以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、または実質的に同一のものを含む。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
以下の説明においては、X軸方向を、「前後方向」とする。Y軸方向を、「上下方向」とする。Y軸方向とは、X軸方向に対して直交する方向である。Z軸方向を、「左右方向」とする。Z軸方向とは、X軸方向及びY軸方向に対して水平に直交する方向である。前方向を「+X」、後方向を「-X」方向とする。上方向を「+Y」、下方向を「-Y」方向とする。前後方向「後」側へ向かって、右手側が「+Z(右)」、左手側が「-Z(左)」方向である。
[第一実施形態]
図1ないし図4を参照して、電動工具の一例としてインパクトドライバ1Aの概要について説明する。図1は、第一実施形態に係るインパクトドライバを前方から見た斜視図である。図2は、第一実施形態に係るインパクトドライバを後方から見た斜視図である。図3は、第一実施形態に係るインパクトドライバの側断面図である。図4は、第一実施形態に係るインパクトドライバを示す機能ブロック図である。
インパクトドライバ1Aは、既存の操作部材やボタンが、通常の操作(第一操作)とは異なる操作態様の操作(第二操作)をされることでモータ11の回転速度を切り替えられる。インパクトドライバ1Aは、本体部4と、ハンドル部6と、バッテリ装着部29と、正逆切替レバー28と、メインスイッチ(操作部)7と、制御部(コントローラ)33とを備える。さらに、インパクトドライバ1Aは、外形を規定するハウジング2を有する。
ハウジング2は、モータハウジング2Aと、ハンドルハウジング2Bと、バッテリ装着ハウジング2Cとを有する。モータハウジング2Aは、内側の空間にモータ11を収容する。ハンドルハウジング2Bは、モータハウジング2Aの下側に配置される。バッテリ装着ハウジング2Cは、ハンドルハウジング2Bの下側に配置される。このようなモータハウジング2Aとハンドルハウジング2Bとバッテリ装着ハウジング2Cとは、図示しないネジによって締結されて一体として組み付けられる。
本体部4について説明する。本体部4は、例えば、ドライバビットを含む先端工具を保持して駆動する。本体部4は、ファン10と、モータ11と、減速機構としての遊星歯車機構12と、スピンドル13と、スプリング14と、ハンマ16と、出力軸としてのアンビル17と、モータハウジング2Aと、リヤハウジング20と、フロントハウジング26と、ハンマケース21と、バンパ27とを有する。ファン10とモータ11と遊星歯車機構12とスピンドル13とスプリング14とハンマ16とアンビル17とは、同軸に組み付けられる。
モータハウジング2Aは、軸方向の両端部が開口した筒状の部材である。モータハウジング2Aの周面には、複数の吸気口25が設けられる。
リヤハウジング20は、軸方向の前端部が開口している。リヤハウジング20は、モータハウジング2Aの後端部の開口を塞ぐように配置される。リヤハウジング20の周面には、複数の排気口24が設けられる。
フロントハウジング26は、モータハウジング2Aの前端部に接続される。フロントハウジング26は、後側から前側に向かって縮径された筒状に形成されている。フロントハウジング26は、軸方向の両端部が開口している。
ハンマケース21は、ハンマ16の周囲に配置される。ハンマケース21は、後側から前側に向かって縮径された筒状に形成されている。ハンマケース21は、軸方向の両端部が開口している。ハンマケース21は、モータハウジング2A及びフロントハウジング26の内側に配置される。言い換えると、ハンマケース21の周囲には、モータハウジング2A及びフロントハウジング26が配置される。
バンパ27は、弾性体で形成された筒状の部材である。バンパ27は、ハンマケース21の前端部に接続される。バンパ27は、軸方向の両端部が開口している。
モータ11は、インパクトドライバ1Aの駆動源である。モータ11は、バッテリ31から供給される電力によって駆動する。モータ11の回転力は、遊星歯車機構12を介して伝達される。モータ11の回転軸AXは、X軸と平行である。モータ11は、モータハウジング2Aに収容される。モータ11は、ブラシレスモータである。モータ11は、インナーロータである。より詳しくは、モータ11は、円筒状のステータ51とステータ51の内側に配置されたロータ52とを有する。
ステータ51は、複数の内歯を有する固定子鉄心54と、固定子鉄心54の前側に配置された前絶縁部材56と、固定子鉄心54の後ろ側に配置された後絶縁部材58と、前絶縁部材56及び後絶縁部材58を介して固定子鉄心54の内歯に巻かれる複数の駆動コイル60とを有する。
ステータ51は、前絶縁部材56に図示しないネジで固定されたセンサ基板62と、センサ基板62の前面に固定された図示しない磁気センサと、前絶縁部材56の前面周縁に配置されて駆動コイル60とセンサ基板62とを電気的に接続する図示しないコイル接続部とを有する。コイル接続部は、下側に突出した端子部64と電気的に接続される。端子部64には、図示しないリード線の一端部が接続される。リード線の他端部は、制御部33に接続される。
ロータ52は、回転軸AXを中心に回転する。ロータ52は、回転軸であるモータ軸66と、モータ軸66の周囲に配置された回転子鉄心68と、回転子鉄心68の外側に配置された複数の永久磁石70と、図示しないセンサ用永久磁石と、回転子鉄心68のモータ軸66上の前側に配置されたスリーブ72とを有する。回転子鉄心68と永久磁石70とセンサ用永久磁石とは、ロータアッセンブリを構成する。
モータ軸66は、モータ前軸受74とモータ後軸受77とに回転可能に支持される。モータ前軸受74は、モータ軸66上であってスリーブ72より前側に配置される。モータ前軸受74は、ベアリングリテーナ75の後側の開口部内に配置される。モータ後軸受77は、リアハウジング20の径方向の中央部に配置される。モータ軸66の他方の端部は、モータ後軸受77によって回転可能に支持される。モータ軸66の一方の端部には、ピニオンギヤ76がモータ軸66に固定される。
ファン10は、モータ軸66の後側に配置される。ファン10は、複数の羽根を有する遠心ファンである。ファン10は、ファンスリーブ78を介してモータ軸66に固定される。ファン10の径方向の外側には、排気口24が位置する。ファン10の前方には、吸気口25が位置する。ファン10は、モータ11が作動すると、回転軸AXを中心に回転する。ファン10が回転すると、モータハウジング2Aの外部の空気が吸気口25からモータハウジング2Aに流入する。モータハウジング2Aに流入した空気は、モータ11の周囲を通過する際にモータ11を冷却する。モータ11を冷却して温められた空気は、排気口24からモータハウジング2Aの外部に排出される。
