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JP2001178388A - カスタード風味クリームとその製造法 - Google Patents

カスタード風味クリームとその製造法

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JP2001178388A
JP2001178388A JP37394299A JP37394299A JP2001178388A JP 2001178388 A JP2001178388 A JP 2001178388A JP 37394299 A JP37394299 A JP 37394299A JP 37394299 A JP37394299 A JP 37394299A JP 2001178388 A JP2001178388 A JP 2001178388A
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custard
cream
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fat
flavor
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JP37394299A
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Takeshi Miyagawa
剛 宮川
Kozo Yamashita
耕三 山下
Sayuri Kubo
さゆり 久保
Satomi Yanagisawa
里美 柳沢
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シャルロットクリーム風の滑らかで軽い食感
を有し、卵黄の風味が良く、常温流通のパン菓子類に使
えるような良好な保存性を有し、味付けのバリエーショ
ンが豊かな、カスタード風味クリームを提供すること。 【解決手段】 低脂肪ファットスプレッド(A)と加糖
澱粉ペースト(B)と卵黄を含有する水性液(C)を、
それぞれ別々に調製した後に、これら主成分として、混
合して得られるカスタード風味クリーム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長期保存に優れ、
流通に適し、しかも風味良好な、製菓、製パン用のフィ
リング、トッピング材として広く用いることのできるカ
スタード風味クリーム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】製菓、製パン用のクリームとして、代表
的なものに、カスタードクリーム、ホイップクリーム、
バタークリーム等がある。また、洋菓子の業界では、カ
スタードクリームとホイップクリームをブレンドした、
いわゆるシャルロットクリーム(ディプロクリーム)と
よばれるものもある。このシャルロットクリームは、ホ
イップクリームの口溶けの良さと、カスタードクリーム
の卵黄風味を合わせ持ったものとして、最近、シューク
リームなどのサンドクリームとして良く利用されてい
る。
【0003】しかしこのクリームは、特に衛生上の点か
ら日持ちが悪く、用途が限定されるほか、製造に手間が
かかり、ブレンドに習熟が必要であるという問題があっ
た。衛生上の点からは、保存料などの使用もなされてい
るが、風味を損なうという欠点がある。
【0004】この様なシャルロットクリームにかわるも
のとして、卵黄と特定量の油脂、乳化剤、澱粉を使用
し、高圧均質化処理して得られるカスタード風味起泡性
乳化物が提案されているが(特公平6−97965)、
常温での品質安定性を目指したものではない。また、こ
の方法では、高圧による乳化が必要なため、粒の残る風
味素材(例えばリンゴ果肉のプレザーブ、ダイスカット
マロンの糖漬け、粒ナッツ等)が入れられず、風味のバ
リエーションが付けにくいという問題がある。
【0005】一方、主にポリグリセリン縮合リシノレー
トなどの強力な乳化力を持つ乳化剤を使用した低脂肪の
スプレッド類(特開昭61−85141など)もある
が、このような乳化剤は風味が悪く、また乳化力が強い
ため、組成物の風味や食感などを悪くするという欠点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、この
様な従来のクリーム、特にシャルロットクリームの問題
点を解決し、シャルロットクリーム風の滑らかで軽い食
感を有し、卵黄の風味が良く、常温流通のパン菓子類に
使えるような良好な保存性を有し、味付けのバリエーシ
ョンが豊かな、カスタード風味クリームを提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者は、それ自体、低
脂肪で口溶けが良く適切な糖濃度で保存性の高いファッ
トスプレッドと、糖濃度の高い、特定の増粘多糖類を組
み合わせた加糖澱粉ペーストと、卵黄を豊富に含み糖濃
度を適切に調整した水性液とを、別々に調整した後混合
することで、上述したようなカスタード風味クリームが
得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】即ち、本発明の第1は、低脂肪ファットス
プレッド(A)と加糖澱粉ペースト(B)と卵黄を含有
する水性液(C)を主成分として、混合して得られるカ
スタード風味クリームに関する。
【0009】好ましい実施態様としては、低脂肪ファッ
トスプレッド(A)の油脂含有量が35〜60重量%で
あり、かつ、その水相中の糖濃度が60〜75%であ
り、更に好ましくは、その乳化剤として、0.1〜0.
