〔実施形態1〕
<ドラッグステーション1の構成>
本実施様態に係るドラッグステーション1の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るドラッグステーション1の構成例を示す斜視図である。
ドラッグステーション1は、薬剤シートの保管、薬剤シートの充填及び払出し、並びに払出された薬剤シートの鑑査を行うための薬剤管理システムである。図1に示すように、ドラッグステーション1は、本体ユニット2、ピッキングユニット3、鑑査ユニット4、第1タッチパネル5、トレイ搬送部6、及びトレイ保管部7を備えている。
本体ユニット2は、薬剤シートを保管する。具体的には、本体ユニット2は、薬剤シートを収容した複数個のカセットCa(図3参照)を保管可能な薬剤収容棚として機能する。また、本体ユニット2は、本体カセット移送部22(カセット搬送部;図4の(b)の22a及び22b)を用いることで、保管されているカセットCaをピッキングユニット3に移送すると共に、ピッキングユニット3から返却されたカセットCaを元の保管位置に移送する装置である。換言すれば、本体ユニット2は、ピッキングユニット3に対して、カセットCaの受渡し及び受取りを行うカセット取扱装置として機能する。
本体ユニット2には、病院又は薬局等の1施設での使用が想定されている種類(例:約1500〜2000種類)の薬剤シートを保管することが可能である。本実施形態では、本体ユニット2は、薬剤として薬剤シート(例:PTP(Press Through Package)シート)を保管するものとして説明するが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、本体ユニット2は、軟膏又は目薬等、本体ユニット2で保管可能な薬剤であれば、どのような薬剤を保管しても構わない。
ピッキングユニット3は、本体ユニット2に保管された薬剤シートを払出す装置である。薬剤シートの払出しを実現するために、ピッキングユニット3は、ユーザが薬剤シートを取出すピッキング作業を行うための装置として機能する。また、ピッキングユニット3は、ユーザが薬剤シートを本体ユニット2に充填するための充填作業を行うための装置として機能する。換言すれば、ピッキングユニット3は、ユーザが、本体ユニット2に保管されるカセットCaからの薬剤シートの取出し、又は当該カセットCaへの薬剤シートの充填を行うための装置(ユーザによる薬剤シートの取扱いを可能とする薬剤取扱装置)として機能する。
ピッキングユニット3は、第2タッチパネル31、薬剤授受部32、薬剤投入部331、及び撮像部335を備えている。ピッキングユニット3は、本体ユニット2から移送されたカセットCaを、ピッキングカセット移送部35(カセット移送部;図10参照)を用いて薬剤授受部32へ移送する。ユーザは、第2タッチパネル31の表示内容を確認しながら、薬剤授受部32に移送されたカセットCaから薬剤シートを取出し、薬剤投入部331に投入する。投入された薬剤シートは、撮像部335で撮像された後、搬送トレイTrに払出され(投入され)、トレイ搬送部6によって鑑査ユニット4へ搬送される。
また、ピッキングユニット3は、バーコードリーダ34を備えている。バーコードリーダ34は、充填作業が行われるときに、薬剤シートに付与されたバーコード(例:GS1コード)を読取る装置である。バーコードリーダ34は、作業台36(図9参照)におけるユーザの作業を阻害しないように、ピッキングユニット3の側壁に取付けられている。なお、ピッキングユニット3には、薬剤シートを識別するための薬剤識別情報を読取ることが可能な読取装置が設けられていればよい。
鑑査ユニット4は、本体ユニット2から払出された薬剤シートに対する最終鑑査を、ユーザ(薬剤師等の有資格者)が行うための装置である。鑑査ユニット4は、第1収容棚41a、第2収容棚41b、第3収容棚41c、及び鑑査台42を備えている。トレイ搬送部6から搬送された搬送トレイTrは、第1収容棚41a又は第2収容棚41bに収容される。
第1収容棚41aは、1患者への投与に係る処方データ(以降、単に「処方データ」)に示される薬剤シートの全てが本体ユニット2から搬送トレイTrに払出された場合に、当該搬送トレイTrを収容する棚である。第2収容棚41bは、処方データに示される薬剤シートの全てではなくその一部が本体ユニット2から搬送トレイTrに払出された場合に(本体ユニット2で保管する薬剤シート以外の薬剤を処方する場合に)、当該搬送トレイTrを収容する棚である。本体ユニット2で保管されていない薬剤(例:散薬又は水剤)については、ユーザが別途搬送トレイTrに収容し、当該搬送トレイTrが第3収容棚41cに収容される。つまり、第3収容棚41cは、本体ユニット2で保管する薬剤シート以外の薬剤を収容した搬送トレイTrを収容する棚である。
なお、本明細書において、「1患者への投与に係る処方データ」は、例えば、以下の(1)〜(3)の何れかを指すものであるものとする。
(1)1患者へ投与される薬剤に関するデータ(1患者単位の処方データ)。
(2)1患者へ投与される1回分の薬剤に関するデータ(1処方単位の処方データ)。
(3)1患者へ投与される1回分の薬剤に対して処方時に分類が付与されている場合の、その分類に関するデータ(1RP(レシピ)単位の処方データ)。
鑑査台42は、ユーザが、第1収容棚41a、第2収容棚41b又は第3収容棚41cから取出した搬送トレイTrに収容された薬剤シートの最終鑑査を行うための台である。上述の通り、第1収容棚41aに収容された搬送トレイTrには、処方データに基づく全ての薬剤シートが収容されている。そのため、ユーザは、第1収容棚41aから搬送トレイTrを鑑査台42に取出し、最終鑑査を行う。一方、第2収容棚41bに収容された搬送トレイTrには、処方データに基づく全ての薬剤シートが収容されておらず、残りの薬剤については第3収容棚41cに収容されている。そのため、ユーザは、第2収容棚41b及び第3収容棚41cから、患者に対応する薬剤が収容された搬送トレイTrをそれぞれ鑑査台42に取出し、最終鑑査を行う。
第1タッチパネル5は、ドラッグステーション1に関する各種情報を表示する表示装置であると共に、ユーザ入力を受付ける入力装置としても機能する。但し、第1タッチパネル5は、表示装置としてのみ機能しても構わない。トレイ搬送部6は、ピッキングユニット3から払出された薬剤シートを収納した搬送トレイTrを、鑑査ユニット4の第1収容棚41a及び第2収容棚41bへ搬送する装置である。トレイ搬送部6の上部には、搬送される搬送トレイTrを保護するための保護板(例:アクリル板)が設けられている。また、トレイ保管部7は、搬送トレイTrを保管するための保管部である。
<ドラッグステーション1の動作例>
以下、本実施形態に係るドラッグステーション1の動作例について説明する。
(薬剤払出時の動作)
まず、ドラッグステーション1に処方データが読み込まれると、本体ユニット2の本体カセット移送部22は、本体ユニット2に保管されたカセットCaの中から、処方対象(払出対象)となる薬剤シートを収容しているカセットCaを把持し、カセット保持部23(図4の(a)参照)に載置する。
カセット保持部23に載置されたカセットCaは、ピッキングカセット移送部35によって、薬剤授受部32へ移送される。ユーザは、第2タッチパネル31を確認することで、薬剤授受部32でカセットCaから薬剤シートを所定数量取出す。このときピッキング作業を行うユーザは、薬剤師等の資格を有している者でなくともよい。
ユーザは、取出した薬剤シートを所定形状になるよう纏め、薬剤投入部331に投入する。その後、制御装置10(図2参照)は、撮像部335の撮像結果を用いて、薬剤シートが所定数量投入されたか否かについての判定を行う。具体的には、制御装置10は、撮像部335の撮像結果に加え、後述する計量部336(図9参照)による薬剤シートの計量結果に基づき、上記の判定を行う。
なお、所定形状は、例えば以下のような形状を指す。但し、所定形状は以下の形状に限らず、撮像画像に基づき、薬剤数を正確に認識できる形状であればよい。
(1)薬剤シートが1枚又は複数枚の場合には、所定形状は、当該薬剤シートの平面形状を指す。
(2)端数分の薬剤のみである場合には、所定形状は、端数分(例:2錠分)の薬剤の平面形状を指す。
(3)1枚又は複数枚の薬剤シートと端数分の薬剤とを纏める場合には、所定形状は、1枚又は複数枚の薬剤シートの上に、端数分の薬剤を載置したときの平面形状を指す。例えば1枚の薬剤シートが10錠で構成されている薬剤22錠分を払出す場合、所定形状は、薬剤シートを2枚重ね、端数2錠分の薬剤をその上に置いた形状となる。
ピッキングユニット3は、所定数量の薬剤シートが投入されたと判定されると、薬剤シートを搬送トレイTrに払出す。処方データに含まれる薬剤シートの全てが搬送トレイTrに払出されると、トレイ搬送部6は、当該搬送トレイTrを鑑査ユニット4の第1収容棚41a又は第2収容棚41bに搬送する。
その後、第1収容棚41a、第2収容棚41b又は第3収容棚41cに収容された搬送トレイTrは、ユーザによって鑑査台42に移され、最終鑑査が行われる。最終鑑査は、薬剤師等の有資格者により行われる。
(薬剤充填時の動作)
まず、ユーザは、バーコードリーダ34を用いて、本体ユニット2に充填する薬剤シートの薬剤識別情報を、ドラッグステーション1に入力する。この薬剤識別情報の入力を受付けると、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、薬剤識別情報に基づいて、充填対象であるカセットCaをカセット保持部23に移送する。
ピッキングユニット3では、ピッキングカセット移送部35は、カセット保持部23に載置されたカセットCaを薬剤授受部32へ移送する。ユーザは、薬剤授受部32に移送されたカセットCaに薬剤シートを投入する。カセットCaへの薬剤シートの投入が完了すると(例えば、第2タッチパネル31で完了操作を受け付けると)、ピッキングカセット移送部35は、カセット保持部23にカセットCaを移送する。その後、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCaを、カセット棚21へと返却する。
なお、薬剤シートの充填作業は、薬剤師等の有資格者により行われる。
<ドラッグステーションの主要構成>
次に、ドラッグステーション1の主要構成について、図2を用いて説明する。図2は、ドラッグステーション1の主要構成の一例を示すブロック図である。なお、図1で説明した部材についてはその説明を省略する。
本体ユニット2は、カセット棚21、本体カセット移送部22及びカセット保持部23を備える。
カセット棚21は、複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚である。本実施形態では、カセット棚21は、大きさ(種類)の異なるカセットCaを保管可能となっている。図3は、カセット棚21に保管可能なカセットCaの構造例を示す図であり、(a)は大型カセットCa1の一例を示す斜視図であり、(b)は中型カセットCa2の一例を示す斜視図であり、(c)は小型カセットCa3の一例を示す斜視図であり、(d)は大型カセットCa1の一例を示す断面図である。
大型カセットCa1は、薬剤シートを収容できる箇所を複数形成する仕切部Ca11を備えている。これにより、1つの大型カセットCa1に複数種類の薬剤シートを収容できる。本実施形態では、大型カセットCa1には仕切部Ca11が4箇所に設けられ、薬剤シートの収容領域(収容位置)が5箇所形成されている。中型カセットCa2は、大型カセットCa1の幅(短手方向の長さ)よりも小さく、かつ小型カセットCa3の幅よりも大きいカセットである。また、中型カセットCa2にも仕切部Ca21が設けられている(本実施形態では2箇所の収容領域が形成されている)。
なお、小型カセットCa3にも仕切部が設けられ、複数の収容領域が形成されても構わない。また、大型カセットCa1及び中型カセットCa2に仕切部が設けられず、大型カセットCa1及び中型カセットCa2が1種類の薬剤シートを収容可能なカセットとして機能しても構わない。また、カセットCaの種類は3種類に限られず、幅が異なる2種類又は4種類以上のカセットが準備されても構わないし、1種類であっても構わない。
また、大型カセットCa1の短手方向に延伸する側壁(長手方向の端部)には、爪受部Ca12が設けられている。爪受部Ca12は、本体カセット移送部22の爪部2212(図6参照)、及び、ピッキングカセット移送部35の突起部351a(図10の(b)参照)と引っ掛かるものである。爪受部Ca12が爪部2212又は突起部351aに引っ掛かることで、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35による、カセット棚21又はカセット保持部23に対するカセットCaの取出し又は載置が可能となる。
また、爪受部Ca12には切欠部Ca13が設けられている。切欠部Ca13の位置を位置センサ2214(図6参照)が検出することにより、本体カセット移送部22は、カセット把持部221(カセット把持機構;図6参照)を、移送対象の大型カセットCa1の真正面に移送できる。そのため、確実に当該大型カセットCa1を取出すことができる。
また、大型カセットCa1の長手方向の両端部に設けられた2つの爪受部Ca12にはそれぞれ、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ(不図示)が設けられている。各RFIDタグには、各爪受部Ca12を識別するための爪受部識別情報が記録されている。
一方の爪受部Ca12側からカセットCaを取出した場合と、他方の爪受部Ca12側からカセットCaを取出した場合とでは、薬剤授受部32に載置されるときのカセットCaの向きが異なる。大型カセットCa1のように、1つのカセットCaに複数種類の薬剤シートを収容している場合、その載置される向きによって、薬剤授受部32に対する薬剤シートの位置関係が変わってしまう。そのため、制御装置10が、載置される向きを認識できない場合には、取出すべき薬剤シートの収容位置にあわせてシャッター322を開くことができない可能性がある。
上記のように爪受部識別情報を記録しておき、本体カセット移送部22(例:カセット引出部2211(図6参照))に、RFIDリーダ(不図示)を設けておくことで、制御装置10は、カセット棚21からカセットCaが取出されるときに、RFIDリーダがRFIDタグから読取った爪受部識別情報に基づき、カセットCaの向きを判定できる。従って、制御装置10は、薬剤授受部32において、取出すべき薬剤シートの収容位置にあわせてシャッター322を開くことができる。
なお、爪受部Ca12、切欠部Ca13及びRFIDタグは、中型カセットCa2及び小型カセットCa3にも設けられている。つまり、カセット棚21に保管される全てのカセットCaに設けられている。
また、RFIDリーダは、ピッキングカセット移送部35(例:突起部351a(図10の(b)参照))に設けられていても構わない。この場合、制御装置10は、受渡カセット保持部231からカセットCaが取出されるときに(図11の(c)の状態)、上記と同様、RFIDリーダがRFIDタグから読取った爪受部識別情報に基づき、カセットCaの向きを判定できる。
本体カセット移送部22は、カセット棚21とカセット保持部23との間において、カセットCaを移送するものである。本体カセット移送部22は、薬剤シートの払出し時には、例えば、処方データに含まれる薬剤シートを収容するカセットCaをカセット棚21から取出し、カセット保持部23へ移送する。そして、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCa(ピッキングユニット3において所定数量の薬剤シートが取り出され、ピッキングユニット3から返却されたカセットCa)を、カセット棚21へ移送する。また、本体カセット移送部22は、薬剤シートの充填時には、バーコードリーダ34で読取った薬剤識別情報が示す薬剤シートが収容対象となるカセットCaをカセット棚21から取出し、カセット保持部23へ移送する。そして、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCa(ピッキングユニット3において薬剤シートが充填され、ピッキングユニット3から返却されたカセットCa)を、カセット棚21へ移送する。
本体カセット移送部22を備えることにより、カセット棚21からカセットCaを取出してピッキングユニット3へと移送すると共に、当該カセットCaをカセット棚21へ返却できる。
カセット保持部23は、カセット棚21又はピッキングユニット3から移送されたカセットCaを一時的に保持するもの(バッファ)である。カセット保持部23は、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232を備えている。受渡カセット保持部231は、カセット棚21から取出され、ピッキングユニット3の薬剤授受部32へ受け渡されるカセットCaを、一時的に保持するものである。受取カセット保持部232は、薬剤授受部32から受け取りカセット棚21へ返却されるカセットCaを、一時的に保持するものである。つまり、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232はそれぞれ、カセットCaを一時的に載置する載置台として機能する。
なお、カセット棚21において、使用頻度が高い薬剤シートを収容するカセットCaほど、カセット保持部23の近傍に保管するようにしても構わない。この場合、使用頻度が高い薬剤シートを収容するカセットCaを、より速く取出すと共に返却することが可能となる。
ピッキングユニット3は、第2タッチパネル31、薬剤授受部32、薬剤払出部33、バーコードリーダ34、及びピッキングカセット移送部35を備えている。
第2タッチパネル31は、第1タッチパネル5と同様、ドラッグステーション1に関する種々の情報を表示すると共に、ユーザ入力を受付ける。第2タッチパネル31は、例えば、薬剤シートの払出し時に、薬剤授受部32から取出すべき薬剤シートの種類及び数量を表示する。また、第2タッチパネル31は、薬剤シートの充填時に、充填対象の薬剤シートの種類、又は当該薬剤シートを収容しているカセットCaを指定する入力操作を受け付けたりする。
薬剤授受部32は、カセットCaからユーザが薬剤シートを取出すこと、又はカセットCaにユーザが薬剤シートを投入することを可能とする(ユーザによる薬剤シートの授受を可能とする)ものである。本実施形態では、薬剤授受部32は、開口部321及びシャッター322を備えている。
開口部321は、薬剤授受部32に移送されたカセットCaへのユーザのアクセス(薬剤シートの取出し又は充填)を可能とする開口部である。シャッター322は、開口部321に設けられ、当該カセットCaへのユーザのアクセスを制御する。シャッター322は、通常閉状態であり、カセットCaが薬剤授受部32に移送された状態において開状態となる。また、シャッター322は、薬剤シートの取出し又は充填対象(投入対象)となるカセットCaに応じて、開口幅を変更可能である。
本実施形態では、薬剤授受部32に移送されたカセットCaに対して、ユーザが直接アクセスするものとして説明するが、これに限らず、ユーザが間接的にアクセスする構成であっても構わない。例えば、ピッキングユニット3は、制御装置10の制御を受けて、薬剤授受部32に移送されたカセットCaから薬剤シートを取出して作業台36に載置する、又はユーザから提供された薬剤シートを当該カセットCaへ投入する薬剤授受機構を備えていてもよい。この場合、ユーザは、薬剤授受機構を介して薬剤授受部32に移送されたカセットCaへアクセスすることになる。
また本実施形態では、薬剤授受部32は、カセットCaから薬剤シートを取出すことも、カセットCaに薬剤シートを投入することも可能にするものとして説明するが、薬剤シートの取出しのみ、又は薬剤シートの投入のみを可能とするものであっても構わない。つまり、薬剤授受部32は、カセットCaからの薬剤シートの取出しを可能とする薬剤シート取出専用部として機能してもよいし、カセットCaへの薬剤シートの投入を可能とする薬剤シート投入専用部として機能してもよい。また、ピッキングユニット3が薬剤シート取出専用部としての薬剤授受部32のみを備える場合、当該ピッキングユニット3は、カセットCaからの薬剤シートの取出しのみを可能とする薬剤シート取出専用装置として機能する。一方、ピッキングユニット3が薬剤シート投入専用部としての薬剤授受部32のみを備える場合、当該ピッキングユニット3は、カセットCaへの薬剤シートの投入のみを可能とする薬剤シート投入専用装置として機能する。
薬剤払出部33は、薬剤授受部32から取出された薬剤シートを、搬送トレイTrに払出すものである。薬剤払出部33は、薬剤投入部331、薬剤搬送部332、上部シャッター333、下部シャッター334、撮像部335及び計量部336を備えている。
薬剤投入部331は、薬剤授受部32から取出された薬剤シートの投入を可能とする開口部である。薬剤搬送部332は、薬剤投入部331に投入された薬剤を搬送トレイTrに搬送するものである。
上部シャッター333は、閉状態となることにより、薬剤搬送部332により搬送された薬剤シートを一時的に保持すると共に、開状態となることにより、保持した薬剤シートを下部シャッター334へと落下させる。下部シャッター334は、閉状態となることにより、上部シャッター333からの薬剤シートを一時的に保持すると共に、開状態となることにより、保持した薬剤シートを搬送トレイTrへと落下させる。なお、上部シャッター333及び下部シャッター334の開閉タイミングは、搬送トレイTrの所定位置に薬剤シートを落下させることができるように調整される。
撮像部335は、薬剤投入部331に投入され、薬剤搬送部332に載置された薬剤シートを撮像する。計量部336は、薬剤投入部331に投入され、薬剤搬送部332に載置された薬剤シートを計量する。計量部336としては、例えばロードセルが用いられる。なお、計量部336として、ロードセルが複数設けられていても構わない。この場合、制御装置10は、例えば、複数のロードセルが計量した値を比較し、所定値以上の差分が生じている場合には、いずれかのロードセルが故障しているものとして、第2タッチパネル31にエラー表示を行わせても構わない。
ピッキングカセット移送部35は、本体ユニット2とピッキングユニット3との間(具体的には、カセット保持部23と薬剤授受部32との間)で、カセットCaを移送するものである。これにより、本体ユニット2からカセットCaを取出して薬剤授受部32に移送すると共に、当該カセットCaを本体ユニット2へ返却できる。
例えば、薬剤シートを払出す場合、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32において薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCa(受渡カセット保持部231に載置されたカセットCa)を、薬剤授受部32の薬剤授受位置P1(図11参照)に移送する。また、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受位置P1にカセットCaが位置している場合には、当該カセットCaの次に薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCaを、薬剤授受部32の近傍に設けられた待機位置P2(図11参照)に移送して待機させる。また、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32で薬剤シートが取出されたカセットCaを、受取カセット保持部232に移送する。
制御装置10は、ドラッグステーション1の各ユニットを統括して制御する。制御装置10は、本体ユニット制御部11、ピッキングユニット制御部12、搬送制御部13、タッチパネル制御部14、及び記憶部15を備えている。
本体ユニット制御部11は、本体ユニット2の各部を統括して制御する。本体ユニット制御部11は、カセット特定部111及び本体カセット移送制御部112を備えている。
カセット特定部111は、処方データ、ユーザ入力、又はバーコードリーダ34の読取結果に基づき、カセット棚21から取出すカセットCaを特定する。また、カセット特定部111は、RFIDリーダが読取った爪受部識別情報に基づき、当該カセットCaの向きを特定する。
本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22の駆動を制御する。具体的には、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御することにより、カセット特定部111が特定したカセットCaを受渡カセット保持部231へと移送させる。また、本体カセット移送制御部112は、受取カセット保持部232に載置されたカセットCaを、当該カセットCaの保管位置(元の位置)へと移送させる。
処方データに基づき本体カセット移送部22を制御する場合、本体カセット移送制御部112は、カセット特定部111により特定された、処方データに含まれる薬剤シートが収容されたカセットCaを、受渡カセット保持部231へと移送させる。その後、ピッキングユニット3のピッキングカセット移送部35により薬剤授受部32から受取カセット保持部232へと移送されたカセットCaを、当該カセットCaの保管位置へと移送させる。
ピッキングユニット制御部12は、ピッキングユニット3の各部を統括して制御する。ピッキングユニット制御部12は、ピッキングカセット移送制御部121、シャッター制御部122、薬剤払出制御部123、及び薬剤判定部124を備えている。
ピッキングカセット移送制御部121は、処方データ、ユーザ入力、又はバーコードリーダ34の読取結果に基づき、ピッキングカセット移送部35の駆動を制御する。処方データに基づきピッキングカセット移送部35を制御する場合、ピッキングカセット移送制御部121は、処方データに含まれる薬剤シートの取出し対象となるカセットCaを、薬剤授受位置P1又は待機位置P2へと移送する。
シャッター制御部122は、シャッター322の開閉動作を制御する。薬剤払出制御部123は、薬剤払出部33の各部(具体的には、薬剤搬送部332、上部シャッター333、下部シャッター334、及び撮像部335)の駆動を制御する。
薬剤判定部124は、撮像部335が撮像した薬剤シートの画像、及び計量部336が計量した薬剤シートの重量に基づき、処方データにより指定された数量の薬剤シートが薬剤投入部331に投入されているか否かを判定する。薬剤判定部124は、上記画像を解析して、薬剤搬送部332に載置された薬剤シートの形状を特定することにより、端数分の薬剤を特定する。薬種毎の薬剤シートの形状が予め記憶部15に記憶されているため、薬剤判定部124は、当該形状に、画像解析により特定された形状を照合することで、端数を算出できる。また、薬種毎の薬剤シート1枚当たりの重量が予め記憶部15に記憶されているため、薬剤判定部124は、計測された薬剤シートの重量に基づき、薬剤投入部331に投入された薬剤の錠数を算出できる。
搬送制御部13は、トレイ搬送部6の駆動を制御する。タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5及び第2タッチパネル31の表示を制御する。
記憶部15は、制御装置10が必要とする種々のデータを記憶している。記憶部15には、例えば、薬剤シートの形状、薬剤シートの1枚当たりの重量を示すデータを記憶している。
また、記憶部15は、例えば、
(1)カセットCaのカセット識別情報と、カセット棚21におけるカセットCaの保管位置とを対応付けたデータ、
(2)カセットCaのカセット識別情報(又はカセットCaにおける収容位置を示す収位置情報)と、薬剤シートの薬剤識別情報とを対応付けたデータ、
(3)各カセットCaの種類を示す種類情報を記憶している。
なお、種類情報としては、例えば、大型カセットCa1、中型カセットCa2又は小型カセットCa3を示す情報が挙げられる。また、収容位置情報は、例えば、カセットCaの一方の端部からの収容位置(例:当該端部からの距離)を規定するものである。
また、記憶部15には、撮像部335が撮像した画像が蓄積される。これにより、ピッキング作業に対するエビデンスを残すことができる。
<本体ユニットの構造>
次に、図4〜図8を用いて、本体ユニット2の具体的構造について説明する。図4の(a)は本体ユニット2の一例を示す斜視図であり、(b)は本体カセット移送部22の概略的な構成の一例を示す図である。図5は、カセットCaの保管例を示す図である。
(カセット棚及びカセット移送部)
図4の(a)及び(b)に示すように、カセット棚21は、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管できる。本実施形態では、図5に示すように、カセット棚21は、カセットCaが載置される複数のカセット載置板211と、各カセット載置板211を支持する載置板支持部212とを備えている。
本実施形態では、図5に示すように、各カセット載置板211には、同種のカセットCaが載置されている。つまり、各カセット載置板211に同種のカセットCaを載置可能なように、カセット載置板211の幅(X軸方向の長さ)と、大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3の幅とが規定されている。図5の例では各カセット載置板211に同種のカセットCaが載置されているが、これに限らず、異なる種類のカセットCaが載置可能なように、上記2つの幅が規定されていても構わない。
また、図4の(a)に示すように、カセット棚21として、第1カセット棚21aと第2カセット棚21bとが対面するように設けられている。そして、第1カセット棚21aと第2カセット棚21bとの間に本体カセット移送部22が設けられている。同図では、本体カセット移送部22として、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bが設けられている例を示している。
本体カセット移送部22は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bに保管されたカセットCaを引き出した後、カセット保持部23(具体的には、受渡カセット保持部231)に載置する。また、本体カセット移送部22は、カセット保持部23(具体的には、受取カセット保持部232)に載置されたカセットCaを引き出した後、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bに返却する。これにより、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管するカセット棚21に対して、カセットCaの取出し又は返却を実現できる。なお、本体カセット移送制御部112は、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bをそれぞれ独立に制御する。
また、図4の(a)及び(b)に示すように、第1本体カセット移送部22aは、第1カセット把持部221a(カセット把持部)及び第1カセット移送機構222aを備えている。同様に、第2本体カセット移送部22bは、第2カセット把持部221b(カセット把持部)及び第2カセット移送機構222bを備えている。
第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21又はカセット保持部23(具体的には、受取カセット保持部232)からカセットCaを引き出して把持する。また、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、鉛直及び/又は水平方向に移動することにより、把持したカセットCaをカセット棚21又はカセット保持部23(具体的には、受渡カセット保持部231)まで移送して、カセット棚21又は受渡カセット保持部231に載置する。
図6は、カセット把持部221(第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221b)の構成例を示す斜視図である。また、図7の(a)〜(c)は、カセット把持部221の動作例を示す図である。図6に示すように、カセット把持部221は、カセット引出部2211、爪部2212、カセット支持部2213、位置センサ2214、及び回転駆動部2215を備えている。
図6に示すように、カセット引出部2211は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21又はカセット保持部23に載置されたカセットCaをカセット把持部221の内部へと引き込むものである。カセット引出部2211は、カセット把持部221の下方において、カセット把持部221の奥行方向に延伸して設けられたレール(不図示)にスライド可能に支持されていることにより、当該奥行方向に移動する。これにより、カセット棚21又はカセット保持部23からのカセットCaの引出し、及び、カセット棚21又はカセット保持部23へのカセットCaの受渡しを行うことができる。
爪部2212は、カセットCaに設けられた爪受部Ca12に引っ掛けるための部材である。図7の(a)に示すように、カセット把持部221が移動対象のカセットCaの正面に位置づけられると、本体カセット移送制御部112は、図7の(b)に示すように、爪部2212が爪受部Ca12の下方に位置するように、カセット引出部2211を移動させる。その後、本体カセット移送制御部112は、カセット把持部221を上昇させる。これにより、爪部2212が爪受部Ca12に一時的に係止される。この状態において、本体カセット移送制御部112は、図7の(c)に示すように、カセット引出部2211を元の位置へと移動させることにより、カセットCaをカセット把持部221の内部へと引き込む。
