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JP6948815B2 - 放射線検出器 - Google Patents

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JP6948815B2 JP2017073570A JP2017073570A JP6948815B2 JP 6948815 B2 JP6948815 B2 JP 6948815B2 JP 2017073570 A JP2017073570 A JP 2017073570A JP 2017073570 A JP2017073570 A JP 2017073570A JP 6948815 B2 JP6948815 B2 JP 6948815B2
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Description

本発明の実施形態は、放射線検出器に関する。
放射線検出器の一例にX線検出器がある。X線検出器には、X線を可視光すなわち蛍光に変換するシンチレータと、蛍光を信号電荷に変換する光電変換部を有するアレイ基板とが設けられている。また、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために、シンチレータの上に反射層をさらに設ける場合もある。
ここで、水蒸気などに起因する解像度特性の劣化を抑制するために、シンチレータと反射層は、外部雰囲気から隔離する必要がある。特に、シンチレータが、CsI(ヨウ化セシウム):Tl(タリウム)やCsI:Na(ナトリウム)などからなる場合には、湿度などによる解像度特性の劣化が大きくなるおそれがある。
そのため、高い防湿性能を得られる構造として、シンチレータと反射層をハット形状の防湿体で覆い、防湿体のつば(鍔)部をアレイ基板と接着する技術が提案されている。
また、大気圧よりも減圧された環境において、防湿体のつば部をアレイ基板に接着する技術が提案されている。この様にすれば、ハット形状の防湿体の内側にある水蒸気を含む空気を除去することができる。また、ハット形状の防湿体の内側の圧力を大気圧よりも低くすることができるので、航空機による輸送などのようにX線検出器が大気圧よりも減圧された環境に置かれた場合に防湿体に作用する力を低減させることができる。
この場合、大気圧よりも減圧された環境において接着剤の塗布と接着剤の硬化を行うと製造装置の構成が複雑となる。そのため、一般的には、大気圧の環境においてつば部またはアレイ基板に接着剤を塗布し、その後、大気圧よりも減圧された環境においてつば部とアレイ基板を接着剤を介して圧着し、続いて、大気圧の環境において接着剤を硬化させるようにしている。
ところが、大気圧の環境において接着剤を硬化させると、大気圧によりハット形状の防湿体が変形し、つば部の先端側が持ち上がる場合がある。つば部の先端側が持ち上がると、つば部とアレイ基板との間に形成される接着層の厚みが不均一となる。接着層の厚みが不均一になると、厚みが薄くなった部分を支点として、つば部を持ち上げる方向に力が加わりやすくなり、接着層の剥がれが生じるおそれがある。また、接着層の幅が短い部分が生じ、接着強度が低下したり、水蒸気が接着層を透過しやすくなったりするおそれがある。
そのため、接着層の厚みが不均一となるのを抑制することができる技術の開発が望まれていた。
特開2012−37454号公報 特開2010−210580号公報
本発明が解決しようとする課題は、接着層の厚みが不均一となるのを抑制することができる放射線検出器を提供することである。
実施形態に係る放射線検出器は、基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、前記シンチレータの上面に対峙する表面部と、前記表面部の周縁に設けられ前記シンチレータの側面に対峙する周面部と、前記周面部の前記表面部側とは反対側の端部に設けられ前記アレイ基板に対峙する枠状のつば部と、前記表面部から前記シンチレータ側とは反対側に突出する凸部と、を有する防湿体と、前記つば部と前記アレイ基板との間に設けられた接着層と、を備えている。
前記凸部の前記表面部の中心側とは反対側の側部は、前記周面部と接続されている。
本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。 X線検出器1の模式断面図である。 (a)は防湿体7の模式正面図であり、(b)は防湿体7の模式側面図である。 (a)は他の実施形態に係る凸部7dの模式正面図であり、(b)は他の実施形態に係る凸部7dの模式側面図である。 (a)、(b)は、比較例に係る防湿体70の接着を例示するための模式断面図である。 (a)、(b)は、本実施の形態に係る防湿体7の接着を例示するための模式断面図である。
