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JP6689459B1 - 骨付き肢肉のクランプ装置、骨付き肢肉の投入装置及び骨付き肢肉のクランプ方法 - Google Patents

骨付き肢肉のクランプ装置、骨付き肢肉の投入装置及び骨付き肢肉のクランプ方法 Download PDF

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JP6689459B1 JP2019524470A JP2019524470A JP6689459B1 JP 6689459 B1 JP6689459 B1 JP 6689459B1 JP 2019524470 A JP2019524470 A JP 2019524470A JP 2019524470 A JP2019524470 A JP 2019524470A JP 6689459 B1 JP6689459 B1 JP 6689459B1
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Abstract

一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置(10)は、骨付き肢肉を把持するための一対のクランプ片(12)と、各々の前記クランプ片の基部において前記一対のクランプ片を開閉可能に支持する支持部(14)と、前記一対のクランプ片の開閉方向を含む平面に対して直交する方向に沿って前記一対のクランプ片の表面から突出するように設けられ、前記骨付き肢肉の回動を抑制するための回動抑制部(16)と、を含み、前記一対のクランプ片の各々は、前記一対のクランプ片の開状態において、前記回動抑制部より前記一対のクランプ片間の中心線寄りの位置であって、かつ、前記中心線に沿った方向において前記回動抑制部よりも前記支持部から遠い位置に先端部(18)を有する。

Description

本開示は、骨付き肢肉のクランプ装置、該クランプ装置を備える投入装置及び骨付き肢肉のクランプ方法に関する。
食用鳥獣の屠体の解体処理は、省力化のため人手による処理から機械による自動化処理が進められている。
特許文献1には、骨付きモモ肉の脱骨処理を行う自動脱骨装置が開示されている。この装置は、骨付きモモ肉をクランプ装置に吊架しながら複数の処理ステーション間を断続搬送し、各ステーションで骨付きモモ肉の筋入れや骨肉分離等のステップを順々に行うことで、自動脱骨を可能にしている。
特許文献2には、コンベアで搬送される骨付きモモ肉を多軸多関節アームの先端に取り付けられたクランプ装置で把持してハンガに懸架することが開示されている。
特表2013−507101号公報 国際公開第2009/139031号
骨付きモモ肉などの骨付き肢肉を自動脱骨装置などの加工装置に投入する場合、複数の骨付き肢肉に対する処理工程を一律に行うことができるように、複数の骨付き肢肉の向きを揃えて投入する必要がある。しかし、現状では、複数の骨付き肢肉の向きを揃えて投入する作業を機械で自動化することは困難であり、この作業を行うための補助人員が必要である。特許文献1及び2には、自動脱骨装置などに複数の骨付き肢肉の向きを揃えて投入する作業を自動化する手段は開示されていない。
また、骨付き肢肉を加工装置に投入するため、あるいは加工装置に移送するためにハンガに懸架するため、骨付きモモ肉を多軸多関節アームの先端に取り付けられたクランプ装置で把持する。この場合、クランプ装置で確実に把持し、あるいは把持動作に要する時間を短縮することが要求される。
一実施形態は、クランプ装置で骨付き肢肉を把持するとき、骨付き肢肉を確実に把持可能なクランプ装置を提案することを目的とする。
また、一実施形態は、ハンガに骨付き肢肉を懸架する場合、あるいは加工装置に骨付き肢肉を投入する場合、骨付き肢肉の向きを揃えて懸架し又は投入する作業を人手に依らず機械により自動化することを目的とする。
(1)一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置は、
骨付き肢肉を把持するための一対のクランプ片と、
各々の前記クランプ片の基部において前記一対のクランプ片を開閉可能に支持する支持部と、
前記一対のクランプ片の開閉方向を含む平面に対して直交する方向に沿って前記一対のクランプ片の表面から突出するように設けられ、前記骨付き肢肉の回動を抑制するための回動抑制部と、
を含み、
前記一対のクランプ片の各々は、前記一対のクランプ片の開状態において、前記回動抑制部より前記一対のクランプ片間の中心線寄りの位置であって、かつ、前記中心線に沿った方向において前記回動抑制部よりも前記支持部から遠い位置に先端部を有する。
なお、本明細書で「骨付き肢肉」とは、食用鳥獣の屠体の手肢の部位、例えば、モモ部位又はうで部位であって、骨部と肉部とを解体又は分離していない状態のものを含む。
上記(1)の構成によれば、一対のクランプ片で骨付き肢肉を把持したとき、上記回動抑制部によって骨付き肢肉の回動、ぐらつきを抑制してクランプ位置に固定できる。また、クランプ片の先端部は、回動抑制部より内側(上記中心線側)及び先端側(上記支持部から遠い側)にあるため、把持動作開始時に、まず、クランプ片の先端部が骨付き肢肉に当たって骨付き肢肉の下に挿入され、骨付き肢肉をすくい上げる。この動作によって一対のクランプ片で骨付き肢肉を確実に把持できる。これによって、安定した把持が可能になるため、クランプ片の動作を速めることができる。
さらに、上記支持部を位置制御及び姿勢制御可能なアームに取り付け、骨付き肢肉を把持したクランプ装置を所望の位置及び姿勢に制御することで、骨付き肢肉を所望の向きでハンガに懸架でき、あるいは該ハンガを介して脱骨装置などの加工部に投入できる。