遊星歯車機構12は、モータ11の回転力をスピンドル13に伝達する。遊星歯車機構12は、リング状の内歯ギヤ80と、内歯ギヤ80と噛み合う複数の遊星歯車82と、遊星歯車82の軸である複数のピン84とを有する。内歯ギヤ80は、ハンマケース21内に回転が規制された状態で配置される。複数の遊星歯車82は、内歯ギヤ80の内側に配置される。遊星歯車82は、ピン84を軸として回転可能である。
スピンドル13は、遊星歯車機構12を介してモータ軸66と連結される。スピンドル13には、遊星歯車機構12を介してモータ11の回転力が伝達される。スピンドル13は、モータ11が作動すると、回転軸AXを中心に回転する。
スピンドル13は、円盤状に形成された円盤状部90と、円盤状部90から前側に突出して筒状に形成された前縮径部と、円盤状部90から後側に突出して筒状に形成された後縮径部とを有する。Z軸方向視において、前縮径部と後縮径部とは、円盤状部90より外径が小さい形状である。
ベアリングリテーナ75の内面は、後円筒状内面と、後円筒状内面より大きい径を有する中間円筒状内面と、中間円筒状内面より大きい径を有する前円筒状内面とを有する。ベアリングリテーナ75の後円筒状内面と中間円筒状内面と前円筒状内面とは連続して連なっている。ベアリングリテーナ75の内側には、ハウジングリブ96が収容される。ベアリングリテーナ75は、径方向の外側に突出するリテーナリブ98を有する。リテーナリブ98は、ハンマケース21の後端部とハウジングリブ96の前面との間に挟持される。ベアリングリテーナ75の前部は、ハンマケース21の後端部の内面と内歯ギヤ80の外面との間に挟持される。
スピンドル軸受94の内径は、ベアリングリテーナ75が保持するモータ前軸受74の内径よりも大きい。スピンドル軸受94は、モータ前軸受74より前方に配置される。言い換えると、スピンドル軸受94とモータ前軸受74とは前後方向において異なる位置に配置される。これにより、スピンドル13からスピンドル軸受94に伝達された力がモータ前軸受74に伝達されることが規制される。
スピンドル13は、モータ11の回転力をハンマ16に伝達する。スピンドル13は、内部に内孔100が形成されている。内孔100は、スピンドル13を貫通する。内孔100は、後側が前側より太く形成されている。内孔100は、後部が円盤状部90の中空部と接続される。内孔100は、後部にモータ軸66の前端部とピニオンギヤ76とが配置される。ピニオンギヤ76と円盤状部90の中空部に配置された遊星歯車機構12の遊星歯車82とが噛み合う。このようなスピンドル13には、ロータ52の回転力が、遊星歯車機構12を介して伝達される。
ハンマ16は、伝達された回転力を回転打撃力に変換してアンビル17に伝達する。ハンマ16は、スピンドル13の回転力を回転打撃力に変換する。ハンマ16は、後面に凹部101を有する。凹部101には、スプリング14の前部が収容される。凹部101の底面には、複数のスプリングボール102とハンマワッシャ104とを介して、スプリング14のリング状に形成された前部が配置される。
ハンマ16とスピンドル13の前部との間には、打撃時にハンマ16を前後方向にガイドするハンマボール106が配置される。
アンビル17は、先端工具を着脱可能に保持する。アンビル17は、ハンマ16から伝達された回転打撃力によって、回転軸AXを中心に先端工具を回転する。アンビル17は、先端工具が配置されるアンビル孔120と、チャック112と、径方向の外側に突出する一対の延設部114と、スピンドル13の前端部の凸部118が挿入される後孔とを有する。アンビル17は、アンビル軸受116に回転可能に支持される。アンビル軸受116は、延設部114よりも前方に配置される。アンビル軸受116は、ハンマケース21の内面の前部に支持される。
チャック112は、アンビル孔120に挿入された先端工具を固定する。チャック112は、チャックスリーブ122と、チャックスプリング124と、チャックワッシャ126と、チャックスプリング止め127と、複数のチャックボール128とを有する。
チャックスリーブ122は、円筒状に形成されている。チャックスリーブ122は、アンビル17の前部外径より大きい内径を有するチャック前孔部130と、チャック前孔部130の内面から内側に突出するチャックボール固定部132とを有する。
チャックスプリング124は、チャック前孔部130に配置される。チャックワッシャ126は、チャックスプリング124の前方に配置される。チャックワッシャ126は、チャック前孔部130の前端部内に配置される。チャックスプリング止め127は、チャックワッシャ126の前方において、アンビル17の外面に固定される。チャックスプリング124は、アンビル17の外面とチャックワッシャ126とチャック前孔部130の内面とによって規定される空間に配置される。チャックボール128は、アンビル孔120の内側に露出し、チャックボール固定部132に接触可能である。
チャックスリーブ122は、インパクトドライバ1Aのユーザが操作可能である。ユーザがチャックスリーブ122を前方に引くと、チャックスリーブ122は、チャックスプリング124の弾性力を受けた状態で、前方に移動する。チャックスリーブ122が前方に移動すると、チャックボール固定部132は、チャックボール128から離間する。これにより、チャックボール128は、規制が外れて、径方向において外側に移動可能になる。チャックボール128が移動可能な状態で、先端工具がアンビル孔120に挿入されると、チャックボール128は、アンビル孔120から退いて、径方向において外側に移動する。これにより、先端工具はアンビル孔120に装着可能になる。先端工具がアンビル孔120に配置された状態で、ユーザがチャックスリーブ122から手を離すと、チャックスリーブ122がチャックスプリング124の弾性力により後方に移動する。これにより、チャックボール固定部132がチャックボール128を押して、チャックボール128が径方向において内側に移動する。これにより、先端工具はチャックボール128で挟持され、アンビル17に固定される。
正逆切替レバー28は、本体部4の下側で、ハンドル部6の上側に配置される。正逆切替レバー28は、モータ11の回転方向を切り替える。正逆切替レバー28は、インパクトドライバ1Aのユーザが操作する操作部材であるレバー部材281と、モータ11の回転方向を切り替える回転方向信号を出力する回転方向信号出力部282とを有する。
レバー部材281は、Z軸方向に延在する部材である。レバー部材281は、モータハウジング2Aを貫通するように配置される。レバー部材281は、モータハウジング2Aに対して移動可能である。レバー部材281は、モータハウジング2Aに対して移動されると、ユーザが手を離すと元の位置に復帰するようになっている。