なお、把持したカセットCaをカセット棚21又はカセット保持部23に載置する場合は、カセットCaを引き込む場合と逆の動作が行われる。つまり、本体カセット移送制御部112は、図7の(c)の状態において、カセットCaを載置すべき位置にカセット把持部221を移動させた後、図7の(b)に示すように、カセット引出部2211をカセット把持部221の前方に移動させる。その後、本体カセット移送制御部112は、カセット把持部221を下降させることで、爪部2212と爪受部Ca12との一時的な係止が解除される。その後、本体カセット移送制御部112は、図7の(a)に示すように、カセット引出部2211を元の位置まで移動させる。
図6に戻り、カセット支持部2213は、カセット引出部2211により引き出されたカセットCaを支持するものである。
位置センサ2214は、移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検知するものである。位置センサ2214は、例えば、光を発する発光部と、当該光を受光する受光部とを備えている。カセットCaには、上述のように、切欠部Ca13が設けられている。移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置している状態において、位置センサ2214から出射された光が切欠部Ca13に照射されるように、カセット把持部221の停止位置と、カセットCaの保管位置(載置位置)とが位置決めされている。
従って、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置している場合には、切欠部Ca13に光が照射されるため、受光部で光を受光しない。この場合、位置センサ2214は、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検知する。一方、カセットCaの真正面からずれた位置にカセット把持部221が位置している場合には、切欠部Ca13には光が照射されず、爪受部Ca12の壁面に光が照射されるため、当該壁面で反射した光を受光部で受光することになる。この場合、位置センサ2214は、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検知できない。そのため、本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214がカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検知するように、カセット把持部221を移動させる。つまり、本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214が出射した光が切欠部Ca13に照射され、光を受光しない位置となるように、カセット把持部221の位置を微調整する。これにより、カセット把持部221は、カセットCaを確実に引き出すことができる。
回転駆動部2215は、第1カセット棚21a、第2カセット棚21b又はカセット保持部23へのカセット把持部221(具体的にはカセット引出部2211)の移動が可能なように、鉛直方向を回転軸としてカセット把持部221を回転させるものである。
具体的には、回転駆動部2215は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット把持部221がカセットCaの取出し位置又は載置位置に移動する間、又は移動した後に、カセット引出部2211が当該取出し位置又は載置位置と対向するように、カセット把持部221を回転させる。これにより、当該取出し位置からのカセットCaの取出し、又は当該載置位置へのカセットCaの載置が可能となる。
例えば、回転駆動部2215は、カセット引出部2211が、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bにおける取出し対象のカセットCaの保管位置と対向するように、カセット把持部221を回転させた後、当該保管位置からカセットCaを引き出す。これにより、異なる鉛直面に沿って配置された第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bの何れからもカセットCaを取出すことが可能となる。
図4の(a)及び(b)に戻り、第1カセット移送機構222aは、第1梁部223a及び第1支柱部224aを備えている。同様に、第2カセット移送機構222bは、第2梁部223b及び第2支柱部224bを備えている。
第1梁部223a及び第2梁部223bはそれぞれ、カセット棚21の幅方向(X軸方向)に延伸し、第1支柱部224a及び第2支柱部224bをスライド可能に支持する。第1支柱部224a及び第2支柱部224bはそれぞれ、カセット棚21の高さ方向(Z軸方向)に延伸し、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bをスライド可能に支持する。
また、第1梁部223aと第2梁部223bとは、所定幅離隔して設けられている。この所定幅は、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bがそれぞれカセット棚21の幅方向に沿って移動できる程度の幅に設定されている。また、上記所定幅は、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bがそれぞれ鉛直方向を回転軸として回転しても、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bと衝突しない程度の幅に設定されている。なお、所定幅をできるだけ小さく設定することで、本体ユニット2の小型化を図ることができる。
そして、本体カセット移送制御部112は、第1梁部223aに沿って第1支柱部224aを移動させると共に、第1支柱部224aに沿って第1カセット把持部221aを移動させる(第2カセット移送機構222bについても同様)。そのため、カセット棚21とカセット保持部23との間で所望のカセットCaを移動させることができる。
また、本体カセット移送制御部112は、第1カセット把持部221aと第2カセット把持部221bとが互いに衝突しないように、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bの移動(位置)を制御する。
具体的には、上述のように所定幅離隔して設けられた第1梁部223a及び第2梁部223bのそれぞれに、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bが片持ちの状態で支持されている。そして、第1カセット移送機構222a及び第2カセット移送機構222bは、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bの可動領域(第1梁部223a及び第2梁部223bの間の領域)において干渉しないように制御される。そのため、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、カセット棚21(カセットCaの保管位置)とカセット保持部23との間で互いに衝突しないように移動できる。
従って、複数のカセット把持部221により、カセット棚21及びカセット保持部23の間でのカセットCaの移送が可能となるため、カセットCaの移送効率を向上させることが可能となる。
なお、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bは、対面するように設けられている必要は必ずしもなく、カセットCaを保管する鉛直面が互いに異なるように配置されていればよい。このように配置することで、多数のカセットCaの保管場所の省スペース化を図ることが可能となる。但し、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bを対面配置とすることにより、より省スペース化を図りつつ高密度にカセットCaを保管できる。なお、カセット棚21の個数は1個であっても構わない。あるいは3個以上であっても構わない。
また、本体カセット移送部22の個数も2個に限られず、1個であっても、3個以上であっても構わない。但し、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bを設け、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bが互いに衝突しないように移動することで、大容量化かつ小型化された本体ユニット2において、カセットCaの移送を効率良く行うことが可能となる。
(カセット保持部)
図4の(a)に示すように、本実施形態では、カセット保持部23として、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dを備えている。本実施形態では、図1に示すように、本体ユニット2にピッキングユニット3が2つ設けられている。また、ピッキングユニット3には、それぞれ2つの薬剤授受部32(計4つ)が設けられている。第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dは、4つの薬剤授受部32のそれぞれと対応するように設けられている。このように、1つの薬剤授受部32に対して1つのカセット保持部23が設けられていればよい。
また、図8に示すように、カセット保持部23は、薬剤授受部32との間でのカセットCaの移送が可能となるように、ピッキングユニット3が備えるピッキングカセット移送部35と対応するように設けられる。具体的には、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dのそれぞれに対して、ピッキングカセット移送部35が設けられている。図8は、本体ユニット2及びピッキングユニット3の概略的な構成を示す断面図である。
また、図8に示すように、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dのそれぞれは、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232を備えている。図8の例では、1つの薬剤授受部32と対応して設けられた1つのカセット保持部23において、鉛直方向に沿って、2つの受渡カセット保持部231と2つの受取カセット保持部232とが交互になるように設けられている。なお、1つのカセット保持部23において、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232はそれぞれ3つ以上設けられていても構わない。
このように、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232は、1つの薬剤授受部32に対して、それぞれ複数個設けられていてよい。受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ複数設けた場合、薬剤授受部32に移送するカセットCaを、薬剤授受部32の近くにおいてより多く保持しておくことが可能となる。そのため、薬剤授受部32への効率の良いカセットCaの移送が実現可能となる。但し、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232は、1つの薬剤授受部32に対して、それぞれ1つずつ設けられる構成であっても構わない。
(小括)
このように、本体ユニット2は、カセット棚21、受渡カセット保持部231、受取カセット保持部232、及び本体カセット移送部22を備えている。
これにより、薬剤授受部32において薬剤シートの取出し又は充填が行われるカセットCaを、カセット棚21から受渡カセット保持部231へ移送できると共に、受取カセット保持部232からカセット棚21へ移送できる。
また、薬剤授受部32において、カセットCaに対してユーザが薬剤シートのピッキング又は充填作業中であっても、受渡カセット保持部231に、当該カセットCaの次に薬剤授受部32において作業対象となるカセットCaを保持しておくことができる。つまり、上記作業が終了する前に、次のカセットCaをカセット棚21から取出しておくことができる。
また、薬剤授受部32において上記作業が完了したカセットCaを、受取カセット保持部232に保持しておくことができる。そのため、本体カセット移送部22が前のカセットCaを返却中であっても、受取カセット保持部232にカセットCaを保持しておくことができるので、次のカセットCaを薬剤授受部32に移送できる。
従って、本体ユニット2は、ユーザによる薬剤シートの取出し又は充填が行われるカセットCaを、効率良くユーザに提供できる。
なお、本明細書では、カセット保持部23は、本体ユニット2が備えているものとして説明しているが、ピッキングユニット3が備えていても構わない。ピッキングユニット3に設けられている場合、図4の(a)に示す本体ユニット2のカセット保持部23が設けられる箇所が、ピッキングユニット3に設けられたカセット保持部23が挿入される挿入部として機能する。つまり、カセット棚21、本体カセット移送部22、及びカセット保持部23によって、上述のカセット取扱装置の基本構成が実現されていればよい。
<ピッキングユニットの構造>
次に、図9〜図14を用いて、ピッキングユニット3の具体的構造について説明する。図9は、ピッキングユニット3の一例を示す斜視図である。
図9に示すように、ピッキングユニット3は、ユーザが薬剤シートを取扱う作業台36を備えている。作業台36には、薬剤シートの取出し又は充填を可能とする開口部321を備える薬剤授受部32と、開口部321から取出された薬剤シートが投入される薬剤投入部331とが設けられている。また、薬剤授受部32の下方には、ピッキングカセット移送部35が設けられている。具体的には、1つの薬剤授受部32(1つの開口部321と、当該開口部321に対応して設けられたシャッター322(図8参照))に対して、1つのピッキングカセット移送部35が設けられている。
本実施形態では、ピッキングユニット3には、薬剤授受部32として、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bが設けられている。第1薬剤授受部32aの下方には、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bを備えるピッキングカセット移送部35が設けられている。第2薬剤授受部32bの下方には、第1ピッキングカセット移送部35aを備えるピッキングカセット移送部35が設けられている。
本実施形態では、例えば処方データに基づく薬剤シートの払出しを行う場合、ピッキングユニット3においては、第1薬剤授受部32a、及び、第1薬剤授受部32aの下方に設けられたピッキングカセット移送部35が用いられる。なお、本体ユニット2においては、当該ピッキングカセット移送部35に対応して設けられた第1カセット保持部23aが用いられる。
上述のように、このピッキングカセット移送部35には、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bが設けられている。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355(図10参照)が互いに衝突しないで移動するように、ピッキングカセット移送制御部121によりそれぞれ独立に制御される。そのため、ピッキングカセット移送部35が1つのピッキングカセット移送部で構成される場合に比べ、処方データに基づく薬剤シートの払出しを効率良く行うことが可能となる。
一方、第2薬剤授受部32b、第2薬剤授受部32bの下方に設けられたピッキングカセット移送部35、及び、第2カセット保持部23bは、処方データに含まれない薬剤シートの払出しを行う場合に用いられる。つまり、第2薬剤授受部32b側は、個別の薬剤シートの払出しを行う場合(例えば、処方データに対する割込み処理を行う場合)に用いられるため、第1ピッキングカセット移送部35aのみを備えていればよい。
なお、処方データに基づく薬剤シートの払出しを行う場合に、第2薬剤授受部32b側を用いても構わないし、個別の薬剤シートの払出しを行う場合に、第1薬剤授受部32a側を用いても構わない。また、第2薬剤授受部32b側に、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bが設けられても構わないし、第1薬剤授受部32a側が、第1ピッキングカセット移送部35aのみを備える構成であっても構わない。但し、1つの薬剤授受部32に対して複数のピッキングカセット移送部を設けた場合、薬剤シートの払出しを効率良く行うことが可能となる。
また、充填作業が行われる場合についても、初期設定として、第1薬剤授受部32a側が用いられるようになっているが、第2薬剤授受部32b側が用いられても構わない。
また、ピッキングユニット3に薬剤授受部32を複数設けている必要は必ずしもなく、ピッキングユニット3に1つの薬剤授受部32が設けられていても構わない。さらに、本体ユニット2に対してピッキングユニット3が複数設けられている必要は必ずしもなく、本体ユニット2に対して1つのピッキングユニット3が設けられる構成であっても構わない。この場合、1つのピッキングユニット3に対応するカセット保持部23だけが本体ユニット2に設けられても構わない。
また、図9に示すように、作業台36には、薬剤投入部331に投入された薬剤シートを撮像可能なように、撮像部335が薬剤投入部331の上方に設けられている。また、薬剤投入部331の下方には、薬剤搬送部332、上部シャッター333、下部シャッター334及び計量部336が設けられている。
なお、作業台36は、略水平に設けられているが、水平面に対して傾斜していても構わない。作業台36は、例えば、ユーザの立ち位置側が低く、本体ユニット2側が高くなるように傾斜しても構わない。この場合、ピッキングカセット移送部35は、傾斜する開口部321の開口面と、ピッキングカセット移送部35のカセット把持部に把持されたカセットCaの上面とが略平行となるように、当該カセット把持部を動作させても構わない。例えば、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32において、カセット把持部を上昇又は下降させる機構を備えていても構わない。なお、カセット把持部としては、図10に、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355として示されている。
(ピッキングカセット移送部の構造)
ピッキングカセット移送部35の具体的な構造について、図10を用いて説明する。図10は、ピッキングカセット移送部35の一例を示す図である。図10の(a)は、本体ユニット2側から見たときのピッキングカセット移送部35の一例を示す斜視図である。図10の(b)は、ピッキングカセット移送部35を構成する第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す斜視図である。図10の(c)は、作業台36側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す平面図である。図10の(d)は、本体ユニット2側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す図である。なお、図10では、説明の便宜上、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35のみを示している。
図10の(a)及び(b)に示すように、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bを備えている。
第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bはそれぞれ、受渡カセット保持部231に載置されたカセットCaを受け取り、第1薬剤授受部32a側へと移送する移送機構である。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bはそれぞれ、第1薬剤授受部32a側に存在するカセットCaを受取カセット保持部232へと移送する移送機構である。
図10の(b)に示すように、第1ピッキングカセット移送部35aは、第1カセット把持部351、及び第1カセット移送機構352を備えている。
第1カセット把持部351は、カセットCaを把持する部材である。本実施形態では、第1カセット把持部351は枠体で構成されており、枠体の短手方向(X軸方向)に延伸する側壁(長手方向の端部)に、カセットCaの爪受部Ca12(図3参照)に引っ掛かる突起部351aが設けられている。枠体は、第1カセット把持部351が鉛直方向に移動したときに、カセットCaの底部及びカセット保持部23(ここでは第1カセット保持部23a)が通過可能であって、突起部351aに引っ掛かる程度の大きさの中空部を有している。カセット保持部23において第1カセット把持部351が鉛直上向きに移動したときに、突起部351aがカセット保持部23に載置された爪受部Ca12に引っ掛かることで、カセットCaが第1カセット把持部351に把持される。
第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を移動させるものである。第1カセット移送機構352は、第1梁部353及び第1支柱部354を備えている。第1梁部353は、ピッキングユニット3の奥行方向(Y軸方向)に延伸し、第1カセット把持部351をスライド可能に支持する。また、第1支柱部354は、ピッキングユニット3の高さ方向(Z軸方向)に延伸し、第1梁部353をスライド可能に支持する。ピッキングカセット移送制御部121は、第1支柱部354に沿って第1梁部353を移動させると共に、第1梁部353に沿って第1カセット把持部351を移動させる。これにより、カセット保持部23と薬剤授受部32との間で所望のカセットCaを移動させることができる。
また、図10の(b)に示すように、第2ピッキングカセット移送部35bは、第2カセット把持部355、及び第2カセット移送機構356を備えている。第2カセット把持部355の短手方向に延伸する側壁には、第1カセット把持部351と同様、カセットCaの爪受部Ca12に引っ掛かる突起部が設けられている。また、第2カセット移送機構356は、第2梁部357及び第2支柱部358を備えている。第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356の構造及び機能はそれぞれ、第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352と同様である。
また、図10の(c)及び(d)に示すように、第1梁部353と第2梁部357とは、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355がピッキングユニット3の奥行方向に沿って移動できる程度に離隔して設けられている。
また、ピッキングカセット移送制御部121は、第1カセット把持部351と第2カセット把持部355とが互いに衝突しないように、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355の移動(位置)を制御する。
具体的には、上述のように離隔して設けられた第1梁部353及び第2梁部357のそれぞれに、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355が片持ちの状態で支持されている。そして、第1カセット移送機構352及び第2カセット移送機構356は、第1カセット移送機構352及び第2カセット移送機構356の可動領域(第1梁部353及び第2梁部357の間の領域)において干渉しないように制御される。そのため、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、カセット保持部23と薬剤授受部32との間で互いに衝突しないように移動できる。
従って、複数のカセット把持部によりカセット保持部23及び薬剤授受部32の間でのカセットCaの移送が可能となる。そのため、カセットCaの移送効率を向上させることが可能となる。
次に、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの把持動作について、図11を用いて説明する。図11の(a)〜(e)は、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの把持動作を示す図である。
まず、カセットCaが受渡カセット保持部231に載置されている状態において、第1梁部353は、当該受渡カセット保持部231の直下に第1カセット把持部351を移動させることができるように、第1支柱部354に沿って鉛直方向に移動する。その後、図11の(a)に示すように、第1カセット把持部351は、受渡カセット保持部231へと水平方向に移動し、図11の(b)に示すように、受渡カセット保持部231の直下の位置において停止する。
次に、図11の(c)に示すように、第1梁部353が、第1支柱部354に沿って鉛直上向きに移動していくことで、第1カセット把持部351の中空部を受渡カセット保持部231が通過した後、第1カセット把持部351の突起部351aが、カセットCaの爪受部Ca12に引っ掛かり一時的に係止する。これにより、第1カセット把持部351はカセットCaを把持できる。
次に、第1カセット把持部351は、カセットCaを把持した状態で、開口部321の下方に位置するように、第1梁部353に沿って移動する。この移動と共に、第1梁部353は、第1カセット把持部351が開口部321の直下に位置するように、第1支柱部354に沿って鉛直上向きに移動する。これにより、図11の(d)に示すように、第1カセット把持部351は、開口部321の直下にカセットCaを移送できる。そして、ユーザは、第1カセット把持部351が把持するカセットCaからの薬剤シートの取出し、又は当該カセットCaへの薬剤シートの充填を行うことが可能となる。
なお、開口部321の直下の位置(つまり、ユーザがカセットCaからの薬剤シートの取出し、又は当該カセットCaへの薬剤シートの充填を行うことが可能な位置)を、薬剤授受位置P1と称する。
薬剤授受位置P1でのユーザによる作業が完了した後、第1梁部353は、受取カセット保持部232の直上に第1カセット把持部351を移動させることができるように、第1支柱部354に沿って鉛直下向きに移動する。また、第1カセット把持部351は、受取カセット保持部232へ向けて、第1梁部353に沿って移動する。その後、図11の(c)での動作と逆の動作が行われる。つまり、第1梁部353が、第1支柱部354に沿って鉛直下向きに移動していくことで、受渡カセット保持部231にカセットCaが載置される。またこのとき、突起部351aが爪受部Ca12から離れ、一時的な係止状態が解除される。その後、第1カセット把持部351の中空部を受取カセット保持部232が通過することで、第1カセット把持部351は、受渡カセット保持部231へと移動することが可能となる。
一方、第2ピッキングカセット移送部35bについても、第1ピッキングカセット移送部35aと同様に移動することが可能である。例えば、第2ピッキングカセット移送部35bは、第1カセット把持部351が把持したカセットCaの次に取出し又は充填対象となる薬剤シートを収容したカセットCaを把持し、当該カセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。
但し、図11の(e)に示すように、第1カセット把持部351が薬剤授受位置P1に位置しているときには、第2カセット把持部355は、薬剤授受部32の近傍(具体的には薬剤授受位置P1の近傍)に設けられた待機位置P2に移動する。その後、第1カセット把持部351が受取カセット保持部232へ向けて移動した後、第2カセット把持部355は、薬剤授受位置P1まで移動する。第1カセット把持部351は、受取カセット保持部232にカセットCaを返却した後、受渡カセット保持部231に載置された新たなカセットCaを把持し、待機位置P2へと移動する。この動作が繰り返し行われる。
図11の(e)に示すように、本実施形態では、待機位置P2は、薬剤授受位置P1よりも下方であって、ピッキングユニット3の奥行方向において、薬剤授受位置P1よりも本体ユニット2から離れた位置に設けられている。これにより、薬剤授受位置P1に位置するカセット把持部が受取カセット保持部232に向けて移動するときに、待機位置P2に位置するカセット把持部と衝突しないようにすることができる。
(ピッキングカセット移送部の動作例)
次に、ピッキングカセット移送部35の動作例について、図12を用いて説明する。図12の(a)〜(h)は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの動作例を示す図である。図12に示す網掛けの矢印は第1カセット把持部351の移動方向、黒塗りの矢印は第2カセット把持部355の移動方向、白抜きの矢印は本体カセット移送部22によるカセットCaの移動方向を示している。またここでは、第1カセット把持部351がカセットCaを把持して薬剤授受位置P1に位置しており、第2カセット把持部355がカセットCaを把持して待機位置P2に位置している状態からの動作例について説明する。
本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35a(第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352)は、図12の(c)〜(f)に示すように、上段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232にアクセス可能となっている。また、第2ピッキングカセット移送部35b(第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356)は、図12の(c)及び(f)〜(h)に示すように、下段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232にアクセス可能となっている。図12では、上段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ、受渡カセット保持部231a及び受取カセット保持部232aとしている。同様に、下段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ、受渡カセット保持部231b及び受取カセット保持部232bとしている。
なお、カセット保持部23における受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232の配置位置は自由に設定されてよい。換言すれば、カセット保持部23のどの位置を、受渡カセット保持部231又は受取カセット保持部232として機能させるかについては、自由に設定されてよい。また、この設定は、本体ユニット2を含むドラッグステーション1の動作状況(例:薬剤シートの払出状況)に応じて、制御装置10によって随時切替えられても構わない。
つまり、カセット保持部23を構成するカセットCaの載置台は、制御装置10の制御を受けて、上記動作状況に応じて、受渡カセット保持部231として機能するか、又は受取カセット保持部232として機能するかが切替えられてよい。この場合、上記動作状況に応じて、上記載置台を受渡カセット保持部231又は受取カセット保持部232として機能させることができる。そのため、カセット保持部23は、上記動作状況に応じて効率良くカセットCaを保持することが可能となる。なお、上記載置台は、上記動作状況を考慮せずに(例えばユーザ入力に基づき)、受渡カセット保持部231として機能するか、又は受取カセット保持部232として機能するかが切替えられても構わない。
また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bのカセット保持部23に対するアクセス位置についても、自由に設定されてよい。この設定についても、上記動作状況に応じて、制御装置10によって随時切替えられても構わない。
まず、図12の(a)に示すように、上述のように、第1ピッキングカセット移送部35aの第1カセット移送機構352は、カセットCaを把持した第1カセット把持部351を薬剤授受位置P1に移送している。この状態においてシャッター322が開くことで、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われる。また、第2ピッキングカセット移送部35bの第2カセット移送機構356は、カセットCaを把持した第2カセット把持部355を待機位置P2に移送している。つまり、第2カセット把持部355は、カセットCaを把持した状態で、待機位置P2で待機している。
また、上記ピッキング作業が行われている間に、図12の(b)に示すように、本体カセット移送部22は、受渡カセット保持部231aに新たなカセットCaを載置する。