(2)一実施形態では、前記(1)の構成において、
前記回動抑制部は、前記一対のクランプの各々に設けられ、前記中心線側に向けて延在する接触片を含み、
前記接触片は、前記一対のクランプ片の閉状態において前記骨付き肢肉に接触するように構成される。
上記(2)の構成によれば、一対のクランプ片で骨付き肢肉を把持したとき、上記接触片で骨付き肢肉を固定できるため、把持した骨付き肢肉の回動やぐらつきを防止できる。
(3)一実施形態では、前記(2)の構成において、
前記接触片は、前記平面に対し交差する方向に沿って延在する板状体で構成される。
上記(3)の構成によれば、接触片はクランプ片で把持された骨付き肢肉の長手方向に沿って延在するため、骨付き肢肉をさらに強固にクランプ片に固定できる。
(4)一実施形態では、前記(1)〜(3)の何れかの構成において、
前記回動抑制部は、前記一対のクランプ片間の空間を挟んで対向するように、前記一対のクランプ片にそれぞれ設けられる壁部を含み、
各々の前記クランプ片の前記先端部は、前記開状態において、前記壁部よりも前記中心線寄りに位置するとともに、前記中心線に沿った方向において前記壁部よりも前記支持部から遠くに位置する。
上記(4)の構成によれば、上記壁部の存在によりクランプ片の強度を高めることができると共に、該壁部はクランプ片の先端部に対して上記位置関係にあるため、把持動作の初期にクランプ片の先端部ですくい上げられた骨付き肢肉を回動抑制部が支えることができる。これによって、骨付き肢肉を確実に把持できる。
(5)一実施形態では、前記(4)の構成において、
前記壁部は、少なくとも部分的に、各々の前記クランプ片の前記中心線から遠い側の輪郭に沿って延在する。
上記(5)の構成によれば、上記壁部はクランプ片間の中心線より遠い側に位置するため、クランプ片の動作のじゃまにならず、かつクランプ片の動作を補助して骨付き肢肉がクランプ片から外れるのを防止できる。
(6)一実施形態では、前記(4)又は(5)の構成において、
前記壁部は、
前記一対のクランプ片の閉状態において前記中心線に沿って延在する第1壁部と、
前記第1壁部の前記支持部側の端部に接続され、前記第1壁部から前記中心線に向かって屈曲して延在する第2壁部と、
前記第1壁部の前記支持部とは反対側の端部に接続され、前記第1壁部から前記中心線に向かって屈曲して延在する第3壁部と、
を含む。
上記(6)の構成によれば、上記壁部を構成する第1壁部、第2壁部及び第3壁部はクランプ片で把持された骨付き肢肉を囲むように配置されるため、把持動作の初期にクランプ片の先端部がすくい上げた骨付き肢肉を第1壁部、第2壁部及び第3壁部で囲い込むことで、骨付き肢肉が該先端部から外れるのを防ぎ、かつ把持された骨付き肢肉の回動及びぐらつきを抑制できる。
(7)一実施形態では、前記(6)の構成において、
前記第2壁部及び前記第3壁部は、前記一対のクランプ片の閉状態において、前記中心線に対して傾斜し、前記第3壁部の前記中心線に対する傾斜角は前記第2壁部の前記中心線に対する傾斜角より小さい。
上記(7)の構成によれば、先端側の第3壁部の中心線に対する傾斜角が奥側の第2壁部の中心線に対する傾斜角より小さいため、一対のクランプ片が骨付き肢肉を把持するとき、クランプ片が骨付き肢肉が置かれた面(以下「ワーク載置面」とも言う。)に対して直交する方向から傾斜していても、第3壁部をワーク載置面に接近させることができる。これによって、クランプ片の先端部ですくい上げられた骨付き肢肉の下方に第3壁部を挿入でき、骨付き肢肉が該先端部から外れるのを防止できる。
(8)一実施形態では、前記(1)〜(7)の何れかの構成において、
各々の前記クランプ片の前記先端部は、前記一対のクランプ片の閉状態において、前記平面と直交する方向から視たとき、互いに重なり合うように構成される。
上記(8)の構成によれば、一対のクランプ片が閉状態になる前にクランプ片の先端部同士を閉じることができるので、クランプ片先端側からの骨付き肢肉の落下を防止できる。
(9)一実施形態に係る骨付き肢肉の投入装置は、
骨付き肢肉を加工部に投入するための投入装置であって、
前記(1)〜(8)の何れかの構成を有する骨付き肢肉のクランプ装置と、
前記支持部を支持し、かつ、前記クランプ装置の動作を制御可能なアームと、
を備え、
前記骨付き肢肉のクランプ装置で把持した前記骨付き肢肉を前記加工部に投入する。
ここで、「加工部に投入する」とは、選択的にその前段階で骨付き肢肉をハンガに懸架し、該ハンガから骨付き肢肉を加工部に投入することを含む。
上記(9)の構成によれば、上記構成のクランプ装置を備えることで、骨付き肢肉を確実に把持でき、また、安定した把持が可能になるため、クランプ片の動作を速めることができる。さらに、上記支持部を位置制御及び姿勢制御可能なアームに取り付け、骨付き肢肉を把持したクランプ装置を所望の位置及び姿勢に制御することで、骨付き肢肉を所望の向きでハンガに懸架でき、あるいは該ハンガを介して加工部に投入できる。
(10)一実施形態では、前記(9)の構成において、
前記骨付き肢肉を前記骨付き肢肉のクランプ装置まで搬送するコンベアと、
前記コンベアで搬送される前記骨付き肢肉の姿勢情報を取得可能な判別部と、
前記判別部で得た前記姿勢情報に基づいて前記アームを動作させ、前記骨付き肢肉を定められた向きで前記加工部に投入する制御部と、
を備える。
上記(10)の構成によれば、上記制御部によって、上記判別部で得た姿勢情報に基づいてアームを動作させるため、コンベアでランダムな姿勢で送られてくる骨付き肢肉をクランプ装置で順々に把持し、把持した骨付き肢肉を定められた同じ向きでハンガに懸架でき、あるいは加工部に投入できる。
(11)一実施形態では、前記(10)の構成において、
