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JP4073133B2 - 食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法とその装置 - Google Patents

食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法とその装置 Download PDF

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JP4073133B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は食鶏の左右の腿肉の脱骨機における脱骨の前工程として必要とする筋入れ作業の自動化を図った食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
食用鳥獣の大々的飼育、屠殺、及び屠殺処理の大規模化に伴い、従来より各種の自動化が行なわれているが、本発明者等は、屠体から切り離した腿肉の脱骨作業の自動化と該脱骨機にワークを連続搬送して、複数の一時滞留用バッファコンベヤを介して複数の脱骨機に分割ローディングする、腿肉オートローディングシステムを先に開発した。但し上記脱骨の前工程として必要とする筋入れ作業は手作業に終始していた。
【0003】
しかし、上記オートローディングシステムにおいて、省人化、歩留まり向上、正肉形状の安定した商品供給、ワークの供給率向上を図るためには、筋入れ作業の自動化は不可欠である。
【0004】
また、特開平11−4654号公報記載の食鶏腿肉サイドカット装置に係わる発明が開示されているが、
a、保持手段;
a−1、図7(A)、(B)に示すように腿肉の平面方向を2枚の板(左右の押さえ板61、62)により挟持し腿肉の膝関節部12cの屈曲部の外側上下を中央押さえ板64a、64bで押さえ、三方から保持させている。
上記中央押さえ板64a、64bは中央押さえ板64とともに同一ブラケット67aに取り付けられ引っ張りスプリング65によりワークの膝関節の後側より鋏み勝手に設けられ、腿肉10を図7(B)に示すようにくの字状に前側に湾曲させるように付勢している。
【0005】
b、腿肉の足首部に刃物を刺し込むための位置決め手段;
b−1、足首部の位置決め方法として図7(A)、(B)に示すように、位置決め金具63の溝63aに足首部(ホック部の下側部分)をハンガーで吊架した状態で入れて位置決めする。
c、保持された腿肉に側方から刃物を突き刺す刃物移動手段手段;
c−1、図7(A)、(B)に見るように、刃物70は腿肉10を貫通しない程度の所定深さだけ突き刺し、刃物70は下腿骨12bのごく近傍でその前側に突き刺す。
d、刃物を下方へ移動させる機能;
d−1、刃物は円弧軌道に沿ってスイング或いは回動動作をし、腿肉の骨部に沿って切り込む。
【0006】
e、刃物下方への移動に際し、その切り込み力に合わせて腿肉を逃す手段;
e−1、スイング動作をする刃物70が下腿骨12bの突起部分である膝関節部12cに差しかかると刃物70が引っ掛かって切り込み力を増すようになるが、これに伴い腿肉10が刃物70に押され中央押さえ板64の分割部64cを押して後方へ逃げるようにしてある。
e−2、刃物70の軌跡と骨部の形状とが一致せず、刃物70が骨部に当たりそうな場合であっても、切り込み力に合わせて腿肉10が適宜逃げ、骨部を切らずに刃物70を骨部に正確に沿わせることができる。
【0007】
ところで、上記提案についても下記問題点を内蔵している。
即ち、a−1項記載の、保持手段はワークの大小に係わらず筋入れ姿勢を確実に取らせることができることが必要で、ワークの腿肉内側平坦面を筋入れナイフの切り下げ面に直角に形成させることが必要問題点である。
また、中央押さえ板64a、64bが膝関節部12cの後方でワークをくの字状に湾曲させるように付勢力する構造を持っているがワークの大小に対応する自由度はなく、上記二つの中央抑え板を個別に制御出来ないため、骨部に沿ってのきめの細かい調節が困難である。
【0008】
b−1項記載の、足首部の位置決め方法として、位置決め金具63の溝63aに足首部(ホック部の下側部分)をハンガーで吊架した状態で入れて位置決めをしているが、ワークの大きさにより前記位置決め金具63の溝63aに収納される状況は変化し、例えば捻れて挿入されたり、ガタのある状態で収納される場合もある。
