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JP6788039B2 - 複極式エレメント、複極式電解槽、水素製造方法 - Google Patents

複極式エレメント、複極式電解槽、水素製造方法 Download PDF

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JP6788039B2 JP2018564670A JP2018564670A JP6788039B2 JP 6788039 B2 JP6788039 B2 JP 6788039B2 JP 2018564670 A JP2018564670 A JP 2018564670A JP 2018564670 A JP2018564670 A JP 2018564670A JP 6788039 B2 JP6788039 B2 JP 6788039B2
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Description

本発明は、複極式エレメント、これを用いた複極式電解槽、及び水素製造方法に関する。
近年、二酸化炭素等の温室効果ガスによる地球温暖化、化石燃料の埋蔵量の減少等の問題を解決するため、再生可能エネルギーを利用した風力発電や太陽光発電等の技術が注目されている。
再生可能エネルギーは、出力が気候条件に依存するため、その変動が非常に大きいという性質がある。そのため、再生可能エネルギーによる発電で得られた電力を一般電力系統に輸送することが常に可能とはならず、電力需給のアンバランスや電力系統の不安定化等の社会的な影響が懸念されている。
そこで、再生可能エネルギーから発電された電力を、貯蔵及び輸送が可能な形に代えて、これを利用しようとする研究が行われている。具体的には、再生可能エネルギーから発電された電力を利用した水の電気分解(電解)により、貯蔵及び輸送が可能な水素を発生させ、水素をエネルギー源や原料として利用することが検討されている。
水素は、石油精製、化学合成、金属精製等の場面において、工業的に広く利用されており、近年では、燃料電池車(FCV)向けの水素ステーションやスマートコミュニティ、水素発電所等における利用の可能性も広がっている。このため、再生可能エネルギーから特に水素を得る技術の開発に対する期待は高い。
水の電気分解の方法としては、固体高分子型水電解法、高温水蒸気電解法、アルカリ水電解法等があるが、数十年以上前から工業化されていること、大規模に実施することができること、他の水電解装置に比べると安価であること等から、アルカリ水電解は特に有力なものの一つとされている。
しかしながら、アルカリ水電解を今後エネルギーの貯蔵及び輸送のための手段として適応させるためには、前述のとおり出力の変動が大きい電力を効率的且つ安定的に利用して水電解を行うことを可能にする必要があり、アルカリ水電解用の電解槽や装置の諸課題を解決することが求められている。
特に、アルカリ水電解において電解電圧を低く抑えて、水素製造の電力原単位を改善するという課題を解決するためには、電解槽の構造として、特に、隔膜と電極との隙間を実質的に無くした構造である、ゼロギャップ構造と呼ばれる構造を採用することが有効なことはよく知られている(特許文献1、2参照)。ゼロギャップ構造では、発生するガスを電極の細孔を通して電極の隔膜側とは反対側に素早く逃がすことによって、電極間の距離を低減しつつ、電極近傍におけるガス溜まりの発生を極力抑えて、電解電圧を低く抑制している。ゼロギャップ構造は、電解電圧の抑制にきわめて有効であり、種々の電解装置に採用されている。
米国特許第4530743号明細書 特開昭59−173281号公報
太陽光や風力等の再生可能エネルギーから得られる電気を水の電気分解により水素として貯蔵し、これをエネルギーキャリアとして利用するといった用途においては、大型の水電解装置が求められ、電極面積が大きくする必要があり、また設備効率を高めるために高電流密度や高圧の条件下の電解実施することが強く望まれている。
しかしながら、このような要望を満足するべく、特許文献1、2に記載のゼロギャップ構造を大型の電解装置に持たせた場合、使用中に隔膜に損傷が発生し、電解性能の低下や製品の純度に問題が出るなどのトラブルが避けえなかった。本発明者らが隔膜の損傷をつぶさに観察したところ、ゼロギャップ構造を構築すべく隔膜を挟んで陰極と陽極とが押しつけられる際、もしくはその後の長期運転を実施する中で外枠の隔壁側の面と電極の端縁との間の隙間に隔膜が入り、隔膜に損傷が入ることであることが判明した。このような損傷の発生については、特に高電流密度での運転時に生じる傾向が高い。高電流密度での運転では、単位面積当たりの電解量が増えることから、電極表面や隔膜での過電圧による発熱が増加し、電極や隔膜の温度が上昇することから、熱膨張による応力増大が生じるだけでなく、経時熱劣化による力学特性の低下を引き起こすため、膜がひずみやすくなるため膜の損傷を引き起こしていることが推定された。
本発明は、陽極と陰極とが隔膜に接触する良好なゼロギャップ構造を形成し、電解効率の悪化(電解電圧の上昇)を抑制したうえで、長時間使用した後でも隔膜に傷が入りにくい複極式エレメントを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記の通りである。
[1]
陰極と陽極とを含む電極と、上記陰極と上記陽極とを隔離する隔壁と、上記隔壁を縁取る外枠とを備える複極式エレメントであって、
上記隔壁に垂直であり、且つ上記隔壁に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、前記電極の中央部分から端縁までの間に、前記隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を有し、上記電極と上記隔壁との距離aが上記電極の中央部分で最も長く、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmである
ことを特徴とする複極式エレメント。
上記複極式エレメントは、アルカリ水電解用の複極式エレメントであることが好ましい。
上記電極と上記隔壁との距離aにおける電極、及び上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差における上記電極は、陽極及び陰極の少なくとも一方の電極としてよい。
[2]
上記断面において、上記電極の中央部分から端縁までの間に、上記隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を2以上有する、[1]に記載の複極式エレメント。
[3]
上記電極と上記隔壁との間に、上記隔壁に沿う所与の方向に対して平行に複数のリブが設けられ、
上記断面において、上記電極の最も端縁側に位置する端リブに沿う上記隔壁と垂直方向の線と上記電極との交点に第一の湾曲構造があり、上記交点よりも上記電極の端縁側であって上記端縁から15mmまでの間に第二の湾曲構造がある、[2]に記載の複極式エレメント。
[4]
上記電極の中央部分における距離aと上記第二の湾曲構造を含む湾曲部の中心における距離aとの差が1.0〜4.0mmである、[3]に記載の複極式エレメント。
[5]
上記断面において、上記端縁と上記外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離が1〜4mmである、[1]〜[4]のいずれかに記載の複極式エレメント。
[6]
上記電極がニッケルを含む基材を含み、上記基材の厚みが0.5〜2.0mmである、[1]〜[5]のいずれかに記載の複極式エレメント。
[7]
上記陽極に上記湾曲構造を有する、[1]〜[6]のいずれかに記載の複極式エレメント。
[8]
上記陰極がメッシュ状であり、
上記陰極と上記隔壁との間に弾性体を有し、
上記弾性体と上記陰極との間に陰極集電体を有し、
上記陰極集電体にリブが取り付けられている、[1]〜[7]のいずれかに記載の複極式エレメント。
[9]
[1]〜[8]のいずれかに記載の複極式エレメントが、隔膜を介してスタックされていることを特徴とする、複極式電解槽。
上記複極式電解槽は、上記隔壁と上記外枠と上記隔膜とにより画成される、陽極側の陽極室及び陰極側の陰極室に、アルカリを含有する水を含むことが好ましい。
[10]
アルカリを含有する水を、複極式エレメントが隔膜を介してスタックされている電解槽により水電解し、水素を製造する水素製造方法において、
上記複極式エレメントは、陰極と陽極とを含む電極と、上記陰極と上記陽極とを隔離する隔壁と、上記隔壁を縁取る外枠とを備える複極式エレメントであって、上記隔壁に垂直であり、且つ上記隔壁に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、上記電極と上記隔壁との距離aが上記電極の中央部分で最も長く、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmであることを特徴とする、水素製造方法。
上記複極式エレメントは、[1]〜[8]のいずれかに記載の複極式エレメントであってもよく、上記電解槽は[9]に記載の複極式電解槽であってもよい。
本発明によれば陽極と陰極とが隔膜に接触する良好なゼロギャップ構造を形成し、電解効率の悪化(電解電圧の上昇)を抑制したうえで、長時間使用した後でも隔膜に傷が入りにくい複極式エレメントを提供することができる。
本実施形態の複極式電解槽の一例の全体について示す側面図である。 本実施形態の複極式電解槽の一例の図1の破線四角枠の部分の電解セル内部のゼロギャップ構造部分の断面を示す図である。 本実施形態の内部ヘッダー型の複極式エレメントの例を示す平面図である。 図4Aは、複極式エレメントを図3に示す線A−Aに沿う面により切断したときの断面の一部を示す図であり、図4Bは、図3に示す線B−Bに沿う面により切断した時の断面の一部を示す図である。図4Cは、複極式エレメントを図3に示す線A−Aに沿う面により切断したときの断面の一部を示す他の例の図である。 実施例、比較例で用いた電解装置の概要を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[複極式電解槽]
本実施形態の複極式電解槽50は、本実施形態の複極式エレメント60を含む。本実施形態の複極式電解槽50は、隔膜4を介して複極式エレメント60がスタックされていることが好ましい。
