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JP6534424B2 - チューブ保持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、可撓性材料により形成された複数本のチューブと、これらのチューブを屈曲した状態で往復直線移動自在に保持する保持体とを備えるチューブ保持構造に関する。
従来、このような分野の技術として、電子部品実装装置、半導体製造装置及び機械加工装置等に用いられた、多関節部材を有するケーブルベア(登録商標)が知られている。例えば下記特許文献には、動力供給用ケーブル、信号供給用ケーブル及びチューブ等をU字状に屈曲可能なケーブルベアの内部に収容した状態で、該ケーブルベアに接続された可動部の動きに追従して往復直線移動を行う構造が開示されている。
特開2008−243839号公報
しかし、上述した構造では、ケーブルベアとケーブル又はチューブ、ケーブルとチューブ、ケーブル同士、チューブ同士は相対的に移動可能であるので、往復移動に伴う摩擦が発生し、発塵する問題があった。また、最近では装置の多様化や高速化に伴ってケーブルやチューブ本数の増加で、ケーブルベアにかかる荷重が増え、屈曲部における隣接する多関節部材同士への衝撃が大きくなる。このため、ケーブルベアを介して可動部に伝達する振動が大きくなる問題もあった。
本発明は、このような技術課題を解決するためになされたものであって、発塵を抑制しつつ、振動を低減することができるチューブ保持構造を提供することを目的とする。
本発明に係るチューブ保持構造は、可撓性材料により形成された複数本のチューブと、これらのチューブを屈曲した状態で往復直線移動自在に保持する保持体とを備えるチューブ保持構造であって、前記複数本のチューブは、複数本の主チューブを一方向に並列した状態で接合してなる主チューブ組と、複数本の副チューブを前記一方向に並列してなる副チューブ組とを有しており、前記副チューブ組は、前記主チューブ組に積み重ねられるとともに該主チューブ組と一体的に接合されており、前記保持体は、前記主チューブ組の長手方向の複数箇所において、前記主チューブ組における前記一方向の両側部と接合されていることを特徴としている。
本発明に係るチューブ保持構造では、主チューブ組と副チューブ組とが積み重ねられるとともに一体的に接合されるので、主チューブ及び副チューブを含むチューブ同士は、互いに相対的に移動することなく、チューブ同士の摩擦による発塵を抑制することができる。しかも、保持体は主チューブ組における一方向の両側部と接合されているので、保持体とチューブとの摩擦もなく、保持体とチューブとの摩擦による発塵を防止することができる。
更に、一体化された主チューブ組及び副チューブ組の屈曲によって曲げ反発力が発生するので、保持体の屈曲部にかかる荷重を低減することができる。このため、屈曲部で発生する衝撃が緩和され、振動低減を図ることができる。
本発明に係るチューブ保持構造では、前記主チューブは、前記副チューブよりも曲げ剛性が大きいことが好ましい。
本発明に係るチューブ保持構造において、前記副チューブ組は、複数であり、前記主チューブ組の片側又は両側に積層されていることが好ましい。
また、本発明に係るチューブ保持構造において、前記主チューブ組の片側又は両側において前記副チューブ組が複数積層された場合、前記主チューブ組側から外方に向かって前記副チューブの曲げ剛性が小さくなることが好ましい。
また、本発明に係るチューブ保持構造において、前記主チューブ組は、同じ材料且つ同じサイズの主チューブによって形成されていることが好ましい。
更に、本発明に係るチューブ保持構造において、前記保持体は、前記主チューブ組の長手方向に延設されるとともに、前記主チューブ組における前記一方向の両側に配置された一対の屈曲可能なサポート部材と、前記サポート部材の延設方向に所定の間隔で配置されるとともに、該一対のサポート部材を架け渡す複数のアーム部材と、前記アーム部材毎に配置されるとともに、前記主チューブ組における前記一方向の両側部を把持する一対のクランプ部材と、を有することが好ましい。
本発明によれば、発塵を抑制しつつ、振動を低減することができる。
実施形態に係るチューブ保持構造を示す斜視図である。 実施形態に係るチューブ保持構造を示す側面図である。 図2のA−Aに沿う断面図である。 実施例及び比較例のモデルを示す図である。 実施例及び比較例の結果(Back→Front)を示す図である。 実施例及び比較例の結果(Front→Back)を示す図である。
以下、図面を参照して本発明に係るチューブ保持構造の実施形態について説明する。図1は実施形態に係るチューブ保持構造を示す斜視図であり、図2は実施形態に係るチューブ保持構造を示す側面図であり、図3は図2のA−Aに沿う断面図である。
