JP6611304B2 - 開口部の耐震補強装置及び窓 - Google Patents
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Description
請求項2に記載の発明によれば、建物の開口部に出入りや通風等の窓機能を有しながら、耐震化を図ることができる。
図1に示すように、第1実施の形態にかかる窓1は、家屋の1階にあるテラス窓の開口部3に取り付けて家屋の耐震補強をするものである。開口部3は、左右の柱5a、5bと、上下の構造体7a、7bとで形成してあり、上構造体7aは下から上へ窓まぐさ9、束11及び梁13で構成してあり、下構造体7bは上から下へ窓台15、土台17、基礎19とで構成してあり、開口部3の内周は、左右の柱5a、5b、窓まぐさ9及び窓台17で区画されている。尚、以下に説明する実施の形態において、左は室内側から開口部3を見たときの左であり、右は同様に室内側から見て右である。
図2及び図3に示すように、開口部3の室外側には、引戸障子21及び網戸23が設けてある。図1に示すように、開口部3の内周に取り付ける窓1は、左右の縦枠25a、25bと、上枠27aと、下枠27bと、上枠27aと下枠27bとの間に架設した左縦骨(縦取付材)29a、右縦骨(縦取付材)29bと、中央側縦骨(縦取付材)29を備えている。図3に示すように、中央側縦骨29は左右に並んだ2つの縦骨29c、29dを一体に形成したものであり、左縦骨(縦取付材)29aに対する右縦骨(縦取付材)29cと、右縦骨29bに対する左縦骨29dを備えている。
左縦骨29aと中央側縦骨29との間、中央側縦骨29と右縦骨29bとの間には、各々FIX障子31が設けてあり、左縦枠25aと左縦骨29aとの間及び右縦枠25bと右縦骨29bとの間の各空間を開閉する開閉障子33が各々設けてある。
図3に示すように、各縦骨29a、29b、29と、FIX障子(パネル体)31の左右端部が係合しており、FIX障子31の左右端部は各縦骨29a、29b、29に設けた気密材32aに押縁32bで押えて取り付けている。
開閉障子33は本実施の形態では、FIX障子31の室内側を走行可能な引戸障子である。
各FIX障子31の周囲部分には、地震や台風等の揺れに対してかかる荷重を吸収する荷重吸収部材35及び上述した各縦骨29a、29b、29が設けてあり、FIX障子31とその左右の縦骨29a、29b、29でFIX障子部31Aを構成していると共にFIX障子部31Aは耐震補強装置でもある。荷重吸収部材35及びFIX障子31の周囲部分については後述する。
図1に示すように、上枠27aは荷重吸収部材35に近接する位置には、ねじ34の数を多くしてあり、荷重吸収部材35から離れた位置での固定部分と比較して、ねじ34の間隔を狭くしてある。
また、図1及び図2に示すように、下枠27bにおいて、荷重吸収部材35がある位置では、下枠27bは土台17との間に補強用木材75を介してコーチボルト73で土台17に固定してある。
土台17は、アンカーボルト39で基礎19に固定してある。
図8に示すように、荷重吸収部材35は降伏耐力を超える荷重を受けると塑性変形するものであり、図7に示すように、正面視長方形形状のバネ板55を複数枚重ねてあり、長手方向に間隔をあけて2つの固着孔53が形成してあり、2つの固着孔53を挟んだ左側及び右側に各々取付孔54が形成してある。固着孔53には固定部材53aが挿通してり、取付孔54には、FIX障子31の上枠49に係合する係合部材54aを挿通してある。
図2に示すように、上枠27aとFIX障子31の上枠49との間には上補助材57が取り付けてあり、下枠27bとFIX障子31の下枠51との間には下補助材59が取り付けてある。各補助材57、59と、対応するFIX障子31の枠49、51及び荷重吸収部材35との取付け構造は同じであるから、以下の説明では、上補助材57と、FIX障子31の上枠49と、荷重吸収部材35との関係について説明する。
図2及び図8に示すように、上補助材57は断面略コ字形状を成しており、コ字の内部にFIX障子の上枠49を挿入してある。図7及び図8に示すように、FIX障子31の上枠49には、荷重吸収部材35を取り付ける2つの丸孔61が形成してあり、その両側に上下方向の溝63a、63bが形成してある。上補助材57の内側にFIX障子31の上枠49を配置して、FIX障子31の上枠49の断面コ字状の上端部の内側に荷重吸収部材35を配置して、荷重吸収部材35の固着孔53を挿通する固定部材53aで上枠49及び荷重吸収部材35を固定してある。
