以下に添付図面を参照して、本発明に係る版交換支援システム及び版交換支援システムに用いる表示装置の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、複数の実施形態がある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
まず、本実施形態の新聞用オフセット輪転印刷機の構成の一例を簡単に説明する。図6は、新聞用オフセット輪転印刷機を表す概略構成図、図7は、新聞用オフセット輪転印刷機における印刷ユニットを表す概略構成図である。
第1実施形態において、図6に示すように、印刷機Pは、給紙装置Rと、インフィード装置Iと、印刷装置Uと、ウェブパス装置Dと、折機Fとから構成されている。給紙装置Rは、複数(本実施形態では、7台)の給紙ユニットR1〜R7を有し、インフィード装置Iは、複数(本実施形態では、7台)のインフィードユニットI1〜I7を有し、印刷装置Uは、複数(本実施形態では、6台)の印刷ユニットU1〜U6を有し、ウェブパス装置Dは、複数(本実施形態では、2台)のウェブパスユニットD1,D2を有し、折機Fは、複数(本実施形態では、2台)の折ユニットF1,F2を有している。
この場合、印刷ユニットU1〜U6を6台として説明したが、各印刷ユニットU1〜U6は、4色刷りが可能であると共に、上下に分割して12台の2色刷りが可能な印刷ユニットU11,U12,U21・・・U61,U62として用いることができる。また、2つの折ユニットF1,F2を上下に並べて記載したが、実際には、紙面に直交する方向に並んで配置される操作側折ユニットF1と駆動側折ユニットF2となっている。更に、印刷装置Uを2つの部分から記載したが、機能上2つに分けて記載しただけであり、実際には、1つの装置となっている。
給紙装置Rにおいて、給紙ユニットR1〜R7は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWがロール状に巻かれた3つの巻取紙を保持する保持アームを有し、この保持アームを回動することで、巻取紙を給紙位置に回動することができる。また、この各給紙ユニットR1〜R7には、図示しない紙継装置が設けられており、給紙位置で繰り出されている巻取紙が残り少なくなると、この紙継装置により給紙位置にある巻取紙に対して、待機位置にある巻取紙を紙継することができる。
インフィード装置Iにおいて、インフィードユニットI1〜I7は、ほぼ同様の構成をなし、印刷装置Uの各印刷ユニットU1〜U6に送り込むウェブWのテンションを調整することで、印刷装置Uを走行するウェブWのテンションを適正値に安定して維持するようにしている。例えば、各インフィードユニットI1〜I7は、インフィードローラ、紙押えゴムローラ、ダンサローラ、ガイドローラなどを有している。そして、ダンサローラをウェブWの張り方向に付勢することでウェブWのテンションを適正にし、このダンサローラの揺動に応じてインフィードローラの周速を変更し、ウェブWの適正なテンションを維持している。
印刷装置Uにおいて、印刷ユニットU1〜U6は、両面4色印刷を行うことができる多色刷印刷ユニットである。但し、各印刷ユニットU1〜U6は、上下に分割することで、両面2色印刷を行うことができる印刷ユニットU11〜U62とすることができる。各印刷ユニットU11〜U62は、ほぼ同様の構成をなし、後述するが、インキ供給装置、版胴、ブランケット胴などを有している。
ウェブパス装置Dにおいて、ウェブパスユニットD1は、印刷ユニットU1〜U3に対して設けられ、ウェブパスユニットD2は、印刷ユニットU4〜U6に対して設けられている。各ウェブパスユニットD1,D2は、ほぼ同様の構成をなし、ウェブWを縦(ウェブWの天地長手方向、ウェブWの搬送方向)に沿ってその幅方向の中央部で裁断するスリッタ、縦裁断したウェブWの搬送経路を設定するターンバー、ウェブWにおける天地長手方向における搬送位置を調整するコンペンセータなどを有している。
即ち、各印刷ユニットU1〜U3で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD1にて、スリッタD11により縦裁断され、ターンバーD12により搬送経路が変更され、コンペンセータD13により搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。また、印刷ユニットU4〜U6で印刷が施された各ウェブWは、ウェブパスユニットD2にて、スリッタD11により縦裁断され、ターンバーD12により搬送経路が変更され、コンペンセータD13により搬送位置が調整されてから所定の順番に重ね合わされる。
折機Fにて、2つの折ユニットF1,F2は、操作側と駆動側に配設されている。即ち、ウェブパスユニットD1から複数のウェブW1が重ねられて導入されると、折ユニットF1は、ウェブW1を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。また、ウェブパスユニットD2から複数のウェブW2が重ねられて導入されると、折ユニットF2は、ウェブW2を縦折りし、所定の長さで横裁断し、横折りして折帖を形成し、新聞として排紙することができる。
ここで、印刷装置Uにおける印刷ユニットU1について詳細に説明する。なお、他の各印刷ユニットU2〜U6もほぼ同様の構成となっている。
