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JP2014059246A - 放射線検出器およびその製造方法 - Google Patents

放射線検出器およびその製造方法 Download PDF

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勇一 榛葉
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Abstract

【課題】アレイ基板に防湿体を接着する構造を持つ放射線検出器の接着品位を高める。
【解決手段】放射線検出器は、ガラス基板上の有効画素領域に二次元配列された光電変換素子と、有効画素領域の外側のタブパッドと、タブパッドまで延びる複数の配線29と、配線を保護する保護膜とが設けられたアレイ基板と、アレイ基板の有効画素領域を覆い放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、シンチレータ層を覆う金属の成形体であってアレイ基板のシンチレータ層を囲む部分に対向する接着面を備えた防湿体と、接着面と前記アレイ基板との間に介在して接着面とアレイ基板を接着させる紫外線硬化性の接着剤層と、を具備する。接着剤層で覆われる部分での配線29の幅の隣り合う配線29の間の幅に対する比は、1以下である。
【選択図】図10

Description

実施形態は、概して、放射線検出器およびその製造方法に関する。
新世代のX線診断用検出器として、アクティブマトリクスを用いた平面型のX線検出器が開発されている。このX線検出器は、照射されたX線を検出してX線撮影像あるいはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。このX線検出器では、X線をシンチレータ層により可視光すなわち蛍光に変換させ、この蛍光をアモルファスシリコン(a−Si)フォトダイオードあるいはCCD(Charge Coupled Device)などの光電変換素子で信号電荷に変換することで画像を取得している。
シンチレータ層の材料としては、一般的にヨウ化セシウム(CsI):ナトリウム(Na)、ヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、ヨウ化ナトリウム(NaI)、あるいは酸硫化ガドリニウム(GdS)などが用いられる。シンチレータ層は、ダイシングなどにより溝を形成したり、柱状構造が形成されるように蒸着法で堆積したりすることで、解像度特性を向上させることができる。シンチレータの材料としては、上述の通り種々のものがあり、用途や必要な特性によって使い分けられる。
蛍光の利用効率を高めて感度特性を改善するため、シンチレータ層の上部に反射膜を形成する場合がある。この場合、シンチレータ層で発光した蛍光のうち光電変換素子側に対して反対側に向かう蛍光を反射膜で反射させて、光電変換素子側に到達する蛍光を増大させる。
反射膜は、銀合金やアルミニウムなど蛍光反射率の高い金属層をシンチレータ層上に成膜する方法や、TiO2などの光散乱性物質とバインダ樹脂とから成る光散乱反射性の反射膜を塗布形成する方法などで形成される。また、反射膜をシンチレータ層上に形成するのではなく、アルミなどの金属表面を持つ反射板をシンチレータ層に密着させてシンチレータ光を反射させる方式も実用化されている。
シンチレータ層や反射膜あるいは反射板などを外部雰囲気から保護して湿気などによる特性の劣化を抑えるための防湿構造は、検出器を実用的な製品とする上で重要な構成要素となる。特に湿気による劣化の大きい材料であるCsI:Tl膜やCsI:Na膜をシンチレータ層とする場合には高い防湿性能が要求される。防湿構造としては、たとえばアルミニウム箔などの防湿層を周辺部で基板と接着封止して防湿性能を保つ構造や、アルミニウム箔や薄板などの防湿層と基板とを周囲のリング状構造物を介して接着封止する構造などがある。
特開2009−128023号 特開平5−242841号公報
しかし、アレイ基板裏面から紫外線を照射して、ハット状防湿層を紫外線硬化型接着剤で接着封止する場合、アレイ基板引き出し部の金属配線で紫外線が遮断されてしまうため、接着剤の硬化反応が進行せず、接着不良および接着力低下による防湿信頼性の低下を引き起こす可能性がある。
そこで、実施形態は、アレイ基板に防湿体を接着する構造を持つ放射線検出器の接着品位を高めることを目的とする。