そのため、刃物の刺し込み位置は骨部より離れた位置で刺し込まれたり、骨部に切り込む形で挿入される場合もあり、ナイフの刺し込み位置は不安定となり骨部を傷つけたり肉に確実に刺し込むことが不可能となり歩留まり低下の原因を形成する問題がある。
【0009】
c−1項記載の、刃物70は腿肉10を貫通しない程度の所定深さだけ突き刺せ、刃物70は骨部のごく近傍でその前側に突き刺す構成にしているが、刃物70の先端が完全に突き抜けない状態で切り下げた場合、ナイフは片持ち構造のため、未切断の肉ないし皮が影響して切り下げ面が安定しせず、骨部を傷付け、歩留まり低下の問題がある。
d−1項記載の、刃物70は円弧軌道70aに沿ってスイング或いは回動動作をし、腿肉の骨部に沿って切り込む構成にしているが、ワークの骨部湾曲部の曲率は一定でなく必ずしも骨部に沿っての筋入れは不可能である。
【0010】
e−1項記載の、スイング動作をする刃物70が骨部の突起部分である膝関節位12cに差し掛ると刃物70が引っ掛かって切り込み力を増すようになるが、これに伴い腿肉10が刃物70に押され中央押さえ板64の分割部64cを押して後方へ逃げる構成により膝関節部の筋入れを行なっているが、上記刃物の膝関節部への切り込みによる脱臼の問題を内蔵する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点解決のためになされたもので、
食鶏腿肉脱骨工程の省人化と歩留まり向上、正肉形状の安定、ワークの供給率向上を図るべく、人手による筋入れ作業と同様に、出来る限り骨に沿い、膝関節部の軟骨を傷つけることなく、且つワークの大きさによる影響を受けることなく自動的に筋入れを可能にした食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法とその装置の提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法は、
食鶏腿肉脱骨工程の前段に行なう吊り下げ状態にある食鶏腿肉ワークを保持し筋入れナイフを刺し込む保持工程と、刺し込んだ刃物をワークの骨部に沿って切り下げる切り下げ工程とからなる食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法において、
上記保持工程は、ワークの腿肉内側平坦面が筋入れ切り下げ面に対し直角鉛直面を形成する姿勢制御工程と、姿勢制御工程により姿勢制御されたワークの足首骨部を筋入れナイフの刺し込み位置に対し位置決めクランプする刺し込み位置の位置決め工程と、位置決めクランプされた足首骨部横に筋入れナイフの刃先を刺し込む工程よりなり、
上記位置決め工程は、ワークの足首を押圧クランプする上プッシャと、吊り下げられた腿肉の下側より湾曲骨部の湾曲内側へ斜め上方に押圧する下プッシャとにより位置決め固定する工程を有し、
上記切り下げ工程は、上記上プッシャを減圧して筋入れナイフを足首より大腿骨の大腿骨頭まで鉛直線方向に下降させ、足首より膝関節までの下腿骨に沿って下降するナイフ刃面に対し骨部の押圧を適宜変更し切り下げる下腿骨筋入れ工程と、
上記上プッシャおよび下プッシャによる押圧を解除して刃面に対し膝関節部への押圧を解除して膝関節部の脱臼を防止して切り下げる膝関節筋入れ工程と、
上記下プッシャを加圧して大腿骨を斜め上方に押し上げた後、減圧して膝関節より下部の大腿骨に沿って下降するナイフ刃面に対し骨部の押圧を適宜変更し切り下げる大腿骨筋入れ工程よりなるようにしたことを特徴とする。
【0013】
ワークに対する筋入れが、ワークの足首より大腿骨頭まで下腿骨、膝関節、大腿骨に沿い骨部や中間の膝関節に切り込みや損傷を与える事無く歩留まり良く行なうためには、
第1に、筋入れの過程においてワークを、例えば水平の俎の上にワークの腿肉内側の平坦面を置くようにして、安定した状態で筋入れを行なう必要がある。
第2に、筋入れナイフによる刺し込みには、前記腿肉内側平坦面を俎に載置したときの該俎上に自然の形で横臥された足首のアキレス腱側の骨部にごく接近させた状態で筋入れナイフを直角に刺し込む必要がある。
第3に、刺し込んだ筋入れナイフの切り下ろしには、ナイフを直線上に移行させ、移行するナイフの刃先でなく当該刃物の傾斜刃面を持つ平坦面を下腿骨や大腿骨の骨部に押圧させることにより、骨部への切り込みや損傷を最小に抑える必要がある。
【0014】
そこで、本発明の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法では、
保持工程を、ワークの姿勢を規制する上記第1の工程である姿勢制御工程と、第2の工程である刺し込み位置の位置決め工程に分けて行なうようにし、