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
また、本発明の実施形態に係る放射線検出器は、X線のほかにもγ線などの各種放射線に適用させることができる。ここでは、一例として、放射線の中の代表的なものとしてX線に係る場合を例にとり説明をする。したがって、以下の実施形態の「X線」を「他の放射線」に置き換えることにより、他の放射線にも適用させることができる。
図1は、本実施の形態に係るX線検出器1を例示するための模式斜視図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図1においては、保護層2f、反射層6、防湿体7、接着層8などを省いて描いている。
図2は、X線検出器1の模式断面図である。
なお、煩雑となるのを避けるために、図2においては、信号処理部3、画像伝送部4などを省いて描いている。
放射線検出器であるX線検出器1は、放射線画像であるX線画像を検出するX線平面センサである。X線検出器1は、例えば、一般医療用途などに用いることができる。ただし、X線検出器1の用途は、一般医療用途に限定されるわけではない。
図1および図2に示すように、X線検出器1には、アレイ基板2、信号処理部3、画像伝送部4、シンチレータ5、反射層6、防湿体7、接着層8、および支持板9が設けられている。
アレイ基板2は、基板2a、光電変換部2b、制御ライン(又はゲートライン)2c1、データライン(又はシグナルライン)2c2、配線パッド2d1、配線パッド2d2および保護層2fを有する。
なお、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2の数などは例示をしたものに限定されるわけではない。
基板2aは、板状を呈し、無アルカリガラスなどの透光性材料から形成されている。
光電変換部2bは、基板2aの一方の表面に複数設けられている。
光電変換部2bは、矩形状を呈したものとすることができる。光電変換部2bは、平面視において、複数の制御ライン2c1と、複数のデータライン2c2と、により画された複数の領域のそれぞれに設けられている。複数の光電変換部2bは、マトリクス状に並べられている。光電変換部2bは、対応する制御ライン2c1と対応するデータライン2c2とに電気的に接続されている。
なお、1つの光電変換部2bは、X線画像の1つの画素(pixel)に対応する。
複数の光電変換部2bのそれぞれには、光電変換素子2b1と、スイッチング素子である薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)2b2が設けられている。
また、光電変換素子2b1において変換した電荷が供給される蓄積キャパシタを設けることができる。蓄積キャパシタは、例えば、矩形平板状を呈し、薄膜トランジスタ2b2の下に設けることができる。ただし、光電変換素子2b1の容量によっては、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねることができる。なお、以下においては、一例として、光電変換素子2b1が蓄積キャパシタを兼ねる場合を例示する。
光電変換素子2b1は、例えば、フォトダイオードなどとすることができる。
薄膜トランジスタ2b2は、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1への電荷の蓄積および放出のスイッチングを行う。
薄膜トランジスタ2b2は、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有している。薄膜トランジスタ2b2のゲート電極は、対応する制御ライン2c1と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のソース電極は、対応するデータライン2c2と電気的に接続される。薄膜トランジスタ2b2のドレイン電極は、対応する光電変換素子2b1と電気的に接続される。また、光電変換素子2b1のアノード側は、対応する図示しないバイアスラインと電気的に接続される。なお、バイアスラインが設けられない場合には、光電変換素子2b1のアノード側はバイアスラインに代えてグランドに電気的に接続される。
制御ライン2c1は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。制御ライン2c1は、例えば、行方向に延びている。
