両100の始動時に左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRの点滅動作が行なわれる。この場合、夜間でなくとも、車両100の周囲に居る者に違和感を与えることなく、車両100に搭載されたカメラが正常に動作しているかを自動的に判断できる。加えて、正常でないカメラを搭載したまま運転が開始される事態を回避できる。
図39に破線で示されるように、左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの少なくとも一つが正常でないと判断されると、制御部5005は、報知処理(ステップS25)と自動運転支援の解除処理(ステップS26)の少なくとも一方を車両100に実行させうる。自動運転支援の定義は、上述の通りである。
報知処理は、車両100に搭載されている設備を通じて視覚的報知、聴覚的報知、および触覚的報知の少なくとも一つが運転者に対して行なわれる。
ステップS26においては、正常でないと判断されたカメラが関与する運転支援制御のみが無効化されてもよいし、全ての運転支援制御が無効化されてもよい。
このような構成によれば、カメラが正常でない事実を運転者が認識しないまま、当該カメラが関与する運転支援制御が継続される事態を回避できる。
本動作例においては、車両100の外部の明るさに係る情報を検出するセンサとして車載カメラを例示した。これに加えてあるいは代えて、明るさを検出する周知のセンサが車両100に搭載されうる。当該センサが正常であるかの判断は、当該センサの明るさ検出に及ぼす影響が最も高い光源を点滅させることにより行なわれうる。
次に図40を参照しつつ、センサシステム5001の第三の動作例について説明する。
制御部5005は、所定のタイミングで左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRからの出力を取得し、各カメラの検出情報を照合する(ステップS31)。このとき照合に供される検出情報の例としては、天候や昼夜といった車両100の環境情報が挙げられる。
制御部5005は、各カメラにより検出された情報が一致しているかを判断する(ステップS32)。全てのカメラが正常であれば、検出された情報は一致する。したがって、制御部5005は、検出された情報が一致している場合(ステップS32においてY)、全てのカメラが正常であると判断し(ステップS33)、処理を終了する。
検出された情報が一致していない場合(ステップS32においてN)、制御部5005は、いずれかのカメラが正常でないと判断する(ステップS34)。
このような構成によれば、車両100に搭載されたカメラが正常に動作しているかを自動的かつ容易に判断できる。
特に判断に供される情報が車両100の環境情報であるため、判断が実行される時機に係る制限が少ない。加えて、環境情報は、物体の検出などと比較して検出結果に大きな差異が生じにくい。そのような情報を対象として検出結果が一致しない場合、深刻度の高い異常が予想される。よって、より深刻度の高い異常を発見できる。
制御部5005が左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRによる検出結果を照合する所定のタイミングの例としては、車両の始動時やユーザ指示の入力時が挙げられる。
好ましくは、制御部5005による各カメラからの検出結果の照合が定期的に行なわれる。この場合、車載カメラの自己定期診断システムを容易に構築できる。
図40に破線で示されるように、左前カメラ5003LF、右前カメラ5003RF、左後カメラ5003LR、および右後カメラ5003RRの少なくとも一つが正常でないと判断されると、制御部5005は、報知処理(ステップS35)と自動運転支援の解除処理(ステップS36)の少なくとも一方を車両100に実行させうる。自動運転支援の定義は、上述の通りである。
報知処理は、車両100に搭載されている設備を通じて視覚的報知、聴覚的報知、および触覚的報知の少なくとも一つが運転者に対して行なわれる。
ステップS36においては、正常でないと判断されたカメラが関与する運転支援制御のみが無効化されてもよいし、全ての運転支援制御が無効化されてもよい。
このような構成によれば、カメラが正常でない事実を運転者が認識しないまま、当該カメラが関与する運転支援制御が継続される事態を回避できる。