印刷ユニットU1は、図7に示すように、4色印刷が可能となるように、H型のタワーユニットとなっている。この印刷ユニットU1は、ウェブWの搬送方向が鉛直方向における上方となっており、下から上に向かって、墨(Black)、藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(Yellow)ごとの4つのスタック21,22,23,24が配置されて構成されている。各スタック21,22,23,24は、それぞれ左右対称となるローラ配列となっている。
各スタック21,22,23,24は、左右に対向してブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bがウェブWの搬送経路を挟んで対接可能であり、各ブランケット胴31a,31b,32a,32b,33a,33b,34a,34bに版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bが対接している。そして、各スタック21,22,23,24は、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、インキ供給装置51a,51b,52a,52b,53a,53b,54a,54bが設けられている。また、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して、湿し装置61a,61b,62a,62b,63a,63b,64a,64bが設けられている。
この場合、スタック21,23は、ブランケット胴31a,31b,33a,33bと版胴41a,41b,43a,43bがハの字形状に配列され、スタック22,24は、ブランケット胴32a,32b,34a,34bと版胴42a,42b,44a,44bが逆ハの字形状に配列されている。そして、各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bにて、外周面に異なる絵柄を印刷する刷版(図示略)が軸方向、つまり、ウェブWの幅方向に沿って並べて装着可能となっている。また、鉛直方向における上方向に沿ったウェブWの搬送経路に対して、左側が表面印刷を行う表面印刷ユニットであり、右側が裏面印刷を行う裏面印刷ユニットである。
ところで、各印刷ユニットU1〜U6にて、版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bは、外周面に刷版が装着されており、この刷版は、印刷物に応じて複数枚が製作され、版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに対して印刷に必要なものが装着される。そのため、各印刷ユニットU1〜U6は、版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bの外周面に刷版を巻き付けて固定するための版締め装置を装備している。
以下、版締め装置について説明するが、ここでは、印刷ユニットU1におけるスタック21の版胴41aに装着された版締め装置について説明する。図8は、版締め装置を表す概略図、図9は、版締め装置における版取外し動作を表す概略図である。
図8に示すように、版胴41aは、円筒状をなす外周面に刷版71が巻き付けられる。版胴41aは、外周部に軸方向に沿って溝形状をなすギャップ部72が形成され、ギャップ部72の周方向における一端部にエッジ部分が鋭角に尖った咥え部72aが形成され、他端部にエッジ部分が鋭角に尖った咥え尻部72bが形成されている。一方、刷版71は、長手方向(巻付方向、版胴41aの周方向)における一端部に端部が鋭角に屈曲した咥え側端部71aが形成され、他端部に端部がほぼ直角に屈曲した咥え尻側屈曲部71bと、咥え尻側屈曲部71bからほぼ直角に屈曲した咥え尻側端部71cが形成されている。
刷版71は、咥え側端部71aが版胴41aのギャップ部72内に浸入し、咥え部72aに当接して係止されている。また、刷版71は、咥え尻側屈曲部71b及び咥え尻側端部71cが版胴41aのギャップ部72内に浸入し、咥え尻側端部71cが版締め装置73に係止されている。版締め装置73は、版胴41aの軸方向に沿ってギャップ部72内に配置されたテンションバー74を有している。テンションバー74は、ギャップ部72内に回転自在に設けられており、外周部に係止爪74aが突出して形成され、この係止爪74aが刷版71の咥え尻側端部71cに係脱可能となっている。また、テンションバー74は、外周部にレバー74bが固設されている。
版胴41aは、ギャップ部72に隣接してばね支持部材75が設けられ、ガイド孔75aにガイド軸76が軸方向に移動自在に嵌合している。圧縮コイルばね77は、ガイド軸76の周囲に配置され、ばね支持部材75とガイド軸76の頭部76aとの間に張設されている。そして、テンションバー74におけるレバー74bとガイド軸76の頭部76aとが連結軸78により回動自在に連結されている。そのため、テンションバー74は、圧縮コイルばね77の付勢力により、図8の反時計回り方向に付勢され、係止爪74aが刷版71の咥え尻側端部71cに係止する方向に付勢支持されている。
また、係止爪作動シリンダ(例えば、エアシリンダや油圧シリンダなど)79は、版胴41aの外周側に配置されており、版胴41a側に向いた係止爪作動ロッド79aをロッドの軸方向に移動可能となっている。係止爪作動ロッド79aは、版締め装置73のガイド軸76(頭部76a)を押圧可能である。
なお、版締め装置73と係止爪作動シリンダ79は、版胴41aにおける軸方向の端部側に配置されており、係止爪作動シリンダ79は、図示しない印刷機フレームに支持されている。なお、係止爪作動シリンダ79は、エアシリンダや油圧シリンダに限るものではなく、モータなどであってもよい。