上述の目的を達成するため、実施形態による放射線検出器は、紫外線透過性の基板と、その基板上の有効画素領域に二次元配列された光電変換素子と、前記有効画素領域の外側のタブパッドと、前記有効画素領域から前記タブパッドまで延びる複数の配線と、前記配線を保護する保護膜とが設けられたアレイ基板と、前記アレイ基板の前記有効画素領域を覆い放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、前記シンチレータ層を覆う金属の成形体であって前記アレイ基板の前記シンチレータ層を囲む部分に対向する接着面を備えた防湿体と、前記接着面と前記アレイ基板との間に介在して前記接着面と前記アレイ基板を接着させる紫外線硬化性の接着剤層と、を具備し、前記接着剤層で覆われる部分での前記配線の幅の隣り合う前記配線の間の幅に対する比が1以下であることを特徴とする。
また、実施形態による放射線検出器の製造方法は、紫外線透過性の基板上に、有効画素領域に二次元配列された光電変換素子と、前記有効画素領域の外側のタブパッドと、前記有効画素領域から前記タブパッドまで延びる複数の配線と前記配線を保護する保護膜とを設けてアレイ基板を形成するアレイ基板形成工程と、前記アレイ基板の前記有効画素領域を覆い放射線を蛍光に変換するシンチレータ層を形成するシンチレータ層形成工程と、前記シンチレータ層を覆う金属の成形体であって前記アレイ基板の前記シンチレータ層を囲む部分に対向する接着面を備えた防湿体を形成する防湿体成形工程と、前記接着面に紫外線硬化性の接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記接着剤塗布工程の後に、減圧雰囲気下で前記接着面を前記アレイ基板に押し付けて、前記アレイ基板の接着剤に対して反対側の面から紫外線を照射する接着工程と、を具備し、前記接着剤層で覆われる部分での前記配線の幅の隣り合う前記配線の間の幅に対する比が1以下であることを特徴とする。
一実施形態による放射線検出装置の模式的斜視図である。 一実施形態による放射線検出器の回路図である。 一実施形態による放射線検出装置のブロック図である。 一実施形態による放射線検出器の一部拡大断面図である。 一実施形態による放射線検出器の上面図である。 一実施形態による放射線検出器の側面図である。 一実施形態によるアレイ基板の上面図である。 一実施形態による防湿体の鍔部近傍の拡大断面図である。 図8のIX−IX矢視部分拡大断面図である。 一実施形態によるアレイ基板の配線間隔を示す上面図である。 他の例によるアレイ基板の配線間隔を示す上面図である。
以下、一実施形態による放射線検出器を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、この実施の形態は単なる例示であり、本発明はこれに限定されない。
図1は、一実施形態による放射線検出装置の模式的斜視図である。
本実施形態の放射線検出器11は、放射線像であるX線画像を検出するX線平面センサであり、たとえば一般医療用途などに用いられる。放射線検出装置10は、この放射線検出器11と、支持板31と、回路基板30と、フレキシブル基板32とを有している。放射線検出器11は、アレイ基板12とシンチレータ層13とを有している。放射線検出器11は、入射したX線を検出して蛍光に変換し、その蛍光を電気信号に変換する。放射線検出装置10は、放射線検出器11を駆動し、放射線検出器11から出力された電気信号を画像情報として出力する。放射線検出装置10が出力した画像情報は、外部のディスプレイなどに表示される。
アレイ基板12は、ガラス基板16を有している。ガラス基板16の表面には、複数の微細な画素20が正方格子状に配列されている。それぞれの画素20は、薄膜トランジスタ22とフォトダイオード21とを有している。また、ガラス基板16の表面には、画素20が配列された正方格子の行と同数のゲートライン18が各画素20の間を延びている。さらに、ガラス基板16の表面には、画素20が配列された正方格子の列の数と同数のデータライン19が各画素20の間を延びている。シンチレータ層13は、アレイ基板12の画素20が配列された有効画素領域の表面に形成されている。
シンチレータ層13は、アレイ基板12の表面に設けられ、X線が入射すると可視光領域の蛍光を発生する。発生した蛍光は、アレイ基板12の表面に到達する。
シンチレータ層13は、たとえばヨウ化セシウム(CsI):タリウム(Tl)、あるいはヨウ化ナトリウム(NaI):タリウム(Tl)などを真空蒸着法で柱状構造に形成したものである。CsI:Tlの柱状構造結晶の柱(ピラー)の太さは、最表面でたとえば8〜12μm程度である。シンチレータ層13の膜厚は、たとえば約600μmである。あるいは、酸硫化ガドリニウム(GdS)蛍光体粒子をバインダ材と混合し、アレイ基板12上に塗布して焼成および硬化し、ダイサによりダイシングするなどで溝部を形成して四角柱状に形成してシンチレータ層13を形成してもよい。これらの柱間には、大気、あるいは酸化防止用の窒素(N)などの不活性ガスが封入され、あるいは真空状態としてもよい。