レバー部材281がZ軸方向に動かされると、モータ11の回転方向が切り替えられる。レバー部材281がモータハウジング2Aの中間に位置するとき、トリガ操作部材8は操作が規制される。
回転方向信号出力部282は、レバー部材281のZ軸方向の位置に応じて、モータ11の回転方向を切り替える回転方向信号を出力する。より詳しくは、回転方向信号出力部282は、レバー部材281の右側部を押して左側に突出させると、モータ11の回転方向を正転させる指令信号を出力する。回転方向信号出力部282は、レバー部材281の左側部を押して右側に突出させると、モータ11の回転方向を逆転させる指令信号を出力する。
レバー部材281がZ軸方向に操作されることにより、レバー部材281と回転方向信号出力部282とが接触し、回転方向信号出力部282から回転方向信号が出力される。ユーザによるレバー部材281の操作が解除されると、弾性部材5の弾性力により、レバー部材281は、回転方向信号出力部282から離れるようにする。レバー部材281が回転方向信号出力部282から離れることにより、回転方向信号出力部282からの回転方向信号の出力が停止される。
ハンドル部6について説明する。ハンドル部6は、インパクトドライバ1Aの使用時にインパクトドライバ1Aのユーザが把持する把持部である。ハンドル部6は、本体部4の下側に接続される。ハンドル部6は、モータハウジング2Aの下側に接続されるハンドルハウジング2Bを含む。
バッテリ装着部29について説明する。バッテリ装着部29は、ハンドル部6の下側に配置される。バッテリ装着部29は、バッテリ31が着脱可能である。バッテリ装着部29は、バッテリ31が装着される装着面32と、操作パネル44を含む操作面40とを有する。バッテリ装着部29は、ハンドル部6の下側に接続される。バッテリ装着部29は、ハンドルハウジング2Bの下側に接続されるバッテリ装着ハウジング2Cを含む。
バッテリ31は、バッテリ端子を有する。バッテリ端子は、バッテリ31の上面に配置される。バッテリ31は、バッテリ31の前部において上方に隆起する隆起部34を有する。
装着面32は、下方を向くバッテリ装着部29の下面を含む。バッテリ装着部29は、装着端子を有する。装着端子は、バッテリ装着部29の装着面32に配置される。
バッテリ31は、バッテリ装着部29に着脱可能である。バッテリ31をバッテリ装着部29に装着するとき、バッテリ31の上面と装着面32とが対向するように、バッテリ31をバッテリ装着部29の前方から後方へスライドさせる。バッテリ31をスライドさせることによって、隆起部34の後部がバッテリ装着部29の前部に当接する。また、バッテリ31の上面にはバッテリ31の上面から突出するバッテリ爪36が設けられる。バッテリ爪36は、弾性部材により上方に付勢される。バッテリ爪36は、バッテリ装着部29の前部に設けられたバッテリ装着凹部37に挿入される。これにより、バッテリ31とバッテリ装着部29とが位置決めされ、バッテリ31がバッテリ装着部29に装着される。
バッテリ31がバッテリ装着部29に装着された状態において、バッテリ31の上面と装着面32とが対向する。また、バッテリ31がバッテリ装着部29に装着された状態において、バッテリ端子と装着端子とが接続される。これにより、バッテリ31とバッテリ装着部29に設けられるターミナル35とが接続される。ターミナル35は、制御部33と接続される。
バッテリ装着部29からバッテリ31を外すとき、バッテリボタン30が操作される。バッテリボタン30は、バッテリ爪36を付勢する弾性部材と接続される。したがって、バッテリボタン30が操作されることにより、バッテリ爪36がバッテリ装着凹部37から外れ、バッテリ装着部29からバッテリ31が解放される。バッテリ装着部29からバッテリ31を前方にスライドさせることによって、バッテリ装着部29からバッテリ31が外される。
操作面40は、バッテリ装着部29の上面の前部に配置される。操作面40は、バッテリ装着ハウジング2Cの上面であって、ハンドル部6よりも前方の領域に配置される。操作パネル44は、操作面40に設けられる。
図5を参照して操作パネル44について説明する。図5は、第一実施形態に係るインパクトドライバの操作パネルの平面図である。操作パネル44は、インパクトドライバ1Aの動作状態を変更するための各種の操作を行うボタンと、動作状態を表示する表示部445とを有する。より詳しくは、操作パネル44は、打撃力切替ボタン441と、ライト入切ボタン442と、電池残量確認ボタン443と、自動変更モード切替ボタン444とを有する。
打撃力切替ボタン441は、ハンマ16の打撃力を変更するために操作される。打撃力切替ボタン441は、操作される毎に、打撃力の設定値を「最強」、「強」、「中」、「弱」、「テクス用」の5段階で順次切り替える。打撃力切替ボタン441は、操作を検出すると電気信号として制御部33に出力する。
ライト入切ボタン442は、トリガ操作部材8の上側に配置されたライトの点灯と消灯とを切り替えるために操作される。ライト入切ボタン442は、操作を検出すると電気信号として制御部33に出力する。
電池残量確認ボタン443は、電池の残量を確認するために操作される。電池残量確認ボタン443は、操作を検出すると電気信号として制御部33に出力する。
自動変更モード切替ボタン444は、自動変更モードを切り替えるために操作される。自動変更モード切替ボタン444は、操作されると、打撃を開始するまではモータ11の回転速度を低くし、打撃を開始するとモータ11の回転速度を最速にする。自動変更モード切替ボタン444は、操作を検出すると電気信号として制御部33に出力する。
図1ないし図3に戻って、バッテリ装着ハウジング2Cの上部の左右には、フック38が取り付けられるフック用溝39が設けられる。フック用溝39は、バッテリ装着ハウジング2Cの左右の両側に設けられる。バッテリ装着ハウジング2Cの後部にストラップ42が取り付けられる。
図1ないし図4を参照して、メインスイッチ7について説明する。メインスイッチ7は、インパクトドライバ1Aの起動と停止とを切り替える。より詳しくは、メインスイッチ7は、モータ11の起動と停止とを切り替える。メインスイッチ7は、ハンドル部6の上部に配置される。メインスイッチ7は、トリガ操作部材8と、トリガ信号出力部9と、モード信号出力部91とを有する。
トリガ操作部材8は、ハンドル部6の上部に配置される。トリガ操作部材8は、+X側のハンドル部6の前部に配置される。ハンドルハウジング2Bは、トリガ操作部材8が配置される開口3を有する。トリガ操作部材8の少なくとも一部は、開口3に配置される。トリガ操作部材8は、ハンドルハウジング2Bの前面よりも前方に突出する。
