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JP2014533208A - 独立した付属品スイッチをもった、交換式工具ヘッドを有する動力工具 - Google Patents

独立した付属品スイッチをもった、交換式工具ヘッドを有する動力工具 Download PDF

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JP2014533208A
JP2014533208A JP2014541267A JP2014541267A JP2014533208A JP 2014533208 A JP2014533208 A JP 2014533208A JP 2014541267 A JP2014541267 A JP 2014541267A JP 2014541267 A JP2014541267 A JP 2014541267A JP 2014533208 A JP2014533208 A JP 2014533208A
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Abstract

交換式工具ヘッドに対応する動力工具が提供される。動力工具は、ハウジングと、ハウジング内に取り付けられた電気モータとを有する工具本体、並びに、機械式接続部及び電気接続部を介して工具本体に取り外し可能に取り付けられる工具ヘッドを含む。工具は、工具ヘッドが工具本体に取り付けられると、電気モータの出力軸に取り外し可能に接続される。電気モータ用電源と電気モータとの間に配置された工具スイッチは、電源から電気モータに電力を供給するように動作可能である。工具付属品と電気モータ用電源との間に配置された工具付属品スイッチは、電源から電気接続部を介して工具付属品に電力を供給するように動作可能であり、それにより、工具の操作者に、工具付属品の独立した制御をもたらす。【選択図】図3

Description

本開示は、交換式工具ヘッドに適応し、独立した付属品スイッチをもつ動力工具に関する。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2012年11月7日に出願され、2011年12月23日に出願された米国特許仮出願第61/579,738号及び2011年11月11日に出願された米国特許仮出願第61/558,652号の利益を主張する米国特許出願番号第13/671,002号に基づく優先権を主張する。上記出願の各々における開示全体は、引用によりここに組み入れられる。
動力工具の分野における顕著な発展及び日曜大工(DIY)市場の需要の増大の結果として、消費者が入手可能な種々異なる型式の動力工具の数が過去10年で急増した。DIY愛好家の中でもそれほど熱心ではない人でさえ動力ドリル及び糸鋸は所有しており、もっと熱心な人は、電動サンド研磨機、動力やすり、ニブラー、及びその他の専用目的を有する専用動力工具も必要とするであろう。このような非常に多くの動力工具の品揃えは、多くの場合、有用であることは認められるが、このように多くの数を所有するには費用がかさみ、かつ、かなり広い保管空間が必要となる。さらに、各々の作業を実行するために1つずつ専用工具を所有することは、一般に全てが類似のモータで動作するこの種の工具の利用度が、多くの場合、大幅に低下することになる。さらにまた、現在の動力工具の多くは、充電式電池による電池式の「コードレス」方式であり、ユーザは、専用工具を交換するときにバッテリパックを交換すること、又は、異なる工具ごとに利用できる充電済み電池を幾つか用意しておくことを求められることが多い。
この要求に対処する1つの手法は、交換式工具ヘッドに適応する動力工具システムを設計することである。動力工具システムは、回転出力部を備えたモータを有する工具本体と、工具本体に脱着可能に結合される1又はそれ以上の工具ヘッドとを含むものとすることができ、それにより動作可能な工具が形成される。各工具ヘッドは、モータの回転出力部に動作関係で結合される、ドリルチャック、往復動鋸又は細部仕上げ用サンド研磨機などの工具を含む。トリガスイッチを始動すると、モータが通電し、このモータが工具を駆動する。工具ヘッドは、作業灯又はファンなどの工具付属品をさらに含むものとすることができる。トリガスイッチを用いて工具付属品を作動させるよりも、むしろ、工具ヘッドに組み込まれた工具付属品を独立して作動させるスイッチを設けることが望ましい。
以上に説明は、本開示に関する、必ずしも従来技術であるとは限らない背景情報を提供するものである。
以下の説明は、本開示の概略的な要旨を提供するものであり、その全ての範囲又は特徴の全てについて理解できるようにするための開示ではない。
交換式工具ヘッドに適応する動力工具が提供される。動力工具は、ハウジングと、ハウジング内に取り付けられた電気モータとを有する工具本体、並びに、機械式接続部及び電気接続部を介して取り外し可能に工具本体に取り付けられる工具ヘッドを含む。工具ヘッドは、工具と工具付属品とを含む。工具は、工具ヘッドが工具本体に取り付けられると、電気モータの出力軸に取り外し可能に接続される。電気モータ用電源と電気モータとの間に配置された工具スイッチは、電源から電気モータに電力を供給するように動作可能である。工具付属品と電気モータ用の電源との間に配置された工具付属品スイッチは、電源から電気接続部を介して工具付属品に電力を供給するように動作可能である。
電気接続部は、工具本体に組み込まれた電気コネクタと嵌合する、工具ヘッドに組み込まれた電気コネクタにより形成することができる。電気接続部は、工具付属品スイッチに電気的に結合した第1の端子と、工具スイッチに電気的に結合した第2の端子とを含むことができる。工具付属品スイッチは、工具ヘッド又は工具本体のいずれかに組み込むことができる。
動力工具は、工具本体のハウジング内に配置された、工具ヘッドから電気接続部を介して工具ヘッドの識別子を受信するように構成されたコントローラをさらに含むことができる。コントローラは、モータにより出力される動力を、工具ヘッドから受信した識別子に基づいて調整することができる。
動力工具は、工具スイッチと電気モータとの間に配置された二次工具スイッチをさらに含むことができる。この場合、コントローラは、二次工具スイッチに電気接続しており、該二次工具スイッチを工具ヘッドから受信した識別子に基づいて制御する。
さらなる利用可能な分野は、本明細書で提供される説明から明らかになる。この概要での説明及び具体的な例は、例示のみを目的とするものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