1つの制御ライン2c1は、アレイ基板2の周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d1のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d1には、フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e1に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた制御回路と電気的に接続されている。
データライン2c2は、所定の間隔をあけて互いに平行に複数設けられている。データライン2c2は、例えば、行方向に直交する列方向に延びている。
1つのデータライン2c2は、アレイ基板2の周縁近傍に設けられた複数の配線パッド2d2のうちの1つと電気的に接続されている。1つの配線パッド2d2には、フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線のうちの1つが電気的に接続されている。フレキシブルプリント基板2e2に設けられた複数の配線の他端は、信号処理部3に設けられた信号検出回路と電気的に接続されている。
保護層2fは、第1層2f1および第2層2f2を有する。第1層2f1は、光電変換部2b、制御ライン2c1、およびデータライン2c2を覆うように設けられている。第2層2f2は、第1層2f1の上に設けられている。
第1層2f1および第2層2f2は、絶縁性材料から形成することができる。絶縁性材料は、例えば、酸化物絶縁材料、窒化物絶縁材料、酸窒化物絶縁材料、および樹脂材料などとすることができる。
信号処理部3は、支持板9を挟んでアレイ基板2と対峙させて設けられている。
信号処理部3には、制御回路と、信号検出回路とが設けられている。
制御回路は、薄膜トランジスタ2b2のオン状態とオフ状態を切り替える。
制御回路には、画像処理部4などから制御信号S1が入力される。制御回路は、X線画像の走査方向に従って、制御ライン2c1に制御信号S1を入力する。
例えば、制御回路は、フレキシブルプリント基板2e1と制御ライン2c1とを介して、制御信号S1を各制御ライン2c1毎に順次入力する。制御ライン2c1に入力された制御信号S1により薄膜トランジスタ2b2がオン状態となり、蓄積キャパシタの役割をはたす光電変換素子2b1からの電荷(画像データ信号S2)が受信できるようになる。
信号検出回路は、複数の積分アンプ、選択回路、およびADコンバータなどを有する。 1つの積分アンプは、1つのデータライン2c2と電気的に接続されている。積分アンプは、光電変換部2bからの画像データ信号S2を順次受信する。そして、積分アンプは、一定時間内に流れる電流を積分し、その積分値に対応した電圧を選択回路へ出力する。この様にすれば、所定の時間内にデータライン2c2を流れる電流の値(電荷量)を電圧値に変換することが可能となる。すなわち、積分アンプは、シンチレータ5において発生した蛍光の強弱分布に対応した画像データ情報を、電位情報へと変換する。
選択回路は、読み出しを行う積分アンプを選択し、電位情報へと変換された画像データ信号S2を順次読み出す。
ADコンバータは、読み出された画像データ信号S2をデジタル信号に順次変換する。デジタル信号に変換された画像データ信号S2は、画像処理部4に入力される。
画像伝送部4は、配線4aを介して、信号処理部3の信号検出回路と電気的に接続されている。なお、画像伝送部4は、信号処理部3と一体化されていてもよい。
画像処理部4は、デジタル信号に変換された画像データ信号S2に基づいてX線画像を構成する。
シンチレータ5は、複数の光電変換部2bの上に設けられ、入射するX線を可視光すなわち蛍光に変換する。シンチレータ5は、有効画素領域(基板2a上の複数の光電変換部2bが設けられた領域)Aを覆うように設けられている。
シンチレータ5は、例えば、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)、あるいは臭化セシウム(CsBr):ユーロピウム(Eu)などを用いて形成することができる。シンチレータ5は、真空蒸着法を用いて形成することができる。真空蒸着法を用いてシンチレータ5を形成すれば、複数の柱状結晶の集合体からなるシンチレータ5とすることができる。この場合、柱状結晶の太さ寸法は、最表面で3μm〜8μm程度とすることができる。シンチレータ5の厚み寸法は、例えば、600μm程度とすることができる。
また、シンチレータ5は、例えば、テルビウム賦活硫酸化ガドリニウム(GdS/Tb、又はGOS)などを用いて形成することもできる。この場合、例えば、以下のようにしてシンチレータ5を形成することができる。まず、テルビウム賦活硫酸化ガドリニウムからなる粒子をバインダ材と混合する。次に、有効画素領域Aを覆うように混合された材料を塗布する。次に、塗布された材料を焼成する。次に、ブレードダイシング法などを用いて、焼成された材料に溝部を形成する。この際、複数の光電変換部2bごとに四角柱状のシンチレータ5が設けられるように、マトリクス状の溝部を形成することができる。
