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JP6950041B1 - 構造物解体システムおよび構造物解体方法 - Google Patents

構造物解体システムおよび構造物解体方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ジャッキダウン作業を円滑にできる構造物解体システムを提供すること。【解決手段】構造物解体システム2は、クレーン設置床20、支持柱11A、および昇降装置22を備える。昇降装置22は、支持柱11Aの上端に取り付けられた反力部材50と、反力部材50の滑車612に巻かれて一端側がクレーン設置床20に連結された吊り材51と、クレーン設置床20に設けられて吊り材51の他端側を引っ張るストランドジャッキ52と、を備える。反力部材50は、支持柱11Aの上端に被せられたボックス部材60と、ボックス部材60の上に設けられて略水平に延びる反力梁61と、ボックス部材60の内壁面に設けられて支持柱11Aの側面に当接可能な仮固定用のエアジャッキ62と、ボックス部材60の側面に設けられてエアジャッキ62のエアホース63が巻き取られた巻き取りドラム64と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、構造物を解体するための構造物解体システム、および、この構造物解体システムを用いた構造物解体方法に関する。
従来より、既存構造物を解体する方法としては、以下のような方法がある(特許文献1参照)。
特許文献1には、既存構造物の所定の既存柱を支持柱とし、この支持柱に仮支持させてクレーンが設置されたクレーン設置床を構築しておき、このクレーンで各フロアを解体しながら、クレーン設置床を支持柱に沿って下降させることで、既存構造物を上層から下層に向かって解体する方法が示されている。
この解体方法では、クレーン設置床を下降させる(ジャッキダウン)際には、支持柱の上端に反力部材を固定して、この反力部材を利用して昇降ジャッキによりクレーン設置床を下降させる。一方、支持柱の上端部を切断して撤去する際には、この反力部材を一端取り外す必要がある。
そこで、反力部材の内壁面に仮固定ジャッキを設け、この仮固定ジャッキで支持柱の側面を押圧することで、反力部材を支持柱の上端に仮固定している。この仮固定ジャッキは、ねじを回転させることで厚さを変更可能であり、ねじの先端には、チェーンが巻き回されている。よって、このチェーンを引っ張ることで、ねじを回転させて、仮固定ジャッキで支持柱の側面を押圧する。
上述の解体方法では、ジャッキダウンの際、仮固定ジャッキの長いチェーンが邪魔になり、ジャッキダウン作業を円滑に行うことができなかった。
特開2019−15151号公報
本発明は、解体対象階を覆うクレーン設置床をジャッキダウンさせながら、構造物を上階から下層階に向かって解体する場合に、クレーン設置床のジャッキダウン作業を円滑に行うことができる、構造物解体システムおよび構造物解体方法を提供することを課題とする。
第1の発明の構造物解体システム(例えば、後述の構造物解体システム2)は、構造物(例えば、後述の既存建物1)を解体する解体システムであって、構造物の所定階の上に構築された仮設屋根(例えば、後述のクレーン設置床20)と、当該仮設屋根を支持する既存柱である支持柱(例えば、後述の支持柱11A)と、前記仮設屋根を前記支持柱に沿って下降させる昇降装置(例えば、後述の昇降装置22)と、を備え、当該昇降装置は、前記支持柱の上端に取り付けられて略水平に延びてかつ両端側に回転自在に設けられた一対の滑車(例えば、後述の滑車612)を有する反力部材(例えば、後述の反力部材50)と、当該反力部材の滑車に巻かれて一端側が前記仮設屋根に連結された吊り材(例えば、後述の吊り材51)と、前記仮設屋根に設けられて前記吊り材の他端側に設けられた昇降ジャッキ(例えば、後述のストランドジャッキ52)と、を備え、前記反力部材は、前記支持柱の上端に被せられて上端が塞がれた矩形筒状のボックス部材(例えば、後述のボックス部材60)と、当該ボックス部材の上に設けられて略水平に延びる反力梁(例えば、後述の反力梁61)と、前記ボックス部材の内壁面に設けられて前記支持柱の側面に当接可能な仮固定用のエアジャッキ(例えば、後述のエアジャッキ62)と、前記ボックス部材の側面に設けられた巻き取りドラム(例えば、後述の巻き取りドラム64)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、以下の手順で反力部材を支持柱に仮固定する。