ところで、上述した特許文献1に開示された従来構成にあっては、グレーチング蓋のナット収容部が、ナットの回動操作に用いるボックスレンチを挿入し得る比較的大きな凹状に形成される。こうしたナット収容部には、ハイヒールの踵や杖の先端が嵌まり易いことから、上記のようにキャップが取り付けられるものの、該キャップは、取り付けや取り外しを容易にするため、該ナット収容部に遊嵌状に嵌め込まれるだけであるから、自動車や自転車などの通行による衝撃で浮き上がったり、外れたりする虞があった。さらに、キャップを取り外した際に、紛失してしまうこともあった。また、ナット収容部は、上述したように、グレーチング蓋のバー材を部分的に欠損させて形成されていることから、この部分で強度や剛性などが低下するという問題もある。さらに、前記のようにバー材が部分的に欠損されていることから、グレーチング蓋の美観を損ねることにもなっていた。
本発明は、上述した問題点を解決し得るものであり、凹状のナット収容部を設けないことで通行の安全性を確保し得ると共に、キャップ等の構成部材が外れたりすること無く安定した固定状態が得られ、さらにグレーチング蓋の強度や剛性低下を生じず且つ美観を損ねることも無いグレーチング蓋の固定装置を提供するものである。
本発明は、溝路を構成する左右の側壁上に該溝路の長手方向に沿って対向状に配設されて、グレーチング蓋の左右側縁を支持する左右一対の蓋受枠に、該グレーチング蓋を固定するためのグレーチング蓋の固定装置において、前記左右の蓋受枠に両端が固定されたものであって、該蓋受枠間で下方へ突成されて、該蓋受枠に支持されたグレーチング蓋の下面よりも下方に位置する連結凹部を備え、該連結凹部に固定用ボルトの螺子部が螺着される差渡杆部と、前記差渡杆部の連結凹部に対応するグレーチング蓋の所定部位から下方に突成されたものであって、該連結凹部の直上に位置して、該グレーチング蓋の下面との間に前記固定用ボルトの頭部を収容可能な収容間隙を形成する固定板部を備えると共に、該固定板部に該固定用ボルトの螺子部を挿通可能な挿通孔が形成されてなる連結突部とを備え、前記グレーチング蓋の連結突部の収容間隙に前記頭部が収容され且つ前記螺子部が該連結突部の挿通孔に挿通された固定用ボルトの該螺子部を、前記差渡杆部の連結凹部と螺着させることにより、該連結突部と差渡杆部とを介してグレーチング蓋と蓋受枠とを固定させるものであることを特徴とするグレーチング蓋の固定装置である。
ここで、固定用ボルトの螺子部と差渡杆部の連結凹部とを螺着させる構成としては、該螺子部と連結凹部とを直接的または間接的に螺着する構成が適用できる。例えば、連結凹部が螺子部と螺合する雌螺子孔を備え、該雌螺子孔と螺子部とを螺合させることにより、該連結凹部と固定用ボルトの螺子部とを直接的に螺着させる構成が適用できる。又は、連結凹部が前記螺子部を挿通可能な透孔を備え、該透孔を挿通させた螺子部にナットを螺合させることにより、該連結凹部と固定用ボルトとを間接的に螺着させる構成も適用できる。さらに、前記透孔を備えた連結凹部の下面に、ナットを溶接等により接合した構成としても良い。また、固定用ボルトには、グレーチング蓋を構成する複数のメインバー間を挿通可能な工具を用いることによって、螺回操作できるものが適用され得る。また、蓋受枠としては、グレーチング蓋の左右側縁を乗載する水平縁部を備えた構成のものが適用され得る。
かかる構成にあっては、グレーチング蓋の下方に配した連結突部と差渡杆部の連結凹部とを該連結凹部と固定用ボルトとの螺着により締結させるものであるから、上述した従来構成のような凹状のナット収容部をグレーチング蓋に設ける必要が無く、歩行の際の安全性を向上できる。そして、前記ナット収容部に嵌め込む従来構成のキャップも必要とせず、さらに本構成の構成部材である連結突部と差渡杆部とが固定用ボルトにより締結されることから、該キャップ等の構成部材が自動車等の通行により外れてしまうことも無く、固定した状態で安定して保持され得る。また、前記ナット収容部のようにグレーチング蓋のメインバー等を欠損した部位を形成しないことから、該グレーチング蓋の美観を安定して保つことができると共に、該欠損によるメインバーの強度や剛性低下も生じない。
さらに、上記のように固定用ボルト、連結突部、および差渡杆部の連結凹部がグレーチング蓋の下方に配されることから、該固定用ボルトに比較的サイズの大きいものを使用可能であると共に、連結突部の固定板部および連結凹部も該固定用ボルトに応じたサイズで形成できる。そのため、大きいサイズの固定用ボルトの適用によって、グレーチング蓋と蓋受枠とを一層強固かつ安定して固定できるという利点もある。