本実施形態の版交換装置は、上述した版締め装置73や係止爪作動シリンダ79などを用いた半自動式となっている。そのため、刷版71を版胴41aに装着する場合、まず、版胴を版取付け位置へ回動する(ギャップ部72の頭出し)。その後、作業者が刷版71の咥え側端部71aを版胴41aの咥え部72aに係止し、ここで、版取付け操作スイッチをONとする。すると、版押えローラ(図示略)が刷版71の咥え側端部71a側の外周面を押圧し、この状態で、版胴41aが図8の時計回り方向に回転することで、刷版71は、版胴41aの外周面に巻き付けられていき、版胴41aは、刷版71の咥え尻側屈曲部71b及び咥え尻側端部71cがギャップ部72の外方に位置する角度で停止する。ここで、まず、係止爪作動シリンダ79が作動して係止爪作動ロッド79aが伸長し、ガイド軸76を押圧する。すると、テンションバー74は、圧縮コイルばね77の付勢力に抗して図8の時計回り方向に回動し、係止爪74aが刷版71の咥え尻側端部71cから離脱する解除位置に移動する。次に、咥え尻ローラ(図示略)が刷版71の咥え尻側屈曲部71b側の外周面を押圧し、咥え尻側屈曲部71b及び咥え尻側端部71cをギャップ部72内に押し込む。そして、係止爪作動シリンダ79が作動して係止爪作動ロッド79aが収縮すると、この係止爪作動ロッド79aがガイド軸76から離間し、テンションバー74が圧縮コイルばね77の付勢力により図8の反時計回り方向に回動し、係止爪74aが刷版71の咥え尻側端部71cに係止し、刷版71が版胴41aの外周面に拘束される。
一方、刷版71を版胴41aから取り外す場合、まず、版胴を版取外し位置へ回動する(ギャップ部72の頭出し)。その後、版取外し操作スイッチをONとすると、図9に示すように、係止爪作動シリンダ79が作動して係止爪作動ロッド79aが伸長し、ガイド軸76を押圧する。すると、テンションバー74は、圧縮コイルばね77の付勢力に抗して図9の時計回り方向に回動し、係止爪74aが刷版71の咥え尻側端部71cから離脱する解除位置に移動する。そして、刷版71は、咥え尻側端部71cの拘束が解除されることから、自身の弾性力により咥え尻側屈曲部71b及び咥え尻側端部71cがギャップ部72から抜け出し、版胴41a外方に移動する。ここで、版胴41aは、図9の反時計回り方向に回動し、外周面から刷版71が取り外される。版胴41aの回転が停止した後、作業者は、咥え側端部71aが版胴41aの咥え部72aに係止している刷版71を取外す。
次に、本実施形態の版交換支援システムについて説明する。図1は、本実施形態の版交換支援システムを表す制御ブロック構成図、図2は、本実施形態の版交換支援システムに用いる表示装置を表す概略図、図3は、版交換支援システムに用いる表示装置における印刷ユニットの表示状態を表す概略図である。
本実施形態の版交換支援システムにおいて、図1に示すように、印刷機Pは、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を有し、それぞれ主機盤11,12,13,14,15が接続されている。各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、それぞれ主機モータを有し、各主機盤11,12,13,14,15に設けられたアンプにより駆動制御可能となっている。また、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、それぞれ版交換装置16,17,18,19,20が設けられている。
そして、各主機盤11,12,13,14,15は、主幹コントローラを有する制御装置(主幹盤)101に接続されている。制御装置101は、各主機盤11,12,13,14,15を介して各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の主機モータを駆動制御可能であると共に、各版交換装置16,17,18,19,20を制御可能となっている。
印刷機運転操作パネル102は、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の主機モータを駆動するための各種の操作スイッチが設けられている。印刷機運転操作パネル102は、例えば、印刷機運転開始スイッチ、印刷機運転停止スイッチ、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の単独運転するための単独運転切替スイッチ、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を連結運転するための連結運転切替スイッチ、その他に各胴の移動や単独駆動のためのスイッチなどが設けられている。また、版交換操作パネル103は、各版交換装置16,17,18,19,20を駆動するための版取付け操作スイッチと版取外し操作スイッチなどが設けられている。印刷機運転操作パネル102及び版交換操作パネル103は、作業者により操作可能であり、操作信号が制御装置101に出力される。