本動作例においては、四つのカメラから取得された車両100の環境情報同士を照合することにより、当該四つのカメラの全てが正常であるかを判断している。しかしながら、車両100の異なる部分に搭載されて同一の情報を検出する少なくとも二つのセンサについて同様の処理が実行されうる。
例えば、車両100の右方に壁が存在することが明らかである場合、右前LiDARセンサ5002RFと右後LiDARセンサ5002RRは当該壁の存在を検出できるはずである。この場合、制御部5005は、右前LiDARセンサ5002RFと右後LiDARセンサ5002RRに検出された情報同士を照合する。両者が一致していれば、両センサが正常に動作していると判断できる。両者が一致していなければ、両センサのいずれかが正常でないと判断できる。
また、車両100の異なる部分に搭載されて同一の情報を検出できるのであれば、取得される情報の種別に応じて使用されるセンサも適宜に選択されうる。例えば、ミリ波レーダセンサ、超音波ソナー、非可視光カメラ、明るさセンサ、温度センサなどが挙げられる。
異なるセンサにより取得された情報が一致していないことの判断は、完全一致していない場合に限られない。当該情報が数値的に表現されうる場合、第一のセンサより取得された値と第二のセンサより取得された値の差が所定の閾値以上であるときに両者が一致しないと判断されうる。すなわち、両センサから取得された値の差が当該閾値未満である場合、両センサにより取得された情報は一致していると判断されうる。
情報の一致性の判断の結果として第一のセンサと第二のセンサのいずれかが正常でないと判断された場合、さらに第三のセンサにより取得された情報との一致性が判断されてもよい。これにより、第一のセンサと第二のセンサのいずれが異常なのかを特定しうる。
上記の第十八実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。第十八実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
第一の動作例のみが実行されるのであれば、センサシステム5001は、左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、および右後ランプ5004RRを含むことを要しない。
第二の動作例のみが実行されるのであれば、センサシステム5001は、左前LiDARセンサ5002LF、右前LiDARセンサ5002RF、左後LiDARセンサ5002LR、右後LiDARセンサ5002RR、および通信部5006を含むことを要しない。
第三の動作例のみが実行されるのであれば、センサシステム5001は、左前ランプ5004LF、右前ランプ5004RF、左後ランプ5004LR、右後ランプ5004RR、および通信部5006を含むことを要しない。
図41は、第十九実施形態に係る左前ランプ装置6010の構成を模式的に示している。左前ランプ装置6010は、図2に示される車両100の左前隅部LFに搭載される。車両100の右前隅部RFには、左前ランプ装置6010と左右対称の構成を有する右前ランプ装置が搭載される。
左前ランプ装置6010は、ハウジング6011と透光カバー6012を備えている。透光カバー6012は、車両100の外面の一部を形成する。透光カバー6012は、ハウジング6011とともに灯室6013を区画している。
左前ランプ装置6010は、ランプユニット6014を備えている。ランプユニット6014は、車両100の前方を含む領域に向けて光を出射する灯具である。ランプユニット6014は、例えば前照灯である。
左前ランプ装置6010は、LiDARセンサユニット6015を備えている。LiDARセンサユニット6015は、灯室6013内に配置されている。すなわち、灯室6013は、収容室の一例である。
LiDARセンサユニット6015は、非可視光を出射する構成、および当該非可視光が少なくとも車両100の前方に存在する物体に反射した結果の戻り光を検出する構成を備えている。車両100の前方は、車両の外部の一例である。LiDARセンサユニット6015は、必要に応じて出射方向(すなわち検出方向)を変更して当該非可視光を掃引する走査機構を備えうる。本実施形態においては、非可視光として波長905nmの赤外光が使用されている。
LiDARセンサユニット6015は、例えば、ある方向へ非可視光を出射したタイミングから戻り光を検出するまでの時間に基づいて、当該戻り光に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、戻り光に関連付けられた物体の形状に係る情報を取得できる。これに加えてあるいは代えて、出射光と戻り光の波長の相違に基づいて、戻り光に関連付けられた物体の材質などの属性に係る情報を取得できる。
