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JP6650386B2 - 遠隔運転制御装置、車両制御システム、遠隔運転制御方法、および遠隔運転制御プログラム - Google Patents

遠隔運転制御装置、車両制御システム、遠隔運転制御方法、および遠隔運転制御プログラム Download PDF

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JP6650386B2 JP2016218589A JP2016218589A JP6650386B2 JP 6650386 B2 JP6650386 B2 JP 6650386B2 JP 2016218589 A JP2016218589 A JP 2016218589A JP 2016218589 A JP2016218589 A JP 2016218589A JP 6650386 B2 JP6650386 B2 JP 6650386B2
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Description

本発明は、遠隔運転制御装置、車両制御システム、遠隔運転制御方法、および遠隔運転制御プログラムに関する。
近年、加減速や操舵を自動的に行う自動運転について研究が進められている。これに関連し、車両の自動運転走行を実行する運転実行部と、自動運転からマニュアル運転に復帰することができる運転能力が運転者にあるか否かを判断する復帰判断部とを備え、運転実行部による車両の自動運転走行を開始する前に、復帰判断部により運転能力が運転者にないと判断された場合には、自動運転走行を禁止する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2016−115356号公報
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、自動運転を禁止している場合において、遠隔運転により車両の走行を実行することは考慮されていなく、遠隔操作者の操作に基づいて車両の遠隔運転を開始することができる場合がある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる遠隔運転制御装置、車両制御システム、遠隔運転制御方法、および遠隔運転制御プログラムを提供することを目的の一つとする。
請求項1記載の発明は、被遠隔操作を受ける車両と通信する通信部(310)と、前記通信部により受信された前記車両の状況を遠隔操作者に提示する提示部(321)と、前記遠隔操作者による運転操作を受け付ける受付部(324、325)と、前記受付部により受け付けられ運転操作が所定条件を満たす場合に、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる遠隔運転制御部(330)と、を備える、遠隔運転制御装置(300)である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の遠隔運転制御装置であって、前記所定条件は、前記提示部により車両の状況を提示した時刻から、前記受付部により運転操作を受け付けた時刻までの時間が所定時間以内であることである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の遠隔運転制御装置であって、前記所定条件は、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき推定される前記遠隔操作者の習熟度が基準以上であることを含む。
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の遠隔運転制御装置であって、前記所定条件は、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき推定される前記遠隔操作者の覚醒度が基準以上であることを含む。
請求項5記載の発明は、請求項1から4のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置であって、前記提示部は、複数の遠隔操作者のそれぞれに前記車両の状況を提示し、前記受付部は、前記複数の遠隔操作者のそれぞれの運転操作を受け付け、前記遠隔運転制御部は、前記複数の遠隔操作者のうち、前記受付部により受け付けられた運転操作が前記所定条件を満たしたいずれかの遠隔操作者を選択する、ものである。
請求項6記載の発明は、請求項1から5にうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置であって、前記遠隔運転制御部は、前記提示部により前記通信部により受信された前記車両の状況を遠隔操作者に提示しつつ、前記受付部により前記遠隔操作者による運転操作を受け付け、且つ遠隔操作者の運転操作に基づく制御情報を前記車両に送信しないトライアル期間を設け、前記トライアル期間において前記受付部により受け付けられた運転操作が所定条件を満たす場合に、前記遠隔運転を開始させる、ものである。
請求項7記載の発明は、請求項1から6のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置であって、前記遠隔運転制御部は、前記通信部により受信された遠隔操作者を指定する情報に基づいて、複数の遠隔操作者の中から、運転操作が所定条件を満たすいずれかの遠隔操作者を選択する、ものである。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置であって、前記遠隔運転制御部は、前記通信部により受信された情報に基づいて、緊急に遠隔運転の開始が必要か否かを判定し、必要な場合に、予め所定条件を満たした履歴のある遠隔操作者の操作に基づいて遠隔運転を開始させる、ものである。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置であって、遠隔操作者を撮像する撮像部を備え、前記遠隔運転制御部は、前記通信部に、前記遠隔操作者が運転操作を行う様子を撮像した画像を前記通信部に送信させる、ものである。