本実施形態のチューブ保持構造1は、例えばディスプレイパネル露光装置に用いられており、露光装置の作動に必要な動力や信号等を供給するケーブル類、冷却水やエア等を供給するチューブ類をまとめて保持する構造である。図1に示すように、チューブ保持構造1は、U字状に屈曲されており、互いに平行してY軸に延びる一対の直線部1A,1Cと、直線部1A,1Cの間に配置された屈曲部1Bとからなる。直線部1Cの先端は、固定台2に取り付けられており、チューブ保持構造1の固定端になる。一方、直線部1Aの先端は、移動台3に取り付けられており、チューブ保持構造1の移動端になる。なお、図示しないが、チューブ保持構造1の移動端は、移動台3を介して露光装置の可動部に接続されている。
このチューブ保持構造1は、主として、可撓性の樹脂材料により形成された複数のチューブ10と、これらのチューブ10を屈曲した状態で往復直線移動自在に保持する保持体20とを備えている。
図3に示すように、複数本のチューブ10は、複数種類のチューブからなり、これらのチューブ10を種類毎に一方向(すなわち、X方向)に並列して配置されるとともに、上記一方向に直交する方向(すなわち、Z方向)に沿って積層してなる多段式連チューブとなっている。より具体的には、複数本のチューブ10は、多段式連チューブの略中間位置に配置された主チューブ組11と、該主チューブ組11の両側に積層された3つの副チューブ組12〜14とを有する。
主チューブ組11は、いわゆる多連チューブであり、複数本の主チューブ10AをX方向に並列した状態で、隣接する主チューブ10A同士を接合することにより形成されている。主チューブ10A同士の接合方式としては、溶着や接着等が挙げられる。副チューブ組12〜14のうち、副チューブ組12は主チューブ組11の一方側(図3においては上側)、副チューブ組13,14は主チューブ組11の他方側(図3においては下側)にそれぞれ配置されている。
副チューブ組12は、複数本の副チューブ10Bを所定の間隔で離れた状態でX方向に並列することにより形成されている。各副チューブ10Bは、その外径が主チューブ10Aよりも大きく形成されており、主チューブ10Aに対して千鳥状に配置され、溶着や接着等でZ方向に隣接する主チューブ10Aと接合されている。
副チューブ組13は、複数本の副チューブ10Cを所定の間隔で離れた状態でX方向に並列することにより形成されている。各副チューブ10Cは、その外径が主チューブ10Aよりも小さく形成されており、主チューブ10Aに対して千鳥状に配置され、溶着や接着等でZ方向に隣接する主チューブ10Aと接合されている。
一方、副チューブ組14は、複数本の副チューブ10Dを所定の間隔で離れた状態でX方向に並列することにより形成されている。各副チューブ10Dは、隣接する副チューブ10Cに対して千鳥状に配置され、溶着や接着等でZ方向に隣接する副チューブ10Cと接合されている。すなわち、副チューブ組14は、主チューブ組11に直接に接合されておらず、副チューブ組13を介して主チューブ組11と接合されている。
主チューブ組11、副チューブ組12,13,14には、組毎に同じ種類のチューブを用いても良く、異なる種類のチューブを用いても良いが、以下の理由で同じ種類のチューブ、しかも同じ材料且つ同じサイズのチューブを用いることが好ましい。すなわち、同じ種類のチューブを用いることによって、屈曲時の曲げ荷重を並行均等に保つことができ、且つ製造しやすい。
また、詳細は後述するが、この多段式連チューブのうち、主チューブ組11だけが保持体20に接合されており、且つチューブ保持構造1では下方から多段式連チューブを支える部材が設けられていないので、主チューブ組11は最も荷重がかかる部分である。このため、主チューブ組11の強度を高く維持する必要があり、主チューブ組11は同じ材料且つ同じサイズの主チューブ10Aによって形成されることが好ましい。
主チューブ10A、副チューブ10B,10C,10Dは、多層構造であっても良く、単層構造であっても良い。また、主チューブ10A、副チューブ10B,10C,10Dの材質としては、チューブ同士の接合、屈曲した状態で往復移動の確保、及び使用曲げ半径の確保等の観点から、溶着又は接着に適すること、耐屈曲疲労性であること、ある程度の柔軟性を有することが要求されている。このため、主チューブ10A、副チューブ10B,10C,10Dが多層構造の場合、少なくともそれぞれの外層は熱可塑性樹脂ポリウレタンまたは軟質塩化ビニル等によって形成されることが好ましい。一方、主チューブ10A、副チューブ10B,10C,10Dが単層構造の場合、材質のショアA硬度が60〜98程度であることが望ましい。