第1の工程の姿勢制御により切り下げ面に対し直角の鉛直面上にワークの吊り下げ姿勢を制御規制し、規制された状態のワークに筋入れナイフの刺し込みをする第2の工程を行い、安定した歩留まりの良い切り下げが期待ができる刺し込み位置の自動的位置決め工程を行い、最後に切り下げ工程を配設したものである。
さらに、上記位置決め工程は、ワークの足首を押圧クランプする上プッシャと、吊り下げられた腿肉の下側より湾曲骨部の湾曲内側へ斜め上方に押圧する下プッシャとにより位置決め固定する工程を有し、
そして、切り下げ工程では上下プッシャを設け足首部の押圧と大腿骨の押圧を個別に圧力制御するようにしたものである。即ち、直線状に鉛直下降する筋入れナイフに、下腿骨工程と膝関節工程と大腿骨工程に分け、個別に刃物に対する下腿骨、膝関節、大腿骨の圧力制御を行ない、切り込みないし損傷を防止した筋入れを可能にしている。
【0015】
また、請求項1記載の姿勢制御工程は、ワークの腿肉内側平坦面を筋入れ切り下げ面に直角に設けた鉛直基準部材上に当接させ筋入れナイフ側に設けた対向鉛直面の肉押さえとの間で押圧して吊り下げワークの方向規制をするようにしたことを特徴とする。
【0016】
上記請求項2記載の発明により、請求項1記載の姿勢制御は、吊り下げ状ワークを筋入れナイフの切り下げ面に直角に鉛直基準面を設け、該基準面で前記俎の代行をさせ該基準面上に、ワークの腿肉内側平坦面を当接させ、筋入れナイフ側に設けた対向する肉押さえとの間で押圧して、ワークの吊り下げの向きを切り下げ面に直角に規制し、後段の刺し込み位置の位置決めをより正確に行なうようにしている。
【0017】
また、請求項1記載の足首骨部の刺し込み位置の位置決め工程は、姿勢制御工程により足首のアキレス腱側を前記切り下げ面に平行に設定した後、筋入れナイフの刃先に対し横方向に所定距離を置いて前記鉛直基準部材に直角に設けた横基準部材に前記足首のアキレス腱の反対側を上プッシャにより押圧クランプし、押圧クランプ状態において筋入れナイフを刺し込み刃先が足首骨部の近接部位に正確に刺し込み可能としたことを特徴とする。
【0018】
上記請求項3記載の発明により、筋入れナイフの刺し込み位置の位置決め工程は、前段の姿勢制御により捻れの無い状態でアキレス腱側を横方向の前記切り下げ面に向けた足首を、筋入れナイフの刃先に対し横方向に所定距離を置いて前記鉛直基準部材に直角に設けた横基部材に押圧クランプして所要の位置決めをする。
上記位置決めによれば、ワークの大きさによる影響を受けることなくガタの発生もなく、また足首の捻れを伴う事無く、筋入れナイフを骨部を痛める事無く近接位置に自動的に位置決めして刺し込むことができる。
【0019】
また、請求項1記載の刺し込み工程は、前記鉛直基準部材の上部に設けた肉逃げ防止ブロックにより刃先を皮まで貫通しない程度に深く刺し込み、片持ちナイフの刺し込み方向の振れ防止を可能としたことを特徴とする。
【0020】
上記請求項4記載の発明により、筋入れナイフは構造上片持ちナイフのため、刺し込み時に肉への刺し込みが浅い状態で切り下げると肉部や皮の抵抗で切り下げ面の向きが変わり、安定した切り下げ面を得ることは困難になる問題点を解決したものである。
【0021】
また、請求項1記載の筋入れナイフは片刃の筋入れナイフを使用し、そのナイフ刃面である表側側面をワークの湾曲側骨部に略当接状に切り下げ可能にしたことを特徴とする。
【0022】
上記請求項5記載の発明により、骨部に沿っての切り下げ時に筋入れナイフの刃面を当てずに傾斜刃面の上側の表側を当接させることになり、湾曲骨部でも刃先が骨部に当たり切り込みを入れることはない。
【0023】
次に、請求項1〜請求項5記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法を使用した食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ装置は、
食鶏腿肉脱骨工程の前段で腿肉を筋入れステーションにハンガーを介して搬入するバッファコンベヤに設け、吊架中の食鶏用腿肉のワークを保持する保持機構と、保持したワークに筋入れナイフを刺し込みワークの骨部に沿って切り下げる筋入れ機構とよりなる食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ装置において、
上記保持機構は、吊り下げられた腿肉内側の平坦面が接触して該腿肉を鉛直に保持する押圧可能の鉛直基準部材と筋入れナイフ側に設けてある肉押さえとの間で形成される姿勢制御部と、足首骨部のナイフ刺し込み位置の位置決め制御をすべく足首のアキレス腱側を押圧すべく設けた横基準部材と押圧用上プッシャとよりなる位置決め部と、ワークの下部横方向の姿勢を制御する下プッシャとより構成し、
