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JP6779527B2 - コイル組立装置、コイル組立方法及び回転電機の製造装置 - Google Patents

コイル組立装置、コイル組立方法及び回転電機の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、モータや発電機等の回転電機(回転電気機械)におけるステータやロータのコイル形成に用いられるコイル組立装置、コイル組立方法及び回転電機の製造装置に関する。
回転電機におけるステータやロータのコイルとして、このステータ又はロータのコアの周方向に沿って配列された複数のスロットに、線材をU字形状に加工してなる複数のコイルセグメント(ヘアピン)をそれぞれ挿入し、これらコイルセグメントの自由端側を溶接等により互いに接合してコイルを形成したいわゆるセグメント型コイルが知られている。セグメント型コイルでは、巻回工程が不要であるため従来の巻線方式のコイルに比べてスロットの占積率を容易に向上させることができ、小型で高出力の回転電機を得ることができる。
この種のセグメント型コイルを組立てる場合、所定の形状に成形された複数のコイルセグメントを1つずつステータやロータのスロットに挿入していくことも可能であるが、この方法は、非常に手間がかかり生産効率を高めることができない。このため、整列治具を用いて複数のコイルセグメントをあらかじめ円環状に整列し、このように円環状に整列した複数のコイルセグメントを整列治具から引き抜いてステータやロータのスロットに挿入することが行われていた。
例えば特許文献1には、放射方向に傾斜して形成された複数のスロットを有する円柱状の整列治具を用い、コイルセグメントの一方のスロット挿入部を整列治具の軸方向に沿って形成された1つのスロットの内方端に挿入し、他方のスロット挿入部を周方向に所定間隔離れたスロットの外方端に挿入し、これを複数のセグメントについて行った後、外方端に挿入されたスロット挿入部を内方端側へ移動させて1周2層のセグメント組体を形成するコイル形成方法が開示されている。
特開2003−134751号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているコイル形成方法によると、各コイルセグメントの1対のスロット挿入部を整列治具の軸方向に移動させて2つのスロットにそれぞれ挿入する動作を複数回繰り返した後、挿入された複数のスロット挿入部がスロットの内方端側に移動するように軸中心に回動させる必要があり、効率の良い、迅速なコイル組立を行うことが難しかった。また、このコイル形成方法によると、1工程で2層のセグメント組立体しか形成できないため、例えば多層のセグメント組立体を形成する場合には多数工程を実施する必要があり、効率の良いコイル組立を行うことができなかった。
従って本発明の目的は、複数のコイルセグメントからなるコイルを迅速にかつ効率良く組立てることができるコイル組立装置、コイル組立方法及び回転電機の製造装置の提供ことにある。
本発明の他の目的は、多層のコイルセグメントからなるコイルを容易にかつ迅速に組立てることができるコイル組立装置、コイル組立方法及び回転電機の製造装置の提供ことにある。
本発明によれば、コイル組立装置は、各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部とこれら1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを順次搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送された複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されており、中心軸の回りを回転可能なセグメント配置体と、セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に複数のコイルセグメントの各々の1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されたガイド手段と備えている。
セグメント配置体には複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されている。このため、コイルセグメントを円環状に配列されたセグメント保持部に放射方向外側からスムーズに挿入することができ、これらコイルセグメントを容易に円環状に配列することができる。さらに、ガイド手段が、セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に、コイルセグメントの一方のスロット挿入部を1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、これから第2の所定角度回転した際に、他方のスロット挿入部を他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されている。このため、順次搬送されてきたコイルセグメントは、セグメント配置体の回転に従ってそのままセグメント保持部に案内されて挿入されるので、コイルを円環状に迅速にかつ効率良く組立てることができる。しかも、搬送されてきたコイルセグメントがセグメント保持部に順次挿入されるので、多層のコイルセグメントからなるコイルを容易にかつ迅速に組立てることができる。
ガイド手段は1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部がこのガイド手段とセグメント配置体との間を通過し、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部がこのガイド手段のセグメント配置体とは反対側を通過するように構成されていることが好ましい。
この場合、ガイド手段は、ガイド部材からなる1段構成を有していることがより好ましい。
ガイド手段は、外側ガイド部材と、この外側ガイド部材よりセグメント配置体の中心軸に近い側に位置する内側ガイド部材とからなる2段構成を有しており、内側ガイド部材のセグメント配置体における周方向の長さが、外側ガイド部材のセグメント配置体における周方向の長さより短いこともより好ましい。
搬送手段は、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を把持して搬送し、1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に挿入した状態で他方のスロット挿入部をガイド手段上に載せるように構成されていることも好ましい。
セグメント配置体は中心軸が水平となるように配置されており、ガイド手段がセグメント配置体の上方に配置されていることも好ましい。これにより、コイルセグメントをその自重を利用してセグメント配置体のセグメント保持部に挿入することができる。
セグメント配置体の複数のセグメント保持部は、セグメント配置体の周方向に沿って円環状に配列され放射方向に伸長する複数のブレードによってそれらの間に形成されており、複数のブレードの放射方向の高さが複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることも好ましい。
セグメント配置体の複数のセグメント保持部内に配置された複数のコイルセグメントがこれら複数のセグメント保持部から離脱しないように支持する離脱防止手段をさらに備えていることも好ましい。
離脱防止手段は、セグメント配置体の周面に当接する当接部材を有しており、この当接部材の当接圧が複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることも好ましい。
この場合、当接部材がセグメント配置体の回転に伴って連れ回りするベルト体であることがより好ましい。
セグメント配置体の複数のセグメント保持部に保持された複数のコイルセグメントを、セグメント配置体の中心軸方向に押し出す押し出し機構をさらに備えていることも好ましい。
本発明によれば、さらに、各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部とこれら1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されたセグメント配置体を用意し、このセグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に複数のコイルセグメントの各々の1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を案内して挿入し、セグメント配置体が一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入するコイル組立方法が提供される。
複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されているセグメント配置体を用いるため、コイルセグメントを円環状に配列されたセグメント保持部に放射方向外側からスムーズに挿入することができ、これらコイルセグメントを容易に円環状に配列することができる。さらに、セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に、コイルセグメントの一方のスロット挿入部を1つのセグメント保持部に案内して挿入し、これから第2の所定角度回転した際に、他方のスロット挿入部を他の1つのセグメント保持部に案内して挿入しているため、順次搬送されてきたコイルセグメントは、セグメント配置体の回転に従ってそのままセグメント保持部に案内されて挿入されるので、コイルを円環状に迅速にかつ効率良く組立てることができる。しかも、搬送されてきたコイルセグメントがセグメント保持部に順次挿入されるので、多層のコイルセグメントからなるコイルを容易にかつ迅速に組立てることができる。
本発明によれば、さらにまた、各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部とこれら1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを順次搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送された複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されており、中心軸の回りを回転可能なセグメント配置体と、セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に複数のコイルセグメントの各々の1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されたガイド手段と備えたコイル組立装置を備えている回転電機の製造装置が提供される。