トリガ操作部材8は、ブロック状の部材である。トリガ操作部材8は、前方を向く前端面8Fを有する。Z軸方向において、トリガ操作部材8は、ハンドル部6の中央部に配置される。Z軸方向において、トリガ操作部材8の中心とハンドル部6の中心とは一致する。
図6を参照して、トリガ操作部材8について説明する。図6は、第一実施形態に係るインパクトドライバのトリガ操作部材の概略図である。トリガ操作部材8は、通常の操作である第一操作として、トリガ操作部材8を開口3内に引き込むことによって、モータ11の起動と停止とが切り替えられる。また、トリガ操作部材8は、通常の操作である第一操作として、モータ11が起動された状態においては、トリガ操作部材8の引込量に応じて、モータ11の回転速度が制御される。第一操作時のトリガ操作部材8の引込量(第一引込量)をd1とする。また、第一操作時における、トリガ操作部材8が可動する方向を第一方向という。本実施形態では、トリガ操作部材8の第一方向は、トリガ操作部材8を開口3内に引き込む方向である。
トリガ操作部材8は、第一操作とは異なる操作(第二操作)がされることによって、モータ11の回転速度を切り替えられる。本実施形態では、第二操作として、トリガ操作部材8が第一操作の引込量d1より小さい引込量(第二引込量)d2で開口3内に引き込まれると、モータ11の回転速度を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の5段階で順次切り替える。トリガ操作部材8で第二操作が実行されても、モータ11には通電されず起動しない状態のままである。
トリガ操作部材8は、ユーザが手を離すと、弾性部材5の弾性力により、元の位置に復帰する。
トリガ信号出力部9は、トリガ操作部材8の第一操作によりトリガ信号を出力可能な電子回路を含む。トリガ信号出力部9は、ハンドルハウジング2Bの内部に配置される。トリガ信号とは、モータ11を起動させる指令信号である。より詳しくは、トリガ信号出力部9は、メインスイッチ7の引込量が第一閾値以上では、モータ11を駆動する指令信号を出力し、メインスイッチ7の引込量が第一閾値未満では、モータ11を駆動する指令信号の出力を停止する。トリガ信号出力部9は、メインスイッチ7の引込量が第一閾値より大きくなると、引込量が大きくなるほど、モータ11の回転速度を高速にする指令信号を出力する。
トリガ操作部材8がハンドルハウジング2Bの内部に引込量d1で引き込まれると、トリガ操作部材8とトリガ信号出力部9とが接触し、トリガ信号出力部9からトリガ信号が出力される。ユーザによるトリガ操作部材8の操作が解除されると、弾性部材5の弾性力により、トリガ操作部材8は、トリガ信号出力部9から離れる。トリガ操作部材8がトリガ信号出力部9から離れることにより、トリガ信号出力部9からのトリガ信号の出力が停止される。
モード信号出力部91は、トリガ操作部材8の第二操作によりモード信号を出力可能な電子回路を含む。モード信号出力部91は、ハンドルハウジング2Bの内部に配置される。モード信号とは、モータ11の回転速度を変更させる指令信号である。
トリガ操作部材8がハンドルハウジング2Bの内部に引込量d2で引き込まれると、トリガ操作部材8とモード信号出力部91とが接触し、モード信号出力部91からモード信号が出力される。ユーザによるトリガ操作部材8の操作が解除されると、弾性部材5の弾性力により、トリガ操作部材8は、モード信号出力部91から離れる。トリガ操作部材8がモード信号出力部91から離れることにより、モード信号出力部91からのモード信号の出力が停止される。
モード信号出力部91は、トリガ操作部材8が引込量d2で引き込まれると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の5段階で順次切り替えるモード信号を出力する。より詳しくは、モード信号出力部91は、トリガ操作部材8が引込量d2で引き込まれると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えるモード信号を出力する。
制御部33は、インパクトドライバ1Aを制御する。制御部33は、制御回路基板を含み、バッテリ装着部29の内部に配置される。制御部33は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリと、入出力回路を含むインターフェースとを含む。
制御部33には、ターミナル35と、メインスイッチ7と、正逆切替レバー28と、操作パネル44と、モータ11とが接続される。なお、本実施形態においては、制御部33は、バッテリ31がバッテリ装着部29に装着されると、モータ11の回転速度を「最高」に設定する。
制御部33は、メインスイッチ7のトリガ信号出力部9とモード信号出力部91とが接続される。
制御部33は、トリガ信号出力部9からモータ11を駆動する指令信号が出力されている間、モータ11を駆動する。制御部33は、トリガ信号出力部9からモータ11を駆動する指令信号の出力が停止されると、モータ11を停止する。
制御部33は、モード信号出力部91からモード信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。制御部33は、モータ11の回転速度が「最高」に設定されている状態で、モード信号を受信すると、モータ11の回転速度を「高」に変更する。制御部33は、モータ11の回転速度が「高」に設定されている状態で、モード信号を受信すると、モータ11の回転速度を「中」に変更する。制御部33は、モータ11の回転速度が「中」に設定されている状態で、モード信号を受信すると、モータ11の回転速度を「低」に変更する。制御部33は、モータ11の回転速度が「低」に設定されている状態で、モード信号を受信すると、モータ11の回転速度を「テクス用」に変更する。制御部33は、モータ11の回転速度が「テクス用」に設定されている状態で、モード信号を受信すると、モータ11の回転速度を「最高」に変更する。
制御部33は、設定したモータ11の回転速度を表示部445のモード表示部に表示させる。
制御部33は、正逆切替レバー28の回転方向信号出力部282が接続される。制御部33は、回転方向信号出力部282から指令信号を受信すると、モータ11の回転方向を切り替える。言い換えると、制御部33は、回転方向信号出力部282から回転方向切替信号を受信すると、モータ11の回転方向の設定値を変更する。
制御部33は、操作パネル44の打撃力切替ボタン441とライト入切ボタン442と電池残量確認ボタン443と自動変更モード切替ボタン444と接続されている。
制御部33は、打撃力切替ボタン441が操作される毎に、打撃力の設定値を「最強」、「強」、「中」、「弱」、「テクス用」の5段階で順次切り替える。制御部33は、設定したモータ11の回転速度を表示部445のモード表示部に表示させる。