請求項10記載の発明は、請求項1に記載の遠隔運転制御装置(300)と、前記遠隔運転制御装置と通信する車両側通信部(20)と、前記車両の状況を取得する取得部(10)と、前記車両側通信部を用いて前記遠隔運転制御装置に遠隔操作を依頼し、前記遠隔運転制御装置から受信した前記制御情報に基づいて前記車両を走行させる被遠隔運転制御部(160)と、を備える車両制御装置(100)と、を備える、車両制御システム(1)、である。
請求項11記載の発明は、コンピュータ(310)が、被遠隔操作を受ける車両と通信し、受信した前記車両の状況を遠隔操作者に提示し、前記遠隔操作者による運転操作を受け付け、受け付けた運転操作が所定条件を満たした場合に、受け付けた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる、遠隔運転制御方法である。
請求項12記載の発明は、コンピュータ(310)に、被遠隔操作を受ける車両と通信させ、受信した前記車両の状況を遠隔操作者に提示させ、前記遠隔操作者による運転操作を受け付けさせ、受け付けた運転操作が所定条件を満たした場合に、受け付けた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる、遠隔運転制御プログラムである。
請求項1、10、11、および12記載の発明によれば、所定条件を満たしていない運転操作を行う遠隔操作者により遠隔操作を開始させることがなく、適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。
請求項2−4記載の発明によれば、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。
請求項5、6記載の発明によれば、複数の遠隔操作者に車両の遠隔操作のシミュレーションを行わせた上で一人の遠隔操作者を選択することができ、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。
請求項7記載の発明によれば、車両乗員の意向に基づいて、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を開始させることができる。
請求項8記載の発明によれば、緊急時であっても適切な遠隔操作者に遠隔運転を開始させることができる。
請求項9記載の発明によれば、遠隔運転を行っている場合に車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
車両制御システム1の概念図である。 遠隔操作管理設備300における装置構成を示す図である。 遠隔操作者一覧312の内容の一例を示す図である。 遠隔操作装置320の構成を模式的に示す図である。 車両Mに搭載される構成の一例を示す図である。 自車位置認識部122により走行車線L1に対する車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。 推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。 車両M、複数の遠隔操作装置320、および統括制御装置310における処理の流れを示すシーケンス図である。 遠隔操作者を選択する処理の流れの一例を示すフローチャートである。 遠隔運転の依頼処理の流れの一例を示すフローチャートである。 被遠隔運転が実行されている間において表示される画面の一例を示す図である。 車両の乗員によって遠隔操作が実行される様子を概念的に示す図である。 遠隔操作を行う車両Mに搭載される構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照し、本発明の遠隔運転制御装置、車両制御システム、遠隔運転制御方法、および遠隔運転制御プログラムの実施形態について説明する。
<第1実施形態>
[システム構成]
図1は、車両制御システム1の概念図である。車両制御システム1は、複数の車両M−1〜M−n(nは任意の自然数)と、遠隔操作管理設備300とがネットワークNWを介して通信することで実現される。以下、車両を区別しないときは車両Mと称する。車両Mは、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。また、車両Mは、加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御する自動運転を実行可能な車両である。ネットワークNWは、無線通信のインターフェースである基地局、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、専用回線などを含む。
車両制御システム1では、車両Mから遠隔運転管理設備300に、或いはある車両Mから他の車両Mに対して遠隔操作リクエストが送信され、それに応じて車両Mの遠隔操作が実行される。
[遠隔操作管理設備300]
以下、遠隔操作を行う側の車外設備について説明する。図2は、遠隔操作管理設備300における装置構成を示す図である。図示するように、遠隔操作管理設備300には、ネットワークNWを介して車両M(被遠隔操作車両)と通信する統括制御装置310と、複数の遠隔操作装置320−1、320−2、320−3、…とが設けられる。以下、遠隔操作装置を区別しないときは、単に遠隔操作装置320と表記する。