上述した本発明のグレーチング蓋の固定装置にあって、上下方向に開口する筒状に形成され、グレーチング蓋の連結突部の収容間隙内に収容可能かつ該収容間隙内で傾倒不能に設けられたものであって、弾性材により形成され、内側に、固定用ボルトの頭部を収容可能な内部収容域を形成する筒壁部と、該筒壁部に上下方向に亘って開口形成され、常態で該固定用ボルトの頭部の外径よりも幅狭であり且つ該筒壁部の弾性変形によって該頭部を前記内部収容域内へ通過可能に拡開される壁面開口部とを具備してなる落下防止筒体を備え、前記落下防止筒体は、その内部収容域内に前記固定用ボルトの頭部を収容させて、前記連結突部の収容間隙内に収容されることにより、該固定用ボルトを、その頭部が該収容間隙内に収容され且つ螺子部が前記挿通孔に挿通された状態で保持するものである構成が提案される。
ここで、落下防止筒体としては、円形や楕円形などの円筒状のもの、四角形や五角形などの多角形筒状のもののいずれであっても良く、筒形状に応じた筒壁部を有する。また、落下防止筒体は、その上下方向を維持して収容間隙内へ収容でき、該収容間隙内に収容された状態で、該収容間隙内で傾倒不能なものである。そして、落下防止筒体の傾倒不能とは、収容間隙内に収容された状態で、傾いて倒れないことを示す。そのため、落下防止筒体は、収容間隙内に収容された状態で、倒れない程度に若干傾けることが可能であっても良い。
かかる構成にあっては、螺子部を連結突部の挿通孔に挿通させ且つ頭部を収容間隙に収容した状態(以下、装着状態という)の固定用ボルトを、内部収容域に該頭部を収容し且つ該収容間隙内に収容された落下防止筒体によって、該装着状態で保持できるものである。すなわち、本構成によれば、固定用ボルトを前記装着状態に装着および装着解除可能な構成であっても、落下防止筒体を前記のように収容間隙内に収容することで、該固定用ボルトを装着状態で保持できる。これは、落下防止筒体が、収容間隙内に収容された状態で傾倒不能であることから、螺子部を挿通孔に挿通された固定用ボルトの頭部を内部収容域に収容することで、該収容間隙内から脱出できなくなることに因る。このように本構成では、施工現場での作業の際に、前記装着状態にセットした固定用ボルトが落下してしまうことが無く、該落下による紛失や作業の繁雑化を生じないという優れた効果を奏し得る。そして、固定用ボルトの落下を防止できることから、施工現場へ運搬する前に、グレーチング蓋の連結突部に固定用ボルトを落下防止筒体と共にセットすることによって、該施工現場での作業負担を軽減することができる。
また、落下防止筒体は、壁面開口部を、その外側から固定用ボルトの頭部に押し付けることにより、該壁面開口部を拡開させて、該頭部を内部収容域内へ収容できる。すなわち、固定用ボルトを前記装着状態とした連結突部の収容間隙に、落下防止筒体を、該固定用ボルトの頭部に壁面開口部を当てるようにして、押し入れることにより、該落下防止筒体の内部収容域に該固定用ボルトの頭部を収容させて、該落下防止筒体を該収容間隙に収容して取り付けることができる。このように落下防止筒体は、比較的容易に取り付けることができ、上記した固定用ボルトの落下防止効果を安定して奏し得る。さらに、グレーチング蓋に配設された連結突部に、固定用ボルトを装着させる構成とすることが可能であることから、製造工程にあって、連結突部をグレーチング蓋に配設する工程の後に、固定用ボルトの装着工程と落下防止筒体の取り付け工程とを実施できる。そのため、前記した連結突部の配設工程を効率化でき、総じて製造工程の時間とコストとを削減できるという優れた利点もある。
上述した本発明のグレーチング蓋の固定装置にあって、落下防止筒体の筒壁部は、その壁面開口部の両側縁の少なくとも一方に、筒内方へ傾斜された傾斜縁部が設けられている構成が提案される。
かかる構成にあっては、上記のように落下防止筒体を収容間隙に収容する際に、固定用ボルトの頭部に、壁面開口部の側縁の傾斜縁部が押し付けられることよって、筒壁部が弾性変形し易くなるため、該壁面開口部が比較的容易に拡開し、該頭部を内部収容域に一層容易に収容できる。さらに、固定用ボルトの頭部を内部収容域に収容した状態では、内方へ傾斜した傾斜縁部によって、側面開口部を拡開させるように筒壁部が弾性変形し難いため、該頭部が内部収容域内で安定して保持され得る。したがって、本構成によれば、固定用ボルトを装着した連結突部の収容間隙に、落下防止筒体を一層容易に取り付けできると共に、該落下防止筒体によって、固定用ボルトを装着状態で一層安定して保持でき、該固定用ボルトの落下防止効果を一層向上できる。
上述した本発明のグレーチング蓋の固定装置にあって、落下防止筒体の壁面開口部は、その上端部に、開口幅がグレーチング蓋を構成するメインバーの幅寸法よりも狭い狭幅口部を備えている構成が提案される。
かかる構成によれば、落下防止筒体が、連結突部の収容間隙に収容された状態で傾いた際に、メインバーが壁面開口部に嵌入してしまうことを可及的に抑制できる。これにより、メインバーが壁面開口部に嵌入することで落下防止筒体が傾倒してしまうことを防止できる。したがって、本構成によれば、固定用ボルトを装着状態で保持して落下を防止するという作用効果が一層安定して発揮され得る。