本開示による動力工具の本体部分の正面斜視図を示す。 工具ヘッド取付機構の部分側面図を示す。 工具ヘッドが取り付けられた、図1の本体部分の一部を切り欠いた側面図を示す。 工具ヘッドを取り除いた、図3に示すような一部を切り欠いた側面図を示す。 クラムシェルの半部分を取り除いた図1の本体部分の斜視図である。 一部のクラムシェルを取り除いたドリルチャック工具ヘッドの側面図である。 一部のクラムシェルを取り除いた細部加工用サンダー工具ヘッドの側面図である。 一部のクラムシェルを取り除いた往復式のこぎり工具ヘッドの側面図である。 図8aの往復式のこぎりの工具ヘッドの駆動変換機構の概略図である。 動力工具の1つの実施形態における電子部品を示す概略図である。 動力工具の代替的な実施形態における電子部品を示す概略図である。
ここで示す図面は、選択された実施形態を例示する目的のものに過ぎず、全ての可能な実施手法を示すものではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。対応する参照符号は、図面の幾つかの図を通して対応する部分を示す。
図1は、通常はプラスチック製クラムシェルの2つの半部分6、8から形成される主要本体部分4から構成された例示的な動力工具2を示す。2つの半部分は互いに嵌め合わされ、後述する動力工具の内部機構を封じ込む。本体部分4は、実質的にD字形の本体を定め、その後部10は、ユーザにより把持される通常のピストル形グリップを定める。この後部から内方に始動トリガ12が突出しており、これは、動力工具の設計に一般的な方式でユーザの人差し指で操作可能なものとすることができる。このようなピストル形グリップ設計は通常のものであり、この実施形態に関してさらに説明はしない。D字形本体の前部14は、ピストル形グリップ部10を把持したときのユーザの手を防護すること、また、工具2に電源を与える2つの電池26(図5)を収容することという、2つの目的に役立つ。クラムシェルの2つの半部分6、8は、全体が16で示される、電池を工具内に挿入することを可能にする開口部を定める。このような電池は、通常の手段で本体部分内に取り外し可能に拘束され、当業者には、動力工具内に着脱式電池(又はバッテリパック)を入れることは周知であること、及び、このような電池システムを拘束し取り外すのに用いられる機構も周知であることが理解されるであろう。従って、電池自体は本開示の一部を形成するものではなく、本開示に関してさらに詳細には説明しない。
本体部分4は、動力工具のモータ20を収容する、前部14と後部10との間に延びた拡がった上部本体部分18を有する。この動力工具に使用されるモータ20もまた通常の電気モータであり、一般的な機能の説明を除いて本明細書では詳細には説明しない。この上部本体部分18は、クラムシェルの半部分6、8により定められる実質的に円筒形の開口部22をさらに含み、この開口部を通して、モータ20の出力スピンドル24へのアクセスが確保される。
ここで図3、図4及び図5を参照して、工具2の内部構造をより詳細に説明する。2つの電池(図3及び図4ではそのうちの1つだけ示されている)は、電池用開口部16を通して本体4の前部14の中に受け入れられ、端子28に電気的に係合する。電池26は、戻り止め機構30により工具本体4内に拘束され、電池を取り出したいときにはこの戻り止め機構を手動で操作して取り出しを補助することができる。このような機構は、着脱式バッテリパックの分野では通常のものであり、これ以上は説明しない。電気端子28は、通常の方式でトリガ12を介してモータに電気的に結合される。(注:図を分かりやすくするために電気接続部は示されていないが、通常設計の絶縁ワイヤ接続を含む。)トリガ12が始動されると、ユーザは、モータ20を選択的に電池26に結合し、これによりモータ20が通電し、このモータが出力スピンドル24を回転させて高速回転出力駆動がもたらされる。
工具本体4は、随意に制御モジュール又はコントローラを収容することができる。例示的な実施形態において、制御モジュールは、マイクロコントローラ21により実装される。他の実施形態においては、制御モジュールという用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、電子回路、組合せ論理回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、コードを実行するプロセッサ(共有、専用又はグループ)、説明した機能を提供する他の適切なコンポーネント、又は上記の幾つか又は全てを例えばシステムオンチップとして組み合わせたものを指し、それらの一部であり、又はそれらを含むことができる。
現在の動力工具には一般的であるが、モータ20には前進/後退スイッチ34が設けられており、これは、動作時に、電池26とモータ20との間の端子接続(スイッチ12を介する)の反転を行わせ、それによりユーザが望むとおりにモータ出力の回転方向を反転させる。このような機構もまた、動力工具の分野では通常のものである。
ここで、工具の内部の仕組みを斜視図で示すためにクラムシェルの一方8を取り除いた動力工具2を示す図5を参照すると、モータが、モータをクラムシェル内に拘束する通常のクラムシェル・リブ(全体が36で示されており、クラムシェル8上の適合するリブと鏡像関係にある)で支持されているのが分かる。これらのリブのうち一番前の36a(図4)は、前部延長板38(図5)を形成し、これが(取り外したクラムシェル部分8上の相当する前部延長板と共に)モータの前面40をモータ・スピンドル24が突出する円形穴42を除いて実質的に閉鎖する。円形穴42は、モータ・スピンドル軸49と同軸である。2つのクラムシェルの半部分6、8は、前部延長板38の前方にこれと実質的に平行に配置されて第2の外側延長板46を形成する2つの半円板44をさらに含み、2の外側延長板もまたモータ・スピンドル24へのアクセスを補助する円形穴48を有する。穴42及び穴48は両方とも軸49上に同軸に配置される。図4から分かるように、2つの延長板38、46は、穴48を通して外部からアクセス可能であってスピンドル歯車32を実質的に収容するチャンバ47をスピンドル軸49の周りに定める役割を果たす。
さらに、外側延長板46自体が円筒形開口部22内に引っ込んでいるので(それゆえ開口部22と板46との間に実質的に円筒形のチャンバが形成される)、スピンドル歯車32は、本体部分4から外方に突出しない。動力工具2は、複数の交換式工具ヘッド・アタッチメント(その1つを図3で全体を50として示す)をさらに含み、これらは専用の機能を有する特定の型式の動力工具を形成するように本体部分4に取付可能である。この本開示の態様を以下で説明していくが、最初の参照例として、特定の型式の工具ヘッドは、特に、通常のドリルチャック、往復式のこぎり用駆動機構及び細部加工用サンダーを含むものとする。工具ヘッド・アタッチメントは各々、スピンドル歯車32に係合する駆動機構を有するので、モータ20が各工具ヘッドの駆動機構を駆動することになる。
