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JP6885675B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、発光ダイオード(LED)などの半導体発光素子に関する。
半導体発光素子は、通常、成長用基板上に、n型半導体層、活性層及びp型半導体層からなる半導体構造層を成長し、それぞれn型半導体層及びp型半導体層に電圧を印加するn電極及びp電極を形成して作製される。
特許文献1には、基板上に積層され、基板に対する傾斜角が滑らかに変化する部分を含んだ表面を持つ活性層を有する半導体発光素子及びその製造方法が開示されている。また、非特許文献1には、高インジウム組成を有しかつナノ構造(nanostructure)を有するInGaN層上に、他のInGaN層を積層した多重量子井戸構造の活性層を有する発光ダイオードが開示されている。
特許第4984119号公報
Applied Physics Letters 92, 261909 (2008)
半導体発光素子は、電極から素子内に注入された電子と正孔(ホール)とが活性層において再結合することによって発光する。活性層から放出される光の波長(すなわち発光色)は、活性層を構成する半導体材料のバンドギャップによって決まる。例えば、窒化物系半導体を用いた発光素子の場合、その活性層からは青色の光が放出される。
一方、例えば照明用途など、光源に演色性が求められる場合がある。高い演色性を有する光源は自然光に近い光を発する光源である。高い演色性を得るためには、光源から可視域のほぼ全域の波長を有する光が取出されることが好ましい。例えば、演色性の高い光源から取出された光は白色光として観察される。
これに対し、上記特許文献に記載されるように、半導体発光素子を用いて白色光を得る様々な手法が提案されている。例えば異なる組成を有する複数の活性層を積層することで、蛍光体を用いずに発光波長の広帯域化を図る手法が提案されている。
しかし、これらの手法によって発光装置を作製する場合、各発光色の均一化や製造工程の複雑化、発光強度の点で課題があった。その一例としては、半導体層の形成工程及び接合工程の追加、半導体層の結晶性の劣化などが挙げられる。
本発明は上記した点に鑑みてなされたものであり、広範囲に亘る発光波長帯域(スペクトル幅)を有する高い演色性かつ高い発光強度の半導体発光素子を提供することを目的としている。
本発明による半導体発光素子は、第1の導電型を有する第1の半導体層と、第1の半導体層上に形成され、第1の半導体層から応力歪を受ける組成を有してランダムな網目状に区画された複数のベースセグメントを有するベース層と、複数のベースセグメントのセグメント形状を残存しつつベース層上に形成され、少なくとも1つの量子井戸層及び少なくとも1つの障壁層を含む活性層と、アンドープ層であるか又は第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する層であり、セグメント形状の活性層を埋め込んで平坦化された平坦面を有する埋込層と、埋込層上に形成され、埋込層よりも大きなドーパント濃度を有する第2の導電型の第2の半導体層と、を有することを特徴としている。
(a)は実施例1に係る半導体発光素子の構造を示す断面図であり、(b)は実施例1に係る半導体発光素子におけるベース層の上面を模式的に示す図である。 (a)は実施例1に係る半導体発光素子における半導体構造層の層構造を示す断面図であり、(b)は実施例1に係る半導体発光素子における端部障壁層、埋込層及びp型半導体層の構成例を示す図である。 (a)は実施例1の変形例に係る半導体発光素子の構造を示す断面図である。 実施例2に係る半導体発光素子の構造を示す断面図である。 実施例3に係る半導体発光素子の構造を示す断面図である。
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。本明細書においては、同一の構成要素に同一の参照符号を付している。