表示装置104は、制御装置101からの情報を表示するものであり、本実施形態では、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の版交換状況を表示可能となっている。なお、印刷機運転操作パネル102、版交換操作パネル103、表示装置104は、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に設けられていてもよいし、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を1箇所で集中管理してもよい。本実施形態の印刷装置Uは、2色刷り可能な印刷ユニットU1,U2,U3と4色刷り可能な印刷ユニットU4,U5を備えており、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、表裏を同時に印刷可能な形式となっている。そして、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、スタックごとに1つの主機モータが設けられ、1つの主機モータにより表裏の各版胴などを駆動回転可能であるスタック駆動方式となっている。
このスタック駆動方式の各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、例えば、表面印刷用の版胴に対して版交換作業を実施するとき、裏面印刷用の版胴に対する版交換作業を実施することはできない。即ち、版交換時に、版交換を実施する印刷ユニットと他の印刷ユニットとの連結駆動を解除することで、版交換を実施する印刷ユニットを独立して単独駆動可能とする。そして、版交換を実施する印刷ユニットにて、ブランケット胴や各インキ着ローラに対して版胴を離間させ、この状態で版胴を単独で回転して刷版の取外しや取付けを行う。つまり、表面印刷用の版胴に刷版を取外すときに、表面印刷用の版胴を回転すると、裏面印刷用の版胴も回転するため、このとき、裏面印刷用の版胴に対して版交換作業を実施できない。
また、版胴は、軸方向に複数枚(例えば、4枚)の刷版を装着可能となっている。刷版は、製版装置が製版データに基づいて製作するものであり、製作された刷版は、刷版ラックに掛けられて収容されている。しかし、新聞は、記事の内容に応じて製版装置への製版データの入力時期が相違する。例えば、広告や社説などの記事は、早期に製作されて製版装置へ入力されるが、トップニュースなどの記事は、印刷の直前まで決まらず、また、差し替えられることがあることから、製版装置への入力が遅れる。そのため、同じ版胴へ取付ける4枚の刷版が同時期に製作されるとは限らない。他の刷版が製作され、版交換が終わっていても、トップニュースなどの記事(最終面)が製作されるまでの間、作業者はずっと待機し、最終面が製作されたら、短時間で版交換を実施する。最終面が複数ある場合は、作業者の負担はさらに大きくなる。また、新聞の地方面のように、全頁の中の一部を差し替える場合(替面)は、各ユニットのどの版胴に対してどの刷版を取付けるか、各ユニットの版交換を実施する版胴の位置を把握して、効率よく版交換を実施する必要がある。版交換作業を実施する場合、版胴に対して同時に4枚の刷版を取付けることが作業性の面で好ましい。ところが、作業者が刷版の製作状況を把握していないと、同じ版胴に対して何度も版取付け作業が実施されたり、待ち時間が長くなったりしてしまい、作業性が良くない。
本実施形態の版交換支援システム及び版交換支援システムに用いる表示装置は、版交換可能な印刷ユニットや不可能な印刷ユニットを表示することで、作業者に対して版交換する印刷ユニットを指示するものであり、版交換作業を効率的に実施することで、版交換作業の作業時間を短縮して作業性の向上を図るものである。
本実施形態の版交換支援システムは、印刷情報に基づいて版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアとを判定する判定部としての制御装置101と、制御装置101の判定結果を表示する表示部としての表示装置104とを備えている。
ここで、印刷情報とは、主に、印刷ユニットの形式情報、版胴に装着される刷版の製版情報、刷版の版交換情報である。印刷ユニットの形式情報とは、印刷機Pが鉛直方向及び水平方向に並んで複数並んで配置された5つの印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5から構成され、印刷ユニットU1,U2,U3が2色刷り可能であり、印刷ユニットU4,U5が4色刷りである情報である。また、印刷ユニットの形式情報とは、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5が表裏を同時に印刷可能な形式であると共に、スタックごとに設けられた1つの主機モータにより表裏の各版胴などを駆動回転可能なスタック駆動方式である情報である。
また、版胴に装着される刷版の製版情報とは、刷版の製版情報とは、装着する版胴に対して所定枚数の刷版が製作済であるかどうかの情報である。また、製版装置が刷版を製作して刷版ラックに収容する予定時間の情報である。更に、刷版の版交換情報とは、各ユニットの版交換時に、どの版胴に対してどの刷版を取付けるかの情報である。また、刷版の版交換情報とは、各ユニットの版交換時に、版交換を実施する版胴または版胴の位置の情報である。
表示装置104は、図2に示すように、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を模式的に表示可能となっている。この場合、印刷ユニットU1,U2,U3及び印刷ユニットU4,U5の下段が2階の床面G2に設置され、印刷ユニットU4,U5の上段が3階の床面G3に設置されている。印刷機Pは、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に隣接して版交換作業などの各種作業を実施するための複数の作業エリアAが設けられている。印刷ユニットU1の両側に作業エリアA11,A12が設けられ、印刷ユニットU2の両側に作業エリアA21,A22が設けられ、印刷ユニットU3の両側に作業エリアA31,A32が設けられている。また、印刷ユニットU4の両側で上下にわたって作業エリアA41,A42,A43,A44が設けられ、印刷ユニットU5の両側で上下にわたって作業エリアA51,A52,A53,A54が設けられている。