本実施形態の複極式電解槽50は、電極2が長期間押し付けられても隔膜4に傷が入りにくく、ゼロギャップ構造等の複極式エレメント60間の構造の維持が容易となり、過電圧の増加を引き起こしにくい。
図1に、本実施形態の複極式電解槽50の一例の全体についての側面図を示す。
図2に、本実施形態の複極式電解槽50の一例のゼロギャップ構造の図(図1に示す破線四角枠の部分の断面図)を示す。
本実施形態の複極式電解槽50は、図1に示すとおり、陽極2aと、陰極2cと、陽極2aと陰極2cとを隔離する隔壁1と、隔壁1を縁取る外枠3とを備える複数の複極式エレメント60が隔膜4を挟んで重ね合わせられている複極式電解槽である。
[複極式エレメント]
本実施形態の複極式エレメント60は、陰極2cと陽極2aとを含む電極2と、上記陰極2cと上記陽極2aとを隔離する隔壁1と、上記隔壁1を縁取る外枠3とを備える複極式エレメントである。
ここで、図4Aに、図3の本実施形態の複極式エレメント60の、図3に示す線A−Aに沿う面により切断した時の断面図を示す。また、図4Bに、図3の本実施形態の複極式エレメント60の、図3に示す線B−Bに沿う面により切断した時の断面図を示す。
本実施形態の複極式エレメント60では、図4Bに示すように、上記隔壁1に垂直であり、且つ上記隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、上記電極2と上記隔壁1との距離aが上記電極の中央部分で最も長く、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmである。
これにより、隔膜4を介して陽極2a及び陰極2cが接触するゼロギャップ構造Z(後述)において、電極2に押し付けられた隔膜4に傷が入りにくくなる。また、ゼロギャップ構造Zの維持が容易となり、過電圧の増加を引き起こしにくくなる。
上記傷は、外枠3の隔壁1側の面と電極2の端縁との間の隙間等において、発生しやすく、電解液の温度が高温になるほど生じやすい傾向があり、特に、90℃以上の運転において、生じやすい傾向がある。
また、電解により生成する水素ガスの純度を向上させるためには、水素ガスが反応生成する陰極2c側の圧力を、陽極2a側に比べて高くすることが効果的であるが、この際、上記隔膜4が陽極2a側に押し付けられるため、外枠3の隔壁1側の面と陽極2aの端縁との間の隙間において、傷が発生しやすくなる。上記差圧は、0kPa超5kPa以下が好ましく、1〜3kPaがより好ましい。
また、ここで言う傷とは、シワ、突起、1mm超の段差を含み、これらが生じることで、隔膜の寿命を短くする原因となりうる。ゼロギャップ構造を形成する際、外枠の隔壁側の面と陽極の端縁との間の隙間、及び/又は外枠と隔壁側の面と陰極の端縁との間の隙間に、隔膜が入り込む場合があり、長時間の使用により、該隙間に入り込んだ隔膜は、電極の端縁との接点等において、傷が生じやすい。
なお、図4Bに示す例では、陽極2aにおいて、隔壁1に垂直であり、且つ上記隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、上記電極2と上記隔壁1との距離aが上記電極の中央部分で最も長く、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmである。本実施形態の複極式エレメント60は、これに限定されることなく、陰極2c又は陽極2aと陰極2cとの両極において、隔壁1に垂直であり、且つ上記隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、上記電極2と上記隔壁1との距離aが上記電極の中央部分で最も長く、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmであってもよい。
また、電極2の一方の端縁で、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmであってもよいし、電極2の両端で、上記電極の中央部分における距離aと上記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmであってもよい。
ここで、図3の複極式エレメント60における「隔壁に垂直であり、且つ前記隔壁に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面」とは、B−B断面及びB−B断面に平行な面等である。本明細書において、隔壁1に垂直であり、且つ前記隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面を、「サイド方向断面」と称する場合がある。
また、図3の複極式エレメント60における「隔壁に垂直であり、且つ前記隔壁に沿う所与の方向の断面」とは、A−A断面及びA−A断面に平行な面等である。本明細書において、隔壁に垂直であり、且つ前記隔壁に沿う所与の方向の断面を、「長さ方向断面」と称する場合がある。
なお、本実施形態の複極式エレメント60では、隔壁1に沿う所与の方向が電解液通過方向となるように、また、電解液通過方向が鉛直方向となるように、使用してもよい。
アルカリ水電解用電解槽(特にアルカリ水電解用複極式電解槽)に用いることができる、本実施形態の複極式エレメント60は、図3、図4A、図4Bに示すように、陽極2aと陰極2cとを隔離する隔壁1を備え、隔壁1を縁取る外枠3を備えている。より具体的には、隔壁1は導電性を有し、外枠3は隔壁1の外縁に沿って隔壁を取り囲むように設けられている。
本実施形態の複極式エレメント60には、電極2を支える等の目的で、リブ6を設けることがある。ここで、リブ6は、上記隔壁に沿う所与の方向に設けられてもよい(図3)。図3の例では、リブ6は、入口ヘッダーが設けられる側の辺と出口ヘッダーが設けられる側の辺との対向方向に設けられ、B−B断面(図4B、サイド方向断面)において、間隔をおいて設けられている。特に、サイド方向断面における、両端側のリブを端リブ61とする。
本実施形態の複極式エレメント60は、隔壁1に垂直であり、且つ上記隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面(例えば、図3のB−B断面)において、上記陰極2c又は上記陽極2aと上記隔壁1との距離aが上記陰極2c又は上記陽極2aの中央部分で最も長い。これにより、ゼロギャップ構造Z形成時に、隔膜4が傷つきにくくなる。
本明細書において、上記中央部分に、最も長い上記距離aが存在すれば、上記「距離aが上記陰極2c又は上記陽極2aの中央部分で最も長い」の要件を満たすものとする。中でも、上記中央部分全体で、上記距離aが同じ長さであり、最も長いことが好ましい。
ここで、電極の中央部分とは、サイド方向断面における、電極の両端間の中心を中心として、電極の該サイド方向断面における全長さの30%以内の部分としてよく、電極の該サイド方向断面における全長さの10%以内の部分としてもよく、電極の両端間の中心としてもよい。なお、電極のサイド方向断面における全長さとは、サイド方向断面における電極両端間の電極表面に沿う長さをいうものとする。
上記電極2の両端間の幅方向の長さ(サイド方向断面における電極の全長さ)に対する端リブ61間の長さの割合は、70%以上99%以下としてよい。
また、距離aとは、サイド方向断面、長さ方向断面における、電極2の隔壁側の表面上の点から隔壁1の表面におろした垂線の長さとしてよい(図4B)。
また、隔壁1に沿う所与の方向とは、鉛直方向となるように使用してよく、具体的には、図3に示すように隔壁1の平面視形状が略長方形である場合、隔壁に沿う所与の方向が、向かい合う2組の辺のうちの1組の辺の方向と同じ方向となるように使用してよい。そして、本明細書では、上記鉛直方向を電解液通過方向とも称する。図3の例では、隔壁に沿う所与の方向は、電極の入口ヘッダーが設けられる側の辺と出口ヘッダーが設けられる側の辺との対向方向である。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)では、上記サイド方向断面において、上記電極の中央部分から端縁までの間に、上記隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を有することが好ましい。上記湾曲構造は1個であってもよいし、2個以上であってもよく、一層隔膜を傷つけにくくなる観点から、2個以上であることが好ましい。特に、サイド方向断面において、上記端リブ61に沿う上記隔壁1と垂直方向の線と上記電極2との交点に第一の湾曲構造2a5、該交点よりも上記電極の端縁側であって上記端縁から上記端縁から15mmの位置までの間に第二の湾曲構造2a4、を含むことが好ましい。
なお、電極2に弾性体2e、集電体2r等が積層されている場合、上記湾曲構造は、集電体2rのみが湾曲構造を形成することによって、電極2、弾性体2e及び集電体2rが一体として湾曲構造を形成していてもよい。
本明細書において、湾曲構造には、屈曲も含まれるものとする。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)では、上記湾曲構造としては、曲率中心が隔壁側であり曲率半径が0mm超(好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1.0mm以上10mm以下)である湾曲構造、隔壁側に屈曲する屈曲構造(例えば、屈曲構造を挟んだ2つの線分のなす角度のうち小さい角度が90°以上180°未満の角度(好ましくは120°以上179°以下の角度)で屈曲する屈曲構造等)等が挙げられる。