ここで図2を参照すると、各々の工具ヘッド・アタッチメント(50で示す)は、図2で実線で示される同型の接続システム52を有する。この工具ヘッド接続システム52は、アタッチメントが本体部分4に接続されたときに本体部分4の外面の輪郭に適合するように人間工学的に設計された実質的に円筒形の外側本体部分54を含む。この外側本体部分54の設計は、異なる型式の工具ヘッドアタッチメント(後で示す)に合わせて様々に変わり、一般に動力工具にその特定の機能に応じた異なる外形を与える役割を果たす。図2に示す設計は、ドリルチャック・ヘッドアタッチメントと共に用いることが意図された設計である。
この外側本体部分54から後方に、本体部分4の円筒形開口部22の中に滑り嵌めされる形状にされた実質的に円筒形の差込部56が延びている。図5から分かるように、本体部分の円筒形開口部22は、実質的に円筒形のチャンバを形成する内方に向けられた一連のリブ23により定められる。この円筒形の差込部56は、ヘッド軸60の周りに配置された実質的に平坦な円形の後部壁58を有する。この壁58の後方に、差込部56の直径より実質的に小さい直径を有する第2の実質的に円筒形の中空差込部62が、軸60と同軸に延びるように突出している。この中空差込部62は、外側円筒形凹部66を定める一連の外側円筒形リブ64を有する。さらに、差込部62は、図2で見ると左から右に向かって軸60から半径方向外向きに傾斜した、全体を68で示す一連の面取り段差により形成された徐々に大きくなる外径を有する。これらの面取り段差68が差込部62上に傾斜した食付き肩部を設けて、概ね先細になった差込部を形成する。さらに、差込部56も、これもまた傾斜した食付きカム面を形成する面取り段差70を有する。
従って、工具アタッチメント50が本体部分4と係合した状態になると、接続システム52は、工具アタッチメントの軸60がスピンドル軸49と実質的に同軸に延びるように本体部分4の円筒形開口部22の中に挿入される。接続システム52が円筒形開口部22の中へと進むと、面取りされた前縁部70は、ヘッド・アタッチメント50がスピンドル軸49と同軸に維持されるようにリブ23に当接することができる。従って、食付き縁部70は、ガイド面としての役割を果たす。接続システム52を開口部22の中にさらに挿入すると、中空の円筒形差込部62は、外側延長板46の穴48を貫通してスピンドル歯車32を取り囲むようになる。
動力工具2には、本体部分4と工具ヘッド50との間に電気接続部も設けられる。第1の電気コネクタ53は本体部分4に組み込まれており、例えば外側延長板46から外方に突出する。相互的な方式で第2の電気コネクタ51が工具ヘッド50に組み込まれ、例えば後部壁58から外方に突出する。工具ヘッド50が本体部分4に取り付けられると、第1の電気コネクタ53が第2の電気コネクタと嵌合し、これにより本体部分4と工具ヘッド50との間に電気接続部が形成される。従って、電力を、電気接続部を介して工具ヘッド50に送給することができる。付加的な機能を工具ヘッド50に追加することができる。例えば、図6に示すドリルヘッド・アタッチメントは、LED作業灯を含むことができ、機械式接続部により回転運動がヘッド駆動スピンドルに送給されている間、この作業灯に、電気接続部を介して電力を供給することができる。
図3から分かるように、前部延長板38の内側穴42は、外側延長板46の穴48より小さい直径を有する。さらに、差込部62の遠位端72は、穴42の直径に実質的に対応する直径を有し、一方、差込部62の内側の径は、穴48の直径に対応する直径を有する。このようにして、先細の差込部62が本体部分4の中に挿入されると、差込部62は、図3に示すように穴42及び穴48の中に相補的に嵌まるように受け入れられる。このようにして、前部延長板38及び外側延長板46は、接続システム52の差込部をしっかりと受け入れ、接続システムが動力工具の本体部分4内で軸方向に変位しないように拘束する役割を果たす。さらに、この接続システムの軸方向の支持は、差込部56が円筒形開口部22内に滑り嵌めされることによって支援される。外側本体部分54と差込部56との間に形成された肩部分74は、図3に示すようにクラムシェルの外側リム76に当接することにより、接続システムが軸方向にそれ以上変位しないように接続システムを拘束する役割を果たす。
工具アタッチメント50を本体部分4と連結して拘束するために、本体部分4には、弾性的に付勢されたロック機構がチャンバ47(前部延長板38と外側延長板46との間に定められる(図4))内にさらに設けられる。このロック手段(添付図面には示していない)は、弾性的に付勢された2つのばねワイヤを含む弾性機構を含み、穴42及び穴48にわたって延びる軸60の周りに対称的に配置されるので、接続システム52が穴48を通って進むにつれて、差込部62の面取り段差68が付勢されたワイヤと係合し、それらワイヤを円筒形差込部56の経路の外に撓ませることになる。差込部62を本体部分4の中にさらに挿入することで、これらの弾性的に撓んだワイヤは、差込部56上の円筒形凹部66に達することが可能になり、弾性的に付勢された位置に戻ることにより、この凹部66にスナップ係合し、接続システム52がそれ以上軸方向に変位しないように拘束する。さらに、このロック機構には、本体4の穴78を通って延びる通常の押しボタン(図示せず)が設けられ、この押しボタンを始動すると2つのワイヤが押し開かれ、ワイヤが接続システム52の円筒形凹部66との係合から外れるように動き、そのことにより、必要なときに工具アタッチメントヘッド50が取り外される。
動力工具2には、本体部分4に工具ヘッド・アタッチメント50が接続されていないときに始動トリガ12の始動を防止することを意図したインテリジェントなロックオフ機構(図4、図5及び図6)がさらに設けられる。このようなロックオフ機構は、動力工具のスイッチが偶発的にオンになって電源(電池)を消耗するのを防止すること、同時に、工具ヘッドが取り付けられていないときに動力工具のスイッチがオンになって、不用意に触ると重傷を生じさせかねないスピンドル歯車32の高速回転(15,000rpmに近い速度で)が生じることを防止する安全機能としての役割も果たす、という2つの目的に役立つ。