それぞれの遠隔操作装置320では、遠隔操作者が遠隔操作リクエストに備えて着座して待機している。統括制御装置310は、一台の車両Mから受信した情報を、複数の遠隔操作装置320のそれぞれに送信し、複数の遠隔操作者に運転操作を行わせる。車両Mから受信した情報は、車両Mに搭載されたカメラ等の機器により取得された画像、音声、速度、角速度、車種などの車両状況を表す情報である。また、統括制御装置310は、遠隔操作者一覧312を参照することで、複数の遠隔操作者のうちいずれかの遠隔操作者が操作している遠隔操作装置320を選択する。統括制御装置310は、選択した遠隔操作装置320により受け付けた運転操作に基づいて制御情報を生成し、生成した制御情報を車両Mに送信する。
図3は、遠隔操作者一覧312の内容の一例を示す図である。遠隔操作者一覧312には、車両Mから受信した情報を受信している遠隔操作装置320の遠隔操作者の識別情報である遠隔操作者IDが登録される。遠隔操作者一覧312には、遠隔操作者IDに対応付けて、遠隔操作の経験年数、運転操作の直近のタイムラグ、経験年数およびタイムラグを総合的に評価した習熟度、および現在の遠隔操作者の状態を表す覚醒度、遠隔操作を実行中であるか否かを示すフラグなどの情報が格納される。運転操作の直近のタイムラグは、遠隔操作者に情報を提示した時刻から運転操作を受け付けた時刻までの時間である。具体的に、タイムラグは、障害物の出現を表示した時刻から、舵角変更またはブレーキ操作を受け付ける時刻までの時間である。
習熟度は、遠隔操作装置320において受け付けられた運転操作に基づき推定される遠隔運転の習熟の度合いを表す情報である。習熟度は、実際に遠隔操作をしてからの経験年数に基づいて推定してもよい。また、遠隔操作者として選択されていないが車両Mの遠隔操作をシミュレーションした累積時間であってもよい。覚醒度は、遠隔操作装置320において受け付けられた運転操作に基づき推定される遠隔運転の覚醒の度合いを表す情報である。覚醒度は、タイムラグに基づく覚醒の度合いを表す情報であってもよいが、これに限定されず、遠隔操作者の瞼の動きや視線、心拍などの生体状態に基づく覚醒の度合いを表す情報であってもよい。
統括制御装置310は、遠隔運転を実行するための制御情報を生成し、所定条件を満たした場合に、生成した制御情報を、車両Mに送信する。このために、統括制御装置310は、遠隔操作者一覧312を参照し、遠隔操作者一覧312に登録された複数の遠隔操作者のうち、所定条件を満たした遠隔操作者を選択して、選択した遠隔操作者の操作する遠隔操作装置320により生成された制御情報を、車両Mに送信する。
所定条件は、以下のうち少なくとも一つである。
(A)直近の運転操作が適性である。直近の運転操作には、タイムラグ、舵角、アクセル操作量、またはブレーキ操作量の少なくとも一つが含まれている。直近の運転操作が適性であることは、タイムラグが基準以上であることである。タイムラグが基準以上であることとは、タイムラグが所定時間以内であること、または、例えば、3人の遠隔操作者がいる場合に、1人以上の遠隔操作者よりもタイムラグが短いことである。また、直近の運転操作が適性であることには、舵角、アクセル操作量、またはブレーキ操作量が車両Mを安全に走行させるための基準範囲内であることであってよい。さらに、直近の運転操作が適性であることには、タイムラグが基準以上、且つ、舵角、アクセル操作量、またはブレーキ操作量が車両Mを安全に走行させるための基準範囲内であることであってよい。
(B)遠隔操作者の習熟度が基準以上である。習熟度は、車両Mの経験年数が所定年数以上である場合や、シミュレーションの累積時間が長くなるほど、高くなる。習熟度が基準以上とは、例えば、3人の遠隔操作者がいる場合に、1人以上の遠隔操作者よりも習熟度が高いことである。
(C)遠隔操作者の覚醒度が基準以上である。覚醒度が高いほど、タイムラグが短くなる傾向があるためである。覚醒度が基準以上とは、例えば、3人の遠隔操作者がいる場合に、1人以上の遠隔操作者よりも覚醒度が高いことである。
統括制御装置310は、(A)〜(C)それぞれの所定条件を満たすか否かに基づいて、遠隔操作者にポイントを付与してもよい。統括制御装置310は、(A)〜(C)それぞれの所定条件を満たす度にポイントを増加させ、(A)〜(C)それぞれの所定条件を満たさない場合にポイントを減少させる。統括制御装置310は、ポイントが最も高い遠隔操作者を選択することができる。
図4は、遠隔操作装置320の構成を模式的に示す図である。遠隔操作装置320は、例えば、表示部321と、スピーカ322と、シート323と、ステアリングホイール324と、アクセルペダルおよびブレーキペダルなどのペダル類325と、遠隔操作制御部330とを備える。
表示部321は、車両Mのカメラにより撮像された画像、車両Mの速度やエンジン回転数などを表示する。なお、表示部321は、HMD(Head Mount Display)でもよい。スピーカ322は、車両Mの物体認識装置16により認識された障害物の車両Mへの接近に応じて警告音を発する。シート323には、遠隔操作者Oが着座する。遠隔操作者Oは、ステアリングホイール324やペダル類325などの運転操作子に対して運転操作を行う。これらに対する操作量は、図示しないセンサによって検出され、遠隔操作制御部330に出力される。運転操作子は、ジョイスティックなど、他の態様の運転操作子であってもよい。
遠隔操作制御部330は、運転操作子から入力された操作量に基づいて、車両Mに送信する制御情報を生成する。遠隔操作制御部330は、生成した制御情報を統括制御装置310に送信する。統括制御装置310は、複数の遠隔操作装置320により生成された複数の制御情報のうち、選択された遠隔操作装置320が生成した制御情報を、車両Mに送信する。なお、運転操作子には、操作量によって生じるべき反力を作用させるための反力出力装置が付設されている。反力を正確に決定するために、車両Mから遠隔操作装置320に対して、速度や角速度などの情報が供給されると好適である。