本発明のグレーチング蓋の固定装置は、上述したように、該グレーチング蓋の下方で固定用ボルトを介して連結突部と差渡杆部とを締結するものであることから、該グレーチング蓋を左右の蓋受枠に安定して固定できる。そして、上述した従来構成のようなナット収容部やキャップ等を要しないことから、歩行の際の安全性を向上でき、かつ固定した状態で安定して保持できる。さらに、グレーチング蓋の美観を保つことができると共に、従来構成のような該グレーチング蓋の強度や剛性の低下を生じない。したがって、本発明の構成によれば、グレーチング蓋を蓋受枠に固定した状態で、比較的長期に亘って安定して保持できる。
本発明にかかる実施例1,2を添付図面に従って説明する。
溝路51は、図1に示すように、断面略U字形のU字溝ブロック52を地盤の所定深さ位置に一列状に埋設して構成される。そして、この溝路51を構成するU字溝ブロック52の左右の側壁53,53の上部には、左右一対の蓋受枠41,41が該溝路51の長手方向に沿って配設される(図5参照)。蓋受枠41は、後述するグレーチング蓋31の左右側縁を乗載して支持する水平縁部42と、該水平縁部42の外端から立ち上がる垂直縁部43とを備えており、断面略L形のスチール鋼からなるアングル材を、U字溝ブロック52の数個分の長さに相当する所定長さに切断されたものである。ここで垂直縁部43は、その高さ寸法がグレーチング蓋31の厚みに略一致するものとなっている。また、こうした溝路51の両側には、タイル等の舗装材60が敷設されており、左右の蓋受枠41,41の各垂直縁部43により溝路51の上方開口部を区画している。
尚、溝路51は、上記したU字溝ブロック52を用いた施工以外に、施工現場で組み付けた型枠へのコンクリート打設により断面略U形に構築されたものであっても良い。また、蓋受枠41は、上記したアングル材以外に、スチール鋼からなる帯板材を断面L形に折曲加工したものであっても良い。さらに、蓋受枠41は、スチール鋼以外に、ステンレス鋼などの金属材を用いることも可能である。
また、左右の蓋受枠41,41に支持されたグレーチング蓋31は、図2に示すように、溝路51の長手方向に所定間隔で並列する複数のメインバー32と、該メインバー32に直交する適数本のクロスバー33と、該クロスバー33に沿って各メインバー32の左右両端部に夫々配設されたサイドバー34とを備えたステンレス鋼製のグレーチングである。このグレーチング蓋31は、図1に示すように、その左右の両側縁が蓋受枠41,41の水平縁部42,42に乗載されることによって、該蓋受枠41,41の垂直縁部43,43により仕切られた溝路51の上方開口部を、通水可能に覆う。
尚ここで、本実施例のグレーチング蓋31は、メインバー32が溝路51の長手方向と略直交する方向(該溝路51の幅方向)に沿って配設されたものである。そして、隣合うメインバー32の間隔が、少なくともハイヒールの踵や杖の先端が嵌まり難い所定間隔(例えば、約9mm)に設定されている。
次に、本発明にかかるグレーチング蓋の固定装置1について詳述する。
本実施例1の固定装置1は、図1に示すように、左右の蓋受枠41,41を連結する差渡杆部21と、グレーチング蓋31の下面から下方へ突出された連結突部11とを備え、該連結突部11と差渡杆部21とを固定用ボルト5で螺合することにより、該グレーチング蓋31を蓋受枠41,41に固定するものである。
上記した連結突部11は、グレーチング蓋31の下面に溶接により接合されて配設されている。ここで、グレーチング蓋31には、図2に示すように、長手方向の両端部に、幅方向に所定間隔をおいて二個の連結突部11が夫々接合されており、合計四個の連結突部11が配設されている。本実施例1の連結突部11は、図3,4に示すように、ステンレス鋼からなる帯板材を断面略U形に折曲加工して成形され、略水平方向に沿った固定板部12と、該固定板部12の両側縁から上方へ起立された側部13,13とから構成される。そして、連結突部11は、各側部13,13の上端部が、グレーチング蓋31の下面(メインバー32の下面)に溶接により接合される。
各連結突部11の固定板部12には、固定用ボルト5の螺子部6を挿通可能な挿通孔14が開口形成されている。ここで、挿通孔14は、グレーチング蓋31の隣合うメインバー32,32の直下に位置するように設けられる。換言すると、各連結突部11は、夫々の挿通孔14が隣合うメインバー32,32の直下に位置するように、グレーチング蓋31の所定部位に接合される。