5重量%のレシチンと0.3〜1.0重量%のソルビタ
ン脂肪酸エステルのいずれかあるいは両方を含有する上
記カスタード風味クリームに関する。
【0010】別の好ましい実施態様としては、加糖澱粉
ペースト(B)中の糖濃度が60〜70%であり、更に
好ましくは、増粘剤として、0.1〜0.8重量%のカ
ラギーナンと0.01〜0.2重量%のキサンタンガム
を含有する上記カスタード風味クリームに関する。
【0011】更に別の好ましい実施態様としては、水性
液(C)で使用される卵黄が、酵素未処理卵黄である上
記カスタード風味クリームに関する。
【0012】また、さらに好ましい実施態様としては、
油分含有率が20〜40重量%、卵黄含有率が1.5〜
7重量%、澱粉含有率が0.2〜3%の範囲である上記
カスタード風味クリームに関する。
【0013】本発明の第2は、低脂肪ファットスプレッ
ド(A)と加糖澱粉ペースト(B)と卵黄を含有する水
性液(C)とを、それぞれ別々に調整した後で混合する
ことを特徴とするカスタード風味クリームの製造方法に
関する。
【0014】本発明の第3は、これらカスタード風味ク
リームを含有してなるパン、菓子類に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカスタード風味ク
リーム及びその製造法について説明する。
【0016】まず、低脂肪スプレッド(A)について説
明する。
【0017】本発明の低脂肪スプレッド(A)は、油脂
と水相と乳化剤からなる油中水型乳化組成物である。
【0018】本発明において使用される油脂の種類に特
に限定はなく、コーン油、菜種油、大豆油、ヤシ油、パ
ーム油等の植物油、ラード、牛脂、魚油、乳脂等動物
油、及びそれらの硬化油・エステル交換油を、単独また
もしくは2種以上を組み合わせて任意に用いることが出
来る。これら油脂または油脂混合物の上昇融点は25〜
40℃の範囲であるのが、低脂肪スプレッドに可塑性を
付与できるため、好ましい。またこれら油脂は、低脂肪
スプレッド(A)中に、35〜60重量%の範囲で含有
されているのが好ましい。油脂の含有量が35%未満で
あると、最終のクリームの安定性が低下し、含有量が6
0%を超えると、油感が生じ、食感を損なう傾向があ
る。
【0019】本発明の低脂肪スプレッド(A)に使用さ
れる乳化剤としては、レシチン、ソルビタン脂肪酸エス
テル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられ、これ
らを1種または2種以上併用して使用する。特に、レシ
チンとソルビタン脂肪酸エステルのいずれかあるいはそ
の両方を、それぞれ、低脂肪スプレッド(A)中、0.
1〜0.5重量%、0.3〜1.0重量%の範囲で使用
するのが好ましい。ポリグリセリン縮合リシノレートな
どの強力な乳化力を持つ乳化剤は、風味や食感を悪化さ
せるため使用しないのが良い。
【0020】上記油脂に、これら乳化剤を添加し、必要
に応じて、β―カロチン、アナトー色素などの油溶性の
着色料をさらに添加し、加温融解して油相とする。さら
に必要に応じて、カカオマス、ココアパウダー、ピーナ
ッツバターなどの油性の味付け素材を油相に加えても良
い。
【0021】一方、水及び糖類を主成分とし、好ましく
は糖濃度を60〜75重量%に調整して加熱殺菌したも
のを、水相とする。
【0022】本発明における水相中の糖濃度は、次の式
で表されるものである。
【0023】糖濃度=水相中の糖分/(水相中の糖分+
水相中の水分)水相の糖濃度が上記範囲より低いと、保
存性が損なわれ、高すぎると、他の原料の溶解性を妨げ
ることがあり、好ましくない。
【0024】本発明において、使用される糖類にはとく
に制限はなく、単糖類、2糖類のほか、異性化糖、水
飴、還元水飴、糖アルコールなどの粉体、液体の様々な
糖類を用いることができる。
【0025】更に水相に、必要に応じて、加糖練乳など
の水性の味付け素材や香料を加えても良い。また、必要
に応じて、各種増粘剤、澱粉等を加えても良いが、水相
の粘度が高すぎると乳化破壊したり、口どけを損なうた
め、その添加量は多すぎない方が好ましい。
【0026】上記油相と水相を混合し、これを通常の急
冷ねつ和機にて、可塑性の油中水型乳化油脂組成物と