すなわち、反力部材のボックス部材を支持柱の上端に被せて、この状態で、巻き取りドラムからエアホースの先端をクレーン設置床上まで引き出す。そして、この引き出したエアホースの先端をコンプレッサに接続し、コンプレッサを駆動して、エアホースを通して圧縮空気をエアジャッキに注入する。これにより、エアジャッキを伸長させて、エアジャッキにより支持柱の外面に載荷し、反力部材を支持柱に仮固定する。その後、エアジャッキのバルブを閉じてエアジャッキによる載荷を保持し、その後、コンプレッサからエアホースを取り外して巻き取りドラムに収納しておく。
よって、昇降ジャッキにより仮設屋根を下降させる(ジャッキダウン)際、エアホースを巻き取りドラムに収納しておくので、エアホースが邪魔にならず、ジャッキダウン作業を円滑に行うことができる。
また、コンプレッサを駆動することで、迅速にエアジャッキに軸力を導入できるので、従来と比べて工期を短縮できる。
第2の発明の構造物解体方法は、上述の構造物解体システムを用いて構造物を解体する解体方法であって、当該構造物の所定の既存柱を支持柱とし、当該支持柱に仮支持させて前記構造物の所定階の上に前記仮設屋根を構築する第1工程(例えば、後述のステップS1)と、少なくとも前記支持柱を残して前記所定階から1層分を解体する第2工程(例えば、後述のステップS2)と、前記支持柱による前記仮設屋根の仮支持を解除し、前記仮設屋根を前記支持柱に沿って1層分下降させて、その後、前記仮設屋根を前記支持柱に再度仮支持させる第3工程(例えば、後述のステップS3〜S5)と、前記反力部材を前記支持柱から取り外して、前記支持柱の上部を撤去し、その後、当該支持柱の頂部に前記反力部材を再度被せて、前記反力部材を前記支持柱に再度仮固定する第4工程(例えば、後述のステップS6)と、前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程(例えば、後述のステップS7)と、を備え、前記反力部材を前記支持柱の頂部に仮固定する際には、前記反力部材を前記支持柱の頂部に配置し、この状態で、前記巻き取りドラムからエアホース(例えば、後述のエアホース63)の先端を前記仮設屋根上に引き出してコンプレッサ(例えば、後述のコンプレッサ65)に接続し、当該コンプレッサから圧縮空気を前記エアジャッキに供給することで、前記反力部材を前記支持柱の頂部に仮固定し、その後、前記コンプレッサから前記エアホースを取り外して前記巻き取りドラムに収納することを特徴とする。
この発明によれば、第1の発明と同様の効果がある。
本発明によれば、解体対象階を覆うクレーン設置床をジャッキダウンさせながら、構造物を上階から下層階に向かって解体する場合に、クレーン設置床のジャッキダウン作業を円滑に行うことができる、構造物解体システムおよび構造物解体方法を提供できる。
本発明の一実施形態に係る構造物解体システムが設けられた既存建物の側面図である。 図1の構造物解体システムの破線Aで囲んだ部分の拡大図である。 構造物解体システムの反力部材を構成するボックス部材の縦断面図である。 反力部材を支持柱に仮固定する手順の説明図である。 構造物解体システムを用いて既存建物を解体する手順のフローチャートである。 既存建物の解体手順の説明図(その1、既存建物を屋上階から2層分解体した状態)である。 既存建物の解体手順の説明図(その2、クレーン設置床を1層分下降させた状態)である。 既存建物の解体手順の説明図(その3、支持柱の上部を切断した状態)である。
本発明は、解体対象階を覆うクレーン設置床をジャッキダウンさせながら、構造物を上階から下層階に向かって解体する場合に、クレーン設置床を支持する支持柱とクレーン設置床を下降させる昇降装置との間にエアジャッキを配置し、このエアジャッキにより昇降装置を支持柱に仮固定させることで、クレーン設置床のジャッキダウン作業を円滑に行うことができる、構造物解体システムおよび構造物解体方法である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る構造物解体システム2が設けられた構造物としての既存建物1の側面図である。