車両Mに送信される制御情報は、ステアリングホイール324やペダル類325に対する操作量そのものであってもよいし、その時点の車両Mの車速や旋回角度に基づいて変更した操作量に基づいて計算される、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、またはステアリング装置220に与えるべき制御量(例えば、スロットル開度、ブレーキトルク、ステアリング装置220のアシストモータの出力トルクなど)であってもよい。
[車両構成]
つぎに、車両Mに搭載される構成について説明する。図5は、車両Mに搭載される構成の一例を示す図である。車両Mには、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、ナビゲーション装置50と、MPU(Micro-Processing Unit)60と、車両センサ70と、運転操作子80と、車室内カメラ90と、自動運転制御ユニット100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とが搭載される。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図5に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。図5に示す構成のうち、カメラ10、通信装置20、運転操作子80、第1制御部120、第2制御部140、および被遠隔運転制御部160を少なくとも含むものが、「車両制御装置」の一例である。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
レーダ装置12は、車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。レーダ装置12は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
ファインダ14は、照射光に対する散乱光を測定し、対象までの距離を検出するLIDAR(Light Detection and Ranging、或いはLaser Imaging Detection and Ranging)である。ファインダ14は、車両Mの任意の箇所に一つまたは複数が取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御ユニット100に出力する。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して遠隔操作管理設備300などの外部装置と通信する。
HMI30は、車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備え、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両Mの位置を特定する。車両Mの位置は、車両センサ70の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。経路決定部53により決定された経路は、MPU60に出力される。また、ナビゲーション装置50は、経路決定部53により決定された経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。なお、ナビゲーション装置50は、例えば、ユーザの保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。また、ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61として機能し、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、経路において分岐箇所や合流箇所などが存在する場合、車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。第2地図情報62は、通信装置20を用いて他装置にアクセスすることにより、随時、アップデートされてよい。
車両センサ70は、車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイールその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御ユニット100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一方または双方に出力される。
車室内カメラ90は、運転席に着座した乗員の顔を中心として上半身を撮像する。車室内カメラ90の撮像画像は、自動運転制御ユニット100に出力される。
自動運転制御ユニット100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部140と、被遠隔運転制御部160とを備える。第1制御部120、第2制御部140、および被遠隔運転制御部160は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、以下に説明する第1制御部120、第2制御部140、および被遠隔運転制御部160の機能部のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
第1制御部120は、例えば、外界認識部121と、自車位置認識部122と、行動計画生成部123とを備える。
外界認識部121は、カメラ10、レーダ12、およびファインダ14から直接的に、或いは物体認識装置16を介して入力される情報に基づいて、周辺車両の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。周辺車両の位置は、その周辺車両の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、周辺車両の輪郭で表現された領域で表されてもよい。周辺車両の「状態」とは、周辺車両の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。また、外界認識部121は、周辺車両に加えて、ガードレールや電柱、駐車車両、歩行者その他の物体の位置を認識してもよい。