し、本発明の低脂肪ファットスプレッド(A)を得る。
ここで、急冷ねつ和機としては、例えば、ボテーターや
コンビネーターが用いられる。こうして得られた低脂肪
スプレッド(A)を、望ましくは一旦2〜10℃に冷却
し、十分に油脂の結晶を析出させたのち常温に温調して
使用する。
【0027】次に、加糖澱粉ペースト(B)について説
明する。
【0028】本発明における加糖澱粉ペースト(B)
は、糖類と澱粉類を加熱殺菌機などで糊化した、フラワ
ーペースト状の澱粉加工品である。
【0029】加糖澱粉ペースト(B)の糖濃度は60〜
70%の範囲が好ましい。糖濃度が60%未満では保存
性が低下し、糖濃度が70%を超えると澱粉の膨潤不足
となり、粘度が不足したり、ざらつきを生じることがあ
り、食感を損なうので、好ましくない。ここでいう糖濃
度は上述の低脂肪ファットスプレッドの定義と同じく、
糖分と水分のみの割合を指し、澱粉や後述する増粘剤な
どは考慮しない。
【0030】使用する澱粉類は、特に限定されないが、
コーン、タピオカ等の澱粉や、それらに化学的な修飾を
施した加工澱粉等が挙げられる。特に、本発明のように
糖濃度が高い場合は、α化澱粉を用いると粘度が出やす
いため、好適である。但し、α化澱粉は、低温時でも粘
度が上昇し攪拌しにくいという欠点もあるため、その他
の加工澱粉類と併用するのが望ましい。加糖澱粉ペース
ト(B)中の澱粉類の含有率は特に制限されないが、最
終のカスタード風味クリームに所定量含有されるように
調整するのが好ましい。また、用いる装置によっては、
澱粉類の添加率が多いと、粘度が高くなりすぎ、送液等
のハンドリングが困難になるため、加糖澱粉ペースト
(B)中、概ね15%以下に抑えるのが好ましい。
【0031】本発明の加糖澱粉ペースト(B)では、特
定の増粘剤、カラギーナン及びキサンタンガムを、それ
ぞれ、0.1〜0.8重量%、0.01〜0.2重量%
の割合で含有させるのが好ましい。また、上記増粘剤以
外に、グァーガム、ジェランガム、タマリンドシードガ
ム、ペクチン、ローカストビーンガムなどの増粘剤と併
用しても良い。本発明のような加糖澱粉ペーストでは、
糖濃度が比較的高い状態で澱粉を膨潤させるために、保
存中にシロップ分が分離することがある。本発明では、
カラギーナンとキサンタンガムを併用することで、シロ
ップ分の分離を抑制し、加糖澱粉ペーストや最終のクリ
ームの保存性を高めることに効果がある。これら増粘剤
の含有量が少ないと効果が低く、多すぎると、粘度が増
し、混合しにくくなるだけでなく、口溶けなどの食感を
損なう可能性がある。
【0032】これら糖類、水、澱粉と増粘剤を混合し、
50〜55℃程度に適当な時間加温して増粘剤を溶解さ
せた後、加熱殺菌装置にて澱粉類を糊化させて、本発明
の加糖澱粉ペースト(B)を得る。但し、溶解する温度
が澱粉の糊化する温度より高い増粘剤を使用する場合
は、加温中に澱粉が糊化して粘度が上がり、攪拌効率が
悪化することを避けるため、別に増粘剤を溶かして添加
するなどの措置が必要である。
【0033】加糖澱粉ペースト(B)の粘度は100〜
500ポイズの範囲に調整するのが望ましい。得られた
澱粉ペーストは、室温〜5℃まで冷却したあとで、混合
に供される。
【0034】続いて、卵黄を含有する水性液(C)につ
いて説明する。
【0035】本発明の水性液(C)は、卵黄やその他の
風味素材を含み、糖濃度が適度に調整された、呈味水性
液である。卵黄などの風味成分を上記の加糖澱粉ペース
トに添加することも考えられるが、加熱殺菌時に風味が
損なわれやすいため、本発明では、水性液として別途混
合する。この方が、卵黄の風味が効果的に発現するだけ
ではなく、加糖澱粉ペーストの糖濃度を調整しやすいと
いう利点も有する。
【0036】水性液(C)に使用される卵黄は、卵黄ま
たは加糖卵黄であり、好ましくは酵素処理をしていない
ものを使用する。卵黄の含有率は、特に限定されない
が、5〜25重量%、水性液の糖濃度は特に限定されな
いが、60〜75%の範囲が好ましい。水性液(C)に
は、必要に応じて、乳製品や、果実加工品、コーヒー、
バニラ、各種香料、酸味料などの風味原料、各種着色料
を加えることができる。これら成分を良く混合し、加熱