図1(a)は、実施例1の半導体発光素子(以下、単に発光素子又は素子と称する場合がある)10の構造を示す断面図である。半導体発光素子10は、搭載基板(以下、単に基板と称する場合がある)11上に半導体構造層SSが形成された構造を有している。本実施例においては、半導体構造層SSは、搭載基板11上に、n型半導体層(第1の半導体層)12、ベース層13、活性層14、埋込層15及びp型半導体層(第2の半導体層、第1の半導体層12とは反対の導電型を有する半導体層)16がこの順で順次成長された構造を有する。
本実施例においては、搭載基板11は、例えば半導体構造層SSの成長に用いる成長用基板であり、例えばサファイアからなる。また、半導体構造層SSは、窒化物系半導体からなる。半導体発光素子10は、例えば、サファイア基板のC面を結晶成長面とし、当該C面上に有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:MOCVD法)を用いて半導体構造層SSを成長することによって、作製することができる。本実施例においては、半導体構造層SSは、窒化物系半導体からなる。
なお、本実施例においては、発光素子10が搭載基板11としての成長用基板上に半導体構造層SSが形成された構造を有する場合について説明するが、搭載基板11は成長用基板である場合に限定されるものではない。例えば、半導体発光素子10は、成長用基板上に半導体構造層SSを成長した後、半導体構造層SSを他の基板(支持基板)に貼り合わせ、成長用基板を除去した構造を有していてもよい。この場合、当該貼り合わせた他の基板はp型半導体層15上に設けられる。当該貼り合わせ用の基板としては、例えばSi、AlN、Mo、W、CuWなどの放熱性の高い材料を用いることができる。
n型半導体層12は、例えば、n型ドーパント(例えばSi)を含むGaN層からなる。なお、n型半導体層12は、ドーパント濃度の異なる複数のn型半導体層を有していてもよい。また搭載基板11とn型半導体層12との間にアンドープのバッファ層を有していてもよい。
ベース層13は、n型半導体層12上に形成され、n型半導体層12から応力歪を受ける組成を有している。また、ベース層13は、n型半導体層12から応力を受けてランダムな網目状に形成された溝(第1の溝)GR1を有している。
ここで、図1(b)を参照して、ベース層13について説明する。図1(b)は、ベース層13の上面を模式的に示す図である。また、ベース層13は、溝GR1によって区画され、かつランダムなサイズで形成された多数の微細なベースセグメントBSを有している。ベースセグメントBSの各々は、ベース層13がn型半導体層12から応力歪を受けることによって、ベース層13の表面においてランダムな網目状に区画されている。なお、図の明確さのため、図1(b)においては、一部のベースセグメントBSにハッチングを施している。
溝GR1は、互いにランダムにかつ異なる長さ及び形状の溝部から構成されている。溝GR1は、ベースセグメントBSを区画するように網目状に形成されている。溝GR1は、ベース層13の表面において網目状(メッシュ状)に張り巡らされるように形成されている。ベースセグメントBSの各々は、この溝GR1によってベース層BL内にランダムに区画形成された部分(セグメント)である。なお、ベースセグメントBSの各々は、略円形や略楕円形、多角形状など、様々な上面形状を有している。
再度図1(a)を参照すると、溝GR1は、例えばV字形状を有し、ライン状の底部BPを有している。本実施例においては、ベースセグメントBSの各々は、溝GR1における底部BPをその端部とする。ベースセグメントBSの各々は、底部BPにおいて他のベースセグメントBSに隣接している。
また、ベース層13は、ベースセグメントBSの各々に対応する平坦部(第1の平坦部)FL1を有している。ベース層13の表面は、平坦部FL1と溝GR1の内壁面とによって構成されている。平坦部FL1の各々は、溝GR1によってベースセグメントBS毎に区画されている。ベースセグメントBSは、平坦部FL1からなる上面と溝GR1の内壁面からなる側面とを有している。
すなわち、平坦部FL1はベースセグメントBSの各々における上面を構成し、溝GR1の内壁面はベースセグメントBSの側面を構成する。従って、ベースセグメントBSの各々は、傾斜した側面を有し、またその断面において例えば略台形の形状を有している。