自車位置認識部122は、例えば、車両Mが走行している車線(走行車線)、並びに走行車線に対する車両Mの相対位置および姿勢を認識する。自車位置認識部122は、例えば、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。
そして、自車位置認識部122は、例えば、走行車線に対する車両Mの位置や姿勢を認識する。図6は、自車位置認識部122により走行車線L1に対する車両Mの相対位置および姿勢が認識される様子を示す図である。自車位置認識部122は、例えば、車両Mの基準点(例えば重心)の走行車線中央CLからの乖離OS、および車両Mの進行方向の走行車線中央CLを連ねた線に対してなす角度θを、走行車線L1に対する車両Mの相対位置および姿勢として認識する。なお、これに代えて、自車位置認識部122は、自車線L1のいずれかの側端部に対する車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する車両Mの相対位置として認識してもよい。自車位置認識部122により認識される車両Mの相対位置は、推奨車線決定部61および行動計画生成部123に提供される。
行動計画生成部123は、推奨車線決定部61により決定されて推奨車線を走行するように、且つ、車両Mの周辺状況に対応できるように、自動運転において順次実行されるイベントを決定する。イベントには、例えば、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、緊急停止イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。また、これらのイベントの実行中に、車両Mの周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。
行動計画生成部123は、車両Mが将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとに将来の基準時刻を複数設定し、それらの基準時刻に到達すべき目標地点(軌道点)の集合として生成される。このため、軌道点同士の間隔が広い場合、その軌道点の間の区間を高速に走行することを示している。
図7は、推奨車線に基づいて目標軌道が生成される様子を示す図である。図示するように、推奨車線は、目的地までの経路に沿って走行するのに都合が良いように設定される。行動計画生成部123は、推奨車線の切り替わり地点の所定距離手前(イベントの種類に応じて決定されてよい)に差し掛かると、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベントなどを起動する。各イベントの実行中に、障害物を回避する必要が生じた場合には、図示するように回避軌道が生成される。
行動計画生成部123は、例えば、目標軌道の候補を複数生成し、安全性と効率性の観点に基づいて、その時点での最適な目標軌道を選択する。
第2制御部140は、走行制御部141を備える。走行制御部141は、行動計画生成部123によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
被遠隔運転制御部160は、通信装置20を用いて遠隔操作リクエストを送信し、遠隔操作管理設備300から受信した制御情報に基づいて車両Mの加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御する被遠隔運転を実行する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECUとを備える。ECUは、自動運転制御ユニット100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、自動運転制御ユニット100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、走行制御部141から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、自動運転制御ユニット100から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
以下、上述した車両制御システム1において、複数の遠隔操作者のうちいずれかの遠隔操作者を選択して、遠隔運転を実行する処理について説明する。図8は、車両M、複数の遠隔操作装置320、および統括制御装置310における処理の流れを示すシーケンス図である。
車両Mの遠隔操作者が選択されていない状況において、車両Mにより検出された車両状況情報は、統括制御装置310を介して、遠隔操作装置320−1、320−2、および320−3に供給される。遠隔操作装置320−1、320−2、および320−3のそれぞれは、それぞれに対応する遠隔操作者に、車両状況を提示すると共に、遠隔操作者による運転操作を受け付ける(ステップS10)。遠隔操作装置320−1、320−2、および320−3のそれぞれは、対応する遠隔操作者による運転操作を受け付けたことに応じて、制御情報C−1、制御情報C−2、および制御情報C−3を統括制御装置310にそれぞれ送信する。統括制御装置310は、制御情報C−1、制御情報C−2、および制御情報C−3に基づいて、複数の遠隔操作者のうちいずれかの遠隔操作者を選択する(ステップS12)。すなわち、統括制御装置310は、運転操作が所定条件を満たした履歴のある遠隔操作者を予め選択しておき、遠隔運転が必要な場合に備える。