アレイ基板12は、シンチレータ層13で発生した蛍光を受光して電気信号を発生する。その結果、入射したX線によってシンチレータ層13で発生した可視光像は、電気信号で表現された画像情報に変換される。
放射線検出器11は、シンチレータ層13が形成された面の反対側の面と支持板31とが接触するように、支持板31に支持されている。回路基板30は、支持板31の放射線検出器11に対して反対側に配置されている。放射線検出器11と回路基板30との間は、フレキシブル基板32で電気的に接続されている。
図2は、本実施形態による放射線検出器の回路図である。
それぞれのフォトダイオード21は、スイッチング素子である薄膜トランジスタ22を介してゲートライン18およびデータライン19に接続されている。また、それぞれのフォトダイオード21には、蓄積キャパシタ27が並列に接続されている。なお、蓄積キャパシタ27は、フォトダイオード21の容量が兼ねる場合もあり、必ずしも必要ではない。
フォトダイオード21およびそれに並列に接続された蓄積キャパシタ27は、薄膜トランジスタ22を介してデータライン19に接続されている。薄膜トランジスタ22のゲート電極は、ゲートライン18に接続されている。
配列の同じ行に位置する画素20の薄膜トランジスタ22は、同一のゲートライン18に接続されている。配列の同じ列に位置する画素20の薄膜トランジスタ22は、同一のデータライン19に接続されている。
各薄膜トランジスタ22は、フォトダイオード21への蛍光の入射にて発生した電荷を蓄積および放出させるスイッチング機能を担う。薄膜トランジスタ22は、結晶性を有する半導体材料である非晶質半導体としてのアモルファスシリコン(a−Si)、あるいは多結晶半導体であるポリシリコン(P−Si)などの半導体材料にて少なくとも一部が構成されている。
なお、図1および図2において、画素は5行5列あるいは4行4列分しか記載していないが、実際にはもっと多く、解像度、撮像面積に応じて必要な画素が形成されている。
図3は、本実施形態による放射線検出装置のブロック図である。
放射線検出装置10は、放射線検出器11と、ゲートドライバー39と、行選択回路35と、積分アンプ33と、A/D変換器34と、並列/直列変換器38と、画像合成回路36とを有している。ゲートドライバー39は、放射線検出器11の各ゲートライン18に接続されている。ゲートドライバー39は、各薄膜トランジスタ22の動作状態、すなわちオンおよびオフを制御する。積分アンプ33は、放射線検出器11の各データライン19に接続されている。
行選択回路35は、ゲートドライバー39に接続されている。並列/直列変換器38は、積分アンプ33に接続されている。A/D変換器34は、並列/直列変換器38に接続されている。A/D変換器34は、画像合成回路36に接続されている。
積分アンプ33は、たとえば放射線検出器11と回路基板30とを接続するフレキシブル基板32上に設けられている。その他の素子は、たとえば回路基板30上に設けられている。
ゲートドライバー39は行選択回路35からの信号を受信して、ゲートライン18の電圧を順番に変更していく。行選択回路35は、X線画像を走査する所定の行を選択するための信号をゲートドライバー39へと送る。積分アンプ33は、放射線検出器11からデータライン19を通じて出力される極めて微小な電荷信号を増幅し出力する。
図4は、本実施形態による放射線検出器の一部拡大断面図である。
アレイ基板12の表面には、フォトダイオード21および薄膜トランジスタ22などの検出素子、並びに、ゲートライン18(図1参照)およびデータライン19(図1参照)などの金属配線を覆う絶縁性の保護膜28が形成されている。シンチレータ層13は、保護膜28の表面に、画素20が配列された有効画素領域を覆うように形成されている。
シンチレータ層13の表面には、反射膜14が設けられている。反射膜14は、シンチレータ層13で発生した蛍光のうちアレイ基板12から遠ざかっていくものをアレイ基板12側へ反射させる。これにより、フォトダイオード21に到達する蛍光量が増大する。
反射膜14は、銀合金やアルミニウムなど蛍光反射率の高い金属をシンチレータ層13上に成膜する方法で形成される。あるいは、アルミなどの金属表面を持つ反射板をシンチレータ層13に密着させたもの、TiOなどの光散乱性物質とバインダ樹脂とから成る拡散反射性の反射膜14を塗布形成してもよい。なお、反射膜14は、放射線検出器11に求められる解像度、輝度などの特性により、必ずしも必要ではない。