なお、図1(b)は、ベース層13及びベースセグメントBSを模式的に例示するに過ぎない。例えば、ベース層BL13は、図1(b)に示すように、上面(ベース層13に垂直な方向)から視たときに直線的な溝GR1によって区画されている必要はなく、曲線的な溝によって区画されていてもよい。また、以下においては、ベース層13が平坦部FL1び溝GR1からなる場合について説明するが、ベース層13の表面形状はこの場合に限定されない。例えば、ベースセグメントBSの上面が曲面形状を有していてもよい。
さらに、ベース層13の表面に完全にベースセグメントBSが区画形成されている必要はない。例えば、溝GR1は、完全な網目形状を有する必要はなく、部分的に途切れていてもよい。ベース層13がランダムな網目状に区画されたベースセグメントBSを有するとは、ベース層13が上記したような溝形状、区画形状、あるいは上面形状を有することをいう。
活性層14は、ベース層13上に形成された量子井戸層WA及び障壁層BAを有する。また、図1(a)に示すように、量子井戸層WA及び障壁層BAは、ベース層13のセグメント形状を残存しつつベース層13上に形成されている。すなわち、活性層14は、ベース層13のセグメント形状を維持した上面形状を有する。
より具体的には、量子井戸層WAは、ベース層13の溝GR1に対応する溝(第2の溝)GR2を有する。また、量子井戸層WAは、ベース層13の平坦部FL1の各々に対応する平坦部(第2の平坦部)FL2を有する。また、障壁層BAは、量子井戸層WAの溝GR2に対応する溝(第3の溝)GR3と、量子井戸層WAの平坦部FL2の各々に対応する平坦部(第3の平坦部)FL3とを有する。
埋込層15は、ベース層13及び活性層14の当該セグメント形状(溝GR3)を埋め込んで障壁層BA上に形成されている。具体的には、埋込層15は、障壁層BA(活性層14)との界面(下面)においては溝GR3に対応する凹凸形状を有する一方で、上面においては平坦形状を有している。従って、埋込層15は、図1(a)に示すように、セグメント形状の活性層14を埋め込んで平坦化された平坦面FSを有している。
p型半導体層16は、p型ドーパント(例えばMg又はZn)を有する第1及び第2のp型層16A及び16Bを含む。本実施例においては、第1のp型層16Aは埋込層15上に形成され、第2のp型層16Bは第1のp型層16A上に形成されている。また、本実施例においては、第1のp型層16Aは、電子ブロック層として機能する。
図2(a)は、図1(a)の破線で囲まれた部分を拡大して示す部分拡大断面図である。まず、図2(a)を用いて、半導体構造層SSについて詳細に説明する。
本実施例においては、n型半導体層12はGaNの組成を有する。ベース層13は、AlN又はAlGaNの組成を有する。活性層14の量子井戸層WAは、InGaNの組成を有する。障壁層BAは、AlxGa1-xN(0≦x≦1)の組成を有する。埋込層15は、AlyGa1-yN(0≦y≦1)の組成を有する。第1のp型層16Aは、AlzGa1-zN(0≦z≦1)の組成を有する。また、第2のp型層16Bは、GaNの組成を有する。
ここで、ベース層13及び活性層14について説明する。まず、図2(a)に示すように、ベース層13は、例えば、AlGaN又はAlNの組成を有している。ベース層13におけるベースセグメントBSは、ベース層13としてのAlGaN層又はAlN層を、比較的低温でn型半導体層12としてのGaN層上に成長することで形成することができる。
まず、n型半導体層12上に、これとは異なる結晶組成のベース層13を成長した場合、ベース層13には応力(歪)が生ずる。例えば、ベース層13は、n型半導体層12よりも小さな格子定数を有する。例えばn型半導体層12としてのGaN層にベース層13としてAlN層を成長する場合、AlN層にはGaN層によって伸張歪が生ずる。従って、AlN層にはその成長時に引張応力が生ずる。従って、AlN層の成長開始時又は成長途中でAlN層に溝が生じ、これ以降は、AlN層は3次元的に成長する。すなわち、AlN層は立体的に成長し、複数の微細な凹凸が形成される。この溝の形成開始点が溝GR1の底部BPとなる。