ここで、曲率半径が同一及び/又は異なる湾曲構造が連続している部分を湾曲部と称する場合がある。上記湾曲部における曲率半径は、湾曲部全体の曲率半径の平均値をいうものとする。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、上記サイド方向断面において、上記電極2の中央部分における距離aと上記電極2の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmであり、好ましくは2.0〜3.0mmである。これにより、隔膜4が傷つきにくくなる。この差が1.0mmより小さい場合には、ゼロギャップ構造Z形成時に、隔膜が上記電極2の端縁と外枠3との隙間に入り込む隔膜変形量が大きくなるため、隔膜の損傷が発生しやすくなり好ましくない。他方、この差が6.0mmより大きい場合には、上記電極2の端縁部と、前記端縁部に対向する電極との極間距離が大きくなるため、電解効率が低下し好ましくない。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、上記サイド方向断面において、上記電極2の中央部分における距離aと、上記電極2と上記外枠3との隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直な方向の距離が最小となる位置における距離aとの差が、2.0〜6.0mmであることが好ましく、より好ましくは2.0〜3.0mmである。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、上記第二の湾曲構造2a4は、サイド方向断面において、電極2の端縁から1.0mmの位置から15.0mmの位置までの間に設けられていることが好ましい。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、上記第二の湾曲構造2a4を少なくとも有し、上記電極2の中央部分における距離aと上記第二の湾曲構造2a4を含む湾曲部の中心における距離aとの差が1.0〜4.0mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜2.5mmである。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、ゼロギャップ構造Z形成時に隔膜4を一層傷つけにくいという観点から、サイド方向断面において、上記中央部分に最も近い位置に設けられる湾曲構造が、曲率中心が隔壁側であり曲率半径が0.5mm以上の湾曲構造、屈曲構造を挟んだ2つの線分のなす角度のうち小さい角度が90°以上180°未満の角度で隔壁側に屈曲する屈曲構造であることが好ましい。
また、上記中央部分に最も近い位置に設けられる湾曲構造は、第一の湾曲構造2a5であることが好ましい。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、上記湾曲構造は、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向に向かう合う1組の辺の全辺にわたって設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。具体的には、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向に向かう合う1組の辺の全長さに対して95〜100%の部分に設けられていてもよい。湾曲構造が複数設けられている場合、各湾曲構造は、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向に向かう合う1組の辺の同じ部分に設けられていてもよいし、異なる部分に設けられていてもよい。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、上記サイド方向断面において、電極2の端縁を含む湾曲部を有することが好ましく、電極2の端縁を含む湾曲部と上記端リブ6と上記電極2との交点を含む湾曲部とを有することがより好ましい。
また、本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、上記サイド方向断面において、電極2の端縁から、電極2の延在方向の全長さの3%までの部分が隔壁1側に曲率中心があり0.5mm以上の曲率半径を有する湾曲構造が連続する部分であってもよく、電極2の端縁から端リブ61までの部分が隔壁1側に曲率中心があり0.5mm以上の曲率半径を有する湾曲構造が連続する部分であってもよい。なお、湾曲構造が連続する上記部分は、曲率半径が同じであってもよいし異なっていてもよし、電極2の端縁に近づくに従って曲率半径が漸減してもよい。
また、本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、電極2の中央部分から端縁までの間に、隔壁1側に曲率中心があり0.5mm以上の曲率半径を有する湾曲構造が連続する部分を複数有し、隣り合う該部分間の部分が、平面部分、隔壁1側に曲率中心があり0.5mm未満の曲率半径を有する湾曲構造である部分、隔壁1と反対側に曲率中心がある湾曲構造である部分、これらを組み合わせた部分等であってもよい。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、上記陽極2aに上記湾曲構造を有することが好ましく、陽極2aに上記湾曲構造を有し陰極2cに上記湾曲構造を有さなくてもよい。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、上記湾曲構造を有する上記電極2は、ゼロギャップ構造Zを形成しやすいという観点から、上記サイド方向断面において、2つの上記端リブ61に挟まれた領域が平面であることが好ましい。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、上記湾曲構造を有する上記電極2の上記サイド方向断面の形状としては、ゼロギャップ構造において電極の端縁部が、上記外枠3の隔壁1側の面と上記電極2の端縁との間の隙間に隔膜4が入り込みにくい形状であることが好ましく、例えば、中央部分から端縁に向かって距離aが漸減する形状(中央部から端リブとの交点までは距離aが一定であり、端リブとの交点から端縁に向かって距離aが漸減する形状、中央部分から端縁と端リブとの間の任意の点まで距離aが一定であり、該任意の点から端縁に向かって距離aが漸減する形状等);隔壁と反対側に曲率中心がある湾曲構造を有する形状(曲率中心が隔壁側である湾曲構造と曲率中心が隔壁と反対側の湾曲構造とを組み合わせた形状等);上記第一の湾曲構造及び/又は上記第二の湾曲構造を有する形状;隔壁側に屈曲する屈曲構造を有する形状(隔壁側に屈曲する屈曲構造を1つ有し、屈曲構造と電極の端縁間が平面である形状、隔壁側に屈曲する屈曲構造を複数有し、複数の屈曲構造間及び屈曲構造と電極の端縁との間が平面である形状);隔壁と反対側に屈曲する屈曲構造を有する形状;上記電極と上記外枠との隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の距離が最小となる位置が電極の端縁である形状;これらの組み合わせ;等が挙げられる。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、サイド方向断面において、上記湾曲構造を有する上記電極2の端縁と上記外枠3(例えば、外枠の内面)との隔壁1に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離c(図4B)が、1〜4mmであることが好ましく、より好ましくは1.5〜3.5mmである。最小距離cが上記の範囲より小さい場合、隔膜を挟んで陽極及び陰極を押さえつけてゼロギャップ構造Zを形成させた際に、応力による変形等で外枠と電極が接触するなどの不具合が生じ好ましくない。また最小距離cが上記の範囲より大きい場合、上記外枠3の内面寸法から成る外枠面積に対する電極面積の効率、つまり、電解寸法効率が低下し好ましくない。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、サイド方向断面において、上記隔壁1の端縁に外枠3が設けられるが、特に大面積の電解セル場合、製作精度のばらつきから電極の端縁部に歪が集中しやすく、ゼロギャップを形成し電解を行って電解液の温度の上昇に伴い端縁部が上下に極端に曲がってしまうことも懸念される。そのような場合に、外枠に電極端縁の曲がりを抑える部材を設けるなどの手段を附すことが可能である。例えば、電極の端縁の一部を溶接やねじなどの部品で固定する方法や外枠部に止め板を設けて、電極の端縁の変形を抑える方法等が挙げられる。
本実施形態(例えば、上記[1]〜[10]の形態等)において、複極式エレメント60は、隔壁1に垂直であり、且つ上記隔壁1に沿う所与の方向である面による断面(図3のA−A断面、長さ方向断面)において、湾曲構造を有していてもよいし(図4C)、湾曲構造を有していなくてもよい(図4A)。
ここで、本実施形態の複極式エレメント60にリブ6が設けられている場合(図3)、長さ方向断面において、電極2とリブ6とが接する、電極1の端縁側の点をリブ端62とする(図4A、C)。なお、リブ端62は、電極2の端部であってもよいし(図4A)、電極2の端部でなくてもよい(図4C)。
本実施形態の複極式エレメント60は、長さ方向断面において、上記リブ端62に隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を有していてもよいし、上記リブ端62より電極2の端部側の任意の点に隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を有していてもよい。
また、長さ方向断面において、2つのリブ端62に挟まれた領域が平面であり、距離aが最も長いことが好ましい。
長さ方向断面において、電極2の両端間の全長さに対する2つのリブ端62間の長さの割合は、70%以上99%以下としてよい。
長さ方向断面における湾曲構造は、隔壁1に沿う所与の方向に対して向かい合う1組の辺の全辺に設けられていることが好ましく、一部に設けられていてもよい。また、長さ方向断面における湾曲構造は、電極の一方の端に設けられていてもよいし、両方の端に設けられていてもよい。
なお、サイド方向断面に湾曲構造を有さず、長さ方向断面に湾曲構造を有する複極式エレメントとすることもできる。
本実施形態の複極式エレメント60は、ゼロギャップ構造Zで有効である観点から、上記陰極2cがメッシュ状であり、上記陰極2cと上記隔壁1との間に弾性体2eを有し、上記弾性体2eと上記陰極2cとの間に陰極集電体2rを有し、上記陰極集電体2rにリブ6が取り付けられていることが好ましい。
本実施形態の複極式エレメント60は、端リブ61に沿う上記隔壁1と垂直方向の線と上記電極2との交点に第一の湾曲構造2a5を有さない場合であっても、隔膜4を介してスタックし、ゼロギャップ構造Zを形成した後に、第一の湾曲構造2a5が形成される場合がある。
