JP6948815B2 - 放射線検出器 - Google Patents
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そのため、高い防湿性能を得られる構造として、シンチレータと反射層をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば(鍔)部をアレイ基板と接着する技術が提案されている。
そのため、接着層の厚みが不均一となるのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
前記凸部の前記表面部の中心側とは反対側の側部は、前記周面部と接続されている。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、保護層2f、反射層6、防湿体7、接着層8などを省いて描いている。
図2は、X線検出器1の模式断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図2においては、信号処理部3、画像伝送部4などを省いて描いている。
放射線検出器であるX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線検出器1は、例えば、一般医療用途などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療用途に限定されるわけではない。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
光電変換部2bは、基板2aの一方の表面に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈したものとすることができる。光電変換部2bは、平面視において、複数の制御ライン2c1と、複数のデータライン2c2と、により画された複数の領域のそれぞれに設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。光電変換部2bは、対応する制御ライン2c1と対応するデータライン2c2とに電気的に接続されている。
なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
また、光電変換素子2b1において変換した電荷が供給される蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。なお、以下においては、一例として、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねる場合を例示する。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1への電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。
薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応する光電変換素子2b1と電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側は、対応する図示しないバイアスラインと電気的に接続される。なお、バイアスラインが設けられない場合には、光電変換素子2b1のアノード側はバイアスラインに代えてグランドに電気的に接続される。
1つの制御ライン2c1は、アレイ基板2の周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた制御回路と電気的に接続されている。
1つのデータライン2c2は、アレイ基板2の周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた信号検出回路と電気的に接続されている。
第1層2f1および第2層2f2は、絶縁性材料から形成することができる。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料などとすることができる。
信号処理部3には、制御回路と、信号検出回路とが設けられている。
制御回路は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。
制御回路には、画像処理部4などから制御信号S1が入力される。制御回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。
例えば、制御回路は、フレキシブルプリント基板2e1と制御ライン2c1とを介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1からの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
選択回路は、読み出しを行う積分アンプを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出す。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理部4に入力される。
画像処理部4は、デジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいてX線画像を構成する。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5とすることができる。この場合、柱状結晶の太さ寸法は、最表面で3μm〜8μm程度とすることができる。シンチレータ5の厚み寸法は、例えば、600μm程度とすることができる。
反射層6は、シンチレータ5のX線の入射側を覆っている。反射層6は、少なくともシンチレータ5の上面5aに設けることができる。なお、反射層6は、シンチレータ5の側面5bにも設けることができる。
また、反射層6は、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ5上に成膜することで形成することもできる。
また、反射層6は、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる板を用いて形成することもできる。
また、反射層6は、光散乱性粒子を含む樹脂シートを用いて形成することもできる。
反射層6の厚みは、X線の透過性や、蛍光の反射率などに応じて適宜設定することができる。例えば、反射層6が、酸化チタン(TiO2)などからなる光散乱性粒子と樹脂とを含む樹脂層である場合には、反射層6の厚みは、100μm程度とすることができる。 なお、反射層6は、必ずしも必要ではなく、X線検出器1に求められる解像度などの特性に応じて設けるようにすればよい。以下においては、一例として、反射層6が設けられる場合を例示する。