また、FIX障子31の上枠49の溝63a、63bには、荷重吸収部材35に挿通した係合部材54aで上補助材57、上枠49及び荷重吸収部材35を取付けてある。
図8に示すように、本実施の形態では、FIX障子31の上枠49には左右方向に間隔をあけた2箇所に荷重吸収部材35が同様に取付けてあり、FIX障子31の下枠51にも上枠49と対応する2箇所の合計4箇所に荷重吸収部材35が取り付けてある。
尚、図2に示すように、FIX障子31において、パネル(ガラス)88と下枠51との間にはセッティングブロック58を下枠51のパネル取付溝の長手方向に間隔をあけて設けてある。
図4に示すように、(a)四周枠ユニットの組み立て工程では、左右の縦枠25a、25bを上枠27aと下枠27bとにタッピングネジ81で固定する。上枠27a、下枠27bに各々ブラケット82を上下方向から止めるねじ84で取り付ける。次に、各ブラケット82に各左右の縦骨29a、29b及び中央側縦骨29を取り付けた後、左右方向から止めるねじ85で固定する。
次に、上枠補助材57を上枠27aに、下補助材59を下枠27bに、各々上枠27a及び下枠27bに予め取り付けられた裏板86(図2参照)にビス87(図2参照)で固定する。この(a)四周枠ユニットの組み立て工程は工場で行う。
一方、(b)FIX障子の組み立て工程では、ガラス(パネル)88にグレイジングチャンネルを巻き付け、ガラス88を上枠49、下枠51、左右の縦枠50a、50bのガラス挿入溝に入れて、左右の縦枠50a、50bを上枠49と下枠51とにタッピングビス89で固定する。この(b)FIX障子の組み立て工程は工場で行う。
その後、図5(c)四周枠ユニットの躯体への取り付け工程で示すように、図4(a)で組み立てた四周枠ユニットTを躯体開口部3に位置決めする。そして、木ねじ34及びコーチボルト73で躯体に取り付ける。木ねじ34は四周枠全周に取り付け、コーチボルト73は下枠27bに配置した下枠補助材59と共に下枠27bの所定位置に取り付ける。尚、図1に示すように、荷重吸収部材35に近接する位置では木ねじ34は密な間隔で取り付ける。
次に、図5(d)FIX障子の建てこみ工程では、FIX障子31を上枠補助材57及び下枠補助材59に対して、面外方向からけんどんで入れる。
そして、図6(e)押縁、目板の取付け工程では、押縁91を面外方向から取付け、ビスで固定する。また、目板92を嵌め込む。
次に、図6(f)開閉障子の建こみ工程で示すように、開閉障子33を建て込んで、建て付け調整をする。
第1実施の形態にかかる窓1を、左右の柱5a、5bと上下の構造体7a、7bとで形成される開口部3に取付けることで、耐震化を図ることができる。
図1に示すように、開閉障子33を設けて、FIX障子31に隣接する空間を開閉するようにしているので、出入りや通風を図ることができる。
図2に示すように、上枠27aとFIX障子(パネル体)31の間に上補助材57が設けてあり、下枠27bとFIX障子31の間に下補助材59が設けてあり、各補助材57、59で荷重吸収部材35の収納空間を形成しているから、荷重吸収部材35の収納スペースを容易に確保できる。
図3に示すように、各縦骨29a、29b、29と、FIX障子(パネル体)31の左右端部が係合しており、FIX障子31の左右端部は縦骨29a、29b、29に設けた気密材32aに押縁32bで押えているので、耐震強度及び水密性を向上できる。
また、窓1において、各左右枠25a、25b、上枠27a及び下枠27bや、各縦骨29、29a、29b、FIX障子31及び開閉障子33に断熱性を有するものを用いることにより、外障子21と共に構成した二重窓にすることができるので、室内の断熱性を高めることができる。
図1及び図2に示すように、FIX障子31の上枠49及び下枠51に荷重吸収部材35を設けて、地震等のエネルギーを吸収するので、荷重の伝達ルートが明確であり、荷重吸収部材35に所定の塑性変形を生じさせて地震等のエネルギーを吸収させて、建物の耐震性を向上させることができる。
また、荷重吸収部材35の形状や材質の異なるものを用いることで、荷重や振動の吸収性を簡単に変更でき、荷重−変形性能(剛性、耐力、変形能力)を制御できる。
荷重吸収部材35は、FIX障子31の上枠49や下枠51とは別体とし、上枠49、下枠51や補助材57、59に孔や溝を加工するだけで済むから、施工コストを低減できる。
FIX障子31において、パネル(ガラス)88と下枠51との間にはセッティングブロック58を設けてあるから、パネル88の結露水排水を容易にできる。