前記姿勢情報は、前記コンベアに載せられた前記骨付き肢肉の上面が表面又は裏面である表裏面情報を含み、
前記制御部は、前記姿勢情報及び前記表裏面情報に基づいて前記アームの動作を制御し、前記骨付き肢肉を前記加工部に表面又は裏面のどちらかが常に前記加工部に対し同一方向を向くように投入するように構成される。
上記(11)の構成によれば、骨付きモモ肉のように、骨付き肢肉に表面又は裏面がある場合、制御部は、姿勢情報及び表裏面情報に基づいてアームの動作を制御することで、骨付き肢肉の表面又は裏面のどちらかが常に同一方向を向くようにハンガに懸架し、あるいは脱骨装置などの加工部に投入できる。
(12)一実施形態では、前記(10)又は(11)の構成において、
前記骨付き肢肉のクランプ装置から前記骨付き肢肉を受領して前記加工部側へ渡すためのローダ部を備え、
前記ローダ部は、回動軸と、該回動軸を中心に回動可能であって、前記回動軸に対して等角度差で配置された3個以上のハンガと、を備える。
上記(12)の構成によれば、骨付き肢肉をクランプ装置からローダ部のハンガに懸架するとき、上記判別部で得られる骨付き肢肉の姿勢情報に基づいて懸架するハンガを選択することで、アーム及びクランプ装置の動作を簡素化できる。これによって、ハンガへの懸架速度を増加でき、あるいは加工部への骨付き肢肉の投入速度を増加できる。
(13)一実施形態では、前記(12)の構成において、
前記制御部は、前記判別部で判別した前記骨付き肢肉の上面が表面であるとき、前記回動軸と前記アームを回動可能に支持する支持部とを結ぶ基準線に対して一方側で前記骨付き肢肉を前記クランプ装置から前記ハンガに懸架し、前記判別部で判別した前記骨付き肢肉の上面が裏面であるとき、前記中心線に対して他方側で前記骨付き肢肉を前記クランプ装置から前記ハンガに懸架するように前記ローダ部を制御するように構成される。
上記(13)の構成によれば、把持前の骨付き肢肉の上面が表面であるときと裏面であるときとで、上記基準線を境とする異なる位置でハンガに懸架することで、アーム及びクランプ装置の動作を簡素化でき、これによって、ハンガへの懸架速度あるいは加工部への投入速度を増加できる。
(14)一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ方法は、
骨付き肢肉を把持するための一対のクランプ片と、各々の前記クランプ片の基部において前記一対のクランプ片を開閉可能に支持する支持部と、前記一対のクランプ片の開閉方向を含む平面に対して直交する方向に沿って前記一対のクランプ片の表面から突出するように設けられ、前記骨付き肢肉の回動を抑制するための回動抑制部と、を含み、前記一対のクランプ片の各々は、前記一対のクランプ片の開状態において、前記回動抑制部より前記一対のクランプ片間の中心線寄りの位置であって、かつ、前記中心線に沿った方向において前記回動抑制部よりも前記支持部から遠い位置に先端部を有するクランプ装置を用いて前記骨付き肢肉を把持するクランプ方法であって、
前記一対のクランプ片を閉動作させ、前記一対のクランプ片の前記先端部を前記骨付き肢肉のクランプ部位の下方に挿入して該クランプ部位をすくい上げる前段ステップと、
前記一対のクランプ片で前記クランプ部位を把持して移送する把持ステップと、
を備える。
上記(14)の方法によれば、上記把持ステップの前に、上記前段ステップがあるため、一対のクランプ片でクランプ部位を確実に把持できる。また、安定して把持できるため、一対のクランプ片の把持動作を速めることができ、ハンガへの懸架速度あるいは加工部への投入速度を増加できる。
(15)一実施形態では、前記(14)の方法において、
前記回動抑制部は、前記一対のクランプ片の各々に設けられ、前記中心線側に向けて延在する接触片を含み、
前記把持ステップにおいて、前記接触片の少なくとも一方を前記骨付き肢肉のくぼみに挿入する。
上記(15)の方法によれば、一対のクランプ片で骨付き肢肉を把持すると同時に、接触片を骨付き肢肉のくぼみに挿入するため、把持された骨付き肢肉の回動やぐらつきを抑制できる。
一実施形態によれば、クランプ装置で骨付き肢肉を確実に把持できると共に、複数のハンガに夫々骨付き肢肉を懸架する場合、あるいは脱骨装置などの加工装置に複数の骨付き肢肉を投入する場合、骨付き肢肉の向きを揃えて投入又は懸架する作業を人手に依らずに機械により自動化できる。また、骨付き肢肉を同じ向きに揃えることが出来るため、アームの移動量を抑制でき、これによって、複数台のアームを使用することが可能になるので、高速で動作する自動脱骨機械の処理スピードに対応できる。また、クランプ装置の構造をシンプルにする事が可能になり、メンテナンス性や故障によるシステム停止を改善することが可能になる。
一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置(開状態)の斜視図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置(開状態)の平面図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置(閉状態)の斜視図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置(閉状態)の平面図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置の把持動作を示す説明図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉の投入装置を示す正面図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉の投入装置を示す平面図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉の投入装置のローダ部へのローディング動作を示す説明図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉の投入装置のローダ部へのローディング動作を示す説明図である。 