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JP6812602B2 - 架橋ゴム組成物及びその製造方法 - Google Patents

架橋ゴム組成物及びその製造方法 Download PDF

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JP6812602B2 JP2020508290A JP2020508290A JP6812602B2 JP 6812602 B2 JP6812602 B2 JP 6812602B2 JP 2020508290 A JP2020508290 A JP 2020508290A JP 2020508290 A JP2020508290 A JP 2020508290A JP 6812602 B2 JP6812602 B2 JP 6812602B2
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Description

本発明は、架橋ゴム組成物及びその製造方法に関する。
各種のゴム製品において、パラ系アラミド短繊維を含有する架橋ゴム組成物が用いられている。例えば、特許文献1には、パラ系アラミド短繊維を含有するゴム組成物を用いた伝動ベルトが開示されている。特許文献2には、パラ系アラミド短繊維を含有するゴム組成物を用いたタイヤが開示されている。特許文献3には、パラ系アラミド短繊維を含有するゴム組成物を用いたホースが開示されている。
特開2013−108564号公報 特開2013−18893号公報 特開2005−200545号公報
本発明は、ゴム成分と、前記ゴム成分に分散したパラ系アラミド短繊維とを含有する架橋ゴム組成物であって、前記パラ系アラミド短繊維の表面には、RFL被膜が付着しており、前記RFL被膜が、分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルを含み、前記分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルが、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレートのうちの1種又は2種以上を含む
本発明は、ゴム成分と、パラ系アラミド短繊維とを混練する工程を含む架橋ゴム組成物の製造方法であって、前記混練前に、前記パラ系アラミド短繊維を、パラ系アラミド繊維のヤーンを、分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むRFL水溶液に浸漬して加熱した後、所定の繊維長に切断することにより調製し、前記分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルが、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレートのうちの1種又は2種以上を含む
ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維(PPTA短繊維)の含有量と貯蔵たて弾性係数との関係を示すグラフである。 ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維(PPTA短繊維)の含有量とムーニー粘度との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について詳細に説明する。
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、ゴム成分と、パラ系アラミド短繊維とを含有する。そして、パラ系アラミド短繊維の表面には、RFL被膜が付着しており、そのRFL被膜が、分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む。本出願における「(メタ)アクリル酸エステル」は、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを意味する。また、以下「分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステル」を「(メタ)アクリル酸エステルA」という。
パラ系アラミド短繊維を含有する架橋ゴム組成物では、パラ系アラミド短繊維の含有量を多くしても、僅かな補強効果の上昇しか得られないという問題がある。しかしながら、実施形態に係る架橋ゴム組成物によれば、パラ系アラミド短繊維の表面に付着したRFL被膜が、(メタ)アクリル酸エステルAを含むことにより、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得ることができる。これは、パラ系アラミド短繊維の表面に付着したRFL被膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステルAの作用により、パラ系アラミド短繊維の切断やフィブリル化が抑制され、それによってパラ系アラミド短繊維が本来有する補強効果が有効に発現されるためであると推測される。
ここで、ゴム成分としては、例えば、エチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が挙げられる。ゴム成分は、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、伝動ベルト用としては、エチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、水素添加アクリロニトリルゴム(H−NBR)を含むことが好ましく、エチレン-α-オレフィンエラストマーを含むことがより好ましい。
エチレン-α-オレフィンエラストマーとしては、例えば、エチレンプロピレンジエンモノマー(以下「EPDM」という。)、エチレンプロピレンコポリマー(EPM)、エチレンブテンコポリマー(EBM)、エチレンオクテンコポリマー(EOM)等が挙げられる。エチレン-α-オレフィンエラストマーは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、汎用性の観点から、EPDMを含むことがより好ましい。