図9〜図11を参照して、本発明の第2実施の形態にかかる窓1について説明する。この第2実施の形態にかかる窓1は、左縦枠25a側と右縦枠25b側にそれぞれFIX障子31を設け、左右のFIX障子31、31間の空間を開閉する2枚の開閉障子33、33を隣り合わせに設けてある。また、コーチボルト73はFIX障子31の下枠51に設けた荷重吸収部材35に対応した位置に取り付けてある。
また、中央側縦骨29は設けずに左縦材(縦取付材)28aに対向する左縦骨(縦取付材)29cと右縦材(縦取付材)28bに対向する右縦骨(縦取付材)29dを別に設けてある。
この第2実施の形態によれば、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、第1実施の形態と同様に、FIX障子31の上枠49及び下枠51には荷重吸収部材35が設けてある。
この第3実施の形態によれば、第1実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
この第4実施の形態によれば、開口部3の耐震化を図ることができる。
この第5実施の形態によれば、開口部3の耐震化を図ることができる。
この第6実施の形態によれば、開口部3の耐震化を図ることができる。
例えば、各縦骨29a、29b、29はブラケット82を介して上枠27aには下から、下枠27bには上からねじ84で固定したが、見込方向から止めるねじで固定しても良い。また、ブラケット82を介さずに上枠27a及び下枠27bに各々上下方向又は見込方向から止めるねじで固定しても良い。
左右枠25a、25b、上枠27a、下枠27b、縦骨29、29a、29bや縦材28a、28bの各部材の材質は限定されず、アルミニウム合金や鋼材等の金属材であっても良いし、樹脂材であっても良い。FIX障子31及び開閉障子33の面材もガラスに限らず、ポリカーボネート等の透明樹脂材であっても良い。
開閉障子33は、引戸障子に限らず、蝶番を中心に搖動する障子等の開き障子であっても良い。
開閉障子33は、第1〜第3実施の形態では、FIX障子部31Aに対して室内側に設けたが、室外側に設けても良い。
更に、開閉障子33が開き障子の場合には、各実施の形態において、対応する縦枠25a、25bと縦骨29a、29b間及び縦骨29a、29b間に開閉障子33を設けても良い。
図4及び図5に示すように、上述した実施の形態では、左右上下枠25a、25b、27a、27bを枠組みして上下枠27a、27bに縦骨29a、29b、29を取り付けた四周枠ユニットTを開口部3に取り付けたが、これに限らず、枠組みをすることなく、開口部3に左縦枠25a、右縦枠25b、上枠27a、下枠27bを各々取り付けて、その後に各縦骨29a、29b、29を取り付けて施工しても良い。
また、第4〜第6実施の形態では、FIX障子部31Aと左右の縦枠25a、25bとの間は空間としてあり、開閉障子33を取り付けていないが、第1実施の形態と同様に、FIX障子部31Aの左隣りにも同様なFIX障子部31Aを設けると共に左右の縦枠25a、25bとの間の空間を開閉する開閉障子部33Aを設けても良いし、FIX障子部31Aの左右両側に各々開閉障子部33A設けても良い。
図21に示すように、第6実施の形態において、縦骨29a、29b間には、上下方向に複数枚のFIX障子31を設けて、各FIX障子31に対応する荷重吸収部材35を設けたが、これに限らず、縦骨29a、29b間に1枚のFIX障子31を設け、FIX障子31と左右の縦骨29a、29b間に、それぞれ上下方向に2個づつ荷重吸収部材35を設けても良い。
3 開口部
25a 左枠
25b 右枠
27a 上枠
27b 下枠
28a 左縦材(縦取付材)
28b 右縦材(縦取付材)
29a 左縦骨(縦取付材)
29b 右縦骨(縦取付材)
29 中央側縦骨(縦取付材)
31 FIX障子(パネル体)
31A FIX障子部
33 開閉障子
33A 開閉障子部
35 荷重吸収部材
Claims (2)
- 上下左右枠で枠組みしてある開口部に設けるものであり、パネル体と、左右の縦取付材と、荷重吸収部材を備え、縦取付材は上枠及び下枠にねじで固定してあり、パネル体は左右の縦取付材間に設けてあり、パネル体と上下枠の見込面間又はパネル体と左右の縦取付材の見込面間に荷重吸収部材を設けたことを特徴とする開口部の耐震補強装置。
- 上下左右枠で枠組みした開口部内に設けるFIX障子部と開閉障子部とを備え、FIX障子部は、上下枠間に固定した左右の縦取付材と、左右の縦取付材間に配置したパネル体とを有し、パネル体と上下枠の見込面間又はパネル体と左右の縦取付材の見込面間に荷重吸収部材が設けてあり、開閉障子はFIX障子に隣接する空間を開閉することを特徴とする窓。
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