比較例としての骨付き肢肉の投入装置ののローダ部へのローディング動作を示す説明図である。 一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ方法を示す工程図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1〜図4は、一実施形態に係る骨付き肢肉のクランプ装置10を示す。図1及び図2は、一対のクランプ片12(12a、12b)が開状態であるときを示し、図3及び図4は骨付き肢肉Wを把持可能な閉状態を示す。図3に示す骨付き肢肉Wは、食鳥の骨付きモモ肉の輪郭を模している。この例では、肢首部fの拡径部とモモ部位tとの間の小径部が一対のクランプ片12による把持部位となる。骨付き肢肉Wには大腿骨と下腿骨との間の関節部であるひざ部Nが存在する。
クランプ装置10は、一対のクランプ片12と、一対のクランプ片12の基部において一対のクランプ片12を開閉可能に支持する支持部14とを備え、骨付き肢肉Wが一対のクランプ片12によって把持されたとき骨付き肢肉Wの回動やぐらつきを抑制可能な回動抑制部16と、を有する。回動抑制部16は、一対のクランプ片12の開閉方向(図2中の矢印方向)を含む平面(以下「開閉方向平面」とも言う。)に対して直交する方向に沿って各クランプ片12(12a、12b)の表面から突出するように設けられる。各クランプ片の先端部18(18a、18b)は、開状態のとき回動抑制部16より一対のクランプ片間の中心線C寄りの位置であって、かつ中心線Cに沿った方向において回動抑制部16よりも支持部14から遠い位置、即ち先端側に位置する。
上記構成によれば、一対のクランプ片12で骨付き肢肉Wを把持したとき、回動抑制部16によって骨付き肢肉Wの回動やぐらつきを抑制してクランプ位置に固定できる。また、クランプ片12の先端部18は、回動抑制部16より中心線C側及び先端側にあるため、把持動作開始時に、まず、クランプ片12の先端部18が骨付き肢肉Wに当たって骨付き肢肉Wのクランプ部位(肢首部)の下に挿入され、該クランプ部位をすくい上げる。この動作によって一対のクランプ片12で骨付き肢肉を確実に把持できる。また、安定した把持が可能になるため、クランプ片12の動作を速めることができる。
さらに、支持部14を位置制御及び姿勢制御可能なアームに取り付け、骨付き肢肉Wを把持したクランプ装置10を所望の位置及び姿勢に制御することで、骨付き肢肉Wを所望の向きでハンガに懸架でき、あるいは該ハンガを介して脱骨装置などの加工部に投入できる。
一実施形態では、支持部14は、一対のクランプ片12を開閉するためのアクチュエータ20を備える。例えば、アクチュエータ20は作動油の吸排口22を備える油圧シリンダで構成され、軸24を中心線Cに沿う方向へ往復動させる。一対のクランプ片12は軸26に回動可能に支持され、軸26が軸24の往復動で回動し、一対のクランプ片12が開閉動作する。
また、支持部14の背面に取付板28が設けられ、支持部14は取付板28を介して支持部14の位置及び姿勢を制御可能な多軸多関節なアームに取り付けられる。
一実施形態では、回動抑制部16は、一対のクランプ片12(12a、12b)の各々に設けられ、各回動抑制部16は中心線C側に向けて延在する接触片30を有する。接触片30は、図3及び図4に示すように、一対のクランプ片12が閉状態のときに、把持した骨付き肢肉Wに接触するように構成される。
この実施形態によれば、一対のクランプ片12で骨付き肢肉Wを把持したとき、接触片30で骨付き肢肉Wを固定できるため、骨付き肢肉Wの回動やぐらつきを防止できる。
一実施形態では、接触片30は、開閉方向平面に対し交差する方向に沿って延在する板状体で構成される。接触片30は把持された肢首部の長手方向に沿って延在するため、さらに強固にクランプ片に固定できる。
図4は、骨付き肢肉Wとして鶏などの食鳥の骨付きモモ肉を一対のクランプ片12で把持した状態を示す。骨付き肢肉Wが食鳥の骨付きモモ肉である場合、肢首部fに長手方向にくぼみdが存在する。接触片30が開閉方向平面に対し交差する方向(図示では直交する方向)に沿って延在する板状体であるとき、接触片30の一辺はくぼみdに挿入されるため、骨付きモモ肉に対する保持力をさらに向上できる。
一実施形態では、回動抑制部16は壁部32を含んで構成される。該壁部32は、一対のクランプ片12間の空間Sを挟んで対向するように、一対のクランプ片12(12a、12b)に夫々設けられる。また、各クランプ片12(12a、12b)の先端部18(18a、18b)は、開状態において壁部32よりも中心線C寄りに位置するとともに、中心線Cに沿った方向において壁部32よりも支持部14から遠くに位置する。
この実施形態によれば、壁部32の存在によりクランプ片12の強度を高めることができると共に、壁部32はクランプ片12の先端部18に対して上記位置関係にあるため、把持動作の初期にクランプ片12の先端部18ですくい上げられた骨付き肢肉Wを回動抑制部16が支えることができる。これによって、骨付き肢肉Wを確実に把持できる。
一実施形態では、壁部32は、少なくとも部分的に各クランプ片12(12a、12b)の中心線Cから遠い側の輪郭に沿って延在するため、クランプ片12の把持動作のじゃまにならず、かつクランプ片12の動作を補助して骨付き肢肉Wがクランプ片12から外れるのを防止できる。