さらに、GaN層上に低温でAlN層を成長する場合、AlN層における3次元的な成長が促進される。従って、AlN層の表面に無数の溝が互いに結合しながら形成され(溝GR1)、これによってAlN層の表面が粒状の複数のセグメントに区画されていく。このようにしてベースセグメントBSを有するベース層13を形成することができる。なお、本実施例においては、約780℃の成長温度でベース層13としてのAlN層を形成した。
このベース層13上に量子井戸層WAとしてのInGaN層を形成すると、量子井戸層WAは歪み量子井戸層として形成される。また、量子井戸層WA内におけるInの含有量に分布が生ずる。すなわち、量子井戸層WAのうち、例えば平坦部FL1上の領域と溝GR1上の領域とでIn組成が異なるように形成される。また、ベースセグメントBSの上面上と側面上とでは量子井戸層WAの層厚が異なる。従って、量子井戸層WAの層内においてはバンドギャップが一定ではない。このようにして微細な島状の凹凸を有する活性層14からは、様々な色の光が放出されることとなる。
また、ベース層13であるAlN層上に量子井戸層WAであるInGaN層を形成する場合、InGaN層はAlN層によって圧縮歪を受ける。InGaN層が圧縮歪を受けると、InGaN層内にInが取り込まれ易くなる。これによって、InGaN層におけるバンドギャップ、すなわち量子準位間のエネルギーは小さくなる。量子井戸層WAからは、より長波長側の発光波長を有する光が放出される。
また、本実施例においては、量子井戸層WA上に形成された障壁層BAは量子井戸層WAの上面形状を引き継いで形成され、活性層14の表面には溝GR3が残存することとなる。
次に、埋込層15について説明する。埋込層15は、活性層14よりも高い結晶性を有する。例えば、埋込層15は、障壁層BA以下のAl組成を有する(y≦xの関係を満たす)。また、埋込層15は、障壁層よりも大きな格子定数を有する。この高結晶性層としての埋込層15を活性層14上に形成することで、活性層14からの発光スペクトルの広帯域化と発光強度の向上との両立を図ることができる。
より具体的には、上記したように、ベース層13を有することで活性層14からは広いスペクトル帯域を有する放出光を得ることができる。しかし、その一方で、活性層14(特に量子井戸層WA)の結晶性が悪化し、活性層14での電子及び正孔の再結合確率、特にp型半導体層16からの正孔の注入効率が低下することが懸念される。従って、発光強度が低下することが懸念される。
具体的には、電流は、n型半導体層12及びp型半導体層16間において比較的(例えば平坦部FL2又はFL3よりも)層厚の小さい領域である溝GR3の領域に集中して流れる。また、溝GR3の領域は平坦部FL2又は3よりも結晶性の低い部分であり、溝GR3の領域に注入された電流は発光に寄与しない可能性が高い。すなわち、多くのキャリアが発光を行わずに失われる可能性がある。
これに対し、本実施例においては、活性層14とp型半導体層16との間に高い結晶性を有する埋込層15が設けられている。埋込層15は、活性層14の表面に形成された溝GR3を埋め込んで、埋込層15内で結晶性を向上(改善)させる。また、埋込層15は、p型半導体層16に溝GR3が引き継がれることを抑制する。これによって、結晶性の高いp型半導体層16を成長させることができ、発光効率の低下を抑制することができる。
なお、発明者は、埋込層15を形成することで、活性層14の表面の平坦性を、埋込層15の表面で約20%向上させることができたことを確認している。また、発明者は、埋込層15を設けない場合の素子を比較例として作製し、半導体発光素子10との比較を行った。そして、半導体発光素子10が比較例の素子に対して約25%出力が向上していることを確認している。
上記したように、本実施例においては、半導体発光素子10は、ベース層13及び活性層14と、活性層14上に、ベース層13(活性層14)のセグメント形状を埋め込んで平坦化された平坦面FSを有する埋込層15とを有する。従って、まず、ベース層13(ベースセグメントBS)によって活性層14からの放出光のスペクトルを広帯域化することができる。また、埋込層15を設けることで、発光効率が向上する。従って、例えば蛍光体などの追加の部材を必要とすることなく、単純な構成で高演色かつ高出力な半導体発光素子10を得ることができる。