セグメント配置体には複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されている。このため、コイルセグメントを円環状に配列されたセグメント保持部に放射方向外側からスムーズに挿入することができ、これらコイルセグメントを容易に円環状に配列することができる。さらに、ガイド手段が、セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に、コイルセグメントの一方のスロット挿入部を1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、これから第2の所定角度回転した際に、他方のスロット挿入部を他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されている。このため、順次搬送されてきたコイルセグメントは、セグメント配置体の回転に従ってそのままセグメント保持部に案内されて挿入されるので、コイルを円環状に迅速にかつ効率良く組立てることができる。しかも、搬送されてきたコイルセグメントがセグメント保持部に順次挿入されるので、多層のコイルセグメントからなるコイルを容易にかつ迅速に組立てることができる。
本発明によれば、さらに、回転電機の製造装置が、線材を供給する線材供給部と、この線材供給部から供給された直線状の線材を互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部と1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる所定の形状に同一平面内で曲げ加工する1次曲げ部と、1次曲げ部によって曲げ加工された線材を同一平面と垂直な面内において曲げ加工する2次曲げ部と、2次曲げ部によって曲げ加工されたコイルセグメントを回転電機のスロットに対応させて組み立てる上述のコイル組立装置とを備えている。
ガイド手段は1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部がこのガイド手段とセグメント配置体との間を通過し、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部がこのガイド手段のセグメント配置体とは反対側を通過するように構成されていることが好ましい。
この場合、ガイド手段は、ガイド部材からなる1段構成を有していることがより好ましい。
ガイド手段は、外側ガイド部材と、この外側ガイド部材よりセグメント配置体の中心軸に近い側に位置する内側ガイド部材とからなる2段構成を有しており、内側ガイド部材のセグメント配置体における周方向の長さが、外側ガイド部材のセグメント配置体における周方向の長さより短いこともより好ましい。
搬送手段は、1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を把持して搬送し、1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に挿入した状態で他方のスロット挿入部をガイド手段上に載せるように構成されていることも好ましい。
セグメント配置体は中心軸が水平となるように配置されており、ガイド手段がセグメント配置体の上方に配置されていることも好ましい。これにより、コイルセグメントをその自重を利用してセグメント配置体のセグメント保持部に挿入することができる。
セグメント配置体の複数のセグメント保持部は、セグメント配置体の周方向に沿って円環状に配列され放射方向に伸長する複数のブレードによってそれらの間に形成されており、複数のブレードの放射方向の高さが複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることも好ましい。
セグメント配置体の複数のセグメント保持部内に配置された複数のコイルセグメントがこれら複数のセグメント保持部から離脱しないように支持する離脱防止手段をさらに備えていることも好ましい。
離脱防止手段は、セグメント配置体の周面に当接する当接部材を有しており、この当接部材の当接圧が複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることも好ましい。
この場合、当接部材がセグメント配置体の回転に伴って連れ回りするベルト体であることがより好ましい。
セグメント配置体の複数のセグメント保持部に保持された複数のコイルセグメントを、セグメント配置体の中心軸方向に押し出す押し出し機構をさらに備えていることも好ましい。
本発明によれば、コイルセグメントを円環状に配列されたセグメント保持部に放射方向外側からスムーズに挿入することができ、これらコイルセグメントを容易に円環状に配列することができる。さらに、順次搬送されてきたコイルセグメントは、セグメント配置体の回転に従ってそのままセグメント保持部に案内されて挿入されるので、コイルを円環状に迅速にかつ効率良く組立てることができる。しかも、搬送されてきたコイルセグメントがセグメント保持部に順次挿入されるので、多層のコイルセグメントからなるコイルを容易にかつ迅速に組立てることができる。
本発明の第1の実施形態に係る回転電機の製造装置の一部構成を概略的に示す図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において、1番目のコイルセグメントをセグメント保持部に案内及び挿入する動作を示す要部断面図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において、3番目までのコイルセグメントの前脚をセグメント保持部に挿入した状態を示す要部断面図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において、1番目のコイルセグメントの後脚がガイド部材から離れてセグメント保持部に案内される状態を示す要部断面図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において、1〜3番目のコイルセグメントの後脚がセグメント保持部に案内及び挿入されて8〜10番目のコイルセグメントの前脚の上に載り、さらに4番目のコイルセグメントの後脚がガイド部材から離れてセグメント保持部に案内される状態を示す要部断面図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において、1周目のコイルセグメントがセグメント保持部に挿入された状態を示す要部断面図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において、1周目のコイルセグメントがセグメント保持部に挿入された後に2周目の1番目のコイルセグメントの前脚がセグメント保持部に挿入された状態を示す要部断面図である。 第1の実施形態のセグメント搬送手段の構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態のセグメント搬送手段のチャック部が回動した状態を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態のセグメント搬送手段を裏側から見た構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態のコイル組立装置におけるガイド部材とこのガイド部材によって案内されるコイルセグメントとを概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態のコイル組立装置において組立てられる1種類のコイルセグメントの組立順序を説明する展開図である。 第1の実施形態のコイル組立装置全体の構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態のコイル組立装置における押し出し機構及びブレード調整機構の構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態のコイル組立装置におけるブレード調整機構の一部の構成を概略的に示す一部破断斜視図である。 第1の実施形態のコイル組立装置における離脱防止手段を示す概要斜視図である。 第1の実施形態のコイル組立装置における離脱防止手段の構成を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置において、ワーク支持台とコイル組立装置とを連結した状態を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置において、組立コイルをコアへ挿入するための構成を概略的に示す分解斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置における組立コイルの一部を挿入ガイドに挿入した状態で概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置における組立コイルのコアへの挿入が完了する直前の状態を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置における組立コイルのコアへの挿入が完了する直前にカフスサポータを開放した状態を概略的に示す斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置における組立コイルのコアへの挿入が完了した状態を概略的に示す分解斜視図である。 第1の実施形態の回転電機の製造装置における電気的構成を概略的に示すブロック図である。 第1の実施形態のコイル組立装置の制御工程を概略的に示すフローチャートである。 第1の実施形態の変更態様のコイル組立装置において、1番目のコイルセグメントがセグメント保持部に挿入された状態を示す要部断面図である。 本発明の第2の実施形態のコイル組立装置おいて、1番目及び2番目のコイルセグメントがセグメント保持部に挿入された状態を示す要部断面図である。 第2の実施形態のコイル組立装置おいて、3番目までのコイルセグメントの前脚がセグメント保持部に挿入された状態を示す要部断面図である。 第2の実施形態のコイル組立装置おいて、1番目のコイルセグメントの後脚よりも2番目のコイルセグメントの後脚が先にセグメント保持部に挿入される状態を示す要部断面図である。 第2の実施形態のコイル組立装置において、1周目のコイルセグメントがセグメント保持部に挿入された状態を示す要部断面図である。 第2の実施形態のコイル組立装置において組立てられる2種類のコイルセグメントの組立順序を説明する展開図である。 第2の実施形態のコイル組立装置全体の構成を概略的に示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。なお、以下に述べる実施形態は、線材として断面が四角形状の平角線を用いる場合について説明するが、例えば丸形状、正方形形状、多角形状若しくはその他の任意の断面形状の単線、又は撚り線による線材であっても本発明は適用可能である。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係る回転電機の製造装置100は、コイルセグメント成形装置1と、コイルセグメント成形装置1で成形されたコイルセグメントを回転電機の周方向に沿って円環状に配列されたスロットに対応させて組立てて組立コイルを作成するコイル組立装置2とを備えている。コイルセグメント成形装置1は、線材供給部3と、線材供給部3から供給された所定長さの直線状の線材を同一平面(例えば水平平面)内で所定の形状(例えばU字形状)に曲げ加工する1次曲げ部4と、1次曲げ部4で曲げ加工されたコイルセグメント(1次曲げ成形体)をこのコイルセグメントの軸線及び上述の同一平面と垂直な平面(例えば垂直平面)内において曲げ加工する(湾曲形状に成形する)と共にその先端部にコイルセグメントの1対のスロット挿入部が互いにコアの放射方向にずれるための形状(例えば、段差形状、クランク形状)を付与する2次曲げ部5とを備えている。