一実施形態では、回動抑制部16を構成する壁部32は、第1壁部32(32a)、第2壁部32(32b)及び第3壁部32(32c)で構成される。第1壁部32(32a)は一対のクランプ片12の閉状態において中心線Cに沿って延在する。第2壁部32(32b)は支持部14側における第1壁部32(32a)の端部に接続され、第1壁部32(32a)から中心線Cに向かって屈曲して延在する。第3壁部32(32c)は支持部14とは反対側における第1壁部32(32a)の端部に接続され、第1壁部32(32a)から中心線Cに向かって屈曲して延在する。接触片30は第2壁部32(32b)と第3壁部32(32c)との間に配置される。
この実施形態によれば、第1壁部32(32a)、第2壁部32(32b)及び第3壁部32(32c)がクランプ片12で把持された骨付き肢肉Wを囲むように配置されるため、把持動作の初期にクランプ片12の先端部18がすくい上げた骨付き肢肉Wを第1壁部32(32a)、第2壁部32(32b)及び第3壁部32(32c)で囲い込み、骨付き肢肉Wが先端部18から外れるのを防ぎ、かつ把持された骨付き肢肉Wの回動及びぐらつきを抑制できる。
一実施形態では、図4に示すように、第2壁部32(32b)及び第3壁部32(32c)は、一対のクランプ片12の閉状態において中心線Cに対して傾斜し、第3壁部32(32c)の中心線Cに対する傾斜角αは第2壁部32(32b)の中心線Cに対する傾斜角αより小さい。
この実施形態によれば、一対のクランプ片12が骨付き肢肉Wを把持するとき、クランプ片12が骨付き肢肉Wが置かれたワーク載置面に対して傾斜していても、第3壁部32(32c)をワーク載置面に接近できる。これによって、クランプ片12の先端部18ですくい上げられた骨付き肢肉Wの下方に第3壁部32(32c)を挿入でき、骨付き肢肉Wが先端部18から外れるのを防止できる。これによって、骨付き肢肉Wを確実に把持できる。
図5は、クランプ装置10によってワーク載置面Pmに置かれた骨付き肢肉Wを把持し移送する場面を示す。クランプ装置10が取付板28を介してアーム42に取り付けられている。アーム42は多軸多関節で構成され、クランプ装置10の位置及び姿勢を制御可能である。取付板28のクランプ装置側取付部28aがアーム側取付部28bに対して角度βだけ傾斜している。このため、クランプ片12はワーク載置面Pmに対して角度βだけ傾斜することになり、この傾斜によってクランプ装置10の骨付き肢肉Wに対する接近動作が容易になる。また、クランプ片12がワーク載置面Pmに対して傾斜していても、第3壁部32(32c)の中心線Cに対する傾斜角αが第2壁部32(32b)の中心線Cに対する傾斜角αより小さいので(α<α)、把持動作時に第3壁部32(32c)はワーク載置面Pmに対する傾斜角を小さくできる。従って、クランプ片12の先端部18ですくい上げられた骨付き肢肉Wをすばやく一対のクランプ片12に夫々設けられた2つの第3壁部32(32c)で囲い込むことができる。
一実施形態では、図3及び図4に示すように、クランプ片12の先端部18(18a、18b)は、閉状態において開閉方向平面と直交する方向から視たとき、互いに重なり合うように構成される。
この実施形態によれば、一対のクランプ片12が閉状態になる前にクランプ片12の先端部同士を閉じることができるので、クランプ片先端側からの骨付き肢肉Wの落下を防止できる。
図3に示す実施形態では、一対の先端部18(18a、18b)は、開閉方向平面に直交する方向にずらして配置されている。これによって、先端部18(18a、18b)を互いに重なり合うようにすることができる。
図6及び図7は、一実施形態に係る骨付き肢肉の投入装置40を示す。骨付き肢肉Wを例えば脱骨装置などの加工部50に投入するための投入装置である。投入装置40は、上記構成のクランプ装置10が支持部14を介してアーム42に取り付けられている。アーム42は、クランプ装置10の動作を制御可能に構成されている。ワーク載置面Pm上の骨付き肢肉Wをクランプ装置10で把持し、最終的に加工部50に投入する。
上記構成によれば、上記構成のクランプ装置10を備えることで、骨付き肢肉Wを確実に把持でき、また、安定した把持が可能になるため、クランプ片12の動作を速めることができる。さらに、アーム42によって骨付き肢肉Wを把持したクランプ装置10を所望の位置及び姿勢に制御することで、骨付き肢肉Wを所望の向きでローダ部52のハンガ54に懸架でき、あるいはさらにハンガ54を介して加工部50に投入できる。
一実施形態では、アーム42は多軸多関節アームで構成され、クランプ装置10の支持部14を任意の位置及び姿勢に動作させることができる。また、加工部50は骨付き肢肉Wの骨部と肉部とを分離する脱骨装置である。また、ハンガ54には凹部56が形成され、骨付き肢肉Wは肢首部下方の小径部が凹部56に挿入されて吊架される。
一実施形態では、処理工程の前段側で骨付き肢肉Wをクランプ装置10まで搬送するコンベア44を備える。クランプ装置10より搬送方向上流側のコンベア44には、コンベア44で搬送される骨付き肢肉Wの姿勢情報を取得可能な判別部46が設けられる。制御部48は、判別部46で得た個々の骨付き肢肉Wの姿勢情報に基づいてアーム42を動作させ、個々の骨付き肢肉Wを定められた向きでハンガ54に懸架し、あるいはさらにハンガ54を介して加工部50に投入する。この実施形態では、ワーク載置面Pmはコンベア44の搬送面である。例えば、個々の骨付き肢肉Wのひざ部Nをアーム42の側ヘ向けてハンガ54に懸架すれば、ハンガ54は反転してすべての骨付き肢肉Wのひざ部Nを反対側へ向けた状態で加工部50に投入できる。