なお、埋込層15は、その表面が完全に平坦化されている必要はない。すなわち、埋込層15は、ベース層13に設けられた複数のベースセグメントBSのうち、一部のベースセグメントBSを埋め込んで平坦化された平坦面FSを有していればよい。また、埋込層15の上面においては、溝GR3の一部を埋め込むことで溝GR3が断裂するように残存していてもよい。換言すれば、埋込層15の表面においては、ベース層13によるセグメント形状の少なくとも一部が埋設されて消失していればよい。
また、埋込層15におけるベースセグメントBSのセグメント形状の埋設の程度は、求められる演色性及び輝度に応じて適宜調節することができる。本実施例においては、ベースセグメントBSが多く埋め込まれるほど、発光効率が向上する一方で、スペクトルが短波長側にシフトする。
次に、図2(a)及び(b)を用いて、活性層14、埋込層15及びp型半導体層16のより好ましい詳細構成について説明する。図2(b)は、半導体発光素子10における活性層14、埋込層15及びp型半導体層16のp型ドーパントのドーパント濃度及び組成例を示す図である。
まず、p型半導体層16は、埋込層15との界面に第1のp型層16Aを有する。第1のp型層16Aは、埋込層15よりも大きなバンドギャップを有する。例えば、第1のp型層16Aは、埋込層15よりも大きなAl組成を有する。具体的には、埋込層15としてのAlyGa1-yN(0≦y≦1)層及び第1のp型層16AとしてのAlzGa1-zN(0≦z≦1)において、組成y及びzは、y<zの関係を満たす。これによって、第1のp型層16Aは電子ブロック層として機能する。
なお、第2のp型層16Bは、例えばGaNの組成を有し、n型半導体層12と共にクラッド層として機能する。
次に、図2(b)を用いて、各層の組成例及びドーパント濃度の関係について説明する。例えば、活性層14の障壁層BAは、AlN又はAlGaNの組成を有する(0<x≦1)。埋込層15は、例えばGaNの組成を有する(y=0)。また、第1のp型層16Aは、例えばAlGaNの組成を有する(z>0)。
まず、埋込層15は、アンドープ層であるか又はp型の導電型を有する層である。また、p型半導体層16は、埋込層15よりも大きなドーパント濃度を有する層である。また、本実施例においては、障壁層BAは、p型の導電型を有する。これによって正孔の量子井戸層WAの注入効率が向上する。また、本実施例においては、埋込層15は、障壁層BAよりも小さなドーパント濃度を有する層である。これによって、埋込層15による結晶性の向上を図りつつ、量子井戸層WAへの正孔の効率的な注入を行うことができる。なお、結晶性の向上を優先的に考慮すると、埋込層15はアンドープ層であることが好ましい。
従って、これら3層におけるp型のドーパント濃度は、埋込層15が最も小さく、障壁層BA及びp型半導体層16の順で大きくなるように構成されている。このようにドーパント濃度を調節することで、埋込層15の高い結晶性を確保しつつ高効率で正孔を量子井戸層WAに注入することができる。従って、演色性及び発光効率はより向上する。
また、本実施例においては、p型半導体層16は、埋込層15上に形成され、埋込層15よりも大きなバンドギャップを有する第1のp型層16Aと、第1のp型層16A上に形成され、第1のp型層16Aよりも小さなバンドギャップを有する第2のp型層16Bとを有する。また、本実施例においては、第1のp型層16Aは、障壁層BA及び埋込層15よりも大きなドーパント濃度を有する。従って、第1のp型層16Aを電子ブロック層として機能させ、高効率で電流を量子井戸層WAに供給することが可能となる。従って、半導体発光素子10は、高演色かつ高出力な特性を有する光源として機能する。
なお、発明者らは、半導体発光素子10として、障壁層BAのMgのドーパント濃度を1×1019cm-3とし、埋込層15をアンドープ層とし、第1のp型層16AのMgのドーパント濃度を2×1019cm-3とした半導体発光素子10を作製した。そして、比較例として障壁層BAをアンドープの障壁層に置き換えた発光素子を作製した。そして、両者の出力を比較し、半導体発光素子10が約20%高い出力を得たことを確認している。
[変形例]
図3は、実施例1の変形例に係る半導体発光素子10Aの構造を示す断面図である。半導体発光素子10Aは、活性層14Aの構成を除いては半導体発光素子10と同様の構成を有する。本変形例においては、活性層14Aは、2つの量子井戸層WA及び障壁層BAからなる多重量子井戸構造を有する。活性層14Aは、ベース層13上に2つの量子井戸層WA及び障壁層BAが交互に積層された構造を有する。