本実施形態の複極式エレメント、及び本実施形態の複極式エレメントを含む複極式電解槽の構成要素については、例えば下記の文献(“Proceedings of the symposium ob Industrial Water Elentrolysis” , Edited by S.Srinivasan, et.al.,The Electrochemical Society, inc.(1978))等、公知の技術を用いることができる。
また、以下では、本発明の効果を高めるための好適形態について詳述する。
本実施形態における複極式エレメントは、図3、図4に示すとおり、隔壁1に沿う所与の方向に対して平行に配置される複数のリブ6を備える。
リブを設けることにより、電極室内における気液の流れの乱れにより電極室に生じる対流を低減して、局所的な電解液の温度の上昇を抑制することができる。
−電極−
電極としては、電解により発生するガスを効率的に電極表面から除去するため等の目的で、電極基材として多孔体が好ましい。特に、ゼロギャップ電解槽の場合、隔膜との接触面の裏側から発生するガスを脱泡する必要があるため、電極の膜に接する面と反対に位置する面が、貫通していることが好ましい。
多孔体の例としては、平織メッシュ、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金属発泡体等が挙げられる。
上記電極は、基材そのものとしてもよく、基材の表面に反応活性の高い触媒層を有するものとしてもよいが、基材の表面に反応活性の高い触媒層を有するものが好ましい。
基材の材料は、特に制限されないが、使用環境への耐性から、軟鋼、ステンレス、ニッケル、ニッケル基合金が好ましく、ニッケルを含む基材がより好ましい。陽極及び陰極はニッケルを含む基材を含むことが好ましい。
基材の厚みは、0.5mm以上2.0mm以下が好ましく、より好ましくは1.0mm以上1.5mm以下である。本実施形態の複極式エレメントにおいて、上記陰極及び/又は上記陽極は、ニッケルを含む基材を含み、上記基材の厚みが0.5〜2.0mmであることが好ましい。
基材上に触媒層を形成させる方法としては、めっき法、プラズマ溶射法等の溶射法、基材上に前駆体層溶液を塗布した後に熱を加える熱分解法、触媒物質をバインダー成分と混合して基材に固定化する方法、および、スパッタリング法等の真空成膜法といった手法が挙げられる。
上記電極の比表面積は0.001m/g以上1m/g以下が好ましく、より好ましくは、0.005m/g以上0.1m/g以下である。電極の比表面積(基材を含む電極全体の比表面積)が小さいと、単位面積当たりの反応活性点が少なくなるので、低い過電圧が得られない場合がある。一方、水電解用電極の比表面積が大き過ぎると触媒層の機械的強度が低下し、耐久性が低下する場合がある。
なお、比表面積は例えばBET法を用いて測定することができる。測定試料を専用セルに入れ、加熱真空排気を行うことにより前処理を行い、細孔表面への吸着物を予め取り除く。その後、−196℃で測定サンプルへのガス吸着の吸脱着等温線を測定する。得られた吸脱着等温線をBET法で解析することにより、測定サンプルの比表面積を求めることができる。
−リブ−
本実施形態の複極式エレメント60では、隔壁1にリブ6(例えば、陽極リブ及び/又は陰極リブ)が取り付けられ、リブ6が電極2と物理的に接続されていることが好ましい。
ここで、リブ6に、電極2が設けられていてもよく、リブ6に、集電体2r、導電性弾性体2e、電極2がこの順に設けられていてもよい。
図3、4の一例の複極式エレメント60では、陰極室において、陰極リブ−陰極集電体−導電性弾性体−陰極の順に重ね合わせられた構造が採用され、陽極室において、陽極リブ−陽極の順に重ね合わせられた構造が採用されている。
なお、図3、4の一例の複極式エレメント60では、陰極室において上記「陰極リブ−陰極集電体−導電性弾性体−陰極」の構造が採用され、陽極室において上記「陽極リブ−陽極」の構造が採用されているが、本発明ではこれに限定されることなく、陽極室においても「陽極リブ−陽極集電体−導電性弾性体−陽極」構造が採用されてもよい。
詳細には、本実施形態では、図4に示すように、隔壁1にリブ6(陽極リブ、陰極リブ)が取り付けられていることが好ましい。
本実施形態の複極式エレメントでは、リブの少なくとも一部が導電性を備えことが好ましく、リブ全体が導電性を備えことがさらに好ましい。
リブの材料としては、電解時に耐久性がある材料であれば使用できるが、好ましくは導電性の金属が用いられる。例えば、ニッケルメッキを施した軟鋼、ステンレススチール、ニッケル等が利用できる。リブの材料は、特に隔壁と同じ材料であることが好ましく、特にニッケルであることが最も好ましい。
リブ(陽極リブ、陰極リブ)の長さは、電極室や電極のサイズに応じて、適宜に定められてよいが、電極室の隔壁に沿う所与の方向の長さの0.7倍〜1.0倍としてよく、0.8倍〜1.0倍が好ましい。
リブの高さは、隔壁から各フランジ部までの距離、ガスケットの厚さ、電極(陽極、陰極)の厚さ、陽極と陰極との間の距離等に応じて、適宜に定められてよい。
上記リブのうち、端リブ61は、電極の両端が一層たわみにくくなる観点から、サイド方向断面において、電極の端縁から、25〜75mmの位置に設けられていることが好ましい。端リブ61の位置は、サイド方向断面において、電極の両端側で同じ位置であってもよいし、異なる位置であってもよい。
リブの高さは、隔壁から各フランジ部までの距離、ガスケットの厚さ、電極(陽極、陰極)の厚さ、陽極と陰極との間の距離等に応じて、適宜に定められてよい。
また、リブの厚みは、コストや製作性、強度等も考慮して、0.5mm〜5mmとしてよく、lmm〜2mmのものが用いやすいが、特に限定されない。
本実施形態の複極式エレメントにおいて、隔壁が平面視形状で略長方形となる場合、向かい合う2組の辺のうち1組の辺が延びる方向に、該1組の辺の略全長の長さのリブを、該1組の辺と直交する方向に間隔をもって並べてもよい。図4の例では、該1組の辺が延びる方向とは、図3のA−A方向であり、1組の辺と直交する方向とは、B−B方向である。
−隔壁−
上記隔壁1の形状は、所定の厚みを有する板状の形状としてよいが、特に限定されない。
隔壁の平面視形状としては、特に限定されることなく、矩形(正方形、長方形等)、円形(円、楕円等)としてよく、ここで、矩形は角が丸みを帯びていてもよい。
一実施形態において、隔壁と外枠とを溶接その他の方法で接合することで一体化してもよく、例えば、隔壁に、隔壁の平面に対して垂直な方向に張り出したフランジ部(陽極側に張り出した陽極フランジ部、陰極側に張り出した陰極フランジ部)を設け、フランジ部を外枠の一部としてもよい。
なお、隔壁は、通常、隔壁に沿う所与の方向が電解液通過方向となるように、使用してよい。
隔壁の材料としては、電力の均一な供給を実現する観点から、高い導電性を有する材料が好ましく、耐アルカリ性や耐熱性といった面から、ニッケル、ニッケル合金、軟鋼、ニッケル合金上にニッケルメッキを施したものが好ましい。
−外枠−
上記外枠3の形状は、隔壁1を縁取ることができる限り特に限定されないが、隔壁1の平面に対して垂直な方向に沿う内面を隔壁1の外延に亘って備える形状としてよい。
外枠の形状としては、特に限定されることなく、隔壁の平面視形状に合わせて適宜定められてよい。
外枠の寸法としては、特に限定されることなく、電極室の外寸に応じて設計されてよい。
一実施形態において、隔壁と外枠とを溶接その他の方法で接合することで一体化してもよく、例えば、隔壁に、隔壁の平面に対して垂直な方向に張り出したフランジ部(陽極側に張り出した陽極フランジ部、陰極側に張り出した陰極フランジ部)を設け、フランジ部を外枠の一部としてもよい。
この場合の陽極フランジ部及び陰極フランジ部の長さとしては、特に限定されないが、それぞれ、5mm〜20mmとしてよく、7.5mm〜15mmが好ましい。
外枠の材料としては、導電性を有する材料が好ましく、耐アルカリ性や耐熱性といった面から、ニッケル、ニッケル合金、軟鋼、ニッケル合金上にニッケルメッキを施したものが好ましい。
[複極式電解槽]
また、本実施形態の複極式電解槽50は、隔膜4が陽極2a及び陰極2cと接触してゼロギャップ構造Zが形成されている(図2)。
なお、模式図である図2では、隔壁1と、陽極2a及び陰極2cとは接していないが、ゼロギャップ構造Zにおいて、隔壁1と、陽極2a及び陽極2cとは、物理的に接していることが好ましい。
そして、本実施形態の複極式電解槽50では、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより電解液が通過する電極室が画成されており、電極室には隔壁1に沿う所与の方向に対して平行に配置される複数のリブ6が設けられている(図2、3、4)。
複極式は、多数の複極式エレメントを電源に接続する方法の1つであり、片面が陽極2a、片面が陰極2cとなる複数の複極式エレメント60を同じ向きに並べて直列に接続し、両端のみを電源に接続する方法である。
複極式電解槽は、電源の電流を小さくできるという特徴を持ち、電解により化合物や所定の物質等を短時間で大量に製造することができる。電源設備は出力が同じであれば、定電流、高電圧の方が安価でコンパクトになるため、工業的には単極式よりも複極式の方が好ましい。
本実施形態では、図1に示すとおり、複極式電解槽50は複極式エレメント60を必要数積層することで構成されている。
図1に示す一例では、複極式電解槽50は、一端からファストヘッド51g、絶縁板51i、陽極ターミナルエレメント51aが順番に並べられ、更に、陽極側ガスケット部分、隔膜4、陰極側ガスケット部分、複極式エレメント60が、この順番で並べて配置される。このとき、複極式エレメント60は陽極ターミナルエレメント51a側に陰極2cを向けるよう配置する。陽極ガスケットから複極式エレメント60までは、設計生産量に必要な数だけ繰り返し配置される。陽極ガスケットから複極式エレメント60までを必要数だけ繰り返し配置した後、再度、陽極側ガスケット部分、隔膜4、陰極側ガスケット部分を並べて配置し、最後に陰極ターミナルエレメント51c、絶縁板51i、ルーズヘッド51gをこの順番で配置される。複極式電解槽50は、全体をタイロッド51rで締め付けることによりー体化され、複極式電解槽50となる。
複極式電解槽を構成する配置は、陽極側からでも陰極側からでも任意に選択でき、上述の順序に限定されるものではない。