ロックオフ機構80は、クラムシェル6と一体に成形されたピン84の周りにピボット運動可能に取り付けられたピボット式レバースイッチ部材82を含む。スイッチ部材82は、最も内側の端部に下向きの突出部86を有する実質的に細長いプラスチック製ピンであり、この突出部は、始動トリガ12に当接するように図4に示す位置まで(図示されない通常のコイルばねにより)下向きに付勢されている。始動トリガ12は、後方向きの肩部を呈する直立した突出部88を含み、これが、ロックオフ機構80が非始動位置(図4)にあるときにピボットピンの突出部86と係合する。
始動トリガ12を作動させるためには、ユーザが人差し指でトリガ12を引いて、トリガスイッチ12を図4で見て右から左に移動させることが必要である。しかしながら、トリガの突出部88がロックオフ機構の突出部86に当接していることで、トリガスイッチ12はこのように移動しないように拘束される。
スイッチ部材82の反対側の端部は、図4で分かるように、傾斜して実質的に楔形の外形を形成する外向きのカム面90を有する。
ここで図1を参照すると、クラムシェル6及び8の2つの半部分は、円筒形開口部22の領域でこの円筒形開口部22の外周から下向きに延びる、全体が92で示される実質的に矩形(断面)のチャネル92を形成することが分かる。カム面90は、このチャネル92内に受け入れられて本体部分4の外方に提示されるようになっている(図1)。
ここで図2を参照すると、工具アタッチメント50は、断面が実質的に矩形の、軸60から半径方向外向きに差込部62から離れる方向に傾斜した傾斜カム面96を提示する付加的な突出部94を有する。この突出部94は、本体4の矩形チャネル92に適合する断面外形を有しており、矩形チャネルの中に受け入れられるように設計されている。従って、この突出部94は、(i)この突出部94が矩形チャネル92内に受け入れられるようにするために工具ヘッドがその軸60の周りで本体部分4に対して正しい向きになることを要求する(従って、工具ヘッドを本体部分に対して所定の位置合わせで配置するように働く)方向付け機構として、同時に、(ii)カム面96がロックオフ機構80のカム面90と係合するように働いて、工具アタッチメント50が本体部分4に向かって連続的に移動するとカム面96と90との間にカム係合を生じさせるようにする、という2つの目的に役立つ。このカム係合は、ピン84の周りでスイッチ部材82のピボット運動の振れを生じさせ(コイルばね(図示せず)の弾性付勢に対抗して)、これにより突出部86を上向きに動かし(図3に示す始動位置まで)、これによりこの突出部86はトリガの突出部88との係合から外れるように移動し、それゆえ、始動トリガ12を、動力工具のスイッチを必要に応じてオンにするようにユーザの必要に応じて移動させることが可能になる。この工具ヘッドの取り付けは、ロックオフ機構を自動的に作動停止(de−activate)させる。
さらに、ある特定の工具ヘッド・アタッチメントでは、自動ではなく手動でロックオフ機構を作動停止させる。例えば、工具アタッチメント50が往復式のこぎりヘッドを含む場合、図2に示すような突出部94は、前方開口部がカム面90を通り越すように実質的に中空なままにされているので、そうした工具ヘッド・アタッチメントではカム面96は提示されない。前述のように工具ヘッド・アタッチメント50が本体部分4に接続された状況において、突出部94は、チャネル92内に受け入れられることにより、工具ヘッドを工具本体に対して正しい向きに方向付けるよう働くが、こうした突出部94は、単にスイッチ部材のカム面90の上を越えて受け入れられるだけなので、このスイッチ部材は始動せず、かくしてロックオフ機構はトリガスイッチと係合したままであり、このトリガ12の偶発的な作動が防止される。
そのため、往復式のこぎり工具ヘッドには、カム面90と適合するカム面(前述のカム面96と同様の)を含む手動操作式スイッチ部材(図示せず)が設けられる。このスイッチ部材の操作は、工具ヘッドが本体部分4に取り付けられていると、適合するカム面を突出部94を貫通して移動させてカム面90と係合させ、ロックオフ機構80を前述のようにピボット運動で移動させるように働き、トリガスイッチ12を解放する。この手動操作式スイッチは本体部分4から離れる方向に弾性的に付勢されることになるので、ひとたびこれを用いてロックオフ機構を作動停止させ、動力工具が作動されるようにトリガスイッチ12を移動させると、手動操作式スイッチは解放され、従ってカム面90から外れ、それによりスイッチ部材82の下向き突出部86がトリガの突出部88と係合する向きに付勢されることになる。しかしながら、この時点でトリガスイッチ12は図3で見て右から左に移動しているので、突出部86は、工具の使用中はトリガの突出部88の上面に当接することになる。ユーザが工具の使用を終了すると、トリガ12は解放され(そして当該技術分野で一般的な通常のばね付勢手段により左から右に移動し)、これにより次に、下方に付勢された突出部86がトリガの突出部88の肩部に再び係合することが可能になり、始動トリガが、前述のようにさらに作動しないように拘束される。従って、ユーザが往復式のこぎり工具ヘッドを備えた工具を再び作動させることを望む場合には、ユーザは、前述のように工具ヘッド上のスイッチを手動で移動させてロックオフ機構を作動停止させなければならない。このことが、のこぎりヘッド・アタッチメントが本体部分4に接続されているときには始動トリガ12のスイッチが偶発的にオンにはなり得ないという安全機能を提供する。このことにより、ロックオフ機構を作動停止させる自動又は手動操作可能な手段が工具ヘッドに提供され、すなわち、異なる工具ヘッドの機能を識別することが可能であり、手動でのロックオフ機構の作動停止が必要とされる状況を識別することが可能なインテリジェントなロックオフ機構が提供される。
ここで図3を参照すると、各々の工具ヘッド・アタッチメント50は、駆動スピンドル102を有し、その自由端には、モータ出力スピンドル24(図4)の雄歯車32と係合するように設計された雌歯車部材104が結合されている。工具ヘッド・アタッチメント50が本体4に接続されたときにモータ・スピンドル24の雄歯車と駆動スピンドル102の雌歯車とが互いに嵌合すると、モータ20の始動によりヘッド駆動スピンドル102の同時回転が生じ、従って工具ヘッドの駆動機構(後述する)に回転駆動がもたらされることが理解されよう。