表示装置104は、複数の作業エリアAを制御装置101が判定したエリアとして表示する。ここで、上述した版交換作業実施中エリアとは、実際に版交換作業を実施している印刷ユニットに対応する作業エリアAである。図2では、作業者Xが作業を行っているA31と作業者Yが作業を行っているA42が版交換作業実施中エリアである。また、版交換作業可能エリアとは、隣接する印刷ユニットが版交換作業を実施中ではなく、且つ、版胴に取付ける刷版が全て製作済である印刷ユニットに対応する作業エリアAである。図2では、A41が版交換作業可能エリアである。
更に、版交換作業実施不能エリアとは、版交換作業機械的実施不能エリアと、版交換作業未製版実施不能エリアとを有する。版交換作業機械的実施不能エリアとは、隣接する印刷ユニットが版交換作業を実施中であって機械的に版交換作業を実施できない印刷ユニットに対応する作業エリアAである。図2では、作業者Xが作業を行っているA31に隣接するA32と作業者Yが作業を行っているA42に隣接するA44が版交換作業機械的実施不能エリアである。版交換作業未製版実施不能エリアとは、版胴に取付ける刷版が全て製作されていない印刷ユニットに対応する作業エリアAである。図2では、A43、A44、A51、A52、A53、A54が版交換作業未製版実施不能エリアである。なお、複数の作業エリアの中で制御装置101が版交換不要なエリアと判定したエリアは識別表示されないが、識別表示させてもよい。図2では、A12とA22が版交換不要のエリアである。
具体的に説明すると、本実施形態の印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5は、スタック駆動方式である。そのため、例えば、印刷ユニットU3の裏面印刷側(図2の右側)の版胴に対して版交換作業を実施するとき、制御装置101は、この印刷ユニットU3の裏面印刷側の版胴に対応する作業エリアA31を版交換作業実施中エリアと判定する。また、制御装置101は、この印刷ユニットU3の表面印刷側(図2の左側)の版胴に対応する作業エリアA32を版交換作業機械的実施不能エリア(版交換作業実施不能エリア)と判定する。この場合、安全を考慮して作業エリアA32の上方にある作業エリアA41も版交換作業機械的実施不能エリア(版交換作業実施不能エリア)に判定してもよい。
また、制御装置101は、刷版の製版情報と刷版の版交換情報に基づいて版交換作業可能エリアを判定する。この場合、更に、制御装置101は、刷版の製版情報に基づいて版交換作業未製版実施不能エリアを判定する。また、制御装置101は、刷版の版交換情報に基づいて版交換作業完了エリアを判定する。
なお、版交換操作パネル103は、版取付け操作スイッチと版取外し操作スイッチが設けられていることから、制御装置101は、版交換操作パネル103からの版取付け信号や版取外し信号に基づいて版交換の作業中であるかを判定する。また、印刷機Pの運転中は、連結運転切替スイッチがONとなって、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5が連結運転中であり、版交換時は、単独運転切替スイッチをONとして印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を単独運転に切り替えることから、この連結運転切替スイッチ及び単独運転切替スイッチのON(OFF)信号により版交換の作業中であるかを判定してもよい。更に、製版装置は、製版データに基づいて刷版を製作し、製作された刷版は、刷版ラックへ収容されることから、制御装置101は、製版装置からの刷版製作完了データや刷版ラックに設けられた刷版検出装置の検出信号により刷版の製作状況を判定する。なお、作業者は、製版装置により刷版が製作されて刷版ラックに収容されると、その刷版を取付ける印刷ユニットの近傍に配置することがある。この場合であっても、印刷ユニットにおける刷版の配置位置に刷版検出装置を設ければよい。また、制御装置101は、作業者が刷版を刷版ラックから持ち出したことを刷版ラックに設けられた刷版検出装置の検出信号により検出することで、刷版交換作業中であると判定することができる。
表示装置104は、例えば、液晶ディスプレイであり、上述した各エリアを色別表示する。例えば、版交換作業完了エリアを水色、版交換作業実施中エリアを黄色、版交換作業機械的実施不能エリアを赤色、版交換作業未製版実施不能エリアを橙色、版交換作業可能エリアを青色で表示する。なお、版交換作業機械的実施不能エリア(赤色)と版交換作業未製版実施不能エリア(橙色)とは、版交換作業機械的実施不能エリア(赤色)が優先的に表示される。この場合、制御装置101は、製版装置により製作された刷版の刷版ラックへの収容予定時間の情報が入力されることから、収容予定時間に近づいたら(収容予定時間の数分前)、橙色に表示された版交換作業未製版実施不能エリアを点滅させることで、所定時間が経過したら橙色(版交換作業未製版実施不能エリア)が青色(版交換作業可能エリア)に変更されることを作業者に知らせるようにしてもよい。