また、このように構成された多段式連チューブをU字状に曲げた際に、外側には引張応力、内側には圧縮応力が発生する。応力負荷の低減を図るために、多段式連チューブ全体の曲げ半径(すなわち、引張応力発生側と圧縮応力発生側との境界)となる位置に曲げ剛性の高いチューブを配置することが好ましい。従って、本実施形態では、主チューブ10Aは副チューブ10B,10C,10Dよりも曲げ剛性が大きく、且つ、主チューブ組11側から外方(図3においては、主チューブ組11の上方又は下方)に向かって曲げ剛性が小さくなるように各副チューブ組12,13,14を配置させる。より具体的には、図3に示すように主チューブ組11の下側に2つの副チューブ組13,14が積層された場合、主チューブ組11に最も遠い位置に配置された副チューブ10Dの曲げ剛性は、主チューブ組11に近い位置に配置された副チューブ10Cより小さい。
また、主チューブ10A、副チューブ10B,10C,10Dを冷却水やエア供給用として使用する場合、同じ材料且つ同じ構造であれば、外径が大きいほど、肉厚も厚くなる。このため、外径の大きいチューブを多段式連チューブの中間位置に配置することにより、多段式連チューブ全体への応力負荷の低減が図りやすくなる。
一方、副チューブ10B,10C,10Dをケーブル挿入用として使用する場合には、耐圧性が不要になるので、冷却水やエア供給用チューブよりも柔軟な材質で、肉薄とすることができ、言い換えれば、チューブの曲げ剛性に対する要求が低くなる。従って、図3に示す副チューブ10Bのように、外径が大きくても多段式連チューブの外側(すなわち、引張応力発生側)に該副チューブ10Bを配置しても良い。
図1に示すように、保持体20は、主チューブ組11の長手方向に延設されるとともに、該主チューブ組11におけるX方向(図3においては、左右方向)の両側に配置された一対の屈曲可能なサポート部材21L,21Rと、サポート部材21L,21Rの延設方向に所定の間隔で配置されるとともに、該一対のサポート部材21L,21Rを架け渡す複数のアーム部材22と、アーム部材22毎に配置されるとともに、主チューブ組11におけるX方向の両側部を把持する一対のクランプ部材23L,23Rとを有する。
図3に示すように、サポート部材21Lとサポート部材21R、又はクランプ部材23Lとクランプ部材23Rとは、多段式連チューブに対して左右対称になっており、構造も同じであるので、以下においては左側のサポート部材21L及びクランプ部材23Lを挙げて説明する。
サポート部材21Lは、複数のコマ部材24を直列に連結することによって屈曲可能に形成されている。サポート部材21Lの一端はチューブ保持構造1の移動端に延びて、該移動端に取り付けられた移動端ブラケット20Aと連結されており、他端はチューブ保持構造1の固定端に延びて、該固定端に取り付けられた固定端ブラケット20Bと連結されている。
コマ部材24は、チェーンなどに用いられた多関節部材に相当するものである。隣接するコマ部材24同士の連結方式は既に周知されたものであるため、ここではその詳細な説明を省略し、コマ部材24の構造だけを説明する。
コマ部材24は、サポート部材21Lの外側(すなわち、屈曲時における引張応力発生側)に配置されて、隣接するコマ部材24と分離する切れ目を有する外側伸長部24aと、サポート部材21Lの内側(屈曲時における圧縮応力発生側)に配置されて、隣接するコマ部材24と分離する切れ目を有する内側圧縮部24bと、外側伸長部24a及び内側圧縮部24bの間に配置された中間部24cとを備えている。そして、外側伸長部24a、内側圧縮部24b及び中間部24cは、それぞれZ方向に延びる連結棒24dと連結されて一体化されている。
図3に示すように、連結棒24dにおいて、外側伸長部24aと中間部24cとの間に位置する部分の略中央には連結棒24dの厚みを貫通する貫通孔24eと、中間部24cと内側圧縮部24bとの間に位置する部分の略中央には貫通孔24fとが、それぞれ形成されている。これらの貫通孔24e,24fは、コマ部材24とアーム部材22又はクランプ部材23Lとを固定する際にネジを通すためのものである。なお、コマ部材24は、金属材料又は硬い樹脂材料によって形成されることが好ましい。
アーム部材22は断面矩形状の棒状部材からなり、その左右両端部には、該アーム部材22の長手方向に延びるネジ孔がそれぞれ設けられている。このアーム部材22は、連結棒24dに形成された貫通孔24eに挿通され、更にネジ孔に螺合されたネジ25によって、コマ部材24と固定されている。なお、アーム部材22は、金属材料により形成されても良く、硬い樹脂材料によって形成されても良い。
一方、クランプ部材23Lは、主チューブ組11に向かって窪むC字状の把持部26aと、該把持部26aと一体的に形成されるとともにアーム部材22と連結するアーム連結部26bと、コマ部材24と連結するバンド連結部26cとを有するように構成されている。