工具ヘッド50(この例ではドリルチャック)の側面図を含む図3から分かるように、雌歯車部材104は、接続システム52の円筒形差込部56の内部に完全に囲まれていることが明らかに分かる。前述のように、この円筒形差込部56は、モータ・スピンドル24の雄歯車32を受け入れる円筒形の端部開口部を有する(図3に示すように)。そのうえ、図1及び図4から分かるように、雄歯車32は工具本体4内に引っ込んでおり、円筒形開口部22及び穴48を通ってしかアクセスできない。このように、雄歯車及び雌歯車は両方とも、アクセスが厳しく制限されており、接続機構のこれらの潜在的に壊れやすい部品に対する損傷が軽減される。特に、雄歯車32はモータ・スピンドルに直接取り付けられており、このスピンドルに対する激しい打撃はモータ自体を損傷しかねないが、歯車32を工具本体4内に引っ込めることで、歯車自体は、例えば工具本体がヘッド・アタッチメントを取り付けずに落下したときに、いかなる直接的な打撃からも保護される。さらに、この歯車を工具本体内に引っ込めることにより、例えばカム面90に押し付けられた何らかの部材を用いることによりロックオフ機構が故意に作動停止された状況において、たとえモータを作動させることができたとしても、ユーザは歯車24の高速回転に容易にアクセスすることはできず、従って起こり得る外傷から保護される。このように、雄歯車及び雌歯車をそれぞれ本体のクラムシェル及びヘッド内に引っ込めることにより、これらの壊れやすい部品は、それらが使用される作業環境で発生し得る外的な損傷から保護される。
さらにまた、雌歯車104は、円筒形差込部56内部に位置決めされることで工具ヘッド50の軸60に自動的に概ね位置合わせされ、次にこの軸60が、差込部56を穴48内に位置合わせすることによってモータ・スピンドル24の軸49と自動的に位置合わせされるので、工具ヘッドを工具本体に位置合わせすると、雄歯車と雌歯車との位置合わせが実質的に自動的に行われる。
ここで図6、図7、及び図8を参照すると、3つの具体的な工具ヘッド・アタッチメントが示されている。図6は、ドリル工具ヘッド・アタッチメント(図3において全体が50で示されるものに対応する)を示しており、このドリル工具ヘッドの駆動機構を概略的に示すために接続システム52のクラムシェル部分の半分が取り除かれている。先に説明したように、このドリル工具ヘッドは、前述のように工具本体4と接続する円筒形の差込部56を有する接続システム52を有する。差込部56内にはヘッド駆動スピンドル102が収容されており、その上に、モータ・スピンドル24に接続された雄歯車32と係合するための雌歯車部材104が接続されている。駆動スピンドル102は、全体が112で示される通常の遊星歯車減速機構を駆動するように設計された内側駆動歯車(図示せず)を有する。当業者にとって遊星歯車減速機構を用いることは標準的技法であるのでここでは詳細に説明せず、このような動力工具で一般に使用されるモータ出力は約15,000rpmの出力を有するので、遊星歯車減速機構は、駆動機構の回転速度をこの具体的な工具の機能で要求される回転速度まで減速することを説明するにとどめておく。通常のドリルの具体的な事例では、この第1の歯車減速機構の出力は約3,000rpmであり、次にこれを第2の遊星歯車減速機構への入力駆動として用いて約800rpmの最終的な回転出力がもたらされる。正確な歯車減速比は、歯車構成で使用される歯車の歯数に依存する。この歯車減速機構112の出力駆動部114が、次に通常のドリルチャック115を当業者にとって普通の方式で駆動する。110で示される特定のドリルヘッドにおいて、全体が116で示されるクラッチ機構(これもまた電気ドリルには通常のものであるので、ここでは詳細に説明しない)が歯車減速機構とドリルチャックとの間に配置される。このドリルヘッド・アタッチメントが工具本体に接続されると、モータ出力駆動部が雄/雌歯車接続部32、104を介して歯車減速機構を駆動させ、動力工具2は、通常の電気ドリルとして働く。ドリルヘッド・アタッチメントは、LED作業灯117及び工具付属品スイッチ118をさらに含む。作業灯117には電気接続部を介して電力が供給され、以下でさらに説明するようにトリガスイッチ12又は工具付属品スイッチ118のいずれかを用いて作動させることができる。ドリルヘッド・アタッチメントには、活線検出回路などの他の型式の付属品を装備することができることが容易に理解されよう。
ここで、駆動機構が概略的に示されるようにクラムシェルの一方の半部分が取り除かれた細部加工用サンダー工具ヘッド120を示す図7を参照する。この工具ヘッド120は、前述のようなロックオフ機構の作動停止のために必要なカム突出部94を備えた前述のような接続システム52を有する。しかしながら、この工具ヘッドの外周設計は、ドリル工具ヘッド110とは異なるが、これもまた本体部分4に面一で嵌まるように設計されており、このヘッドがひとたび本体に取り付けられると、細部加工用サンダーのための快適な人間工学的設計を提示するようになっていることにここで注目されたい。このため、各々の工具ヘッド用クラムシェル設計は、ひとたびその工具ヘッドが工具本体に接続されると、動力工具の全体形状が工具をその最大効率まで使用できるようにその動力工具の機能にとって人間工学的に好適なものとなることを保証する。
細部加工用サンダー工具ヘッド120もまた、雌歯車部材104を備えた駆動軸を有し、この雌歯車部材もまた通常の歯車減速機構112(通常の遊星歯車減速機構)に接続されており、約3,000rpmの回転出力速度がもたらされる。次に歯車減速出力部122を使用して、細部加工用サンダープラテン124が取り付けられた通常の偏心駆動板を駆動する。工具ヘッド120の歯車減速及び駆動機構は、偏心駆動プラテンを有する細部加工用サンダーで使用される通常のものである。それゆえ、この駆動機構は当該技術分野では一般的なものなので、ここでは詳細には説明しない。サンダー工具ヘッド・アタッチメント120は、LED作業灯125及び工具付属品スイッチ126をさらに含む。作業灯125には電気接続部を介して電力が供給され、以下でさらに説明するようにトリガスイッチ12又は工具付属品スイッチ126のいずれかを用いて作動させることができる。サンダー工具ヘッド・アタッチメントには、ファン又はダストブロワなどの他の型式の付属品を装備することができることが容易に理解されよう。
図8Aは、工具本体4に接続される通常の接続システム52を有する往復式のこぎり工具ヘッド・アタッチメント130を示す。工具接続システム52もまた、ヘッド駆動機構の速度を約3,000rpmまで減速する歯車減速機構112に接続された雌歯車部材104を備えた駆動スピンドル102を収容する。歯車減速機構112は次に回転出力部を有し、この回転出力部は、歯車減速機構の回転出力を線形運動に変換して鋸刃164を概ね矢印136で示される線形往復運動で駆動するために用いられる全体が132で示された駆動変換機構に接続される。図8Aではこの往復運動が工具ヘッドの軸と平行でないことが分かるが、これは、この特定の工具ヘッド130の人間工学的設計の選択に過ぎず、必要に応じて往復運動を工具ヘッドの(従ってモータ駆動部の)軸60と平行にすることができる。工具ヘッド130自体は、(必要に応じて)工具を安定させるために被切断面に接するようにされるベース板138を有する往復式又は回し挽きのこぎりの通常の設計であり、この工具ヘッドの外形もまた人間工学的選択に応じて選ばれたものである。