図1に示すように、複極式電解槽50では、複極式エレメント60が、陽極ターミナルエレメント51aと陰極ターミナルエレメント51cとの間に配置されている。隔膜4は、陽極ターミナルエレメント51aと複極式エレメント60との間、隣接して並ぶ複極式エレメント60同士の間、及び複極式エレメント60と陰極ターミナルエレメント51cとの間に配置されている。
本実施形態の複極式電解槽50では、図2に示すとおり、隔膜4が陽極2a及び陰極2cと接触してゼロギャップ構造Zが形成されている。
アルカリ水電解において、隔膜4と、陽極2aや陰極2cとの間に隙間がある場合、この部分には電解液の他に電解で発生した大量の気泡が滞留することで、電気抵抗が非常に高くなる。電解槽における大幅な電解電圧の低減を図るためには、陽極と陰極の間隔(以下、「極間距離」ともいう。)をできるだけ小さくして、陽極と陰極の間に存在する電解液や気泡の影響をなくすことが効果的である。
そこで、電極全面にわたり、陽極と隔膜とが互いに接触し、且つ、陰極と隔膜とが互いに接触している状態、又は、電極全面にわたり、極間距離が隔膜の厚みとほぼ同じとなる距離で、上記隙間のほとんど無い状態、に保つことのできる、ゼロギャップ構造が採用される。
極間距離を小さくするための手段は、既にいくつか提案されており、例えば、陽極と陰極を完全に平滑に加工して、隔膜を挟むように押し付ける方法や、電極と隔壁との間にバネ等の弾性体2e(特に導電性弾性体)を配置し、この弾性体2eで電極を支持する方法、電極と隔壁1との間に上記弾性体2e(特に導電性弾性体)と集電体2r(特に陰極集電体)とを配置し、集電体2rで弾性体2eをささえる方法等が挙げられる。
詳細には、電極室は、外枠の隔壁側の面において、電極室に電解液を導入する電解液入口5iと、電極室から電解液を導出する電解液出口5oとを有する(図4A)。より具体的には、陽極室には、陽極室に電解液を導入する陽極電解液入口5iと、陽極室から導出する電解液を導出する陽極電解液出口5oとが設けられ、陰極室には、陰極室に電解液を導入する陰極電解液入口5iと、陰極室から導出する電解液を導出する陰極電解液出口5oとが設けられる。
なお、図3、4に示した例では、長方形形状の隔壁1と長方形形状の隔膜4とが平行に配置され、また、外枠3の隔壁1側の面が隔壁1に垂直となっているため、電極室の形状が直方体となっている。
複極式電解槽50には、通常、電解液を配液又は集液する管であるヘッダー管10が取り付けられ、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの下方に、陽極室に電解液を入れる陽極入口ヘッダー10aiと、陰極室に電解液を入れる陰極入口ヘッダー10ciとを備えており、また、同様に、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの上方に、陽極室から電極液を出す陽極出口ヘッダー10aoと、陰極室から電解液を出す陰極出口ヘッダー10coとを備えている(図3)。
なお、複極式エレメントに取り付けられるヘッダー管の配設態様として、代表的には、内部ヘッダー型(図3)と外部ヘッダー型とがあるが、いずれの型を採用してもよい。
本実施形態の複極式電解槽50では、陽極入口ヘッダー10aiで配液された電解液が、陽極電解液入口5iを通って陽極室に導入され、陽極室を通過し、陽極電解液出口5oを通って陽極室から導出され、陽極出口ヘッダー10aoで集液される。
特に、図3に示した例では、複数のリブ6が、隔壁1に沿う所与の方向に垂直な方向に、一定の間隔(ピッチ)で設けられている。
また、一例の複極式エレメントでは、リブは、電極室の高さ(電解液通過方向の長さ)とほぼ同じ長さを有し、隔壁に垂直に設けられている。
尚、リブには特に限定されないが、電解槽の軽量化等の目的で貫通孔を設けることができる。
−隔膜−
本実施形態の複極式電解槽50において用いられる隔膜4としては、イオンを導通しつつ、発生する水素ガスと酸素ガスを隔離するために、イオン透過性の隔膜が使用される。このイオン透過性の隔膜は、イオン交換能を有するイオン交換膜と、電解液を浸透することができる多孔膜が使用できる。このイオン透過性の隔膜は、ガス透過性が低く、イオン伝導率が高く、電子電導度が小さく、強度が強いものが好ましい。

多孔膜は、複数の微細な貫通孔を有するものであるが、高分子多孔膜、無機多孔膜、織布、不織布等が挙げられる。これらは公知の技術により作製することができる。古くはアスベスト性の多孔膜が使用されたが、人体への影響の観点から、有機系の膜が提案され、使用されている。 一例を挙げると高分子材料と親水性無機粒子とを含む膜が好適に使用されるが、親水性無機粒子が存在することによって多孔膜に親水性を付与される。
((ゼロギャップ構造))
ゼロギャップ型電解セル65における複極式エレメント60では、極間距離を小さくする手段として、電極2と隔壁1との間に弾性体2eであるバネを配置し、このバネで電極2を支持する形態をとることが好ましい。例えば、第1の例では、隔壁1に導電性の材料で製作されたバネを取り付け、このバネに電極2を取り付けてよい。また、第2の例では、隔壁1に取り付けた電極リブ6にバネを取り付け、そのバネに電極2を取り付けてよい。なお、このような弾性体2eを用いた形態を採用する場合には、電極2が隔膜4に接する圧力が不均一にならないように、バネの強度、バネの数、形状等必要に応じて適宜調節する必要がある。
電解セル65では、陽極2a及び陰極2cを含む複数の複極式エレメントが、隣り合う複極式エレメントの陰極2cと陽極2aとが向かい合うように、隔膜4を挟んで重ね合わされていることが好ましい。また、電解セル65では、図2〜図4に示すとおり、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室が画成されている。
本実施形態の複極式電解槽50では、図2に示すとおり、隔膜4が陽極2a及び陰極2cと接触してゼロギャップ構造Zが形成されている。
本実施形態では、特に、複極式電解槽50における、隣接する2つの複極式エレメント60間の互いの隔壁1間における部分、及び、隣接する複極式エレメント60とターミナルエレメントとの間の互いの隔壁1間における部分、を電解セル65と称する。電解セル65は、一方のエレメントの隔壁1、陽極室、陽極2a、及び、隔膜4、及び、他方のエレメントの陰極2c、陰極室、隔壁1を含む。
また弾性体を介して支持した電極の対となるもう一方の電極の剛性を強くすること(例えば、陽極の剛性を陰極の剛性よりも強くすること)で、押しつけても変形の少ない構造としている。―方で、弾性体を介して支持した電極については、隔膜を押しつけると変形する柔軟な構造とすることで、電解槽の製作精度上の公差や電極の変形等による凹凸を吸収してゼロギャップ構造を保つことができる。
より具体的には、隔壁と電気的に接触しているリブ(整流板)の先端に集電体を取り付け、その集電体の上面側、つまり、隔壁側とは反対となる側に導電性弾性体を取り付け、さらに、その上面側、つまり、導電性弾性体に隣接して隔膜側となる部分に電極を重ねた少なくとも3層構造を構成することが挙げられる。
本実施形態の複極式電解槽では、図2に示すように、陰極2cと隔壁1との間に、導電性弾性体2e及び陰極集電体2rが、導電性弾性体2eが陰極2cと陰極集電体2rとに挟まれるように、設けられていることが好ましい。また、陰極集電体2rは、陰極のリブ6と接していることが好ましい。
本実施形態の複極式電解槽のゼロギャップ構造Zは、図2に示すように、隔壁1の陽極側に陽極リブ6及び陽極2aがこの順に重ねられ、隔壁1の陰極側に陰極リブ6、陰極集電体2r、導電性弾性体2e及び陰極2cがこの順に重ねられた複極式エレメントが、隔膜4を挟んで重ね合わせられた、隔膜4が陽極2a及び陰極2cと接触する構造であることが好ましい。
ゼロギャップ構造を実現するための電極は、導電性弾性体とスポット溶接、金属或いはプラスチック製のピンによる固定、或いは導電性弾性体の弾力性による押しつけ圧等が好ましい固定法である。
また、弾性体を介して支持した電極の対となるもう一方の電極の形状も重要である。上記ゼロギャップ構成では、隔膜が、従来の電解槽より強く電極に押しつけられる。例えばエキスパンドメタル基材を用いた電極では開口部の端部で、隔膜が破損すること或いは、開口部に隔膜が食い込んで、陰極と隔膜の間に隙間ができて電圧が上昇する場合がある。
また、上記電極の厚みとしては、通常0.7mm〜3mm程度が好ましい。この厚みがあまり薄すぎると、陽極室と陰極室の圧力差や、押しつけ圧力により電極に変形が生じ、例えば電極端部が落ち込み、極間距離が広がり電圧が高くなる場合がある。
−電極室−
本実施形態における複極式電解槽50では、隔壁1と外枠3と隔膜4とにより、電解液が通過する電極室が画成されている。ここで、隔壁1を挟んで陽極側の電極室が陽極室、陰極側の電極室が陰極室である。
−ガスケット−
本実施形態の複極式電解槽50では、図2に示すように、隔壁1を縁取る外枠3同士の間に、隔膜4と共にガスケット7が挟持されることが好ましい。ガスケットは、複極式エレメント60と隔膜4との間、複極式エレメント60間を電解液と発生ガスに対してシールするために使用され、電解液や発生ガスの電解槽外への漏れや両極室間におけるガス混合を防ぐことができる。
−ヘッダー−
複極式電解槽50は、電解セル65毎に、陰極室、陽極室を有していることが好ましい。
本実施形態の複極式電解槽で、電気分解反応を連続的に行うためには、各電解セルの陰極室と陽極室とに電気分解によって消費される原料を十分に含んだ電解液を供給し続ける必要がある。
電解セルは、複数の電解セルに共通するヘッダーと呼ばれる電解液の給排配管と繋がっている。一般に、陽極用配液管は陽極入口ヘッダー、陰極用配液管は陰極入口ヘッダー、陽極用集液管は陽極出口ヘッダー、陰極用集液管は陰極出口ヘッダーと呼ばれる。電解セルはホース等を通じて各電解液配液管及び各電解液集液管と繋がっている。
本実施形態において、電極室の範囲は、隔壁の外端に設けられる外枠の詳細構造により、変動するところ、外枠の詳細構造は、外枠に取り付けられるヘッダー(電解液を配液又は集液する管)の配設態様により異なることがある。複極式電解槽のヘッダーの配設態様としては、内部ヘッダー型及び外部ヘッダー型が代表的である。
−内部ヘッダー−
内部ヘッダー型とは、複極式電解槽とヘッダー(電解液を配液又は集液する管)とが一体化されている形式をいう。
内部ヘッダー型複極式電解槽では、より具体的には、陽極入口ヘッダー10ai及び陰極入口ヘッダー10ciが、隔壁1内及び/又は外枠3内の下部に設けられ、且つ、隔壁1に垂直な方向に延在するように設けられ、また、陽極出口ヘッダー10ao及び陰極出口ヘッダー10coが、隔壁1内及び/又は外枠3内の上部に設けられ、且つ、隔壁1に垂直な方向に延在するように設けられる。