また、表示装置104は、前述した版交換作業実施中エリア、版交換作業可能エリア、版交換作業実施不能エリアなどを表示する第1表示部(図2)と、1つの版胴における刷版の交換状況を表示する第2表示部(図3)とを図示しない切替スイッチにより切替え可能となっている。また、第1表示部の中には、版交換作業の作業順位を表示する第3表示部も合せて表示される。具体的に、図2の(1)〜(12)として表している。
図3に示すように、表示装置104は、印刷ユニットA51,A52(U5の右側)とA43,A44(U4の左側)における各版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bにおける刷版の交換状況を第2表示部104Aに表示することができる。また、関連する頁(頁割り)も合せて表示する。関連する頁(頁割り)も合せて表示することで、作業者が刷版を刷版ラックから持ち出す際に、取り付ける刷版を間違うことなく、効率的に版交換作業を行うことができる。例えば、版胴41aは、軸方向に並んだ4つの領域41a−1,41a−2,41a−3,41a−4に刷版を装着可能となっている。そのため、制御装置101は、版交換時に、版交換が必要である場合、版取外し前状態、版取外し中状態、版取外し後状態、版取付け中状態、版取付け済状態の5状態を判定する。また、版交換が不要である場合、版交換不要状態を判定する。表示装置104は、制御装置101の判定結果を第2表示部104Aに色別表示する。
そのため、制御装置101は、作業者が印刷機運転操作パネル102の印刷機運転停止スイッチが操作されて印刷が終了し、版交換を実施するために単独運転切替スイッチが操作されて各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5が単独運転可能となると、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の版交換状況のデータを表示装置104に出力し、表示装置104は、この各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の版交換状況を表示する。
即ち、印刷ユニットの形式情報と版胴に装着される刷版の製版情報と刷版の版交換情報などの印刷情報に基づいて版交換実施完了エリアと版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業機械的実施不能エリアと版交換作業未製版実施不能エリアとを判定し、表示装置104は、各エリアを液晶ディスプレイに表示する。そのため、作業者は、表示装置104の液晶ディスプレイに表示された各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の版交換状況を見て、版交換作業実施可能エリアに対応する印刷ユニットを確認し、版交換作業を実施する。
また、図2に示すように、表示装置104は、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5における版交換作業の作業順位を第3表示部104Bに表示することができる。図2の例では、作業順位(1)のA11と作業順位(2)のA12は、版交換実施完了エリアである。A31とA42が版交換作業実施中エリアである。作業者Xは作業順位(3)A31の版交換を実施中である。作業者XがA31の版交換を行っているため、A32が版交換作業機械的実施不能エリアになるので、作業順位(4)はA42となり、作業者YはA42の版交換を実施する。その後、作業順位(5)(6)の版交換を実施する。また、版交換作業未製版実施不能エリアのA43、A44、A51、A52、A53について製版完了すると、版交換作業実施可能エリアの版交換作業を作業順位に従って実施する。その際、A44とA52、A43とA51は作業が干渉するエリアとなるため、作業者Xと作業者Yは同時に版交換を行わないように作業順位が表示される。
A54は、新聞のトップニュースなど最後に記事が決定する頁(最終面)の刷版を取付けることを予定している版胴である。A54については、最後に取付ける予定の最終面(刷版)を制御装置101に予め登録(設定)しておくことにより、最終面以外の製版が完了した時点で版交換作業未製版実施不能エリアから版交換作業可能エリアに一旦変更になり、最終面以外の版交換作業が実施可能となる。そして、最終面以外の版交換が完了すれば、また版交換作業未製版実施不能エリアに戻る。最終面については記事が決まった時点で、再度、版交換作業未製版実施不能エリアから版交換作業可能エリアに変更になるので、残っていた最終面の版交換を行い、版交換作業を完了する。
また、版交換作業をより短時間で効率的に行うため、版交換作業可能エリアにおける次の作業順位の版交換準備作業を開始してもよい。つまり、版交換装置を駆動する制御装置101は、第2表示部から1つの版胴における刷版の交換状況を、第3表示部から版交換作業の作業順位の情報を得ることで、版交換作業中に次の作業順位の版胴について版交換準備作業を開始することができる。版交換準備作業とは、版胴を版取外し位置へ回動するギャップ部72の頭出しや係止爪74aを刷版71の咥え尻側端部71cから離脱する解除位置に移動する作業などである。
なお、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に対する版交換方法は、上述したものに限るものではなく、表示装置104は、その版交換方法に対応した表示を行うことができる。図4は、本実施形態の版交換支援システムに用いる表示装置の第1変形例を表す概略図である。