図3(a)は、防湿体7の模式正面図である。
図3(b)は、防湿体7の模式側面図である。
図3(a)、(b)に示すように、防湿体7は、ハット形状を呈し、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dを有する。
防湿体7は、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dが一体成形されたものとすることができる。
例えば、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dは、アルミニウム、アルミニウム合金、樹脂層と無機材料(アルミニウムなどの軽金属、SiO2、SiON、Al2O3などのセラミック系材料)の層が積層された低透湿防湿材料などから形成することができる。例えば、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dは、厚み寸法が50μm〜100μm程度のアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。
周面部7bは、表面部7aの周縁を囲むように設けられている。周面部7bは、表面部7aの周縁からアレイ基板2側に向けて延びている。周面部7bは、表面部7aの周縁に設けられシンチレータ5の側面5bと対峙している。
また、防湿体7をアレイ基板2に接着する際に、表面部7aおよび周面部7bからなる立体形状を利用して位置決めを行うことができる。そのため、防湿体7をアレイ基板2の表面に接着する際の作業性や接着精度を向上させることができる。
図3(a)に示すように、凸部7dの平面形状は、四角形の枠状とすることができる。この場合、四隅に丸みを設けることができる。
図4(b)は、他の実施形態に係る凸部7dの模式側面図である。
図4(a)、(b)に示すように、凸部7dは、複数設けることができる。凸部7dの平面形状は、線状とすることができる。複数の凸部7dは、表面部7aの周縁に沿って設けることができる。複数の凸部7dは、平面形状が四角形の表面部7aの各辺毎に設けることができる。凸部7dは、表面部7aの辺に沿って設けることができる。また、表面部7aの各角の近傍には凸部7dを設けないようにすることができる。この様にすれば、凸部7dの形成が容易となる。
図5(a)、(b)は、比較例に係る防湿体70の接着を例示するための模式断面図である。
なお、図5(a)、(b)は、凸部7dが設けられない場合である。
次に、図5(a)に示すように、大気圧よりも減圧された環境において、シンチレータ5に防湿体70を被せる。続いて、つば部7cとアレイ基板2を接着剤18を介して圧着する。この際、接着剤18の厚み寸法が所定の範囲内となるようにする。
すると、大気圧により防湿体70が押圧されて、表面部7aおよび周面部7bと、反射層6とが接触する。この場合、つば部7cは接着剤18を介してアレイ基板2と接合されているため、周面部7bの表面部7a側は、周面部7bのつば部7c側よりも変形しやすくなる。そのため、周面部7bの表面部7a側が反射層6と接触するように変形する。その結果、つば部7cの先端側が持ち上がるとともに、つば部7cのシンチレータ5側がアレイ基板2に近づくようになる。
接着層8の厚みが不均一になると、厚みが薄くなった部分(例えば、つば部7cと周面部7bとの接続部分の下方)においてつば部7cと、制御ライン2c1およびデータライン2c2との間の絶縁性が低下するおそれがある。
また、つば部7cの下方において、接着層8の幅が短くなる部分が生じるおそれもある。
接着層8の厚みが不均一となったり、接着層8の幅が短くなったりした場合には、つば部7cとアレイ基板2との間の密着力(接着力)を安定させることが難しくなったり、水蒸気が接着層8を透過しやすくなったりするおそれがある。そのため、接着層8の信頼性が低下するおそれがある。
なお、図6(a)、(b)は、凸部7dが設けられる場合である。
まず、つば部7cに接着剤18を塗布する。
次に、図6(a)に示すように、大気圧よりも減圧された環境において、シンチレータ5に防湿体7を被せる。続いて、つば部7cとアレイ基板2を接着剤18を介して圧着する。この際、接着剤18の厚み寸法が所定の範囲内となるようにする。
すると、大気圧により防湿体7が押圧されて、表面部7aおよび周面部7bと、反射層6とが接触する。この場合、図5(b)に例示をした防湿体70と同様に、周面部7bの表面部7a側が反射層6と接触するように変形する。
そのため、つば部7cのシンチレータ5側が押し下げられるのを抑制することができる。また、つば部7cの先端側が持ち上がるのを抑制することもできる。すなわち、つば部7cの変形を抑制することができる。
つば部7cの変形を抑制することができれば、接着層8の厚みが不均一となるのを抑制することができる。
Claims (5)
- 基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、
前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
前記シンチレータの上面に対峙する表面部と、前記表面部の周縁に設けられ前記シンチレータの側面に対峙する周面部と、前記周面部の前記表面部側とは反対側の端部に設けられ前記アレイ基板に対峙する枠状のつば部と、前記表面部から前記シンチレータ側とは反対側に突出する凸部と、を有する防湿体と、
前記つば部と前記アレイ基板との間に設けられた接着層と、
を備え、
前記凸部の前記表面部の中心側とは反対側の側部は、前記周面部と接続されている放射線検出器。 - 前記凸部の平面形状は、枠状である請求項1記載の放射線検出器。
- 前記凸部は複数設けられ、前記複数の凸部は前記表面部の周縁に沿って設けられている請求項1記載の放射線検出器。
- 前記表面部は板状を呈し、
前記凸部の前記シンチレータ側とは反対側の面は、前記表面部の前記シンチレータ側とは反対側の面から前記シンチレータ側とは反対側に突出し、
前記凸部の前記シンチレータ側の面は、前記表面部の前記シンチレータ側の面から前記シンチレータ側とは反対側に突出し、
前記凸部の前記表面部の中心側の側部は、前記表面部と接続されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出器。 - 前記防湿体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出器。
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