反射層6は、蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するために設けられている。すなわち、反射層6は、シンチレータ5において生じた蛍光のうち、光電変換部2bが設けられた側とは反対側に向かう光を反射させて、光電変換部2bに向かうようにする。
反射層6は、シンチレータ5のX線の入射側を覆っている。反射層6は、少なくともシンチレータ5の上面5aに設けることができる。なお、反射層6は、シンチレータ5の側面5bにも設けることができる。
反射層6は、例えば、酸化チタン(TiO)などからなる光散乱性粒子と、樹脂と、溶媒とを混合した材料をシンチレータ5上に塗布し、これを乾燥することで形成することができる。
また、反射層6は、例えば、銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる層をシンチレータ5上に成膜することで形成することもできる。
また、反射層6は、例えば、表面が銀合金やアルミニウムなどの光反射率の高い金属からなる板を用いて形成することもできる。
また、反射層6は、光散乱性粒子を含む樹脂シートを用いて形成することもできる。
反射層6の厚みは、X線の透過性や、蛍光の反射率などに応じて適宜設定することができる。例えば、反射層6が、酸化チタン(TiO)などからなる光散乱性粒子と樹脂とを含む樹脂層である場合には、反射層6の厚みは、100μm程度とすることができる。 なお、反射層6は、必ずしも必要ではなく、X線検出器1に求められる解像度などの特性に応じて設けるようにすればよい。以下においては、一例として、反射層6が設けられる場合を例示する。
接着層8は、防湿体7のつば部7cとアレイ基板2との間に設けられている。接着層8は、防湿体7とアレイ基板2とを接着している。接着層8は、例えば、紫外線硬化型接着剤、遅延硬化型接着剤(紫外線照射後に一定の時間をおいて硬化反応が顕在化する紫外線硬化型接着剤)、自然(常温)硬化型接着剤、および加熱硬化型接着剤のいずれかが硬化することで形成されたものとすることができる。また、接着層8の透湿係数を低くするために、無機材料からなるフィラーが添加された接着剤を用いることができる。例えば、エポキシ系の接着剤にタルク(滑石:MgSi10(OH))からなるフィラーを70重量%以上添加すれば、接着層8の透湿係数を大幅に低減させることができる。
支持板9は、アレイ基板2と信号処理部3との間に設けられている。支持板9の一方の面にはアレイ基板2が設けられ、他方の面には信号処理部3が設けられている。支持板9は、鉛板などのX線を吸収する材料から形成されている。信号処理部3にはX線に対する耐性が低い制御回路と増幅・変換回路が設けられている。そのため、X線を吸収する支持板9を設けることで、制御回路と増幅・変換回路を保護するようにしている。支持板9は、X線検出器1を収納する図示しない筐体の内部に保持されている。
防湿体7は、空気中に含まれる水蒸気により、反射層6の特性やシンチレータ5の特性が劣化するのを抑制するために設けられている。
図3(a)は、防湿体7の模式正面図である。
図3(b)は、防湿体7の模式側面図である。
図3(a)、(b)に示すように、防湿体7は、ハット形状を呈し、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dを有する。
防湿体7は、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dが一体成形されたものとすることができる。
防湿体7は、透湿係数の小さい材料から形成することができる。
例えば、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dは、アルミニウム、アルミニウム合金、樹脂層と無機材料(アルミニウムなどの軽金属、SiO、SiON、Alなどのセラミック系材料)の層が積層された低透湿防湿材料などから形成することができる。例えば、表面部7a、周面部7b、つば部7c、および凸部7dは、厚み寸法が50μm〜100μm程度のアルミニウム箔をプレス成形して形成することができる。
表面部7aは、板状を呈し、シンチレータ5の上面5aと対峙している。
周面部7bは、表面部7aの周縁を囲むように設けられている。周面部7bは、表面部7aの周縁からアレイ基板2側に向けて延びている。周面部7bは、表面部7aの周縁に設けられシンチレータ5の側面5bと対峙している。