殺菌して、本発明の卵黄を含有する水性液(C)とす
る。得られた水性液は室温に冷却して混合に供する。こ
の水性液は、クリームの混合の直前に調整するのが望ま
しいが、衛生的に保管した後利用することも可能であ
る。
【0037】最後に、本発明のカスタード風味クリーム
の調製について説明する。
【0038】まず、低脂肪スプレッド(A)を温調し、
混合に適した硬さにする。ここでいう混合に適した硬さ
とは、ペネ値で大体150〜280の範囲である。これ
より硬ければ、混合しにくく、これ以上軟らかいと分離
をまねき、起泡し難い。
【0039】次に、低脂肪スプレッド(A)と、加糖澱
粉ペースト(B)と卵黄を含有する水性液(C)を、縦
型のミキサーなどで混合し、含気させて、本発明のカス
タード風味クリームとする。ここで、得られたカスター
ド風味クリームの、油分含有率が20〜40重量%、卵
黄含有率が1.5〜7重量%、澱粉含有率が0.2〜3
重量%の範囲となるように、配合するのが好ましい。油
分が20重量%未満では保存安定性が悪く、40重量%
を超えると食感が悪い傾向がある。また、卵黄含有率が
1.5重量%未満では、風味、食感が悪く、7重量%を
超えると、保存安定性が悪く、常温でオイルオフを起し
やすい。澱粉含有率が0.2重量%未満だと澱粉特有の
食感がでにくく、3重量%を超えるともちのような食感
が生じ、食感が悪くなる傾向がある。
【0040】本発明のカスタード風味クリームには、そ
の他の成分を更に添加することもできる。例えば、香
料、洋酒、果実、ナッツ、カカオ、野菜等の加工品、
餡、ゼリー等の食品などである。特に、ダイスカットさ
れた果実のプレザーブなど、水性液とともに加熱殺菌す
ることで果肉の粒が無くなってしまう呈味素材や、チョ
コレートソースのように油性のものは、水性液中には添
加せず、別途、添加混合するのが望ましい。香料、洋酒
以外の成分は、予め加熱殺菌、糖漬け、pH調整などを
行い、それ自体の保存性を十分に高めた上で添加するの
が良い。
【0041】この様にして得られる本発明のカスタード
風味クリームは、シャルロットクリーム風の滑らかで軽
い食感を有し、卵黄の風味が良く、良好な保存性を有す
るだけでなく、製造も容易で、上述したように果実やナ
ッツ、ゼリー、ジャムなどの固形分の風味素材も使用で
きるため、味付けのバリエーションが豊かなクリームで
ある。
【0042】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例を用いて詳細
に説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるもの
ではない。
【0043】(実施例1)パーム油15部、魚油硬化油
(融点30℃)55部、魚油硬化油(融点40℃)10
重量部、菜種油20部からなる油脂(融点30℃)に、
表1(a−1)に示した配合で、レシチン、ソルビタン
脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルを加え65
℃に加温融解して油相とした。また、同じく表1(a−
1)に示した配合で、水飴(糖濃度75%)、加糖練
乳、水を混合し、糖濃度60%としたものを70℃で2
0分間加熱殺菌して水相とした。上記油相に水相を加え
てボテーターを用いて、常法によりスプレッドを得、こ
れを、1日間5℃で冷蔵したあと、20℃に温調した。
【0044】一方、表2(b−1)に示した配合で、水
飴(糖濃度75%)と水を糖濃度65%に調整し、加工
澱粉、カラギーナン、キサンタンガムを添加、攪拌し十
分に分散させたものを50℃に昇温し、増粘剤を溶かし
たのち、さらに加熱し澱粉を糊化させ、加糖澱粉ペース
ト(b−1)を得て、5℃に冷却保管した。
【0045】さらに、表3(c−1)に示した配合で、
加糖卵黄(酵素未処理、糖濃度20%)、水飴、生乳、
上白糖を混合し糖濃度60%としたものを70℃で20
分間加熱殺菌して水性液(c−1)を得、20℃まで冷
却した。
【0046】これらファットスプレッド(a−1)、加
糖澱粉ペースト(b−1)、水性液(c−1)、及び香
料を、表4の割合で、縦型ミキサー(関東ミキサー株式
会社製)を用いて混合し、比重0.7まで起泡させ、カ