制御部33は、ライト入切ボタン442が操作されると、ライトの点灯と消灯とを切り替える指令信号をライトに出力する。制御部33は、ライトの点灯または消灯を表示部445のライト表示部に表示させる。
制御部33は、電池残量確認ボタン443が操作されると、ターミナル35を介してバッテリ31の残量を確認して、表示部445の残量表示部に表示させる。
制御部33は、自動変更モード切替ボタン444が操作されると、モータ11の回転速度を自動で変更する指令信号をモータ11に出力する。
次に、このように構成されたインパクトドライバ1Aにおけるモータ11の回転速度の変更方法について説明する。ユーザは、インパクトドライバ1Aのハンドル部6を右手で掴んで把持する。
ユーザは、例えば人差し指でトリガ操作部材8を引込量d2で開口3内に引き込んで、モータ11の回転速度を所望の回転速度に変更する。ユーザは、表示部445のモード表示部によって、モータ11の回転速度を確認する。
モータ11を所望の回転速度に設定した後、ユーザは、人差指でトリガ操作部材8を引込量d1で操作する。これにより、インパクトドライバ1Aは、モータ11が起動する。モータ11は、設定された回転速度を上限として回転する。
モータ11が作動すると、ファン10が回転する。ファン10が回転すると、モータハウジング2Aの外部の空気が吸気口25からモータハウジング2Aに流入する。モータハウジング2Aに流入した空気は、モータ11の周囲を通過する際にモータ11を冷却する。モータハウジング2Aの内部の空気は、排気口24からモータハウジング2Aの外部に排出される。
モータ11の回転力は、スピンドル13を介してハンマ16に伝達される。ハンマ16は、アンビル17に保持される先端工具を駆動する。このようにして、アンビル17に保持されている先端工具が回転する。
以上説明したように、本実施形態によれば、既存の操作部材やボタンが、通常の操作である第一操作とは異なる第二操作をされることでモータ11の回転速度が切り替えられる。このように、本実施形態は、モータ11の回転速度を変更するために、操作部材やボタンを追加して配置しなくてよい。本実施形態によれば、インパクトドライバ1Aを小型化することができる。
本実施形態は、第二操作として、トリガ操作部材8を引込量d2で引き込むことで、モータ11の回転速度が切り替えられる。本実施形態によれば、ユーザは、インパクトドライバ1Aを把持した状態で、人差し指で第二操作をすることができる。本実施形態は、モータ11の回転速度を切り替えるために、インパクトドライバ1Aを作業台に置いたり、持ち替えたりしなくてもよいので、作業性を向上することができる。
[第二実施形態]
図7を参照しながら、本実施形態に係るインパクトドライバ1Aについて説明する。図7は、第二実施形態に係るインパクトドライバの操作パネルの平面図である。以下の説明においては、第一実施形態のインパクトドライバ1Aと同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態は、ライト入切ボタン442と電池残量確認ボタン443と自動変更モード切替ボタン444とのいずれかのボタンを操作部とする。また、第二操作として、いずれかのボタンが操作時間と操作回数とのどちらかを変えて押下されると、具体的には、長押し、または、複数回押下されると、制御部33がモータ11の回転速度を切り替える制御を行う。
操作パネル44Aは、ライト入切ボタン442と、電池残量確認ボタン443と、自動変更モード切替ボタン444とを有する。
ライト入切ボタン442は、第一操作として押下されると、ライトの点灯と消灯とを切り替えられる。ライト入切ボタン442は、第二操作として長押し、または、複数回押下されると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えるモード信号を出力する。
電池残量確認ボタン443は、第一操作として押下されると、電池の残量が表示される。電池残量確認ボタン443は、第二操作として長押し、または、複数回押下されると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えるモード信号を出力する。
自動変更モード切替ボタン444は、第一操作として押下されると、自動変更モードに切り替えられる。自動変更モード切替ボタン444は、第二操作として長押し、または、複数回押下されると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えるモード信号を出力する。
制御部33は、ライト入切ボタン442と電池残量確認ボタン443と自動変更モード切替ボタン444とのいずれかのボタンが長押し、または、複数回押下されてモード信号を受信すると、モータ11の回転速度を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替える。
以上説明したように、本実施形態によれば、操作パネル44Aのライト入切ボタン442と電池残量確認ボタン443と自動変更モード切替ボタン444との少なくともいずれかのボタンを使用してモータ11の回転速度を変更する。これにより、本実施形態では、操作パネル44Aにモータ11の回転速度を変更するために、例えば、打撃力切替ボタン441(図4)のような専用のボタンを配置しなくてよい。本実施形態によれば、操作パネル44Aを小型化することができる。
[第三実施形態]
図8を参照しながら、本実施形態に係るインパクトドライバ1Aについて説明する。図8は、第三実施形態に係るインパクトドライバの複数の操作部材を組み合わせた操作の一例を説明する図である。以下の説明においては、第一実施形態のインパクトドライバ1Aと同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本実施形態は、第二操作として、複数の操作部に対する複数の操作を組み合わせて行うと、制御部33がモータ11の回転速度を切り替える制御を行う。また、複数の操作部の操作の順番を変えることで、第一操作と第二操作とを区別してもよい。
例えば、正逆切替レバー28を中立位置にした状態で、トリガ操作部材8を引込量d1引くと、モータ11の回転速度が「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えられる。例えば、正逆切替レバー28を中立位置にした状態で、ライト入切ボタン442を押下すると、モータ11の回転速度が「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えられる。例えば、ライト入切ボタン442を押下した状態で、トリガ操作部材8を引込量d1引くと、モータ11の回転速度が「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替えられる。