既存建物1は、n(nは自然数)階建てのラーメン構造の建物であり、平面視で長方形状である。この既存建物1は、複数のH形鋼である既存柱11と、複数の鉄骨造の既存梁12と、鉄筋コンクリート造の既存床13と、を備える。ここで、既存柱11の一部を、クレーン設置床20を支持する支持柱11Aとする。
この既存建物1を、以下の構造物解体システム2を用いて解体する。
構造物解体システム2は、既存建物1の屋上階に構築された仮設屋根としてのクレーン設置床20と、クレーン設置床20上に設置されたクレーン21と、支持柱11Aに取り付けられてクレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させる昇降装置22と、クレーン設置床20に設けられて支持柱11Aの継手部14(図7参照)の上面に係止可能な係止装置23と、既存建物1の外周に沿って設置された外周足場24と、クレーン設置床20を外周足場24に沿って移動させるスライド機構25と、を備える。
クレーン設置床20は、既存建物1の屋上階に構築されることで、既存建物1の解体対象階の上面を覆うものである。
係止装置23は、かんぬき梁30と、このかんぬき梁30同士を接近あるいは離間させる方向に略水平に移動する一対の開閉機構31と、を備える。支持柱11Aの側面には、継手部14が側方に延びており、係止装置23は、この継手部14の上面にかんぬき梁30を移動させて係止させることが可能である。
外周足場24は、地表面上に構築された複数段の枠組足場である。
スライド機構25は、クレーン設置床20に設けられて上下に延びるガイド部材40と、外周足場24に複数段設けられてガイド部材40に係止した状態でスライド可能な移動壁繋ぎ41と、を備える。
図2は、図1の構造物解体システム2の破線Aで囲んだ部分の拡大図である。
昇降装置22は、支持柱11Aの上端に取り付けられて略水平に延びる反力部材50と、反力部材50に巻かれて一端側がクレーン設置床20に連結された吊り材51と、クレーン設置床20に設けられて吊り材51の他端側を引っ張る昇降ジャッキとしてのストランドジャッキ52と、を備える。
クレーン設置床20の上面には、門型状のジャッキ支持部53が回動可能に設けられており、ストランドジャッキ52は、このジャッキ支持部53に設けられている。
また、クレーン設置床20の上面でかつ支持柱11Aを挟んでジャッキ支持部53の反対側の位置には、門型状の吊り材支持部54が回動可能に設けられており、吊り材51の一端は、この吊り材支持部54に連結されている。
反力部材50は、支持柱11Aの上端に被せられて上端が塞がれた矩形筒状のボックス部材60と、ボックス部材60の上に設けられて略水平に延びる反力梁61と、ボックス部材60の内壁面に設けられてH形鋼である支持柱11Aの外面に当接可能な一対のエアジャッキ62と、ボックス部材60の側面に設けられてエアジャッキ62のエアホース63が巻き取られた巻き取りドラム64と、を備える。
反力梁61は、互いに略平行な一対の水平部材611と、この一対の水平部材611の両端側同士の間に回転自在に支持された一対の滑車612と、を備える。
吊り材51は、一対の滑車612に巻かれており、一端側が吊り材支持部54に連結され、他端側がジャッキ支持部53に固定されたストランドジャッキ52に連結されている。
以上の昇降装置22では、ストランドジャッキ52が吊り材51を引っ張ると、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して上昇する。一方、ストランドジャッキ52が吊り材51を送り出すと、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して下降する(図7参照)。
図3は、反力部材50のボックス部材60の縦断面図である。
エアジャッキ62は、コンプレッサ65(図4参照)からエアホース63を通して圧縮空気を注入することで厚さtを変更可能となっている。
巻き取りドラム64には、エアホース63が付勢力によって巻き取られている。このエアホース63の一端側は、ボックス部材60の側面に形成された貫通孔を通して、エアジャッキ62に接続されている。エアホース63の他端側には、ロープ66が連結されており、このロープ66を下方から引っ張ることで、エアホース63の他端側を下方に引き出せるようになっている。