線材供給部3は、表面が絶縁層で被覆された平角線による線材6が巻かれたボビン7と、ボビン7から線材6を引き出して供給方向を変える供給方向転換部8と、線材6のフラットワイズ面を挟持して搬送する複数のローラ対9aと、線材6のエッジワイズ面を挟持して搬送する複数のローラ対9bと等を有し、長手方向の歪みを矯正する矯正搬送部9と、歪みが矯正された線材6の所定長さに対応する両端部における被覆絶縁層を剥離する剥離部10と、剥離部10を通過した線材6を所定長さ位置で切断する切断部11とを備えている。第1の実施形態における剥離部10はレーザ光で被覆絶縁層を剥離する構成を有し、剥離範囲は次の線材の片側端部の剥離部を含んでいる。従って、切断部11は剥離範囲の中央部で線材6を切断するように構成されている。なお、剥離部10として、レーザ光を用いることなく、機械的な切削又は削り取りで線材6の被覆絶縁層を剥離する構成を用いても良いことはもちろんである。
1次曲げ部4によって曲げ加工された線材6、即ちU字形状に曲げられた1次曲げ成形体は、1次曲げ部4と2次曲げ部5との間に配置された移送機構12によって2次曲げ部5へ移送される。移送機構12はエアシリンダによる1対のチャック部(図示無し)を備えており、この1対のチャック部は1次曲げ成形体の両脚部(1対のスロット挿入部)が曲げによって旋回してくる範囲にチャック片が開放された状態で待機している。チャック部が1次曲げ成形体の両脚部を把持すると、移送機構12は上昇して1次曲げ部4から1次曲げ成形体を外し、2次曲げ部5へ移送する。移送機構12で移送された1次曲げ成形体はその両脚部の端部が保持部材13で保持される。保持部材13は、移送機構12と同様に、エアシリンダによって開閉する1対のチャック部で1対のスロット挿入部を把持する構成を有している。1次曲げ成形体を保持部材13に受け渡した移送機構12が退避してスペース的にコイルエンド部(渡り部)側が開放された状態で、このコイルエンド部に対して2次曲げ部5による湾曲形状の成形及びクランク形状の段差部の形成を含む曲げ加工がなされる。なお、図1に示す構成では、線材供給部3の供給方向転換部8、矯正搬送部9、剥離部10及び切断部11と、1次曲げ部4とが図1(a)にて横方向に一列状に配置され、2次曲げ部5が1次曲げ部4に対して図1(a)にて縦方向(直角方向)に配置され、コイル組立装置2が2次曲げ部5に対して図1(a)にて横方向に配置されているが、これら供給方向転換部8、矯正搬送部9、剥離部10、切断部11、1次曲げ部4、2次曲げ部5及びコイル組立装置2が図1(a)にて横方向に一列状に配置されていても良い。即ち、コイルセグメントの成形部とコイルの組立部との配置の制限、換言すれば、単一の製造装置においてコイル形成が完結する構成であれば、レイアウト上の制限はない。
次に、図2A〜図8を参照して、第1の実施形態のコイル組立装置2のコイルセグメントの組立部の構成及び動作について説明する。
コイル組立装置2は、図3〜図5、及び図8に示すように、コイルセグメント17Sを順次搬送するセグメント搬送手段110(本発明の搬送手段に対応する)と、図2A〜図2F、及び図8に示すように、複数のコイルセグメント17Sを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部109が周方向に沿って円環状に配列されているセグメント配置ドラム105(本発明のセグメント配置体に対応する)と、複数のコイルセグメント17Sを複数のセグメント保持部109にそれぞれ案内して挿入させる1段構成のガイド部材112(本発明のガイド手段に対応する)とを備えている。セグメント配置ドラム105は、その中心軸C(回転軸121)の回りを図示しないインデックス回転駆動機構によって所定角度ずつ回転するように構成されている。ガイド部材112は、セグメント配置ドラム105の上方に配置されており、このセグメント配置ドラム105が第1の所定角度回転する毎に各コイルセグメント17Sの1対のスロット挿入部17b及び17cのうちの一方のスロット挿入部(前脚)17bを1つのセグメント保持部109に案内して挿入させ、この一方のスロット挿入部17bの挿入から第2の所定角度回転した際に、他方のスロット挿入部(後脚)17cを他の1つのセグメント保持部109に案内して挿入させるように構成されている。
コイル組立装置2は、図2A〜図2F、及び図8に示すように、セグメント配置ドラム105の複数のセグメント保持部109内に挿入された複数のコイルセグメントがこれら複数のセグメント保持部109から離脱しないように支持する離脱防止手段106を有している。離脱防止手段106は、セグメント配置ドラム105の周面に沿って当接し、セグメント配置ドラム105の回転に伴って連れ回り(従動回転)する柔軟な当接部材としてのゴム製のベルト107(本発明のベルト体に対応する)を備えている。ベルト107は幅が3cm程度の細幅に形成されており、セグメント配置ドラム105の軸方向の複数箇所(ここでは2箇所)において、セグメント配置ドラム105の周方向の一部を覆うようにループ状に配置されている。ただし、ベルト107は、コイルセグメント17Sが案内される、セグメント配置ドラム105の上方には配置されていない。この離脱防止手段106の構成の詳細については後述する。
セグメント配置ドラム105は、その回転の中心軸Cが水平となり、従って複数のコイルセグメント保持部109が同じく水平となるように配置されている。このセグメント配置ドラム105は、この第1の実施形態では、図2Aにおいて反時計回りに回転可能に支持されている。換言すれば、セグメント配置ドラム105は、その中心軸Cが、2次曲げ部5での曲げ加工が完了した状態のコイルセグメント17Sの軸線方向(スロットへの挿入方向)と略平行となるように水平配置されている。
セグメント配置ドラム105の内部には軸方向に延びる区画壁である複数のブレード108がセグメント配置ドラム105の周方向に沿って円環状に配列され中心軸Cから放射方向に伸長して設けられており、これら複数のブレード108間に複数のセグメント保持部109がそれぞれ形成されている。複数のブレード108の放射方向の高さは、これらが放射方向に摺動することによって可変となっている。これら複数のブレード108の放射方向の高さ、即ちセグメント配置ドラム105の放射方向外側への突出量は、全てのブレード108について同時に調整できるように構成されている。この調整構造については後述する。離脱防止手段106のベルト107は実質的にブレード108に当接している。
2次曲げ部5において曲げ加工が完了したコイルセグメント17Sは、セグメント搬送手段110によって2次曲げ部5から平行移動で搬送され、セグメント配置ドラム105のセグメント保持部109に案内及び挿入される。図3に示すように、このセグメント搬送手段110は、コイルセグメント17Sの1対のスロット挿入部17b及び17cのうちの一方のスロット挿入部(後脚)17cを把持するチャック部111を備えており、セグメント搬送手段110全体が上下方向(Z(−)(+)方向)及び水平方向(X(−)(+)方向)に移動可能となっている。X(−)(+)方向は2次曲げ部5とセグメント配置ドラム105との間をセグメント搬送手段110が行き来する方向である。また、チャック部111は垂直面内をR方向に回動可能となっており、コイルセグメント17Sの一方のスロット挿入部(後脚)17cを把持した状態でその姿勢を変化できるように構成されている。
図3は、2次曲げ部5における曲げ加工が完了し、その押圧治具から解放される前にコイルセグメント17Sがセグメント搬送手段110によって把持されて移動している状態を示している。セグメント搬送手段110のチャック部111は、コイルセグメント17Sのコイル組立装置側(セグメント配置ドラム105側)に向って移動する際に後側となる他方のスロット挿入部(後脚)17cを把持している。コイルセグメント17Sがセグメント配置ドラム105に搬送される前に、図4に示すように、セグメント搬送手段110のチャック部111が上方(R(+)方向)に回動して前側の一方のスロット挿入部(前脚)17bが斜め下になるようにコイルセグメント17Sの姿勢が傾けられる。
このセグメント搬送手段110の構成をより詳細に説明すると、セグメント搬送手段110は、図3及び図4に示すように、図示しない駆動機構により水平方向(X(−)(+)方向)及び上下方向(Z(−)(+)方向)に移動可能に設けられたベース157と、このベース157に回動可能に取付けられたチャック部111と、チャック部111をR(−)(+)方向に回動させる駆動機構158とを有している。駆動機構158は、X(−)(+)方向に平行な回転軸を有するボールネジ部159と、このボールネジ部159に螺合しておりX(−)(+)方向に摺動可能なナット部160と、ボールネジ部159を回転駆動するサーボモータ161と、ナット部160に固定されており、ボールネジ部159の回転に伴ってX(−)(+)方向に移動するスライダ162とを有している。
このスライダ162は上下方向に伸長する長方形状を有しており、その下端部の裏面には、ブラケット163を介して駆動爪164が固定されている。また、ベース157の裏面側には、図5に示すように、円弧状のレール165が固定されており、チャック部111はレール165に嵌合して旋回する旋回ベース166に支持されている。旋回ベース166にはチャック部111を開閉するエアシリンダ167が設けられている。図3及び図4に示すように、旋回ベース166の表面側にはカムフォロア168が設けられており、駆動爪164にはカムフォロア168に係合する凹溝164aが形成されている。駆動機構158のサーボモータ161が動作してスライダ162がX(−)方向に移動すると、チャック部111がR(−)方向に回動し、スライダ162がX(+)方向に移動すると、チャック部111がR(+)方向に回動する。従って、サーボモータ161の動作を制御することにより、コイルセグメント17Sの傾きを変化させることができる。