上記筋入れ機構は、前記鉛直基準部材に対向して鉛直状に設けた肉押さえと、肉押さえの右または左横に鉛直切り下げ面を形成する肉押さえと一体構造に設けた筋入れナイフと、該筋入れナイフの刺し込みのための前後進部と、切り下げのための昇降部とより構成し、
さらに、上記筋入れ機構は、下腿部の切り下げには前記上プッシャを減圧し、膝関節の筋入れには上記上下プッシャの押圧を解除して膝関節部の脱臼を防止して切り下げ、大腿部の切り下げには上記下プッシャを加圧して大腿骨を斜め上方に押し上げた後、減圧して膝関節より下部の大腿骨に沿って下降するナイフ刃面に対し骨部の押圧を適宜変更し切り下げる機構であることを特徴とする。
【0024】
上記請求項記載の発明により、下腿部と大腿部の筋入れの場合は鉛直線方向に下降する筋入れナイフは骨部に沿い骨部を痛める事無く筋入れができる。また、膝関節部の筋入れの場合は上下プッシャの押圧を解除するため関節部への切り込みを防止するとともに脱臼を防止できる。
【0025】
また、請求項記載の発明は、前記鉛直基準部材の上部に、筋入れナイフの刺し込み時に足首がナイフの刺し込み方向に振れるのを防止する足首肉・皮逃げ防止ブロックを設けたことを特徴とする。
【0026】
また、請求項記載の発明は、筋入れナイフは、片刃ナイフを使用し、該ナイフの峰を上にしてナイフ表側を骨部に対面させ鉛直基準部材に直角の鉛直面上に切り下げ面を形成させるとともに、刃先を足首肉・皮逃げ防止ブロックに直角に保持する構成としたことを特徴とする。
上記請求項記載の発明により、筋入れナイフは傾斜刃面を持つ表側は筋入れをする骨部に接することになり、下腿骨、大腿骨の筋入れの際上下プッシャを減圧状態にしておけば、湾曲状軌跡を描いて骨部を痛める事無く骨部に沿い筋入れができる。
【0027】
なお、自動筋入れ装置は、対象とする腿肉がそれぞれ内側の平坦面に対し膝関節の湾曲が左右勝手違いの形態を取っているため、前記横方向基準部材と上下プッシャ及び筋入れナイフの位置は、ハンガーの軌道方向に対し、それぞれ反対側に設けられ、且つ筋入れナイフの表裏も反対側になるため、左右個別二組の装置から構成してある。
【0028】
また、ワークのクランプは、一体構成の鉛直基準部材とともに後方退避位置より前進させた横方向基準部材に対する上プッシャの駆動機構の作動により可能にしたものである。
即ち、筋入れステーションにおいて、ハンガーにより吊架状態で搬入されたワークに対し、前記吊架されたままの状態の足首に対して、後方に退避させていた横方向基準部材を鉛直基準部材とともに規制位置に前進させ、前進した横方向基準部材を介して上プッシャによりワークを押圧クランプし、クランプ解除時は上プッシャ及び横方向基準部材の原点復帰により可能にしたもので、この構成によりハンガーから運ばれてきたワークを筋入れステーションで他のクランプ部材に移載する手間を省くことができるようにしてある。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載が無い限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の食鶏左側腿肉脱骨用自動筋入れ装置の概略の構成を示す平面図で、図2はバッファコンベヤのハンガーにより吊架状態で筋入れステーションに搬入されたワークの左側腿肉をクランプする状況を示す図で、(A)ワーク搬入前の状況を示す図で、(B)はワークをクランプする状況を示す図である。図3は筋入れ機構の概略の構成を示す図で、図4は筋入れの状況を示す図で、(A)はワークを横方向から見た図で、(B)は正面から見た図である。図5(a)は筋入れナイフが足首部未貫通の場合に生ずるワークの肉部及び皮の膨れ状況を示す模式図で、(b)は筋入れナイフによる膝関節部の筋入れ状況を示す模式図で、図6は図2のワークのクランプの前の姿勢制御の状況を示す図で、(A)は鉛直基準部材である俎の押圧開始初期のワークの姿勢を示し、(B)は俎の押圧終了時のワークの姿勢を示す図である。
【0030】
図1に示すように、本発明の食鶏左側腿肉脱骨用自動筋入れ装置は、バッファコンベヤ51の搬送軌道51a上の筋入れステーション52に設けられた保持機構13と筋入れ機構14とより構成する。
図に見るように、搬送軌道51a上の筋入れステーション52の中心を過る軌道51aの中心軸芯Y−Yの軌道上に保持機構13を配設し、軌道の外側に筋入れ機構14を配設してある。筋入れ機構14の先端には前後進可能の筋入れナイフ20と肉押さえ21よりなる一体構造体が設けられ、該肉押さえ21を筋入れ機構14の軸芯Y−Y上に設け、筋入れナイフ20はバッファコンベヤ51の中心Aに向かってステーション52の中心を過る軌道51aの中心軸芯Y−Yの右側(右側腿肉の場合は左側)に配設してある。