したがって、反力部材50を支持柱11Aに仮固定する場合、図4に示すように、反力部材50を支持柱11Aの上端に被せて、この状態で、ロープ66を下方から引っ張ることで、巻き取りドラム64からエアホース63の先端をクレーン設置床20まで引き出す。そして、この引き出したエアホース63の先端をコンプレッサ65に接続し、コンプレッサ65を駆動して、エアホース63を通して圧縮空気をエアジャッキ62に供給する。これにより、エアジャッキ62を伸長させて支持柱11Aの外面に載荷し、反力部材50を支持柱11Aに仮固定する。その後、エアジャッキ62のバルブを閉じてエアジャッキ62による載荷を保持し、次に、コンプレッサ65からエアホース63を取り外して手から放すことで、エアホース63が巻き取りドラム64の付勢力により自動的に巻き取られて収納される。
一方、反力部材50の仮固定を解除する場合、エアジャッキ62のバルブを開いて空気を抜く。これにより、エアジャッキ62が短縮し、反力部材50を支持柱11Aから取り外すことが可能となる。
以下、構造物解体システム2を用いて既存建物1を解体する手順について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図1に示すように、既存建物1に構造物解体システム2を構築する。
すなわち、既存建物1の屋上階にクレーン設置床20、クレーン21、昇降装置22、係止装置23、およびスライド機構25を構築する。また、既存建物1の周囲に外周足場24を設置する。
ここで、屋上階には支持柱11Aが存在しないため、屋上階に支持柱11Aの代わりに仮設柱15を取り付けて、この仮設柱15の頂部に反力部材50を仮固定しておく。また、係止装置23のかんぬき梁30を、屋上階床レベルの支持柱11Aの上に載置することで、クレーン設置床20を支持柱11Aに仮支持させる。
ステップS2では、図6に示すように、クレーン21を用いて、支持柱11Aを残して既存建物1を屋上階から2層分解体する。このとき、支持柱11Aの継手部14を残すようにする。
なお、後述のステップS7においてステップS2を繰り返す場合には、既存建物1を2層分ではなく1層分解体するものとする。
ステップS3では、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持を解除する。具体的には、ストランドジャッキ52により吊り材51に張力を導入して、クレーン設置床20少し上方に持ち上げて地切りする。この状態で、係止装置23の開閉機構31を駆動して、一対のかんぬき梁30を支持柱11Aの継手部14の上から退避させて、支持柱11Aによる仮支持を解除する。
ステップS4では、図7に示すように、ストランドジャッキ52を駆動して、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って1層分下降させる。このとき、ガイド部材40が移動壁繋ぎ41に沿って下降して、移動壁繋ぎ41がガイド部材40に水平方向に係止した状態でスライドする。
ステップS5では、図7に示すように、クレーン設置床20を支持柱11Aに再度仮支持させる。すなわち、係止装置23の開閉機構31を駆動して、かんぬき梁30を支持柱11Aの継手部14の上に位置させる。次に、ストランドジャッキ52によりクレーン設置床20を下降させて、かんぬき梁30を支持柱11Aの継手部14の上面に係止させる。
ステップS6では、図8に示すように、支持柱11Aの上部を切断して撤去する。具体的には、反力部材50の仮固定を解除し、この反力部材50をクレーン21で吊り上げて、支持柱11Aから取り外す。次に、支持柱11Aの上部を切断して撤去する。その後、反力部材50をクレーン21で吊り上げて、支持柱11Aの頂部に再度被せて、この反力部材50を支持柱11Aの頂部に再度仮固定しておく。また、外周足場24の上部つまりクレーン設置床20よりも上方に突出した部分を解体し、取り外した移動壁繋ぎ41をガイド部材40の下部に盛り替える。