第1カセット把持部351が把持するカセットCaに対するピッキング作業が終了し、薬剤判定部124により薬剤投入部331に投入された薬剤シートの種類及び数量が適切であると判定されると、シャッター322が閉鎖する。シャッター322が閉鎖すると、図12の(c)に示すように、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を受取カセット保持部232aへ移動させた後、第1カセット把持部351が把持していたカセットCaを受取カセット保持部232bに載置する。また、第1カセット把持部351が移動することで薬剤授受位置P1が空いた後、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を薬剤授受位置P1へ移動させる。この状態において、シャッター322が開くことで、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われる。
次に、図12の(d)に示すように、本体カセット移送部22は、第1カセット移送機構352により受取カセット保持部232aに載置されたカセットCaを、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置に返却する。また、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を、受取カセット保持部232aから受渡カセット保持部231aへ移動させる。その後、第1カセット移送機構352は、受渡カセット保持部231aに載置されたカセットCaを、第1カセット把持部351に把持させる。
次に、図12の(e)に示すように、第1カセット移送機構352は、カセットCaを把持した第1カセット把持部351を、待機位置P2へ移動させ、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が完了するまで待機する。また、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われている間に、本体カセット移送部22は、受渡カセット保持部231bに新たなカセットCaを載置する。
第2カセット把持部355が把持するカセットCaに対するピッキング作業が終了し、薬剤判定部124により薬剤投入部331に投入された薬剤シートの種類及び数量が適切であると判定されると、シャッター322が閉鎖する。シャッター322が閉鎖すると、図12の(f)に示すように、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を受取カセット保持部232bへ移動させた後、第2カセット把持部355が把持していたカセットCaを受取カセット保持部232bに載置する。また、第2カセット把持部355が移動することで薬剤授受位置P1が空いた後、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を薬剤授受位置P1へ移動させる。この状態において、シャッター322が開くことで、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業可能な状態になる。
次に、図12の(g)に示すように、本体カセット移送部22は、第2カセット移送機構356により受取カセット保持部232bに載置されたカセットCaを、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置に返却する。また、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を、受取カセット保持部232bから受渡カセット保持部231bへ移動させる。その後、第2カセット移送機構356は、受渡カセット保持部231bに載置されたカセットCaを、第2カセット把持部355に把持させる。
次に、図12の(h)に示すように、第2カセット移送機構356は、カセットCaを把持した第2カセット把持部355を、待機位置P2へ移動させ、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業が完了するまで待機する。
処方データに基づくカセットCaの移送処理が行われている場合、処方データに含まれる全ての薬剤シートに対するピッキング作業が終了するまで、上述した動作が繰り返し行われる。また、薬剤シートを順次充填する場合についても、全ての薬剤シートの充填作業が終了するまで、上述した動作が繰り返し行われてよい。
なお、図12の(e)及び(f)において、第2カセット把持部355が薬剤授受位置P1に存在しない場合には、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を直接、薬剤授受位置P1へと移送して構わない。同様に、図12の(g)及び(h)において、第1カセット把持部351が薬剤授受位置P1に存在しない場合には、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を直接、薬剤授受位置P1へと移送して構わない。
このように、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、薬剤シートの取出し又は充填対象となるカセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、薬剤授受位置P1にカセットCaが位置している場合には、当該カセットCaの次に薬剤シートの取出し又は充填対象となるカセットCaを、待機位置P2に移送して待機させる。
具体的には、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、カセット保持部23から引き出したカセットCaを把持して、カセット保持部23、薬剤授受位置P1及び待機位置P2の間で移送させる。また、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、互いに衝突しないように移動する。
これにより、薬剤授受位置P1においてカセットCaに対する作業を行うことが可能になると共に、待機位置P2にて、当該カセットCaの次の作業対象であるカセットCaを、薬剤授受位置P1の近傍に待機させることができる。そのため、薬剤授受位置P1においてカセットCaに対する作業が終了した後、続けて、待機位置P2に待機させていたカセットCaを薬剤授受位置P1へと移動させることができる。そのため、複数のカセットCaに対する作業をユーザに効率良く行わせることが可能となる。
従って、ピッキングユニット3は、ユーザによる薬剤シートの取出し又は充填が行われるカセットCaを、効率良くユーザに提供できる。
(シャッター322の動作例)
次に、シャッター322の動作例について、図13を用いて説明する。図13の(a)〜(c)は、シャッター322の動作例を示す図である。
上述したように、シャッター322は、シャッター制御部122の制御を受けて、開閉動作を行う。具体的には、図13の(a)に示すように、シャッター制御部122は、薬剤授受部32(具体的には、薬剤授受位置P1)にカセットCaが位置していない場合には、シャッター322を閉鎖している。図13の(b)及び(c)に示すように、シャッター制御部122は、ピッキングカセット移送部35がカセットCaを薬剤授受位置P1で停止させた後、シャッター322を開く。これにより、ユーザは、カセットCaに対する薬剤シートのピッキング又は充填作業を行うことが可能となる。
ピッキングカセット移送制御部121及びシャッター制御部122は、カセットCaの種類、及び、カセットCaのどの収容位置にどの種類の薬剤シートが収容対象となっているかを特定している。従って、ピッキングカセット移送制御部121及びシャッター制御部122は、仕切部が無いカセットCa(例:小型カセットCa3)の場合には、1種類の薬剤シートのみが収容対象となっていることを特定できる。そのため、ピッキングカセット移送制御部121が、カセットCaの中央が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送した後、図13の(b)に示すように、シャッター制御部122はシャッター322を全開にする。
一方、仕切部があるカセットCa(例:大型カセットCa1又は中型カセットCa2)の場合には、ピッキングカセット移送制御部121は、払出又は充填対象の薬剤シートの収容位置が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送する。その後、シャッター制御部122は、図13の(c)に示すように、当該薬剤シートが収容されている収容領域の幅分、シャッター322を開く。
このように、シャッター322の開口幅は、薬剤授受位置P1に移送されたカセットCaの種類に応じて変更される。
また、次の払出し又は充填対象の薬剤シートが、現在払出し又は充填対象となっている薬剤シートと同じカセットCaに収容されている場合、カセットCaを変更することなく、カセットCaの位置を変更するだけでよい。この場合、現在払出し又は充填対象となっている薬剤シートの払出し又は充填が完了した後、シャッター制御部122はシャッター322を閉鎖する。その後、ピッキングカセット移送制御部121は、次の払出し又は充填対象の薬剤シートの収容位置が開口部321の中央付近となるように、カセットCaを移動させる。その後、シャッター制御部122は、当該薬剤シートの収容されている収容領域の幅分、シャッター322を開く。
従って、仕切部を有するカセットCaを採用することにより、例えば同時期に払出される可能性が高い薬剤シートを同じカセットCaに収容しておくことで、更に効率良く薬剤シートを払出すことが可能となる。
なお、上記説明では、ユーザがアクセスする収容位置が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送し、開口部321の中央付近が開口するようにシャッター322を開いている。これに限らず、仕切部を有するカセットCaの中央を開口部321の中央付近に移送させ、ユーザがアクセスする収容位置にあわせて開口するようにシャッター322を段階的に開くようにしても構わない。
(薬剤払出部の構造)
次に、薬剤払出部33の構造例について、図14を用いて説明する。図14は、薬剤払出部33の構造例を示す断面図である。
図14に示すように、作業台36には、薬剤投入部331が形成され、その上方に撮像部335が設けられている。薬剤投入部331の下方には、薬剤搬送部332が設けられている。
薬剤搬送部332は、薬剤投入部331から投入された薬剤シートを上部シャッター333側に落下させるように動作する。本実施形態では、薬剤搬送部332は、回転軸332aによって回転することにより、図14に示す矢印Arrの方向に動くベルトコンベアで実現されている。また、薬剤搬送部332の直下には、計量部336(ロードセル)が設けられている。これにより、薬剤搬送部332に載置された薬剤シートを計量できる。
上部シャッター333は、薬剤搬送部332よりも下方であって、薬剤搬送部332から薬剤シートが落下する位置に設けられており、水平方向(本実施形態では、ピッキングユニット3の幅方向(X軸方向))に開閉動作を行う。また、下部シャッター334は、上部シャッター333よりも下方であって、上部シャッター333から薬剤シートが落下する位置に設けられており、水平方向(本実施形態ではX軸方向)に開閉動作を行う。これにより、上部シャッター333及び下部シャッター334は、閉状態のときに、薬剤シートを一時的に保持することが可能となる。また、上部シャッター333及び下部シャッター334はそれぞれ、開状態のときに、下部シャッター334及び搬送トレイTrに薬剤シートを落下させることが可能となる。
なお、初期状態において、上部シャッター333は開状態、下部シャッター334は閉状態となっている。
また、薬剤払出部33は、下部シャッター334を水平方向(X軸方向)に移動させる下部シャッター移動機構334aを備えている。具体的には、下部シャッター移動機構334aは、その底部に下部シャッター334を備える中空部3341と、中空部3341をX軸方向にスライドさせる梁部3342と、を備えている。中空部3341をX軸方向に移動可能とすることにより、上部シャッター333の直下で受けた薬剤シートを、薬剤シートを受けた位置とは別の位置において、搬送トレイTrへ落下させることが可能となる。
つまり、下部シャッター移動機構334aを備えることで、X軸方向において、下部シャッター334と搬送トレイTrとの位置関係を調整できる。そのため、搬送トレイTrの所望の位置に薬剤シートを落下させることができる。なお、上記位置関係の調整は、トレイ搬送部6が搬送トレイTrを移動させることによっても行われる。
ここで、薬剤払出制御部123は、例えば、薬剤投入部331に薬剤シートが投入され、計量部336による計量が開始されたことをトリガーとして、撮像部335を制御して、当該薬剤シートを撮像する。薬剤判定部124は、撮像部335が撮像した薬剤シートの画像、計量部336が計量した薬剤シートの重量、及び処方データに基づき、薬剤投入部331に投入された薬剤シートが、処方データに従って払出される薬剤シートとして適切なものであるか否かを判定する。
薬剤判定部124は、薬剤投入部331に投入された薬剤シートが適切であると判定した場合、薬剤シートの種類から、薬剤シートに含まれる薬剤が損傷しやすいもの(例:打痕がつきやすい薬剤)であるか否かを判定する。薬剤判定部124が損傷しやすい薬剤シートであると判定した場合、薬剤払出制御部123は、上部シャッター333を閉鎖した後、薬剤搬送部332を動作させ、閉状態の上部シャッター333へと落下させる。所定時間経過後(薬剤搬送部332に載置された薬剤シートが完全に落下するのに十分な時間経過後)、薬剤払出制御部123は、上部シャッター333を開き、閉状態の下部シャッター334へと落下させる。
一方、薬剤判定部124が損傷しにくい薬剤シートであると判定した場合、薬剤払出制御部123は、上部シャッター333を開状態としたまま、薬剤搬送部332を動作させ、閉状態の下部シャッター334へと落下させる。
このように、上部シャッター333を設けることにより、損傷しやすい薬剤については、薬剤搬送部332からの落下による薬剤の損傷を抑制できる。また、損傷しにくい薬剤については、薬剤搬送部332から直接下部シャッター334に落下させることにより、薬剤シートを上部シャッター333に一時的に保持させる時間を省くことができる。
薬剤払出制御部123は、トレイ搬送部6により、処方データに含まれる薬剤シートの払出先となる搬送トレイTrが下部シャッター334の下方に位置した状態で、下部シャッター移動機構334aを制御する。これにより、薬剤シートの落下位置となる搬送トレイTr上に下部シャッター334を移動させる。その後、薬剤払出制御部123は、下部シャッター334を開き、薬剤シートを搬送トレイTrへと落下させる。
ここで、薬剤払出制御部123及び搬送制御部13は、搬送トレイTrに収容する複数種類の薬剤シートがそれぞれ、搬送トレイTrの異なる箇所に収容されるように、下部シャッター334及び搬送トレイTrの位置制御を行う。例えば、薬剤払出制御部123は、下部シャッター334のX軸方向の位置を調整し、搬送制御部13は、搬送トレイTrのY軸方向の位置を調整する。また、制御装置10は、例えば、処方データに含まれる薬剤シートの払出順に薬剤シートが並んで載置されるように、薬剤シートの落下位置を決定する。
<本体ユニット及びピッキングユニットにおける処理の流れ>
次に、本体ユニット2及びピッキングユニット3における処理の流れについて、図15及び図16を用いて説明する。図15は、薬剤シートを搬送トレイTrに払出す場合の、本体ユニット2及びピッキングユニット3における処理の流れの一例を示すフローチャートである。図16は、薬剤シートをカセットCaに充填する場合の、本体ユニット2及びピッキングユニット3における処理の流れの一例を示すフローチャートである。
(薬剤シートの払出処理)
薬剤シートを搬送トレイTrに払出す場合、図15に示すように、制御装置10に処方データ(又はユーザ入力)が入力されると、本体ユニット2では、カセット特定部111は、記憶部15を参照することにより、処方データに含まれる薬剤シートの収容対象であるカセットCaを特定する(SA1)。また、カセット特定部111は、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置を特定する。
本体カセット移送制御部112は、第1本体カセット移送部22aを制御して、カセット特定部111が特定した保管位置まで第1カセット把持部221aを移動させる。本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214の検知結果に基づき、カセット特定部111が特定したカセットCaの真正面に第1カセット把持部221aが位置していると判定した場合、カセット棚21から当該カセットCaを取出す。そして、本体カセット移送制御部112は、取出したカセットCaを受渡カセット保持部231へ移送する(SA2)。またこのとき、RFIDリーダは、カセットCaのRFIDタグから爪受部識別情報を読取り、ピッキングユニット制御部12に送信する。
また、カセット特定部111は、処方データに含まれる最後の薬剤シートを収容したカセットCa(最終カセットと称する)を特定したか否かを判定する(SA3)。カセット特定部111は、最終カセットではないと判定した場合には(SA3でNO)、SA1の処理に戻る。このとき、本体カセット移送制御部112は、第2本体カセット移送部22bを制御して、カセット特定部111が特定した保管位置まで第2カセット把持部221bを移動させる。このようにして、カセット特定部111がカセットCaを特定する毎に、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bを交互に駆動させることにより、効率良くカセットCaを取出すことができる。一方、カセット特定部111が最終カセットであると判定した場合(SA3でYES)、SA5の処理に移行する。
また、本体ユニット2では、ピッキングカセット移送制御部121により受取カセット保持部232にカセットCaが返却された場合、本体カセット移送制御部112は、第1カセット把持部221a又は第2カセット把持部221bを制御して、当該カセットCaを受取カセット保持部232から取出す。
例えば、本体カセット移送制御部112は、カセットCaを受渡カセット保持部231へ移送した後、受取カセット保持部232へ第1カセット把持部221a又は第2カセット把持部221bを移動させておく。本体カセット移送制御部112は、受取カセット保持部232にカセットCaが載置され、ピッキングカセット移送部35が受取カセット保持部232から離れた後、当該カセットCaを受取カセット保持部232から取出す。
本体カセット移送制御部112は、記憶部15を参照することにより、受取カセット保持部232から取出したカセットCaの保管位置を特定し、第1本体カセット移送部22a又は第2本体カセット移送部22bを制御して、当該保管位置にカセットCaを返却する(SA4)。
また、カセット特定部111は、カセット棚21に返却するカセットCaが最終カセットであるか否かを判定する(SA5)。カセット特定部111が最終カセットでないと判定した場合(SA5でNO)、SA4の処理に戻る。一方、カセット特定部111が最終カセットであると判定した場合(SA5でYES)、本処理は終了となる。
一方、ピッキングユニット3では、SA2の処理で受渡カセット保持部231にカセットCaが載置され、本体カセット移送部22が受渡カセット保持部231から離れた後、ピッキングカセット移送制御部121は、第1ピッキングカセット移送部35a又は第2ピッキングカセット移送部35bを制御して、受渡カセット保持部231に載置されたカセットCaを待機位置P2へと移送した後(SB1)、薬剤授受位置P1へと移送する(SB2)。
但し、ピッキングカセット移送制御部121は、カセットCaが薬剤授受位置P1に存在している場合に、カセットCaを待機位置P2へと移送する。換言すれば、ピッキングカセット移送制御部121は、カセットCaが薬剤授受位置P1に存在しない場合には、受渡カセット保持部231から直接、薬剤授受位置P1へとカセットCaを移送してよい。
薬剤授受位置P1へカセットCaが載置されると、シャッター制御部122は、シャッター322を開く(SB3)。
ここで、ピッキングカセット移送制御部121は、払出対象の薬剤シートの収納先が仕切部を有するカセットCaである場合、(1)RFIDリーダが読取った爪受部識別情報と、(2)記憶部15に記憶されている収容位置情報と薬剤識別情報とを対応付けたデータと、に基づき、薬剤授受位置P1におけるカセットCaの向きを特定する。換言すれば、ピッキングカセット移送制御部121は、薬剤授受位置P1でのカセットCaの載置状態において、カセットCaのどの収容位置にどの種類の薬剤シートが収容対象となっているかを特定する。ピッキングカセット移送制御部121は、この特定結果に基づき、払出対象の薬剤シートが収容された収容位置が開口部321の中央付近となるように、カセットCaを移動させる。その後、シャッター制御部122は、当該収容位置のみが開口するようにシャッター322を開く。
ユーザは、シャッター322が開いている状態において、第2タッチパネル31に表示された数量分、薬剤シートを取出し、薬剤投入部331へと投入する。薬剤払出制御部123は、計量部336による計量が開始されると、撮像部335を制御して、薬剤投入部331に投入された薬剤シートを撮像する(SB4)。なお、第2タッチパネル31によって、薬剤投入部331への薬剤シートの投入完了を示すユーザ入力を受け付けたときに、撮像部335による撮像及び計量部336による計量が行われても構わない。
薬剤判定部124は、撮像部335による撮像結果、及び計量部336による計量結果に基づき、投入された薬剤シートの種類及び数量が、処方データが示すものと一致するか否かを判定する(SB5)。一致しないと判定された場合(SB5でNO)、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、投入する薬剤シートの種類又は数量が適切でない旨のエラー表示を行う(SB11)。このとき、再度の投入指示を表示しても構わない。
一方、一致すると判定された場合(SB5でYES)、薬剤払出制御部123は、上部シャッター333及び下部シャッター334の開閉動作を制御する(SB6)。
具体的には、薬剤払出制御部123は、薬剤判定部124により薬剤シートが損傷しやすいものと判定された場合、上部シャッター333を閉じた後、薬剤搬送部332を動作させて、閉状態の上部シャッター333に薬剤シートを落下させる。その後、薬剤払出制御部123は、上部シャッター333を開いた後、下部シャッター334を開くことにより、薬剤シートを搬送トレイTrへ落下させる。但し、薬剤払出制御部123は、下部シャッター334と搬送トレイTrとの位置関係が調整された後、下部シャッター334を開く。
一方、薬剤払出制御部123は、薬剤判定部124により薬剤シートが損傷しにくいものと判定された場合、上部シャッター333を開いたまま、薬剤搬送部332を動作させて、閉状態の下部シャッター334に薬剤シートを落下させる。その後、薬剤払出制御部123は、上記位置関係が調整された後、下部シャッター334を開くことにより、薬剤シートを搬送トレイTrへ落下させる。
また、SB5でYESの場合、シャッター制御部122はシャッター322を閉じる(SB7)。ピッキングカセット移送制御部121は、第1ピッキングカセット移送部35a又は第2ピッキングカセット移送部35bを制御して、薬剤授受位置P1にあるカセットCaを受取カセット保持部232へ移送する(SB8)。
その後、ピッキングカセット移送制御部121は、SB1及びSB2の処理に戻る。つまり、ピッキングカセット移送制御部121は、受取カセット保持部232にカセットCaを返却したピッキングカセット移送部35を制御して、受渡カセット保持部231に載置されたカセットCaを待機位置P2に移送する。また、ピッキングカセット移送制御部121は、待機位置P2でカセットCaを待機させていたピッキングカセット移送部35を制御して、当該カセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。
また、ピッキングカセット移送制御部121は、払出した薬剤シートと同じカセットCaに次の払出対象となる薬剤シートが収容されている場合、SB7の処理後、当該薬剤シートが収容されている収容位置が開口部321の中央付近となるように、カセットCaを移動させる。その後、SB3の処理に戻る。
ピッキングユニット制御部12は、最終カセットの受取カセット保持部232への移送が完了するまで、上述した処理を繰り返す。
(薬剤シートの充填処理)
薬剤シートを該当するカセットCaに充填する場合、図16に示すように、ピッキングユニット3のバーコードリーダ34が、充填する薬剤シートの薬剤識別情報を読取る(SB21)。本体ユニット2では、カセット特定部111は、この薬剤識別情報に基づき記憶部15を参照することにより、薬剤シートの充填先であるカセットCaを特定する(SA21)。また、カセット特定部111は、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置を特定する。
本体カセット移送制御部112は、SA2と同様、本体カセット移送部22を制御して、カセット棚21から、カセット特定部111が特定したカセットCaを取出し、当該カセットCaを受渡カセット保持部231へ移送する(SA22)。
ピッキングユニット3では、受渡カセット保持部231にカセットCaが載置され、本体カセット移送部22が受渡カセット保持部231から離れた後、ピッキングカセット移送制御部121は、ピッキングカセット移送部35を制御して、受渡カセット保持部231に載置されたカセットCaを薬剤授受位置P1へと移送する(SB22)。
薬剤授受位置P1へカセットCaが載置されると、シャッター制御部122は、シャッター322を開く(SB23)。充填対象の薬剤シートを、仕切部を有するカセットCaに収容する場合には、上述したように、当該薬剤シートの収容位置のみが開口状態となるように、カセットCaの位置決め及びシャッター322の開動作が制御される。
その後、第2タッチパネル31を介して、充填完了のユーザ入力を受付けると(SB24)、シャッター制御部122はシャッター322を閉じる(SB25)。その後、ピッキングカセット移送制御部121は、本体カセット移送部22制御して、薬剤授受位置P1にあるカセットCaを受取カセット保持部232へ移送する(SB26)。
その後、本体ユニット2では、本体カセット移送制御部112は、SA4と同様、カセットCaを当該カセットCaの保管位置に返却する(SA23)。
(小括)
このように、ピッキングユニット3は、処方データ(又はユーザ入力)、及び薬剤判定部124の判定結果に基づき、薬剤授受部32に該当するカセットCaを移送し、シャッター322を開閉する。そのため、ピッキングユニット3で作業を行うユーザは、薬剤シートの鑑査(種類の確認)を行わずとも、シャッター322が開いた状態において、カセットCaから薬剤シートを取出し、薬剤投入部331に投入するだけでよい。
従って、ピッキングユニット3における作業は、有資格者ではなく無資格者が行うことが可能となる。そのため、従来、ピッキング作業を行っていた有資格者に、他の業務を行わせることができる。
なお、上述のように、ピッキングユニット3の後段に設けられた鑑査ユニット4において、有資格者による最終鑑査が行われることにより、ピッキングユニット3での作業の確実性及び安全性を担保できる。
〔実施形態2〕
本開示の他の実施形態について、主として図17〜図30に基づき以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以降の実施形態についても同様である。
本実施形態では、主として、本明細書のドラッグステーションにおける処理に伴い表示される表示画像について説明する。本実施形態では、ドラッグステーション1(又はドラッグステーション1A(実施形態3))の処理に伴い表示される表示画像例について説明する。
なお、第1タッチパネル5は、第2タッチパネル31と同様、ピッキングユニット3(又はピッキングユニット3A(実施形態3))毎に設けられている。従って、第1タッチパネル5は、ドラッグステーション1全体に関する各種情報を表示すると共に、第1タッチパネル5が設けられたピッキングユニット3に関する各種情報を表示する。また、第1タッチパネル5は、ドラッグステーション1全体の処理、又は、第1タッチパネル5が設けられたピッキングユニット3の処理のための各種入力操作を受け付ける。第2タッチパネル31は、各ピッキングユニット3における薬剤の取出し又は充填作業のための各種画像表示又は入力操作受付を行う。
つまり、第1タッチパネル5及び第2タッチパネル31はそれぞれ、上述した情報又は画像を表示する表示装置(表示部)と、上述した入力操作を受け付ける入力装置(操作部)と、を有するタッチパネルとして機能する。また、上記の場合、第1タッチパネル5の表示装置が有する表示画面がメイン画面として、第2タッチパネル31の表示装置が有する表示画面がサブ画面として機能する。
以下では、任意の1台のピッキングユニット3に設けられた第1タッチパネル5及び第2タッチパネル31に表示される表示画像例について説明する。また以下では、各ピッキングユニット3に設けられたPC301(図28参照)により、制御装置10の各機能が実行されるものとして説明する。
また、制御装置10が受け付けた処方データの順に従って薬剤を払い出す順次払出しの場合、実施形態1と同様、第1薬剤授受部32a、及び、第1薬剤授受部32aの下方に設けられたピッキングカセット移送部35が用いられる(図9参照)。第2薬剤授受部32b、及び、第2薬剤授受部32bの下方に設けられたピッキングカセット移送部35は、処方データの受付順に従って払い出される薬剤に割り込んで個別に薬剤を払出す場合に用いられる。実施形態3においても同様である。
<第1タッチパネルにおける表示画像例>
まず、第1タッチパネル5に表示される表示画像例について説明する。図17〜図21は、第1タッチパネル5に表示される表示画像の一例を示す図である。
(ドラッグステーションの起動時)
ドラッグステーション1を起動させると、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5にログイン画像を表示させる。ログイン画像において、ユーザのID(作業者ID)及びパスワードが入力された後、ログイン画像のログインボタンへの入力操作が行われた場合、タッチパネル制御部14は、作業者ID及びパスワードの照合を行う。タッチパネル制御部14は、照合に成功した場合、図17に示すようなメイン画像を第1タッチパネル5に表示する。
(順次払出画像(払出一覧))
図17は、メイン画像の一例を示す図である。本実施形態では、タッチパネル制御部14は、メイン画像として、順次払出し中の画像(順次払出画像17001)を表示する。
順次払出画像17001は、例えば、メニュー表示領域A11、充填薬剤有無通知領域A12、払出キャンセルボタンA13、ログアウトボタンA14、設定ボタンA15、及び、終了ボタンA16を含む。これらの領域及びボタンは、順次払出画像18001、個別払出画像19001、充填画像20001、及び履歴照会画像21001にも含まれる。薬剤シート、軟膏又は目薬等の薬剤の充填中には、薬剤の払出しは行われないため、充填画像20001に払出キャンセルボタンA13は含まれない。
メニュー表示領域A11は、各種メニューボタンを表示する領域である。本例では、メニュー表示領域A11には、順次払出ボタンA111、個別払出ボタンA112、充填ボタンA113、統計・履歴照会ボタンA114、及びマスタ登録ボタンA115が表示されている。タッチパネル制御部14は、各種ボタンの選択に応じた画像を表示する。
順次払出ボタンA111が選択された場合、例えば、図17に示す順次払出画像17001又は図18に示す順次払出画像18001が表示される。個別払出ボタンA112が選択された場合、例えば図19に示す個別払出画像19001が表示される。充填ボタンA113が選択された場合、例えば図20に示す充填画像20001が表示される。統計・履歴照会ボタンA114が選択された場合、例えば図21に示す履歴照会画像21001が表示される。マスタ登録ボタンA115が選択された場合、薬剤の種類、ユーザ名等を登録するための画像が表示される。
充填薬剤有無通知領域A12は、薬剤の充填が必要なカセットCaが存在するか否かを表示する領域である。記憶部15には、本体ユニット2の各カセットCaのカセット識別情報(又は収容位置情報)に紐づけて、各カセットCaに保管されている薬剤の薬剤識別情報、及び、各カセットCaに保管されている薬剤の個数を示す個数情報等が管理されている。タッチパネル制御部14は、個数情報を参照することにより、個数が0又は基準値(設定された基準在庫数)未満であるカセットCaが1つでも存在すると判定した場合、充填薬剤有無通知領域A12に当該カセットCaが存在する旨の表示を行う。当該カセットCaが存在しない場合、タッチパネル制御部14は、充填薬剤有無通知領域A12に情報の表示を行わない。
払出キャンセルボタンA13は、薬剤の払出中に表示され、薬剤の払出しをキャンセルするための入力操作を受け付ける。ログアウトボタンA14は、ログアウトするための入力操作を受け付ける。薬剤の払出中、ログアウトボタンA14には、ログインしたユーザ名が表示されている。設定ボタンA15は、各種設定を行うための入力操作を受け付ける。終了ボタンA16は、ドラッグステーション1の各種処理を実行するためのアプリケーションを終了するか、又は制御装置10をシャットダウンするための入力操作を受け付ける。