すなわち、LiDARセンサユニット6015は、少なくとも車両100の前方の距離を含む情報を検出するセンサである。LiDARセンサユニット6015は、検出された戻り光の属性(強度や波長など)に対応するデータを出力する。
左前ランプ装置6010は、処理部6016を備えている。上記の情報は、LiDARセンサユニット6015より出力されたデータが処理部6016によって適宜に処理されることにより取得される。LiDARセンサユニット6015と処理部6016は、センサシステムを構成する。
処理部6016は、プロセッサとメモリを備えている。プロセッサの例としては、CPU、MPU、GPUが挙げられる。プロセッサは、複数のプロセッサコアを含みうる。メモリの例としては、ROMやRAMが挙げられる。ROMには、上記の処理を実行するプログラムが記憶されうる。当該プログラムは、人工知能プログラムを含みうる。人工知能プログラムの例としては、ディープラーニングによる学習済みニューラルネットワークが挙げられる。プロセッサは、ROMに記憶されたプログラムの少なくとも一部を指定してRAM上に展開し、RAMと協働して上記の処理を実行しうる。
具体的には、処理部6016は、LiDARセンサユニット6015の検出結果に基づく処理を行なうにあたって、LiDARセンサユニット6015から所定の距離よりも近い空間に対応するデータを除外するように構成されている。
図42において、一点鎖線で囲まれた領域Aは、LiDARセンサユニット6015の検出範囲を示している。破線E1は、LiDARセンサユニット6015から所定の距離にある点の集合である。所定の距離は、当該距離よりも近くにおいては想定される検出対象(歩行者や衝突可能性のある物体など)が存在しないであろう値として定められる。
処理部6016は、破線E1よりもLiDARセンサユニット6015に近い空間に対応するデータを一律的に除外する。すなわち、領域Aのうち斜線が付された部分に対応するデータのみが情報取得に係る処理に供される。
このような構成によれば、車両100の外部の情報を取得するための処理に供されるデータ量が減り、処理負荷の増大を抑制できる。また、LiDARセンサユニット6015から出力されるデータの一部が、予め定められた距離に基づいて一律的に処理対象から除外されるため、データの選別に係る判断処理を省略できる。このことによっても、処理負荷の増大を抑制できる。
破線E1は、検出方向に依らずLiDARセンサユニット6015からの距離が一定である点の集合である。しかしながら、データ処理の対象から除外されるLiDARセンサユニット6015からの距離は、検出方向に応じて変化してもよい。破線E2は、そのような例を示している。破線E2の形状は、想定される検出対象に応じて適宜に定められる。
このような構成によれば、処理負荷の増大を抑制しつつ、より複雑な情報検出にも柔軟に対応できる。
図42から判るように、破線E1またはE2よりもLiDARセンサユニット6015に近い領域は、左前ランプ装置6010の透光カバー6012を含んでいる。透光カバー6012の存在は、LiDARセンサユニット6015によって検出されうる。しかしながら、透光カバー6012それ自体とその内側(すなわち灯室6013内)は、車両100の外部の情報取得における必要性は低い。
したがって、上記の所定の距離は、LiDARセンサユニット6015から透光カバー6012の外面6012a(図41参照)までの距離とされうる。この場合、車両100の外部の情報取得に際して透光カバー6012の存在を考慮する必要がなくなり、処理負荷の増大を抑制できる。
図41に示される例においては、検出方向に応じてLiDARセンサユニット6015から透光カバー6012の外面6012aまでの距離が変化している。しかしながら、透光カバー6012の形状は既知であるため、容易にデータ除外のための距離を設定できる。
処理部6016は、透光カバー6012の外面6012aにおけるLiDARセンサユニット6015による検出結果の経時変化を取得するように構成されうる。
この場合、透光カバー6012の外面6012aに付着した水滴や汚れ、透光カバー6012の外面6012aに形成された傷などを検出できる。処理部6016は、このようにして検出された結果を、車両100の外部の情報を取得する処理の対象から除外できる。これにより、水滴、汚れ、傷などが車両100の外部の情報取得に与える影響を排除して処理負荷の増大を抑制できる。