【0031】
保持機構13は後記する横基準部材である基準ブロック16がバッファコンベヤ51の中心Aに向かって前記筋入れナイフ20の右側の所定距離S[図4(B)拡大図K参照]の位置に位置させ、腿肉10の足首11のアキレス腱側を前記基準ブロック16に当接させ上プッシャ16aによりクランプしたとき、足首の中心が軌道51a上の筋入れステーション52に位置する構成にしてある。
【0032】
図2には、バッファコンベヤ51の筋入れステーション52へ、ハンガー50により吊架状態でに搬入されたワーク(左側腿肉)10をクランプする状況を示してあり、図の(A)はワーク搬入前の状況を示す図で、(B)はワークをクランプ固定する状況を示す図である。
図の(A)に示すように、保持機構13は筋入れステーション52の鉛直軸芯Y−Y(ハンガー50の鉛直軸芯、またはハンガー50に吊架されている腿肉10の縦中心線)に対し後方へ後退退避させ、筋入れステーション52に搬入してくる腿肉10との間の干渉から回避するようにしてある。
また、筋入れ機構14も筋入れナイフ20とそれに付随して前後進する肉押さえ21も、ともに前後進機構25を介して腿肉10への接触直前の状態に後退させ、搬入してくる腿肉10との間の干渉を回避させている。
なお、ハンガー50に吊架状の左側腿肉10が筋入れナイフ20により筋入れされる場合、図1に示すように筋入れナイフ20はバッファコンベヤの中心Aに向かってハンガー50の中心(ステーション52の中心)を過る搬送軌道51aの中心軸芯Y−Y(肉押さえ20が位置する)の右側に平行に位置させ(右側腿肉の左側)ている。
【0033】
上記位置関係にある筋入れナイフ20により形成される筋入れ面に対し、腿肉10の内側平坦面の向きを前記筋入れ面に対し直角に維持させるべく姿勢制御の必要がある。また足首の左右位置は筋入れナイフの刺し込み位置が足首の略中心に位置する足首骨部12aに対し骨部を傷付けない程度にごく接近した横の位置に設定する必要がある。
保持機構13は上記事項を勘案して構成されたもので、姿勢制御部は、腿肉10の向きを規制するべく筋入れステーション52の中心を過る搬送軌道51aの中心軸芯Y−Yに直角の鉛直基準部材を形成する俎15と、足首の11の後側で筋入れナイフ20の刺し込み圧力を受けるべく前記俎15の上部に設けた足首俎15aと、前記肉押さえ21との間で腿肉10を挟持して押圧力を発生させて姿勢を制御する押圧駆動部を形成するアクチュエータ15bとより構成する。
【0034】
上記俎15と足首俎15aは、アクチュエータ15bを介して姿勢制御時以外は後退させ腿肉10の搬入に際しての干渉から回避させ、腿肉10が筋入れステーション52に搬入されると前進させるがその初期には図6(A)に示すように腿肉10は恣意的姿勢を取っている。そして、俎15を更に前進させ前記肉押さえ21との間で腿肉を挟持押圧力を発生させると腿肉10は図6(B)に示すようにその平坦面が俎15に完全に接触担持され腿肉10の中心横軸Y−Yが図の(A)では俎15の接触面に対して傾いているが図の(B)では平行になって正しい筋入れ面を形成することができるようにしてある。なお、押圧終了時には前記肉押さえはスプリング21aにより弾性的接触を可能にしている。
【0035】
保持機構13の位置決め部は、上記姿勢制御に伴って足首の向きも制御された足首11の左右位置及び捻れを除き足首のアキレス腱側が俎に対し横方向を向き、前記横基準部材である基準ブロック16に当接させ、上プッシャ16aで押圧クランプされるので、前記基準ブロック16より所定距離Sを置いて設定されている筋入れナイフ20に対しては、ワークの大小に係わらず骨部のごく近接部位に刺し込み位置を設定できる。
【0036】
なお、図1、図2(B)に見るように足首の左右位置を規制する位置決め部は前記俎15に垂直に設けた横基準部材を形成する基準ブロック16と該ブロックに足首を挟持クランプする上プッシャ16aと押圧シリンダ16bとより構成する。
基準ブロックは16は前記したようにバッファコンベヤの軌道中心Aに向かって筋入れナイフ20の筋入れ位置に対し右側(右側腿肉の場合は左側)に所定距離S(約5〜8mm)を置いて設け、刺し込みの際刃先が足首11の骨部12aを傷つけ骨片の肉部への混入を防止している。上プッシャ16aは俎15の構造部材に回動可能に取り付けられ、押圧シリンダ16bによりリンクモーションを介して足首11を基準ブロック16に押圧クランプして固定を可能にしている。
【0037】