遠隔操作管理設備300は、車両Mから車両状況を受信する処理、車両状況の提示および運転操作の受付処理、および制御情報に基づいて候補者を選択する処理を繰り返す。これにより、統括制御装置310は、制御情報に基づいて、複数の遠隔操作者が車両Mを遠隔操作することができるか否かを試験する。すなわち、遠隔操作管理設備300は、車両Mの状況を遠隔操作者に提示しつつ、遠隔操作者による運転操作を受け付け、且つ遠隔操作者の運転操作に基づく制御情報を車両Mに送信しないトライアル期間を設ける。遠隔操作管理設備300は、トライアル期間において受け付けた運転操作が所定条件を満たす場合に、遠隔運転を開始させる。
なお、統括制御装置310は、複数の遠隔操作装置320に同時に車両状況を送信して、複数の遠隔操作装置320から同時に制御情報を受信することで遠隔操作者を選択してよいが、これに限定されない。統括制御装置310は、複数の遠隔操作装置320のうちいずれかの遠隔操作装置320に車両状況を送信するとともに制御信号を受信し、運転操作が所定条件を満たさない場合に、他の遠隔操作装置320に車両状況を送信してよい。これにより、統括制御装置310は、複数の遠隔操作者に順次運転操作を行わせることができ、運転操作が所定条件を満たす遠隔操作者を選択することができる。
図9は、遠隔操作者を選択する処理の流れの一例を示すフローチャートである。統括制御装置310は、まず、遠隔操作者一覧312を参照して、複数の遠隔操作装置320に対応する遠隔操作者の情報を取得する(ステップS100)。統括制御装置310は、複数の遠隔操作装置320から制御情報を取得する(ステップS102)。統括制御装置310は、遠隔操作者一覧312に登録された情報、および複数の制御情報に基づいて、所定条件を満たす遠隔操作者がいるか否かを判定する(ステップS104)。統括制御装置310は、所定条件を満たす遠隔操作者がいない場合、遠隔操作者を選択せず、制御情報を車両Mに送信することなしに、本フローチャートの処理を終了する。統括制御装置310は、所定条件を満たす遠隔操作者がいる場合、所定条件を満たす遠隔操作者を選択する(ステップS106)。なお、統括制御装置310は、所定条件を満たす複数の遠隔操作者がいる場合、習熟度や覚醒度が最も高い遠隔操作者を選択してよい。さらに、統括制御装置310は、車両Mから受信した遠隔操作者を指定する情報に従って遠隔操作者を選択してもよい。
図8に戻る。車両Mの被遠隔運転制御部160は、遠隔操作リクエストを送信する(ステップS14)。遠隔操作リクエストは、車両Mの乗員が遠隔操作を依頼するボタン操作などを行ったことに応じて送信されるが、自動運転の実行が困難になったことを契機として送信されてよい。統括制御装置310は、遠隔操作リクエストを受け付けた場合、予め選択されている遠隔操作者に対応する遠隔操作装置320−3に制御命令を送信する。遠隔操作装置320−3は、制御命令を受け付けたことに応じて、制御情報C−3を、統括制御装置310を介して車両Mに送信する。なお、統括制御装置310は、制御情報C−1、制御情報C−2、および制御情報C−3を受信している場合、予め選択されている遠隔操作者に基づき、制御情報C−3を抽出して車両Mに送信してもよい。これにより、統括制御装置310は、緊急に遠隔運転の開始が必要か否かを判定し、必要な場合に、予め所定条件を満たした履歴のある遠隔操作者の運転操作に基づいて遠隔運転を開始させる。
図10は、遠隔運転の依頼処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、自動運転制御ユニット100は、自動運転を実行している最中に(ステップS200)、手動運転に切り替えるか否かを判定する(ステップS202)。自動運転制御ユニット100は、手動運転に切り替えない場合、自動運転を継続する。自動運転制御ユニット100は、手動運転に切り替える場合、ハンドオーバリクエストをHMI30に出力させる(ステップS204)。自動運転制御ユニット100は、ハンドオーバリクエストを出力したことに応じて乗員の運転操作を検出したか否かを判定する(ステップS206)。自動運転制御ユニット100は、乗員の運転操作を検出した場合、自動運転を終了して手動運転に切り替える(ステップS208)。自動運転制御ユニット100は、乗員の運転操作を検出しない場合、遠隔操作リクエストを遠隔操作管理設備300に送信し、遠隔操作管理設備300から制御情報を受信することで、被遠隔運転を開始する(ステップS210、ステップS16)。自動運転制御ユニット100は、被遠隔運転を終了するまで、被遠隔運転を継続する(ステップS212)。被遠隔運転は、例えば、遠隔操作者によって安全な位置まで車両Mが移動されたときに、遠隔操作者によって終了される。
遠隔操作管理設備300は、車両Mの遠隔運転を実行している場合に、選択された遠隔操作者が運転操作を行う様子を撮像した画像を車両Mに送信してもよい。車両Mは、通信装置20を用いて遠隔操作者の画像を受信し、HMI30を用いて遠隔操作者の画像を表示する。図11は、被遠隔運転が実行されている間において表示される画面の一例を示す図である。この画面には、遠隔操作者の画像、および遠隔操作の事業者や遠隔操作者の情報が含まれている。これにより、乗員に遠隔操作者の状態を提示することができる。
また、遠隔操作管理設備300は、トライアル期間において、遠隔操作者を撮像した画像を車両Mに送信してもよい。車両乗員は、画像を確認することにより、遠隔操作者が運転操作する様子を確認することができ、遠隔操作者を指定することができる。遠隔操作管理設備300は、車両Mから受信した遠隔操作者を指定する情報に基づいて、複数の遠隔操作者の中から、運転操作が所定条件を満たすいずれかの遠隔操作者を選択することができる。
[車両からの遠隔操作]