順次払出画像17001は、その他、払出一覧選択ボタンA17、ピッキング一覧選択ボタンA18、表示絞込入力領域A19、払出一覧表示領域A20、払出済表示ボタンA21、及び削除ボタンA22を含む。
払出一覧選択ボタンA17への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、払出一覧表示領域A20等を含む順次払出画像17001を表示する。ピッキング一覧選択ボタンA18への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、ピッキング一覧表示領域A31等を含む順次払出画像18001(図18参照)を表示する。
表示絞込入力領域A19は、払出一覧表示領域A20に表示させる情報を抽出するための入力操作を受け付ける領域である。
第1絞込領域A191は、第1タッチパネル5が設けられたピッキングユニット3に割り付けた処方データに含まれる薬剤の払出状況(ステータス)を、払出一覧表示領域A20に表示させるための入力操作を受け付ける。制御装置10は、ピッキングユニット3毎に、割り付けられた各患者の患者名、処方データ、その受付順、及び払出状況を管理している。
上記入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、第1絞込領域A191のチェックボックスにチェックマークを表示する。また、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5が設けられたピッキングユニット3に割り付けた処方データに含まれる薬剤の払出状況を、払出一覧表示領域A20に表示する。
第2絞込領域A192は、患者名を入力可能な領域である。第2絞込領域A192に文字が入力された場合、タッチパネル制御部14は、入力された文字を含む患者の薬剤の払出状況を、払出一覧表示領域A20に絞込表示する。
第3絞込領域A193は、制御装置10が受け付けている処方データの中から、分包される薬剤又は手撒される薬剤を含む処方データを抽出して、当該処方データに係る情報を払出一覧表示領域A20に表示させるための入力操作を受け付ける。これらの薬剤は、ドラッグステーション1(DS)からの払出後に、分包機による分包又は手撒等の後工程が存在する薬剤である。処方データには、これらの薬剤に関する情報が含まれている。
上記入力操作を受け付けている場合、タッチパネル制御部14は、第3絞込領域A193のチェックボックスにチェックマークを表示する。また、タッチパネル制御部14は、後工程において分包される薬剤又は手撒される薬剤の払出状況を、払出一覧表示領域A20に絞込表示する。
第4絞込領域A194は、制御装置10が受け付けている処方データの中から、端数が存在する薬剤を含む処方データを抽出して、当該処方データに係る情報を払出一覧表示領域A20に表示させるための入力操作を受け付ける。
上記入力操作を受け付けている場合、タッチパネル制御部14は、第4絞込領域A194のチェックボックスにチェックマークを表示する。また、タッチパネル制御部14は、端数が払出される薬剤の払出状況を、払出一覧表示領域A20に表示する。つまり、タッチパネル制御部14は、払出一覧表示領域A20に、端数が含まれている処方データ(患者)に係る薬剤の払出一覧を絞込表示する。
第5絞込領域A195は、制御装置10が受け付けている処方データの中から、3種類以上の薬剤が払出される処方データを抽出して、当該処方データに係る情報を払出一覧表示領域A20に表示させるための入力操作を受け付ける。
上記入力操作を受け付けている場合、タッチパネル制御部14は、第5絞込領域A195のチェックボックスにチェックマークを表示する。また、タッチパネル制御部14は、3種類以上の薬剤が払出される患者の当該薬剤の払出状況を、払出一覧表示領域A20に表示する。つまり、タッチパネル制御部14は、払出一覧表示領域A20に、3種類以上の薬剤を含む処方データ(患者)に係る薬剤の払出一覧を絞込表示する。
クリアボタンA196は、第1絞込領域A191〜第5絞込領域A195への絞込条件の入力をクリアする入力操作を受け付ける。
図17の例では、第1絞込領域A191〜第5絞込領域A195の何れにおいても入力操作を受け付けていない。そのため、図17の例では、タッチパネル制御部14は、何れのチェックボックスにもチェックマークを表示しておらず、ドラッグステーション1において受け付けた全処方データに基づく薬剤の払出状況を表示している。
また、タッチパネル制御部14は、払出一覧表示領域A20に「DS以外の調剤有無」欄を設けている。「DS以外の調剤有無」には、ドラッグステーション1以外の他の調剤機器(例:分包機)において調剤を必要とする薬剤の種類、及び、調剤が完了しているか否かが表示される。調剤の要否、及び調剤が完了しているか否かの情報は、薬剤の種類毎に、記憶部15において管理されている。なお、図17中の「麻」は麻薬を示し、「水」は「水剤」を示し、「分」は「分包される薬剤」を示している。また「〇」は、他の調剤機器での処理が完了していることを示し、「 ×」は当該他の調剤機器での処理が未処理の状態を示している。
払出一覧表示領域A20には、患者毎に、薬剤の払出状況を示す情報(払出データ)が表示される。図17の例では、払出し順に、患者毎の薬剤の払出状況が表示されている。払出一覧表示領域A20には、例えば、薬剤の払出対象者である患者の順番を表示する「順番」欄、患者名を表示する「患者」欄、及び、薬剤の払出状況を表示する「状態」欄が含まれる。また、払出一覧表示領域A20には、制御装置10により管理される、処方データを受け付けてからの待ち時間が表示される「待ち時間」欄が含まれる。さらに、払出一覧表示領域A20には、第1絞込領域A191〜第5絞込領域A195への入力操作の有無によって、各絞込条件に基づく薬剤の払出一覧が表示される。
また、払出済表示ボタンA21は、薬剤の払出しが完了した患者の情報のみを表示するための入力操作を受け付ける。払出済表示ボタンA21への入力操作により、タッチパネル制御部14は、薬剤の払出しが完了した患者の情報のみを、払出一覧表示領域A20に表示する。また、削除ボタンA22は、払出一覧表示領域A20に表示された患者の払出データを削除するための入力操作を受け付ける。払出一覧表示領域A20に表示された患者の情報が選択された状態(図17では、順番5が選択状態)において、削除ボタンA22への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、選択された患者の払出データを、払出一覧表示領域A20から削除する。
(順次払出画像(ピッキング一覧))
図18は、順次払出画像18001の一例を示す図である。順次払出画像18001は、ピッキング一覧表示領域A31、及び、次払出情報表示領域A32を含む。ピッキング一覧表示領域A31には、払出される薬剤の種類毎に、薬剤の払出しに関する情報が表示される。図18の例では、払出し順に、種類毎に薬剤の払出しに関する情報が表示されている。
ピッキング一覧表示領域A31には、例えば、払出対象である薬剤の順番を表示する「順番」欄、薬剤名を表示する「薬品」欄、薬剤の形体を表示する「形体」欄、及び、払出数を表示する「総量」欄が含まれる。また、ピッキング一覧表示領域A31には、薬剤の払出対象者である患者名を表示する「対象者」欄、薬剤の払出完了までの概算時間を表示する「完了時間」、及び、種々の状況を表示する「状態」欄が含まれる。
薬剤の形体を示す情報は、例えば、薬剤識別情報に紐づけて記憶部15に記憶されている。「完了時間」欄の情報は、例えば、薬剤の種類毎にその払出しにかかる推定時間が記憶部15に記憶されており、その推定時間に基づき制御装置10により算出された結果が表示される。「状態」欄には、例えば、カセットCa内の薬剤を払出すときに欠品となることを示す情報、処方データの受付順に従って払出される薬剤に割り込んで個別に払出される薬剤を示す情報等が表示される。「状態」欄の情報は、カセットCaに収容されている薬剤の個数情報、個別払出しの受付等、当該欄の表示に必要な情報を制御装置10が管理することにより表示される。
上記欠品となることを示す情報は、次の処理を経て表示される。制御装置10は、受け付けた処方データにおける同一種類の薬剤について、本体ユニット2に収容されている薬剤の全個数から、薬剤の払出数(「総量」に表示)を、払出順に減算する。制御装置10は、減算した結果、0以下となった払出順の払出データに対して、上記欠品となることを示す情報(図中における「欠品」)を表示する。つまり、薬剤の払出順から予測した結果、当該薬剤を払出すときに欠品となっていると判定された薬剤の払出データに対して、タッチパネル制御部14は、上記欠品となることを示す情報を表示する。
また、制御装置10が薬剤の払出状況を管理することにより、タッチパネル制御部14は、例えば、払出残数(図中の「ピッキング残」)、及び、払出完了数(図中の「ピッキング実績」)を表示できる。この表示により、ユーザ(作業者)は、ドラッグステーション1全体における薬剤の払出状況(進捗状況)を確認できる。
次払出情報表示領域A32には、現在払出中(ピッキング作業中)の薬剤の次に払出される薬剤に関する情報が表示される。次払出情報表示領域A32には、例えば、次に払出される薬剤の名称及び画像、並びに、当該薬剤が収容されているカセットCaのカセット番号及び当該カセットCaに収容されている薬剤の個数(在庫数)が表示される。また、親子カセットが存在する場合には、次払出情報表示領域A32には、親子カセットを構成するカセットCaのカセット番号、及び当該カセットCaに収容されている薬剤の個数が表示される。親子カセットは、同種の薬剤を収容するカセットCaの一群を指す。また本例では、次払出情報表示領域A32には、親子カセットに収容されている薬剤と同種の薬剤の棚在庫数も表示されている。ここでの棚在庫は、当該同種の薬剤であって、ドラッグステーション1が設置された薬局等における、本体ユニット2以外の薬剤棚等において管理されている薬剤の個数を示す。
親子カセットのカセット番号は、薬剤の払出中にカセットCaが欠品となった場合に、別のカセットCaを呼び出して当該カセットCaに充填可能かどうかをユーザが判断できるようにするために表示される。親子カセットのそれぞれのカセットCaに収容されている個数についても同様である。棚在庫数は、薬剤の払出中にカセットCaが欠品となった場合に、棚在庫からカセットCaに充填可能かどうかをユーザが判断できるようにするために表示される。
記憶部15には、薬剤識別情報に紐づけて、薬剤の画像が記憶されている。また、同種の薬剤を収容しているカセットCaについては、種類毎に、親子カセットであることを示す情報(フラグ)が設定されている。また、タッチパネル制御部14は、上記棚在庫として管理される薬剤に関する情報(例:各薬剤の種類、保管位置又は個数の情報)を、薬局等に入庫される薬剤に関する情報を管理する入庫システム(不図示)から取得する。
(個別払出画像)
図19は、個別払出画像19001の一例を示す図である。個別払出画像19001は、薬剤の順次払出しとは別に薬剤を個別に払出すための入力操作を受け付けるための画像である。
個別払出ボタンA112が選択された場合、タッチパネル制御部14は、まずログイン画像を表示する。順次払出しに割込んで個別に薬剤を払出すユーザは、順次払出しにおいてピッキング作業を行っているユーザとは異なる可能性があるためである。ユーザ認証が完了すると、タッチパネル制御部14は、例えば図19に示す個別払出画像19001を表示する。
個別払出画像19001は、薬剤一覧表示領域A41及び払出薬剤表示領域A42を含む。
薬剤一覧表示領域A41は、本体ユニット2に保管されている薬剤に関する情報を抽出するための入力操作を受け付けると共に、抽出された薬剤に関する情報を表示する領域である。薬剤一覧表示領域A41は、第1抽出領域A411、第2抽出領域A412、抽出結果表示領域A413、及び払出リスト追加ボタンA414を含む。
第1抽出領域A411及び第2抽出領域A412は、抽出結果表示領域A413に表示するカセットCa(薬剤)に関する情報を抽出するための入力操作を受け付ける領域である。なお、抽出条件が入力されていない場合には、本体ユニット2に収容されている全ての薬剤に関する情報の一覧(薬剤リスト)が表示されている。
第1抽出領域A411の「全て」への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、全薬剤識別情報に紐付けられた情報を、抽出結果表示領域A413に表示する。「あ」への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、「あ」から始まる薬剤名を有する薬剤の薬剤識別情報に紐付けられた情報を、抽出結果表示領域A413に抽出表示する。「か」以降についても同様である。第2抽出領域A412は薬剤名を入力可能な領域であり、タッチパネル制御部14は、第2抽出領域A412に入力された文字を含む薬剤の薬剤識別情報に紐付けられた情報を、抽出結果表示領域A413に抽出表示する。
抽出結果表示領域A413には、例えば、抽出された薬剤の名称の他、例えば、カセット番号(図中の「カセットNo.」)、枝番号(図中の「枝No.」)、基準在庫数、在庫数、棚在庫数、ロット番号、及び有効期限が表示される。枝番号は、カセットCaが仕切部で仕切られている場合の、カセットCaにおける各収容位置を示すものである。つまり、枝番号には収容位置情報が表示される。基準在庫数は、カセットCaに収容される最低限の薬剤の個数を示す基準値である。在庫数は、カセットCaに保管されている薬剤の個数を示し、棚在庫数は、ドラッグステーション1が設置された薬局等における、本体ユニット2以外の薬剤棚等において管理されている薬剤の個数を示す。
払出リスト追加ボタンA414は、抽出結果表示領域A413に表示された薬剤の中から選択された薬剤に関する情報を、払出リスト表示領域A421に追加するための入力操作を受け付ける。
払出薬剤表示領域A42は、処方データに基づく薬剤の順次払出しとは別に個別に払出される薬剤に関する情報を表示する領域である。払出薬剤表示領域A42は、例えば、払出リスト表示領域A421、中断ボタンA422、カセット移動ボタンA423、搬送薬剤表示領域A424、払出数入力領域A425、及び確認ボタンA426を含む。
払出リスト表示領域A421は、抽出結果表示領域A413に表示された薬剤の中から個別に払出す薬剤としてユーザに選択された薬剤に関する情報を表示する領域である。本例では、払出リスト表示領域A421には、選択された薬剤の名称と共に、当該薬剤を収容しているカセットCaのカセット番号及び枝番号が表示される。払出リスト表示領域A421の「 ×」は、選択した薬剤に関する情報を消去するための入力操作を受け付ける消去ボタンである。
タッチパネル制御部14は、例えば、抽出結果表示領域A413において薬剤に関する情報が選択された状態で、払出リスト追加ボタンA414への入力操作を受け付けた場合、当該薬剤に関する情報を、払出リスト表示領域A421に表示する。タッチパネル制御部14は、抽出結果表示領域A413において選択された薬剤に関する情報に対して、払出リスト表示領域A421へのドラッグ操作を受け付けることにより、当該情報を払出リスト表示領域A421に表示しても構わない。
中断ボタンA422は、払出リスト表示領域A421に表示されたカセットCaの搬送(移動)を中断するための入力操作を受け付ける。カセット移動ボタンA423は、払出リスト表示領域A421に表示されたカセットCaの搬送を開始するための入力操作を受け付ける。
搬送薬剤表示領域A424は、ピッキングユニット3の薬剤授受部32へ搬送されたカセットCa、及び、当該カセットCaに収容されている薬剤に関する情報を表示する領域である。本例では、当該カセットCaのカセット番号、当該カセットCaに収容されている薬剤の画像、ロット番号及び有効期限が表示される。ユーザは、ロット番号又は有効期限を参照して薬剤(カセット)を、払出リスト表示領域A421(払出リスト)に追加できる。
払出数入力領域A425は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaから取り出した薬剤の個数、又は当該カセットCaへ充填した薬剤の個数を入力可能な領域である。数値入力領域への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えばテンキーを表示する。「払出」ボタン(図中の「払出数」)が選択された状態で数値が入力された場合、払出数入力領域A425に表示される数値は、カセットCaから取出された(払出された)個数を示すことになる。「充填」ボタン(図中の「充填数」)が選択された状態で数値が入力された場合、払出数入力領域A425に表示される数値は、カセットCaへ充填された薬剤の個数を示すことになる。
薬剤が個別に払出される場合、カセットCaから薬剤が取出されるため、「払出」ボタンが選択される。但し、この取出しのタイミングにおいて、当該カセットCaに薬剤を充填することも可能である。そのため、「充填」ボタンも選択可能となっている。
払出数入力領域A425に薬剤の個数が入力された後、確認ボタンA426への入力操作を受け付けた場合、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaを本体ユニット2へ返却する。また、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、次の払出対象の薬剤を収容しているカセットCaを、本体ユニット2から薬剤授受部32へと搬送する。中断ボタンA422への入力操作を受け付けない限り、払出リスト表示領域A421に表示された全薬剤の払出しが完了するまで、この動作が繰り返し行われる。
また、制御装置10は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaに収容された薬剤の個数について、払出数入力領域A425に入力された数値の分、加減する。これにより、制御装置10は、カセットCaに収容している薬剤の個数を更新できる。
(充填画像)
図20は、充填画像20001の一例を示す図である。充填画像20001は、カセットCaに薬剤の充填を行うための入力操作を受け付けるための画像である。充填ボタンA113が選択された場合、タッチパネル制御部14は、例えば図20に示す充填画像20001を表示する。また、充填ボタンA113が選択された場合、制御装置10は、入力操作を受け付けた第1タッチパネル5を備えるピッキングユニット3への、処方データに基づく薬剤の払出しのための割付けを行わない。つまりこの場合、制御装置10は、当該ピッキングユニット3を、薬剤の充填作業専用のユニットとして取り扱う。
充填画像20001は、充填モード選択ボタンA61、及び棚卸モード選択ボタンA62を含む。充填モード選択ボタンA61への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、充填画像20001として、抽出領域A63、第1表示領域A64、及び、第2表示領域A65を含む画像を表示する。ユーザは、カセットCaへの薬剤の充填を行う場合、充填モード選択ボタンA61を選択する。
棚卸モード選択ボタンA62への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、本体ユニット2に保管されている全カセットCaに関する情報(例:全カセットCaに収容されている薬剤の種類、個数、及び収容位置)を表示する。なおこの場合、タッチパネル制御部14は、ドラッグステーション1が設置された薬局等に設置されている、本体ユニット2及び本体ユニット2以外の薬剤棚等において管理されている全薬剤の種類、個数及び収容位置等の情報を表示しても構わない。
抽出領域A63は、充填対象の薬剤を抽出するための領域である。範囲指定領域A631は、カセット番号の範囲を指定可能な領域である。範囲指定領域A631に対する入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、指定された範囲内にカセット番号を有するカセットCaに関する情報を、抽出結果表示領域A643に表示する。薬剤名指定領域A632は、薬品名を指定可能な領域である。薬剤名指定領域A632に対する文字入力を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、当該文字を含む薬剤を収容しているカセットCaに関する情報を、抽出結果表示領域A643に表示する。
欠品抽出領域A633は、欠品カセットのみを抽出結果表示領域A643に表示するための入力操作を受け付ける。不足カセット抽出領域A634は、基準在庫不足カセットのみを抽出結果表示領域A643に表示するための入力操作を受け付ける。デッドストックカセット抽出領域A635は、デッドストックカセットのみを抽出結果表示領域A643に表示するための入力操作を受け付ける。
欠品カセットは、欠品状態(在庫数0)であるカセットCaを指す。基準在庫不足カセットは、収容している薬剤の個数が基準在庫数未満であるカセットCaを指す。デッドストックカセットは、所定期間(例:ドラッグステーション1の起動時から数か月間)、搬送対象となっていないカセットCaである。例えば、制御装置10は、各カセットCaの直近の搬送日時を記憶しておくことにより、デッドストックカセットを特定できる。
抽出ボタン(検索ボタン)A636は、A631〜A635において指定された範囲でカセットCaを抽出するための入力操作を受け付ける。タッチパネル制御部14は、A631〜A635の何れかへの入力操作を受け付けた場合、抽出ボタンA636を入力操作受付可能な状態(アクティブ)にする。タッチパネル制御部14は、抽出ボタンA636への入力操作を受け付けた場合、A631〜A635において指定された範囲での抽出結果を、抽出結果表示領域A643に表示する。
第1表示領域A64は、棚在庫取込ボタンA641、充填リスト発行ボタンA642、抽出結果表示領域A643、中断ボタンA644、及びカセット移動ボタンA645を含む。
棚在庫取込ボタンA641は、入庫システムで管理されている薬剤の中から、本体ユニット2で保管されている薬剤に関する情報を抽出し、当該情報を抽出結果表示領域A643に表示させるための入力操作を受け付ける。充填リスト発行ボタンA642は、抽出結果表示領域A643に表示された抽出結果の印刷を実行するための入力操作を受け付ける。ドラッグステーション1には、プリンタ1013が接続されていてよい(図28参照)。
抽出結果表示領域A643は、抽出領域A63での抽出結果(充填リスト)を表示する領域である。タッチパネル制御部14は、抽出結果として、図19の抽出結果表示領域A413と同様の情報を表示する。抽出結果表示領域A643には、充填対象とするか否かを選択可能な「対象」欄が設けられている。本例では、「対象」欄への入力操作を受け付けるたびに、「〇」又は「−」が選択表示される。「〇」は充填対象として薬剤を選択したことを示し、「−」は充填対象外として薬剤を選択したことを示す。「チェックマーク」はカセットCaへの充填完了を示す。
中断ボタンA644は、充填対象として選択された薬剤を収容しているカセットCaの搬送を中断するための入力操作を受け付ける。カセット移動ボタンA645は、当該カセットCaの搬送を開始するための入力操作を受け付ける。
第2表示領域A65は、充填対象として選択された薬剤に関する情報を表示する領域である。第2表示領域A65は、例えば、薬剤情報表示領域A651、充填数入力領域A652、及び確認ボタンA653を含む。
薬剤情報表示領域A651は、充填対象として選択された薬剤、及び当該薬剤を収容するカセットCaに関する情報が表示される領域である。本例では、薬剤情報表示領域A651には、当該薬剤の画像、薬剤授受部32へ搬送された、当該薬剤を収容しているカセットCaのカセット番号、当該薬剤のロット番号及び有効期限が表示される。親子カセットが存在する場合には、そのカセット番号が表示される。
充填数入力領域A652は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaへ充填した薬剤の個数を入力可能な領域である。数値入力領域への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えばテンキーを表示する。
充填数入力領域A652に薬剤の個数が入力された後、確認ボタンA653への入力操作を受け付けた場合、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、薬剤授受部32に搬送されたカセットCaを本体ユニット2へ返却する。また、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、次の充填対象の薬剤を収容しているカセットCaを、本体ユニット2から薬剤授受部32へと搬送する。中断ボタンA644への入力操作を受け付けない限り、抽出結果表示領域A643において充填対象として選択された薬剤の収容先であるカセットCaへの薬剤の充填が完了するまで、この動作が繰り返し行われる。また、制御装置10は、充填数入力領域A652に入力された数値に基づき、カセットCaに収容している薬剤の個数を更新できる。
(履歴照会画像)
図21は、履歴照会画像21001の一例を示す図である。履歴照会画像21001は、ドラッグステーション1による処理(作業)の履歴を表示するための画像である。
<第2タッチパネルにおける表示画像例>
次に、第2タッチパネル31に表示される表示画像例について説明する。図22〜図27は、第2タッチパネル31に表示される表示画像の一例を示す図である。
(払出数量の判定前の表示画像例)
ドラッグステーション1を起動させたとき、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に初期画像を表示する。初期画像は、例えば黒色の表示画像であってよい。薬剤の順次払出し又は個別払出しのために薬剤授受部32にカセットCaが搬送されると、タッチパネル制御部14は、例えば図22に示す第1確認画像22001を表示する。
第1確認画像22001は、ユーザがカセットCaから薬剤を取出すときに必要となる情報を表示するための画像である。第1確認画像22001は、例えば、第1表示領域B11、第2表示領域B12、補充ボタンB13、親子カセット呼出ボタンB14、及び補足情報表示領域B15を含む。
第1表示領域B11は、ユーザへの指示内容又は測定結果等を表示する領域である。第1確認画像22001では、タッチパネル制御部14は、カセットCaから取出した薬剤に付与されたバーコードの情報(例:GS1コード)をバーコードリーダ34に読み取らせることをユーザに促す旨の指示内容を、第1表示領域B11に表示する。
第2表示領域B12は、カセットCaから取出す薬剤に関する情報を表示する。第2表示領域B12には、例えば、払出対象(取出対象)の薬剤の名称、規定された払出数量(取出数量)、及び画像が表示される。払出対象の薬剤が薬剤シートである場合、タッチパネル制御部14は、規定された払出数量として、例えばシート数、錠数(端数)及び総数をそれぞれ表示する。
第2表示領域B12において、特に、規定された払出数量(払出数量の目標値)は、その他の情報と比較して大きく表示される。制御装置10は、払出対象となる薬剤を収容しているカセットCaを、処方データに基づき薬剤授受部32まで搬送し、当該薬剤を収容している収容位置のみにユーザがアクセス可能なようにシャッター322を開く。そのため、ユーザが払出対象の薬剤以外の薬剤を取出す可能性は低い。一方、カセットCaからの薬剤の取出しはユーザによる手作業となるため、規定された払出数量とは異なる数量(誤った数量)の薬剤をユーザが取出してしまう可能性がある。ピッキング作業を行うユーザが、薬剤師等の資格を有さない無資格者である場合には特に、誤った数量の薬剤を取出してしまう可能性がある。上記のように、規定された払出数量を大きく表示することにより、当該払出数量の薬剤をユーザが容易に取出せるよう、ユーザによる薬剤のピッキング作業を支援できる。
なお本実施形態においては、シャッター322の開閉制御についてのみ言及するが、実施形態3のドラッグステーション1では、シャッター322aについてもシャッター322と同様に開閉制御されることに留意されたい。
第2表示領域B12は、その他、親子カセット表示領域B121、強制終了ボタンB122、及び確認ボタンB123を含む。
親子カセット表示領域B121は、薬剤授受部32に配置されたカセットCaに親子カセットとして紐付けられたカセットCaが存在する場合、当該カセットCaの番号を表示する領域である。親子カセット表示領域B121への入力操作を受け付けるたびに、タッチパネル制御部14は、当該カセットCaの番号の表示及び非表示を切り替える。初期設定では、当該カセットCaの番号は非表示となっていてよい。
なお、親子カセット表示領域B121は、親子カセットとして紐付けられたカセットCaが存在する場合に表示される。つまり、親子カセット表示領域B121は、呼び出されたカセットCaに親子カセットが存在しない場合には表示されない。
強制終了ボタンB122は、薬剤のピッキング作業の中断するための入力操作を受け付ける。強制終了ボタンB122への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えば図23に示す強制承認画像23001を表示する。強制承認画像23001において強制終了を承認するための入力操作を受け付けた場合、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じて薬剤授受部32に配置されているカセットCaを、本体ユニット2に返却する。また、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、次の払出対象である薬剤を収容しているカセットCaを、本体ユニット2から薬剤授受部32へと搬送する。
確認ボタンB123は、規定された払出数量分の薬剤をカセットCaから取出したとユーザが承認するための入力操作を受け付ける。
タッチパネル制御部14は、第1確認画像22001、第2確認画像22002、第3確認画像23002、又は第2判定画像25001(図25参照)を表示するときに、強制終了ボタンB122をアクティブにする。タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001(図24参照)を表示するときに、確認ボタンB123をアクティブにする。なお、タッチパネル制御部14は、払出数入力画像26001(図26参照)を表示するときに、確認ボタンB53をアクティブにする。
補充ボタンB13は、カセットCaから薬剤を取出すときに、当該カセットCaへの薬剤の充填作業を可能とするための入力操作を受け付ける。親子カセット呼出ボタンB14は、払出対象の薬剤を収容しているカセットCaと親子カセットとして紐付けられたカセットCaを、第2薬剤授受部32b(割込トレイとも称する)に搬送させるための入力操作を受け付ける。
補足情報表示領域B15は、払出対象の薬剤に関連する補足情報が存在する場合に、補足情報を表示する領域である。補足情報は、ピッキング作業においてユーザが注意を払うべき確認事項を示すものである。つまり、補足情報表示領域B15は、ピッキング作業におけるチェックリストを表示する領域である。補足情報としては、例えば、薬剤の用法等を説明する説明シート等の、薬剤と共に搬送トレイTrに収容すべき物品の有無情報が挙げられる。補足情報を表示した一例が、図24の説明表示画像24002に示されている。補足情報は、薬剤識別情報に紐付けて、記憶部15に記憶されている。
補足情報表示領域B15では、補足情報に対してチェックボックスが設けられている。ユーザは、例えば補足情報に示された確認事項を確認したときに、チェックボックスに入力操作を行うことができる。タッチパネル制御部14は、チェックボックスに入力操作を受け付けた場合、チェックマークを表示できる。
また、タッチパネル制御部14は、補足情報表示領域B15への入力操作を受け付けるたびに、補足情報表示領域B15の大きさを変更する。補足情報表示領域B15は、初期設定では、最小の大きさ(例:図22に示すように、1つの補足情報が視認できる程度の大きさ)に設定されている。
また、第1確認画像22001の表示中、バーコードリーダ34により読取った情報(例:GS1コード)が払出対象である薬剤を示すものであると制御装置10により判定された場合、タッチパネル制御部14は、第2確認画像22002へと表示を変更する。
図22に示す第2確認画像22002は、第1確認画像22001と同様、薬剤の払出しに必要な情報を表示するための画像である。第2確認画像22002では、タッチパネル制御部14は、規定された払出数量分の薬剤をカセットCaから取出すことをユーザに促す旨の指示内容を、第1表示領域B11に表示する。この表示状態において、ユーザは、第2表示領域B12に表示された払出数量分の薬剤を、カセットCaから取出す。
第1確認画像22001の表示中、バーコードリーダ34により読取った情報が払出対象である薬剤を示していないと制御装置10により判定された場合、タッチパネル制御部14は、第3確認画像23002へと表示を変更する。図23に示す第3確認画像23002は、バーコードリーダ34により読取った情報が払出対象である薬剤の薬剤識別情報と一致しないことを、例えば第1表示領域B11に表示するための画像である。