半導体発光素子10においては活性層14が1つの量子井戸層WA及び障壁層BAからなる場合について説明した。しかし、発光効率の向上を考慮すると、半導体発光素子10Aのように、活性層14Aが複数の量子井戸層WA及び障壁層BAを有していてもよい。例えば、量子井戸層WAの各々はInGaNの組成を有する。また、障壁層BAの各々は、AlN又はAlGaNの組成を有する。
本変形例においては、埋込層15は、活性層14Aの2つの障壁層BAのうち、最もp型半導体層16側の障壁層BA(E)上に形成されている。すなわち、活性層14Aは、複数の障壁層BAのうち、埋込層15に接する障壁層(以下、端部障壁層と称する)BA(E)を有する。また、本変形例においては、埋込層15は、端部障壁層BA(E)以下のAl組成yを有していればよい。また、障壁層BAにドーピングを行う場合、端部障壁層BA(E)がp型ドーパントを含んでp型の導電型を有していればよい。また、端部障壁層BA(E)がp型の導電型を有する場合、埋込層15及びp型半導体層16のドーパント濃度の調節(図2(b)に示すような関係)は、端部障壁層BA(E)に対して行えばよい。
換言すれば、本実施例及び変形例に示すように、活性層14Aは少なくとも1つの量子井戸層WA及び障壁層BAを有する。また、少なくとも1つの障壁層BAのうち、埋込層15に接する端部障壁層BA(E)はp型の導電型を有し、埋込層15は端部障壁層BA(E)よりも小さなドーパント濃度を有する層である。また、p型半導体層16(第1のp型層16A)は、端部障壁層BA(E)及び埋込層15よりも大きなドーパント濃度を有する。従って、例えば蛍光体などの追加の部材を必要とすることなく、単純な構成で高演色かつ高出力な半導体発光素子10及び10Aを得ることができる。
図4は、実施例2に係る半導体発光素子20の構造を示す断面図である。半導体発光素子20は、発光層21をさらに有する点を除いては、半導体発光素子10と同様の構成を有している。本実施例においては、半導体発光素子20は、n型半導体層12とベース層13との間に、量子井戸層WB及び障壁層BBからなる量子井戸構造の発光層(第2の活性層)21有する。
本実施例においては、実施例1における活性層14よりもn型半導体層12側に、第2の活性層として発光層21が設けられている。例えば、図4に示すように、発光層21は、2つの量子井戸層WBと3つの障壁層BBが交互に積層された構造を有する。量子井戸層WBは、例えば、InGaNの組成を有する。また、障壁層BBは、例えば、GaNの組成を有する。量子井戸層WB及び障壁層BBは、その各々が一様に平坦な層構造を有する。ベース層13は、発光層21の障壁層BB上に形成されている。
発光層21は、活性層14よりも短波長側に発光スペクトルのピークを有する。半導体発光素子20は、活性層14からの長波長側の発光スペクトルに発光層21からの短波長側の発光スペクトルが付加されたスペクトル特性を示す。従って、高演色かつ高出力な半導体発光素子20を得ることができる。なお、本実施例は、短波長側の発光強度を得たい場合に有効な構成である。
図5は、実施例3に係る半導体発光素子30の構造を示す断面図である。半導体発光素子20は、発光層31をさらに有する点を除いては、半導体発光素子10と同様の構成を有している。本実施例においては、半導体発光素子30は、埋込層15とp型半導体層16との間に、量子井戸層WB及び障壁層BBからなる量子井戸構造の発光層(第2の活性層)31有する。
本実施例においては、実施例1における活性層14よりもp型半導体層16側に、第2の活性層として発光層31が設けられている。例えば、図5に示すように、発光層31は、埋込層15上に、2つの量子井戸層WBと3つの障壁層BBが交互に積層された構造を有する。量子井戸層WBは、例えば、InGaNの組成を有する。また、障壁層BBは、例えば、GaNの組成を有する。量子井戸層WB及び障壁層BBは、その各々が一様に平坦な層構造を有する。p型半導体層16(第1のp型層16A)は、発光層31の障壁層BB上に形成されている。