パラ系アラミド短繊維は、ポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維(PPTA短繊維)を含んでいても、コポリパラフェニレン-3,4’-オキシジフェニレンテレフタルアミド短繊維を含んでいても、それらの両方を含んでいても、いずれでもよい。パラ系アラミド短繊維は、その高い補強効果を得る観点から、少なくともポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維(PPTA短繊維)を含むことが好ましい。
パラ系アラミド短繊維は、ゴム成分に分散している。パラ系アラミド短繊維は、一方向に配向していてもよい。実施形態に係る架橋ゴム組成物におけるパラ系アラミド短繊維の含有量は、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上35質量部以下、より好ましくは3質量部以上30質量部以下、更に好ましくは5質量部以上25質量部以下である。
パラ系アラミド短繊維のフィラメント繊度は、例えば1.5dtex以上5.0dtexである。パラ系アラミド短繊維は、フィラメント繊度が2.0dtex以上、好ましくは2.3dtex以上、より好ましくは2.5dtex以上、更に好ましくは3.0dtex以上の太径のものであってもよい。パラ系アラミド短繊維の繊維長は、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得る観点から、好ましくは0.5mm以上10mm以下、より好ましくは1mm以上5mm以下、更に好ましくは2mm以上4mm以下である。
RFL被膜は、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得る観点から、パラ系アラミド短繊維の表面を被覆するように付着していることが好ましい。RFL被膜は、レゾルシン及びホルムアルデヒドの縮合物と、主成分がゴムであるラテックス由来固形分と、(メタ)アクリル酸エステルAとを含む。
(メタ)アクリル酸エステルAとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。(メタ)アクリル酸エステルAは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましく、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得る観点から、ポリエチレングリコールジメタクリレートを含むことがより好ましい。ポリエチレングリコールジメタクリレートにおけるエチレングリコール単量体の重合度は、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得る観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。RFL被膜における(メタ)アクリル酸エステルAの含有量は、パラ系アラミド短繊維の高い補強効果を得る観点から、ラテックス由来固形分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上20質量部以下、より好ましくは5質量部以上15質量部以下、更に好ましくは8質量部以上12質量部以下である。
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、ゴム成分が架橋している。このゴム成分は、有機過酸化物が架橋剤とされて架橋されていても、また、硫黄が架橋剤とされて架橋されていても、さらに、有機過酸化物及び硫黄の両方が架橋剤とされて架橋されていても、いずれでもよいが、少なくとも有機過酸化物が架橋剤とされて架橋されていることが好ましい。
架橋剤の有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,3-ビス(t-ブチルペロキシイソプロピル)ベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルペロキシ)ヘキサン等が挙げられる。有機過酸化物は、これらのうちの1種又は2種以上を含有することが好ましく、高い圧縮弾性率を得る観点から、ジクミルパーオキサイドを含有することが好ましい。架橋前の未架橋ゴム組成物における有機過酸化物の配合量は、高い圧縮弾性率を得る観点から、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上7質量部以下、より好ましくは2質量部以上5質量部以下である。
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、その他に、必要に応じて、カーボンブラックやシリカなどの補強材、機能性充填材、軟化剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加工助剤、老化防止剤等のゴム配合物を含有していてもよい。また、実施形態に係る架橋ゴム組成物は、ナイロン短繊維等のパラ系アラミド短繊維以外の短繊維を含有していてもよい。
次に、実施形態に係る架橋ゴム組成物の製造方法について説明する。
実施形態に係る架橋ゴム組成物の製造方法は、混練工程と架橋工程とを含む。
混練工程では、ゴム成分とパラ系アラミド短繊維及び架橋剤を含むゴム配合物とを、ゴム混練機を用いて混練して未架橋ゴム組成物を得る。ゴム混練機としては、例えば、密閉式のニーダーやバンバリーミキサー、開放式のオープンロールが挙げられる。
ここで、パラ系アラミド短繊維は、混練前に、パラ系アラミド繊維のヤーンを、(メタ)アクリル酸エステルAを含むRFL水溶液に浸漬して加熱するRFL処理を施した後、所定の繊維長に切断することにより調製することができる。