図2Aに示すように、セグメント配置ドラム105の上方には、セグメント配置ドラム105の周面に沿ったガイド面112cを有しコイルセグメント17Sをセグメント配置ドラム105の所定のセグメント保持部109に案内するガイド部材112が図示されていないフレームに支持されて設けられている。このガイド部材112は、図8に示すように、セグメント配置ドラム105の軸方向に伸長しており、このセグメント配置ドラム105の周面と間隔をおいて配置されている。ガイド部材112は、図6に示すように、複数(この例では3つ)の細幅のガイド片112aと、これらガイド片112aとを互いに離隔させて支持するブラケット112bとを備えている。ブラケット112bはセグメント配置ドラム105の軸方向に沿って設けられており、ガイド片112aはブラケット112bと直交する方向に伸長している。ブラケット112bは、前述したように、図示しないフレームに固定されている。
コイルセグメント17Sは、セグメント搬送手段110のチャック部111で把持された状態でその前脚17bが、図6に示すように、ガイド部材112の下側(ガイド部材112とセグメント配置ドラム105との間)を通り、その後脚17cがガイド部材112の上側(ガイド部材112のセグメント配置ドラム105とは反対側)を通るように搬送される。図2Aに示すように、コイルセグメント17Sの前脚17bが基準点であるセグメント保持部109aの上方に達したときにセグメント搬送手段110が下降するように構成されている。この第1の実施形態における基準点は、セグメント配置ドラム105の上部中央に位置するブレード108とセグメント配置ドラム105の回転方向の下流側に隣接するブレード108との間のセグメント保持部109aに設定されているが、基準点はこれに限定されない。セグメント搬送手段110が下降してコイルセグメント17Sの前脚17bがセグメント保持部109a内に挿入されたことが、ガイド部材112の下面に配置された検知センサ170で検知されると、セグメント搬送手段110のチャック部111がコイルセグメント17Sを解放する。これにより、コイルセグメント17Sの後脚17cはガイド部材112の上に載る。
コイルセグメント17Sの前脚17bがセグメント保持部109a内に挿入されたことが検知されると、セグメント配置ドラム105が1スロット分の第1の所定角度だけ、即ちセグメント保持部109の1つ分の第1の所定角度だけ、図にて反時計回り方向に回転するように制御される(インデックス回転)。コイルセグメント17Sの前脚17bはセグメント保持部109に収容されて拘束されているため、セグメント配置ドラム105が回転すると、そのコイルセグメント17Sの後脚17cはガイド面112cを摺動しながら移動する。セグメント配置ドラム105が1スロット分回転すると、最初の基準点であるセグメント保持部109aの回転方向上流側に隣接するセグメント保持部109bが次に配置されるコイルセグメント17Sの基準点となる。前脚17bが基準点のセグメント保持部109に円滑に挿入されるようにするために、各ブレード108のセグメント配置ドラム105の回転方向における上流側は面取りされてテーパ面108bとなっている。なお、第1の実施形態においては、1周のスロット数が36であるため、セグメント配置ドラム105の1スロット分の角度、即ち第1の所定角度は10度となる。
次に、複数のコイルセグメント17Sがセグメント配置ドラム105の周面の複数のセグメント保持部109内に順次挿入されて配置されていく動作を説明する。なお、図においてはコイルセグメント17Sをその前脚及び後脚の端面のみで表示し、前脚は白抜きで、後脚は×でそれぞれ区別して表示している。
図2Bは、3つのコイルセグメント17Sの前脚17bがそれぞれセグメント配置ドラム105のセグメント保持部109内に挿入され、それぞれの後脚17cがガイド面112c上に載っている状態を示している。図2Bにおいて、符号17b−1、17b−2及び17b−3はそれぞれ1番目から3番目のコイルセグメント17Sの前脚を、17c−1、17c−2及び17c−3はそれぞれ1番目から3番目のコイルセグメント17Sの後脚を示している。
図2Cは、1番目のコイルセグメント17Sの後脚17c−1がガイド部材112から離れて落下する状態を示している。後脚17c−1がガイド部材112から離れたコイルセグメント17Sは、既にセグメント配置ドラム105のセグメント保持部109内に挿入されている前脚17b−1を支点として重力で回動し、後脚17c−1は制御をしなくても自重で所定のセグメント保持部109内に挿入される。この第1の実施形態では、コイルセグメント17Sの幅により、前脚17b−1が挿入されたセグメント保持部109から数えてセグメント配置ドラム105の回転方向上流側に8番目のセグメント保持部109に後脚17c−1が挿入される。換言すれば、セグメント配置ドラム105が8スロット分の第2の所定角度だけ、即ちセグメント保持部109の8つ分の第2の所定角度だけセグメント配置ドラム105が回転すると、後脚17c−1がセグメント保持部109内に挿入される。なお、セグメント保持部109内に挿入された前脚の、セグメント配置ドラム105の周面に対する姿勢は、インデックス回転が進行するにつれてその相対角度が小さくなっていく、即ちその姿勢が周面と平行に寝ていく。この第1の実施形態においては、1周のスロット数が36であるため、セグメント配置ドラム105の8スロット分の角度、即ち第2の所定角度は80度となる。ただし、この第2の所定角度は、コイルセグメントのコイル幅に応じて異なる。
図2Dは、1〜3番目のコイルセグメント17Sの後脚がセグメント保持部に案内及び挿入されて8〜10番目のコイルセグメント17Sの前脚の上に載り、さらに4番目のコイルセグメント17Sの後脚がガイド部材112から離れた状態を示している。図2Dから明らかにように、例えば、1番目のコイルセグメント17Sの後脚17c−1は、8番目のコイルセグメント17Sの前脚17b−8の上に挿入されて配置される。これは、図2Aに示すように、コイルセグメント17Sの渡り部17aに形成された段差17a−1によって後脚17c−1がセグメント配置ドラム105の放射方向外側にずれることによる、いわゆるレーンチェンジが可能であるからである。換言すると、1番目のコイルセグメント17Sの前脚17b−1は1層目に配置され、後脚17c−1は2層目に配置されることになる。
同様の動作が行われて、全てのコイルセグメント17Sの後脚についての1周目の挿入及び配置が完了すると、図2Eに示すように、コイルセグメント17Sの2層の配置が完了する。全てのコイルセグメント17Sについて1周目の配置が完了すると、図2Fに示すように、2周目の1番目のコイルセグメント17Sの挿入及び配置が始まる。なお、2周目の挿入及び配置が始まる前に各ブレード108がセグメント配置ドラム105の放射方向外側に突出される。ブレード108の突出量は、既に挿入されているコイルセグメントの合計厚さよりも大きくなるように設定される。コイルセグメントの合計厚さに対するブレード108の突出量の裕度(高さYt)は、コイルセグメント17Sの前脚及び後脚を安定して挿入及び配置できかつ新たな挿入を阻害しない範囲であり、例えば、4mmである。
ブレード108の突出動作が完了した状態で、2周目のコイルセグメント17Sの1番目の前脚17b−1が基準点のセグメント保持部109aに挿入され、後脚17c−1はガイド部材112上に載る。その後、1周目と同じように順次コイルセグメント17Sが挿入されて行き、セグメント配置ドラム105が1回転すると2周目の挿入及び配置が完了し、配置済みのコイルセグメント17Sは4層となる。ブレード108を最初から目的の層の厚みに対応した突出量としておくとセグメント保持部が深くなって円滑な挿入動作が阻害されるため、上記のように層厚みに対応した段階的な突出動作としている。層が増えていくとセグメント配置ドラム105の周面の径が変化するため、ブレード108の突出動作に対応して、後述するように、ブレード108に対するベルト107の当接圧を一定に保つための調節が行われる。
上述した第1の実施形態においては、コイル組立装置2に供給されるコイルセグメントが、図7に示すように、基本的に同じ形状のコイルセグメント17Sを同じパターンで順次並べた配列となっている。即ち、10個のコイルセグメントを単純に配列して展開すると、1番目〜3番目のコイルセグメントの後脚が、8番目〜10番目のコイルセグメントの前脚の上にそれぞれ配置されることとなる。
以上述べたように、この第1の実施形態によれば、所定の形状に曲げ加工がなされたコイルセグメント17Sを曲げ加工時の水平に寝た状態のまま水平に配置したセグメント配置ドラム105の上方に搬送し、セグメント配置ドラム105を所定角度ずつ回転させながらコイルセグメント17Sをセグメント保持部に連続的に挿入するように構成している。このように、セグメント配置ドラム105を水平状態に配置し、その上方からコイルセグメント17Sを案内しているので、コイルセグメント17Sの前脚だけをセグメント配置ドラム105の所定のセグメント保持部に挿入すれば、後脚は自重で自動的に挿入される。このため、従来に比べて自動化が容易であり、迅速にかつ効率良くコイルを組み立てることができる。
次に、図3〜図6及び図8〜図12に基づいて、この第1の実施形態のコイル組立装置2の具体的な構成について詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、コイル組立装置2は、ベース116と、このベース116上にその回転の中心軸Cである回転軸121が水平となるように配置され、回転可能に支持されたセグメント配置ドラム105と、ベルト107を有する離脱防止手段106と、セグメント配置ドラム105を回転駆動する駆動源であるサーボモータ117と、ブレード108の突出量を変更するブレード調整機構118と、セグメント配置ドラム105の円環状に配列されたセグメント保持部109に挿入され保持された所定数(第1の実施形態では36個)のコイルセグメントからなる組立コイルを、セグメント配置ドラム105の軸方向に押し出す押し出し機構119と、セグメント配置ドラム105を挟んで押し出し機構119の反対側に配置されたワーク支持台120と、前述したセグメント搬送手段110と、1段構成のガイド部材112とを有している。
セグメント配置ドラム105は、その回転軸121を回転中心として回転可能に支持されている。このセグメント配置ドラム105の組立コイル押し出し方向(P(+)方向)と反対側には、回転軸121を支持する円板状の軸受122が配置されており、さらに、この回転軸121には大径ギア123が同軸に固定されている。この大径ギア123にはサーボモータ117の回転軸に固定された図示しない小径ギアが噛合されている。従って、サーボモータ117が回転すると、回転軸、小径ギア及び大径ギア123を介してセグメント配置ドラム105が回転駆動される。これら小径ギア及び大径ギア123の噛合による減速構造により、サーボモータ117によるセグメント配置ドラム105のインデックス回転の精度を上げることができる。