連結突部11は、固定板部12の上面から側部13,13の上端までの高さが、固定用ボルト5の頭部7の高さ寸法よりも高い所定寸法に設定されており、上記のようにグレーチング蓋31の下面に接合された状態で、該下面と固定板部12とで形成される間隙に、該固定用ボルト5の頭部7を収容可能である(図1参照)。この固定板部12とグレーチング蓋31の下面との間隙が、本発明にかかる収容間隙19である。また、両側の側部13,13の間隔は、収容間隙19内で固定用ボルト5の頭部7を回転できるように、該頭部7の外径よりも大きい所定寸法に設定されている。
尚、本実施例1にあっては、固定用ボルト5の螺子部6が固定板部12の挿通孔14に挿通され且つ頭部7が収容間隙19内に収容された、該固定用ボルト5を連結突部11に装着された状態(以下、装着状態という)で、該螺子部6が挿通孔14から脱出できないように、該収容間隙19の上記した高さ寸法が設定されている。そのため、本実施例1の構成では、図4に示すように、連結突部11が、その挿通孔14に上方から固定用ボルト5の螺子部6を挿通させた状態で、グレーチング蓋31の下面に溶接される。そして、グレーチング蓋31に溶接により配設された連結突部11には、固定用ボルト5が前記装着状態で保持される。
また、本実施例1では、グレーチング蓋31と連結突部11とがステンレス鋼からなるものであり、耐食性が高いことから、後述する蓋受枠41,41のように溶融亜鉛メッキ処理を実施しない。そのため、固定用ボルト5は、その螺子部6を挿通孔14に挿通された状態で、回転容易に保たれる。
上記した固定用ボルト5は、図3に示すように、六角レンチを嵌入可能な六角穴(図示せず)が設けられた頭部7と、頭部7の下端から突出された螺子部6とを備えたものであり、所謂六角穴付きボルトである。そのため、上記したグレーチング蓋31の隣合うメインバー32の間隙に挿通でき且つ挿通した状態で回転できる六角レンチによって、固定用ボルト5を回転操作できる。尚、本実施例にあっては、円板状の座金(図示せず)を備えた座金組込六角穴付きボルトを用いている。
一方、上述した固定装置1を構成する差渡杆部21は、図5に示すように、左右一対の蓋受枠41,41を差し渡すように溝路51の幅方向に沿って配設されて、両蓋受枠41,41を連結する。この差渡杆部21は、スチール鋼からなる帯板材を折曲加工して形成されたものであり、両端に、蓋受枠41の水平縁部42に溶接される接合端部22,22を備えると共に、両側の接合端部22,22間に連結凹部23を備えてなる。連結凹部23は、両側の接合端部22,22の各内端から下方へ延成された垂下部23b,23bと、両側の垂下部23b,23bの下端から水平方向に延成された固定受部23aとから構成されている。そして、この連結凹部23は、溝路51の幅方向に沿った寸法がU字溝ブロック52の側壁53,53の間隔よりも若干短い寸法に設定されている。こうした本実施例1の差渡杆部21は、両側の接合端部22,22が蓋受枠41,41の水平縁部42,42の下面に溶接されて、連結凹部23が蓋受枠41,41の下方に位置することから、蓋受枠41,41が溝路51に配設された状態で、連結凹部23(固定受部23a)が、溝路51の内部に収まる。
差渡杆部21は、両端の接合端部22,22が左右の蓋受枠41,41に溶接されることで、該蓋受枠41,41の間隔を定めるものである。そして、差渡杆部21は、左右の蓋受枠41,41の間隔を、該蓋受枠41,41が溝路51を構成するU字溝ブロック52の側壁53,53上に配置される所定間隔に定めている。これにより、差渡杆部21で連結された左右の蓋受枠41,41は、施工現場で、溝路51の側壁53,53上に容易に位置決めすることができる。
上記の差渡杆部21は、グレーチング蓋31の長手方向の両端部に夫々並設された二個の連結突部11,11の直下に位置するように、蓋受枠41,41に複数配設される(図1,2参照)。そして、差渡杆部21の連結凹部23は、その固定受部23aが、グレーチング蓋31が上述したように左右の蓋受枠41,41に支持された状態で、該グレーチング蓋31に配設された連結突部11の固定板部12の直下に位置して、該固定板部12の上面と略当接する。すなわち、差渡杆部21の連結凹部23は、蓋受枠41,41に支持されたグレーチング蓋31の下面との間隔が、連結突部11の高さ寸法と略同じとなるように設定されている。換言すれば、連結凹部23は、グレーチング蓋31の下面との間隙に連結突部11を収容可能とするように設けられいる。
さらに、差渡杆部21には、連結凹部23の固定受部23aに、上記した固定用ボルト5の螺子部6を螺合する螺子孔26,26が開口形成されている。各螺子孔26,26は、上記したグレーチング蓋31の幅方向に並設された二個の連結突部11,11の挿通孔14,14に対応する所定部位に形成されており、各連結突部11,11が固定受部23aの直上に配置されることで、各挿通孔14,14と上下で重なる(図1参照)。