スタード風味クリームを得た。
【0047】(実施例2)コーン硬化油(融点36℃)
6部、魚油硬化油(融点30℃)54部、パーム油15
部、大豆油25部からなる油脂(融点28℃)に、表1
(a−2)に示した配合で、レシチン、ソルビタン脂肪
酸エステルを加え、65℃に加温融解して油相とした。
また、水飴(糖濃度75%)を70℃で20分間加熱殺
菌して水相とした。上記油相に水相を加えてボテーター
を用いて、常法によりスプレッド(a−2)を得、これ
を実施例1と同様に、冷却後温調した。
【0048】一方、表2(b−2)に示した配合で、ソ
ルビット(糖濃度70%)と水を混合し糖濃度60%と
したものに、加工澱粉、α化澱粉、カラギーナン、キサ
ンタンガムを添加し、実施例1と同様の方法で加糖澱粉
ペースト(b−2)を得た。
【0049】さらに、表3(c−2)に示した配合で、
加糖卵黄、水飴、麦芽糖、水、加糖練乳を混合し、実施
例1と同様の方法で殺菌して、水性液(c−2)を得、
25℃まで冷却した。
【0050】これらファットスプレッド(a−2)、加
糖澱粉ペースト(b−2)、水性液(c−2)、香料
を、表4の割合で、縦型ミキサー(関東ミキサー株式会
社製)を用いて混合し、比重0.85まで起泡させ、カ
スタード風味クリームを得た。
【0051】(実施例3)大豆硬化油(融点34℃)5
0部、魚油硬化油(融点30℃)30部、コーン油15
部からなる油脂(融点32℃)に、表1(a−3)に示
した配合で、レシチン、ソルビタン脂肪酸エステルを加
え、65℃に加温融解して油相とした。また、同じく表
1(a−3)に示した配合で、水飴(糖濃度75%)、
水、加糖練乳を混合し糖濃度65%としたものに、α化
澱粉を加え、70℃で20分間加熱殺菌して水相とし
た。上記油相に水相を加えて、実施例1と同じく、スプ
レッド(a−3)を得た。
【0052】一方、表2(b−3)に示した配合で、水
飴、上白糖、麦芽糖、水を混合し糖濃度70%としたも
のに、加工澱粉、カラギーナン、キサンタンガムを添加
し、実施例1と同様の方法で加糖澱粉ペースト(b−
3)を得た。
【0053】さらに、表3(c−3)に示した配合で、
加糖卵黄、水飴、水、加糖練乳、インスタントコーヒ
ー、カラメル色素を混合し、実施例1と同様の方法で殺
菌し、水性液(c−3)を得、これを20℃まで冷却し
た。
【0054】これらファットスプレッド(a−3)、加
糖澱粉ペースト(b−3)、水性液(c−3)、及び香
料を、表4の割合で、縦型ミキサー(関東ミキサー株式
会社製)を用いて混合し、比重0.75まで起泡させ、
コーヒー入りのカスタード風味クリームを得た。
【0055】(実施例4)実施例3のファットスプレッ
ドで使用する乳化剤のうち、ソルビタン脂肪酸エステル
を同量のグリセリン脂肪酸エステルに置き換えた以外は
同条件で、ファットスプレッド(a−4)を作製し、冷
却後温調した。
【0056】表3(c−4)に示した配合で、加糖卵
黄、水飴、水、リンゴ酸を混合し、実施例1と同様の方
法で殺菌し、水性液(c−4)を得、20℃まで冷却し
た。また、ダイスカットしたリンゴに、糖、酸味料を加
え加熱殺菌し、糖濃度70%としたリンゴ加工品を作製
した。
【0057】上記ファットスプレッド(a−4)、実施
例3と同じ加糖澱粉ペースト(b−3)、水性液(c−
4)、リンゴ加工品、及び香料を、表4の割合で縦型ミ
キサーで混合し、比重0.75まで起泡させ、リンゴの
果肉入りのカスタード風味クリームを得た。
【0058】(実施例5)実施例2の水性液(c−2)
で使用する加糖卵黄を、酵素処理した卵黄に代えた水性
液(c−5)を用いた以外は、実施例2と同配合・同条
件でカスタード風味クリームを作成した。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】 (実施例の評価)実施例1〜5のカスタードクリームを
5℃に1ヶ月間保管したのち、20℃に温調したもの
の、風味、食感、水性液の分離を調べた。風味、食感は
数名のパネラーによる官能試験で調べた。水性液の分離
は、油中水組成物をろ紙上に薄く延ばして、分離の有無
を調べた。その結果、実施例1〜5のカスタード風味ク
リームは、いずれも風味、食感が良好で、水分の分離も