把持部26aは、溶着可能な樹脂からなり、C字状の凹部を有するように形成されている。主チューブ組11の左端に位置する主チューブ10Aは、把持部26aの凹部に配置された状態で溶着により該把持部26aと接合されている。なお、ここで、溶着に代えて接着で主チューブ10Aと把持部26aとを接合しても良い。
アーム連結部26bは、アーム部材22に当接するようにZ方向に延設されており、その内部には、該アーム連結部26bの延設方向に延びるネジ孔が設けられている。それに対応して、アーム部材22におけるアーム連結部26bとの当接位置には、該アーム部材22の厚みを貫通する貫通孔22aが設けられている。そして、クランプ部材23Lは、アーム部材22に形成された貫通孔22aに挿通され、更にネジ孔に螺合されたネジ27によって、アーム部材22と固定されている。
一方、バンド連結部26cは、X方向に延設されており、その先端が連結棒24dに形成された貫通孔24fまで達している。バンド連結部26cの内部には、該バンド連結部26cの延設方向に延びるネジ孔が設けられている。そして、クランプ部材23Lは、連結棒24dに形成された貫通孔24fに挿通され、更にネジ孔に螺合されたネジ28によって、コマ部材24と固定されている。なお、クランプ部材23Lは、金属材料又は硬い樹脂材料によって形成されることが好ましい。
以上の構成を有するチューブ保持構造1では、主チューブ組11は、その左右両端部でクランプ部材23L,23Rを介して保持体20に保持されている。そして、主チューブ組11と積層されるとともに一体化された副チューブ組12,13,14は、直接に保持体20に接合されずに、主チューブ組11を介して保持体20に保持されている。すなわち、主チューブ組11と副チューブ組12〜14とからなる多段式連チューブは、クランプ部材23L,23Rのみを介して保持体20に接合されて保持されている。
また、主チューブ組11は複数本の主チューブ10AをX方向に並列した状態において溶着で接合してなり、副チューブ組12〜14はそれぞれ複数本の副チューブ10B〜10DをX方向に並列してなるので、例えばこれらの主チューブ及び副チューブのうち、一部を電気ケーブル、信号ケーブルの挿入用とし、他の一部を冷却水及びエア供給用として使うことができる。しかも、副チューブ組12〜14は主チューブ組11に積み重ねられるので、X方向における許容設置幅の制限、Y方向における設置長さの制限に左右されずにチューブやケーブルの増加に対応できる。
加えて、主チューブ組11を構成する複数本の主チューブ10Aが互いに接合されており、且つ副チューブ組12〜14が主チューブ組11と一体的に接合されているので、これらのチューブ同士は互いに相対的に移動しない。このため、チューブ同士の摩擦による発塵を抑制することができる。しかも、保持体20のクランプ部材23L,23Rは主チューブ組11におけるX方向の両側部と接合されているので、保持体20と主チューブ10A又は副チューブ10B〜10Cとの摩擦がなく、保持体とチューブとの摩擦による発塵を防止することができる。
更に、一体化された主チューブ組11及び副チューブ組12〜14の屈曲により曲げ反発力が発生するので、保持体20の直線部の垂れ下がりを抑制できるとともに、保持体20の屈曲部にかかる荷重を低減することができる。このため、屈曲部におけるコマ部材24同士間の衝撃が緩和され、保持体20の振動を低減することができる。その結果、保持体20に接続された可動部への振動を減らすことができる。
なお、本実施形態では、主チューブ組11とクランプ部材23L,23Rとの接合部への負荷を低減するため、更にサポート部材21L,21Rの屈曲部をより滑らかに可動させるために、多段式連チューブの屈曲半径とサポート部材21L,21Rの曲げ半径とを一致させることが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例では、実施形態に係るチューブ保持構造1を有するモデルに対し、図4に示す条件(各数値の単位がmmである)で往復直線移動時の振動測定を行った。本実施例において、(株)小野測器製FFTアナライザー「DS-3204」の振動測定機、(株)小野測器製TRIAXIAL ACCELEROMETER「NP-3578N10」の加速度ピックアップを使用した。また、主チューブ組11には(株)アオイ製ウレタンチューブ(φ10)24本、副チューブ組12には(株)アオイ製ウレタンチューブ(φ12)11本、副チューブ組13には(株)アオイ製ウレタンチューブ(φ6)21本、副チューブ組14には(株)アオイ製ウレタンチューブ(φ6)20本をそれぞれ用いた。そして、副チューブ組12の各副チューブには日星電気(株)製ハイフロンふっ素樹脂絶縁ケーブルを挿入した。一方、保持体20については、(株)椿本チエイン製TKQ型ケーブルベア「TKQ25H58E122R170C-115L」を利用して上述の保持体20と同じ構造を有するように改良したものを用いた。