本実施例1にあって、上述した蓋受枠41,41および差渡杆部21は、スチール鋼から成形されたものであることから、腐食防止と製品としての美観向上とのために、差渡杆部21の両接合端部22,22を左右の蓋受枠41,41の水平縁部42,42に溶接した後に、溶融亜鉛に浸漬されて溶融亜鉛メッキ処理が施される。尚、差渡杆部21の螺子孔26,26には、溶融亜鉛メッキ処理で溶融亜鉛が固着してしまうことから、電動工具(図示せず)に取り付けたタップを挿通させることにより、固着した不要なメッキを除去できる。
次に、上述した実施例1の固定装置1によりグレーチング蓋31を左右の蓋受枠41,41に固定する態様について説明する。
左右の蓋受枠41,41は、上述したように、溝路51を構成するU字溝ブロック52の左右の側壁53,53上に夫々乗載されて、図示しない固定手段により該U字溝ブロック52に固定されて取り付けられる(図5参照)。ここで、左右の蓋受枠41,41は、差渡杆部21で連結されて、側壁53,53上に乗載される間隔で保持されていることから、該側壁53,53上に容易に位置決めすることができ、施工作業の作業性を向上できる。
このように溝路51の側壁53,53に蓋受枠41,41が配設されると、該蓋受枠41,41の水平縁部42,42に、グレーチング蓋31の左右の側縁を乗載して、該グレーチング蓋31を蓋受枠41,41により支持する(図2参照)。ここで、グレーチング蓋31は、各連結突部11の挿通孔14が差渡杆部21の各螺子孔26に上下で重なるように、位置を調整して、蓋受枠41,41に乗載する。これにより、各連結突部11の挿通孔14に挿通された固定用ボルト5の螺子部6の先端が、差渡杆部21の各螺子孔26に当接する。こうしてグレーチング蓋31を配置すると、図示しない六角レンチを用いて、各固定用ボルト5を回転操作する。ここで、各連結突部11の挿通孔14は、上述したように隣合うメインバー32,32間に位置するように設けられていることから、該挿通孔14に螺子部6を挿通させた固定用ボルト5を、該隣合うメインバー32,32の間隙を挿通させた六角レンチにより回転操作することができる。前記六角レンチにより固定用ボルト5を回転操作することで、該固定用ボルト5の螺子部6を差渡杆部21の螺子孔26に螺合させ、固定用ボルト5を差渡杆部21の連結凹部23に螺着させる。これにより、固定用ボルト5を介して連結突部11と差渡杆部21の連結凹部23とを締結させることができる(図1参照)。そして、各連結突部11と差渡杆部21との締結により、グレーチング蓋31を左右の蓋受枠41,41に固定できる。
上述した実施例1の固定装置1にあっては、グレーチング蓋31の下方に配した連結突部11と差渡杆部21の連結凹部23とを固定用ボルト5により締結させるものであり、該グレーチング蓋31のメインバー32の間隙に挿通させた六角レンチによって該固定用ボルト5を回転操作できる。そのため、上述した従来構成のように、グレーチング蓋のメインバーを切断してナット収容部を形成する必要が無く、さらには、該ナット収容部に嵌め込むキャップも必要が無い。而して、本実施例1の構成によれば、歩行の際の安全性を向上できると共に、自動車等の通行によりキャップ等の構成部材が外れてしまうことも無く、グレーチング蓋31を固定した状態で安定して保持され得る。また、本実施例1の構成は、前記従来構成のようにメインバー等が切断されていないことから、グレーチング蓋31の美観を安定して保ち得ると共に、該切断によるメインバーの強度や剛性低下も生じない。また、固定用ボルト5は、前記六角レンチで回転操作できれば、比較的サイズの大きいものを使用可能であると共に、連結突部11と連結凹部23の固定受部23aとは、該固定用ボルト5のサイズに応じて形成できる。これにより、連結突部11の固定板部12と連結凹部23の固定受部23aとを十分な強さで締結できることから、グレーチング蓋31と蓋受枠41,41とを一層強固かつ安定して固定でき、該固定した状態で比較的長期に亘って保持できる。
また、本実施例1の構成は、グレーチング蓋31と連結突部11とがステンレス鋼により形成されたものであり、溶融亜鉛メッキ処理などの防錆処理を必要としないことから、該連結突部11の挿通孔14に固定用ボルト5の螺子部6を挿通した状態で、該連結突部11をグレーチング蓋31に溶接できる。これにより、グレーチング蓋31には、固定用ボルト5が上記の装着状態(頭部7を収容間隙19に収容し且つ螺子部6を挿通孔14に挿通した状態)で脱出不能に取り付けられる。かかる構成によれば、施工作業の際に、固定用ボルト5を前記装着状態とする作業を必要としないと共に、施工現場への運搬作業や該施工作業の際に、該固定用ボルト5を落下させて紛失してしまうことも無い。