なお本実施形態では、薬剤授受部32にカセットCaが搬送されると、タッチパネル制御部14は、上記バーコードの情報をバーコードリーダ34に読み取らせることをユーザに促すために、第1確認画像22001を表示する。しかし、バーコードの情報の読取りを行う必要は必ずしも無い。ユーザに上記読取りを行わせない場合、薬剤授受部32にカセットCaが搬送されると、タッチパネル制御部14は、第1確認画像22001の代わりに、第2確認画像22002を表示する。また、ユーザに上記読取りを行わせないので、第3確認画像23002が表示されることも無い。上記読取りを行うか否かの設定は適宜変更可能である。
(払出数量の判定後の表示画像例)
(判定OKの場合)
実施形態1で述べたように、薬剤判定部124は、撮像部335が撮像した薬剤の画像、及び計量部336が計量した薬剤の重量に基づき、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されているか否かを判定する。薬剤判定部124により規定された払出数量分の薬剤が取出されていると判定された場合、タッチパネル制御部14は、例えば図24に示す第1判定画像24001を表示する。
タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001において、撮像された薬剤の画像、及び計量された薬剤の重量に基づく測定結果を、第1表示領域B11に表示する。つまり、測定結果と、第2表示領域B12に表示された、薬剤の名称、規定された払出数量及び画像といった払出目標となる指標を、1画像に表示できる。そのため、ユーザは、測定結果と払出目標となる指標とを、容易に確認できる。
第1判定画像24001では、第2表示領域B12に表示された、規定された払出数量(目標値)と同一の数量が、測定結果として表示される。図24に示すように、払出対象の薬剤が薬剤シートである場合、第2表示領域B12と同様、例えばシート数、錠数(端数)及び総数がそれぞれ表示される。
タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001に、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されていることを示す画像を表示する。本例では、図24に示すように、タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001の中央付近に、判定結果を示す画像(判定結果画像)として「〇」を表示する。そのため、ユーザは、規定された払出数量分の薬剤が取出されているか否かの判定結果を感覚的に認識できる。
また、タッチパネル制御部14は、判定結果画像を比較的大きく表示することにより、ユーザによる視認性を向上させている。また、タッチパネル制御部14は、判定結果表示前の画像が視認可能なように、判定結果画像を表示している。本例では、第2表示領域B12に表示された、薬剤の規定された払出数量及び画像等に重畳するように、判定結果画像として、半透明の「〇」が表示されている。これにより、ユーザは、測定結果、薬剤の名称、規定された払出数量、及び薬剤の画像等と共に、判定結果を視認できる。
また、タッチパネル制御部14は、補足情報表示領域B15への入力操作(例:下から上へのスワイプ操作)を受け付けた場合、例えば図24に示す説明表示画像24002を表示する。説明表示画像24002は、複数の補足情報を視認できるように、タッチパネル制御部14が補足情報表示領域B15を最大の大きさまで拡大した状態を示している。このとき、タッチパネル制御部14は、アクティブにした確認ボタンB123等の上に補足情報表示領域B15が重畳するように(確認ボタンB123が視認できなくなるように)、補足情報表示領域B15を拡大表示する。これにより、ユーザに対して、補足情報表示領域B15のチェックボックスへの入力操作を行うことを促進できる。また、補足情報表示領域B15の拡大表示中(つまり、ユーザによる補足情報の確認中)に、ユーザが誤って確認ボタンB123への入力操作を行ってしまうことを回避できる。
トレイ取出画像24003は、ピッキングユニット3からの搬送トレイTrの取出しをユーザに通知する画像である。トレイ取出画像24003は、実施形態1で説明したように、搬送トレイTrが患者毎に自動で差し替えられず、実施形態3にて説明するように、搬送トレイTrの差し替えを患者毎に手動で行う場合に、表示される画像である。この表示により、ユーザは、次の患者の処方データに基づく払出しのための搬送トレイTrを、ピッキングユニット3に配置できる。そのため、ユーザは、各患者の処方データに基づく薬剤を、互いに異なる搬送トレイTrに払出すことができる。
また、第1判定画像24001は、トレイ閉ボタンB21を含む。トレイ閉ボタンB21は、開状態のシャッター322を閉じるための入力操作を受け付ける。
ここで、ユーザが補足情報表示領域B15のチェックボックスへの入力操作を完了した後、補足情報表示領域B15への入力操作(例:上から下へスワイプ操作)を行うことにより、タッチパネル制御部14は、補足情報表示領域B15を縮小表示する。つまり、タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001を表示する。
この状態において、確認ボタンB123への入力操作を受け付けた場合、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じて、薬剤授受部32に配置されているカセットCaを本体ユニット2に返却する。確認ボタンB123への入力操作を受け付けた場合で、かつトレイ閉ボタンB21又はトレイ閉ボタン39(図33参照)への入力操作を受け付けた場合に、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じても構わない。また、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、上記入力操作を受け付けた場合、次の払出対象の薬剤を収容しているカセットCaを、本体ユニット2から薬剤授受部32へと搬送する。タッチパネル制御部14は、当該カセットCaが薬剤授受部32に配置されたときに、次の払出対象の薬剤の情報を含む第1確認画像22001又は第2確認画像22002を表示する。処方データにおける最後の薬剤の払出しであった場合には、タッチパネル制御部14は、例えば、初期画像を表示するか、又は、図24に示すトレイ取出画像24003を表示する。
なお本実施形態では、タッチパネル制御部14は、図22〜図24における画像において確認ボタンB123を表示しているが、確認ボタンB123を表示しなくても構わない。この場合、第1判定画像24001が表示された状態において、トレイ閉ボタンB21又はトレイ閉ボタン39への入力操作を受け付けた場合に、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じる。その後、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、薬剤授受部32に配置されているカセットCaを本体ユニット2に返却する。また、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、上記入力操作を受け付けた場合、次の払出対象の薬剤を収容しているカセットCaを、本体ユニット2から薬剤授受部32へと搬送する。なお、第1判定画像24001に確認ボタンB123もトレイ閉ボタンB21も表示されない場合には、トレイ閉ボタン39への入力操作を受け付けた場合に上述の処理が行われればよい。
また、図24の説明表示画像24002に示すように、タッチパネル制御部14は、トレイ閉ボタンB21の上に補足情報表示領域B15が重畳するように(トレイ閉ボタンB21が視認できなくなるように)、補足情報表示領域B15を拡大表示する。そのため、補足情報表示領域B15の拡大表示中(つまり、ユーザによる補足情報の確認中)に、ユーザが誤ってトレイ閉ボタンB21への入力操作を行ってしまうことを回避できる。
(判定NGの場合)
規定された払出数量とは異なる数量の薬剤がカセットCaから取出されていると薬剤判定部124により判定された場合、タッチパネル制御部14は、例えば図25に示す第2判定画像25001を表示する。第2判定画像25001においても、第1判定画像24001と同様、測定結果と、払出目標となる指標とを、1画像で表示できる。第2判定画像25001では、第2表示領域B12に表示された、規定された払出数量とは異なる数量が、測定結果として表示される。
タッチパネル制御部14は、第2判定画像25001に、規定された払出数量とは異なる数量の薬剤がカセットCaから取出されていることを示す画像を表示する。本例では、図25に示すように、タッチパネル制御部14は、第2判定画像25001の中央付近に、判定結果画像として「×」を表示する。タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001と同様、判定結果の視認性を向上させるため、判定結果画像を比較的大きく表示する。また、タッチパネル制御部14は、判定結果表示前の画像が視認可能なように、判定結果画像(例:半透明の「×」)を表示している。
ここで、薬剤判定部124が、規定された払出数量とは異なる数量の薬剤がカセットCaから取出されていると判定する場合としては、以下の場合が挙げられる。(1)カセットCaから取出した薬剤の個数が、規定された払出数量と実際に異なる場合。つまり、ユーザが規定された払出数量よりも多い、又は少ない数量分の薬剤を取出した場合。(2)カセットCaから取出した薬剤の個数は、規定された払出数量分であるが、撮像部335又は計量部336による測定誤差が生じた場合。
また、第2判定画像25001では、修正ボタンB124が表示される。第1判定画像24001において確認ボタンB123が表示されている場合、第2判定画像25001では、確認ボタンB123が修正ボタンB124に変更される。修正ボタンB124は、測定結果の修正作業を可能にするための入力操作を受け付ける。修正ボタンB124への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えば図25に示す数量修正画像25002を表示する。
ユーザは、第2判定画像25001が表示された場合、搬送トレイTrから薬剤を取出し、搬送トレイTrに収容された薬剤の個数を確認する。上記(1)の場合であれば、ユーザは、規定された払出数量分の薬剤を搬送トレイTrに収容しなおした後、修正ボタンB124への入力操作を行う。上記(2)の場合であれば、ユーザは、薬剤の個数を変更せずに、搬送トレイTrから取出した薬剤を、そのまま搬送トレイTrに戻した後、修正ボタンB124への入力操作を行う。つまり、修正ボタンB124は、上記(1)及び(2)の何れの場合においても、ユーザによる測定結果の修正を可能とするボタンである。
数量修正画像25002は、測定結果を修正する画像であり、第1表示領域B11、数量入力領域B31、キャンセルボタンB32、及び修正ボタンB33を含む。タッチパネル制御部14は、第1表示領域B11に、測定結果を修正することをユーザに促す旨の指示内容を表示する。数量入力領域B31は、数値の入力を受付可能な領域である。数量入力領域B31への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えばテンキーを表示する。
キャンセルボタンB32は、第2判定画像25001に表示を戻すための入力操作を受け付ける。修正ボタンB33は、修正内容を確定し、例えば図25に示す送信画像25003を表示するための入力操作を受け付ける。修正内容が規定された払出数量と一致しないと薬剤判定部124により判定された場合、タッチパネル制御部14は、修正ボタンB33への入力操作を受け付けても、送信画像25003を表示せずに、数量修正画像25002を表示したままとしても構わない。
送信画像25003は、ドラッグステーション1に接続された処方管理装置1011(図28参照)に送信する各種コメントを選択可能に表示する画像である。送信画像25003は、第1表示領域B11、コメント表示領域B41、閉ボタンB42、及び送信ボタンB43を含む。
タッチパネル制御部14は、第1表示領域B11に、コメントの選択及び送信をユーザに促す旨の指示内容を表示する。コメント表示領域B41には、各種コメントが選択可能に表示される。コメントは、ピッキング作業においてユーザが気付いた、処方管理装置1011に通知しておくべき内容を、予め示したものである。各種コメントは、例えば記憶部15に記憶されている。
閉ボタンB42は、送信画像25003を閉じるための入力操作を受け付ける。この場合、コメントは処方管理装置1011に送信されない。送信ボタンB43は、処方管理装置1011にコメントを送信するための入力操作を受け付ける。つまり、送信ボタンB43への入力操作を受け付けた場合、制御装置10は、ユーザにより選択されたコメントを、処方管理装置1011に送信する。
また、閉ボタンB42又は送信ボタンB43への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、次の払出対象の薬剤を収容しているカセットCaが薬剤授受部32に配置されたときに、当該薬剤の情報を表示した第1確認画像22001を表示する。又は、タッチパネル制御部14は、当該薬剤の情報を表示した第2確認画像22002を表示する。処方データにおける最後の薬剤の払出しであった場合には、タッチパネル制御部14は、初期画像に戻るか、例えば図24に示すトレイ取出画像24003を表示する。
なお、第2判定画像25001において、修正ボタンB124は表示されなくても構わない。この場合、強制終了ボタンB122は、修正ボタンB124と同様に機能する。つまり、第2判定画像25001において強制終了ボタンB122への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、図23に示す強制承認画像23001を表示せずに、数量修正画像25002を表示する。
(払出数入力画像26001の表示による修正) また、第2判定画像25001において、親子カセット呼出ボタンB14への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えば図26に示す払出数入力画像26001を表示する。
払出数入力画像26001は、薬剤の払出数を入力可能な画像であり、例えば、払出数入力領域B51、キャンセルボタンB52、及び確認ボタンB53を含む。
払出数入力領域B51は、カセットCaから取出した薬剤の総数(払出数)を入力可能な領域である。払出数入力領域B51への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えばテンキーを表示する。キャンセルボタンB52は、第2判定画像25001に表示を戻すための入力操作を受け付ける。確認ボタンB53は、規定された払出数量分の薬剤をカセットCaから取出したとユーザが承認するための入力操作を受け付ける。
確認ボタンB53への入力操作を受け付けた場合、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、薬剤授受部32に配置されているカセットCaを本体ユニット2に返却する。また、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、次の払出対象の薬剤を収容しているカセットCaを、本体ユニット2から薬剤授受部32へと搬送する。タッチパネル制御部14は、当該カセットCaが薬剤授受部32に配置されたときに、次の払出対象の薬剤の情報を含む第1確認画像22001又は第2確認画像22002を表示する。
このように、親子カセットが存在する場合、ユーザは、払出対象の薬剤を収容しているカセットCaとは異なるカセットCaから薬剤を取出すことにより、規定された払出数量分の薬剤を取出すことができる。つまり、ユーザは、測定結果を修正できる。
なお、タッチパネル制御部14は、払出数入力画像26001に、トレイ閉ボタンB21と同じ機能を有するトレイ閉ボタンを表示しても構わない。また、タッチパネル制御部14は、払出数入力画像26001に確認ボタンB53を表示しなくても構わない。この場合、払出数入力画像26001に表示されたトレイ閉ボタン、又はトレイ閉ボタン39への入力操作を受け付けた場合に、上述の処理が行われる。払出数入力画像26001に確認ボタンB53も上記トレイ閉ボタンも表示されない場合には、トレイ閉ボタン39への入力操作を受け付けた場合に、上述の処理が行われる。
(ピッキング作業中の薬剤の充填)
タッチパネル制御部14は、図22に示す第2確認画像22002を表示するときに、補充ボタンB13をアクティブにする。補充ボタンB13への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えば図27に示すログイン画像27001を表示する。ログイン画像27001において、作業者ID及びパスワードが入力された後、ユーザ認証に成功すると、タッチパネル制御部14は、充填作業画像27002を表示する。
充填作業画像27002は、薬剤授受部32に配置されたカセットCaに対するピッキング作業中に、当該カセットCaに対する薬剤の充填作業を可能とする画像である。充填作業画像27002は、第1表示領域B11、薬剤名表示領域B61、充填数表示領域B62、キャンセルボタンB63、及び充填ボタンB64を含む。タッチパネル制御部14は、第1表示領域B11に、カセットCaへの薬剤の充填をユーザに促す旨の指示内容を表示する。
薬剤名表示領域B61には、薬剤授受部32に配置されたカセットCaに収容されている薬剤名が表示される。充填数表示領域B62には、当該カセットCaに充填する薬剤の充填数、ロット番号、及び有効期限が表示される。充填数表示領域B62への入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、例えばキーパッドを表示する。タッチパネル制御部14は、ロット番号及び有効期限については、薬剤に付与されたバーコードの情報をバーコードリーダ34が読取った結果を表示しても構わない。
キャンセルボタンB63は、第2確認画像22002に表示を戻すための入力操作を受け付ける。充填ボタンB64は、充填数表示領域B62に表示された情報を確定させるための入力操作を受け付ける。充填数表示領域B62への入力操作を受け付けた場合、制御装置10は、上記情報を、薬剤授受部32に配置されたカセットCaのカセット識別情報に紐付けて、記憶部15に記憶する。また、タッチパネル制御部14は、第2確認画像22002に表示を戻す。
なお、タッチパネル制御部14は、バーコードリーダ34が読取った情報(例:GS1コード)と、薬剤授受部32に配置されたカセットCaに収容されている薬剤の薬剤識別情報と、が不一致である場合には、その旨をユーザに通知する画像を表示する。その一例が、図27に示す通知画像27003である。
<タブレット端末における表示画像例>
次に、タブレット端末1012における表示画像例について説明する。図28は、調剤システム1000の一例を示す図である。図29及び図30は、タブレット端末1012における表示画像の一例を示す図である。タブレット端末1012における表示画像例を説明する前提として、まず、調剤システム1000について説明する。図28は、調剤システム1000の一例を示す図である。
(調剤システム)
調剤システム1000は、図28に示すように、主として、本体ユニット2及びピッキングユニット3を備えるドラッグステーション1(又はドラッグステーション1A)、処方管理装置1011、タブレット端末1012、及びプリンタ1013を備える。
処方管理装置1011は、ドラッグステーション1が設置された薬局等において、調剤に用いられる各種装置(ドラッグステーション1を含む)の上位システムである。処方管理装置1011は、例えば、各患者の処方データを各種装置に送信する。処方管理装置1011は、処方データ毎に、各種装置において払出対象とする薬剤を特定した情報もあわせて送信する。
各ピッキングユニット3は、PC(パーソナルコンピュータ)3を備える。PC301のうちの1台がサーバとして機能し、残りのPC301はクライアントとして機能する。
サーバとしてのPC301は、ドラッグステーション1全体を統括的に制御するものであり、例えば制御装置10の全機能を実行する。また、当該PC301は、受け付けた処方データに基づく薬剤の払出しを行うピッキングユニット3を決定する。さらに、当該PC301は、処方管理装置1011、タブレット端末1012及びプリンタ1013に接続される。
クライアントとしてのPC301は、少なくとも当該PC301を備えるピッキングユニット3を制御するものであり、例えば、制御装置10のピッキングユニット制御部12及びタッチパネル制御部14の機能を実行する。
タブレット端末1012は、ドラッグステーション1に関する各種情報を表示する表示機能と、各種入力操作を受け付ける操作受付機能と、を有する。タブレット端末1012は、例えば、タッチパネル1012A、制御部1012B、及び記憶部1012Cを備える。タッチパネル1012Aは、上記各種情報を表示すると共に、上記各種入力操作を受け付ける。制御部1012Bは、タブレット端末1012の各部を制御する。記憶部1012Cは、制御部1012Bの処理に必要な情報を記憶する。
プリンタ1013は、各PC301又はタブレット端末1012からの指示を受けて、ジャーナル等の印刷物を出力する。
サーバとしてのPC301と、タブレット端末1012及びプリンタ1013とは、ドラッグステーション1が正常に機能している場合に接続されている。しかし、当該PC301と、タブレット端末1012及びプリンタ1013との接続は、ドラッグステーション1に異常(障害)が発生した場合には切断される。つまり、タブレット端末1012及びプリンタ1013は、ドラッグステーション1に異常が発生した場合には、ドラッグステーション1とは切り離した状態で使用できる。
サーバとしてのPC301は、タブレット端末1012と接続されているとき、随時(例:30分毎、又は1時間毎)、記憶部15に記憶されている各種情報を、タブレット端末1012に送信する。各種情報としては、例えば、各カセットCaのカセット識別情報に紐付けられた薬剤に関する情報、及び収容位置情報が挙げられる。
なお、ドラッグステーション1の正常動作中に当該PC301と接続され、ドラッグステーション1に異常が発生したときに当該PC301との接続が切断される装置であれば、タブレット端末1012以外の他装置に、上記各種情報が送信されても構わない。つまり、ドラッグステーション1に異常が発生したときに当該PC301と接続されない他装置にて、上記各種情報を管理できればよい。
制御部1012Bは、例えば、サーバとしてのPC301から応答が無いとき、又は各種情報を受信できないとき、ドラッグステーション1に異常が発生したと判定する。この場合、制御部1012Bは、ドラッグステーション1の正常動作中に表示する画像(例:ステータス画像)から、異常発生中に表示する画像(例:緊急払出画像)に切り替える。
その他、制御部1012Bは、ドラッグステーション1が備える部材の一部に異常が発生したとの通知を、上記PC301から受けた場合に、ドラッグステーション1に異常が発生したと判定しても構わない。また、ドラッグステーション1を使用するユーザが、ドラッグステーション1に異常が発生したと判断した場合、タッチパネル1012Aを介して、上記正常動作中に表示する画像の表示から、上記異常発生時に表示する画像の表示に切り替えても構わない。
(タブレット端末における表示画像−正常動作中)
制御部1012Bは、ドラッグステーション1の正常動作中に表示する画像として、例えば図29に示すステータス画像29001を、タッチパネル1012Aに表示する。ステータス画像29001は、ドラッグステーション1の各種部材の動作状況、ドラッグステーション1における薬剤の払出状況等、ドラッグステーション1のステータスに関する情報を表示する。制御部1012Bは、随時送信されるドラッグステーション1に関する情報が更新されるたびに、ステータス画像29001の表示内容を更新する。
(タブレット端末における表示画像−異常発生時)
制御部1012Bは、ドラッグステーション1に異常が発生した場合、自動又は手動で、例えば図30に示す緊急払出画像30001を表示する。緊急払出画像30001は、ドラッグステーション1に異常が発生した場合に、ユーザが手動で、処方データに基づく薬剤の払出リストを作成可能とする画像である。
制御部1012Bは、ドラッグステーション1に異常が発生したとき、サーバとしてのPC301との接続を切断する。当該接続の切断後、制御部1012Bは、記憶部1012Cに記憶している、上述したカセット識別情報に紐付けられた情報(カセット関連情報)を読み出す。カセット関連情報が、上述した他装置にて管理されている場合、制御部1012Bは、当該装置からカセット関連情報を取得する。制御部1012Bは、取得したカセット関連情報に基づき、緊急払出画像30001を作成する。
緊急払出画像30001は、薬剤一覧表示領域C11及び払出薬剤表示領域C12を含む。
薬剤一覧表示領域C11は、取得したカセット関連情報からの情報の抽出を行うための入力操作を受け付けると共に、その抽出結果を表示する領域である。薬剤一覧表示領域C11は、第1抽出領域C111、第2抽出領域C112、抽出結果表示領域C113、及び払出リスト追加ボタンC114を含む。
第1抽出領域C111及び第2抽出領域C112は、抽出結果表示領域C113に表示する薬剤を抽出するための入力操作を受け付ける領域である。第1抽出領域C111及び第2抽出領域C112の機能は、図19に示す個別払出画像19001における第1抽出領域A411及び第2抽出領域A412の機能とそれぞれ同様である。
抽出結果表示領域C113は、取得したカセット関連情報に対する抽出結果を表示する領域である。抽出結果表示領域C113における表示項目は、図19に示す個別払出画像19001における抽出結果表示領域A413と同様である。
払出リスト追加ボタンC114は、抽出結果表示領域C113に表示された薬剤の中から選択された薬剤に関する情報を、払出リスト表示領域C121に追加するための入力操作を受け付ける。
払出薬剤表示領域C12は、処方データに基づく払出対象の薬剤を表示する領域である。本例では、払出薬剤表示領域C12は、払出リスト表示領域C121、払出数入力領域C122、設定ボタンC123、クリアボタンC124、ジャーナル出力ボタンC125を含む。
払出リスト表示領域C121は、抽出結果表示領域C113に表示された薬剤の中からユーザに選択された薬剤に関する情報を表示する領域である。本例では、払出リスト表示領域C121には、選択された薬剤名と共に、当該薬剤を収容しているカセットCaのカセット番号及び枝番号が表示される。また、払出リスト表示領域C121の「数量」欄には、払出数入力領域C122において入力された数値が反映される。払出リスト表示領域C121の「×」は、選択した薬剤に関する情報を消去するための入力操作を受け付ける消去ボタンである。
制御部1012Bは、例えば、抽出結果表示領域C113において薬剤に関する情報を選択した状態で、払出リスト追加ボタンC114への入力操作を受け付けた場合、当該薬剤に関する情報を、払出リスト表示領域C121に表示する。制御部1012Bは、抽出結果表示領域C113において選択された薬剤に関する情報に対して、払出リスト表示領域C121へのドラッグ操作を受け付けることにより、当該情報を払出リスト表示領域C121に表示しても構わない。
払出数入力領域C122は、カセットCaからの払出数量を入力可能な領域である。払出数入力領域C122への入力操作を受け付けた場合、制御部1012Bは、例えばテンキーを表示する。払出リスト表示領域C121に表示された薬剤のうちの1つが選択された状態で、払出数入力領域C122への数値入力が可能となる。
設定ボタンC123は、払出リスト表示領域C121において選択された薬剤の払出数量を、払出数入力領域C122に入力された数量に確定し、払出リスト表示領域C121の「数量」欄に当該数量を反映させるための入力操作を受け付ける。
クリアボタンC124は、払出リスト表示領域C121に表示された情報を全て消去するための入力操作を受け付ける。ジャーナル出力ボタンC125は、払出リスト表示領域C121に表示された情報を、プリンタ1013にジャーナルとして出力させるための入力操作を受け付ける。
上述の通り、ドラッグステーション1に異常が発生した場合、タブレット端末1012と、サーバとしてのPC301との接続は切断される。そのため、この場合、制御部1012Bは、当該PC301から各種情報を取得できない状態となってしまう。しかし、制御部1012Bは、ドラッグステーション1と切り離されたタブレット端末1012又は上記他装置が管理している各種情報を読出すことができる。当該各種情報は、ドラッグステーション1の正常動作中(つまり、ドラッグステーション1とタブレット端末1012又は上記他装置との接続中)に、タブレット端末1012又は上記他装置によって、随時取得されている。そのため、制御部1012Bは、異常発生時又はその直前の状態においてドラッグステーション1で管理されていた薬剤に関する情報を、抽出結果表示領域C113に表示できる。
ユーザは、抽出結果表示領域C113に表示された薬剤に関する情報の中から、処方データに含まれる情報を選択することにより、処方データに従った薬剤の払出リストを、払出リスト表示領域C121に表示させることができる。そのため、ドラッグステーション1に異常が発生した場合であっても、ユーザは、タッチパネル1012Aを視認しながら、処方データに含まれる薬剤を、手動で、本体ユニット2から取出すことができる。
また、ユーザは、払出リスト表示領域C121に表示された情報(払出リスト)をプリンタ1013から出力できる。そのため、ユーザは、タッチパネル1012Aを視認せずともジャーナルを視認しながら、処方データに含まれる薬剤を、本体ユニット2から取出すことができる。この場合、タブレット端末1012を持つユーザ、及びジャーナルを持つユーザにより(つまり複数人により)、当該薬剤を、本体ユニット2から取出すことができる。
なお、調剤システム1000は、タブレット端末1012を複数台備えていても構わない。この場合、ドラッグステーション1に異常が発生した場合、タブレット端末1012を持つ複数のユーザが手分けして、処方データに含まれる薬剤を、本体ユニット2から取出すことができる。
〔実施形態3〕
本実施形態では、ドラッグステーション1Aについて、主として図31〜図46を用いて説明する。ドラッグステーション1Aの、特に実施形態1のドラッグステーション1と異なる部分を主として説明する。本実施形態では、払出対象の薬剤が薬剤シートであるものとして説明する。また、ドラッグステーション1Aの各部は、図1に示す制御装置10により制御される。
ドラッグステーション1Aは、本体ユニット2Aと、ピッキングユニット3Aと、鑑査ユニット4と、を備える。図31及び図32は、本体ユニット2Aの一例を示す斜視図である。図31は本体ユニット2Aを前面側から見た図であり、図32は本体ユニット2Aを背面側から見た図である。図33は、ピッキングユニット3Aの一例を示す斜視図である。図34は、ピッキングユニット3Aの薬剤載置台37及びトレイ載置台38の一例を示す図である。図34では、説明容易化のため、ピッキングユニット3Aの上面部及び側壁、薬剤載置台37の側壁、並びに、トレイ載置台38の側壁及び底部を取り除いている。図35の符号35001は、薬剤載置台37から薬剤シートを取出す様子を示す断面図であり、符号35002は、カセットCa4(図36〜図38参照)から薬剤シートを取出す様子を示す断面図である。
<本体ユニットの外観>
図31及び図32に示すように、本体ユニット2Aには、前面及び背面のそれぞれに複数の扉25が設けられている。ユーザは、扉25を開けることにより、カセット棚21へ直接アクセスできる。図32では、背面の一部に設けられた扉25が開いている状態を示している。扉25は、本体ユニット2Aの外部からカセット棚21を視認できるように、透明又は半透明であってよい。
図31では、本体ユニット2Aの前面側に1台のピッキングユニット3Aが設けられた構成となっているが、これに限らず、複数台のピッキングユニット3Aが設けられても構わない。
また、本体ユニット2Aは、カセット把持部221に代えてカセット把持部226を備える点、及び、カセット保持部23に代えて、カセット保持部230を備える点で、本体ユニット2と異なる。カセット把持部226及びカセット保持部230については後述する。
<ピッキングユニットの外観>
ドラッグステーション1では、図1に示すように、トレイ搬送部6が、トレイ保管部7に保管された搬送トレイTrをピッキングユニット3内に搬送する。また、トレイ搬送部6が、ピッキングユニット3にて払出された薬剤シートを収容した搬送トレイTrを鑑査ユニット4側へと搬送する。つまり、ピッキングユニット3への搬送トレイTrの搬送、及びピッキングユニット3からの搬送トレイTrの搬送は、トレイ搬送部6により自動で行われている。
本実施形態のドラッグステーション1Aは、トレイ搬送部6を備えていない。ピッキングユニット3Aに搬送トレイTrを配置する作業、及び、ピッキングユニット3Aから搬送トレイTrを取出した後、搬送トレイTrを鑑査ユニット4に運搬する作業は、ユーザが行う。このユーザの作業を実現するために、図31及び図33に示すように、ピッキングユニット3Aでは、薬剤授受部32(第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32b)が設けられた上面部3upに、薬剤載置台37及びトレイ載置台38が設けられている。