軸受122は、ベース116に底部が固定された受け部124に支持されており、これによってセグメント配置ドラム105は片持ち支持されている。ただし、セグメント配置ドラム105のコイルセグメント17Sが配置される部分が前述したように離脱防止手段106で保持されているので、このセグメント配置ドラム105は安定した回転が可能となる。サーボモータ117と、サーボモータ117の回転軸と、この回転軸に固定された小径ギアと、この小径ギアに噛み合う大径ギア123と、サーボモータ117を制御する後述の制御部49とにより、コイルセグメント17Sの前脚17bが配置される毎にセグメント配置ドラム105を所定角度(第1の所定角度)ずつ回転させるインデックス回転機構が構成される。
ブレード調整機構118は、図9及び図10に示すように、セグメント配置ドラム105の回転軸121と平行な回転軸を有するボールネジ部125と、このボールネジ部125に螺合しており回転軸と平行なP(−)(+)方向に摺動可能なナット部126と、ボールネジ部125を回転駆動するサーボモータ127と、基部がナット部126に固定されており、ボールネジ部125の回転に伴ってP(−)(+)方向に摺動するスライド部材128と、回転軸121に固定され、スライド部材128の先端部の凸部が係合する係合部129と、セグメント配置ドラム105の内部において回転軸121に固定された複数(図示の例では2つ)の中空の円錐カム130(図10参照)とを有している。
スライド部材128は、ナット部126に固定された基部と、この基部からボールネジ部125に沿って伸長する互いに平行な1対のアーム128a及び128bとを有している。1対のアーム128a及び128bの先端には内側に突出した1対の凸部がそれぞれ形成されており、これら1対の凸部が係合部129の環状溝129aにカムフォロア式に係合されている。これにより、回転軸121と係合部129とが共に回転している場合にも、スライド部材128と係合部129とは低摩擦下で連結された状態となっている。従って、サーボモータ127が回転してボールネジ部125が回転し、これによりナット部126及びスライド部材128がボールネジ部125に沿って摺動すると、その摺動に合わせて回転軸121がその摺動方向に移動することとなる。
図10に示すように、セグメント配置ドラム105の各ブレード108には斜めに延びる溝108aが形成されており、この溝108aに円錐カム130は摺動可能に挿入されている。従って、サーボモータ127が回転して回転軸121がP(−)方向に移動するとブレード108がセグメント配置ドラム105の放射方向外側に向って突出し、回転軸121がP(+)方向に移動するとブレード108がセグメント配置ドラム105の放射方向内側に向って引込まれることとなる。このように、サーボモータ127の回転量及び回転方向を制御することでブレード108の突出量を調整することができる。
押し出し機構119は、図8に示すように、回転軸121と平行な回転軸を有するボールネジ部131と、このボールネジ部131に螺合しておりP(−)(+)方向に摺動可能なナット部132と、ボールネジ部131を回転駆動するサーボモータ133と、ナット部132に固定されており、ボールネジ部131の回転に伴ってP(−)(+)方向に移動するスライド部材134と、セグメント配置ドラム105の周面に軸方向(P(−)(+)方向)に摺動可能に配置され、スライド部材134が係合する押圧リング135とを有している。
スライド部材134は、ナット部132に固定された基部と、この基部からボールネジ部131に沿って伸長する互いに平行な1対のアーム134a及び134bとを有している。1対のアーム134a及び134bの先端には内側に突出した1対の凸部がそれぞれ形成されており、これら1対の凸部が押圧リング135の環状溝135aにカムフォロア式に係合されている。これにより、押圧リング135がセグメント配置ドラム105の周面との摩擦で回転してもスライド部材134と押圧リング135とは低摩擦下で連結された状態となっている。従って、サーボモータ133が回転してボールネジ部131が回転し、これによりナット部132及びスライド部材134がボールネジ部131に沿って摺動すると、その摺動に合わせてセグメント配置ドラム105がその摺動方向に移動することとなる。
ワーク支持台120は、ベース136と、このベース136に支柱137を介して固定されたV字状の凹部138aを有するワーク載置部138と、ベース136の上面両側に形成された一対のレール136aとを有している。
離脱防止手段106は、図11及び図12に示すように、セグメント配置ドラム105の放射方向の側部にこのセグメント配置ドラム105を挟んで互いに対向して配置されかつ上下方向に伸長する1対のアーム139A及び139Bを有している。これら1対のアーム139A及び139Bは、それぞれの略中央部に設けられた軸140をアーム支点として回動可能に支持されており、それらの上端部がセグメント配置ドラム105の周面に接離できるように構成されている。アーム139Aの下端部はP(−)(+)方向と直交する方向に摺動するラック部材141Aにカムフォロアを介して連結されており、アーム139Bの下端部はP(−)(+)方向と直交する方向に摺動するラック部材141Bにカムフォロア連結されている。ラック部材141A及びラック部材141Bは共にピニオンギア142に噛合しており、このピニオンギア142を介して連結されている。ラック部材141Aはサーボモータ143に連結されており、このサーボモータ143が回動することにより、ラック部材141Aのみならずラック部材141Bも摺動し、その結果、1対のアーム139A及び139Bが同期して回動する。
1対のアーム139A及び139Bの上部にはこれら1対のアームに垂直に交わるようにそれぞれ固定された1対の水平バー144が設けられている。これら1対の水平バー144の各々の両端部には、1対のホルダ145がそれぞれ固定されている。従って、1対の水平バー144の両端部に、計2対のホルダ145が設けられていることとなる。これら2対のホルダ145には、それぞれ、ベルト用の2対の可動プーリ146が回転自在に支持固定されている。離脱防止手段106のフレームには、2つの固定プーリ147が回転自在に支持固定されており、2つの小径の固定プーリ148が回転自在に支持固定されており、さらに、テンションプーリ149がこれら固定プーリ148間に回転自在に支持固定されている。これら2つの固定プーリ147、2つの小径の固定プーリ148、及びテンションプーリ149は、2対の可動プーリ146に対応して、もう1組設けられている。
セグメント配置ドラム105の軸方向に並んで配置された1対のベルト107のうちの一方のベルトは、ホルダ145に固定された可動プーリ146と、2つの固定プーリ147と、2つの小径の固定プーリ148と、テンションプーリ149とに掛けまわされ、セグメント配置ドラム105の下側周面を覆うように構成されている。テンションプーリ149は、その支持軸150を介してエアシリンダ151に接続されている。エアシリンダ151の動作でテンションプーリ149が上下方向に変位することでセグメント配置ドラム105の周面に対するベルト107の当接圧を可変調整することができる。1対のベルト107の他方のベルトも同様の構成を有しており、同様の動作が行われるように構成されている。
1対のアーム139A及び139Bの各々には、上下方向に離隔して複数のネジ孔139aが2列で形成されており、これによって水平バー144の上下方向の固定位置を調整できるように構成されている。図12に示すように、水平バー144の各々には、上下方向に延びる長穴形状の2つの固定用孔144aが形成されており、これら固定用孔144aを挿通するネジ144bによって、水平バー144は、上下方向に微調整可能にアーム139A又は139Bに固定される。水平バー144の上下方向の固定位置調整を行うことによって、セグメント配置ドラム105の径の変化に対応することができる。なお、1対のベルト107のセグメント配置ドラム105の周面に対する当接圧調整は、各ベルト毎に独立して調整可能である。
次に、この第1の実施形態の回転電機の製造装置において、セグメント配置ドラム105で組立てられたコイルをコア152内に挿入する構成及び動作について説明する。
コイル組立装置2においては、上述したように、セグメント配置ドラム105の周面に複数のコイルセグメント17Sが配置されてコイルの組立てが行われる。次いで、組立てられたコイルが回転電機のコア152内に挿入される。その場合、まず、コア152をセットしたワーク支持台120が、コイル組立装置2のベース116に連結される。図13は、ワーク支持台120にコア152をセットし、セグメント配置ドラム105上の組立コイルをコア152内に挿入できるようにワーク支持台120をベース116に連結した状態を示している。即ち、ワーク支持台120をベース116から離隔させた状態でワーク載置部138にコア152を載置し、挿入ガイドユニット153を支持するカフスサポータ154をワーク支持台120のP(−)方向からレール136aを介して移動させてリング形状をなす挿入ガイドユニット153とコア152とを連結する。その後、セグメント配置ドラム105に挿入ガイドユニット153が対向するように、コイル組立装置2のベース116にワーク支持台120を連結する。なお、図13においては、ガイド部材112は図示を省略している。
挿入ガイドユニット153は、図14に示すように、セグメント配置ドラム105と対向する側にカフスサポータ154を有し、反対側にコア152と嵌合する凹部153aを有している。カフスサポータ154は、コア152の各スロットに挿入された絶縁紙のカフス部155を保護するためのものであり、周方向に沿って放射状に配置された複数の突起154a間に、コア152のカフス部155が挿入されるように構成されている。複数の突起154aは、図示されていない駆動機構によって放射方向に同時に摺動できるように構成されている。
セグメント配置ドラム105において、所定数のコイルセグメント17Sによる所定数層の挿入が行われてコイル組立が完了すると、押し出し機構119のサーボモータ133が回動し、スライド部材134がP(+)方向に移動して押圧リング135がセグメント配置ドラム105の周面に沿ってP(+)方向に移動する。押圧リング135のP(+)側には、組立コイルのコイルエンド部(渡り部)側を周方向全体に亘って収容する凹部が設けられている(図示無し)。この凹部にコイルエンド部が収容された組立コイルは、セグメント配置ドラム105の周面に沿って移動し、図15に示すように、組立コイルのコイルエンド部(渡り部)が挿入ガイドユニット153に挿入される。即ち各コイルセグメント17Sの前脚及び後脚の端部が挿入ガイドユニット153の各突起154a間に入り込む。セグメント配置ドラム105のブレード108に組立コイルのコイルエンド部(渡り部)が干渉する直前のタイミング、又は押圧リング135が離脱防止手段106に突き当たる直前のタイミングでサーボモータ133がその回転動作を停止し、押圧リング135の移動が停止する。