なお、下プッシャ18は押圧回動部18aを介して腿肉10の下側より斜め右上(右側腿肉の場合は斜め左上)に押圧して、鉛直直線下降する筋入れナイフ20に対し上プッシャ16aとともに湾曲骨部の内側に沿い筋入れを可能とする構造にするとともに、膝関節部の筋入れ時には上下プッシャとも一時的に押圧を停止させ、関節の軟骨部への切り込みから起きる軟骨片の肉部への混入を防止するようにしている。
【0038】
上記保持機構13の構成により、腿肉10が筋入れステーションに到着して、姿勢製制御と足首の左右位置の位置決めが行なわれるが、図2(B)に示すように、先ず俎15及びそれと一体構造の基準ブロック16及び足首俎15aをアクチュエータ15bを介して退避位置より前進させ、腿肉の内側の平坦面を俎に接触させたのち、既に定位置に位置している肉押さえ21との間で挟持押圧して発生する押圧力により腿肉の平坦面を完全に俎15に接触させ図5(B)に示すように腿肉10の中心横軸Y−Yが俎表面の接触面と平行状態を形成させる。
【0039】
ついで、上記姿勢制御とともに足首の向きも制御され正しい状態(足首のアキレス腱側を横向きにする)に置かれた足首の右側を基準ブロック16に当接させ、上プッシャ16aにより押圧シリンダ16bを介して押圧して足首の左右位置規制をするとともに、腿肉10をハンガー50に吊架したまま基準ブロック16にクランプ固定する。斯くしてワークの大小に係わらず足首の筋入れナイフ刺し込み位置を自動的に設定でき、常に骨部12aのごく近接位置に筋入れナイフ20を自動的に刺し込むことができ、事後の切り下げ工程に於いても良好な筋入れを可能にする。
ついで、下プッシャ18を押圧回動部18aを介して回動させその先端で腿肉10の下部を斜め右上に押圧する。
【0040】
筋入れ機構14は、前後進及び上下昇降可能の筋入れナイフ20と肉押さえ21を先端に持ち、図1に示すようにバッファコンベヤ51の外側に設け、肉押さえ21を軸芯上に持つ筋入れ機構の軸芯を筋入れステーション52の中心を過る搬送軌道51aの中心軸芯Y−Y上に設け、前記したように肉押さえ21の右側 (右側腿肉の場合は左側)に適当間隔を置いて筋入れナイフを配設してあり、図3に示すように、その両者はともに前後進駆動機構25により腿肉10に対し前後進可能に設けられ、且つ昇降シリンダ23aによりリニアガイド23bを介してともに筋入れナイフ20の鉛直直線下降を可能に設けてある。
【0041】
なお、筋入れナイフ20のみは該ナイフの刺し込み後の切り下げのための下降時には前後振動モータ26を介してストローク約1mm程度の前後運動しながら極度の磨耗を起こさない程度に振動させて下降させ、切れ味の向上を図っている。
なお、筋入れナイフ20は、図4(A)、図5(B)に示すように片刃のナイフを使用し、その表側20bをワークの湾曲側足首骨部に当面させ切り下げ可能にしてあり、切り下げ時に上記片刃の筋入れナイフの刃が骨部に食い込むことなく骨部に沿い適当間隔を明けて下降可能にの構造にしてある。
【0042】
図4は、上記筋入れ機構14による左側腿肉の筋入れの状況を示す図で、図の(A)は片刃の筋入れナイフ20の刺し込みの状況を示す側面図で、図の(B)は刺し込み後の片刃の筋入れナイフ20切り下げの状況を示す正面図である。
図の(A)に見るように、腿肉10の平坦面を俎15の表面に完全接触させ姿勢制御を完了させ、足首11の後側も俎15と一体構造の足首俎15aに当接させ、ハンガー50に吊架した腿肉10の縦中心線Y−Yを鉛直基準部材である俎15に平行状態にさせる。
【0043】
ついで図の(B)に見るように基準ブロック16に、足首の向きも正しく規制され、足首11のアキレス腱側を基準ブロック16に当接させ足首の左側を上プッシャ16aにより押圧クランプする。
クランプした足首11の足首骨部12aと基準ブロック16との間に、拡大断面図Kに示すように基準ブロック16と筋入れナイフの裏側の間隔Sを5〜8mm程度に設定し骨部を傷付けることなく刺し込み可能に水平状に設けてある片刃の筋入れナイフ20を、待機位置より図の(A)に示すナイフ刺し込み位置まで挿入する。
【0044】
この場合図5(A)に示すように、足首俎15aに足首の後側が当接してナイフの先端20aにより腿肉10の皮10aが押し出され切れにくくなることを防止してある。筋入れナイフの先端が肉の所定の深さまで刺し込まれていない状況で切り下げをすると、筋入れナイフは片持ち構造のため刃先がふらつき切り下げ面は不安定となり、歩留まり低下の原因を形成する。
なお、上記片刃の筋入れナイフ20は腿肉10の膝関節湾曲部側の骨部12に片刃の表側を当面させ、上プッシャ16及び下プッシャ18の斜め右上への押上げ力により湾曲骨部に沿い筋入れ可能にしている。
