JP6808901B2 - 下半身用衣類 - Google Patents
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Description
現在市販されているほとんどのタイツおよびストッキングは、ナイロン糸、または、ナイロン糸とポリウレタン糸とで編まれている。使用している糸により、「交編」および「ゾッキ」の2種類に大別される。
ゾッキ(ゾッキ編み)は、一般的にはサポート糸(ポリウレタン糸にナイロン糸を巻き付けたカバリング糸)だけで編成されているものが多い。良好なフィット性を求めるときに好適である。また、いわゆる伝線(使用中に編み組織の一部に引掛傷ができ糸が切れると生成される編み組織が解編されたはしご状の線)が発生しにくいという特徴を備えたゾッキ編みのストッキングが、最近では増えてきている。
本発明は、従来技術の上述の問題点に鑑みて開発されたものであり、その目的とするところは、細かく、かつ、ランダムに編目を変化させて編成して、表面が細かく起毛されて毛羽立ったようなスエード調を発現できる、タイツに代表される下半身用衣類を提供することである。
すなわち、本発明に係る下半身用衣類は、第1の編糸および第2の編糸を含んで編成した下半身用衣類であって、前記第1の編糸で編んだ地組織に対してそれ自体で編目を編成しないインレイ糸として第2の編糸を挿入した第1の編み組織と、前記第1の編み組織に
連続して編成され、前記第1の編糸と前記第2の編糸とが入れ替わり、前記第2の編糸で編んだ地組織に対してそれ自体で編目を編成しないインレイ糸として第1の編糸を挿入した第2の編み組織とを含み、前記地組織と前記インレイ糸による挿入組織とがランダムに配置され、表面がスエード調である。ここで、スエード調とは、下半身用衣類の表面(着用したときに肌に当接する肌面とは逆側の面)が、毛羽立ったような風合いであったり、起毛されたような風合いであったり、短繊維で形成されたような風合いであったり、するものである。本発明に係るスエード調には、フェルト調、コーデュロイ調、ベロア調等の、表面が滑らかであるにも関わらずしゃりしゃり感が過度でなく柔らかい風合いを全て含むものである。なお、少なくとも表面がスエード調であればよく、表面に加えて肌面もスエード調であっても構わない。
さらに好ましくは、前記第1の編糸と前記第2の編糸とは異なる糸であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第1の編糸と前記第2の編糸とは同じ糸であるように構成することができる。
さらに好ましくは、前記第1の編糸および前記第2の編糸は、ナイロン6糸を含むように構成することができる。
[構成]
図1に、本実施の形態に係るスエード調タイツ(以下において単にタイツ1と記載する)の概略正面図を示す。このタイツ1は、腹部および臀部を被覆するパンティ部3と、脚を被覆するレッグ部2とを備えるものである。このタイツ1は、筒状に編成された1対の編地を用い、パンティ部3に相当する部分に切れ目を入れて裁断縁どうしをつき合わせて股部4を縫着して一体化することにより製造される。また、足部の爪先部は周知の手段により、袋状に縫着することにより製造される。
このタイツ1においては、レッグ部2の少なくとも一部にはスエード調の風合いを備え
ることが特徴的である。スエード調の風合いとは、タイツ1の表面(着用したときに肌に当接する肌面とは逆側の面)が、毛羽立ったような風合いであったり、起毛されたような風合いであったり、短繊維で形成されたような風合いであったり、する。なお、少なくとも表面がスエード調であればよく、表面に加えて肌面もスエード調であっても構わない。
なお、SCYに代えてダブルカバリング糸(DCY:Double Covered Yarn)、ウーリーナイロン糸であっても構わない。
以下において、本実施の形態に係るタイツ1の製造方法を、編糸を具体的に示して説明する。なお、図4は模式的に編地を表したものであって図示された第1の編糸10および第2の編糸20の太さ等は、実際のもの(一例として挙げる以下の糸構成)とは異なる場合がある。以下においては、タイツ1にスエード調の風合いを発現させるものとして第1の編糸10および第2の編糸20に好適に選択されるSCYを以下に示す。
・SCY(捲糸:ナイロン6)
芯糸:ポリウレタン弾性糸(22デシテックス/2フィラメント)
捲糸:ナイロン6糸(44デシテックス/36フィラメント)
・SCY(捲糸:ナイロン66)
芯糸:ポリウレタン弾性糸(22デシテックス/2フィラメント)
捲糸:ナイロン66糸(44デシテックス/34フィラメント)
本実施の形態に係るタイツ1(スエード調タイツ1)の作用効果について以下に説明する。
(A)このタイツ1においては、第1の編糸10が、第1の領域Bにおいてプレーン編みのループを編成するループ糸から第2の領域Wにおいてインレイ糸となり、第2の編糸20が、第1の領域Bにおいてインレイ糸から第2の領域Wにおいてプレーン編みのループを編成するループ糸となり、第1の領域Bと第2の領域Wとで、編糸が入れ替わることになる。このため、第1の領域Bにおいては、ループを編成する第1の編糸10によりプレーン(○)が形成され(第2の編糸20はインレイ(流し込み:△×))、第2の領域Wにおいては、ループを編成する第2の編糸20によりプレーン(○)が形成され(第1の編糸10はインレイ(流し込み:△×))、一目単位で編目を変化させて編成することができる。
(C)上述したように、プレーンとインレイとを、ランダムかつ細かく入れ替えて第1の領域Bおよび第2の領域Wを連続して編成して最小1目単位で編成するので、従来のループ(ニット)とミスとで柄を編成した場合よりも表面が滑らかな、タイツを実現することができる。特に、表面が滑らかであるのでゴワゴワ感がなく、表面が滑らかであるにも
関わらずしゃりしゃり感が過度でなく、長繊維で編成しているにも関わらず、短繊維(たとえば綿糸)で編成したような、タイツに好ましい質感(脚部の保護および保温さらには脚線美の向上の観点等で好ましい質感)を発現することができる。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 レッグ部
3 パンティ部
4 股部
W 第1の領域(第1の編み組織)
B 第2の領域(第2の編み組織)
10 第1の編糸
20 第2の編糸
100 編地
Claims (1)
- 第1の編糸および第2の編糸を含んで編成した下半身用衣類であって、
前記第1の編糸で編んだ地組織に対してそれ自体で編目を編成しないインレイ糸として第2の編糸を挿入した第1の編み組織と、
前記第1の編み組織に連続して編成され、前記第1の編糸と前記第2の編糸とが入れ替わり、前記第2の編糸で編んだ地組織に対してそれ自体で編目を編成しないインレイ糸として第1の編糸を挿入した第2の編み組織とを含み、
前記地組織と前記インレイ糸による挿入組織とがランダムに配置され、表面がスエード調である、下半身用衣類。
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