上記構成によれば、制御部48によって、判別部46で得た姿勢情報に基づいてアーム42を動作させるため、コンベア44の搬送面(ワーク載置面Pm)でランダムな姿勢で送られてくる骨付き肢肉Wをクランプ装置10で順々に把持し、把持した骨付き肢肉Wを定められた同じ向きでハンガ54に懸架でき、あるいはさらにハンガ54を介して加工部50に投入できる。
一実施形態では、判別部46は、コンベア44を搬送される骨付き肢肉Wを撮像する撮像部と、該撮像部で撮像した骨付き肢肉Wの画像から骨付き肢肉Wの姿勢情報を取得する画像処理部と、を含む。
一実施形態では、上記姿勢情報は、コンベア44に載せられた骨付き肢肉Wの上面が表面又は裏面である表裏面情報を含む。制御部48は、姿勢情報及び該表裏面情報に基づいてアーム42の動作を制御し、骨付き肢肉Wの表面又は裏面のどちらかが常に同一方向を向くようにハンガ54に懸架し、あるいはさらにハンガ54を介して加工部50に投入するように構成される。
この実施形態によれば、食鳥の骨付きモモ肉のように、骨付き肢肉Wに表面又は裏面がある場合、制御部48は、姿勢情報及び表裏面情報に基づいてアーム42の動作を制御することで、骨付き肢肉Wの表面又は裏面のどちらかが常に同一方向を向くようにハンガ54に懸架し、あるいはさらに脱骨装置などの加工部50に投入できる。
一実施形態では、骨付き肢肉Wの右肢又は左肢のどちらか一方をコンベア44に載せ、クランプ装置10に搬送する。クランプ装置10が把持する骨付き肢肉Wが右肢又は左肢のどちらか一方であれば、表裏面の向きとひざ部Nの向きを同時に揃えてハンガ54に懸架しあるいは加工部50に投入できる。これによって、加工部50における処理を一律に行うことができる。
一実施形態では、図6及び図7に示すように、クランプ装置10から骨付き肢肉Wを受け取り、加工部50側へ渡すためのローダ部52を備える。ローダ部52は、回動軸53と、回動軸53を中心に回動可能であって、回動軸53に対して等角度差で配置された3個以上のハンガ54と、を備える。
この実施形態によれば、骨付き肢肉Wをクランプ装置10からローダ部52のハンガ54に懸架するとき、判別部46で得られる骨付き肢肉Wの姿勢情報に基づいて懸架するハンガ54を選択することで、アーム42及びクランプ装置10の動作を簡素化できる。これによって、ハンガ54への懸架速度を増加でき、あるいは加工部50に投入する骨付き肢肉Wの投入速度を増加できる。
図8及び図9に夫々示す実施形態は、クランプ装置10によってワーク載置面Pmからハンガ54に骨付き肢肉Wを懸架するときの制御部48によるアーム42及びクランプ装置10の動作を示す。図10は、比較例としてのアーム42及びクランプ装置10の動作を示す。
一実施形態では、図8及び図9に示すように、制御部48は、判別部46で判別した骨付き肢肉Wの上面が表面であるとき、回動軸53とアーム42を回動可能に支持する支持部43とを結ぶ基準線Baに対して一方側で骨付き肢肉Wをクランプ装置10からハンガ54に懸架し、判別部46で判別した骨付き肢肉Wの上面が裏面であるとき、基準線Baに対して他方側で骨付き肢肉Wをクランプ装置10からハンガ54に懸架するように制御するように構成される。
図8に示すローダ部52(52a)では、3個のハンガ54が120度の等間隔で回動軸53に取り付けられ、図9に示すローダ部52(52b)では、4個のハンガ54が90度の等角度間隔で回動軸53に取り付けられている。例えば、骨付き肢肉Wの上面が表面であるとき、クランプ装置10は骨付き肢肉Wを把持してアーム42側から視て基準線Baより右側にあるハンガ54(54a)に懸架し、骨付き肢肉Wの上面が裏面あるとき、クランプ装置10は骨付き肢肉Wを把持してアーム42側から視て基準線Baより左側にあるハンガ54(54b)に懸架する。
これによって、アーム42及びクランプ装置10の動作を簡素化できるため、ハンガ54への懸架速度あるいは加工部50への投入速度を増加できる。即ち、基準線Baに対するアーム42の角度及びアーム42に対するクランプ片12の角度を大きく変えることなくハンガ54に懸架できる。図8及び図9に示すように、骨付き肢肉Wは、上面が表面又は裏面のときひざ部Nの向きが異なる。このひざ部Nの向きの違いは、基準線Baを境に異なる位置で骨付き肢肉Wをハンガ54に懸架することで相殺でき、アーム42及びクランプ装置10の動きを簡素化できる。
例えば、図8に示すローダ部52(52a)では、基準線Baに対してクランプ装置10を30度傾けるだけでハンガ54に懸架できる。図9に示す実施形態では、基準線Baに対してクランプ装置10を90度傾けるだけでハンガ54に懸架できる。また、各ハンガ54において、懸架された骨付き肢肉Wを加工部50に投入するとき、図8では120度、図9に示すローダ部52(52b)では90度だけ回転させればよく、ハンガ54の回転時間を短縮できる。従って、懸架速度及び投入速度を増加でき、処理量を増加できる。なお、上記回転角度とするためには、制御部48によって、ハンガ54(54a)を正回転させ、ハンガ54(54b)を逆回転させる制御が必要である。
これに対し、図10に示す比較例においては、ローダ部102の回動軸103は基準線Ba上に配置され、回動軸103に例えば2個又は4個のハンガ104が等角度に設けられている。骨付き肢肉Wは、クランプ装置100によって骨付き肢肉Wの上面が表面又は裏面であるかの区別なく、常に基準線Ba上に位置する手前(アーム42側)のハンガ104(104a)に懸架される。このとき、同図に示すように、基準線Baに対するアーム42の角度及びアーム42に対するクランプ装置100の角度を大きく変える必要がある。また、各ハンガ104において、懸架された骨付き肢肉Wを加工部50に投入するとき、ハンガ104を懸架位置から180度回転させる必要がある。従って、上記実施形態と比べて骨付き肢肉1個当たりの懸架速度及び投入速度が増加してしまう問題がある。