なかった。但し実施例5のクリームは、卵黄の風味はあ
るが、実施例2のクリームと比較すると油感が若干強い
傾向があった。
【0063】またこれら実施例1〜5のカスタード風味
クリームを2〜8℃に90日保管したものは、状態の変
化がなく、十分に使用できるものであった。さらにこれ
らのカスタード風味クリームを20℃に5日保管したも
のも、油水の分離、腐敗等のない十分に使用できるもの
であった。
【0064】(比較例1)実施例1のファットスプレッ
ド(a−1)、水性液(c−1)及び香料と、加糖澱粉
ペーストの代わりに液糖(糖濃度75%)を使用し、表
4に示す割合で、縦型ミキサー(関東ミキサー株式会社
製)を用いて混合し、比重0.7まで起泡させ、カスタ
ード風味クリームを得た。
【0065】このクリームは、澱粉特有の食感がなく、
油感のある口当たりの悪いものであった。
【0066】(比較例2)実施例2のスプレッド(a−
2)の乳化剤を、表1(a−5)に示すように、ポリグ
リセリン縮合リシノレートに置き換えた以外は、実施例
2と同配合・同条件でカスタード風味クリームを作成し
た。
【0067】このクリームは、実施例2のクリームと比
較すると油感が強く、乳化剤の影響で風味が良くないも
のであった。
【0068】
【発明の効果】以上の結果が示すように、本発明のカス
タード風味クリームは、風味食感が良好で、かつ、良好
な保存性を有する、製菓、製パン用のフィリング、トッ
ピング材として好適なものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4B014 GB11 GE02 GG04 GG07 GG10 GG14 GK07 GK08 GL11 4B025 LB20 LD03 LG11 LG26 LG28 LG29 LG52 LK02 4B026 DC01 DC03 DG01 DG11 DK04 DK05 DL03 DP01 DX04 4B032 DB01 DE06 DK09 DK12 DK15 DK17 DK18 DK48 DK67 DL03 DP66

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低脂肪ファットスプレッド(A)と加糖
    澱粉ペースト(B)と卵黄を含有する水性液(C)を主
    成分として、混合して得られるカスタード風味クリーム
  2. 【請求項2】 低脂肪ファットスプレッド(A)の油脂
    含有量が35〜60重量%であり、かつ、その水相中の
    糖濃度が60〜75%である、請求項1記載のカスター
    ド風味クリーム
  3. 【請求項3】 低脂肪ファットスプレッド(A)の乳化
    剤として、0.1〜0.5重量%のレシチンと0.3〜
    1.0重量%のソルビタン脂肪酸エステルのいずれかあ
    るいは両方を含有する、請求項12記載のカスタード風
    味クリーム
  4. 【請求項4】 加糖澱粉ペースト(B)中の糖濃度が6
    0〜70%である、請求項1〜3記載のカスタード風味
    クリーム
  5. 【請求項5】 加糖澱粉ペースト(B)中に、増粘剤と
    して、0.1〜0.8重量%のカラギーナンと0.01
    〜0.2重量%のキサンタンガムを含有する、請求項1
    〜4記載のカスタード風味クリーム
  6. 【請求項6】 水性液(C)で使用される卵黄が、酵素
    未処理卵黄である請求項1〜5記載のカスタード風味ク
    リーム
  7. 【請求項7】 油分含有率が20〜40重量%、卵黄含
    有率が1.5〜7重量%、澱粉含有率が0.2〜3%の
    範囲である請求項1〜6記載のカスタード風味クリーム
  8. 【請求項8】 低脂肪ファットスプレッド(A)と加糖
    澱粉ペースト(B)と卵黄を含有する水性液(C)と
    を、それぞれ別々に調整した後で混合することを特徴と
    する請求項1〜7記載のカスタード風味クリームの製造
    方法
  9. 【請求項9】 請求項1〜7記載のカスタード風味クリ
    ームを含有してなるパン、菓子類
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