薬剤載置台37は、端数分の薬剤を載置する台である。本実施形態では、薬剤載置台37の近傍に、薬剤載置台37に載置された端数分の薬剤を撮像する撮像部335が設けられている。図34に示すように、薬剤載置台37の両側壁のそれぞれに、光源371が設けられている。ピッキングユニット制御部12は、例えばユーザの入力操作を受け付けることにより、光源371から光を出射すると共に、薬剤載置台37に載置された端数分の薬剤を撮像する。ピッキングユニット制御部12は、撮像画像における薬剤の像の形状を認識した後、当該形状を、記憶部15に記憶された薬剤の像の種々の形状と比較することにより、当該薬剤の個数を判定する。当該種々の形状は、薬剤の個数を示す情報に紐づけて、記憶部15に記憶されている。
また、図35の符号35001に示すように、薬剤載置台37の、ユーザの立ち位置側の側壁37wlは、本体ユニット2側からユーザの立ち位置側へ向けて(−Y軸方向に向けて)傾斜するテーパ形状を有している。側壁37wlは、薬剤載置台37を平面視したときに、薬剤載置台37の開口部37opが薬剤載置台37の底部37btよりも大きくなるように、傾斜している。これにより、符号35001に示すように、撮像部335により撮像された薬剤シートを薬剤載置台37から取出すときに、テーパ形状の側壁37wlに沿って(図中の矢印方向に)薬剤シートを滑らせるように掻出すことができる。
トレイ載置台38は、搬送トレイTrを載置する台である。トレイ載置台38は、図34に示すように、計量部336及びセンサ381を備える。
計量部336は、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrと、搬送トレイTrに収容された薬剤シートとを、計量する。搬送トレイTrの重量、及び薬種毎の薬剤シート1枚分の重量は、記憶部15に記憶されている。そのため、薬剤判定部124は、計量部336の計量結果、及び/又は撮像部335の撮像結果に基づき、搬送トレイTrに収容された薬剤の個数を特定できる。計量部336は、トレイ載置台38の底部の下方に設けられている。
なお、記憶部15は搬送トレイTrの重量を記憶せず、計量部336が、風袋引きを行うことによって薬剤シートの重量を求めてもよい。具体的には、トレイ載置台38に搬送トレイTrが載置された後、計量部336は風袋引きを行う。その後ユーザが搬送トレイTrに薬剤シートを載置することにより、計量部336は薬剤シートのみの重量を計量することができる。
センサ381は、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrを検知する。本実施形態では、センサ381は、一方が光源で、他方が光源から出射された光を検出する光検出部である透過型のセンサである。透過型のセンサを用いた場合、搬送トレイTrの有無を精度よく認識できる。また本実施形態では、センサ381は、トレイ載置台38の両側壁に設けられている。センサ381をトレイ載置台38の底部に設けてもよいが、この場合、底部から上方向にセンサ381から光が出射されるため、ユーザが煩わしく感じる可能性がある。また、底部に設けた場合、センサ381に埃が付着しやすい。さらにこの場合、反射式センサを使うことになるため、搬送トレイTrの検出精度が低下し得る。側壁に設けた場合、センサ381からの光をユーザが煩わしく感じたり、センサ381に埃が付着したり、搬送トレイTrの検出精度が低下する可能性を低減できる。
ユーザは、第2タッチパネル31の表示内容に基づき、薬剤授受部32に配置されたカセットCaから払出数量分の薬剤(薬剤シート及び/又は端数分の薬剤)を取出す。端数分の薬剤を払出す必要がある場合、ユーザは、薬剤載置台37に当該薬剤を載置する。ピッキングユニット制御部12は、撮像部335を制御することにより、薬剤載置台37に載置された薬剤を撮像する。その後、ユーザは、薬剤載置台37から薬剤を取出し、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに収容する。薬剤シートを払出す必要がある場合、ユーザは、薬剤載置台37から取出した薬剤と、カセットCaから取出した薬剤シートとを、輪ゴム等を用いて所定形状に纏め、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに収容する。薬剤シートのみを払出す場合、ユーザは、当該薬剤シートのみを、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに収容する。複数枚の薬剤シートを払出す場合、ユーザは、後工程(例:鑑査業務、投薬業務)での作業性を向上させるため、当該複数枚の薬剤シートを、輪ゴム等を用いて所定形状に纏める。そしてユーザは、纏めた薬剤シートを、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに収容する。ピッキングユニット制御部12は、計量部336を制御することにより、搬送トレイTrに収容された薬剤シート及び/又は端数分の薬剤を計量する。ピッキングユニット制御部12(薬剤判定部124)は、計量部336の計量結果、及び/又は撮像部335の撮像結果に基づき、載置された薬剤の個数を特定し、当該個数が、処方データに基づく所定数量であるか否かを判定する。タッチパネル制御部14は、判定結果を、第2タッチパネル31に表示する。
また、図33に示すように、実施形態1で述べたように、薬剤授受部32は、シャッター322を備える。シャッター322は、Y軸方向に開閉動作を行う。加えて、薬剤授受部32は、シャッター322aを備える。シャッター322aは、シャッター制御部122の制御を受けて、シャッター322とは略垂直方向(X軸方向)に開閉動作を行う。これにより、様々な幅のカセットCa(例:大型カセットCa1、中型カセットCa2、小型カセットCa3、又は、収容容器Ca41もしくはCa42を備えるカセットCa4)の大きさに対応するように、シャッター322aを開閉できる。シャッター322がY軸方向に開き、シャッター322aがカセットCaの幅に応じてX軸方向に閉じることにより、カセットCaから薬剤シート又は端数の薬剤が落下する可能性を低減することができる。なお、シャッター322及びシャッター322aの開閉動作は同時に行ってもよいし、どちらか一方が先に行われてもよい。
また、ピッキングユニット3Aは、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bの各シャッター322に対応する機械的なボタンであるトレイ閉ボタン39を備える。シャッター322が開状態のとき、当該シャッター322に対応するトレイ閉ボタン39が押下されると、シャッター制御部122は当該シャッター322を閉じる制御を行う。
また、ピッキングユニット3Aでは、図33に示すように、薬剤授受部32及び薬剤載置台37が設けられた上面部3upは、水平面に対して傾斜している。上面部3upは、本体ユニット2側からユーザの立ち位置側へ向けて(−Y軸方向に向けて)低くなるように傾斜している。
ピッキングカセット移送部35は、図35の符号35002に示すように、傾斜する開口部321の開口面と、カセット把持部に把持されたカセットCa4の上面とが略平行となるように、当該カセット把持部を動作させる。当該カセット把持部は、第1カセット把持部351又は第2カセット把持部355である。例えば、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32において、第1カセット把持部351(又は第2カセット把持部355)を上昇又は下降させる機構を備えていても構わない。上面部3upが上記のように傾斜しており、かつ、その傾斜にあわせて、薬剤授受部32においてカセットCa4を傾斜させることにより、ユーザがカセットCa4の内部を視認しやすい。
図33及び図35の符号35002に示すように、薬剤授受部32は縁部32edを備える。縁部32edは、薬剤授受部32の底部側(ピッキングカセット移送部35側)から開口部321側(+Z軸方向)に向けて、薬剤授受部32の外側方向に傾斜するテーパ形状を有する。これにより、図35の符号35001に示すように、薬剤授受部32に配置されたカセットCa4から薬剤シートを取出すときに、テーパ形状の縁部32edに沿って(図中の矢印方向に)薬剤シートを滑らせるように掻出すことができる。
なお、第1タッチパネル5及び第2タッチパネル31は、ピッキングユニット3Aに対してそれぞれ1台ずつ設けられている。また、ピッキングユニット3Aにおいても、実施形態1のピッキングユニット3と同様、図9に示すように、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bのそれぞれに対して、ピッキングカセット移送部35が設けられている。
<カセット>
次に、図36〜図38を用いて、本明細書のドラッグステーションで使用可能なカセットCaの一例であるカセットCa4について説明する。なお、カセットCa4の外形形状は、図3に示す大型カセットCa1と略同一形状である。
図36は、カセットCa4の構造例を示す図である。図36の符号36001は、収容容器Ca41を備えるカセットCa4の一例を示す斜視図であり、符号36002は収容容器Ca41を備えるカセットCa4の平面図である。また、図36の符号36003は、収容容器Ca41を備えるカセットCa4をA−A’切断線で切断したときの、当該カセットCa4の断面図である。図37は、収容容器Ca42を備えるカセットCa4の一例を示す斜視図であり、符号37002は収容容器Ca42を備えるカセットCa4の平面図である。また、図37の符号37003は、収容容器Ca42を備えるカセットCa4をB−B’切断線で切断したときの、当該カセットCa4の断面図である。図37の符号37004は、収容容器Ca42がスライドした状態のカセットCa4を示す斜視図である。また、図37の符号37004は、カセットCa4が備える収容容器Ca42構造例を示す図である。また、図38は、収容容器Ca41および収容容器Ca42を備えるカセットCa4の一例を示す斜視図である。
図36及び図37に示すように、カセットCa4は、凸部Ca40、収容容器Ca41及び/または収容容器Ca42を備える点で、大型カセットCa1と異なる。凸部Ca40は、カセットCa4の長辺側の側面に沿って設けられている凸形状の部分であり、カセットCa4の長辺側の両側面にそれぞれ1つずつ設けられてもよいし、それぞれ複数設けられていてもよい。
図36に示すように、カセットCa4の両側面のそれぞれに凸部Ca40が複数設けられている場合、隣接する凸部Ca40の間には隙間Ca45が形成される。この隙間Ca45が形成されることにより、図37及び図38に示すように、カセットCa4の内部に仕切部Ca44を挿入できる。この場合、図3を用いて説明した場合と同様、カセットCa4の内部に、薬剤シートを収容する収容領域を複数設けることができる。なお、図3の仕切部Ca11は、仕切部Ca44と同形状であっても構わない。
収容容器Ca41は、端数の薬剤を収容するための容器であり、図36に示すように、周辺部Ca411、少なくとも1つの収容部Ca412、及び傾斜部Ca413を備えている。収容容器Ca41は、カセットCa4の一方の短辺に固定されていてもよいし、取り外し可能な状態であってもよい。ユーザが端数の薬剤を取り出すときに、収容容器Ca41は、長辺の一方がカセットCa4の短手方向の端部に接していることが好ましい。
周辺部Ca411は、収容容器Ca41の短辺に沿って設けられている板状の部分である。収容容器Ca41が取り外し可能である場合、周辺部Ca411がカセットCa4の凸部Ca40上に載置されることによって、収容容器Ca41はカセットCa4に支持される。
収容部Ca412は、端数の薬剤を収容可能な領域である。収容部Ca412は、当該薬剤を収容可能な程度の大きさであればよい。また、収容部Ca412は、短手方向において傾斜している。具体的には、収容部Ca412の底部Ca4121は、短手方向において傾斜している。また、収容部Ca412の、カセットCa4の短辺に当接可能な側の側壁Ca4122もまた、短手方向において傾斜している。
収容容器Ca41は、ユーザがカセットCa4を使用するときに、底部Ca4121及び側壁Ca4122の傾斜によってユーザから見て手前側が浅くなるように、カセットCa4に配置される。カセットCa4の本体(収容容器Ca41を配置していない箇所)に薬剤シートを収容し、収容容器Ca41に端数の薬剤を収容することにより、ユーザは容易に薬剤を計数しつつ、取り出すことが可能となる。また、ユーザが端数の薬剤を取り出すとき、底部Ca4121及び側壁Ca4122の傾斜によって端数の薬剤を滑らせることができるため、ユーザは端数の薬剤を容易に掻き出すことができる。
側壁Ca4122の傾斜角度と、薬剤授受部32の縁部32edの傾斜角度とが略同一になるように、側壁Ca4122及び縁部32edが形成されることにより、ユーザは、さらに容易に、収容容器Ca41から薬剤を掻き出すことができる。
傾斜部Ca413は、収容容器Ca41の、カセットCa4の短辺とは当接しない方の長辺側に設けられている。傾斜部Ca413は、上記長辺と収容容器Ca41の底部Ca4121との間に設けられており、短手方向に傾斜している傾斜構造である。ユーザは、カセットCaの本体から薬剤シートを取り出すとき、傾斜部Ca413に沿って当該薬剤シートを滑らせることにより、当該薬剤シートを容易に掻き出すことが可能となる。
収容容器Ca41の底部Ca4121には、任意の数のリブCa414が設けられていても構わない。リブCa414は、短手方向(つまり薬剤が掻き出される方向)に延伸するように設けられる。このように配置されたリブCa414により、収容部Ca412は、複数の領域に分割され、当該領域のそれぞれに端数の薬剤が収容される。そのため、リブCa414は、個々の領域に収容された薬剤をユーザが掻き出すときのガイドとして機能するため、ユーザはさらに容易に薬剤を掻き出すことが可能となる。
また、カセットCa4は、収容容器Ca41に代えて収容容器Ca42を備えていてもよい。図37に示すように、収容容器Ca42は、傾斜部Ca413を備えておらず、短辺に沿って延在するレール状部材Ca421を備える点において収容容器Ca41と異なる。また、カセットCa4において、凸部Ca40は溝Ca400を備える。また、カセットCa4は凸部Ca43をさらに備える。
収容容器Ca42は、レール状部材Ca421が凸部Ca40上に載置されることによって支持される。このとき、収容容器Ca42のレール状部材Ca421とカセットCa4の溝Ca400とが嵌合する。これにより、収容容器Ca42は、溝Ca400に沿ってスライド移動することができる。また、カセットCa4に収容容器Ca42が取り付けられた状態において、溝Ca400及び凸部Ca40は、レール状部材Ca421を挟み込む。これにより、収容容器Ca42が、スライドするときに、カセットCa4から外れる可能性を低減できる。
また、収容容器Ca42は、傾斜部Ca413を備えないため、カセットCa4は、収容容器Ca42の下方にも薬剤シートを収容することができるため、収容可能な薬剤シートの量を増加させることができる。また、ユーザが端数の薬剤を取り出すときには、収容容器Ca42をカセットCa4の短辺と当接するように配置することにより、端数の薬剤をユーザから見て手前側に配置させることができる。一方、ユーザが薬剤シートを取り出すときには、収容容器Ca42をスライドさせることで、薬剤シートを、ユーザから見て手前側から取り出すことができる。
薬剤授受部32は傾斜しているため、カセットCa4においてユーザから見て手前側に収容容器Ca42がある場合、薬剤シートは収容容器Ca42の底面とカセットCa4の底面との間に入り込みやすい。これにより、ピッキング作業時に収容容器Ca42が邪魔になり、ユーザが薬剤シートを取りにくくなる。しかしながら、収容容器Ca42はスライド可能である。収容容器Ca42を移動させることにより、ユーザがカセットCa4から薬剤シートを取り出しやすくなる。
また、図38に示すように、カセットCa4に仕切部Ca44を設け、カセットCa4の内部に薬剤シートを収容するための複数の収容領域を形成しても構わない。仕切部Ca44は、取り外し可能であり、隙間Ca45に挿入されることにより複数の収容領域を形成する。
この場合、カセットCa4は、収容領域毎に、収容容器Ca41または収容容器Ca42を備えてもよい。収容容器Ca41または収容容器Ca42は、それぞれの収容領域においてユーザが使用しやすいように配置されればよい。なお、カセットCa4が備える収容容器は、全て収容容器Ca41であってもよいし、全て収容容器Ca42であってもよいし、収容容器Ca41および収容容器Ca42が組み合わせて設けられていてもよい。また、複数の収容領域のうちの少なくとも1つは、収容容器が設けられない構成であっても構わない。
なお、カセットCa4の外形形状は、図3に示す大型カセットCa1のみに限定されるものではなく、中型カセットCa2または小型カセットCa3であってもよい。この場合、中型カセットCa2または小型カセットCa3の大きさにあわせて、収容容器Ca41及びCa42の形状も変更される。
<カセット把持部>
次に、図39〜図43を用いて、本実施形態の本体ユニット2Aが備えるカセット把持部226の構成例について説明する。図39は、カセット把持部226の一例を示す斜視図である。図39の符号39001は、蓋部2267が最上位置に存在する場合を示し、符号39002は、蓋部2267がカセットCaの上面部と接触する位置(接触位置)に存在する場合を示す。
図40及び図41は、カセット把持部226の駆動機構2270の一例を示す図であり、カセット把持部226を下側から見たときの斜視図である。図42及び図43は、カセット把持部226の蓋部2267の動作例について説明するための図であり、カセット把持部226の断面図である。図40の符号40001及び図42の符号42001は、蓋部2267が最上位置に存在する場合を示す。図40の符号40002及び図42の符号42002は、蓋部2267が待機位置に存在する場合を示す。図41の符号41001及び図43の符号43001は、後述の第2移動部2272bが押込位置に存在する場合を示す。図41の符号41002及び図43の符号43002は、蓋部2267が上記接触位置に存在する場合を示す。なお、図40及び図41では、駆動機構2270の説明容易化のため、駆動機構2270の底板等を適宜取り除いている。
(カセット把持部の構成)
カセット把持部226は、実施形態1のカセット把持部221(図4,図6参照)と同様の機能を有する。つまり、カセット把持部226は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21(図4参照)又はカセット保持部230(図44参照)からカセットCaを引き出して把持する。また、カセット把持部226は、把持しているカセットCaを、カセット棚21又はカセット保持部230に受け渡して収容する。カセット把持部226は、実施形態1の第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221b(図4,図6参照)の代わりに、第1支柱部224a及び第2支柱部224b(図4参照)にスライド可能に支持される。
カセット把持部226は、図39に示すように、主として、カセット支持部2261、カセット引出部2262、第1駆動部2263、第1プーリ2264a、第2プーリ2264b、第1ガイドレール2265、及び位置センサ2266を備える。また、カセット把持部226は、バーコードセンサ2273を備える。その他、カセット把持部226は、カセット把持部221と同様、複数のカセット棚21(例:対向して設けられた2つカセット棚21)へのアクセスを可能とする回転駆動部(不図示)を備える。
カセット支持部2261は、カセット引出部2262により引き出されるときに、カセットCaを支持するものである。
カセット引出部2262は、カセット引出部2211(図6参照)と同様、カセット棚21又はカセット保持部230に載置されたカセットCaをカセット把持部226の内部へと引き込むものである。図39は、カセットCaを引き込んだ状態を示す。
カセット引出部2262は、図42の符号42001に示すように、カセットCaに設けられた爪受部Ca12を引っ掛けるための爪部2262aを備える。カセット引出部2262によるカセットCaの引出方法、及び、カセット引出部2262によるカセットCaのカセット棚21又はカセット保持部230への載置方法は、実施形態1のカセット把持部226と同様である。なお、図42及び図43では、爪部2262aがカセットCaの爪受部Ca12に引っかかっていない状態を示している。
第1駆動部2263は、カセット引出部2262をカセット把持部226の奥行方向(Y軸方向)に移動させるものであり、例えばモータである。第1プーリ2264a及び第2プーリ2264bは、第1駆動部2263で生じた駆動力を、第1ガイドレール2265に伝達するものである。第1プーリ2264aの回転軸は第1駆動部2263の回転軸に接続されており、第2プーリ2264bの回転軸は第1ガイドレール2265の一方に接続されている。第1プーリ2264a及び第2プーリ2264bはベルトで接続されている。
第1ガイドレール2265は、上記奥行方向に延伸して設けられており、カセット引出部2262をスライド可能に移動させるものである。第1ガイドレール2265は、カセット引出部2262の下部材(不図示)に接続されており、第2プーリ2264bの回転力により軸周りに回転することにより、カセット引出部2262を上記奥行方向に移動させる。
位置センサ2266は、位置センサ2214(図6参照)と同様、移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部226が位置していることを検知するものである。
バーコードセンサ2273は、カセットCaに備えられているバーコードを読み取ることにより、当該カセットCaの識別及び当該カセットCaの向きを検知するものである。
カセット把持部226は、その他、蓋部2267、昇降部2268、可動部2269、及び駆動機構2270を備える。駆動機構2270も、本体カセット移送制御部112の制御を受けて動作する。
蓋部2267は、カセットCaの蓋部として機能する。蓋部2267は、カセット把持部226の、カセットCaが載置されるカセット載置台2271に対して略垂直方向(Z軸方向)に移動するように、カセット載置台2271の上方に配置される。蓋部2267を備えることにより、カセットCaの搬送中に、カセットCaに収容されている薬剤シート及び端数の薬剤が、カセットCaから飛び出てしまう可能性を低減できる。
昇降部2268は、蓋部2267とカセット載置台2271とに接続され、カセット載置台2271に対して蓋部2267をZ軸方向に移動させるものである。昇降部2268は、Z軸方向に伸縮する部材である。本実施形態では、昇降部2268は、複数のリンク2268a及び複数のジョイント2268bを有するリンク機構を有することにより、Z軸方向への伸縮が可能となっている。本実施形態では、蓋部2267の両側部と、カセット載置台2271の両側部との間にリンク機構が設けられることで、昇降部2268を実現している。
可動部2269は、昇降部2268と駆動機構2270とに接続され、昇降部2268のZ軸方向への移動を可能にする支持部である。本実施形態では、可動部2269の一端が1つのジョイント2268bに、可動部2269の他端が駆動機構2270の移動部2270cに接続されている。これにより、移動部2270cの上記奥行方向への移動と、可動部2269との移動を連動させることができるので、例えば移動部2270cの移動により、昇降部2268はZ軸方向に伸縮する。これにより、蓋部2267がZ軸方向に移動する。なお、移動部2270cは、蓋部2267の自重によっても、昇降部2268及び可動部2269を介して移動する。
(駆動機構の構成)
駆動機構2270は、昇降部2268の伸縮動作を制御するものである。駆動機構2270は、図39〜図41に示すように、主として、第2ガイドレール2270a、第3ガイドレール2270b、移動部2270c、第2駆動部2270d、第3プーリ2270e、第4プーリ2270f、及び位置センサ2270gを備える。なお、説明容易化のため、図40及び図41において、第2駆動部2270dは、図40の符号40001にのみ示している。
第2ガイドレール2270a及び第3ガイドレール2270bは、上記奥行方向(Y軸方向)に延伸して設けられており、移動部2270cを、第2ガイドレール2270aが有するねじ状構造によるスライド機構を用いてスライド可能に移動させるものである。本実施形態では、シャフトにねじが切られた第2ガイドレール2270aが駆動機構2270の中央部に設けられ、シャフトからなる2つの第3ガイドレール2270bが第2ガイドレール2270aを挟むように設けられている。
第2ガイドレール2270a及び第3ガイドレール2270bは、移動部2270cと接続されている。第2ガイドレール2270aは、第4プーリ2270fの回転力により軸周りに回転することにより、移動部2270cを上記奥行方向に移動させる。第2ガイドレール2270a及び第3ガイドレール2270bの長さは、蓋部2267が最上位置と接触位置との間で移動できる程度に規定されていればよい。
移動部2270cは、第2ガイドレール2270a及び第3ガイドレール2270bに沿って移動することにより、可動部2269を介して昇降部2268をZ軸方向に移動させるものである。
第2駆動部2270dは、移動部2270cを上記奥行方向に移動させるものであり、例えばモータである。第3プーリ2270e及び第4プーリ2270fは、第2駆動部2270dで生じた駆動力を、第2ガイドレール2270aに伝達するものである。第3プーリ2270eの回転軸は第2駆動部2270dの回転軸に接続されており、第4プーリ2270fの回転軸は第2ガイドレール2270aの一方に接続されている。第3プーリ2270e及び第4プーリ2270fはベルトで接続されている。
位置センサ2270gは、後述のドグ2272dの存在を検知することにより、後述の第1移動部2272aの位置、すなわち移動部2270cの位置を検知する。本体カセット移送制御部112は、位置センサ2270gの検知結果を受けることにより、蓋部2267の位置を特定できる。
本実施形態では、位置センサ2270gは、第1位置センサ2273a、第2位置センサ2273b、第3位置センサ2273c、及び第4位置センサ2273dを備える。第1位置センサ2273aは、第2移動部2272bが押込位置に存在することを検知するものである。第2位置センサ2273bは、蓋部2267が待機位置に存在することを検知するものである。
第3位置センサ2273cは、カセットCaの高さよりも高いカセット(高さh1のカセット)にあわせて設定される待機位置に、蓋部2267が存在することを検知するものである。第4位置センサ2273dは、高さh1のカセットよりも高いカセット(高さh2(>h1)のカセット)にあわせて設定される待機位置に、蓋部2267が存在することを検知するものである。
従って、第2位置センサ2273b、第3位置センサ2273c、及び第4位置センサ2273dについては、カセットの高さにあわせて、少なくとも何れかの位置センサが設けられていればよい。本実施形態では、カセットCaの高さに対応する待機位置に蓋部2267が存在することを検知可能な第2位置センサ2273bが設けられていればよい。
移動部2270cは、図40及び図41に示すように、主として、第1移動部2272a、第2移動部2272b、バネ2272c、及びドグ2272dを備える。
第1移動部2272aは不図示のブッシュを介して、第3ガイドレール2270bと接続されており、移動部2270cの筐体2272eに接続されているが、第2ガイドレール2270aには接続されていない。第2移動部2272bは、第2ガイドレール2270aのねじ状構造を受けるガイド(ナット)2272b1を介して、第2ガイドレール2270aに接続されている。また、第2移動部2272bは、第3ガイドレール2270bは不図示のブッシュを介して接続されているが、筐体2272eには接続されていない。また、第1移動部2272a及び第2移動部2272bは互いに接続されていない。
第2移動部2272bは、第2ガイドレール2270aに接続されているので、第2駆動部2270dの駆動力を受けて、上記奥行方向に移動する。一方、第1移動部2272aは、第2ガイドレール2270aに接続されていないので、第2駆動部2270dの駆動力を直接受けて移動することはない。第1移動部2272aは、第2移動部2272bに接触している間、第2移動部2272bの移動に連動して、第3ガイドレール2270bに沿って移動する。
第1移動部2272aは、筐体2272eに接続されているので、筐体2272eと共に移動する。筐体2272eは可動部2269と接続されており、可動部2269は、蓋部2267に接続された昇降部2268に接続されている。そのため、第1移動部2272aの移動と、蓋部2267の昇降とは、連動する。一方、第2移動部2272bは、筐体2272eに接続されていないため、筐体2272e、つまり蓋部2267の昇降と連動せずに移動する場合がある。
バネ2272cは、上記接触位置において蓋部2267の上昇を抑止する抑止部材である。抑止部材は、バネ2272cと同じ機能を有していれば、例えばバネ2272c以外の伸縮部材で実現されても構わない。本実施形態では、バネ2272cは、2つの第3ガイドレール2270bのそれぞれに設けられている。
ドグ2272dは、第1移動部2272aに接続され、位置センサ2270gにより検知される部材である。
(移動部の動作例)
図40の符号40001及び図42の符号42001に示すように、移動部2270cが駆動機構2270の第1端部(+Y軸方向側の端部)に位置するとき、蓋部2267が最上位置まで押し上げられている。最上位置は、カセット載置台2271から最も離隔した蓋部2267の位置である。
第2駆動部2270dの駆動力により、第2ガイドレール2270a(スライドねじ)が回転運動し、当該回転運動を、第2移動部2272bのガイド2272b1が受ける。上記回転運動は、ガイド2272b1により直線運動に変換されるため、第2移動部2272bは第2ガイドレール2270aに沿って直線運動を行う。第2移動部2272bは、第1移動部2272aと接触しながら第1移動部2272aを押すことにより、第1移動部2272aを+Y軸方向に移動させる。これにより、移動部2270cは+Y軸方向に移動する。この移動に連動して、筐体2272e、可動部2269、及び昇降部2268を介して、蓋部2267が押し上げられる。つまり、移動部2270cが第1端部まで移動したときに、蓋部2267が最上位置まで押し上げられる。
図40の符号40002及び図42の符号42002に示すように、第2位置センサ2273bによりドグ2272dが検知されるとき、蓋部2267は待機位置に位置している。待機位置は、カセット把持部226からカセット棚21もしくはカセット保持部230へのカセットCaの受渡しを行う場合の蓋部2267の停止位置である。又は、待機位置は、カセット棚21もしくはカセット保持部230からカセット把持部226へのカセットCaの引出しを行う場合の蓋部2267の停止位置である。待機位置は、上記受渡し時又は引出し時に蓋部2267が待機する位置である。具体的には、待機位置は、上記受渡し又は引出しされるカセットCaと接触しない、当該カセットCaに比較的近い位置であって、当該カセットCaの移動を阻害しない程度の位置であればよい。
蓋部2267を最上位置から待機位置まで移動させる場合、本体カセット移送制御部112は、第2駆動部2270dによる蓋部2267の最上位置での停止状態を解除する。これにより、例えば蓋部2267の自重により、蓋部2267は最上位置から下降する。蓋部2267の下降に伴い、昇降部2268が縮むことにより、可動部2269を介して、筐体2272eが−Y軸方向に移動する。筐体2272eの移動に連動して、第1移動部2272aが−Y軸方向に移動することにより、第1移動部2272aが第2移動部2272bに接触しながら第2移動部2272bを押すことにより、第2移動部2272bは−Y軸方向に移動する。これにより、移動部2270cは−Y軸方向へと移動する。その後、第2位置センサ2273bによりドグ2272dが検知されるとき、本体カセット移送制御部112は、第2駆動部2270dを駆動させることにより、待機位置で蓋部2267を停止させる。
第2駆動部2270dが、蓋部2267の待機位置での停止状態を解除することにより、例えば蓋部2267の自重により、蓋部2267は待機位置から下降する。例えば、カセットCaをカセット把持部226の内部に引き込んだ場合に、本体カセット移送制御部112は、蓋部2267を待機位置から下降させて、カセットCaの上面部(カセットCaの縁部)に接触させる。
なお、移動部2270cの移動は、蓋部2267の自重によるもののみに限られない。例えば、第2駆動部2270dを駆動させて、第2移動部2272bを−Y軸方向に移動させることにより、移動部2270cを移動させてもよい。この場合、第2移動部2272bが第2駆動部2270dの駆動により−Y軸方向に移動し、第1移動部2272aは、この移動と蓋部2267の自重とにより、第2移動部2272bに接触しながら−Y軸方向へと移動する。