なお、図8に示す実施形態では、ローダ部52(52a)はクランプ装置10と加工部50との間に設けられ、ローダ部52(52a)に懸架された骨付き肢肉Wは加工部50に投入される。図9に示す実施形態では、ローダ部52(52b)に懸架された骨付き肢肉Wは、コンベア60で移動する複数のハンガ62に懸架される。例えば、ハンガ54の凹部56とハンガ62の凹部56とが対面した時、プッシャ(不図示)などで骨付き肢肉Wを押してハンガ62に懸架する。骨付き肢肉Wが懸架されたハンガ62は加工部50まで移動し、骨付き肢肉Wは加工部50のローダ部52を介して加工部50に投入される。このように、ローダ部52をクランプ装置10からコンベアに設けられた複数のハンガに骨付き肢肉Wを移し替えるために用いてもよい。
一実施形態に係る骨付き肢肉Wのクランプ方法は、クランプ装置10を用いた骨付き肢肉Wのクランプ方法である。即ち、クランプ装置10は、上述のように、骨付き肢肉Wを把持するための一対のクランプ片12(12a、12b)と、各クランプ片の基部において一対のクランプ片12を開閉可能に支持する支持部14と、一対のクランプ片12の開閉方向を含む平面に対して直交する方向に沿って一対のクランプ片12の表面から突出するように設けられ、骨付き肢肉Wの回動を抑制するための回動抑制部16と、を少なくとも備える。さらに、一対のクランプ片12の各々は、開状態において回動抑制部16より中心線C寄りの位置であって、かつ中心線Cに沿った方向において回動抑制部16よりも支持部14から遠い位置(先端側)に先端部18(18a、18b)を有する。
このクランプ方法は、図11に示すように、まず、一対のクランプ片12を閉動作させ、先端部18(18a、18b)を骨付き肢肉Wのクランプ部位(肢首部)の下方に挿入して該クランプ部位をすくい上げる(前段ステップS10)。即ち、前段ステップS10においては、最初に先端部18がクランプ部位に当たり、クランプ部位の持ち上げ動作を行う。次に、一対のクランプ片12でクランプ部位を把持して移送する(把持ステップS14)。なお、この把持ステップS14の初期において、先端部18ですくい上げられたクランプ部位を回動抑制部16が支える(持ち上げステップS12)。これによって、クランプ片12による把持動作を確実に行うことができる。
上記方法によれば、把持ステップS14の前に、前段ステップS10を行うことで、一対のクランプ片12でクランプ部位を確実に把持でき、これによって、一対のクランプ片12の把持動作を速めることができるため、ハンガ54への懸架速度あるいは加工部50への投入速度を増加できる。
一実施形態では、上述のように、回動抑制部16は、一対のクランプ片12の各々に設けられ、中心線C側に向けて延在する接触片30を有する。骨付き肢肉Wが食鳥の骨付きモモ肉であるとき、肢首部の長手方向にくぼみdが存在する。そこで、把持ステップS14で把持された骨付き肢肉Wに対して、接触片30の少なくとも一方をくぼみdに挿入する(固定ステップS16)。
この実施形態によれば、一対のクランプ片12で骨付き肢肉Wを把持すると同時に、接触片30をくぼみdに挿入するため、把持された骨付き肢肉Wの回動やぐらつきを抑制でき、把持姿勢を保持できる。
なお、骨付き肢肉Wは、食鳥に限らず、豚、牛、羊等の家畜の前肢、後肢等の骨付き肢肉全般を含む。
一実施形態によれば、クランプ装置で骨付き肢肉を把持するときに、骨付き肢肉を確実に把持でき、これによって、把持速度を向上できる。また、複数のハンガに夫々骨付き肢肉を懸架する場合、あるいは脱骨装置などの加工装置に複数の骨付き肢肉を投入する場合、骨付き肢肉の向きを揃えて投入又は懸架する作業を人手に依らずに機械により自動化できる。
10、100 クランプ装置
12(12a、12b) クランプ片
14、43 支持部
16 回動抑制部
18(18a、18b) 先端部
20 アクチュエータ
22 給排口
24、26 軸
28 取付板
30 接触片
32 壁部
32(32a) 第1壁部
32(32b) 第2壁部
32(32c) 第3壁部
40 投入装置
42 アーム
44,60 コンベア
46 判別部
48 制御部
50 加工部50
52(52a、52b)、102 ローダ部
53,103 回動軸
54(54a、54b)、62,104 ハンガ
56 凹部
Ba 基準線
C 中心線
N ひざ部
Pm ワーク載置面
W 骨付き肢肉
d くぼみ
f 肢首部
t モモ部位
α、α 傾斜角

Claims (15)

  1. 骨付き肢肉を把持するための一対のクランプ片と、
    各々の前記クランプ片の基部において前記一対のクランプ片を開閉可能に支持する支持部と、
    前記一対のクランプ片の開閉方向を含む平面に対して直交する方向に沿って前記一対のクランプ片の表面から突出するように設けられ、前記骨付き肢肉の回動を抑制するための回動抑制部と、
    を含み、
    前記一対のクランプ片の各々は、前記一対のクランプ片の開状態において、前記回動抑制部より前記一対のクランプ片間の中心線寄りの位置であって、かつ、前記中心線に沿った方向において前記回動抑制部よりも前記支持部から遠い位置に先端部を有することを特徴とする骨付き肢肉のクランプ装置。
  2. 前記回動抑制部は、前記一対のクランプの各々に設けられ、前記中心線側に向けて延在する接触片を含み、
    前記接触片は、前記一対のクランプ片の閉状態において前記骨付き肢肉に接触するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  3. 前記接触片は、前記平面に対し交差する方向に沿って延在する板状体で構成されることを特徴とする請求項2に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  4. 前記回動抑制部は、前記一対のクランプ片間の空間を挟んで対向するように、前記一対のクランプ片にそれぞれ設けられる壁部を含み、