【0045】
ついで、図4の(B)に示すように刺し込みした片刃の筋入ナイフ20を下腿骨12bに沿い切り下げるわけであるが、この場合筋入れ領域Aを筋入れナイフが下降する間は上プッシャを稍減圧させながら下降させ、筋入れ領域Dの間を筋入れナイフが下降する間は図5(B)に示すように上プッシャ16a及び下プッシャ18による押圧を解除しナイフの刃先が膝関節部12cに接触しないようにする。そして領域Bにおいては下プッシャ18を加圧して大腿骨を斜め上方に押し上げた後、減圧させナイフが大腿骨12dの湾曲部に沿い切り下げ出来るようにする。
なお筋入れ領域Dにおいては、筋入れナイフ20の刃先は関節部位に切り欠きを入れることがないため、脱臼防止を図ることができる。
【0046】
【発明の効果】
上記構成により、足首のクランプによりワークを固定し筋入れナイフの下降による筋入れは、ワークの大きさに左右されることなく、ワークの搬入→ワークの固定→筋入れ加工→固定解除→搬出の一連の操作を機械的処理を可能にしている。
また、上記ワークの足首と横基準部材との間に筋入れナイフの刺し込み位置を設定するようにしてあるため、ワークの大きさの差による筋入れナイフの刺し込み位置の受ける影響は少なくてすむ。
また、筋入れ機構は片刃ナイフによる鉛直直線下降による切り下げ方式を採用し、ワークの横方向からの押圧を上下個別に作動する圧力制御可能プッシャ構造を使用しているため、骨部に沿った高歩留まりの筋入れを可能とし、且つ切り下げ時はワークを鉛直基準部材に担持させ上から肉押さえに押圧しながら行なうため、安定した筋入れを行なうことができ、良質の正肉を供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の食鶏左側腿肉脱骨用自動筋入れ装置の概略の構成を示す平面図である。
【図2】 図1のバッファコンベヤのハンガーにより吊架状態で筋入れステーションに搬入されたワークの左側腿肉をクランプする状況を示す図で、(A)ワーク搬入前の状況を示す図で、(B)はワークをクランプする状況を示す図である。
【図3】 図1の筋入れ装置の筋入れ機構の概略の構成を示す図である。
【図4】 図1の筋入れ装置による筋入れの状況を示す図で、(A)は片刃の筋入れナイフの刺し込みの状況を示す側面図で、(B)は刺し込み後の片刃の筋入れナイフ切り下げの状況を示す正面図である。
【図5】 (a)は筋入れナイフが足首未貫通の場合に生ずるワークの肉部及び皮の膨れ状況を示す模式図で、(b)は筋入れナイフによる膝関節部の筋入れ状況を示す模式図である。
【図6】 図2のワークのクランプの前の姿勢制御の状況を示す図で、(A)は鉛直基準部材である俎の押圧開始初期のワークの姿勢を示し、(B)は俎の押圧終了時のワークの姿勢を示す図である。
【図7】 従来の他社提案による食鶏腿肉サイドカット装置の要部構造を示す該略図であり、(A)は上から見た平面図で、(B)はワークを装着したときの側面図である。
【符号の説明】
10 腿肉
11 足首
12a 足首骨部
12b 下腿骨
12c 膝関節部
12d 大腿骨
13 保持機構
14 筋入れ機構
15 俎
15a 足首俎
16 基準ブロック
16a 上プッシャ
18 下プッシャ
20 筋入れナイフ
21 肉押さえ
23a 昇降シリンダ
23b リニアガイド
26 前後振動モータ

Claims (8)

  1. 食鶏腿肉脱骨工程の前段に行なう吊り下げ状態にある食鶏腿肉ワークを保持し筋入れナイフを刺し込む保持工程と、刺し込んだ刃物をワークの骨部に沿って切り下げる切り下げ工程とからなる食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法において、
    上記保持工程は、ワークの腿肉内側平坦面が筋入れ切り下げ面に対し直角鉛直面を形成する姿勢制御工程と、姿勢制御工程により姿勢制御されたワークの足首骨部を筋入れナイフの刺し込み位置に対し位置決めクランプする刺し込み位置の位置決め工程と、位置決めクランプされた足首骨部横に筋入れナイフの刃先を刺し込む工程よりなり、
    上記位置決め工程は、ワークの足首を押圧クランプする上プッシャと、吊り下げられた腿肉の下側より湾曲骨部の湾曲内側へ斜め上方に押圧する下プッシャとにより位置決め固定する工程を有し、
    上記切り下げ工程は、上記上プッシャを減圧して筋入れナイフを足首より大腿骨の大腿骨頭まで鉛直線方向に下降させ、足首より膝関節までの下腿骨に沿って下降するナイフ刃面に対し骨部の押圧を適宜変更し切り下げる下腿骨筋入れ工程と、