組立コイルのコイルエンド部(渡り部)が挿入ガイドユニット153に挿入されていることにより、セグメント配置ドラム105は両持ち支持の状態となる。この両持ち支持状態で、ブレード調整機構118のサーボモータ117が回転動作し、スライド部材128(図9参照)がP(+)方向に移動してブレード108がセグメント配置ドラム105の周面から突出しない状態、即ち押圧リング135の移動を妨げない位置に退避する。また、離脱防止手段106のサーボモータ143(図11参照)が回転動作して2対のアーム139A及び139Bがセグメント配置ドラム105の周面から放射方向外側に離れるように開き、セグメント配置ドラム105に対するベルト107の当接状態が解除される。その後、押圧リング135の移動に邪魔にならないように、離脱防止手段106が下降せしめられる。
離脱防止手段106が下降した後、押圧リング135がP(+)方向に移動されて組立コイルのコア152への挿入が進行する。図16に示すように、組立コイルのコイルエンド部(渡り部)がカフスサポータ154に当接する直前に押圧リング135の移動が停止され、図17に示すように、カフスサポータ154の全ての突起154aを放射方向外側に移動されることにより、カフスサポータ154が外側に開かれる。
その後、押圧リング135を所定位置まで前進させ、組立コイルのコイルエンド部(渡り部)がカフスサポータ154に当接する手前でこの押圧リング135の移動を停止させる。この押圧リング135の移動停止のタイミング、及びカフスサポータ154が開いた後に押圧リング135を所定距離前進させて停止させる移動停止のタイミングは、制御手段49のメモリにあらかじめ記憶されている数値に基づいて行われる。挿入完了後、押し出し機構119の動作により押圧リング135は元の位置(初期位置)に戻される。図18は、コア152に組立コイルの挿入が完了した状態を示している。
以上述べたように、この第1の実施形態によれば、セグメント配置ドラム105上に複数のコイルセグメントを配置して組み立てられた組立コイルをセグメント配置ドラム105の軸方向に押し出すことでコア152への挿入ができる。従って、治具からセグメント組立体を引き抜いた後、治具とコアとを交換してからセグメント組立体をそのコアに挿入するような手順が不要であり、回転電機の製造における作業効率を大幅に向上させることができる。即ち、第1の実施形態の構成によれば、コイルセグメントの組立が完了したらそのままの状態で直ちにコア152に挿入する動作に移行することができ、治具とコアとを交換する等の不要な時間を省略することができる。
図19には、本実施形態における回転電機の製造装置の電気的構成が示されている。同図に示すように、タッチパネル等の入力及びディスプレイ手段を含むヒューマンマシンインターフェース(HMI)45によって、線材の成形加工のための制御データの入力、メモリに記憶されている制御データの読み出し指示、メモリに記憶されている制御データの修正指示、NC制御の開始指示、又はNC制御の終了指示等が入力される。HMI45はイーサネット(登録商標)を介してプログラマブルロジックコントローラ(PLC)46に接続され、PLC46にはCC−Link等の高速ネットワークで第1のNCコントローラ47及び第2のNCコントローラ48が接続されている。PLC46は、種々の形状のコイルセグメントを成形するため、成形したコイルセグメントを組合わせて組立コイルを作成するため、及び組立コイルをコアに挿入するための制御データと制御プログラムとを少なくとも記憶するメモリとセントラルプロセッシングユニット(CPU)と入出力インタフェースとを備えており、CPUがそのプログラムに従って指示された制御データを第1のNCコントローラ47及び第2のNCコントローラ48へ転送する機能を有している。第1のNCコントローラ47は、1次曲げ部4における線材の長さ、コイルセグメントの頂部角度、ピッチ、及びコイルセグメントの肩部角度等の制御データ、及び多軸制御実行についてのデータ展開を行い、さらに、2次曲げ部5における渡り部17aの湾曲形状の成形及びクランク形状の段差部の形成等の制御データ、及び多軸制御実行についてのデータ展開を行う。第2のNCコントローラ48は、コイル組立装置2におけるコイル組立及び組立コイルのコアへの挿入等の制御データについてデータ展開を行う。PLC46と第1のNCコントローラ47及び第2のNCコントローラ48とにより、線材供給部3、1次曲げ部4、2次曲げ部5及びコイル組立装置2を制御する制御部49が構成されている。
第1のNCコントローラ47は、サーボリンク構成用の光通信ケーブル50を介して、線材供給部3、1次曲げ部4及び2次曲げ部5に接続されている。これら線材供給部3、1次曲げ部4及び2次曲げ部5においては、光通信ケーブル50に複数の増幅及び駆動回路が接続されており、これら複数の増幅及び駆動回路に複数のサーボモータがそれぞれ接続されている。複数の増幅及び駆動回路には、複数のサーボモータに機械的に連結されたエンコーダからの信号線がそれぞれ接続されている。
第2のNCコントローラ48は、サーボリンク構成用の光通信ケーブル51を介して、コイル組立装置2に接続されている。本実施形態において、コイル組立装置2は、セグメント配置ドラム105のインデックス回転駆動機構、離脱防止手段106、セグメント搬送手段110、ブレード調整機構118及び押し出し機構119を備えており、光通信ケーブル51には、インデックス回転駆動機構のサーボモータ117の増幅及び駆動回路、離脱防止手段106の1対のアーム139A及び139Bを開閉するためのサーボモータ143の増幅及び駆動回路、セグメント搬送手段110のチャック部111を回動させるためのサーボモータ161の増幅及び駆動回路、ブレード108の突出量を調整するためのサーボモータ127の増幅及び駆動回路、組立コイルを押し出すためのサーボモータ133の増幅及び駆動回路、エアシリンダ151及び167の駆動回路が接続されている。複数のサーボモータの増幅及び駆動回路には、複数のサーボモータに機械的に連結されたエンコーダからの信号線がそれぞれ接続されている。
PLC46及び第2のNCコントローラ48は、図20のフローチャートに示すステップに基づいてコイル組立装置2におけるコイルセグメントの挿入動作及び組立コイルのコア152への挿入動作を制御する。以下、図20のフローチャートを用いて、コイル組立装置2における動作を詳細に説明する。
まず、PLC46は、セグメント配置ドラム105へのコイルセグメントの配置数及び層数、インデックス回転量、離脱防止手段106のアーム139A及び139Bの回動量、ブレード108の突出量、及び押圧リング135の移動量等に関する一連の制御データをメモリから読み出し、第2のNCコントローラ48へ出力する(ステップS1)。
第2のNCコントローラ48は、これにより受信した制御データを展開し、指定されたアドレスの駆動機構のNC制御を実行する。まず、セグメント配置ドラム105の周面にコイルセグメント17Sを配置させるためのインデックス制御を行う(ステップS2)。1番目のコイルセグメント17Sがセグメント搬送手段110で搬送され、その前脚がセグメント配置ドラム105の基準点のセグメント保持部109a内に挿入されたことが検知センサ170で検知され、その信号がPLC46から送信された場合、サーボモータ117を回転駆動して1スロット分(この第1の実施形態では10度)だけセグメント配置ドラム105を図2Aに示す反時計回り方向に回転させる。この動作を順次繰り返し、所定周分のコイルセグメント17Sの配置が完了した際にサーボモータ127を回転駆動してブレード108を所定量突出させる(ステップ3)。
この第1の実施形態における検知センサ170は、レーザ等を用いた距離判別センサであることが望ましい。即ち、図2Aに示すように、ガイド部材112の下面にレーザ発光部とレーザ受光部と配置し、発光部から基準点のセグメント保持部へレーザ光を照射し、レーザ受光部でその反射光を受光することにより距離を判別する。PLC46は判別した距離から1周目のコイルセグメントが挿入されたか、2周目以降のコイルセグメントが挿入されたかを判別することができ、その結果を第2のNCコントローラ48へ送信する。また、この距離判別センサと共に、例えばカラー光を発光及び受光するセンサを設けても良い。即ち、ガイド部材112の下面に、距離判別センサと並べて、セグメント配置ドラム105の軸方向に伸長したライン形状の発光部と受光部とを備えたカラー光センサを配置し、その発光部から基準点のセグメント保持部へ光を照射し、受光部でその反射光を受光する。PLC46は検知センサ170から出力された反射光のスペクトル光強度を計算し、得られた光強度をあらかじめ記憶されている基準スペクトル光強度範囲と比較する。検出して計算されたスペクトル光強度が設定された許容範囲にある場合は、前脚が正常に挿入されて配置されたと判断し、第2のNCコントローラ48へ送信する。コイルセグメント17Sは一般に銅色でありブレード108やセグメント配置ドラム105の周面の色とは異なるので、前脚以外からの反射光とを区別することができる。なお、前脚が正常に配置されたか否かの判断は、カラーセンサ等の光電センサと、電荷結合素子(CCD)や相補型金属酸化物半導体素子(CMOS)等の撮像素子との組み合わせで行ってもよい。検知方式が異なるセンサの組み合わせによれば、検知誤差を低減することができる。
ステップ2及び3の動作が繰り返して行われ、コイルセグメント17Sがセグメント配置ドラム105に所定層数配置されて組立コイルが形成された場合に、第2のNCコントローラ48は、その組立コイルをコア152に挿入するNC制御を開始する(ステップ4)。即ち、組立コイルをコア152に挿入する制御データを展開して押し出し機構119、ブレード調整機構118、及び離脱防止手段106に出力し、対象となるサーボモータを回転駆動する挿入動作を開始する。
まず、第2のNCコントローラ48は、押し出し機構119のサーボモータ133を回転駆動して押圧リング135をP(+)方向に移動させ、組立コイルのスロット挿入部の端部を挿入ガイドユニット153に挿入させる(ステップ5)。この移動は、組立コイルのコイルエンド部(渡り部)がブレード108に干渉する直前、又は押圧リング135が離脱防止手段106に当接する直前で停止させる。これにより、セグメント配置ドラム105は両持ち支持状態となる。図15がこの状態を表している。
次いで、第2のNCコントローラ48は、ブレード調整機構118のサーボモータ127を回転駆動してセグメント配置ドラム105の周面からブレード108が突出しないように後退させると共に、離脱防止手段106のサーボモータ143を回転駆動してベルト107をセグメント配置ドラム105の周面から離隔させかつ離脱防止手段106を下降させる(ステップ6)。
次いで、第2のNCコントローラ48は、押し出し機構119のサーボモータ133を回転駆動して押圧リング135をP(+)方向に前進させ、組立コイルのコイルエンド部(渡り部)がカフスサポータ154に当接する直前で停止させる(ステップ7)。図16がこの状態を表している。
