JP6711078B2 - 起泡性水中油型乳化物及び含気食品 - Google Patents
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Description
既存の起泡性水中油型乳化物や食品素材を高度に含気させることにより、体積増加に伴うカロリー低減、ふんわりとしたライトな食感の付与が期待できる。
また、一般的に含気して食さない様な食品を高度に含気させることにより、既存の食品に対しても新たな食感や価値を付与できる。
これまで、含気食品としてはホイップドクリームを使用したケーキやムースに代表される菓子類、泡醤油に代表される調味料などがあったが、含気量が少ないものが大半を占め、含気量を多くするためには亜酸化窒素ガスや二酸化炭素といった専用のガスを使用するエスプーマ等の装置による強制的な含気を必要する上、保形性がほとんど期待できないものであった。
また、カゼイン含有蛋白質を含むことが必須である為、アレルギーの問題も生じる。
特許文献2では、脂肪分及び全固形分の各含有率が小さい起泡性水中油型乳化物が提案されているが、特許文献1と同様に糖類とカゼイン含有蛋白質を含み、最適起泡時のオーバーランも240%と低いものであった。
特許文献3では、野菜や果実のペースト類の食品素材をオーバーラン400〜1000%と高度に含気させる菓子用起泡剤が提案されているが、これもまた糖質を必須とすることから高カロリーであり、さらに甘味を有することから菓子用途に制限される。
また、グリセリンモノ脂肪酸エステルを5〜20重量%と多量に配合する必要があり、風味の悪化は避けられない。
(1)油脂及び水を含む起泡性水中油型乳化物であって、全固形分が30重量%未満かつ油脂分10重量%以上30重量%未満を含有し、安定化乳化剤の含有量をX重量%、解乳化剤の含有量をY重量%とした場合、(X÷Y)の値が10以上200未満、かつXとYの合計量が0.1重量%以上3.0重量%未満であることを特徴とする起泡性水中油型乳化物、
(2)油脂の上昇融点が28℃以上である、起泡性水中油型乳化物、
(3)カゼイン含有蛋白質を含まない、(1)又は(2)記載の起泡性水中油型乳化物、
(4)最適起泡時のオーバーランが300%以上である、(1)〜(3)何れか1つに記載の起泡性水中油型乳化物、
(5)(1)〜(4)何れか1つに記載の起泡性水中油型乳化物に食品素材を混合後に起泡してなる含気食品である。
また、本発明の起泡性水中油型乳化物は、既存の起泡性水中油型乳化物や食品素材を高度
に含気させることができる全く新規なものであり、その効果により既存の食品に新たな食感や価値を付与できるという意義において、食品業界に革命をもたらし得るものである。
本発明の糖質としては、澱粉、澱粉分解物、少糖類、ニ糖類、単糖類、糖アルコール、食物繊維としてはセルロース、イヌリンが例示でき、これらの単独または2種以上を混合使用するのが好ましい。
さらに糖質が澱粉、澱粉分解物、少糖類、糖アルコール、食物繊維がセルロース、イヌリンから選ばれる1種または2種以上が、甘味の低減とスッキリ感を付与することができ好ましい。
親油基構造としては飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸であり、乳化剤1分子中に少なくとも1個以上の脂肪酸を有している。飽和脂肪酸としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸が例示できる。不飽和脂肪酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エルカ酸が例示できる。親水基構造としては、グリセリン、ポリグリセリン、ショ糖、ソルビタン及びソルバイド、プロピレングリコール、ソルビタンポリオキシエチレンが例示できる。
具体的には油脂分、安定化乳化剤、解乳化剤及び水を主要原料と、これらの原料を混合して、予備乳化、殺菌又は滅菌処理し均質化処理し冷却することにより得ることができる。均質化処理は前均質化、後均質化のどちらか一方でも、両方を組み合わせた2段均質化でも良い。起泡性水中油型乳化物の保存性の点で滅菌処理することが好ましい。
また、直接加熱式滅菌装置としては、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)、ユーペリゼーション滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、VTIS滅菌装置(テトラパック・アルファラバル株式会社製)、ラギアーUHT滅菌装置(ラギアー株式会社製)、パラリゼーター(パッシュ・アンド・シルケーボーグ株式会社製)等のUHT滅菌装置が例示でき、これらの何れの装置を使用してもよい。
混合する食品素材としては、総務省の提供する日本標準商品分類表に記載の大分類7に分類される商品より任意に選択することができる。
例えば、本発明の起泡性水中油型乳化物100部に対し、蒸留酒であるラム酒を30部、グラニュー糖を15部撹拌混合することにより、比重0.3まで起泡させることができ、カクテル等の提供様式に革命をもたらし得る素材となる。また、本発明の起泡性水中油型乳化物100部に対し、調味料である醤油を10部撹拌混合することにより、比重0.25まで起泡させることがでる。これは糖類の添加を必須としていた従来技術では決して成し得たものではなく、本技術の完成によって実現した全く新しいものである。また、これまでのエスプーマを用いた起泡状態とは異なり保形性を有する為、調理分野にも革命をもたらし得る素材である。ここに例示したものはあくまでもその一例であり、対象が制限されるものではない。
なお、例中、%及び部は、いずれも重量基準を意味する。
また、結果については以下の方法で評価した。
(1)粘度:
水中油型乳化物の粘度の測定は、B型粘度計(株式会社東京計器製)にて、2号ローター、60rpmの条件下で行った。
水中油型乳化物の品温は7℃にて測定した。
(2)ボテテスト:
100ml容ビーカーに、水中油型乳化物50gを入れ、20℃で2時間インキュベートし、その後、重さ7g、直径15mmの球状アルミナセラミックス製ボール4個を入れて、10分間、横型シェーカーを用い、振動させ、水中油型乳化物のボテの発生の有無を確認した。
(1)ホイップタイム:
水中油型乳化物200gをホバートミキサー(HOBARTCORPORATION製 MODELN−5)3速(300rpm)にてホイップし、最適起泡状態に達するまでの時間。
(2)オーバーラン:
[(一定容積の水中油型乳化物重量)−(一定容積の起泡後の起泡物重量)]÷(一定容積の起泡後の起泡物重量)×100
(3)保形性:
造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の美しさを調べる。
優れている順に、「A」、「B」、「C」の三段階にて評価をつけた。
(4)離水:
造花した起泡物を15℃で24時間保存した場合の美しさを調べる。
離水がない場合は「なし」、ある場合は「あり」の評価をつけた。
(5)風味・口溶け:
起泡した水中油型乳化物の風味・口溶けを以下の様にそれぞれ5段階で評価した。
風味;良い5〜1悪い
口溶け;良い5〜1悪い
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例1に基づく水中油型乳化物を得た。実施例1に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)28.90部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水70.14部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例2に基づく水中油型乳化物を得た。実施例2に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.10部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.10部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.30部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.01部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.12部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.30部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.01部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例3に基づく水中油型乳化物を得た。実施例3に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.30部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.30部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)1.00部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.03部、大豆レシチン0.06部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水72.22部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)1.00部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.06部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例4に基づく水中油型乳化物を得た。実施例4に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。
またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム核分別油(上昇融点32.5℃)25.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例5に基づく水中油型乳化物を得た。実施例5に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム分別油(上昇融点30.0℃)25.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水74.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例6に基づく水中油型乳化物を得た。実施例6に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
実施例1の水中油型乳化物100部に、醤油10部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖10部、カルピス70部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖20部、ライムピューレ30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
実施例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖18部、夜店のソーダ5部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)35.00部に、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.45部、大豆レシチン0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水64.04部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.45部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.03部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例1に基づく水中油型乳化物を得た。実施例1に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.10部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.10部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)0.35部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.01部、大豆レシチン0.05部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水73.98部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)0.35部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.05部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.01部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例3に基づく水中油型乳化物を得た。実施例3に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。