蓋部2267がカセットCaの上面部に接触すると、蓋部2267の下降が停止する。この状態が、図41の符号41002及び図43の符号43002に示されており、このときの蓋部2267の停止位置が上記接触位置である。蓋部2267の停止に伴い、移動部2270cの−Y軸方向への移動も停止する。このとき、第1移動部2272aは、筐体2272eに接続されているため、蓋部2267の停止に伴い停止する。
一方、第2移動部2272bは、第2駆動部2270dの駆動によって−Y軸方向に移動し、バネ2272cを押し縮める。この第2移動部2272bによりバネ2272cが押し縮められた状態が、図41の符号41001及び図43の符号43001に示されており、このときの第2移動部2272bの位置が押込位置である。この状態において、カセット把持部226は、バネ2272cの力及び蓋部2267の自重によって、カセット載置台2271に載置されたカセットCaを蓋部2267で保持しながら搬送する。
上記のように第2移動部2272bがバネ2272cを押し縮めたとき、その押し縮めた力により、移動部2270cを、蓋部2267が上記接触位置で停止したときの位置(駆動機構2270の、−Y軸方向の端部である第2端部)に固定しやすくなる。そのため、移動部2270cを+Y軸方向に移動させにくくすることができる。つまり、カセット把持部226がカセットCaを把持して搬送するときに生じる振動等により、蓋部2267が上記接触位置から離れる方向(蓋部2267の上昇方向)に動いてしまう可能性を低減できる。そのため、カセットCaから薬剤シート又は端数の薬剤が落下する可能性を低減できる。
またバネ2272cを設けたことにより、第2駆動部2270dの駆動により蓋部2267を下降させる場合、第2駆動部2270dは、蓋部2267をカセットCaの上面部に接触したときに停止させるといった、高度な蓋部2267の停止精度を要求されない。そのため、第2駆動部2270dによる蓋部2267の停止精度を高めずとも、蓋部2267によりカセットCaを保持できる。
なお、バネ2272cの長さ及び張力は、バネ2272cを押し縮めた第2移動部2272bを第1移動部2272aと接触する位置まで戻すことが可能な程度であればよい。
その後、カセットCaを保持した蓋部2267の位置から最上位置又は待機位置まで移動させる場合、本体カセット移送制御部112は、第2駆動部2270dを駆動させることにより、移動部2270cを+Y軸方向に移動させる。
(変形例)
カセット把持部226は、蓋部2267と、蓋部2267を昇降させる昇降部2268と、を備えていればよい。つまり、昇降部2268は、蓋部2267を昇降できる機構であれば、どのような機構であっても構わない。昇降部2268を動作させる機構(例:可動部2269及び駆動機構2270)についても、昇降部2268の構造にあわせて適宜変更可能である。
例えば、本実施形態の昇降部2268は、図39に示すような、例えば玩具のマジックハンドに用いられるリンク機構(パンタグラフ形状のリンク機構)を有しているが、これに限らず、蓋部2267を昇降可能なその他のリンク機構を有していても構わない。
また、昇降部2268は、リンク機構以外の構造を有していても構わない。例えば、昇降部2268は、蓋部2267の一部(例:蓋部2267の4隅)をスライド可能に支持する、鉛直方向に延伸する支持棒を有していても構わない。この場合であっても、支持棒に沿って蓋部2267を昇降させることができる。
しかしこの場合、支持棒の長さは不変である。そのため、蓋部2267が最上位置から下降した場合に、支持棒が蓋部2267から+Z軸方向に突出した状態となってしまう。そのため、例えばカセットCaの搬送中において、一方のカセット把持部において支持棒の突出した部分が、第1本体カセット移送部22a、第2本体カセット移送部22b、又は、他方のカセット把持部に衝突する(干渉する)可能性がある。この点を考慮すれば、昇降部2268は、本実施形態のリンク機構のように、蓋部2267の下部に設けられ、蓋部2267の鉛直方向の位置の変更に合わせて伸縮する機構を有していることが好ましい。
<カセット保持部>
(カセット保持部の構成)
以下、本体ユニット2Aが備えるカセット保持部230の構成について説明する。図44は、カセット保持部230の構成の一例を示す図である。また、図45はカセット保持部230が備える授受ユニット241の構成の一例を示す図である。なお、図44では、説明容易化のため、ピッキングユニット3Aの内部構成(ピッキングカセット移送部35の構成)は割愛している。
カセット保持部230は、実施形態1のカセット保持部23と同様、カセット棚21又はピッキングユニット3Aの薬剤授受部32から移送されたカセットCaを一時的に保持するもの(バッファ)である。図44に示すように、カセット保持部230は、メインユニット240及びサブユニット250を備えている。カセット保持部230が保持するカセットCaは、大型カセットCa1、中型カセットCa2、小型カセットCa3、及びカセットCa4のいずれのカセットであってもよい。
メインユニット240は、カセットCaの授受を行うための複数の授受ユニット241、及び授受ユニット241を格納するための筐体242を備えており、カセットCaの一時的な保持を行う。メインユニット240は、第1薬剤授受部32aとの間でのカセットCaの授受を可能とする第1カセット保持部23a(図9参照)に対応するカセット保持部である。メインユニット240は、例えば、薬剤シートの順次払出し中にカセットCaを一時的に保持するユニットとして用いられる。
本実施形態では、メインユニット240は、5つの授受ユニット241を備える。メインユニット240が備える授受ユニット241の個数は5つに限定されず、例えば、本体ユニット2A又はピッキングユニット3Aの大きさ、薬剤シートの順次払出しの効率等を考慮して決定されればよい。授受ユニット241が複数設けられている場合、各授受ユニット241にカセットCaを保持できるため、効率よく薬剤シートを払出すことが可能となる。なお、授受ユニット241の個数は1つでもよい。この場合、メインユニットが必要とするスペースを縮小することができる。
図45に示すように、授受ユニット241は、本体ユニット2Aと第1薬剤授受部32aとの間でのカセットCaの授受を可能とするために、一時的にカセットCaを保持する。授受ユニット241は、主として、受渡カセット保持部243、受取カセット保持部(退避ユニット)244、受取カセット移動機構245、カセットセンサ246、及び退避ユニットセンサ247を備えている。受取カセット移動機構245は、本体ユニット制御部11又はピッキングユニット制御部12により制御されてよい。
授受ユニット241では、受取カセット保持部244は、初期状態(少なくともカセットCaを保持していない状態)において、受取カセット保持部244が退避するための位置である退避位置Rに位置している。薬剤授受部32からカセットCaが返却されるとき、受取カセット保持部244は、退避位置Rから、カセットCaをピッキングユニット3Aとの間で授受するための位置である授受位置Qへ移動する。これにより、受取カセット保持部244は、ピッキングユニット3Aのピッキングカセット移送部35からカセットCaを受け取ることができる。また、受取カセット保持部244は、ピッキングカセット移送部35からカセットCaを受け取った後、授受位置Qから退避位置Rへ退避する。これにより、授受位置Qが空くため、受渡カセット保持部243は、本体ユニット2Aの本体カセット移送部22から新たなカセットCaを受け取ることができる。受取カセット保持部244に保持されたカセットCaは、退避位置Rにおいて、本体カセット移送部22によりカセット棚21へと返却される。退避位置Rは、カセット棚21にカセットCaを返却するための返却位置とも称することができる。
受渡カセット保持部243は、カセット棚21から取出され、薬剤授受部32へ受け渡されるカセットCaを、一時的に保持する載置台である。受渡カセット保持部243は、授受位置Qに位置している。
受取カセット保持部244は、薬剤授受部32から、カセット棚21へ返却されるカセットCaを、一時的に保持するものである。受取カセット保持部244は、受取カセット移動機構245によって、退避位置Rと授受位置Qとの間を移動することができる。
受取カセット保持部244は、主として、返却カセット保持部2441、天板2442、レール接続部2443、センサドグ2444a・2444b、及びベルト接続部2445を備える。
返却カセット保持部2441は、ピッキングユニット3から返却されたカセットCaを保持するものである。返却カセット保持部2441は、カセットCaを載置可能であり、かつ、受取カセット移動機構245による受取カセット保持部244の移動が可能な程度の大きさ及び形状であればよい。
天板2442は、返却カセット保持部2441の上面部の少なくとも一部を覆う板状部材である。レール接続部2443は、天板2442と、受取カセット移動機構245が備えるガイドレール2454とを接続するものである。ベルト接続部2445は、天板2442と、受取カセット移動機構245が備えるベルト2452とを接続するものである。
センサドグ2444a・2444bは、退避ユニットセンサ247により検知されるものである。センサドグ2444aは、受取カセット保持部244が退避位置Rに配置されたときに、退避ユニットセンサ247の第2センサ2472により検知される。センサドグ2444bは、受取カセット保持部244が授受位置Qに配置されたときに、退避ユニットセンサ247の第1センサ2471により検知される。センサドグ2444a・2444bはそれぞれ、天板2442において、退避位置R又は授受位置Qに受取カセット保持部244に配置されたときに退避ユニットセンサ247が検知可能な位置に設けられている。
駆動部2453の駆動に伴いベルト2452が動くことにより、ベルト2452に接続されたベルト接続部2445は移動する。この移動に伴い、ベルト接続部2445に接続された天板2442は、天板2442に接続されたガイドレール2454に沿って移動する。そのため、天板2442に接続された返却カセット保持部2441もまた、ガイドレール2454に沿って移動する。このようにして、受取カセット保持部244は、退避位置Rと授受位置Qとの間を移動することができる。
受取カセット移動機構245は、受取カセット保持部244を授受位置Qと退避位置Rとの間において移動させる機構である。受取カセット移動機構245は、主として、2つのプーリ2451、ベルト2452、駆動部2453、及びガイドレール2454を備える。
プーリ2451は、駆動部2453で生じた駆動力により回転することにより、ベルト2452を動かすものである。ベルト2452は、2つのプーリ2451によって懸架されており、プーリ2451の回転に伴い、2つのプーリ2451の間を回転移動する。駆動部2453は、プーリ2451に駆動力を与えることにより、ベルト2452を回転移動させるものであり、例えばモータである。ガイドレール2454は、受取カセット保持部244が授受位置Qと退避位置Rとの間を移動できるように、メインユニット240の筐体242に懸架されている。
カセットセンサ246は、カセットCaを検知するセンサである。メインユニット240は、カセットセンサ246として、第1カセットセンサ2461、及び第2カセットセンサ2462を備える。第1カセットセンサ2461は、筐体242の、授受位置Qに対応する位置(受渡カセット保持部243に対向する位置)に設けられており、授受位置Qに存在するカセットCaを検知する。第2カセットセンサ2462は、筐体242の、退避位置Rに対応する位置に設けられており、退避位置Qに存在するカセットCaを検知する。
第1カセットセンサ2461及び第2カセットセンサ2462は、検知結果を制御装置10へ入力する。制御装置10は、当該検知結果に基づいて、授受位置Qまたは退避位置RにおけるカセットCaの有無を判定する。
退避ユニットセンサ247は、受取カセット保持部244を検知するセンサである。メインユニット240は、退避ユニットセンサ247として、第1センサ2471及び第2センサ2472を備える。第1センサ2471は、授受位置Qに存在する受取カセット保持部244を検知するものである。第2センサ2472は、退避位置Rに存在する受取カセット保持部244を検知するものである。第1センサ2471及び第2センサ2472はそれぞれ、筐体242の、センサドグ2444b又はセンサドグ2444aを検知可能な位置に配置される。第1センサ2471及び第2センサ2472は、例えば、光源と、光源から出射された光を検知する光検知部と、を備える透過型のセンサである。
第1センサ2471及び第2センサ2472は、検知結果を制御装置10へ入力する。制御装置10は、当該検知結果に基づいて、受取カセット保持部244が授受位置Q及び退避位置Rの何れに配置されているか否かを判定する。
サブユニット250は、図9に示す第2カセット保持部23bに対応するカセット保持部である。サブユニット250は、例えば、メインユニット240を用いた薬剤シートの順次払出しおけるピッキング作業又は充填作業中に、当該ピッキング作業又は充填作業に割り込んで薬剤シートを個別に払出すとき、又は当該薬剤シートを充填するときに用いられる。つまり、サブユニット250は、メインユニット240における作業とは異なる作業を、メインユニット240における作業と同時に行うことを可能にするカセット保持部である。なお、サブユニット250の構成として、メインユニット240の構成を採用しても構わない。
(カセット保持部の動作)
以下、本体ユニット2Aが備えるカセット保持部230の動作の流れの一例について説明する。図46は、カセット保持部230の動作の一例を示す図である。カセット保持部230の動作開始時には、受取カセット保持部244は、退避位置Rにある。
まず、図46の符号46001に示すように、本体カセット移送部22によって、処方対象となる薬剤シートを収容しているカセットCaがカセット棚21からカセット保持部230へ移送され、授受位置Qに存在する受渡カセット保持部243に載置される。
受渡カセット保持部243に載置されたカセットCaは、ピッキングカセット移送部35によって薬剤授受部32へ移送される。これにより、当該カセットCaに対するピッキング作業が行われる。ピッキング作業が行われている間に、受取カセット移動機構245の駆動部2453が駆動し、プーリ2451が回転することにより、ベルト2452が回転移動する。ベルト2452の回転移動に伴い、ベルト接続部2445によってベルト2452に接続されている受取カセット保持部244は、図46の符号46002に示すように、退避位置Rから授受位置Qへ移動する。
ピッキング作業終了後、ピッキングカセット移送部35によって、薬剤授受部32からカセット保持部230の授受位置QへカセットCaが移送される。このとき、図46の符号46003に示すように、授受位置Qには受取カセット保持部244が位置しているため、カセットCaは、受取カセット保持部244の返却カセット保持部2441に載置される。
カセットCaが受取カセット保持部244に載置されると、受取カセット移動機構245は、退避位置Rから授受位置Qに移動させたときとは逆にベルト2452を回転移動させる。これにより、受取カセット移動機構245は、図46の符号46004に示すように、受取カセット保持部244を授受位置Qから退避位置Rへ移動させる(退避させる)。その結果、授受位置Qに位置する受渡カセット保持部243は、カセット棚21から移送される新たなカセットCaを受け取ることが可能となる。
図46の符号46005に示すように、受取カセット保持部244が退避位置Rまで移動すると、受取カセット保持部244に保持されていたカセットCaは、本体カセット移送部22によって、カセット棚21へ返却される。以降、同様の動作を繰り返すことによって、複数種類の薬剤シートの払出しが順次行われる。
本実施形態では、カセット保持部230は、授受ユニット241を複数備えている。例えば、カセット保持部230が2つの授受ユニット241(それぞれ授受ユニット241X、及び授受ユニット241Yとする)を備えているとする。この場合、授受ユニット241XからカセットCaが薬剤授受部32へ移送され、ピッキング作業が行われている間に、本体カセット移送部22は、授受ユニット241Yに新たなカセットCaをカセット棚21から移送し、待機させる。授受ユニット241Xがピッキング作業終了後のカセットCaを受け取っている間に、本体カセット移送部22は、授受ユニット241Yから新たなカセットCaを薬剤授受部32へ移送する。このように、複数の授受ユニット241を備えることにより、ピッキング作業の効率を向上させることができる。
〔実施形態4〕
本実施形態では、特に、実施形態3で説明した、図31に示す本体ユニット2A及びピッキングユニット3Aを備えるドラッグステーション1Aと異なる部分を主として説明する。
<ピッキングユニットの構成>
図47は、ピッキングユニット3Aの構成例を示す図である。図33では、バーコードリーダ34は、ピッキングユニット3Aの、ユーザの立ち位置側の側面に設けられているが、図47に示すように、ピッキングユニット3Aの作業台36の上面部3upに設けられていても構わない。この場合、バーコードリーダ34によりバーコードを読取らせた後に薬剤授受部32に載置されたカセットCaに薬剤を充填するといった作業の効率を向上させることができる。また、プリンタ1013も、上面部3upに設けられていても構わない。この場合、ユーザは、プリンタ1013から出力されるジャーナル等の印刷物にアクセスしやすくなる。なお、バーコードリーダ34及びプリンタ1013は、実施形態1のピッキングユニット3においても同様に設けられてよい。
また、ピッキングユニット3Aの第2タッチパネル31及び撮像部335は、作業台36側に傾倒可能に、ヒンジを介して上面部3upに取り付けられている。第2タッチパネル31及び撮像部335を作業台36側に傾倒することにより、第2タッチパネル31及び撮像部335が設けられた箇所に対応する、本体ユニット2Aの扉25(図31、図48参照)の開閉が可能となる。プリンタ1013もまた、作業台36側に傾倒可能に上面部3upに取り付けられている。プリンタ1013を作業台36側に傾倒することにより、この扉25を閉じた状態から180度近くまで開いたときであっても、この扉25のプリンタ1013への衝突を回避できる。
<本体ユニットにおける薬剤の保管形態>
一般に、薬剤は箱に詰められた状態で、病院又は薬局に納品される。例えば薬剤シート(例:PTPシート)の場合、複数個単位で薬剤シートを包装(ピロー包装)した包装物が、さらに箱に収容された状態で納品される。また、例えば、軟膏を収容する軟膏チューブ、目薬、又は粉薬(例:漢方薬等の散薬)を収容する粉薬包装物の場合、軟膏チューブ、目薬又は粉薬包装物は、それぞれ直接箱に収容された状態で納品される。
本体ユニット2Aの各カセットCaには、薬剤シート、軟膏チューブ、目薬、又は粉薬包装物等の薬剤自体(箱又は包装物から取出された状態の薬剤)が収容される必要は必ずしも無い。各カセットCaには、包装物の状態、又は箱の状態で収容されても構わない。つまり、各カセットCaには、(1)箱、(2)箱から取出し、かつ薬剤を取出す前の包装物、又は(3)包装物から取出した薬剤、の何れの形態で収容されても構わない。換言すれば、ピッキング作業又は充填作業の対象物としては、薬剤自体に限らず、箱又は包装物であっても構わない。なお、本明細書において、薬剤とは、薬剤自体を指す場合も、薬剤自体が収容された包装物、又は包装物が収容された箱を指す場合もあることに留意されたい。また、薬剤自体又は包装物が、分包機によって散薬又は錠剤等が分包された分包品を指す場合があることにも留意されたい。
本体ユニット2Aに、箱又は包装物から取出した状態で薬剤を保管する場合、ピッキング作業を行うときのユーザの負担を軽減できる。本体ユニット2Aに、製薬メーカーから提供された箱のまま又は包装物のままの状態で保管する場合、充填作業を行うときのユーザの負担を軽減できる。またこの場合、カセットCa内において複数個単位で薬剤を管理できると共に、薬剤の遮光保存が可能となる。特に箱のままの状態で管理する場合、開封していない状態での管理となるため、納品先へ返品することが可能となる。つまり、返品可能な状態で本体ユニット2Aに保管できる。
本体ユニット2Aにおける薬剤の保管形態(上記(1)〜(3)の少なくとも何れかの保管形態)が、薬種毎に設定されていても構わない。この場合、制御装置10(図2参照)は、例えば充填対象となった薬剤の保管形態を特定し、その保管形態を第2タッチパネル31に表示しても構わない。この表示により、ユーザに対して薬種別に保管形態の案内を行うことができる。
なお、実施形態1の本体ユニット2においても同様に、薬剤自体に限らず、箱又は包装物が保管されても構わない。
<本体ユニットにおける制御>
図48は、本体ユニット2A及びピッキングユニット3Aの一例を示す正面図である。図48では、説明の便宜上、ピッキングユニット3Aが配置された位置に対応する扉25が開いている状態を図示している。また図48では、第2タッチパネル31及び撮像部335が作業台36側に傾倒し、プリンタ1013は作業台36に対して起立している(作業台36側に傾倒していない)状態を示している。
図48に示すように、本体ユニット2Aに、臨時受渡カセット保持部215が設けられても構わない。臨時受渡カセット保持部215は、受渡カセット保持部243(図44、図45参照)にカセットCaが保持され、受渡カセット保持部243が新たなカセットCaを保持できない場合に、受渡カセット保持部243へ受け渡されるカセットCaを一時的に保持する。例えば、カセット棚21における、本体カセット移送部22(図2参照)がピッキングユニット3Aにアクセスしやすい位置に存在するカセット載置位置を、臨時受渡カセット保持部215として機能させる。
本実施形態では、ピッキングユニット3Aの上部位置に対応する位置であって、ピッキングユニット3Aと隣接する位置に存在する複数のカセット載置板211が、臨時受渡カセット保持部215として設定されている。つまり、ピッキングユニット3Aからアクセスしやすい位置に存在するカセット載置板211が、臨時受渡カセット保持部215として設定される。
この臨時受渡カセット保持部215として設定されるカセット載置板211には、通常の薬剤払出処理時(ピッキング作業時)においては、使用頻度が高い薬剤を収容したカセットCaが載置されている。ユーザが充填作業を行う場合、本体カセット移送部22は、事前に、使用頻度が高いカセットCaを一時的に離れた場所(臨時受渡カセット保持部215とは異なるカセット載置板211)に退避させる。これにより、本体カセット移送部22は、1度の充填作業に必要とされる薬剤数(薬種数)に対応した空き領域を、ピッキングユニット3Aからアクセスしやすい位置に設けることができる。その上で、ドラッグステーション1Aは充填作業に備えることができる。その後、充填作業が完了すると、本体カセット移送部22は、アイドル時間中に、離れた場所に載置した、使用頻度が高いカセットCaを、臨時受渡カセット保持部215(つまり、元のカセット載置位置)に戻す。臨時受渡カセット保持部215にカセットCaが載置されている場合、本体カセット移送部22は、当該カセットCaを元のカセット載置位置に戻すと共に、使用頻度が高いカセットCaを臨時受渡カセット保持部215(つまり、元のカセット載置位置)に戻す。
なお、本体カセット移送部22がピッキングユニット3Aにアクセスしやすい位置であれば、何れのカセット載置位置が臨時受渡カセット保持部215として設定されても構わない。例えば、ドラッグステーション1Aを正面視したときに、カセット棚21の、横方向(X軸方向)においてピッキングユニット3Aと隣接するカセット載置位置が、臨時受渡カセット保持部215として設定されても構わない。
ドラッグステーション1Aには、一度に多くの薬剤を充填する多数充填モードが設定されている。例えば、病院又は薬局に納品された薬剤を本体ユニット2Aに充填する場合に、ユーザにより多数充填モードが選択される。
多数充填モードが選択されると、本体ユニット制御部11(図2参照)は、臨時受渡カセット保持部215として設定されているカセット載置位置を特定する。本体ユニット制御部11は、本体カセット移送部22を制御して、当該カセット載置位置に載置されているカセットCaを、カセットCaが載置されていないカセット載置位置へと移動させる。これにより、臨時受渡カセット保持部215として機能させるカセット載置位置において、受渡カセット保持部243に受け渡すカセットCaを一時的に保持することが可能となる。
また、多数充填モードが選択されると、本体ユニット制御部11は、納品された薬剤に関する納品データから、本体ユニット2Aに保管する薬剤に関する情報を入庫システムから取得し、記憶部15に記憶する。本体ユニット制御部11は、入庫システムから取得した情報が示す薬剤を収容するカセットCaが存在しない場合、当該薬剤の薬剤識別情報を、空きのカセットCaのカセット識別情報と紐付ける。
本体ユニット2Aへの薬剤の充填を開始する入力操作を受け付けると、本体ユニット制御部11は、本体カセット移送部22を制御して、充填対象の薬剤を収容するカセットCaを、順次、カセット載置位置から受渡カセット保持部243に移送する。充填対象の薬剤は、納品データから取得した情報が示す薬剤である。ピッキングユニット制御部12は、ピッキングカセット移送部35(図2参照)を制御して、受渡カセット保持部243に保持されたカセットCaを、順次、薬剤授受部32に移送する。また、ピッキングユニット制御部12は、充填作業が完了したカセットCaを受取カセット保持部244(図44、図45参照)に移送する。本体ユニット制御部11は、当該カセットCaを、当該カセットCaが保管されていたカセット載置位置へと移送(返却)する。
上記の処理中に、本体ユニット制御部11は、カセットCaの移送先を決定するときに、受渡カセット保持部243にカセットCaを保持できるか否かを判定している。本実施形態では、本体ユニット制御部11は、複数(図44及び図45の例では5個)の受渡カセット保持部243の何れかにカセットCaを保持できるか(つまり、空きの受渡カセット保持部243が存在するか)否かを判定している。本体ユニット制御部11は、受渡カセット保持部243にカセットCaを保持できないと判定した場合、カセットCaの移送先を、臨時受渡カセット保持部215として設定された、カセット棚21の何れかのカセット載置位置に決定する。本体ユニット制御部11は、決定したカセット載置位置にカセットCaを移送する。
なお、多数充填モードの選択は、例えば、図20に示す充填画像20001に、多数充填モード選択ボタンが設けられることにより行われても構わない。例えば、多数充填モードボタンに対する入力操作を受け付けると、本体ユニット制御部11は、納品データに含まれ、かつ本体ユニット2Aへの充填対象である薬剤に関する情報を、入庫システムから取得する。タッチパネル制御部14は、取得された情報を、充填画像20001の抽出結果表示領域A643を表示可能にする。その後、カセット移動ボタンA645に対する入力操作を受け付けると、本体ユニット制御部11は、本体カセット移送部22を制御して、充填対象の薬剤を収容するカセットCaの、カセット保持部230(図44参照)への移送を開始する。
以上の機能を有するドラッグステーション1Aは、以下のように表現できる。すなわち、ドラッグステーション1A(カセット移送装置)は、カセット棚21と、薬剤授受部32と、受渡カセット保持部243と、を備える。ドラッグステーション1Aは、受渡カセット保持部243にカセットCaが保持されている場合、カセット棚21の一部であって、受渡カセット保持部243にアクセスしやすい位置に、臨時受渡カセット保持部215を設ける。臨時受渡カセット保持部215は、カセット棚21の一部とは異なる箇所から取出され、受渡カセット保持部243へ受け渡されるカセットCaを一時的に保持するものである。なお、受渡カセット保持部243にカセットCaが保持されている場合とは、例えば、複数の受渡カセット保持部243の全てにカセットCaが保持されている場合を指す。
例えば納品された薬剤をカセット棚21に充填する場合等、充填する薬剤数が多い場合、充填作業にも時間を要する。このように多くの薬剤をカセット棚21に充填する場合、本体ユニット制御部11は、順次、充填対象の薬剤を収容するカセットCaを受渡カセット保持部243に移送する。しかし、受渡カセット保持部243にカセットCaを保持できなくなった場合(例:複数の受渡カセット保持部243の全てにカセットCaが保持されている場合)、本体ユニット制御部11は、受渡カセット保持部243が空くまでカセットを移送できない。
上記のように、ドラッグステーション1Aは、受渡カセット保持部243にカセットCaを保持できなくなった場合に、カセット棚21の一部であって、受渡カセット保持部243にアクセスしやすい位置に、臨時受渡カセット保持部215を設ける。これにより、薬剤授受部32に移送対象であるカセットCaを、受渡カセット保持部243の近傍に一時的に保持しておくことができる。そのため、ドラッグステーション1Aは、受渡カセット保持部243への移送時間を短縮できるので、受渡カセット保持部243において、移送対象のカセットCaが保持されていないという状況が発生する可能性を低減できる。従って、ドラッグステーション1Aは、ユーザによる充填作業の効率化を支援できる。
また、本体ユニット制御部11は、本体カセット移送部22を制御して、納品された薬剤順に、カセット棚21からカセットCaを取出しても構わない。
病院又は薬局に薬剤が納品されると、入庫システムには、納品された薬剤順に、薬剤に関する情報が入力される。この情報が入力順にリスト化されたものが納品データである。ユーザは、納品データを印刷した印刷物(納品された薬剤の一覧)を見ながら検収作業を行った後に、本体ユニット2Aに薬剤を充填する。
ユーザが検収作業を行った薬剤に付与されたバーコードをバーコードリーダ34に読取らせてから、当該薬剤を収容するカセットCaがカセット棚21から取出され、薬剤授受部32に到着するまでの時間は、ユーザの充填待機時間となる。この場合、カセット棚21におけるカセットCaの載置位置によっては、充填待機時間が長くなる可能性がある。
そこで、納品された薬剤の充填作業を開始する入力操作(例:多数充填モードの選択操作)を受け付けると、本体ユニット制御部11は、納品データから、本体ユニット2Aに保管する薬剤に関する情報を取得し、記憶部15に記憶する。このとき、本体ユニット制御部11は、入庫システムに入力された順(納品された順)を示す順序情報もあわせて入庫システムから取得し、記憶部15に記憶する。本体ユニット制御部11は、入庫システムから取得した情報が示す薬剤を収容するカセットCaが存在しない場合、当該薬剤の薬剤識別情報を、空きのカセットCaのカセット識別情報と紐付ける。
本体ユニット2Aへの充填を開始する入力操作を受け付けると、本体ユニット制御部11は、本体カセット移送部22を制御して、順序情報が示す順に、充填対象となる薬剤を収容するカセットCaを、カセット棚21から受渡カセット保持部243へ移送する。ピッキングユニット制御部12は、ピッキングカセット移送部35を制御して、上記順に従って、受渡カセット保持部243に保持されたカセットCaを、薬剤授受部32又は待機位置P2(図11、図12参照)に移送する。待機位置P2にカセットCaを移送した場合、ピッキングユニット制御部12は、上記順に従って、待機位置P2から薬剤授受部32にカセットCaを移送する。
印刷物に表示される薬剤順と、入庫システムへの入力順(順序情報が示す順)とは、一致している。また、ユーザはこの順に検収作業を行う。そのため、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、検収作業を行った順に、受渡カセット保持部243又は待機位置P2にカセットCaを待機させることができる。そして、ピッキングユニット制御部12は、検収作業を行った順に、カセット保持部230又は待機位置P2から薬剤授受部32にカセットCaを移送できる。従って、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、カセット棚21からカセットCaを移送する時間を短縮できるため、充填作業時間の短縮を支援できる。
なお、カセット棚21の一部に臨時受渡カセット保持部215を設ける機能は、実施形態1のドラッグステーション1においても実現できる。また、入庫システムに入力された順(納品された順)に、カセット棚21に保管されたカセットCaを受渡カセット保持部243に移送する機能、及び、当該カセットCaを薬剤授受部32に移送する機能についても、同様である。なお、当該カセットCaを薬剤授受部32に移送する機能については、待機位置P2を介して薬剤授受部32に移送される場合を含む。
<ピッキングユニットにおける制御>
(第1薬剤授受部及び第2薬剤授受部間でのシャッターの開閉タイミング)
図33及び図47に示すように、ピッキングユニット3Aは、薬剤授受部32として、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bを備える。ピッキングユニット制御部12は、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bの両方にカセットCaを移送できる。