図4に示すように、表示装置104は、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5を模式的に表示可能となっている。印刷機Pは、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に隣接して版交換作業などの各種作業を実施するための複数の作業エリアAが設けられている。印刷ユニットU1の一方側に作業エリアA1が設けられ、印刷ユニットU1,U2の間に作業エリアA2が設けられ、印刷ユニットU2,U3の間に作業エリアA3が設けられている。また、印刷ユニットU3,U4の間で上下にわたって作業エリアA41,A42が設けられ、印刷ユニットU4,U5の間で上下にわたって作業エリアA51,A52が設けられ、印刷ユニットU5の他方側に作業エリアA53,A54が設けられている。
上述した本実施形態は、1つの印刷ユニットにおける表面印刷側の版胴または裏面印刷側の版胴に対して同時に版交換を実施するものであるが、この第1変形例は、1つの印刷ユニットにおける表面印刷側の版胴及び裏面印刷側の版胴に対して同時に版交換を実施するものである。そのため、例えば、印刷ユニットU2の表面印刷側(図4の左側)の版胴及び印刷ユニットU3の裏面印刷側(図4の右側)の版胴に対して版交換作業を実施するとき、制御装置101は、この印刷ユニットU2の表面印刷側の版胴と印刷ユニットU3の裏面印刷側の版胴に対応する作業エリアA3を版交換作業実施中エリアと判定する。また、制御装置101は、この印刷ユニットU2の裏面印刷側の版胴に対応する作業エリアA2と印刷ユニットU3の表面印刷側の版胴に対応する作業エリアA42とを版交換作業機械的実施不能エリア(版交換作業実施不能エリア)と判定する。
また、上述した実施形態では、表示装置104をディスプレイとしたが、この構成に限定されるものではない。図5は、本実施形態の版交換支援システムに用いる表示装置の第2変形例を表す概略図である。
第2変形例の表示装置は、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に設けられる表示ランプ111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124である。そして、この表示装置は、版交換作業実施中エリア、版交換作業可能エリア、版交換作業実施不能エリアなどを表示ランプ111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124の点灯状態により表示する。例えば、版交換作業実施中エリアは点滅、版交換作業可能エリアは点灯、版交換作業実施不能エリアは消灯などとして表示する。また、上述した実施形態のように、各エリアを色別表示するようにしてもよい。また、表示ランプを版交換作業実施中エリアは2つ点灯、版交換作業可能エリアは3つ点灯、版交換作業実施不能エリアは消灯などと点灯するランプの数で表示するようにしてもよい。
このように本実施形態の版交換支援システムにあっては、印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の形式情報と版胴41a,41b,42a,42b,43a,43b,44a,44bに装着される刷版71の製版情報と刷版71の版交換情報に基づいて版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアとを判定する制御装置(判定部)101と、制御装置101の判定結果を表示する表示装置(表示部)104とを備えている。
従って、制御装置101が版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアとを判定し、表示装置104がこの判定結果を表示することとなり、作業者は、この表示装置104を見て版交換作業可能エリアに対応する印刷ユニットを確認し、この印刷ユニットに対する版交換を実施する。その結果、作業者は、複数の印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の状況を確認する必要がなく、表示装置104を見るだけで版交換を実施する印刷ユニットを確認することができ、版交換作業の作業性の向上を図ることができる。また、版交換作業可能エリアを表示するときには、関連する頁(頁割り)も合せて表示する。関連する頁(頁割り)も合せて表示することで、作業者が刷版を刷版ラックから持ち出す際に、取り付ける刷版を間違うことなく、作業性を向上することができる。また、1つの版胴だけでなく輪転機頁割付に基づく「印刷ユニット版交換作業エリア」単位を意識した版交換を行うことで、より効率的な版交換作業が可能となる。
本実施形態の版交換支援システムでは、スタック駆動方式の場合、表印刷用の版胴と裏印刷用の版胴の一方の版胴の版交換作業を実施するとき、制御装置101は、一方の版胴の版交換作業で使用されるエリアを版交換作業実施中エリアと判定し、他方の版胴の版交換作業で使用されるエリアを版交換作業実施不能エリアと判定する。従って、機械的に版交換を実施できない印刷ユニットに対応する作業エリアを使用不能として十分な安全性を確保することができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、版交換作業実施不能エリアとして、機械的に版交換作業を実施できない版交換作業機械的実施不能エリアと、1つの版胴に取付ける刷版が全て製作されていない版交換作業未製版実施不能エリアとを設けている。