またホイップしたクリームの風味評価を行った。
パーム核硬化油(上昇融点38.0℃)25.00部に、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル(HLB8.4)0.50部、ソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB5.1)0.50部、ショ糖飽和脂肪酸エステル(HLB5.0)1.00部、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB4.9)0.02部、大豆レシチン0.05部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水71.86部に、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステル(HLB14.9)1.00部、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル(HLB11.6)0.05部、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル(HLB15.0)0.02部を添加混合溶解し水相とする。上記油相と水相を60℃、30分間予備乳化タンクで高速攪拌により予備乳化を行った後、1MPaの均質化圧力で均質化して、プレート式熱交換機にて78℃まで予備加熱を行い、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)(直接蒸気吹き込み方式)によって、144℃まで加熱した。さらに殺菌保持チューブであるホールディングチューブにて144℃で4秒間保持し、蒸発冷却し78℃まで冷却した。その後、12MPaの均質化圧力で再均質化して、再びプレート冷却装置にて5℃に冷却し実施例3に基づく水中油型乳化物を得た。実施例3に基づく水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えて上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い粘度、ボテテスト、ホイップタイム、オーバーラン、保形性、離水の測定を行った。
またホイップしたクリームの風味評価を行った。
比較例1の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
比較例2の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
比較例3の水中油型乳化物100部に、グラニュー糖15部、ラム酒30部を混合したもの200gを上記ホイップ方法にてホイップし、上記の方法に従い、ホイップタイム、保形性、離水の測定を行った。またホイップした含気食品の比重を測定した。
(メレンゲを使用しないマシュマロ)
1)氷水で膨潤させた板ゼラチン(12部)をフランボワーズピューレ(45部)、キルシュ(4.5部)、トックブランシュ フランボワーズ(8部)と合わせて湯煎溶解した。
2)実施例1の水中油型乳化物(100部)とグラニュー糖(40部)を合わせて5分立てまでホイップした。
3)さらに2)をホイップしつつ1)を徐々に加えた。
4)丸口金で絞り、メレンゲを使用しないマシュマロ(本発明の含気食品)とした。空気を多く含んだ組織であり卵白を用いた通常のマシュマロに似ているが、通常のマシュマロよりも口溶けの良いものであった。なお、周囲にコンスターチとプードルデコールを1:1混合したものをまぶし、完成品とした。
Claims (4)
- 油脂及び水を含む起泡性水中油型乳化物であって、全固形分が30重量%未満かつ油脂分10重量%以上30重量%未満を含有し、安定化乳化剤の含有量をX重量%、解乳化剤の含有量をY重量%とした場合、(X÷Y)の値が10以上200未満、かつXとYの合計量が0.1重量%以上3.0重量%未満であり、最適起泡時のオーバーランが300%以上であることを特徴とする起泡性水中油型乳化物。
なお、安定乳化剤は、親油基において、全構成脂肪酸中の95重量%以上が飽和脂肪酸であり、モノグリセリン飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン飽和脂肪酸エステル、ショ糖飽和脂肪酸エステル、ソルビタン飽和脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン飽和脂肪酸エステルから選択される1種又は2種以上の乳化剤であり、解乳化剤は、親油基において、全構成脂肪酸中の60重量%以上が不飽和脂肪酸であり、モノグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ポリグリセリン不飽和脂肪酸エステル、ソルビタン不飽和脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン不飽和脂肪酸エステル、大豆レシチン及び卵黄レシチンから選択される1種又は2種以上の乳化剤である。また、最適起泡時のオーバーランは、水中油型乳化物200gに16gのグラニュー糖を加えてホイップし、オーバーランの測定を行った。 - 油脂の上昇融点が28℃以上である、請求項1記載の起泡性水中油型乳化物。
- カゼイン含有蛋白質を含まない、請求項1又は2記載の起泡性水中油型乳化物。
- 請求項1〜3何れか1項に記載の起泡性水中油型乳化物に食品素材を混合後に起泡してなる含気食品。
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