図41に破線で示されるように、左前ランプ装置6010は、カメラユニット6017を備えうる。カメラユニット6017は、灯室6013内に配置されている。カメラユニット6017は、車両100の前方を含む領域の画像情報を取得するための装置である。
カメラユニット6017は、取得した画像情報に対応するデータを出力する。画像情報は、カメラユニット6017より出力されたデータが処理部6016によって適宜に処理されることにより取得される。
この場合、処理部6016は、前述したLiDARセンサユニット6015による検出結果の経時変化を参照しつつ、カメラユニット6017から出力されたデータに基づく車両100の外部の情報を取得するように構成されうる。
カメラユニット6017から出力される画像データには、原理上、距離情報が含まれていない。したがって、透光カバー6012の外面6012a上の水滴、汚れ、傷などが、カメラユニット6017により取得される画像に写り込む場合がある。LiDARセンサユニット6015により検出された水滴、汚れ、傷などの存在を参照することにより、画像データ中から当該水滴、汚れ、傷などを検出する処理が不要になり、処理負荷の増大を抑制できる。
左前ランプ装置6010の構成は、左後ランプ装置にも適用可能である。左後ランプ装置は、図2に示される車両100の左後隅部LBに搭載される。左後ランプ装置の基本的な構成は、左前ランプ装置6010と前後対称でありうる。但し、ランプユニット6014とLiDARセンサユニット6015の仕様は、適宜に変更されうる。
左前ランプ装置6010の構成は、右後ランプ装置にも適用可能である。右後ランプ装置は、図2に示される車両100の右後隅部RBに搭載される。右後ランプ装置の基本的な構成は、上述の左後ランプ装置と左右対称である。
上記の第十九実施形態は、本開示の理解を容易にするための例示にすぎない。第十九実施形態に係る構成は、本開示の趣旨を逸脱しなければ、適宜に変更・改良されうる。
LiDARセンサユニット6015に加えてあるいは代えて、ミリ波レーダユニットが灯室6013内に収容されうる。ミリ波レーダユニットは、ミリ波を発信する構成、および当該ミリ波が車両100の外部に存在する物体に反射した結果の反射波を受信する構成を備えている。ミリ波の周波数の例としては、24GHz、26GHz、76GHz、79GHzなどが挙げられる。
ミリ波レーダユニットは、例えば、ある方向へミリ波を発信したタイミングから反射波を受信するまでの時間に基づいて、当該反射波に関連付けられた物体までの距離を取得できる。また、そのような距離データを検出位置と関連付けて集積することにより、反射波に関連付けられた物体の動きに係る情報を取得できる。すなわち、ミリ波レーダユニットは、車両100の外部の距離を含む情報を検出するセンサユニットの一例である。
ミリ波レーダユニットは、検出された反射波の属性(強度や波長など)に対応するデータを出力する。上記の情報は、ミリ波レーダユニットより出力されたデータが処理部6016によって適宜に処理されることにより取得される。
左前ランプ装置6010は、ランプユニット6014を備えない左前センサ装置として構成されうる。カメラユニット6017も備えないのであれば、透光カバー6012は、可視光について透明であることを要しない。
上記の実施形態においては、左前ランプ装置6010が処理部6016を備えている。しかしながら、処理部6016の機能の少なくとも一部は、図2に破線で示される制御装置101によって実現されうる。制御装置101の例としては、ECUが挙げられる。ECUは、ASICやFPGAなどの集積回路によって構成されてもよいし、マイクロコントローラと集積回路の組合せによって構成されてもよい。
本出願の記載の一部を構成するものとして、2017年7月24日に提出された日本国特許出願2017-142753号、2017年7月25日に提出された日本国特許出願2017-143576号、2017年8月4日に提出された日本国特許出願2017-151425号、2017年8月17日に提出された日本国特許出願2017-157566号、2017年8月30日に提出された日本国特許出願2017-165462号、および2017年10月26日に提出された日本国特許出願2017-207339号の内容が援用される。