駆動変換機構132は、分かりやすくするために図8Bに概略的に示した通常の往復式スペースクランク(space crank)を利用する。駆動変換機構132は、回転入力部140(これは、この特定の工具ヘッドでは約3,000rpmの速度の歯車減速機構の出力部であり、工具自体のモータの回転軸と同軸である)を有する。回転入力部140は、傾斜した前面144(入力部の回転軸に対して傾斜する)を有するリンク板142に接続される。面144の突出部(project proud)に管状ピン146が取り付けられ、これは入力部140の回転軸に対して揺動を生じるようになっている。このピン146に、ピン146の周りで自由に回転するリンク部材148が自由に取り付けられている。しかしながら、このリンク部材148は、板部材150内のスロットとの係合により、駆動軸140の周りで回転しないように拘束される。この板部材150は、入力部140の回転軸と平行な方向においてのみ自由に(図8aの実施形態において)動く。従って、ピン146の揺動がリンク部材148を介して板150の線形往復運動に変換される。回転運動を線形運動に変換するためのこの特定の機構は通常のものであり、この特定ののこぎりヘッド・アタッチメント130で使用される機構132を明確化するために概略的に示したに過ぎない。
のこぎりヘッド130内で、板150は、2つの拘束部材160間の往復線形運動のために設けられ、その自由端で、通常ののこぎり刃164を標準的な方式で係合する刃ロック機構162に取り付けられている。このように、工具ヘッド130は、歯車減速機構及び駆動変換機構の両方を使用してモータの回転出力を刃の線形往復運動に変換する。
さらに、往復式のこぎり工具ヘッド130は、工具ヘッド130を動力工具4の本体に対して方向付ける突出部94を有する。しかしながら、前述のように、この突出部94(この特定の工具ヘッドの場合)は、ロックオフ機構80のカム面90と係合しないように中空になっている。それでこの工具には付加的な手動操作式ボタン166が設けられており、このボタンをユーザが操作すると、ヘッド130が本体4に取り付けられているときには、ばね付勢された部材(図示せず)が中空の突出部94を通り抜けてロックオフ機構80のカム面90と係合することが可能になり、往復式のこぎりを駆動させるのに動力が必要であるときにロックオフ機構を手動で作動停止させる(前述のように)。
往復式のこぎり工具ヘッド130は、レーザ168及び工具付属品スイッチ169をさらに含む。レーザ168は、被加工物上での刃のガイド又は位置合わせ機構として役立つ。レーザ168には電気接続部を介して電力が供給され、以下でさらに説明するようにトリガスイッチ12又は工具付属品スイッチ169のいずれかを用いて作動させることができる。往復式のこぎり工具ヘッド・アタッチメントには、ファン又はダストブロワなどの他の型式の付属品を装備することができることが容易に理解されよう。
図6、図7及び図8では3つの具体的な工具ヘッドの実施形態を示したが、本開示は、決してそれらの3種の工具ヘッドに限定されない。具体的には、完備した範囲の工具ヘッド・アタッチメントを工具本体に接続して、既存の単機能の動力工具として現在入手可能な機能工具を得ることができる。例示的なヘッド・アタッチメントとしては、これらに限定されないが、振動ヘッド、ハンマードリル、トリムソー、インフレータ、はさみ、懐中電灯、スクラバー、ルーター、刈り込みトリマー、ライントリマー等が挙げられる。ここで説明した工具ヘッド・アタッチメントの具体的な実施形態は単なる例示であり、(i)歯車減速機構又は駆動変換機構を使用しない工具ヘッド・アタッチメント、(ii)単純な歯車減速機構を有する工具ヘッド・アタッチメント、及び(iii)歯車減速機構、及び、回転出力から非回転出力に変換するための駆動変換機構の両方を有する工具ヘッド・アタッチメントを説明する役割を果たすに過ぎないことが、当業者には理解されるであろう。従って、全てが単一速度モータで駆動される、異なる出力機能を有する複数の動力工具の機能を規定する動力工具システムが提供される。
さらに、ここで説明される工具ヘッドを参照して説明した駆動変換機構は従来のものであり、例示のみを目的として提示したものであることが理解されるであろう。回転運動を線形往復運動に変換するための任意の通常の駆動変換機構をここで説明したシステムの代わりに用いることができることが理解されるであろう。さらに、代替的な歯車減速機構を利用して、これらの特定の実施形態に関して言及した従来の遊星歯車減速機構を置き換えることができる。
さらに、工具の具体的な実施形態では、電源は電池として言及されており、そうした電池は通常の電池又は充電可能な電池とすることができるが、本開示は、通常の交流電源入力を有する動力工具、又は代替的な強力なバッテリパックと共に使用するための動力工具にも関連することもまた理解されよう。
特定の動力工具を参照したが、ここで説明した概念は、交換式工具ヘッドを有する他の型式の動力工具にも拡張することができることが理解される。例えば、接続方式をどのようにして通常のピストル形グリップ構造を有するドリルでの使用に適合させることができるかは容易に理解される。そうした例示的な動力工具は、2012年6月22日に出願された、引用によりここに組み入れられる、同一出願人による米国特許出願番号第13/530,629号に記載されている。
動力工具2の電子部品を図9に関連してさらに説明する。例示的な実施形態において、工具本体4は、電気モータ20と、モータ制御回路202と、電池26と、放電制御回路204と、トリガスイッチ12と、コントローラ21とを収容する。動作中、モータ駆動回路202は、電池26からの電圧がモータ20の両側にいずれかの方向で印加されることを可能にする。このモータ20が、次に出力スピンドル24を駆動する。例示的な実施形態において、モータ駆動回路202は、Hブリッジ回路構成であるが、他の回路構成も想定される。動力工具2の主要な構成要素の幾つかをここで論じたが、動力工具2を構築するには他の構成要素が必要である場合もあることが容易に理解される。
電力は、工具本体4から電気接続部を介して、取り付けられた工具ヘッドにも供給することができる。電気コネクタ53は、工具ヘッド50が工具本体4に取り付けられると電気コネクタ51と嵌合し、それにより電気接続部が形成される。例示的な実施形態において、電気コネクタ51、53は3つのピン又は端子を備えるが、より多くの又はより少ないピンを有するコネクタも本開示では想定される。電力を電気接続部を介して工具ヘッド50に送給することができるので、付加的な機能を工具ヘッド50に組み込むことが可能になる。