    上記上プッシャおよび下プッシャによる押圧を解除して刃面に対し膝関節部への押圧を解除して膝関節部の脱臼を防止して切り下げる膝関節筋入れ工程と、
    上記下プッシャを加圧して大腿骨を斜め上方に押し上げた後、減圧して膝関節より下部の大腿骨に沿って下降するナイフ刃面に対し骨部の押圧を適宜変更し切り下げる大腿骨筋入れ工程よりなるようにしたことを特徴とする食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法。
  2. 前記姿勢制御工程は、ワークの腿肉内側平坦面を筋入れ切り下げ面に直角に設けた鉛直基準部材上に当接させ筋入れナイフ側に設けた対向鉛直面の肉押さえとの間で押圧して吊り下げワークの方向規制をするようにしたことを特徴とする請求項1記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法。
  3. 前記足首骨部の刺し込み位置の位置決め工程は、姿勢制御工程により足首のアキレス腱側を前記切り下げ面に平行に設定した後、筋入れナイフの刃先に対し横方向に所定距離を置いて前記鉛直基準部材に直角に設けた横基準部材に前記足首のアキレス腱の反対側を上プッシャにより押圧クランプし、押圧クランプ状態において筋入れナイフを刺し込み刃先が足首骨部の近接部位に正確に刺し込み可能としたことを特徴とする請求項1記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法。
  4. 前記刺し込み工程は、前記鉛直基準部材の上部に設けた肉逃げ防止ブロックにより刃先を皮まで貫通しない程度に深く刺し込み、片持ちナイフの刺し込み方向の振れ防止を可能としたことを特徴とする請求項1記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法。
  5. 前記筋入れナイフは片刃の筋入れナイフを使用し、そのナイフ刃面である表側側面をワークの湾曲側骨部に略当接状に切り下げ可能にしたことを特徴とする請求項1記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ方法。
  6. 食鶏腿肉脱骨工程の前段で腿肉を筋入れステーションにハンガーを介して搬入するバッファコンベヤに設け、吊架中の食鶏用腿肉のワークを保持する保持機構と、保持したワークに筋入れナイフを刺し込みワークの骨部に沿って切り下げる筋入れ機構とよりなる食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ装置において、
    上記保持機構は、吊り下げられた腿肉内側の平坦面が接触して該腿肉を鉛直に保持する押圧可能の鉛直基準部材と筋入れナイフ側に設けてある肉押さえとの間で形成される姿勢制御部と、足首骨部のナイフ刺し込み位置の位置決め制御をすべく足首のアキレス腱側を押圧すべく設けた横基準部材と押圧用上プッシャとよりなる位置決め部と、ワークの下部横方向の姿勢を制御する下プッシャとより構成し、
    上記筋入れ機構は、前記鉛直基準部材に対向して鉛直状に設けた肉押さえと、肉押さえの右または左横に鉛直切り下げ面を形成する肉押さえと一体構造に設けた筋入れナイフと、該筋入れナイフの刺し込みのための前後進部と、切り下げのための昇降部とより構成し、
    さらに、上記筋入れ機構は、下腿部の切り下げには前記上プッシャを減圧し、膝関節の筋入れには上記上下プッシャの押圧を解除して膝関節部の脱臼を防止して切り下げ、大腿部の切り下げには上記下プッシャを加圧して大腿骨を斜め上方に押し上げた後、減圧して膝関節より下部の大腿骨に沿って下降するナイフ刃面に対し骨部の押圧を適宜変更し切り下げる機構であることを特徴とする食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ装置。
  7. 前記鉛直基準部材の上部には、筋入れナイフの刺し込み時に足首がナイフの刺し込み方向に振れるのを防止する足首肉・皮逃げ防止ブロックを設けたことを特徴とする請求項6記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ装置。
  8. 前記筋入れナイフは、片刃ナイフを使用し、該ナイフの峰を上にしてナイフ表側を骨部に対面させ鉛直基準部材に直角の鉛直面上に切り下げ面を形成させるとともに、刃先を上記足首肉・皮逃げ防止ブロックに直角に保持する構成としたことを特徴とする請求項7記載の食鶏腿肉脱骨用自動筋入れ装置。
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