車両の遠隔操作は、遠隔操作管理設備300の遠隔操作装置320ではなく、自動運転中の車両の乗員によって行われてもよい。図12は、車両の乗員によって遠隔操作が実行される様子を概念的に示す図である。図中、車両M−1は、上記説明した被遠隔運転を実行中の車両である。また、車両M−2は、自動運転を実行しているため運転操作子がフリーの状態となっており、本来はその車両の運転操作に用いるための運転操作子を、遠隔操作の運転操作子として使用可能な車両である。この場合、車両M−2では、例えば、車両M−1から受信した画像をHUD(Head Up Display)などに表示し、あたかも車両M−1を運転しているような環境で遠隔操作が行われる。なお、この場合であっても、遠隔操作管理設備300が車両M−1とM−2の間に介在してもよい。すなわち、遠隔操作リクエストは、まず遠隔操作管理設備300に送信され、遠隔操作管理設備300によって、自動運転中の車両Mに転送されるようにしてもよい。
図13は、遠隔操作を行う車両Mに搭載される構成の一例を示す図である。本図において、図5を用いて説明した機能と同様の機能を有するものに関しては、共通する符号を付している。すなわち、遠隔操作を行う車両Mに搭載される自動運転制御ユニット100は、上記説明した自動運転制御ユニット100と同様の機能を有してよい。
遠隔操作を行う車両Mには、図5に示す構成の他、HUD40と、遠隔操作制御部180とが搭載される。遠隔操作制御部180は、被遠隔運転を行う車両Mのカメラ10により撮像された画像などをHUDに表示させ、フリーの状態になっている運転操作子80から入力された操作量に基づいて、被遠隔運転を行う車両Mに送信する制御情報を生成する。遠隔操作制御部180は、運転操作子80により受け付けた運転操作が所定条件を満たすか否かを判定し、所定条件を満たす場合に、運転操作に基づく制御情報を通信装置20に送信させる。
図12に示すように、遠隔操作を行う候補となる車両が車両M−2とM−3のように複数存在する場合、車両M−2および車両M−3のそれぞれは、ネットワークNWを介して、統括制御装置310に制御情報を送信する。統括制御装置310は、2つの制御情報の元となった運転操作が所定条件を満たすか否かを判定する。統括制御装置310は、運転操作が所定条件を満たす遠隔操作者に対応する車両M−2を選択する。統括制御装置310は、選択した車両M−2から受信した制御情報に基づいて車両M−1を走行させる。一方、統括制御装置310は、選択されていない車両M−3の遠隔操作者に車両M−1を遠隔操作するシミュレーションを実行させることができる。
なお、被遠隔運転を行う車両Mと、遠隔操作を行う車両Mとを別々に説明したが、これらの機能の双方を有するものとして車両Mが構成されてもよい。すなわち、車両Mは、被遠隔運転を行う必要がある場合には被遠隔運転を行うと共に、自動運転中に他車両からのリクエストに応じて遠隔操作を行うことができるものであってもよい。
以上説明した車両制御システム1によれば、遠隔操作者の運転操作が所定条件を満たした場合に、当該運転操作に基づき被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔操作を開始させるので、所定条件を満たしていない運転操作を行う遠隔操作者により遠隔操作を開始させることがない。これにより、車両制御システム1によれば、適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。
また、車両制御システム1によれば、車両の状況を提示した時刻から運転操作を受け付けた時刻までの時間が所定時間以内である場合に、遠隔操作者により遠隔操作を開始させるので、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。さらに、車両制御システム1によれば、遠隔操作者の習熟度または覚醒度が基準以上である場合に、遠隔操作者により遠隔操作を開始させるので、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。
さらに、車両制御システム1によれば、複数の遠隔操作者のうち、運転操作が所定条件を満たしたいずれかの遠隔操作者を選択するので、複数の遠隔操作者に車両Mの遠隔操作のシミュレーションを行わせた上で一人の遠隔操作者を選択することができる。これにより、車両制御システム1によれば、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる。
さらに、車両制御システム1によれば、車両Mから受信した遠隔操作者を指定する情報に基づいて、複数の遠隔操作者の中から、運転操作が所定条件を満たすいずれかの遠隔操作者を選択するので、車両乗員の意向に基づいて、より適切な遠隔操作者に遠隔運転を開始させることができる。
さらに、車両制御システム1によれば、車両Mから受信した情報に基づいて、緊急に遠隔運転の開始が必要か否かを判定し、必要な場合に、予め所定条件を満たした履歴のある遠隔操作者の操作に基づいて遠隔運転を開始させるので、緊急時であっても適切な遠隔操作者に遠隔運転を開始させることができる。
さらに、車両制御システム1によれば、遠隔操作者が運転操作を行う様子を撮像した画像を車両Mの乗員に提示することができるので、遠隔運転を行っている場合に車両乗員に与える不安感を抑制することができる。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1‥車両制御システム
30‥HMI
40‥HUD
60‥MPU
61‥推奨車線決定部
70‥車両センサ
100‥自動運転制御ユニット
120‥第1制御部
140‥第2制御部
160‥被遠隔運転制御部
180‥遠隔操作制御部
300‥遠隔操作管理設備
310‥統括制御装置
312‥遠隔操作者一覧
320‥遠隔操作装置
321‥表示部
322‥スピーカ
323‥シート
324‥ステアリングホイール
325‥ペダル類
330‥遠隔操作制御部

Claims (11)

  1. 被遠隔操作を受ける車両と通信する通信部と、
    前記通信部により受信された前記車両の状況を遠隔操作者に提示する提示部と、