つば部7cは、周面部7bの、表面部7a側とは反対側の端部を囲むように設けられている。つば部7cは、周面部7bの端部から外側に向けて延びている。つば部7cの平面形状は、枠状となっている。つば部7cは、周面部7bの表面部7a側とは反対側の端部に設けられアレイ基板2と対峙している。
ハット形状の防湿体7とすれば、剛性を高めることができる。
また、防湿体7をアレイ基板2に接着する際に、表面部7aおよび周面部7bからなる立体形状を利用して位置決めを行うことができる。そのため、防湿体7をアレイ基板2の表面に接着する際の作業性や接着精度を向上させることができる。
凸部7dは、表面部7aの周縁領域に設けられている。凸部7dは、表面部7aからシンチレータ5側とは反対側に突出している。図2に示すように、凸部7dのシンチレータ5側とは反対側の面(X線が入射する側の面)7d1は、表面部7aのシンチレータ5側とは反対側の面からシンチレータ5側とは反対側に突出している。また、凸部7dのシンチレータ5側の面7d2は、表面部7aのシンチレータ5側の面からシンチレータ5側とは反対側に突出している。凸部7dの肉厚は、表面部7aの肉厚とほぼ同じとなっている。すなわち、凸部7dは、表面部7aのシンチレータ5側とは反対側の面の一部が凸状に形成され、凸状に形成された部分において、表面部7aのシンチレータ5側の面が凹状に形成されたものである。凸部7dの幅W、凸部7dの高さH、および凸部7dの断面形状には特に限定がなく、後述する凸部7dの変形を考慮して適宜設定することができる。例えば、防湿体7が100μmのアルミニウム箔から形成される場合には、凸部7dの幅Wは1.4mm程度、凸部7dの高さHは0.3mm程度とすることができる。また、凸部7dの断面の外形形状は、略台形などとすることができる。
図2に示すように、凸部7dの外側(表面部7aの中心側とは反対側)の側部7d3は、周面部7bと接続されている。凸部7dの内側(表面部7aの中心側)の側部7d4は、表面部7aと接続されている。
図3(a)に示すように、凸部7dの平面形状は、四角形の枠状とすることができる。この場合、四隅に丸みを設けることができる。
図4(a)は、他の実施形態に係る凸部7dの模式正面図である。
図4(b)は、他の実施形態に係る凸部7dの模式側面図である。
図4(a)、(b)に示すように、凸部7dは、複数設けることができる。凸部7dの平面形状は、線状とすることができる。複数の凸部7dは、表面部7aの周縁に沿って設けることができる。複数の凸部7dは、平面形状が四角形の表面部7aの各辺毎に設けることができる。凸部7dは、表面部7aの辺に沿って設けることができる。また、表面部7aの各角の近傍には凸部7dを設けないようにすることができる。この様にすれば、凸部7dの形成が容易となる。
また、図2に示すように、平面視において、凸部7dは、有効画素領域Aの外側に設けることができる。凸部7dが有効画素領域Aの外側に設けられていれば、側部7d3、7d4がX線画像の画質に影響を与えるのを抑制することができる。
次に、凸部7dの作用についてさらに説明する。
図5(a)、(b)は、比較例に係る防湿体70の接着を例示するための模式断面図である。
なお、図5(a)、(b)は、凸部7dが設けられない場合である。
まず、つば部7cに接着剤18を塗布する。
次に、図5(a)に示すように、大気圧よりも減圧された環境において、シンチレータ5に防湿体70を被せる。続いて、つば部7cとアレイ基板2を接着剤18を介して圧着する。この際、接着剤18の厚み寸法が所定の範囲内となるようにする。
次に、図5(b)に示すように、大気圧の環境において、接着剤18を硬化させて、防湿体70をアレイ基板2に接着する。
すると、大気圧により防湿体70が押圧されて、表面部7aおよび周面部7bと、反射層6とが接触する。この場合、つば部7cは接着剤18を介してアレイ基板2と接合されているため、周面部7bの表面部7a側は、周面部7bのつば部7c側よりも変形しやすくなる。そのため、周面部7bの表面部7a側が反射層6と接触するように変形する。その結果、つば部7cの先端側が持ち上がるとともに、つば部7cのシンチレータ5側がアレイ基板2に近づくようになる。
つば部7cがこの様に変形すると、つば部7cとアレイ基板2との間に形成される接着層8の厚みが不均一となる。
接着層8の厚みが不均一になると、厚みが薄くなった部分(例えば、つば部7cと周面部7bとの接続部分の下方)においてつば部7cと、制御ライン2c1およびデータライン2c2との間の絶縁性が低下するおそれがある。
また、厚みが薄くなった部分を支点として、つば部7cを持ち上げる方向に力が加わりやすくなり、接着層8の剥がれが生じるおそれもある。