例示的な実施形態において、工具付属品スイッチ206は、工具の操作者が工具ヘッド50に組み込まれた1つ又はそれ以上の工具付属品を独立に作動させることを可能にする。そうするために、工具付属品スイッチ206は、電源(すなわち電池26)と工具付属品210との間に配置される。工具付属品スイッチ206は、非瞬時スイッチ又はラッチスイッチで実装されることが好ましい。工具付属品スイッチ206の一方の端子は、放電制御回路204に電気的に結合し、他方、工具付属品スイッチ206のもう一方の端子は、工具付属品210に電気的に結合する。例示的な実施形態において、工具付属品スイッチ206は、工具ヘッド50上に取り付けられる。他の実施形態において、工具付属品スイッチ206は、随意に、工具本体4上に配置することができる。
工具付属品スイッチ206を始動すると、スイッチ206が閉じて電力が電源から工具付属品210に送給される。工具付属品210は、工具付属品スイッチ206が2度目に始動されるまで作動したままである。このようにして、工具付属品スイッチ206は、工具付属品210を工具(例えば、ドリルビット)とは独立に起動することを可能にする。さらに、工具付属品スイッチ206の型式(及びその位置)は、制御される付属品の型式に合うように調整することができる。例えば、ある種の型式の付属品には、瞬時スイッチを用いることが好ましい場合がある。1つより多くの付属品が工具ヘッド50に組み込まれている限りは、異なる付属品の各々に対して別個の付属品スイッチを用いることができる。
幾つかの実施形態においては、トリガスイッチ12を用いて付属品210’を作動させることが好ましい場合がある。この場合には、電気コネクタ51、53の第2の端子を用いてトリガスイッチ12の端子から工具付属品210’に電力を供給することができる。トリガスイッチ12を始動すると、スイッチ12が閉じて、電力がモータ20と同時に工具付属品210’にも送給される。例えば、のこぎり工具アタッチメント130は、被加工物上での刃のガイド又は位置合わせ機構として役立つレーザを含むことができる。この例では、レーザを独立した付属品スイッチではなくトリガスイッチ12で作動させることができる。トリガスイッチが解放されるとスイッチ12が開き、電力は工具付属品210’に送給されなくなる。
図10を参照すると、電気接続部は、工具本体4と工具ヘッド50との間に結合したデータ端子211をさらに含むことができる。幾つかの実施形態において、データ端子は、別個の接続部又はコネクタを通して確立することができる。データ端子211を用いて、工具ヘッド50に関するデータを動力工具のコントローラ21に通信することができる。例えば、工具本体4は多くの異なる型式の工具ヘッド50とインタフェースすることができるので、データ端子を用いて、工具ヘッドの型式(すなわち、ドリルヘッド、サンダーヘッド、のこぎり、インフレータ等)のインジケータ、及び/又は様々な動作パラメータを提供することができる。動作パラメータは、その動力工具ヘッドが電気接続部からの電気を必要とするのか、機械式接続部を通じたモータからの機械的回転入力を必要とするのか、又はこれらの両方を必要とするのかということ、モータを動作させる速度又は速度範囲、及びモータのトルク又はトルク範囲を含むことができるが、それらに限定されない。その他の型式のデータを工具本体4と工具ヘッド50との間でデータ端子を介して通信することができることも想定される。
例示的な実施形態において、抵抗器212を用いて工具ヘッドの型式を識別することができる。抵抗器212は、データ端子を介して動力工具のコントローラ21に電気的に結合することができる。異なる型式の工具ヘッドは、異なる抵抗値を有する抵抗器を用いて構成される。抵抗器212の抵抗値を求めることにより、コントローラ21は工具ヘッドの型式を判定することができる。磁石、メモリユニット又は機械的特徴といった、工具ヘッドの型式を識別するための他の技法も、本開示のより広い態様の中に入る。
工具ヘッドの型式に応じて、工具は別様に動作することができる。例えば、コントローラ21は、モータ20が出力する動力を工具ヘッドの型式に基づいて調整することができる。利用可能な電力が20ボルトであると仮定すると、コントローラ21は、工具の型式がルーターである場合には、利用可能な電力の全て(例えば、20ボルト)がモータ20に印加されるようにモータ制御回路202とインタフェースすることができる。対照的に、コントローラ21は、ドリルのような異なる型式の工具に対しては、モータに印加される電圧を14ボルトまで下げるようにモータ制御回路202とインタフェースすることができる。換言すれば、モータ出力は、それぞれの工具ヘッドの所望の性能に合うように最適化又は調整することができる。電気モータのモータ出力を制御するための技術は、当該技術分野において容易に理解される。
ある特定の型式の工具ヘッドは、モータで駆動される工具を含まないことがある。例えば、工具ヘッド50は、活線検出回路及び/又はスタッド検出回路(図示せず)を含むことができる。この例では、モータ20を駆動させる必要はないが、トリガスイッチ12を用いてこれらの検出機能を作動させることが望ましい場合がある。そのような工具ヘッドに対応するために、工具本体4に、トリガスイッチ12と直列に配置された二次工具スイッチ214(例えば、FET)を装備することができる。コントローラ21を二次工具スイッチ214の制御端子に電気的に接続してスイッチを開閉することができる。動作中、コントローラ21は、上述のようにして工具ヘッドの型式を判定し、工具本体4に取り付けられた工具ヘッドの型式に基づいて二次工具スイッチ214を制御する。モータの使用を必要としない工具ヘッドの場合、コントローラ21は二次工具スイッチ214を開き、そうでない場合には、二次工具スイッチ214を閉じたままにしておく。トリガスイッチ12を始動すると、電力は、第2の端子を介して工具付属品210’(すなわち検出回路)に供給されるが、モータ20には供給されない。このようにして、トリガスイッチを用いて、モータを不必要に駆動させることなく工具ヘッド50の機能を作動させることができる。
上記の実施形態の説明は、例示及び説明の目的で提供した。これは、包括的であることも、本開示を限定することも意図しない。ある特定の実施形態の個々の要素又は特徴は、一般にその特定の実施形態に限定されるものでななく、むしろ、適用可能であれば、交換可能であり、たとえ具体的に図示又は説明がなされていなくても、選択された実施形態で用いることができる。これらは、多くの方式で変更することができる。そのような変形は本開示からの逸脱とはみなされず、そのような変更の全ては、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