従って、機械的に版交換作業を実施できない版交換作業機械的実施不能エリアに加えて、刷版が製作されていない版交換作業未製版実施不能エリアを表示することから、作業者は、全ての刷版が製作されるまで、他の各種作業を行うことができ、1つの版胴に対して複数回の版交換作業を行うことがなく、版交換作業の作業性を向上することができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、版交換作業可能エリアを、隣接する印刷ユニットが版交換作業を実施中ではなく、且つ、1つの版胴に取付ける刷版が全て製作済であるエリアとしている。従って、機械的に版交換作業を実施できるだけでなく刷版が全て製作済である印刷ユニットに対応するエリアを版交換作業可能エリアとして表示することから、作業者は、効率良く版交換作業を行うことができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、版交換作業可能エリアとして、隣接する印刷ユニットが版交換作業を実施中ではなく、且つ、1つの版胴に取付ける刷版が予め設定した刷版以外は全て製作済であるエリアを設けている。従って、機械的に版交換作業を実施できるだけでなく1つの版胴に取付ける刷版が予め設定した刷版以外は全て製作済である印刷ユニットに対応するエリアを版交換作業可能エリアとして表示することから、作業者は、新聞のトップニュースなどの最終面以外の刷版を先に版交換することができるため、無駄な待ち時間が無く、効率良く版交換作業を行うことができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、表示装置104をディスプレイとし、版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアを色などで識別表示する。従って、視認性を向上することができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアを表示する第1表示部と、1つの版胴における刷版の交換状況を表示する第2表示部とを設けている。従って、作業者は、版交換を行う刷版の枚数を確認することで、作業性を向上することができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、第2表示部は、版交換作業実施不能エリアが版交換作業可能エリアに変更される時間を予測表示する。従って、作業者は、予測時間に合せて次の版交換作業の準備を開始することができるため、作業性を向上することができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、表示装置104は、版交換作業可能エリアにおける版交換作業の作業順位を表示する第3表示部を設けている。従って、作業者は、ガイダンスに合せて印刷ユニット内を移動することで、より効率的に版交換作業を行うことができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、版交換装置を駆動する制御装置101を備え、制御装置101は、版交換作業可能エリアにおける次の作業順位の版交換準備作業を開始する。従って、制御装置101は、第2表示部から1つの版胴における刷版の交換状況を、第3表示部から版交換作業の作業順位の情報を得ることで、版交換作業中に次の作業順位の版胴について版交換準備作業を開始することにより、より効率的に版交換作業を行うことができる。
本実施形態の版交換支援システムでは、表示装置104を各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に設けられる表示ランプ111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124とし、版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアを点灯状態により表示する。従って、作業者は、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5に設けられる表示ランプ111,112,113,114,115,116,117,118,119,120,121,122,123,124の点灯状態により版交換作業実施中エリアと版交換作業可能エリアと版交換作業実施不能エリアを確認することができ、どの位置からでも版交換作業可能エリアを知ることができ、作業性を向上することができる。
また、本実施形態の版交換支援システムに用いる表示装置にあっては、印刷ユニットの版交換を実施している版交換作業実施中エリアと、隣接する印刷ユニットが版交換作業を実施中であるかまたは1つの版胴に取付ける刷版が全て製作されていない版交換作業実施不能エリアと、隣接する印刷ユニットが版交換作業を実施中ではなく且つ1つの版胴に取付ける刷版が全て製作済である版交換作業可能エリアとを表示する。
従って、作業者は、複数の印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5の状況を確認する必要がなく、表示装置104を見るだけで版交換を実施する印刷ユニットを確認することができ、版交換作業の作業性の向上を図ることができる。
なお、上述した実施形態では、各印刷ユニットU1,U2,U3,U4,U5におけるスタックごとに1つの主機モータが設けられるスタック駆動方式の印刷ユニットを用いて説明したが、この方式の印刷ユニットに限定されるものではない。例えば、2つのスタックに対して1つの主機モータが設けられる2スタック駆動方式の印刷ユニットや1つのスタックに対して表裏それぞれに主機モータが設けられるカップル駆動方式の印刷ユニットであってもよい。