発光層31は、活性層14よりも短波長側に発光スペクトルのピークを有する。半導体発光素子30は、活性層14からの長波長側の発光スペクトルに発光層31からの短波長側の発光スペクトルが付加されたスペクトル特性を示す。従って、高演色かつ高出力な半導体発光素子30を得ることができる。本実施例は、発光層31には活性層14よりも高効率で正孔が注入される。従って、長波長側の発光強度よりも短波長側の発光強度を得たい場合に有効な構成である。
なお、本実施例においては、第1の導電型がn型の導電型であり、第2の導電型がp型である場合について説明したが、第1の導電型がp型であり、第2の導電型がn型であってもよい。また、実施例2及び3は互いに組み合わせることができる。
10、10A、20、30 半導体発光素子
12 n型半導体層(第1の半導体層)
13 ベース層
14 活性層
21、31 発光層
WA、WB 量子井戸層
BA、BB 障壁層
15 埋込層
16 p型半導体層(第2の半導体層)
16A 第1のp型層
16B 第2のp型層

Claims (6)

  1. 第1の導電型を有するGaNにより形成された第1の半導体層と、
    前記第1の半導体層上に形成され、前記第1の半導体層から応力を受けて歪を生じる組成を有し、AlN又はAlGaNからなり、かつ上面視において互いに複数の溝によってランダムに区画された複数のベースセグメントを有するベース層と、
    前記複数のベースセグメントのセグメント形状を残存しつつ前記ベース層上に形成され、少なくとも1つの量子井戸層及び少なくとも1つの障壁層を含む活性層と、
    アンドープ層であるか又は前記第1の導電型とは反対の第2の導電型を有する層であり、前記セグメント形状の前記活性層を埋め込んで平坦化された平坦面を有する埋込層と、
    前記埋込層上に形成され、前記埋込層よりも大きなドーパント濃度を有するGaNにより形成された前記第2の導電型の第2の半導体層と、を有する半導体素子であって、
    前記少なくとも1つの量子井戸層は、InGaNの組成を成し、
    前記少なくとも1つの障壁層は、AlxGa1-xN(0≦x≦1)の組成を成し、
    前記埋込層は、AlyGa1-yN(0≦y≦1、y≦x)の組成を成して前記障壁層よりも大きな格子定数を有し
    前記埋込層の上面は、前記埋込層と前記活性層との界面に比べて平坦な形状を有する、
    ことを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記少なくとも1つの障壁層のうち、前記埋込層に接する障壁層は、前記第2の導電型を有する層であり、
    前記埋込層は、前記埋込層に接する障壁層よりも小さなドーパント濃度を有する層であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第2の半導体層はp型半導体層であり、
    前記第2の半導体層は、前記埋込層上に形成され、前記埋込層よりも大きなバンドギャップを有する第1のp型層と、前記第1のp型層上に形成され、前記第1のp型層よりも小さなバンドギャップを有する第2のp型層とを含み、
    前記第1のp型層は、前記埋込層に接する前記障壁層及び前記埋込層よりも大きなドーパント濃度を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記少なくとも1つの障壁層は、AlN又はAlGaNの組成を有し、
    前記埋込層は、GaNの組成を有し、
    前記第1のp型層は、AlGaNの組成を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第1の半導体層と前記ベース層との間に、少なくとも1つの量子井戸層及び障壁層を含む発光層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
  6. 前記埋込層と前記第2の半導体層との間に、少なくとも1つの量子井戸層及び障壁層を含む発光層を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の半導体発光素子。
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