内部ヘッダー型複極式電解槽が内在的に有する、陽極入口ヘッダーと、陰極入口ヘッダーと、陽極出口ヘッダーと、陰極出口ヘッダーを総称して、内部ヘッダーと呼ぶ。
図2に示す内部ヘッダー10i型の例では、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの下方に位置する部分の一部に、陽極入口ヘッダー10aiと陰極入口ヘッダー10ciとを備えており、また、同様に、隔壁1の端縁にある外枠3のうちの上方に位置する部分の一部に、陽極出口ヘッダー10aoと陰極出口ヘッダー10coとを備えている。なお、外枠3と、陽極室又は陰極室とは、電解液を通す電解液入口5i又は電解液出口5oでつながっている。
−外部ヘッダー−
外部ヘッダー型とは、複極式電解槽とヘッダー(電解液を配液又は集液する管)とが独立している形式をいう。
外部ヘッダー型複極式電解槽は、陽極入口ヘッダーと、陰極入口ヘッダーとが、電解槽の通電面に対し、垂直方向に、電解槽と並走する形で、独立して設けられる。この陽極入口ヘッダー、及び陰極入口ヘッダーと、各複極式エレメントが、ホースで接続される。
なお、内部ヘッダー型及び外部ヘッダー型の複極式電解槽において、その内部に電解によって発生した気体と、電解液を分離する気液分離ボックスを有してもよい。気液分離ボックスの取付位置は、特に限定されないが、陽極室と陽極出口ヘッダーとの間や、陰極室と陰極出口ヘッダーの間に取付けられてもよい。
本実施形態の複極式エレメント、複極式電解槽は、アルカリ水電解用に好適に用いることができる。
本実施形態の複極式電解槽は、アルカリ水電解用電解装置等に用いることができる。上記アルカリ水電解用電解装置としては、例えば、本実施形態の複極式電解槽と、電解液を循環させるための送液ポンプと、電解液と水素及び/又は酸素とを分離する気液分離タンクと電解により消費した水を補給するための水補給器と、を有する装置等が挙げられる。
上記アルカリ水電解用電解装置は、さらに、整流器、酸素濃度計、水素濃度計、流量計、圧力計、熱交換器、圧力制御弁等を備えてよい。
(水素製造方法)
本実施形態の水素製造方法は、アルカリを含有する水を、本実施形態の複極式エレメントが隔膜を介してスタックされている電解槽により水電解し、水素を製造する方法である。
複極式エレメント、隔膜、及び電解槽としては、上述のものが挙げられる。
以上、図面を参照して、本発明の実施形態の複極式エレメント、複極式電解槽について例示説明したが、本発明の複極式エレメント、複極式電解槽は、上記の例に限定されることはなく、上記実施形態には、適宜変更を加えることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
複極式エレメントを下記の通りに作製した。なお、電解装置を作製する際に使用する一部のものについても記載する。
−陽極−
酸化ニッケルを含有する造粒物をプラズマ溶射法によって導電性基材の両面に吹き付けたものを使用した。導電性基材としては、あらかじめブラスト処理を施したニッケルエキスパンド基材を用いた。基材の厚みは1mmで、開口率は54%であった。
陽極のサイズは、平面視でのサイズは500mm×500mmとし、厚さは1mmとした。
−陰極−
導電性基材として、直径0.15mmのニッケルの細線を40メッシュの目開きで編んだ平織メッシュ基材を用い、表面に白金をコーティングした電極を用いた。
陰極のサイズは、平面視でのサイズは500mm×500mmとした。
−弾性体、集電体−
弾性体としては、線径0.15mmのニッケル製ワイヤーを織ったものを、波高さ5mmになるように波付け加工したものを用いた。材質は導電性、耐アルカリ性の面からニッケルを用いた。厚みは、5mmであり、50%圧縮変形時の反発力は150g/cm、目開きは5メッシュ程度であった。
集電体として、ニッケルエキスパンドメタル基材(厚さ1.2mm、開口部の横方向の長さ8mm、開口部の縦方向の長さ5mm)のものを用いた。
弾性体を、集電体上にスポット溶接して固定した。隣り合う複極式エレメントの、陰極、弾性体、集電体からなる3層構造の陰極と、陽極とを、隔膜を挟んで押しつけることでゼロギャップ構造を形成することができる。
−隔膜−
ポリフェニレンサルファイドメッシュを基材とし、ポリスルホンのマトリックスに酸化ジルコニウムが分散された多孔質膜を用いた。
この多孔膜の平均孔径は90℃の透水平均孔径で0.3μmであった。厚みは580μm、気孔率は43%であった。
多孔膜のMDおよびTD方向の引張破断強度はそれぞれ98N、97Nであり、引裂き強度はそれぞれ45N、43Nであった。
−複極式エレメント−
複極式エレメントとして、陽極と陰極とを区画する隔壁と隔壁を取り囲む外枠とが一体化されたニッケル製の部材を用いた。隔壁の平面視でのサイズは、外枠の内面寸法を504mm×504mmとし、厚みは2mmとした。
隔壁の陽極側に、高さ25mm、厚み1.5mmのニッケル製の陽極リブを、隔壁の陰極側に、高さ25mm、厚み1.5mmのニッケル製の陰極リブを、溶接により取り付けた。
隔壁1に対して陰極側に陰極リブ6、陰極集電体2r、上記弾性体2e、上記陰極2cがこの順に重ねられ、隔壁1に対して陽極側に陽極リブ6、上記陽極2aがこの順に重ねられ、隔壁を縁取る外枠が設けられ、該外枠に入口ヘッダー(10ai、10ci)と出口ヘッダー(10ao、10co)とを有する内部ヘッダー式の複極式の複極式エレメントを作製した(図3、4)。
リブは、長さ50cm、幅50cmの陰極及び陽極の、向かい合う2組の辺のうち1組の辺(図3の入口ヘッダー10ai、10ciが設けられている側の辺と直交する辺、及び出口ヘッダー10ao、10coが設けられている側の辺と直交する辺。図3のA−A方向に沿う辺。隔壁の長さ方向)に沿うように、隔壁及び電極に対して略垂直となるように設けた(図3、4)。陽極側のリブと陰極側のリブとは同じ方向に設けた。幅500mmに対して、4本のリブを、幅両端から62.5mmの位置に端リブ、端リブ間に等間隔(125mm間隔)で2本のリブを設けた。リブは、厚さ1.5mmのものを使用した。なお、リブの設置位置は、リブの厚み中心部の位置で示した。
ゼロギャップ型の複極式エレメントは、隔壁に垂直な方向にみて、縦540mm×横620mmの長方形の形状を有していた。
−電極室−
電極室の隔壁に垂直な方向の長さ(電極室の深さ)は、陽極室で25mmであり、陰極室で25mmであった。
隔膜を保持したガスケットを介してスタックさせることで、陰極と陽極とを隔膜の両側から押し付けて接触させ、ゼロギャップ構造を形成した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
図4Bは、陽極2a及び陰極2cに挟まれた隔壁1の平面部分に垂直であり、且つ上記隔壁の長さ方向に対して垂直である隔壁の幅方向の面である断面(サイド方向断面)である。
陽極2aは、サイド方向断面において、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に隔壁側に屈曲した第一の湾曲構造2a5(第一の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約178°)を有し、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した、第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約151°)を有している(図4B)。湾曲構造以外の部分2a1、2a2、及び2a3は平面であり、第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間2a3で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと、第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、1.5mmであり、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、3.0mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約2.4mmであった。
なお、上記湾曲構造は、陽極の幅方向両端の長さ方向全辺にわたって設けた。また、陽極の長さ方向端の辺は湾曲構造を設けず平面とした。
また、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例1の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、第一の湾曲構造の形状は変化していなかった。
(実施例2)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
陽極2aは、端リブ61と陽極2aとの交点に第一の湾曲構造2a5(第一の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約177°)を設けた。第一の湾曲構造以外の部分は平面であり、第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間2a3で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている。
本実施例では、第二の湾曲構造を設けなかった。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、3.0mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約2.1mmであった。
なお、上記湾曲構造は、陽極の幅方向両端の長さ方向全辺にわたって設けた。また、陽極の長さ方向端の辺は湾曲構造を設けず平面とした。
また、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例2の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、第一の湾曲構造の形状は変化していなかった。
(実施例3)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