または、例えば、正逆切替レバー28を中立位置にした後で、トリガ操作部材8を引込量d1引くと、モータ11の回転速度が「最強」、「強」、「中」、「弱」、「テクス用」の順で切り替えられる。また、例えば、トリガ操作部材8を引込量d1引いた後で、正逆切替レバー28を中立位置にすると、モータ11の回転速度が「テクス用」、「弱」、「中」、「強」、「最強」の順で切り替えられる。
制御部33は、上記に例示したような複数の操作部からの電気信号を受信すると、モータ11の回転速度を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番、または、「テクス用」、「弱」、「中」、「強」、「最強」の順番で切り替える。
以上説明したように、本実施形態によれば、モータ11の回転速度を変更するための操作部材を本体部4とハンドル部6とバッテリ装着部29とのいずれかに配置しなくてよい。本実施形態によれば、インパクトドライバ1Aを小型化することができる。
[第四実施形態]
図9ないし図11を参照しながら、本実施形態に係るインパクトドライバ1Aについて説明する。図9は、第四実施形態に係るインパクトドライバの正逆切替レバーの概略図である。図10は、第四実施形態に係るインパクトドライバの正逆切替レバーとスイッチとの概略図である。図11は、第四実施形態に係るインパクトドライバを示す機能ブロック図である。以下の説明においては、第一実施形態のインパクトドライバ1Aと同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
インパクトドライバ1Aは、既存の操作部の操作部材が、第一操作時に動かされる第一方向と異なる第二方向に可動されることでモータ11の回転速度を切り替えられる。
正逆切替レバー(操作部)28は、第一操作として、モータ11の回転方向を切り替える。また、第一操作時における、正逆切替レバー(操作部材)28が可動する方向を第一方向という。本実施形態では、正逆切替レバー28の第一方向は、矢印Aで示すZ軸方向である。
さらに、正逆切替レバー28は、第二操作として、第二方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。
正逆切替レバー28は、レバー部材281と、回転方向信号出力部282と、モータ11の回転速度を切り替えるモード信号を出力するモード信号出力部283とを有する。
レバー部材281が第一方向と異なる第二方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。本実施形態では、レバー部材が矢印Bで示すように上下方向、または、矢印Cで示すように前後方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。
モード信号出力部283は、レバー部材281のY軸方向またはX軸方向の位置に応じて、モータ11の回転速度を切り替えるモード信号を出力する。モード信号出力部283は、レバー部材281の操作によりモード信号を出力可能な電子回路を含む。
レバー部材281がY軸方向またはX軸方向に操作されることにより、レバー部材281とモード信号出力部283とが接触し、モード信号出力部283からモード信号が出力される。レバー部材281がモード信号出力部283から離れることにより、モード信号出力部283からの信号の出力が停止される。
図10を参照して、正逆切替レバー28とモード信号出力部283のスイッチ部2831とについて説明する。図10においては、レバー部材281は、矢印B方向に可動する。レバー部材281が、図10に示す位置にあるとき、レバー部材281は、スイッチ部2831と離間している。レバー部材281が下方に移動すると、スイッチ部2831と接触する。モード信号出力部283は、モード信号を出力する。
モード信号出力部283は、レバー部材281がY軸方向またはX軸方向に動かされると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の5段階で順次切り替える。より詳しくは、モード信号出力部283は、レバー部材281が-Y方向または-X方向に動かされると、モータ11の回転速度の設定値を「最高」、「高」、「中」、「低」、「テクス用」の順番で切り替える。モード信号出力部283は、レバー部材281が+Y方向または+X方向に動かされると、モータ11の回転速度の設定値を「テクス用」、「低」、「中」、「高」、「最高」の順番で切り替える。本実施形態においては、バッテリ31がバッテリ装着部29に装着されると、制御部33は、モータ11の回転速度を「最高」に設定する。
モータ11の回転速度が「最高」に設定されている状態で、レバー部材281が-Y方向または-X方向に動かされると、制御部33は、モータ11の回転速度を「高」に変更する。モータ11の回転速度が「高」に設定されている状態で、レバー部材281が-Y方向または-X方向に動かされると、制御部33は、モータ11の回転速度を「中」に変更する。モータ11の回転速度が「中」に設定されている状態で、レバー部材281が-Y方向または-X方向に動かされると、制御部33は、モータ11の回転速度を「低」に変更する。モータ11の回転速度が「低」に設定されている状態で、レバー部材281が-Y方向または-X方向に動かされると、制御部33は、モータ11の回転速度を「テクス用」に変更する。モータ11の回転速度が「テクス用」に設定されている状態で、レバー部材281が-Y方向または-X方向に動かされると、制御部33は、モータ11の回転速度を「最高」に変更する。
制御部33は、正逆切替レバー28の回転方向信号出力部282とモード信号出力部283とが接続される。制御部33は、モード信号出力部283から指令信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。言い換えると、制御部33は、モード信号出力部283からモード信号を受信すると、モータ11の回転速度の設定値を変更する。
以上説明したように、本実施形態は、トリガ操作部材8を第一操作に可動する第一方向と異なる第二方向に可動することで、モータ11の回転速度を切り替える。本実施形態によれば、モータ11の回転速度を変更するに可動する操作部材を本体部4とハンドル部6とバッテリ装着部29とのいずれかに配置しなくてよい。本実施形態によれば、インパクトドライバ1Aを小型化することができる。
[第五実施形態]