    前記遠隔操作者による運転操作を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた運転操作が所定条件を満たす場合に、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる遠隔運転制御部と、
    を備え、
    前記所定条件は、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき推定される前記遠隔操作者の習熟度が基準以上であることを含む、
    遠隔運転制御装置。
  2. 前記所定条件は、前記提示部により車両の状況を提示した時刻から、前記受付部により運転操作を受け付けた時刻までの時間が所定時間以内であることを更に含む
    請求項1に記載の遠隔運転制御装置。
  3. 前記所定条件は、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき推定される前記遠隔操作者の覚醒度が基準以上であることを更に含む
    請求項1または2に記載の遠隔運転制御装置。
  4. 被遠隔操作を受ける車両と通信する通信部と、
    前記通信部により受信された前記車両の状況を遠隔操作者に提示する提示部と、
    前記遠隔操作者による運転操作を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた運転操作が所定条件を満たす場合に、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる遠隔運転制御部と、
    を備え、
    前記提示部は、複数の遠隔操作者のそれぞれに前記車両の状況を提示し、
    前記受付部は、前記複数の遠隔操作者のそれぞれの運転操作を受け付け、
    前記遠隔運転制御部は、前記複数の遠隔操作者のうち、前記受付部により受け付けられた運転操作が前記所定条件を満たすいずれかの遠隔操作者を選択する、
    遠隔運転制御装置
  5. 被遠隔操作を受ける車両と通信する通信部と、
    前記通信部により受信された前記車両の状況を遠隔操作者に提示する提示部と、
    前記遠隔操作者による運転操作を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた運転操作が所定条件を満たす場合に、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる遠隔運転制御部と、
    を備え、
    前記遠隔運転制御部は、前記提示部により前記通信部により受信された前記車両の状況を前記遠隔操作者に提示しつつ、前記受付部により前記遠隔操作者による運転操作を受け付け、且つ前記遠隔操作者の運転操作に基づく制御情報を前記車両に送信しないトライアル期間を設け、前記トライアル期間において前記受付部により受け付けられた運転操作が所定条件を満たす場合に、遠隔運転を開始させる、
    遠隔運転制御装置
  6. 前記遠隔運転制御部は、前記通信部により受信された遠隔操作者を指定する情報に基づいて、複数の遠隔操作者の中から、運転操作が所定条件を満たすいずれかの遠隔操作者を選択する、
    請求項1から5のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置。
  7. 前記遠隔運転制御部は、前記通信部により受信された情報に基づいて、緊急に遠隔運転の開始が必要か否かを判定し、必要な場合に、予め所定条件を満たした履歴のある遠隔操作者の運転操作に基づいて遠隔運転を開始させる、
    請求項1から6のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置。
  8. 遠隔操作者を撮像する撮像部を備え、
    前記遠隔運転制御部は、前記通信部に、前記遠隔操作者が運転操作を行う様子を撮像した画像を前記車両に送信させる、
    請求項1から7のうちいずれか1項に記載の遠隔運転制御装置。
  9. 請求項1に記載の遠隔運転制御装置と、
    前記遠隔運転制御装置と通信する車両側通信部と、前記車両の状況を取得する取得部と、前記車両側通信部を用いて前記遠隔運転制御装置に遠隔操作を依頼し、前記遠隔運転制御装置から受信した遠隔操作者の操作に基づく制御情報に基づいて前記車両を走行させる被遠隔運転制御部と、を備える車両制御装置と、
    を備える、車両制御システム。
  10. コンピュータが、
    被遠隔操作を受ける車両と通信し、
    受信した前記車両の状況を遠隔操作者に提示し、
    前記遠隔操作者による運転操作を受付部によって受け付け、
    受け付けた運転操作が所定条件を満たした場合に、受け付けた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させ、
    前記所定条件は、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき推定される前記遠隔操作者の習熟度が基準以上であることを含む、
    遠隔運転制御方法。
  11. コンピュータに、
    被遠隔操作を受ける車両と通信させ、
    受信した前記車両の状況を遠隔操作者に提示させ、
    前記遠隔操作者による運転操作を受付部によって受け付けさせ、
    受け付けた運転操作が所定条件を満たした場合に、受け付けた運転操作に基づき前記被遠隔操作を受ける車両が走行する遠隔運転を開始させる、
    遠隔運転制御プログラムであって、
    前記所定条件は、前記受付部により受け付けられた運転操作に基づき推定される前記遠隔操作者の習熟度が基準以上であることを含む、
    遠隔運転制御プログラム。
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