ステップS7は、ステップS2からステップS6までを繰り返して、既存建物1を屋上階から下階に向かって解体する。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)ストランドジャッキ52によりクレーン設置床20を下降させる(ジャッキダウン)際、付勢力によりエアジャッキ62のエアホース63を巻き取りドラム64に収納しておくので、エアホース63が邪魔にならず、ジャッキダウン作業を円滑に行うことができる。
また、コンプレッサ65を駆動することで、迅速にエアジャッキ62に軸力を導入できるので、従来と比べて工期を短縮できる。
エアジャッキ62を用いたので、ユニブロックのようなねじで厚さを変更可能な仮固定ジャッキと比べて、厚みが薄くなり、反力部材50を支持柱11Aに取り付ける際に、エアジャッキ62が支持柱11Aに引っ掛かるのを防止できる。また、エアジャッキ62の厚みが薄くなったことで、支持柱の柱形状の変更に容易に追従可能である。
(2)支持柱11Aと昇降装置22の内壁面との間にエアジャッキ62を設けたので、クレーン設置床20を支持柱11Aに比較的短時間で仮固定でき、既存建物1を短工期で解体できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1…既存建物(構造物) 2…構造物解体システム
11…既存柱 11A…支持柱 12…既存梁 13…既存床 14…継手部
15…仮設柱
20…クレーン設置床(仮設屋根) 21…クレーン 22…昇降装置
23…係止装置 24…外周足場 25…スライド機構
30…かんぬき梁 31…開閉機構 40…ガイド部材 41…移動壁繋ぎ
50…反力部材 51…吊り材 52…ストランドジャッキ(昇降ジャッキ)
53…ジャッキ支持部 54…吊り材支持部
60…ボックス部材 61…反力梁 62…エアジャッキ 63…エアホース
64…ドラム 65…コンプレッサ 66…ロープ
611…水平部材 612…滑車

Claims (2)

  1. 構造物を解体する解体システムであって、
    構造物の所定階の上に構築された仮設屋根と、当該仮設屋根を支持する既存柱である支持柱と、前記仮設屋根を前記支持柱に沿って下降させる昇降装置と、を備え、
    当該昇降装置は、前記支持柱の上端に取り付けられて略水平に延びてかつ両端側に回転自在に設けられた一対の滑車を有する反力部材と、当該反力部材の滑車に巻かれて一端側が前記仮設屋根に連結された吊り材と、前記仮設屋根に設けられて前記吊り材の他端側に設けられた昇降ジャッキと、を備え、
    前記反力部材は、前記支持柱の上端に被せられて上端が塞がれた矩形筒状のボックス部材と、当該ボックス部材の上に設けられて略水平に延びる反力梁と、前記ボックス部材の内壁面に設けられて前記支持柱の側面に当接可能な仮固定用のエアジャッキと、前記ボックス部材の側面に設けられた巻き取りドラムと、を備えることを特徴とする構造物解体システム。
  2. 請求項1に記載の構造物解体システムを用いて構造物を解体する解体方法であって、
    当該構造物の所定の既存柱を支持柱とし、当該支持柱に仮支持させて前記構造物の所定階の上に前記仮設屋根を構築する第1工程と、
    少なくとも前記支持柱を残して前記所定階から1層分を解体する第2工程と、
    前記支持柱による前記仮設屋根の仮支持を解除し、前記仮設屋根を前記支持柱に沿って1層分下降させて、その後、前記仮設屋根を前記支持柱に再度仮支持させる第3工程と、
    前記反力部材を前記支持柱から取り外して、前記支持柱の上部を撤去し、その後、当該支持柱の頂部に前記反力部材を再度被せて、前記反力部材を前記支持柱に再度仮固定する第4工程と、
    前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程と、を備え、
    前記反力部材を前記支持柱の頂部に仮固定する際には、前記反力部材を前記支持柱の頂部に配置し、この状態で、前記巻き取りドラムからエアホースの先端を前記仮設屋根上に引き出してコンプレッサに接続し、当該コンプレッサから圧縮空気を前記エアジャッキに供給することで、前記反力部材を前記支持柱の頂部に仮固定し、その後、前記コンプレッサから前記エアホースを取り外して前記巻き取りドラムに収納することを特徴とする構造物解体方法。
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