放射線検出器11には、シンチレータ層13および反射膜14を包囲するように、防湿体15が設けられている。
図5は、本実施形態による放射線検出器の上面図である。図6は、本実施形態による放射線検出器の側面図である。図7は、本実施形態によるアレイ基板の上面図である。なお、図7において、有効画素領域内部の詳細および保護膜28の図示は省略している。
防湿体15は、中央部が盛り上がったハット状に形成されている。防湿体15の周辺部分は、平坦な帯状の鍔部50となっている。鍔部50は、アレイ基板12の表面のシンチレータ層13が形成された有効画素領域60の外側を取り囲む帯状に形成される。鍔部50の内側には、平板状の天板部51が形成されている。鍔部50と天板部51との間には、斜面部52が形成されている。
鍔部50は、アレイ基板12と対向している。鍔部50とアレイ基板12との間は接着されている。アレイ基板12上に形成されたシンチレータ層13(図4参照)および反射膜14(図4参照)は、防湿体15の天板部51および斜面部52で覆われている。防湿体15は、シンチレータ層13および反射膜14を外気や湿度から保護し、特性劣化を抑制する。
防湿体15は、たとえば厚さ0.1mmのアルミニウム合金箔で形成されている。防湿体15は、A1N30−O材などのアルミニウム合金箔やアルミニウム箔で形成される。鍔部50の幅は、たとえば5mmである。防湿体15の材質は、AlやAl合金に限らず、他の金属材料を用いてもよい。ただし、AlあるいはAl合金箔材の場合には、金属材料としてはX線吸収係数が小さいため、防湿体15内でのX線吸収ロスを抑えることができる点でメリット大きく、ハット状に加工する場合にも加工性に優れている。
アレイ基板12には、ゲートライン18(図1参照)およびデータライン19(図1参照)のそれぞれの端部その他の端子が露出したタブパッド26が設けられている。タブパッド26には、有効画素領域から延びるゲートライン18およびデータライン19などの配線29が接続されている。配線29は、Alなどの低抵抗の金属材料で形成されている。タブパッド26は、アレイ基板12の辺に沿って配列されている。ゲートライン18につながるタブパッド26と、データライン19につながるタブパッド26は、異なる辺に沿って配列されている。
これらのタブパッド26は、異方性導電フィルム(ACF)を用いてフレキシブル基板32(図1参照)とTAB接続される。これにより、アレイ基板12が回路基板30(図1参照)と電気的に接続される。
図8は、本実施形態による防湿体の鍔部近傍の拡大断面図である。図9は、図8のIX−IX矢視部分拡大断面図である。
防湿体15の鍔部50とアレイ基板12との間には、接着剤層40が介在している。接着剤層40は、鍔部50に沿って、アレイ基板12の表面のシンチレータ層13が形成された領域の外側を取り囲む帯状に設けられている。したがって、鍔部50の少なくとも一部は、ゲートライン18(図1参照)あるいはデータライン19(図1参照)からアレイ基板12の外周に設けられたタブパッド26までの引き出し配線部を延びる配線29に保護膜28および接着剤層40を挟んで対向している。接着剤層40は、紫外線硬化型のエポキシ系の接着剤で形成されている。
防湿体15をアレイ基板12に接着する際には、防湿体15の鍔部50に接着剤をディスペンサーによって塗布した後、減圧雰囲気でシンチレータ層13および反射膜14が形成されたアレイ基板12の所定の位置に圧着する。防湿体15のアレイ基板12への接着を減圧雰囲気下にて行うことにより、飛行機輸送を想定した減圧下での機械的強度に優れた防湿構造を形成できる。
その後、アレイ基板12の背面側、すなわちガラス基板16の画素20が形成された側とは反対側の面側から紫外線70を照射する。この紫外線70は、ガラス基板16および保護膜28を透過し、接着剤に到達する。引き出し配線部のスペースを通して紫外線が接着剤に到達すると、接着剤の重合反応が開始し、架橋反応が進行することにより、接着剤が硬化する。これにより、防湿体15とアレイ基板12とを接着する接着剤層40が形成される。
アレイ基板12の背面側から紫外線照射する際、引き出し配線部の金属製の配線29が紫外線を遮断する。このため、引き出し配線部では紫外線が透過するためのスペース(配線間幅)が確保されている必要がある。そこで、本実施形態によれば引き出し配線部の金属製の配線29は、ライン(配線幅)/スペース(配線間幅)が1.0以下となるように設計されている。
図10は、本実施形態によるアレイ基板の配線間隔を示す上面図である。