また、固定用ボルト5を螺着する連結凹部23を備えた差渡杆部21は、左右の蓋受枠41,41を所定間隔をおいて連結するものであり、該間隔が溝路51の側壁53,53の間隔に従って定められていることから、施工の際に、左右の蓋受枠41,41の幅方向の位置決めを容易に行うことができる。さらに、グレーチング蓋31は、各連結突部11に装着した固定用ボルト5の螺子部6を、差渡杆部21の各螺子孔26に合わせるようにして、蓋受枠41,41の水平縁部42,42に乗載することで、容易に位置決めできる。このように、蓋受枠41,41とグレーチング蓋31との位置決め作業を容易に実施できることから、施工作業の作業性を向上できるという利点もある。
実施例2にあっては、グレーチング蓋31と連結突部81とがスチール鋼により形成されたものであり、図6,7に示すように、固定装置71は、連結突部81に固定用ボルト5を装着状態で保持する落下防止筒体101を備えたものである。そして、連結突部81および差渡杆部91とが、落下防止筒体101に応じた形態を成す。実施例2は、これら以外の構成を上述した実施例1と同じとしていることから、同じ構成要素には同じ符号を記し、その説明を適宜省略した。
連結突部81は、スチール鋼からなる帯板材を断面略U形に折曲加工して成形されたものであり、図8に示すように、略水平方向に沿った固定板部82と該固定板部82の両側縁から上方へ起立された側部83,83とから構成される。本実施例2にあっては、側部83,83の高さ寸法が、上述した実施例1よりも高くなっており、固定板部82とグレーチング蓋31の下面との間に形成される収容間隙89が、上述した実施例1に比して高い。ここで、収容間隙89の高さ寸法は、連結突部81をグレーチング蓋31の下面に配設した状態で、固定用ボルト5を上記の装着状態で装着させることができるように設定されており、該固定用ボルト5を該装着状態から脱出させることも可能である。
この連結突部81は、その固定板部82に、上述した実施例1と同様に、固定用ボルト5の螺子部6を挿通可能な挿通孔84が開口形成されている(図9参照)。そして、グレーチング蓋31には、上述した実施例1と同様に、四個の連結突部81が夫々接合されており、各連結突部81に装着した固定用ボルト5を、上述した実施例1と同様に、メインバー32,32の間隙から挿通した六角レンチにより回転操作可能である。
グレーチング蓋31は、スチール鋼から成形されたものであり、上述した実施例1と同様に、メインバー32、クロスバー33、およびサイドバー34とを備えてなる。そして、図9に示すように、グレーチング蓋31の下面に上述した連結突部81が溶接により接合され、溶接後に、上述した実施例1の蓋受枠41と同様に溶融亜鉛メッキ処理を行う。この溶融亜鉛メッキ処理は、固定用ボルト5を装着していない状態で実施する。尚仮に、固定用ボルト5を連結突部81に装着した状態で溶融亜鉛メッキ処理を行うと、溶融亜鉛が該固定用ボルト5の螺子部6に固着して該螺子部6の螺子山が使用できなくなったり、該溶融亜鉛によって該固定用ボルト5が連結突部81に固着してしまう等の不具合が生じ、該固定用ボルト5の回転操作を行えない。
また、本実施例2の固定装置71は、図6〜8に示すように、グレーチング蓋31に接合された連結突部81に装着した固定用ボルト5を装着状態で保持するための落下防止筒体101を備えている。ここで、グレーチング蓋31と連結突部81とは、上述したように、溶接後に溶融亜鉛メッキ処理を施すことから、この処理後に固定用ボルト5を該連結突部81に装着する。そのため、固定用ボルト5を脱着可能であり、該固定用ボルト5を装着状態で保持するために、前記した落下防止筒体101が用いられる。
落下防止筒体101は、図10,11に示すように、上下方向に開口する断面略四角形の筒状をなすものであり、該筒状に形成された筒壁部102と、該筒壁部102に上下方向に亘って開口形成された壁面開口部103とを備えてなる。ここで、筒壁部102は、極薄厚のバネ用ステンレス鋼帯(例えば、SUS304−CSP)を折曲加工することによって前記した四角形筒状に形成され、囲繞した内部の空隙に上記した固定用ボルト5の頭部7を遊嵌可能としている。この筒壁部102の内部空隙が、本発明にかかる内部収容域109である。
この筒壁部102は、周方向の三面を夫々構成する略矩形状の側面部105と、残りの一面を構成する二個の傾斜縁部106とから構成され、これらが周方向に連成されてなる。そして、二個の傾斜縁部106,106は、左右の分離されて、その間に上記の壁面開口部103が形成されており、該壁面開口部103に向かって内方へ傾斜されている。さらに、本実施例にあっては、傾斜縁部106,106が、夫々倒L形状に形成され、壁面開口部103の左右で対向状に設けられている。これにより、壁面開口部103は、開口幅の狭い狭幅口部103bと、広い拡幅口部103aとが上下に連成されてなる。ここで、下側の拡幅口部103aは、その開口幅(左右横方向の幅)が、常態で、固定用ボルト5の頭部7の外径寸法よりも狭く、且つ筒壁部102の弾性変形によって該頭部7を通過可能に拡開され得る所定幅となっている。そして、この拡幅口部103aは、その高さ寸法が固定用ボルト5の頭部7の高さ寸法よりも高く(図8,12参照)、該頭部7を余裕を持って通過できるようになっている。一方、狭幅口部103bは、その開口幅が、常態で、前記拡幅口部103aよりも狭く且つグレーチング蓋31のメインバー32の幅よりも狭くなっており、筒壁部102の弾性変形により拡開しても前記頭部7を通過困難である。そして、この狭複口部103bは、その上下寸法が前記拡幅口部103aよりも短くなっている。