また、つば部7cの下方において、接着層8の幅が短くなる部分が生じるおそれもある。
接着層8の厚みが不均一となったり、接着層8の幅が短くなったりした場合には、つば部7cとアレイ基板2との間の密着力(接着力)を安定させることが難しくなったり、水蒸気が接着層8を透過しやすくなったりするおそれがある。そのため、接着層8の信頼性が低下するおそれがある。
図6(a)、(b)は、本実施の形態に係る防湿体7の接着を例示するための模式断面図である。
なお、図6(a)、(b)は、凸部7dが設けられる場合である。
まず、つば部7cに接着剤18を塗布する。
次に、図6(a)に示すように、大気圧よりも減圧された環境において、シンチレータ5に防湿体7を被せる。続いて、つば部7cとアレイ基板2を接着剤18を介して圧着する。この際、接着剤18の厚み寸法が所定の範囲内となるようにする。
次に、図6(b)に示すように、大気圧の環境において、接着剤18を硬化させて、防湿体7をアレイ基板2に接着する。
すると、大気圧により防湿体7が押圧されて、表面部7aおよび周面部7bと、反射層6とが接触する。この場合、図5(b)に例示をした防湿体70と同様に、周面部7bの表面部7a側が反射層6と接触するように変形する。
本実施の形態においては、凸部7dの外側の側部7d3が周面部7bと接続されているので、周面部7bの表面部7a側が反射層6と接触するように変形した際に、凸部7dが引っ張られるように変形する。凸部7dが変形すれば、周面部7bの変形に伴う寸法の変化を吸収することができる。
そのため、つば部7cのシンチレータ5側が押し下げられるのを抑制することができる。また、つば部7cの先端側が持ち上がるのを抑制することもできる。すなわち、つば部7cの変形を抑制することができる。
つば部7cの変形を抑制することができれば、接着層8の厚みが不均一となるのを抑制することができる。
接着層8の厚みが不均一となるのを抑制することができれば、つば部7cを持ち上げる方向に力が加わり難くなるので、接着層8が剥がれ難くなる。また、つば部7cの下方において接着層8の幅が短くなるのを抑制することができる。
接着層8の厚みが不均一となるのを抑制することができたり、接着層8の幅が短くなるのを抑制することができたりすれば、つば部7cとアレイ基板2との間の密着力(接着力)を安定させることができる。また、水蒸気が接着層8を透過するのを抑制することができる。そのため、接着層8の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
1 X線検出器、2 アレイ基板、2a 基板、2b 光電変換部、2b1 光電変換素子、3 信号処理部、4 画像伝送部、5 シンチレータ、5a 上面、5b 側面、6 反射層、7 防湿体、7a 表面部、7b 周面部、7c つば部、7d 凸部、7d1 面、7d2 面、7d3 側部、7d4 側部、8 接着層、18 接着剤

Claims (5)

  1. 基板と、前記基板の一方の面側に設けられた複数の光電変換部と、を有するアレイ基板と、
    前記複数の光電変換部の上に設けられ、放射線を蛍光に変換するシンチレータと、
    前記シンチレータの上面に対峙する表面部と、前記表面部の周縁に設けられ前記シンチレータの側面に対峙する周面部と、前記周面部の前記表面部側とは反対側の端部に設けられ前記アレイ基板に対峙する枠状のつば部と、前記表面部から前記シンチレータ側とは反対側に突出する凸部と、を有する防湿体と、
    前記つば部と前記アレイ基板との間に設けられた接着層と、
    を備え、
    前記凸部の前記表面部の中心側とは反対側の側部は、前記周面部と接続されている放射線検出器。
  2. 前記凸部の平面形状は、枠状である請求項1記載の放射線検出器。
  3. 前記凸部は複数設けられ、前記複数の凸部は前記表面部の周縁に沿って設けられている請求項1記載の放射線検出器。
  4. 前記表面部は板状を呈し、
    前記凸部の前記シンチレータ側とは反対側の面は、前記表面部の前記シンチレータ側とは反対側の面から前記シンチレータ側とは反対側に突出し、
    前記凸部の前記シンチレータ側の面は、前記表面部の前記シンチレータ側の面から前記シンチレータ側とは反対側に突出し、
    前記凸部の前記表面部の中心側の側部は、前記表面部と接続されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の放射線検出器。
  5. 前記防湿体は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線検出器。

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