引き出し配線部の金属配線はタブパッド26のピッチに合わせて配線が集まっていくため斜め配線が必要となり、スペース(配線間幅)が狭くなっていく傾向になる。図10の例では、斜め配線の角度が緩やかであるため、ライン(L)/スペース(S)=40μm/80μm=0.5となり、紫外線が透過する十分なスペースが確保される。なお、このときのピッチ(隣り合う配線29の中心間距離)は、120μmである。
図11は、本実施形態の他の例によるアレイ基板の配線間隔を示す上面図である。
この例は、有効画素領域60を広くとった狭額縁構造の場合であり、引き出し配線部では急峻な斜め配線となる。このような急峻な斜め配線となり、たとえばピッチが65μmである場合、配線幅を上述の例と同じ40μmとすると、配線29間のスペースが25μm、ライン/スペース=40/25=1.6となり、紫外線透過のスペースが十分ではない。そこで、この例では、配線幅を細くして25μmとし、また配線間幅(スペース)を狭めて40μmとして、ライン/スペース=0.625としている。
これらの例のように、ライン/スペースを1以下とすることにより、紫外線透過の十分なスペースを確保することができる。その結果、配線29の影となって紫外線が直接照射されない接着剤にも架橋反応が生じ、硬化する。
このように、本実施形態ではアレイ基板12の引き出し配線部とハット状の防湿体15の鍔部50を紫外線硬化型接着剤で接着封止する構造において、アレイ基板引き出し配線部のライン(配線幅)/スペース(配線間幅)を1.0以下として紫外線透過スペースを確保している。アレイ基板12の背面側から配線29の間のスペースを介して紫外線を接着部に到達させることができ、防湿体15を高い接着力で封止することができる。したがって、防湿体15の接着品位を向上させ、強度的に安定した高信頼性の防湿構造を提供できる。
[他の実施の形態]
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…放射線検出装置、11…放射線検出器、12…アレイ基板、13…シンチレータ層、14…反射膜、15…防湿体、16…ガラス基板、18…ゲートライン、19…データライン、20…画素、21…フォトダイオード、22…薄膜トランジスタ、26…タブパッド、27…蓄積キャパシタ、28…保護膜、29…配線、30…回路基板、31…支持板、32…フレキシブル基板、33…積分アンプ、34…A/D変換器、35…行選択回路、36…画像合成回路、38…並列/直列変換器、39…ゲートドライバー、40…接着剤層、50…鍔部、51…天板部、52…斜面部、60…有効画素領域、70…紫外線

Claims (3)

  1. 紫外線透過性の基板と、その基板上の有効画素領域に二次元配列された光電変換素子と、前記有効画素領域の外側のタブパッドと、前記有効画素領域から前記タブパッドまで延びる複数の配線と、前記配線を保護する保護膜とが設けられたアレイ基板と、
    前記アレイ基板の前記光電変換素子が配列された領域を覆い放射線を蛍光に変換するシンチレータ層と、
    前記シンチレータ層を覆う金属の成形体であって前記アレイ基板の前記シンチレータ層を囲む部分に対向する接着面を備えた防湿体と、
    前記接着面と前記アレイ基板との間に介在して前記接着面と前記アレイ基板を接着させる紫外線硬化性の接着剤層と、
    を具備し、
    前記接着剤層で覆われる部分での前記配線の幅の隣り合う前記配線の間の幅に対する比が1以下であることを特徴とする放射線検出器。
  2. 前記配線は紫外線を透過しない金属製であることを特徴とする請求項1に記載の放射線検出器。
  3. 紫外線透過性の基板上に、有効画素領域に二次元配列された光電変換素子と、前記有効画素領域の外側のタブパッドと、前記有効画素領域から前記タブパッドまで延びる複数の配線と前記配線を保護する保護膜とを設けてアレイ基板を形成するアレイ基板形成工程と、
    前記アレイ基板の前記光電変換素子が配列された領域を覆い放射線を蛍光に変換するシンチレータ層を形成するシンチレータ層形成工程と、
    前記シンチレータ層を覆う金属の成形体であって前記アレイ基板の前記シンチレータ層を囲む部分に対向する接着面を備えた防湿体を形成する防湿体成形工程と、
    前記接着面に紫外線硬化性の接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布工程の後に、減圧雰囲気下で前記接着面を前記アレイ基板に押し付けて、前記アレイ基板の接着剤に対して反対側の面から紫外線を照射する接着工程と、
    を具備し、
    前記接着剤層で覆われる部分での前記配線の幅の隣り合う前記配線の間の幅に対する比が1以下であることを特徴とする放射線検出器の製造方法。
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