こうした落下防止筒体101は、傾斜縁部106,106が前記のように内方へ傾斜されていることから、外側から内方へ向かって押圧することによって筒壁部102が弾性変形し易く、壁面開口部103が拡開し易い。しかし、逆に内側から押圧しても、壁面開口部103を拡開するように筒壁部102が弾性変形し難い。そのため、固定用ボルト5の頭部7を壁面開口部103を介して内部収容域109に収容し易く、収容後は、該頭部7を該壁面開口部103を介して脱出し難い。
さらに、落下防止筒体101は、連結突部81の固定板部82とグレーチング蓋31の下面とで形成された収容間隙89に、上下方向を保った状態で入出可能であると共に、該収容間隙89内に収容された状態で傾倒不能となっている。すなわち、落下防止筒体101は、その筒壁部102の高さ寸法が、収容間隙89の高さ寸法よりも若干低く、傾けた状態で入出できないように設定されている。
また、本実施例2の落下防止筒体101は、筒壁部102を構成する側面部105に、窓部108が開口形成されている。この窓部108は、筒壁部102の下端から、固定用ボルト5の頭部7の高さ寸法よりも高い位置で開口するように形成されており、後述のように該固定用ボルト5を差渡杆部91の連結凹部93に螺着した状態で、該固定用ボルト5の頭部7の上側で開口する。
上述した落下防止筒体101は、連結突部81に固定用ボルト5を装着して上記の装着状態とした後に、図12,13に示すように、該連結突部81の収容間隙89内に収容されて、該固定用ボルト5を装着状態で保持する。詳述すると、図12(A)および図13(A)のように固定用ボルト5の頭部7が収容間隙89内に収容された状態で、壁面開口部103の両側の傾斜縁部106,106を該頭部7に押し当てて、落下防止筒体101を該収容間隙89に押し入れる。これにより、図12(B)および図13(B)のように、筒壁部102が弾性変形することで壁面開口部103の拡幅口部103aが拡開し、図12(C)および図13(C)のように、該拡幅口部103aを介して、固定用ボルト5の頭部7を内部収容域109に収容できる。そして、これに伴って落下防止筒体101が収容間隙89内に収容される。ここで、落下防止筒体101は、その上下方向を保つことで、前記収容間隙89内に収容され、収容された状態で傾倒できずに保たれる。このように落下防止筒体101が収容間隙89に収容されると、該落下防止筒体101を傾倒不能であることから、該落下防止筒体101の内部収容域109に頭部7が収容されたままで、固定用ボルト5の螺子部6を挿通孔84から取り外すことができず、該固定用ボルト5と落下防止筒体101とを収容間隙89から脱出させることができない。また、上記のように落下防止筒体101の内部収容域109から固定用ボルト5の頭部7を脱出させることが極めて難しいことから、該落下防止筒体101のみを収容間隙89から脱出させることもできない。而して、落下防止筒体101を収容間隙89に収容することによって、固定用ボルト5を連結突部81に装着した状態で保持できる。
尚、落下防止筒体101は、連結突部81の収容間隙89内に収容されることで、内部収容域109内に固定用ボルト5の頭部7を遊嵌し且つ螺子部6を挿通孔84に挿通した装着状態で保持する。そのため、グレーチング蓋31のメインバー32の間隙を挿通させた六角レンチ(図示せず)によって、該固定用ボルト5が回転操作される。
一方、差渡杆部91は、上述した実施例1と同様、図7に示すように、左右の蓋受枠41,41に差し渡されて配設され、両端の接合端部92,92と、該接合端部92,92間の連結凹部93とから構成される。そして、グレーチング蓋31の長手方向の両端部に夫々並設された二個の連結突部81,81の直下に位置するように、蓋受枠41,41に複数の差渡杆部91が配設される。本実施例2の差渡杆部91は、連結凹部93が固定受部93aと垂下部93b,93bとから構成され、該垂下部93bの高さ寸法が、上述した実施例1よりも高く、蓋受枠41,41に支持されたグレーチング蓋31の下面と固定受部93aとの間隔が、連結突部81の高さ寸法と略同じとなるように、設定されている。これにより、グレーチング蓋31が蓋受枠41,41に支持された状態で、各連結突部81の固定板部82が該連結凹部93の固定受部93aの直上に位置して略当接する(図6参照)。