RFL水溶液は、レゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物と、ラテックスと、(メタ)アクリル酸エステルAとを混合した水溶液である。ラテックスとしては、例えば、ビニルピリジン・スチレン・ブタジエンゴムラテックス(Vp・SBR)、スチレン・ブタジエンゴムラテックス(SBR)、天然ゴムラテックス(NR)、クロロプレンゴムラテックス(CR)、クロロスルホン化ポリエチレンゴムラテックス(CSM)、2,3−ジクロロブタジエンゴムラテックス(2,3−DCB)、水素化ニトリルゴムラテックス(H−NBR)、カルボキシル化水素化ニトリルゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス(BR)、ニトリルゴムラテックス(NBR)等が挙げられる。ラテックスは、これらのうちの1種又は2種以上を含むことが好ましい。
RFL水溶液におけるレゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物の含有量と、ラテックス由来固形分の含有量とを合わせた固形分濃度は、例えば10質量%以上30質量%以下である。RFL水溶液における(メタ)アクリル酸エステルAの含有量は、上述の通り、ラテックス由来固形分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上20質量部以下、より好ましくは5質量部以上15質量部以下、更に好ましくは8質量部以上12質量部以下である。
RFL水溶液中のレゾルシン(R)及びホルムアルデヒド(F)の初期縮合物(RF)について、レゾルシン(R)のホルマリン(F)に対するモル比(R/F)は、例えば1/0.5以上1/2以下である。RFL水溶液中のレゾルシン(R)及びホルムアルデヒド(F)の初期縮合物(RF)のラテックス由来固形分(L)に対する質量比(RF/L)は、例えば1/2以上1/10以下であり、好ましくは1/6前後である。
なお、パラ系アラミド繊維のヤーンには、RFL処理前に、エポキシやイソシアネート(ブロックイソシアネート)をトルエン等の溶剤に溶解させた、或いは、水に分散させたプライマー溶液に浸漬して加熱する下地処理を施してもよい。
ところで、一般に、架橋前の未架橋ゴム組成物では、パラ系アラミド短繊維の含有量を多くすると、ムーニー粘度が上昇して混練加工性が低下し、そのためにパラ系アラミド短繊維の含有量の上限が制約を受けることとなる。しかしながら、実施形態に係る架橋ゴム組成物では、(メタ)アクリル酸エステルAを含むRFL被膜が表面に付着したパラ系アラミド短繊維を用いていることにより、パラ系アラミド短繊維の含有量が多くなっても、架橋前の未架橋ゴム組成物のムーニー粘度の上昇を抑制することができる。そのため、パラ系アラミド短繊維の含有量が多くても、架橋前の未架橋ゴム組成物の良好な混練加工性を得ることができるので、パラ系アラミド短繊維の含有量を、例えばゴム成分100質量部に対して15質量部以上、或いは、20質量部以上と多くすることができる。これも、RFL被膜に含まれる(メタ)アクリル酸エステルAの作用により、パラ系アラミド短繊維の切断やフィブリル化が抑制されるためであると推測される。
架橋工程では、混練工程で得られた未架橋ゴム組成物をゴム製品に対応した加工方法により加熱及び加圧してゴム成分を架橋させる。
実施形態に係る架橋ゴム組成物は、例えば、伝動ベルト、タイヤ、ホース等のゴム製品に適用することができ、特に使用時に激しい変形を受ける伝動ベルトへの適用が好適である。
(架橋ゴム組成物)
<実施例>
レゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物と、ラテックスと、ポリエチレングリコールジメタクリレート(ライトエステル14EG 共栄社化学社製、重合度≒14)とを混合したRFL水溶液Xを作製した。なお、ラテックスには、Vp・SBRラテックス(PYRATEX 日本エイアンドエル社製)とSBRラテックス(J9049 日本エイアンドエル社製)との混合ラテックスを用いた。RFL水溶液Xにおけるレゾルシン及びホルムアルデヒドの初期縮合物の含有量と、ラテックス由来固形分の含有量とを合わせた固形分濃度は16.1質量%とした。RFL水溶液Xにおけるポリエチレングリコールジメタクリレートの含有量は、ラテックス由来固形分100質量部に対して10質量部とした。レゾルシン(R)のホルマリン(F)に対するモル比(R/F)は1/1.4とした。レゾルシン(R)及びホルムアルデヒド(F)の初期縮合物(RF)のラテックス由来固形分(L)に対する質量比(RF/L)は1/6とした。
次いで、PPTA繊維のヤーン(ケブラー 東レ・デュポン社製、フィラメント繊度:1.7dtex)を、上記RFL水溶液Xに浸漬して加熱した後、3mmの繊維長に切断することにより、RFL水溶液XでRFL処理したパラ系アラミド短繊維のPPTA短繊維を調製した。
続いて、ゴム成分をEPDM(JSR T7241 JSR社製)とし、このゴム成分100質量部に対して、補強材のFEFカーボンブラック(シーストSO 東海カーボン社製)45質量部、機能性充填材の粉状の超高分子量ポリエチレン樹脂(ハイゼックスミリオン240S 三井化学社製)10質量部、軟化剤のオイル(サンパー2280 日本サン石油社製)10質量部、加硫促進助剤の酸化亜鉛(酸化亜鉛3種 堺化学工業社製)5質量部、加工助剤のステアリン酸(ルナック 花王社製)1質量部、共架橋剤(バルノックPM 大内新興化学社製)4質量部、架橋剤の有機過酸化物(ペロキシモンF40(純度40質量%) 日油社製)7質量部(有効成分:2.8質量部)、並びにナイロン短繊維(レオナ66 旭化成社製、フィラメント繊度:6.7dtex、繊維長:3mm)、及びRFL水溶液XでRFL処理したPPTA短繊維5質量部を添加して混練した未架橋ゴム組成物を作製した。
そして、この未架橋ゴム組成物を加熱及び加圧して長さ方向が列理方向に一致する試験用の短冊状の架橋ゴム組成物の試験片を得た。
同様に、RFL水溶液XでRFL処理したPPTA短繊維の含有量を、ゴム成分100質量部に対して10質量部、15質量部、及び20質量部とした未架橋ゴム組成物を作製し、これを加熱及び加圧して長さ方向が列理方向に一致する試験用の短冊状の架橋ゴム組成物の試験片を得た。
<比較例>