図12を参照しながら、本実施形態に係るインパクトドライバ1Aについて説明する。図12は、第五実施形態に係るインパクトドライバのトリガ操作部材の概略図である。以下の説明においては、第一実施形態のインパクトドライバ1Aと同様の構成要素には、同一の符号または対応する符号を付し、その詳細な説明は省略する。
メインスイッチ(操作部)7のトリガ操作部材(操作部材)8は、第一操作として、トリガ操作部材8を開口3内に引き込むことによって、モータ11の起動と停止とが切り替えられる。第一操作時における、トリガ操作部材8が可動する方向を第一方向という。本実施形態では、トリガ操作部材8の第一方向は、矢印Dで示す、トリガ操作部材8を開口3内に引き込む方向である。
さらに、トリガ操作部材8は、第二操作として、第二方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。本実施形態では、トリガ操作部材8が矢印Eで示すように開口3から引き出す方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。
制御部33は、モード信号出力部91からモード信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。
以上説明したように、本実施形態は、トリガ操作部材8を第一操作に可動する第一方向と異なる第二方向に可動することで、モータ11の回転速度を切り替える。本実施形態は、モータ11の回転速度を変更するに可動する操作部材を本体部4とハンドル部6とバッテリ装着部29とのいずれかに配置しなくてよい。本実施形態によれば、インパクトドライバ1Aを小型化することができる。
[第六実施形態]
図13ないし図19を参照しながら、本実施形態に係るドライバドリル1Bについて説明する。図13は、第六実施形態に係るドライバドリルを前方から見た斜視図である。図14は、第六実施形態に係るドライバドリルを後方から見た斜視図である。図15は、第六実施形態に係るドライバドリルを示す機能ブロック図である。図16は、第六実施形態に係るドライバドリルの速度切替スイッチの概略図である。図17は、第六実施形態に係るドライバドリルの速度切替スイッチとホール素子との概略図である。図18は、第六実施形態に係るドライバドリルの締付力切替リングの概略図である。図19は、第六実施形態に係るドライバドリルの締付力切替リングとホール素子との概略図である。
ドライバドリル1Bは、本体部4と、ハンドル部6と、バッテリ装着部29と、正逆切替レバー28と、メインスイッチ(操作部)7のトリガ操作部材8と、速度切替スイッチ140と、制御部(コントローラ)33とを備える。バッテリ装着部29は、バッテリ31が装着される装着面32と、操作パネル44を含む操作面40とを有する。本体部4は、ドリルチャック18と、締付力切替リング(チェンジリング)19とを有する。ドリルチャック18は、先端工具を保持して回転軸AXを中心に回転可能である。
このようなドライバドリル1Bは、既存の操作部の操作部材である速度切替スイッチ140または締付力切替リング19が、第一操作時に動かされる第一方向と異なる第二方向に可動されることでモータ11の回転速度を切り替えられる。
速度切替スイッチ140によって、モータ11の回転速度を切り替える場合について説明する。速度切替スイッチ140は、スイッチ操作部材141と、速度信号出力部142と、モード信号出力部143とを有する。
スイッチ操作部材141は、第一操作として、矢印Fが示すX軸方向に動かすことによって、モータ11の回転速度が低速と高速とで切り替えられる。さらに、スイッチ操作部材141は、第二操作として、矢印Gで示す第二方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。本実施形態では、スイッチ操作部材141が矢印Gで示すように-Y方向に押し込まれると、モータ11の回転速度が切り替えられる。
速度信号出力部142は、スイッチ操作部材141が第一方向に動かされると速度切替信号を出力可能な電子回路を含む。速度信号出力部142は、モータハウジング2Aの内部に配置される。
モード信号出力部143は、スイッチ操作部材141が第二方向に移動されるとモード信号を出力可能な電子回路を含む。モード信号出力部143は、モータハウジング2Aの内部に配置される。
図17を参照して、速度切替スイッチ140とモード信号出力部143のホール素子1431とについて説明する。図17においては、スイッチ操作部材141は、矢印G方向に可動する。スイッチ操作部材141が、図17に示す位置にあるとき、スイッチ操作部材141の下部に配置された磁石1411は、ホール素子1431と離間している。スイッチ操作部材141が下方に移動すると、磁石1411がホール素子1431と接触する。モード信号出力部143は、モード信号を出力する。
制御部33は、速度切替スイッチ140の速度信号出力部142とモード信号出力部143とが接続される。制御部33は、速度信号出力部142から速度切替信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。制御部33は、モード信号出力部143からモード信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。
締付力切替リング19によって、モータ11の回転速度を切り替える場合について説明する。締付力切替リング19は、リングスイッチ操作部材191と、締付力信号出力部192と、モード信号出力部193とを有する。
リングスイッチ操作部材191は、第一操作として、矢印Hが示す周方向に回転させることによって、締め付け力(トルク)が切り替えられる。さらに、リングスイッチ操作部材191は、第二操作として、矢印Iで示す第二方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。本実施形態では、リングスイッチ操作部材191が矢印Iで示すようにX方向に動かされると、モータ11の回転速度が切り替えられる。
締付力信号出力部192は、リングスイッチ操作部材191が第一方向に動かされると締め付け力信号を出力可能な電子回路を含む。締付力信号出力部192は、モータハウジング2Aの内部に配置される。
モード信号出力部193は、リングスイッチ操作部材191が第二方向に移動されるとモード信号を出力可能な電子回路を含む。モード信号出力部193は、モータハウジング2Aの内部に配置される。
図19を参照して、締付力切替リング19とモード信号出力部193のホール素子1931とについて説明する。図19においては、リングスイッチ操作部材191は、矢印I方向に可動する。リングスイッチ操作部材191が、図19に示す位置にあるとき、リングスイッチ操作部材191の後端部に配置された磁石1911は、ホール素子1931と離間している。締付力切替リング19が下方に移動すると、磁石1911がホール素子1931と接触する。モード信号出力部193は、モード信号を出力する。