次いで、第2のNCコントローラ48は、図示しない駆動機構を制御してカフスサポータ154の全ての突起154aを放射方向外側に移動させ、カフスサポータ154を開く(ステップ8)。図17がこの状態を表している。
次いで、第2のNCコントローラ48は、押し出し機構119のサーボモータ133を回転駆動して押圧リング135を所定の位置まで前進させ、これによりコア152への組立コイルの挿入、即ちコア152のスロットにおけるコイルセグメントの円環状の挿入、が完了する(ステップ9)。挿入後、押圧リング135は元の位置に戻される。図18がこの状態を表している。
次に、以上述べた第1の実施形態の変更態様を説明する。第1の実施形態においては、図2Aに示すように、コイルセグメント17Sの渡り部17aにおける段差形状がセグメント挿入部側から見て右上がりの場合であり、セグメント配置ドラム105が図にて反時計回りに回転するように構成され、ガイド部材112も左下がりに構成されているが、コイルセグメント17S′の渡り部17a′における段差形状がセグメント挿入部側から見て右下がりの場合、このコイルセグメント17S′を組立てるコイルセグメントの組立部の構成は、図21に示すように、セグメント配置ドラム105′の構成、そのブレード108′の構成、及びセグメント保持部109′の構成等が第1の実施形態の場合と逆(勝手違い)となる。また、セグメント配置ドラム105′が図にて時計回りに回転するように構成され、ガイド部材112′も右下がりに構成される。また、図示されていないが、セグメント搬送手段の構成も逆となる。この変更態様におけるその他の部分の構成、動作及び作用効果は、第1の実施形態の場合と同様であるため、説明は省略する。
次に、本発明の第2の実施形態に係る回転電機の製造装置について、図22A〜図24を参照して説明する。この第2の実施形態においては、図22A〜図22D、及び図24に示すように、コイル組立装置のガイド手段が2段構成となっており、コイルセグメントの渡り部形状及びコイル幅が互いに異なる2種類のコイルセグメントについても組立できる構成となっている。第2の実施形態におけるその他の部分の構成、動作及び作用効果は、第1の実施形態の場合と同様であるため、説明は省略すると共に、同じ構成要素については同じ参照符号を用いて説明する。
図22A及び図24に示すように、この第2の実施形態におけるガイド手段113は、外側ガイド部材114と、この外側ガイド部材114よりセグメント配置ドラム105の中心軸Cに近い側に位置する内側ガイド部材115とからなる2段構成を有している。これら外側ガイド部材114及び内側ガイド部材115は、セグメント配置ドラム105の上方に配置されている。外側ガイド部材114及び内側ガイド部材115の各々の構成は、基本的には、図6に示した第1の実施形態におけるガイド部材112の構成と同様である。即ち、複数(この例では3つ)の細幅のガイド片と、これらガイド片とを互いに離隔させて支持するブラケット114b及び115bとを備えており、ブラケット114b及び115bはセグメント配置ドラム105の軸方向に沿って設けられており、ガイド片はブラケット114b及び115bと直交する方向にそれぞれ伸長している。ブラケット114b及び115bは、図示しないフレームに固定されている。ただし、外側ガイド部材114は、スロット挿入部17b及び17c間の距離が大きい、コイル幅大のコイルセグメント17Sを案内するために設けられており、内側ガイド部材115は、スロット挿入部17d及び17e間の距離が小さい、コイル幅小のコイルセグメント17SSを案内するために設けられている。
内側ガイド部材115はそのガイド面115cの周方向の長さが、外側ガイド部材114のガイド面114cの周方向長さよりも短くなるように構成されている。コイル幅大のコイルセグメント17Sは、セグメント搬送手段110のチャック部111で把持された状態で前脚17bが内側ガイド部材115の下側を通り、後脚17cが外側ガイド部材114の上側を通るように搬送される。セグメント配置ドラム105が回転し、前脚17bがセグメント配置ドラム105の上方の基準点のセグメント保持部に達すると下降させられる。コイル幅小のコイルセグメント17SSは、セグメント搬送手段110のチャック部111で把持された状態で前脚17dが内側ガイド部材115の下側を通り、後脚17eが内側ガイド部材115の上側を通るように搬送される。前脚17dは、セグメント配置ドラム105がインデックス回転し、基準点のセグメント保持部に達すると、下降させられる。ガイド部材が2段構成の場合には、検知センサ170は内側ガイド部材115の下面に配置され、コイルセグメント17SSの前脚17dを検知するように構成されている。
なお、この第2の実施形態においては、コイル幅大のコイルセグメント17Sとコイル幅小のコイルセグメント17SSとが交互に供給されてコイル組立が行われる。図22Bは、1番目のコイル幅大のコイルセグメント17Sの前脚17b−1がセグメント配置ドラム105の所定のセグメント保持部109に挿入されかつその後脚17c−1が外側ガイド部材114上に載り、2番目のコイルセグメント17SSの前脚17d−1がセグメント配置ドラム105の次のセグメント保持部109に挿入されかつその後脚17e−1が内側ガイド部材115上に載り、3番目のコイル幅大のコイルセグメント17Sの前脚17b−2がセグメント配置ドラム105のその次のセグメント保持部109に挿入されかつその後脚17c−2が外側ガイド部材114上に載った状態を示している。
コイル幅大のコイルセグメント17Sとコイル幅小のコイルセグメント17SSの交互の配置が進行していくと、図22Cに示すように、2番目のコイル幅小のコイルセグメント17SSの後脚17e−1が、1番目のコイル幅大のコイルセグメント17Sの後脚17c−1よりも先に落下して配置される。後脚の落下がこのようなタイミングで生じるように外側ガイド部材114と内側ガイド部材115との周方向の長さが設定されている。
図22Dは、1周目の配置が完了した状態を示している。ガイド部材を3段以上の構成とし、さらに複雑な配置パターンに対応できるようにすることも可能である。
前述したように、この第2の実施形態においては、コイル組立装置2に供給されるコイルセグメントが、図23に示すように、コイル幅大のコイルセグメント17Sとコイル幅小のコイルセグメント17SSとが交互配列されている。この場合、1番目、3番目に配置するコイル幅大のコイルセグメント17Sの後脚(1)、(3)よりも2番目、4番目に配置するコイル幅小のコイルセグメント17SSの後脚(2)、(4)が先に配置されるような非単純パターンとなる。即ち、10個のコイルセグメント17S及び17SSを配列して展開すると、2番目のコイルセグメント17SS、1番目のコイルセグメント17S、4番目のコイルセグメント17SS、及び3番目のコイルセグメント17Sの後脚が、7番目のコイルセグメント17SS、8番目のコイルセグメント17S、9番目のコイルセグメント17SS、及び10番目のコイルセグメント17Sの前脚の上にそれぞれ配置されることとなる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したにすぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
1 コイルセグメント成形装置
2 コイル組立装置
3 線材供給部
4 1次曲げ部
5 2次曲げ部
6 線材
7 ボビン
8 供給方向転換部
9 矯正搬送部
9a、9b ローラ対
10 剥離部
11 切断部
12 移送機構
13 保持部材
17a、17a′ 渡り部
17b、17c スロット挿入部
17b−1、17b−2、17b−3、17b−8 前脚
17c−1、17c−2、17c−3 後脚
17S、17SS、17S′、17SS′ コイルセグメント
45 HMI
46 PLC
47 第1のNCコントローラ
48 第2のNCコントローラ
49 制御部
50、51 光通信ケーブル
100 回転電機の製造装置
105、105′ セグメント配置ドラム
106 離脱防止手段
107 ベルト
108、108′ ブレード
108a 溝
108b テーパ面
109、109a、109′ セグメント保持部
110 セグメント搬送手段
111 チャック部
112、112′、113 ガイド部材
112a ガイド片
112b、114b、115b、163 ブラケット
112c、114c、115c ガイド面
113 ガイド手段
114 外側ガイド部材
115 内側ガイド部材
116、136、157 ベース
117、127、133、161 サーボモータ
118 ブレード調整機構
119 押し出し機構
120 ワーク支持台
121 回転軸
122 軸受
123 大径ギア
124 受け部
125、131、159 ボールネジ部
126、132、160 ナット部
128、134 スライド部材
128a、128b、134a、134b、139A、139B アーム
129 係合部
129a 環状溝
130 円錐カム
135 押圧リング
136a、165 レール
137 支柱
138 ワーク載置部
138a 凹部
140 軸
141A、141B ラック部材
142 ピニオンギア
144 水平バー
145 ホルダ
146 可動プーリ
147、148 固定プーリ
149 テンションプーリ
150 支持軸
151、167 エアシリンダ
152 コア
153 挿入ガイドユニット
154 カフスサポータ
154a 突起
155 カフス部
158 駆動機構
162 スライダ
164 駆動爪
164a 凹溝
166 旋回ベース
168 カムフォロア
170 検知センサ

Claims (22)

  1. 各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部と該1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを順次搬送する搬送手段と、
    前記搬送手段によって搬送された前記複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されており、中心軸の回りを回転可能なセグメント配置体と、
    前記セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に前記複数のコイルセグメントの各々の前記1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、該一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、前記1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されたガイド手段とを備えており、