また、陽極2aは、サイド方向断面において、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に隔壁側に屈曲した第一の湾曲構造2a5(第一の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約176°)を有し、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約142°)を有している(図4B)。湾曲構造以外の部分2a1、2a2、及び2a3は平面であり、第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間2a3で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと、第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、4.0mmであり、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、6.0mmであった。
サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約2.9mmであった。
なお、上記湾曲構造は、陽極の幅方向両端の長さ方向全辺にわたって設けた。また、陽極の長さ方向端の辺は湾曲構造を設けず平面とした。
また、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例3の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、第一の湾曲構造の形状は変化していなかった。
(実施例4)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
陽極2aは、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に隔壁側に屈曲した第一の湾曲構造2a5(第一の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約179°)を有し、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約171°)を有している。湾曲構造以外の部分2a1、2a2、及び2a3は平面であり、第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間2a3で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと、第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、1.0mmであり、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、1.5mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約2.1mmであった。
なお、上記変曲点は、陽極の長さ方向辺の全辺に設けた。また、陽極の幅方向端部の辺は変曲点を設けず平面とした。
また、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例4の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、第一の湾曲構造の形状は変化していなかった。
(実施例5)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
陽極2aは、サイド方向断面において、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に隔壁側に屈曲した第一の湾曲構造2a5(第一の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約179°)を有し、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した、第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約124°)を有している(図4B)。湾曲構造以外の部分2a1、2a2、及び2a3は平面であり、第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間2a3で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと、第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、0.5mmであり、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、3.0mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約3.3mmであった。
なお、上記湾曲構造は、陽極の幅方向両端の長さ方向全辺にわたって設けた。また、陽極の長さ方向端の辺は湾曲構造を設けず平面とした。
また、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例5の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、2.0mmであった。
(実施例6)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
陽極2aは、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約123°)を有している。第二の湾曲構造以外の部分は平面であり、第二の湾曲構造と陽極の中央部分との間で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、2.5mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約3.3mmであった。
なお、上記変曲点は、陽極の長さ方向辺の全辺に設けた。また、陽極の幅方向端部の辺は変曲点を設けず平面とした。
なお、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例6の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に、隔壁側に屈曲した湾曲構造が形成されており、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、2.0mmであった。
(比較例1)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極2aに湾曲構造を設けず、全て平面とした。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約2.0mmであった。
なお、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の比較例1の複極式エレメントの陽極2aの形状を観察したところ、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に、隔壁側に屈曲した湾曲構造が形成されており、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、2.0mmであった。
(比較例2)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
陽極2aは、サイド方向断面において、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に隔壁側に屈曲した第一の湾曲構造2a5(第一の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約175°)を有し、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が約143°)を有している。湾曲構造以外の部分2a1、2a2、及び2a3は平面であり、第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間2a3で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと、第二の湾曲構造2a4における距離aとの差は、5.0mmであり、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、7.0mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約3.0mmであった。
また、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の実施例4の複極式エレメントの陽極の形状を観察したところ、第一の湾曲構造の形状は変化していなかった。
(比較例3)
陽極の形状を下記に変更したこと以外は、実施例1と同様にして複極式エレメントを作製した。
−陽極の形状−
得られた複極式エレメントの陽極に、下記のように湾曲構造を設けた。
陽極2aは、サイド方向断面において、陽極の端縁から3mmの位置に、隔壁側に屈曲した第二の湾曲構造2a4(第二の湾曲構造を挟んだ2直線のなす角度のうち小さい角度が170°)を有している。第二の湾曲構造以外の部分は平面であり、第二の湾曲構造と陽極の中央部分との間で、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長くなっている(図4B)。
陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、0.5mmであった。
また、サイド方向断面において、陽極の端縁と外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離cは、約2.0mmであった。
なお、下記の隔膜外観の評価において、解枠後の比較例2の複極式エレメントの陽極2aの形状を観察したところ、陽極2aと端リブ61とが交差した位置に、隔壁側に屈曲した湾曲構造が形成されており、陽極2aと隔壁1との距離aが最も長い電極の中央部分の距離aと陽極の端縁における距離aとの差は、2.0mmであった。