ピッキングユニット制御部12は、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bの一方のシャッター322が開いている場合には、他方のシャッター322を開かず、閉じた状態を維持する。つまり、ピッキングユニット制御部12は、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bのそれぞれにカセットCaが到着している場合であっても、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bの一方のシャッター322のみを開く。例えば、ピッキング作業に割り込んで個別に薬剤を払出し作業又は充填作業(個別払出作業又は個別充填作業)が行われる場合、ピッキングユニット制御部12は、上記のようにシャッター322の開閉を制御する。ピッキング作業とは別に充填作業が行われる場合についても同様である。
第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bの両方を開いてしまう場合、2つのカセットCaに対してユーザがアクセス可能となる。この場合、ユーザが、薬剤を取出すカセットCaを間違えたり、充填先のカセットCaを間違えたりしてしまう可能性がある。第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bの一方のシャッター322のみを開く場合、そのような間違いが生じる可能性を低減できる。
また、例えば、個別充填ではない充填作業中に、ピッキングユニット制御部12は、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bのそれぞれにカセットCaを搬送することも可能である。この場合、ピッキングユニット制御部12が上記のようにシャッター322の開閉を制御することにより、第1薬剤授受部32aのシャッター322と、第2薬剤授受部32bのシャッター322とを交互に開閉できる。従って、ユーザは、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bに到着したカセットCaに交互にアクセスできるため、充填作業を効率よく行うことが可能となる。
なお、上述したシャッター322の開閉タイミングは、実施形態1のドラッグステーション1においても実現できる。
(バーコード読取りに基づくシャッターの開制御)
ピッキングユニット制御部12は、バーコードリーダ34によりバーコードが1回読取られた後にシャッター322を開いても構わないし、バーコードが2回読取られた後にシャッター322を開いても構わない。
例えば充填作業(個別充填作業も含む)を行う場合、本体ユニット制御部11は、バーコードリーダ34が読取ったバーコードが示す薬剤識別情報(例:GS1コード)に対応するカセットCa(充填する薬剤を収容するカセットCa)を特定する。本体ユニット制御部11は、特定したカセットCaをカセット保持部230に移送する。ピッキングユニット制御部12は、カセット保持部230に移送されたカセットCaを薬剤授受部32に移送する。
1回のバーコードの読取り後にシャッター322を開く場合、バーコードが既に読取られているため、ピッキングユニット制御部12は、カセットCaを薬剤授受部32に移送した後、シャッター322を開く。その後、バーコードが再度読取られると、ピッキングユニット制御部12は、当該バーコードが示す薬剤識別情報と、カセットCaに紐付けられた薬剤識別情報とが一致するか否かを判定する。タッチパネル制御部14は、判定結果を第2タッチパネル31に表示する。
ユーザは、2つの薬剤識別情報が一致するとの判定結果を視認した場合、カセットCaに薬剤を充填する。2つの薬剤識別情報が一致しないとの判定結果を視認した場合、ユーザはカセットCaに薬剤を充填せず、当該カセットCaに充填する薬剤の適否をチェックする。
このように、ピッキングユニット制御部12が1回のバーコードの読取り後にシャッター322を開く場合、ユーザは、効率よく充填作業を行うことができる。また、判定結果の表示により、ピッキングユニット制御部12が1回のバーコードの読取り後にシャッター322を開く場合であっても、ユーザは該当するカセットCaに薬剤を充填できる。
一方、2回目のバーコードの読取り後にシャッター322を開く場合、ピッキングユニット制御部12は、カセットCaを薬剤授受部32に移送した後、バーコードリーダ34による再度のバーコードの読取りを待機する。バーコードが再度読取られると、ピッキングユニット制御部12は、当該バーコードが示す薬剤識別情報と、カセットCaに紐付けられた薬剤識別情報とが一致するか否かを判定する。
2つの薬剤識別情報が一致する場合、ピッキングユニット制御部12はシャッター322を開く。この場合、ユーザはカセットCaに薬剤を充填する。2つの薬剤識別情報が一致しない場合、タッチパネル制御部14は、2つの薬剤識別情報が一致しないことを示す画像を表示する。この場合、ユーザは、カセットCaに薬剤を充填せず、当該カセットCaに充填する薬剤の適否をチェックする。
このように、2回目のバーコードの読取り後にシャッター322を開く場合、ピッキングユニット制御部12は、2つの薬剤識別情報が一致した場合にのみ、カセットCaを開くことができる。そのため、ユーザによるカセットCaへの誤充填の可能性をより低減できる。
この点を考慮しなければ、ピッキングユニット制御部12は、2回目のバーコードの読取り後、判定結果の表示を待たずに、シャッター322を開いても構わない。この場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に判定結果を表示することにより、ユーザによる誤充填の防止を支援しても構わない。
なお、判定結果は、ユーザに報知できればよい。第2タッチパネル31への判定結果の表示に限らず、例えば、発光装置(例:トレイ閉ボタン(シャッター閉ボタン)39)による点灯又は消灯のパターンによって判定結果を報知しても構わない。また、例えば、音により判定結果を報知しても構わない。また、上述したシャッター322の開閉タイミングは、実施形態1のドラッグステーション1においても実現できる。
(シャッターの閉制御)
図33及び図47に示すように、ピッキングユニット3Aは、トレイ閉ボタン39を備える。トレイ閉ボタン39は、その内部に発光装置(例:LED(Light Emitting Diode))を備えていても構わない。ピッキングユニット制御部12は、トレイ閉ボタン39を点灯させることにより、シャッター322を閉じることをユーザに報知する。この場合、ユーザは、トレイ閉ボタン39の点灯により、シャッター322を閉じるタイミングを認識できる。
なお、ピッキングユニット制御部12は、トレイ閉ボタン39を消灯している間に受け付けた、シャッター322を閉じるためのトレイ閉ボタン39に対する入力操作(押下操作)については無効にする。そのため、シャッター322の開状態において、ユーザが意図せずトレイ閉ボタン39を押下した場合であっても、シャッター322の開状態を維持できる。
ピッキング作業中(順次払出中)の場合、ピッキングユニット制御部12は、例えば、説明表示画像24002(図24参照)の補足情報表示領域B15に含まれる全てのチェックボックスに対する押下操作を受け付けた後に、トレイ閉ボタン39を点灯する。ピッキングユニット制御部12は、トレイ閉ボタン39に対する押下操作を受け付けた後シャッター322が閉じたタイミングで、トレイ閉ボタン39を消灯する。
充填作業中(個別充填作業を含む)の場合、ピッキングユニット制御部12は、例えば、シャッター322が開いたときにトレイ閉ボタン39を点灯させ、トレイ閉ボタン39が押下され、シャッター322が閉じたときにトレイ閉ボタン39を消灯する。
ユーザは、第2タッチパネル31に表示される各種画像の内容を視認しながら作業を行う。特にピッキング作業中においては、ユーザは、第2タッチパネル31に表示される、取出す薬剤の個数、及び、薬剤に関連する補足情報(付帯情報)等を視認しながら作業を行うため、第2タッチパネル31に表示される情報にユーザの意識が集中しやすい。そのため、ユーザは、全てのチェックボックスに対する入力操作を行った後にトレイ閉ボタン39が点灯しているとしても、その点灯状態(トレイ閉ボタン39が押下可能な状態)に気づかない可能性がある。この場合、ユーザが、シャッター322を閉めることが可能なタイミングでシャッター322を閉めないため、作業効率が低下する可能性がある。
本実施形態では、タッチパネル制御部14は、図49に示すように、シャッター322を閉じることを案内する案内画像49001を第2タッチパネル31に表示する。図49は、案内画像49001の一例を示す図である。タッチパネル制御部14は、例えば、全てのチェックボックスに対する入力操作を受け付けた後、案内画像49001を表示する。これにより、タッチパネル制御部14は、シャッター322を閉じるタイミングを報知できる。そのため、タッチパネル制御部14は、適切なタイミングでユーザにトレイ閉ボタン39を押下させることができる。従って、ピッキング作業中の作業効率が低下する可能性を低減できる。
(シャッターの閉制御の変形例)
トレイ閉ボタン39は、シャッター322を閉じる機能だけでなく、補足情報表示領域B15のチェックボックスに対する入力操作を受け付ける機能を有していても構わない。この場合、第2タッチパネル31に表示されたチェックボックスに対して入力操作を行わずとも、トレイ閉ボタン39を押下するだけで、当該入力操作を行うことができる。そのため、ユーザは、より簡易な手法で当該入力操作を行うことができる。
例えば複数のチェックボックスが表示される場合、ユーザによっては、第2タッチパネル31に表示された各チェックボックスに対して入力操作を行うことを煩雑であると感じる可能性がある。このような場合であっても、ユーザは、トレイ閉ボタン39を押下するだけでよい。
但し、第2タッチパネル31に表示されたチェックボックスの数を超えてトレイ閉ボタン39を押下した場合に、ピッキングユニット制御部12がチェックボックスへの入力操作を完了し、シャッター322を閉じる入力操作であると認識する場合について考える。この場合、ユーザがシャッター322を閉じることを意図せず、単にチェックボックスの数を超えてトレイ閉ボタン39を押下してしまった場合であっても、ピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じてしまう。ピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じた後、カセット保持部230にカセットCaを搬送してしまう(つまり本体ユニット2Aへの返却動作を開始してしまう)。そのため、作業対象のカセットCaを再度本体ユニット2Aから薬剤授受部32へ移送させる必要が生じる可能性がある。
本実施形態では、ピッキングユニット制御部12は、第2タッチパネル31に表示された全てのチェックボックスに対する入力操作を、トレイ閉ボタン39を介して受け付けると、シャッター322を閉じる入力操作の受け付けを待機する。ピッキングユニット制御部12は、トレイ閉ボタン39以外においてシャッター322を閉じる入力操作を受け付けた後、トレイ閉ボタン39が押下された場合に、シャッター322を閉じる。つまり、ピッキングユニット制御部12は、表示されたチェックボックスの数を超えてトレイ閉ボタン39が押下されたとしても、上記シャッター322を閉じる入力操作を受け付けるまでは、その押下を無効にする。
タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に表示された全てのチェックボックスに対する入力操作を、トレイ閉ボタン39を介して受け付けると、上記シャッター322を閉じる入力操作を受け付けるための画像を、第2タッチパネル31に表示する。ユーザが当該画像に対して入力操作を行うことにより、ピッキングユニット制御部12は、トレイ閉ボタン39のシャッター322を閉じる機能を有効にする。
これにより、ユーザがシャッター322を閉じることを意図せず、単にチェックボックスの数を超えてトレイ閉ボタン39を押下してしまった場合に、シャッター322が閉じてしまうことを防止できる。そのため、ユーザがシャッター322を意図せず閉じてしまった場合に生じ得る作業効率が低下する可能性を低減できる。
また、ユーザは、トレイ閉ボタン39の押下回数を気にしながら、トレイ閉ボタン39を介したチェックボックスに対する入力操作を行う必要が無い。そのため、ユーザは、当該入力操作をより簡易に行うことが可能となる。
(次薬剤充填のためのシャッターの開制御)
実施形態1で述べたように、ピッキングユニット制御部12は、撮像部335が撮像した薬剤の画像、及び計量部336(図2参照)が計量した薬剤の重量に基づき、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されているか否かを判定する。
ピッキングユニット制御部12は、規定された数量分の薬剤が取出されていると判定した後、トレイ閉ボタン39に対する、シャッター322を閉じるための押下操作を有効にする。しかし、ピッキングユニット制御部12は、規定された数量分の薬剤が取出されていると判定する前(判定前)であっても、上記押下操作の受け付けを有効にしても構わない。この場合、ピッキングユニット制御部12は、上記判定前の、トレイ閉ボタン39に対する押下操作により、シャッター322を閉じることができる。その結果、ピッキングユニット制御部12は、薬剤を取出したカセットCaを、薬剤授受部32から本体ユニット2Aに搬送すると共に、次の薬剤を収容するカセットCa(次のカセットCa)を、薬剤授受部32に呼び出すことができる。そのため、ピッキング作業の作業効率を向上させることができる。
ピッキングユニット制御部12は、上記の判定を行うために、計量部336からの測定結果の出力を待機する。特に計量部336がロードセルである場合、ロードセルの動作が安定するまでの時間、測定結果の出力を待機する。上記判定前であっても、上記押下操作の受け付けを有効にする場合、ピッキングユニット制御部12は、測定結果が出力されるまでの時間を待たずに、トレイ閉ボタン39に対する押下操作により、シャッター322を閉じることができる。また、この場合、ピッキングユニット制御部12は、測定結果を取得してから判定結果を出力するまでの時間を待たずに、上記押下操作により、シャッター322を閉じることができる。
また、ユーザがピッキング作業に慣れた場合には、ユーザがカセットCaから薬剤を取出す数量を間違える可能性は低くなる。また、例えば、カセットCaから端数の取出しが無い場合(複数枚の薬剤シートのみをカセットCaから取出す場合)、又は、端数が生じない薬剤シート以外の薬剤(例:軟膏、目薬、粉薬)をカセットCaから取出す場合も同様である。このような場合にも、ピッキングユニット制御部12の、上記判定前であっても上記押下操作の受け付けを有効にする機能は、有用である。
但し、ピッキングユニット制御部12が、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されていないと判定する場合もある。この場合、タッチパネル制御部14は、その判定結果を第2タッチパネル31に表示する。しかし、ユーザがこの表示を視認する前にトレイ閉ボタン39を押下した場合には、ピッキングユニット制御部12は、シャッター322を閉じた後、カセットCaを本体ユニット2Aに搬送する。つまり、ピッキングユニット制御部12は、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されていないと判定したにもかかわらず、薬剤授受部32に存在するカセットCaを本体ユニット2Aに戻し、次のカセットCaを薬剤授受部32に呼び出してしまう。
そのため、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、ユーザによる入力操作に基づき、本体ユニット2Aに戻されたカセットCaを、再度、薬剤授受部32に呼び出せる機能を有している。これにより、ユーザは、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されていないとの判定対象となった薬剤を収容するカセットCaを、薬剤授受部32に呼び戻し、搬送トレイTrに収容された薬剤の数量の適否をチェックできる。
例えば、ピッキングユニット制御部12は、上記の判定結果を、処方データに紐付けて、記憶部15に記憶している。ユーザは、上記判定対象となった薬剤を収容する搬送トレイTrをトレイ載置台38に載置すると共に、当該薬剤のバーコードを、バーコードリーダ34に読取らせる。ピッキングユニット制御部12は、読取られたバーコードと、記憶部15に記憶された判定結果とに基づき、当該バーコードが付された薬剤が上記判定対象となった薬剤であるか否かを判定する。バーコードに代えて、薬剤名等、薬剤を特定するための情報が入力されても構わない。上記バーコードが付された薬剤が上記判定対象となった薬剤であると判定した場合、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、呼戻し対象のカセットCaを特定し、本体ユニット2Aから薬剤授受部32に搬送する。
なお、上記判定前であっても上記押下操作の受け付けを有効にする機能と、規定された数量分の薬剤が取出されていると判定した後に上記押下操作の受け付けを有効にする機能とは、例えばユーザの選択により切り替えられても構わない。また、例えば薬剤の種類毎、取出される薬剤の数量毎に、又は端数の有無に応じて、これらの2つの機能が設定されていても構わない。
<第1タッチパネルにおける表示画像例>
次に、第1タッチパネル5における表示画像例について説明する。図50は、図17に示す順次払出画像17001の別例である順次払出画像50001を示す図である。図50に示すように、順次払出画像50001は、払出一覧表示領域A20に、「順番」欄、「患者」欄、「状態」欄、「待ち時間」欄、及び「DS以外の調剤有無」欄に加え、「薬品数」欄が含まれる点で、順次払出画像17001とは異なる。
「薬品数」欄は、1つの搬送トレイTrに収容される薬剤の種類数を表示する欄である。制御装置10は、処方データに基づき、当該薬剤の種類数を算出する。「薬品数」欄の表示により、ユーザは、患者毎に、搬送トレイTrに収容される薬剤の種類数を把握できる。
ドラッグステーション1Aでは、搬送トレイTrへの薬剤の払出しが完了した場合、ユーザは、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrを、空の搬送トレイTrに差し替える。搬送トレイTrを差し替えるタイミングで、タッチパネル制御部14は、トレイ取出画像24003(図24参照)を第2タッチパネル31に表示する。そのため、ユーザは、搬送トレイTrを差し替えるタイミングを把握できる。「薬品数」欄の表示により、第1タッチパネル5においても搬送トレイTrを差し替えるタイミングを把握できる。
また、搬送トレイTrに収容すべき薬剤の種類数よりも少ない種類数で搬送トレイTrを差し替える必要があると、ユーザが勘違いする場合もある。例えば、搬送トレイTrに2種類の薬剤を収容すべきところ、1種類の薬剤を収容した後に、搬送トレイTrを差し替える必要があると、ユーザが勘違いする場合もある。
このような場合、ユーザが搬送トレイTrを差し替えようとするタイミングで、第2タッチパネル31にトレイ取出画像24003が表示されない。しかし、ユーザは、トレイ取出画像24003が表示されず、次の薬剤の取出しに係る情報(第1確認画像22001又は第2確認画像22002(図22参照))が表示されたとしても、上述した勘違いに気がつきにくい。また、ユーザは、第1確認画像22001又は第2確認画像22002を誤表示と判断する可能性もある。
「薬品数」欄の表示により、ユーザは、搬送トレイTrに収容すべき薬剤の種類数を把握できる。そのため、ユーザは、「薬品数」欄及び搬送トレイTrの視認により、上述した勘違いに気がつきやすい。但し、後述するように、図51に示すように、タッチパネル制御部14が作業数表示領域B125を第2タッチパネル31に表示することにより、ユーザが上述のように勘違いする可能性を低減できる。
<第2タッチパネルにおける表示画像例>
次に、第2タッチパネル31における表示画像例について説明する。なお、以降では、ドラッグステーション1Aにおいて適用される場合を例に挙げて説明するが、ドラッグステーション1において適用されても構わない。
(第1確認画像の別例−作業工程表示)
図51は、第1確認画像22001の別例である第1確認画像51001及び51002を示す図である。第1確認画像51001は、ユーザが無資格者(テクニシャン)である場合の表示例を示し、第1確認画像51002は、ユーザが有資格者(薬剤師)である場合の表示例を示す。第1確認画像51001及び51002は、第1確認画像22001と異なり、第2表示領域B12に確認ボタンB123を含まない場合を例示する。
(ユーザが無資格者の場合)
ユーザが無資格者である場合、ピッキングユニット制御部12は、第1確認画像51001を表示する。ユーザのIDと、ユーザが無資格者又は有資格者であることを示す情報とは、予め紐付けられて記憶部15に記憶されている。ピッキングユニット制御部12は、ユーザがピッキングユニット3Aを使用するときに入力するログイン情報に基づき、ユーザが無資格者であるか、又は有資格者であるかを判定する。
第1確認画像51001の第2表示領域B12には、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業数を表示する作業数表示領域B125が含まれる。作業数表示領域B125には、例えば、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の全数と、1つの搬送トレイTrに対する現在のピッキング作業数と、が表示される。つまり、作業数表示領域B125には、1つの搬送トレイTrに収容される全薬種数と、現在のピッキング作業において当該搬送トレイTrに収容される薬種数と、が表示されている。
図51の例では、作業数表示領域B125には「1つの搬送トレイTrに対する現在のピッキング作業数/1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の全数」が表示されており、その例として「1/2」と表示されている。この場合、作業数表示領域B125は、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の全数「2回」中の「1回目」の作業中であることを示している。つまり、作業数表示領域B125は、1つの搬送トレイTrに収容される全薬種数「2種類」のうち、「1種類目」の薬剤のピッキング作業中であることを示している。
この表示により、ユーザは、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の全数を把握できると共に、現在のピッキング作業が、全数のうちの何回目のピッキング作業であるかを把握できる。そのため、ユーザは、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の工程を把握できる。
(ユーザが有資格者の場合)
ユーザが有資格者である場合、ピッキングユニット制御部12は、第1確認画像51002を表示する。
第1確認画像51002の第2表示領域B12には、作業数表示領域B125に加え、患者名を表示する患者名表示領域B126が含まれる。また、作業数表示領域B125には、例えば、1レシピ(RP)に対するピッキング作業の全数と、1レシピに対する現在のピッキング作業数と、が表示される。レシピとは、1日当たりの服用回数と服用時期とを示す用法(処方時に付与される分類に相当。例:1日3回毎食後、1日2回朝夕食後。)毎に区切られた、薬剤の種類、数量(用量)、及び服用日数(又は全服用回数)を示す情報である。1患者当たりに複数の用法が設定されている場合には、各レシピにレシピ番号が付与されている。
図51の例では、作業数表示領域B125には、「レシピ番号」と、「1レシピに対する現在のピッキング作業数/1レシピに対するピッキング作業の全数」と、が表示されており、その例として「Rp1−1/2」と表示されている。この場合、作業数表示領域B125は、レシピ番号「1」(Rp1)における、1レシピに対するピッキング作業の全数「2回」中の「1回目」の作業中であることを示している。つまり、作業数表示領域B125には、レシピ番号「1」において、1レシピに含まれる全薬種数「2種類」のうち、「1種類目」の薬剤のピッキング作業中であることを示している。
レシピ番号単位で搬送トレイTrに薬剤を収容する場合、1レシピに対するピッキング作業の全数は、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の全数であり、当該搬送トレイTrに収容される全薬種数に相当する。また、1レシピに対する現在のピッキング作業数は、1つの搬送トレイTrに対する現在のピッキング作業数であり、当該搬送トレイTrに収容される全薬種数のうちの何種類目かを示す情報である。
従って、この表示によっても、ユーザは、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の全数を把握できると共に、現在のピッキング作業が、全数のうちの何回目のピッキング作業であるかを把握できる。そのため、ユーザは、1つの搬送トレイTrに対するピッキング作業の工程を把握できる。但し、レシピ番号単位で搬送トレイTrに薬剤を収容する必要は必ずしも無い。
また、有資格者であるユーザがピッキング作業を行う場合に、上述のように、患者名、及びレシピに基づくピッキング作業数を表示することにより、ユーザは、レシピ単位で、搬送トレイTrに収容する薬剤をチェックできる。従って、最終鑑査前のピッキング作業において、最終鑑査を支援できる。
(補足)
第1確認画像51001又は51002が表示される場合、作業数表示領域B125及び/又は患者名表示領域B126は、例えば、第2確認画像22002、及び第1判定画像24001においても表示される。また、作業数表示領域B125及び/又は患者名表示領域B126は、強制承認画像23001の背景画像、第3確認画像23002、説明表示画像24002、及び第2判定画像25001においても表示される。
(第3判定画像)
図52は、第3判定画像52001及び52002の一例を示す図である。図52は、ユーザが無資格者である場合の表示例を示している。但し、第3判定画像52001は、図51の第1確認画像51002と同様、第2表示領域B12に患者名表示領域B126を含んでも構わない。
第3判定画像52001及び52002は、規定された端数分の薬剤がカセットCaから取出されたか否かを示す判定結果を表示する画像である。ピッキングユニット制御部12は、撮像部335により撮像された端数を含む画像を解析した測定結果に基づき、当該判定結果を取得する。タッチパネル制御部14は、当該判定結果に基づき、第2確認画像22002から、第3判定画像52001又は52002へと、第2タッチパネル31の表示を切り替える。
第3判定画像52001は、ピッキングユニット制御部12により、規定された端数分の薬剤がカセットCaから取出されたと判定された場合の画像の一例である。タッチパネル制御部14は、第3判定画像52001の第1表示領域B11に、上記測定結果を表示する。図52の例では、規定された端数(錠数)が1錠であり、その測定結果として「錠数:1錠」が表示されている。また、タッチパネル制御部14は、第1表示領域B11に、規定された端数分の薬剤がカセットCaから取出されたことを示す判定結果画像として「〇」を表示する。さらに、タッチパネル制御部14は、第1表示領域B11に、次の作業工程に係る指示(図52の例では、規定された数量の薬剤シートの、トレイ載置台38(天秤)への載置を、ユーザに促す指示)を表示する。
第3判定画像52002は、ピッキングユニット制御部12により、規定された端数分の薬剤がカセットCaから取出されていないと判定された場合の画像の一例である。タッチパネル制御部14は、第3判定画像52002の第1表示領域B11に、上記測定結果(図52では「錠数:2錠」と表示)と共に、規定された端数分の薬剤がカセットCaから取出されていないことを示す判定結果画像として「×」を表示する。さらに、タッチパネル制御部14は、第1表示領域B11に、規定された端数分の薬剤の、薬剤載置台37への載置を、ユーザに促す指示を表示する。
このように、端数分の薬剤についても、上記測定結果及び判定結果を表示することにより、ユーザは、規定された端数分の薬剤がカセットCaから取出されたか否かを、定量的にかつ感覚的に認識できる。
(第1確認画像及び説明表示画像の別例)
図53は、第1確認画像22001の別例である第1確認画像53001の一例と、説明表示画像24002の別例である説明表示画像53002の一例を示す図である。なお、図53に示す第1確認画像53001及び説明表示画像53002においても、図51及び図52と同様、作業数表示領域B125及び/又は患者名表示領域B126が表示され、確認ボタンB123が表示されなくても構わない。
実施形態2では、第1確認画像22001において、補足情報表示領域B15は最小化された状態で表示されている。その後、タッチパネル制御部14は、第1判定画像24001において補足情報表示領域B15に対する入力操作(例:下から上へのスワイプ操作)を受け付けた場合に、説明表示画像24002において補足情報表示領域B15を最大化する。但し、補足情報表示領域B15の最大化は補足情報表示領域B15への入力操作によって行われる必要は無い。ピッキングユニット制御部12が規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されていると判定した場合、タッチパネル制御部14は、判定結果画像として「〇」を表示した後、補足情報表示領域B15を最大化しても構わない。
本実施形態では、タッチパネル制御部14は、第1確認画像53001においては、補足情報表示領域B15に表示される全ての補足情報のうち、ユーザが搬送トレイTrに薬剤を収容するときに重要となる補足情報(重要補足情報)のみを表示する。そして、タッチパネル制御部14は、少なくとも、第1確認画像53001において判定結果画像として「〇」を表示するまで、重要補足情報のみを補足情報表示領域B15に表示する。これにより、重要補足情報をユーザに意識させることができる。
重要補足情報は、例えば、薬剤の種類に応じて予め指定されていても構わないし、患者に応じて予め指定されていても構わない。例えば、端数1つ分に切り分けない旨の補足情報について考える。端数が1つ分である場合、この端数を1つの錠剤等と認識し、薬剤シートごと飲み込んでしまう患者も存在する。この場合、この患者にとっては、上記補足情報は重要な補足情報となる。従って、患者に応じて重要補足情報を指定することにより、このような事故が発生する可能性を低減できる。
その後、ピッキングユニット制御部12が、規定された払出数量分の薬剤がカセットCaから取出されていると判定した場合、タッチパネル制御部14は、補足情報表示領域B15を最大化した説明表示画像24002(図24参照)を表示する。タッチパネル制御部14は、補足情報表示領域B15に対する入力操作を受け付けた場合に、補足情報表示領域B15を最大化しても構わない。
なお、実施形態2で述べたように、タッチパネル制御部14は、確認ボタンB123が視認できなくなるように、補足情報表示領域B15を拡大表示する。このとき、タッチパネル制御部14は、表示される補足情報の数に限らず、確認ボタンB123が視認できなくなるように、補足情報表示領域B15を拡大表示する。例えば、表示する補足情報が少ない場合であっても、タッチパネル制御部14は、確認ボタンB123が視認できなくなるように、補足情報以外の領域をブランク領域にすることにより、補足情報表示領域B15を拡大表示する。
また、図51及び図52に示すように、タッチパネル制御部14は、確認ボタンB123が表示されず強制終了ボタンB122のみが表示される場合には、強制終了ボタンB122が視認できなくなるように、補足情報表示領域B15を拡大表示する。
タッチパネル制御部14は、説明表示画像24002に代えて、説明表示画像53002を表示しても構わない。説明表示画像24002では、補足情報表示領域B15に含まれる全ての補足情報に対してチェックボックスが付与されている。この場合、タッチパネル制御部14は、全ての補足情報に付与されたチェックボックスに対する入力操作を受け付けない限り、次の画像に切り替えない。
説明表示画像53002では、補足情報表示領域B15に含まれる補足情報のうち、重要補足情報にのみチェックボックスが付与され、それ以外の補足情報にはチェックボックスが付与されていない。この場合、タッチパネル制御部14は、全ての重要補足情報に付与されたチェックボックスに対する入力操作を受け付けた場合に、次の画像に切り替える。
説明表示画像53002の表示により、重要補足情報に対してはユーザに確実なチェックを行わせ、それ以外の補足情報については、ユーザの判断に任せることができる。そのため、ピッキング作業の作業効率を向上させることができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置10の制御ブロック(特に、本体ユニット制御部11の各部、ピッキングユニット制御部12の各部、搬送制御部13、及びタッチパネル制御部14)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御装置10は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。