ポリエチレングリコールジメタクリレートを含有しないことを除いてRFL水溶液Xと同一組成のRFL水溶液Yを作製し、これを用いて、実施例と同様、RFL水溶液YでRFL処理したPPTA短繊維の含有量が、ゴム成分100質量部に対して5質量部、10質量部、15質量部、及び20質量部である長さ方向が列理方向に一致する試験用の短冊状の架橋ゴム組成物の試験片を得た。
(試験方法)
実施例及び比較例のそれぞれについて、JIS K6394:2007に基づき、短冊状の架橋ゴム組成物の試験片から、動的粘弾性試験機を用い、試験温度100℃、試験動歪0.1%、及び試験周波数10Hzとして、列理方向の100℃における貯蔵たて弾性係数E’を測定した。
また、実施例及び比較例のそれぞれについて、JISK6300に基づき、各PPTA短繊維の含有量での未架橋ゴム組成物の125℃におけるムーニー粘度を測定した。
(試験結果)
図1は、PPTA短繊維の含有量と貯蔵たて弾性係数E’との関係を示す。図2は、PPTA短繊維の含有量とムーニー粘度との関係を示す。また、試験結果を表1に示す。
Figure 0006812602
図1及び表1によれば、PPTA短繊維の表面に付着したRFL被膜がエチレングリコールジメタクリレートを含む実施例は、RFL被膜がエチレングリコールジメタクリレートを含まない比較例と対比して、各PPTA短繊維の含有量において、貯蔵たて弾性係数E’が高く、また、PPTA短繊維の含有量が多くなることによる貯蔵たて弾性係数E’の上昇率も高く、したがって、高い補強効果が得られることが分かる。
図2及び表1によれば、実施例は、比較例と対比して、各PPTA短繊維の含有量において、未架橋ゴム組成物のムーニー粘度が低いことが分かる。
本発明は、架橋ゴム組成物及びその製造方法の技術分野について有用である。

Claims (12)

  1. ゴム成分と、前記ゴム成分に分散したパラ系アラミド短繊維と、を含有する架橋ゴム組成物であって、
    前記パラ系アラミド短繊維の表面には、RFL被膜が付着しており、前記RFL被膜が、分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルを含み、
    前記分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルが、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレートのうちの1種又は2種以上を含む架橋ゴム組成物。
  2. 請求項1に記載された架橋ゴム組成物において、
    前記パラ系アラミド短繊維がポリパラフェニレンテレフタルアミド短繊維を含む架橋ゴム組成物。
  3. 請求項1又は2に記載された架橋ゴム組成物において、
    前記パラ系アラミド短繊維の含有量が、前記ゴム成分100質量部に対して、1質量部以上35質量部以下である架橋ゴム組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    前記パラ系アラミド短繊維のフィラメント繊度が1.5dtex以上5.0dtexである架橋ゴム組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    前記パラ系アラミド短繊維の繊維長が0.5mm以上10mm以下である架橋ゴム組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    前記分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルがポリエチレングリコールジメタクリレートを含む架橋ゴム組成物。
  7. 請求項6に記載された架橋ゴム組成物において、
    前記ポリエチレングリコールジメタクリレートにおけるエチレングリコール単量体の重合度が20以下である架橋ゴム組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    前記RFL被膜における前記分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルの含有量が、前記RFL被膜のラテックス由来固形分100質量部に対して2質量部以上20質量部以下である架橋ゴム組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    前記ゴム成分がエチレン-α-オレフィンエラストマー、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、水素添加アクリロニトリルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム、及びブチルゴムのうちの1種又は2種以上を含む架橋ゴム組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    前記ゴム成分は、有機過酸化物が架橋剤とされて架橋されている架橋ゴム組成物。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載された架橋ゴム組成物において、
    伝動ベルトに適用される架橋ゴム組成物。
  12. ゴム成分と、パラ系アラミド短繊維と、を混練する工程を含む架橋ゴム組成物の製造方法であって、
    前記混練前に、前記パラ系アラミド短繊維を、パラ系アラミド繊維のヤーンを、分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルを含むRFL水溶液に浸漬して加熱した後、所定の繊維長に切断することにより調製し、
    前記分子内に複数の二重結合を有する(メタ)アクリル酸エステルが、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート;ジエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート;ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、及びポリエチレングリコールジメタクリレートのうちの1種又は2種以上を含む架橋ゴム組成物の製造方法。
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