[評価]
(対電圧)
−通電条件1−
陽極ターミナルエレメントと、実施例又は比較例で得られた複極式エレメントの陰極との間に、上述の隔膜を一枚挟んだ。更に、4枠の複極式エレメントを、陽極と陰極とが対向するように、直列に並べ、各々の複極式エレメントの間に、3枚の隔膜を1枚ずつ挟んだ。更に、4枠目の複極式エレメントの陽極側と、陰極ターミナルエレメントの間に隔膜を一枚挟んだ。各エレメント間には、金属フレーム部分にガスケットを張り合わせて挟んだ。一方の端側で、ファストヘッド、絶縁板、陽極ターミナルユニットを配置し、さらに、陽極側ガスケット部分、隔膜、陰極側ガスケット部分、複極式エレメントをこの順に並べ、さらに、陽極側ガスケット部分、隔膜、電陰極側ガスケット部分を配置し、もう一方の端側で、陰極ターミナルユニット、絶縁板、ルーズヘッドを配列し、その後、これらをファストヘッド及びルーズヘッドの両側からガスケットのシール面圧で2450kN/mで締め付けることでスタックし、複極式電解槽を組み立てた(図1)。
複極式電解槽は、隔膜が陽極及び陰極と接触してゼロギャップ構造Zを形成していた(図2)。
なお、ガスケットは、厚み4.0mm、幅18mmの内寸504mm角の四角形状のもので、内側に平面視で電極室と同じ寸法の開口部を有し、隔膜を挿入することで保持するためのスリット構造を有するものを使用した。スリット構造は、開口部の内壁の厚み方向の中央部分に、隔壁を挿入することでこれを保持するための、0.4mmの隙間を設けた構造とした。このガスケットは、EPDMゴムを材質とし、100%変形時の弾性率が4.0MPaであった。
上記複極式エレメントを用いて、図5に示す電解装置を作製した。
電解装置は、複極式電解槽50と、電解液を循環させるための送液ポンプ71と、電解液と水素及び/又は酸素とを分離する気液分離タンク72とを備え、気液分離タンク72及び複極式電解槽50には30%KOH水溶液である電解液が封入されており、送液ポンプ71により、複極式電解槽50の陽極室、陽極用の気液分離タンク72、陽極室を循環し、また、複極式電解槽50の陰極室、陰極用の気液分離タンク72、陰極室を循環している。流量は200L/min、温度は90℃に調整した。
図3に、セル電圧の測定に用いる電解装置の内部ヘッダー式の複極式電解槽中の、電解液の流れる方向を模式的に示す。図3に示すように、複極式エレメントを平面視すると、陽極側及び陰極側において、それぞれ、入口ヘッダーから出口ヘッダーに向かう方向に電解液を流した。また、複極式電解槽の断面では、隔壁に沿う方向に電解液を流した(図4A)。
陰極室では、電解により水素ガスが発生し、陽極室では酸素ガスが発生するため、陰極出口ヘッダー(10co)では、電解液と水素ガスの混相流となり、陽極出口ヘッダー(10ao)では、電解液と酸素ガスの混相流となる。
なお、上記電解装置は、気液分離タンク72で分離した気体が圧力計78、圧力制御弁80、酸素濃度計75又は水素濃度計76、を通して回収される。また、整流器74により電力は制御可能である。また、循環する電解液の流路には、流量計77、熱交換器79が備えられている。また、図5中の矢印は、循環液(電解液)及び気体が流れる方向を示している。
整流器74から、複極式電解槽50に対して、陰極及び陽極の面積に対して、6kA/mとなるように電流を流した。なお、電極面(通電面)は500mm×500mmであるため、1.5kAを通電した。
通電開始後の槽内圧力は、圧力計78で測定し、陰極側圧力が50kPa、酸素側圧力が49kPaとなるとように調整した。圧力調整は、圧力計78の下流に制御弁80を設置し、これにより行った。
通電開始から500時間後の対電圧を測定した。
−通電条件2−
循環時の電解液温度を80℃としたこと以外は、通電条件1と同様の条件で通電開始から500時間後の対電圧を測定した。
−通電条件3−
複極式電解槽を作製する際に用いる隔膜として、32μm厚みのフッ素系イオン交換膜を用いたこと以外は、通電条件1と同様の条件で通電開始から500時間後の対電圧を測定した。
なお、上記フッ素系イオン交換膜は以下のものを使用した。
フッ素系イオン交換樹脂前駆体として、一般式CF=CF−O(CFCFCFO)−(CF−SOFで表されるフッ化ビニル化合物と、一般式CF=CFで表されるフッ化オレフィンとの二元共重合体(EW:950、MI:20)を、Tダイ法により厚さ32μmに成膜し、前駆体膜とした。得られた前駆体膜を95℃に加温した加水分解浴(DMSO:KOH:水=5:30:65)に1時間浸漬し、金属塩型のイオン交換基を有するフッ素系イオン交換膜を得た。これをよく水洗した後、65℃に加温した2Nの塩酸浴に15分間浸漬し、酸型のイオン交換基を有するフッ素系イオン交換膜を得た。これをよく水洗した後、膜を乾燥した。当該乾燥膜を拘束から外して得られたフッ素系イオン交換膜を隔膜とした。
(隔膜外観)
上記通電条件1〜3のいずれかの条件で500時間通電させた後、複極式電解槽を解枠し、隔膜の、陽極の端部から端リブとの交点までの間の部分と接触した領域及びその周辺を観察し、隔膜表面の接触痕、傷等の有無を目視で観察した。
ここでいう傷は、シワ、1mm超の段差を含むため、シワ、段差の大きさをノギスで測定をした。
実施例及び比較例における評価結果を表1に示す。
Figure 0006788039
本発明の複極式エレメントによれば、陽極と陰極とが隔膜に接触するゼロギャップ構造を形成して長時間使用した後でも隔膜に傷が入りにくい。そのため、アルカリ水電解用等の長期間使用する電解装置に好適に用いることができる。
1 隔壁
2 電極
2a 陽極
2a1 第二の湾曲構造と陽極の端縁との間
2a2 第一の湾曲構造と第二の湾曲構造との間
2a3 第一の湾曲構造と陽極の中央部分との間(陽極の中央部分を含む)
2a4 第二の湾曲構造
2a5 第一の湾曲構造
2c 陰極
2e 弾性体
2r 集電体
3 外枠
4 隔膜
5i 電解液入口
5o 電解液出口
6 リブ
6a 陽極リブ
6c 陰極リブ
61 端リブ
62 リブ端
7 ガスケット
10 ヘッダー
10i 内部ヘッダー
10ai 陽極入口ヘッダー
10ao 陽極出口ヘッダー
10ci 陰極入口ヘッダー
10co 陰極出口ヘッダー
50 複極式電解槽
51g ファストヘッド、ルーズヘッド
51i 絶縁板
51a 陽極ターミナルエレメント
51c 陰極ターミナルエレメント
51r タイロッド
60 複極式エレメント
65 電解セル
70 電解装置
71 送液ポンプ
72 気液分離タンク
74 整流器
75 酸素濃度計
76 水素濃度計
77 流量計
78 圧力計
79 熱交換器
80 圧力制御弁
D1 隔壁に沿う所与の方向
a 電極と隔壁との距離
c 電極の端縁と外枠との最小距離
Z ゼロギャップ構造

Claims (10)

  1. 陰極と陽極とを含む電極と、前記陰極と前記陽極とを隔離する隔壁と、前記隔壁を縁取る外枠とを備える複極式エレメントであって、
    前記隔壁に垂直であり、且つ前記隔壁に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、前記電極の中央部分から端縁までの間に、前記隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を有し、前記電極と前記隔壁との距離aが前記電極の中央部分で最も長く、前記電極の中央部分における距離aと前記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmである
    ことを特徴とする複極式エレメント。
  2. 前記断面において、前記電極の中央部分から端縁までの間に、前記隔壁側に曲率中心がある湾曲構造を2以上有する、請求項1に記載の複極式エレメント。
  3. 前記電極と前記隔壁との間に、前記隔壁に沿う所与の方向に対して平行に複数のリブが設けられ、
    前記断面において、前記電極の最も端縁側に位置する端リブに沿う前記隔壁と垂直方向の線と前記電極との交点に第一の湾曲構造があり、前記交点よりも前記電極の端縁側であって前記端縁から15mmまでの間に第二の湾曲構造がある、請求項2に記載の複極式エレメント。
  4. 前記電極の中央部分における距離aと前記第二の湾曲構造を含む湾曲部の中心における距離aとの差が1.0〜4.0mmである、請求項3に記載の複極式エレメント。
  5. 前記断面において、前記端縁と前記外枠との、隔壁に沿う所与の方向に対して垂直な方向の最小距離が1〜4mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複極式エレメント。
  6. 前記電極がニッケルを含む基材を含み、前記基材の厚みが0.5〜2.0mmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複極式エレメント。
  7. 前記陽極に前記湾曲構造を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複極式エレメント。
  8. 前記陰極がメッシュ状であり、
    前記陰極と前記隔壁との間に弾性体を有し、
    前記弾性体と前記陰極との間に陰極集電体を有し、
    前記陰極集電体にリブが取り付けられている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複極式エレメント。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の複極式エレメントが、隔膜を介してスタックされていることを特徴とする、複極式電解槽。
  10. アルカリを含有する水を、複極式エレメントが隔膜を介してスタックされている電解槽により水電解し、水素を製造する水素製造方法において、
    前記複極式エレメントは、陰極と陽極とを含む電極と、前記陰極と前記陽極とを隔離する隔壁と、前記隔壁を縁取る外枠とを備える複極式エレメントであって、前記隔壁に垂直であり、且つ前記隔壁に沿う所与の方向に対して垂直である面による断面において、前記電極と前記隔壁との距離aが前記電極の中央部分で最も長く、前記電極の中央部分における距離aと前記電極の端縁における距離aとの差が1.0〜6.0mmである
    ことを特徴とする、水素製造方法。
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