制御部33は、締付力切替リング19の締付力信号出力部192とモード信号出力部193とが接続される。制御部33は、締付力信号出力部192から締付力信号を受信すると、締め付け力を切り替える。制御部33は、モード信号出力部193からモード信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。
以上説明したように、本実施形態は、速度切替スイッチ140または締付力切替リング19を第一操作に可動する第一方向と異なる第二方向に可動することで、モータ11の回転速度を切り替える。本実施形態によれば、ドライバドリル1Bを小型化することができる。
[第七実施形態]
図20ないし図22を参照しながら、本実施形態に係るスクリュドライバ1Cについて説明する。図20は、第七実施形態に係るスクリュドライバを前方から見た斜視図である。図21は、第七実施形態に係るスクリュドライバを後方から見た斜視図である。図22は、第七実施形態に係るスクリュドライバを示す機能ブロック図である。
スクリュドライバ1Cは、本体部4と、ハンドル部6と、バッテリ装着部29と、正逆切替レバー28と、メインスイッチ(操作部)7のトリガ操作部材8と、ロックボタン48と、制御部(コントローラ)33とを備える。バッテリ装着部29は、バッテリ31が装着される装着面32と、操作パネル44を含む操作面40とを有する。
本体部4は、X軸方向に延在する。ハンドル部6は、Y軸方向に延在する。本体部4は、ハンドル部6よりも前方に配置される。本体部4の後部は、第1接続部45を介してハンドル部6の上端部に接続される。本体部4の下部は、第2接続部46を介してバッテリ装着部29に接続される。ハンドル部6の下端部は、バッテリ装着部29に接続される。本体部4の少なくとも一部、第1接続部45、ハンドル部6、バッテリ装着部29の少なくとも一部、及び第2接続部46により、ループが形成される。本体部4は、ロックリング47と、ドリルチャック18と、ロックボタン48とを有する。ドリルチャック18は、先端工具を保持して回転軸AXを中心に回転可能である。
このようなスクリュドライバ1Cは、既存の操作部の操作部材であるロックボタン48が、長押し、または、複数回押下されることでモータ11の回転速度を切り替えられる。
ロックボタン48は、ボタン操作部材481と、ロック信号出力部482と、モード信号出力部483とを有する。
ボタン操作部材481は、レバー部材281を引いた状態でハンドル部6内に押し込まれると、ユーザがレバー部材281から手を離しても、レバー部材281を引き込まれた位置でロックする。さらに、ボタン操作部材481は、第二操作として、長押し、または、複数回押下されるとモータ11の回転速度が切り替えられる。
ロック信号出力部482は、ボタン操作部材481が-Z方向に押し込まれると、ロック信号を出力可能な電子回路を含む。ロック信号出力部482は、ハンドル部6の内部に配置される。
モード信号出力部483は、ボタン操作部材481が-Z方向に長押し、または、複数回押下されると、モード信号を出力可能な電子回路を含む。モード信号出力部483は、ハンドル部6の内部に配置される。
制御部33は、ロックボタン48のロック信号出力部482とモード信号出力部483とが接続される。制御部33は、ロック信号出力部482からロック信号を受信すると、モータ11を駆動する指令信号を出力する状態を維持する。制御部33は、モード信号出力部483からモード信号を受信すると、モータ11の回転速度を切り替える。
以上説明したように、本実施形態は、ロックボタン48を長押し、または、複数回押下することで、モータ11の回転速度を切り替える。本実施形態によれば、スクリュドライバ1Cを小型化することができる。
これに対して、従来は、図23に示すように、操作パネル44にモータ11の回転速度を変更するために、例えば、モード切替ボタン441のような専用のボタンを配置していた。図23は、従来のスクリュドライバの操作パネルの平面図である。本実施形態によれば、操作パネル44を小型化することができる。
[第八実施形態]
図24ないし図26を参照しながら、本実施形態に係るアングルインパクトドライバ1Dについて説明する。図24は、第八実施形態に係るアングルインパクトドライバを前方から見た斜視図である。図25は、第八実施形態に係るアングルインパクトドライバを後方から見た斜視図である。図26は、第八実施形態に係るアングルインパクトドライバを示す機能ブロック図である。
アングルインパクトドライバ1Dは、本体部4と、ハンドル部6と、バッテリ装着部29と、正逆切替レバー28と、メインスイッチ(操作部)7のトリガ操作部材8と、制御部(コントローラ)33とを備える。バッテリ装着部29は、バッテリ31が装着される。
本体部4は、X軸方向に延在し、先端部が-Y方向に延在する。ハンドル部6は、X軸方向に延在する。本体部4は、ハンドル部6よりも前方に配置される。ハンドル部6の後端部は、バッテリ装着部29に接続される。アンビル17に保持されている先端工具は、回転軸BXを中心に回転する。回転軸BXは、モータ11の回転軸AXと直交する。回転軸BXは、図示しない第一かさ歯車を保持する。回転軸AXは、図示しない第二かさ歯車を保持する。より詳しくは、回転軸BXの中央部に第一かさ歯車が固定されており、第一かさ歯車は、回転軸BXを中心に回転する。第一かさ歯車は、第二かさ歯車と噛み合う。
このようなアングルインパクトドライバ1Dは、既存の操作部の操作部材であるトリガ操作部材8が第一操作の引込量d1より小さい引込量d2で開口3内に引き込まれたり、レバー部材281が第一方向と異なる第二方向に動かされたりすると、モータ11の回転速度が切り替えられる。
以上説明したように、本実施形態は、トリガ操作部材8またはレバー部材281を通常と異なる操作をすることで、モータ11の回転速度を切り替える。本実施形態によれば、アングルインパクトドライバ1Dを小型化することができる。
上記では、電動工具として、インパクトドライバ1Aとドライバドリル1Bとスクリュドライバ1Cとアングルインパクトドライバ1Dとを例示したが、電動工具はこれに限定されない。電動工具は、例えば、電動マルノコ、電動レシプロソー、電動グラインダ、電動ハンマドリル、電動チェンソー、電動レンチ、電動ジグソー、電動ハンマ、電動カッター、電動カンナ、電動マルノコ、電動釘打ち機(鋲打ち機を含む)、電動草刈り機、電動ヘッジトリマ、などであってもよい。
上記では、電動工具としてバッテリから供給される電力によって駆動するものとして説明したが、商用電源等の交流電源から供給される電力によって駆動するものであってもよい。