2:動力工具
4:本体部分
6、8:クラムシェルの半部分
12:始動トリガ
20:モータ
21:マイクロコントローラ
24:出力スピンドル(モータ・スピンドル)
26:電池
32:スピンドル歯車(雄歯車部材)
38:前部延長板
42、48:円形穴
46:外側延長板
49:モータ・スピンドル軸
50:工具ヘッド・アタッチメント
51:第2の電気コネクタ
52:接続システム
53:第1の電気コネクタ
56、62:差込部
60:ヘッド軸
80:ロックオフ機構
86、88、94:突出部
90、96:カム面
102:駆動スピンドル
104:雌歯車部材
110:ドリルヘッド
112:歯車減速機構
120:サンダー工具ヘッド
130:往復式のこぎり工具ヘッド・アタッチメント
132:駆動変換機構
166:手動操作式ボタン
206:工具付属品スイッチ
210、210’:工具付属品
212:抵抗器
214:二次工具スイッチ

Claims (20)

  1. ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられた、回転可能な出力軸を有する電気モータとを有する、工具本体と、
    工具と工具付属品とを含み、前記工具本体に機械式接続部及び電気接続部を介して取り外し可能に取り付けることができ、前記工具本体に取り付けられると前記工具が前記電気モータの前記出力軸に動作可能に接続する、工具ヘッドと、
    前記工具本体の前記ハウジング上に取り付けられ、前記電気モータ用の電源と前記電気モータとの間に配置され、前記電源から前記電気モータに電力を供給するように動作可能な工具スイッチと、
    前記工具付属品と前記電気モータ用の前記電源との間に配置され、前記電源から前記電気接続部を介して前記工具付属品に電力を供給するように動作可能な工具付属品スイッチと、
    を含むことを特徴とする動力工具。
  2. 前記電気接続部は、前記工具本体に組み込まれた電気コネクタと嵌合する、前記工具ヘッドに組み込まれた電気コネクタにより形成されることを特徴とする、請求項1に記載の動力工具。
  3. 前記電気接続部は、前記工具付属品スイッチに電気的に結合した第1の端子を含むことを特徴とする、請求項2に記載の動力工具。
  4. 前記電気接続部は、前記工具スイッチに電気的に結合した第2の端子を含むことを特徴とする、請求項3に記載の動力工具。
  5. 前記工具付属品スイッチは、前記工具ヘッド又は前記工具本体の少なくとも一方に組み込まれることを特徴とする、請求項1に記載の動力工具。
  6. 前記工具がドリルビット用チャックとしてさらに規定され、前記工具付属品が灯火としてさらに規定されることを特徴とする、請求項1に記載の動力工具。
  7. 前記工具がのこぎりとしてさらに規定され、前記工具付属品がファンとしてさらに規定されることを特徴とする、請求項1に記載の動力工具。
  8. 前記工具本体の前記ハウジング内に配置され、前記工具ヘッドから前記電気接続部を介して前記工具ヘッドの識別子を受信するように構成されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記モータにより出力される動力を、前記工具ヘッドから受信した前記識別子に基づいて調整するように動作可能であることを特徴とする、請求項1に記載の動力工具。
  9. 前記工具スイッチと前記電気モータとの間に配置された二次工具スイッチをさらに含み、前記コントローラは、前記二次工具スイッチに電気接続しており、前記二次工具スイッチを前記工具ヘッドから受信した前記識別子に基づいて制御することを特徴とする、請求項8に記載の動力工具。
  10. ハウジングと、前記ハウジング内に取り付けられた、回転可能な出力軸を有する電気モータとを有する、工具本体と、
    工具を含み、前記工具本体に取り外し可能に取り付けることができ、前記工具本体に取り付けられると前記工具が取付機構を介して前記電気モータの前記出力軸に動作可能に結合する、工具ヘッドと、
    を含み、前記工具ヘッドは、工具付属品と、工具付属品スイッチとをさらに含み、前記工具付属品スイッチは、前記工具付属品と前記電気モータ用の電源との間に配置され、前記電源から前記工具付属品に電力を供給するように動作可能であることを特徴とする、動力工具。
  11. 前記工具本体の前記ハウジング上に取り付けられた工具スイッチをさらに含み、前記工具スイッチは、前記電気モータ用の前記電源と前記電気モータとの間に配置され、前記電源から前記電気モータに電力を供給するように動作可能であることを特徴とする、請求項10に記載の動力工具。
  12. 前記工具付属品スイッチは、ラッチスイッチとしてさらに規定されることを特徴とする請求項10に記載の動力工具。
  13. 前記工具ヘッドが前記工具本体に取り付けられたときに前記工具本体と前記工具ヘッドとの間に形成される電気接続部をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の動力工具。
  14. 前記電気接続部は、前記工具本体に組み込まれた電気コネクタと嵌合する、前記工具ヘッドに組み込まれた電気コネクタにより形成されることを特徴とする、請求項13に記載の動力工具。
  15. 前記電気接続部は、前記工具付属品スイッチに電気的に結合した第1の端子を含むことを特徴とする、請求項14に記載の動力工具。
  16. 前記電気接続部は、前記工具スイッチに電気的に結合した第2の端子を含むことを特徴とする、請求項15に記載の動力工具。
  17. 前記工具付属品スイッチは、前記工具ヘッド又は前記工具本体の少なくとも一方に組み込まれることを特徴とする、請求項10に記載の動力工具。
  18. 前記工具がドリルビット用チャックとしてさらに規定され、前記工具付属品が灯火としてさらに規定されることを特徴とする、請求項10に記載の動力工具。
  19. 前記工具本体の前記ハウジング内に配置され、前記工具ヘッドから前記電気接続部を介して前記工具ヘッドの識別子を受信するように構成されたコントローラをさらに含み、前記コントローラは、前記モータにより出力された電力を、前記工具ヘッドから受信した前記識別子に基づいて調整するように動作可能であることを特徴とする、請求項10に記載の動力工具。
  20. 前記工具スイッチと前記電気モータとの間に配置された二次工具スイッチをさらに含み、前記コントローラは、前記二次工具スイッチに電気的接続しており、前記二次工具スイッチを前記工具ヘッドから受信した前記識別子に基づいて制御することを特徴とする、請求項19に記載の動力工具。
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