    前記ガイド手段は前記1対のスロット挿入部のうちの前記一方のスロット挿入部が当該少なくとも1つのガイド手段と前記セグメント配置体との間を通過し、前記1対のスロット挿入部のうちの前記他方のスロット挿入部が当該ガイド手段の前記セグメント配置体とは反対側を通過するように構成されていることを特徴とするコイル組立装置。
  2. 前記ガイド手段は、単一のガイド部材からなる1段構成を有していることを特徴とする請求項に記載のコイル組立装置。
  3. 前記ガイド手段は、外側ガイド部材と、該外側ガイド部材より前記セグメント配置体の中心軸に近い側に位置する内側ガイド部材とからなる2段構成を有しており、前記内側ガイド部材の前記セグメント配置体における周方向の長さが、前記外側ガイド部材の前記セグメント配置体における周方向の長さより短いことを特徴とする請求項に記載のコイル組立装置。
  4. 前記搬送手段は、前記1対のスロット挿入部のうちの前記他方のスロット挿入部を把持して搬送し、前記1対のスロット挿入部のうちの前記一方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の前記1つのセグメント保持部に挿入した状態で前記他方のスロット挿入部を前記ガイド手段上に載せるように構成されていることを特徴とする請求項からのいずれか1項に記載のコイル組立装置。
  5. 前記セグメント配置体は前記中心軸が水平となるように配置されており、前記ガイド手段が前記セグメント配置体の上方に配置されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のコイル組立装置。
  6. 前記セグメント配置体の前記複数のセグメント保持部は、前記セグメント配置体の周方向に沿って円環状に配列され放射方向に伸長する複数のブレードによってそれらの間に形成されており、該複数のブレードの放射方向の高さが前記複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のコイル組立装置。
  7. 前記セグメント配置体の前記複数のセグメント保持部内に配置された前記複数のコイルセグメントが前記複数のセグメント保持部から離脱しないように支持する離脱防止手段をさらに備えていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のコイル組立装置。
  8. 前記離脱防止手段は、前記セグメント配置体の周面に当接する当接部材を有しており、該当接部材の当接圧が前記複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることを特徴とする請求項に記載のコイル組立装置。
  9. 前記当接部材が前記セグメント配置体の回転に伴って連れ回りするベルト体であることを特徴とする請求項に記載のコイル組立装置。
  10. 前記セグメント配置体の前記複数のセグメント保持部内に保持された複数のコイルセグメントを、前記セグメント配置体の中心軸方向に押し出す押し出し機構をさらに備えていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のコイル組立装置。
  11. 各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部と該1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されたセグメント配置体を用意し、該セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に前記複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に前記複数のコイルセグメントの各々の前記1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を少なくとも1つのガイド手段と前記セグメント配置体との間を通過するように案内して挿入し、前記セグメント配置体が前記一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、前記1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を前記ガイド手段の前記セグメント配置体とは反対側を通過するように、前記複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入することを特徴とするコイル組立方法。
  12. 各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部と該1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを順次搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された前記複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されており、中心軸の回りを回転可能なセグメント配置体と、前記セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に前記複数のコイルセグメントの各々の前記1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、該一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、前記1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されたガイド手段とを備えたコイル組立装置を備えており、
    前記ガイド手段は前記1対のスロット挿入部のうちの前記一方のスロット挿入部が当該少なくとも1つのガイド手段と前記セグメント配置体との間を通過し、前記1対のスロット挿入部のうちの前記他方のスロット挿入部が当該ガイド手段の前記セグメント配置体とは反対側を通過するように構成されていることを特徴とする回転電機の製造装置。
  13. 線材を供給する線材供給部と、該線材供給部から供給された直線状の線材を互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部と該1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる所定の形状に同一平面内で曲げ加工する1次曲げ部と、該1次曲げ部によって曲げ加工された線材を前記同一平面と垂直な面内において曲げ加工する2次曲げ部と、該2次曲げ部によって曲げ加工されたコイルセグメントを回転電機のスロットに対応させて組み立てるコイル組立装置とを備えており、
    前記コイル組立装置が、各々が互いに略平行に延びる1対のスロット挿入部と該1対のスロット挿入部を連結する渡り部とからなる複数のコイルセグメントを順次搬送する搬送手段と、前記搬送手段によって搬送された前記複数のコイルセグメントを放射方向外側からそれぞれ挿入可能な複数のセグメント保持部が周方向に沿って円環状に配列されており、中心軸の回りを回転可能なセグメント配置体と、前記セグメント配置体が第1の所定角度回転する毎に前記複数のコイルセグメントの各々の前記1対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の1つのセグメント保持部に案内して挿入させ、該一方のスロット挿入部の挿入から第2の所定角度回転した際に、前記1対のスロット挿入部のうちの他方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の他の1つのセグメント保持部に案内して挿入させるように構成されたガイド手段とを備えており、
    前記ガイド手段は前記1対のスロット挿入部のうちの前記一方のスロット挿入部が当該少なくとも1つのガイド手段と前記セグメント配置体との間を通過し、前記1対のスロット挿入部のうちの前記他方のスロット挿入部が当該ガイド手段の前記セグメント配置体とは反対側を通過するように構成されていることを特徴とする回転電機の製造装置。
  14. 前記ガイド手段は、単一のガイド部材からなる1段構成を有していることを特徴とする請求項12又は13に記載の回転電機の製造装置。
  15. 前記ガイド手段は、外側ガイド部材と、該外側ガイド部材より前記セグメント配置体の中心軸に近い側に位置する内側ガイド部材とからなる2段構成を有しており、前記内側ガイド部材の前記セグメント配置体における周方向の長さが、前記外側ガイド部材の前記セグメント配置体における周方向の長さより短いことを特徴とする請求項12又は13に記載の回転電機の製造装置。
  16. 前記搬送手段は、前記1対のスロット挿入部のうちの前記他方のスロット挿入部を把持して搬送し、前記1対のスロット挿入部のうちの前記一方のスロット挿入部を前記複数のセグメント保持部の前記1つのセグメント保持部に挿入した状態で前記他方のスロット挿入部を前記ガイド手段上に載せるように構成されていることを特徴とする請求項12から15のいずれか1項に記載の回転電機の製造装置。
  17. 前記セグメント配置体は前記中心軸が水平となるように配置されており、前記ガイド手段が前記セグメント配置体の上方に配置されていることを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の回転電機の製造装置。
  18. 前記セグメント配置体の前記複数のセグメント保持部は、前記セグメント配置体の周方向に沿って円環状に配列され放射方向に伸長する複数のブレードによってそれらの間に形成されており、該複数のブレードの放射方向の高さが前記複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることを特徴とする請求項12から16のいずれか1項に記載の回転電機の製造装置。
  19. 前記セグメント配置体の前記複数のセグメント保持部内に配置された前記複数のコイルセグメントが前記複数のセグメント保持部から離脱しないように支持する離脱防止手段をさらに備えていることを特徴とする請求項12から18のいずれか1項に記載の回転電機の製造装置。
  20. 前記離脱防止手段は、前記セグメント配置体の周面に当接する当接部材を有しており、該当接部材の当接圧が前記複数のコイルセグメントの層数に応じて調整可能に構成されていることを特徴とする請求項19に記載の回転電機の製造装置。
  21. 前記当接部材が前記セグメント配置体の回転に伴って連れ回りするベルト体であることを特徴とする請求項20に記載の回転電機の製造装置。
  22. 前記セグメント配置体の前記複数のセグメント保持部に保持された複数のコイルセグメントを、前記セグメント配置体の中心軸方向に押し出す押し出し機構をさらに備えていることを特徴とする請求項12から21のいずれか1項に記載の回転電機の製造装置。
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