差渡杆部91には、上述した実施例1と同様に、固定受部93aに、固定用ボルト5の螺子部6と螺合する螺子孔96,96が開口形成されている(図6参照)。また、差渡杆部91は、スチール鋼の帯板材を折曲加工して形成されており、左右の蓋受枠41,41に溶接した後に、上述した実施例1と同様に、溶接亜鉛メッキ処理が実施される。
実施例2の固定装置71にあっても、上述した実施例1と同様に、グレーチング蓋31を左右の蓋受枠41,41に固定できる。すなわち、左右の蓋受枠41,41は、溝路51の左右の側壁53,53上に乗載されて固定され、グレーチング蓋31は、その左右側縁が該蓋受枠41,41の水平縁部42,42に乗載されて支持され、各連結突部81の挿通孔84が差渡杆部91の各螺子孔96に上下で重なるように位置調整される。そして、図示しない六角レンチを用いて、各連結突部81に装着された固定用ボルト5を回転操作することで、該固定用ボルト5の螺子部6を差渡杆部91の螺子孔96と螺合させ、該固定用ボルト5を差渡杆部91の連結凹部93に螺着させる。これにより、固定用ボルト5を介して連結突部81と差渡杆部91とが締結されて、グレーチング蓋31を蓋受枠41,41に固定できる。
上述した実施例2の構成にあっては、スチール鋼によりグレーチング蓋31と連結突部81とが形成され、両者を溶接後に溶融亜鉛メッキ処理などの防錆処理を施すことから、該防錆処理の後で該連結突部81に装着された固定用ボルト5を、落下防止筒体101によって該装着状態(頭部7が収容間隙89に収容され且つ螺子部6が挿通孔84に挿通された状態)で保持するものである。このように本構成は、グレーチング蓋31と連結突部81とを接合後に、収容間隙89に固定用ボルト5を装着可能としたものであり、該固定用ボルト5を装着したのみでは該固定用ボルト5が外れ易いものの、前記のように落下防止筒体101をさらに装着することで、該固定用ボルト5を装着状態で保持できる。したがって、本実施例2の構成にあっても、上述した実施例1と同様に、施工作業の際に、固定用ボルト5を前記装着状態とする作業を必要としないと共に、施工現場への運搬作業や該施工作業の際に、該固定用ボルト5を落下させて紛失してしまうことも無い。
さらに、落下防止筒体101は、収容間隙89内に収容された状態で回転可能であるから、壁面開口部103がグレーチング蓋31の幅方向に向いてしまうこともあり得る。このように回転した場合であっても、落下防止筒体101は、その壁面開口部103の上端部に、メインバー32の幅よりも狭い開口幅の狭幅口部103bが設けられていることから、壁面開口部103にメインバー32の下端が嵌まってしまうことを可及的に抑制できる。而して、本構成によれば、メインバー32が落下防止筒体101の壁面開口部103に嵌まることによって、該落下防止筒体101が傾倒してしまうことを防止でき、固定用ボルト5を装着状態で保持するという上述した作用効果が一層安定して発揮される。
また、本実施例2の落下防止筒体101は、側面部105に窓部108を備えていることから、グレーチング蓋31を固定した状態で、該落下防止筒体101の内部収容域109に流入した砂や塵などが、該窓部108を介して排出され得る。これにより、点検などで固定用ボルト5を取り外す際に、六角レンチを該固定用ボルト5の頭部7に嵌め易く、取り外し作業の作業性を向上できる。
また、本実施例2の固定装置71は、落下防止筒体101を備える以外の構成を上述した実施例1と同じとするものであるから、該落下防止筒体101による作用効果の他の作用効果についても、該実施例1と同様の作用効果を奏する。
本発明にあっては、上述した実施例1,2に限定されるものではなく、この実施例以外の構成についても本発明の趣旨の範囲内で適宜変更して実施可能である。
例えば、スチール鋼によりグレーチング蓋と連結突部とを形成した構成であっても、実施例2と同様に、落下防止筒体を装着する構成とすることもできる。すなわち、実施例2の構成は、スチール鋼等のように防錆処理を施す材料で形成した構成に好適であるだけでなく、該防錆処理を必要としない材料(例えば、ステンレス製、アルミ合金製、プラスチック製など)で形成した構成であっても適用でき、同じ作用効果を奏する。
同様に、上述した実施例1,2にあっては、蓋受枠41と差渡杆部21,91とをスチール鋼により形成した構成であるが、これに限定されず、ステンレス鋼やアルミ合金などの他の金属材料から形成した構成であっても良い。尚、ステンレス鋼やアルミ合金などのように防錆処理を必要としない材料で蓋受枠と差渡杆部とを形成した構成の場合には、該蓋受枠と差渡杆部とを防錆処理する工程を省略できる。
また、上述した実施例2にあっては、落下防止筒体を四角形筒状としたものであるが、これに限らず、三角形や五角形などの多角形筒状や、円形や楕円形などの円筒状であっても良い。