    各々の前記クランプ片の前記先端部は、前記開状態において、前記壁部よりも前記中心線寄りに位置するとともに、前記中心線に沿った方向において前記壁部よりも前記支持部から遠くに位置することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  5. 前記壁部は、少なくとも部分的に、各々の前記クランプ片の前記中心線から遠い側の輪郭に沿って延在することを特徴とする請求項4に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  6. 前記壁部は、
    前記一対のクランプ片の閉状態において、前記中心線に沿って延在する第1壁部と、
    前記第1壁部の前記支持部側の端部に接続され、前記第1壁部から前記中心線に向かって屈曲して延在する第2壁部と、
    前記第1壁部の前記支持部とは反対側の端部に接続され、前記第1壁部から前記中心線に向かって屈曲して延在する第3壁部と、
    を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  7. 前記第2壁部及び前記第3壁部は、前記一対のクランプ片の閉状態において、前記中心線に対して傾斜し、前記第3壁部の前記中心線に対する傾斜角は前記第2壁部の前記中心線に対する傾斜角より小さいことを特徴とする請求項6に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  8. 各々の前記クランプ片の前記先端部は、前記一対のクランプ片の閉状態において、前記平面と直交する方向から視たとき、互いに重なり合うように構成されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の骨付き肢肉のクランプ装置。
  9. 骨付き肢肉を加工部に投入するための投入装置であって、
    請求項1乃至8の何れか一項に記載の骨付き肢肉のクランプ装置と、
    前記支持部を支持し、かつ、前記クランプ装置の動作を制御可能なアームと、
    を備え、
    前記骨付き肢肉のクランプ装置で把持した前記骨付き肢肉を前記加工部に投入することを特徴とする骨付き肢肉の投入装置。
  10. 前記骨付き肢肉を前記骨付き肢肉のクランプ装置まで搬送するコンベアと、
    前記コンベアで搬送される前記骨付き肢肉の姿勢情報を取得可能な判別部と、
    前記判別部で得た前記姿勢情報に基づいて前記アームを動作させ、前記骨付き肢肉を定められた向きで前記加工部に投入する制御部と、
    を備えることを特徴とする請求項9に記載の骨付き肢肉の投入装置。
  11. 前記姿勢情報は、前記コンベアに載せられた前記骨付き肢肉の上面が表面又は裏面である表裏面情報を含み、
    前記制御部は、前記姿勢情報及び前記表裏面情報に基づいて前記アームの動作を制御し、前記骨付き肢肉を前記加工部に表面又は裏面のどちらかが常に前記加工部に対し同一方向を向くように投入するように構成されることを特徴とする請求項10に記載の骨付き肢肉の投入装置。
  12. 前記骨付き肢肉のクランプ装置から前記骨付き肢肉を受領して前記加工部側へ渡すためのローダ部を備え、
    前記ローダ部は、回動軸と、該回動軸を中心に回動可能であって、前記回動軸に対して等角度差で配置された3個以上のハンガと、を備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の骨付き肢肉の投入装置。
  13. 前記制御部は、前記判別部で判別した前記骨付き肢肉の上面が表面であるとき、前記回動軸と前記アームを回動可能に支持する支持部とを結ぶ基準線に対して一方側で前記骨付き肢肉を前記クランプ装置から前記ハンガに懸架し、前記判別部で判別した前記骨付き肢肉の上面が裏面であるとき、前記中心線に対して他方側で前記骨付き肢肉を前記クランプ装置から前記ハンガに懸架するように前記ローダ部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項12に記載の骨付き肢肉の投入装置。
  14. 骨付き肢肉を把持するための一対のクランプ片と、各々の前記クランプ片の基部において前記一対のクランプ片を開閉可能に支持する支持部と、前記一対のクランプ片の開閉方向を含む平面に対して直交する方向に沿って前記一対のクランプ片の表面から突出するように設けられ、前記骨付き肢肉の回動を抑制するための回動抑制部と、を含み、前記一対のクランプ片の各々は、前記一対のクランプ片の開状態において、前記回動抑制部より前記一対のクランプ片間の中心線寄りの位置であって、かつ、前記中心線に沿った方向において前記回動抑制部よりも前記支持部から遠い位置に先端部を有するクランプ装置を用いて前記骨付き肢肉を把持するクランプ方法であって、
    前記一対のクランプ片を閉動作させ、前記一対のクランプ片の前記先端部を前記骨付き肢肉のクランプ部位の下方に挿入して該クランプ部位をすくい上げる前段ステップと、
    前記一対のクランプ片で前記クランプ部位を把持して移送する把持ステップと、
    を備えることを特徴とする骨付き肢肉のクランプ方法。
  15. 前記回動抑制部は、前記一対のクランプ片の各々に設けられ、前記中心線側に向けて延在する接触片を含み、
    前記把持ステップにおいて、前記接触片の一方を前記骨付き肢肉のくぼみに挿入することを特徴とする請求項14に記載の骨付き肢肉のクランプ方法。
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