また、比較のため、以下の構造を有する現行品を用いて実施例と同じ条件で振動測定を行った。具体的には、イグス(株)製エナジーチェーン「E6.52.275.075.0−72」を用いて、その内部に(株)アオイ製フラットチューブ(φ10)20本を並列して接合したもの、フラットチューブ(φ6)40本を並列して接合したものと、日本ゴア(株)製ハイフレックスフラットケーブルとを収容した構造であった。
図5及び図6は実施例及び比較例の結果を示す図である。これらの図に示すように、「Back→Front」及び「Front→Back」のいずれにおいても、比較例と比べて実施例の方は振動が低減されたことが証明された。特に「Back→Front」の場合は、振動低減の効果が大きいことが確認された。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、上述の実施形態において、主チューブ組11の一方側に副チューブ組を一層(副チューブ組12)、他方側に副チューブ組を2層(副チューブ組13,14)それぞれ積層した例を説明したが、必要に応じて副チューブ組の層数を適宜増減しても良い。また、副チューブ組を主チューブ組11の片側だけに積層しても良い。
また、上記実施形態では、主チューブ組11とクランプ部材23L,23Rとの接合方式について溶着又は接着を説明したが、ボルト締結、嵌合等の方式も考えられる。発塵抑制を重視する場合は溶着又は接着が望ましく、分解や組立のしやすさを重視する場合はボルト締結、嵌合が望ましい。そして、ボルト締結や嵌合の場合、クランプ部材23L,23Rの材質は金属又は硬質樹脂が好ましい。一方、溶着又は接着の場合、クランプ部材23L,23Rの材質は主チューブ10Aの外層材質と同じであることが好ましい。
1 チューブ保持構造
10A 主チューブ
10B,10C,10D 副チューブ
11 主チューブ組
12,13,14 副チューブ組
20 保持体
21L,21R サポート部材
22 アーム部材
23L,23R クランプ部材
24 コマ部材
24a 外側伸長部
24b 内側圧縮部
24c 中間部
24d 連結棒
26a 把持部
26b アーム連結部
26c バンド連結部

Claims (6)

  1. 可撓性材料により形成された複数本のチューブと、これらのチューブを屈曲した状態で往復直線移動自在に保持する保持体とを備えるチューブ保持構造であって、
    前記複数本のチューブは、複数本の主チューブを一方向に並列した状態で接合してなる主チューブ組と、複数本の副チューブを前記一方向に並列してなる副チューブ組とを有しており、
    前記副チューブ組は、前記主チューブ組に積み重ねられるとともに該主チューブ組と一体的に接合されており、
    前記保持体は、前記主チューブ組の長手方向の複数箇所において、前記主チューブ組における前記一方向の両側部と接合されることにより前記主チューブ組と一体化され、
    前記チューブ保持構造において、チューブ屈曲時の圧縮応力発生側から前記主チューブ組及び前記副チューブ組を支える部材が設けられていないことを特徴とするチューブ保持構造。
  2. 前記主チューブは、前記副チューブよりも曲げ剛性が大きい請求項1に記載のチューブ保持構造。
  3. 前記副チューブ組は、複数であり、前記主チューブ組の片側又は両側に積層されている請求項1又は2に記載のチューブ保持構造。
  4. 前記主チューブ組の片側又は両側において前記副チューブ組が複数積層された場合、前記主チューブ組側から外方に向かって前記副チューブの曲げ剛性が小さくなる請求項3に記載のチューブ保持構造。
  5. 前記主チューブ組は、同じ材料且つ同じサイズの主チューブによって形成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載のチューブ保持構造。
  6. 前記保持体は、
    前記主チューブ組の長手方向に延設されるとともに、前記主チューブ組における前記一方向の両側に配置された一対の屈曲可能なサポート部材と、
    前記サポート部材の延設方向に所定の間隔で配置されるとともに、該一対のサポート部材を架け渡す複数のアーム部材と、
    前記アーム部材毎に配置されるとともに、前記主チューブ組における前記一方向の両側部を把持する一対のクランプ部材と、
    を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のチューブ保持構造。
JP2017124623A 2017-06-26 2017-06-26 チューブ保持構造 Active JP6534424B2 (ja)

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