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JP6533661B2 - アプタマーを用いた検査診断方法 - Google Patents

アプタマーを用いた検査診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、検出対象の検出方法及び定量方法に関する。
従来から、被検体中の検出対象を検出する方法として、ラテックス凝集法が行われてきた。ラテックス凝集法とは、生体試料等の流体中における抗原を検出する場合、流体と、抗原に特異的に結合する抗体もしくはそのフラグメントを担持させたラテックスとを混合して、ラテックスの凝集の程度を測定することにより、抗原を検出又は定量する方法である(例えば、特許文献1参照)。
このラテックス凝集法によれば、検体として添加された抗原が複数のラテックス結合抗体を架橋させ、ラテックスの凝集を促す。このように手順が単純であるから、簡便且つ迅速に抗原を検出できる。しかし、抗原が微量の場合、その架橋が起こりにくいため、ラテックスが十分に凝集しない。このため、微量の抗原を検出することが困難であった。
そこで、ELISA法やCLEIA法といった酵素基質反応を利用する方法も広く採用されている。これらの方法では、例えば、抗原に特異的に結合する一次抗体を抗原に結合させ、この一次抗体に酵素を有する二次抗体を結合させる。ここで、酵素の基質を添加し、酵素が触媒する反応の程度を測定することで、抗原を検出又は定量する。
これらの方法によれば、例えば基質として発光試薬を用いると、基質添加後の発光の検出感度が高いため、微量の抗原も検出できる。
特公昭58−ll575号公報
しかし、酵素基質反応を利用する方法では、二次抗体や発光試薬等の特殊な試薬が多数必須であり、作業コストが高い。
また、この方法は、試料及び各試薬をインキュベーションする工程、洗浄する工程、発光を測定する工程等の多段階からなっており、操作が煩雑である。しかも、各段階に要する時間が極めて長く、大規模処理には適さない。
一方、近年、眼科領域においては人口の高齢化と生活の欧米化により加齢黄斑変性症の患者が著しく増加している。加齢黄斑変性症は血管内皮細胞増殖因子(Vascular Endothelial Growth Factor、VEGF)が関与しているとされ、治療にはVEGF阻害剤等が用いられているが、国内で承認されているVEGF阻害剤は薬効や高価格の影響で患者のリスクも高いとされている。早期発見で効果的な治療が行えるため視機能の維持や改善の可能性が高くなることから、VEGFの迅速診断方法が望まれている。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、検出対象を迅速、安価、簡便且つ高精度に検出、定量できる検出対象の検出方法及び定量方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、刺激応答性ポリマーに有電荷物質又は親水性物質が結合すると、刺激応答性ポリマーの凝集が阻害または促進されることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は以下の構成を有する。
1.検体中の検出対象を検出する方法であって、前記検体と、前記検出対象と結合しうるアプタマーと、刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質とを混合し、得られた混合物を前記刺激応答性ポリマーが凝集する条件下で、前記刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質の凝集の程度を判定し、当該凝集の程度が、前記検体の非存在下に比して変化した場合に、前記検体中に検出対象が存在すると判別する手順を含む、検出対象の検出方法。
2.前記検出対象と結合しうるアプタマーが、DNA、またはRNAである前項1に記載の方法。
3.前記凝集性物質が、微粒子状の磁性物質を更に含有し、磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含む前項1または2に記載の方法。
4.前記凝集の程度の変化が、前記刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和する変化である前項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
5.前記検出対象が、VEGFである前項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
6.前記検出対象が、トロンビンである前項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
7.検体中の検出対象を定量する方法であって、前記検体と、前記検出対象と結合しうるアプタマーと、刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質とを混合し、当該混合物を前記刺激応答性ポリマーが凝集する条件下におき、前記混合物の濁度を測定し、前記検出対象の量と濁度との前記条件下における相関式に基づいて、前記検体中の検出対象の量を算出する手順を含む、検体対象の定量方法。
8.前記凝集性物質が、微粒子状の磁性物質を更に含有し、磁力を付加することで、凝集した前記磁性物質を分離することを更に含む前項7に記載の方法。
9.検出対象を検出及び/又は定量するためのキットであって、前記検出対象と結合しうるアプタマーと、刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質とを含むキット。
本発明によれば、検体中に検出対象が存在する場合、アプタマーと検出対象とが結合し、この複合体が刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質に接近すると、刺激応答性ポリマーが凝集する条件下において、検出対象の電荷部分又は疎水性部分の影響で、アプタマーによる刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和または促進される。従って、この凝集阻害の有無を観察することで、検出対象の存否を検出できる。また、凝集阻害の程度を測定することで、検出対象を定量できる。
以上の手順は、アプタマー及び刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質のみを用いて達成され、特殊な試薬、機器を特に使用することなく行われるので、安価且つ簡便である。また、凝集阻害の程度を測定するだけであり、酵素によって触媒される反応を利用する系ではないから、迅速に行うことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る方法における概略構成図である。 図2は、前記実施形態に係る方法において検出対象の有無の判定を示す模式図である。 図3は、本発明の一実施例に係る方法の測定用セル及び磁力付加の態様を示す写真である。 図4は、本発明の実施例1に係る方法における反応時間と濁度との相関性を示すグラフである。 図5は、本発明の実施例2に係る方法における反応時間と濁度との相関性を示すグラフである。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態> 検出方法
(混合・凝集)
本発明の検出方法ではアプタマーと検体とを混合し、得られた混合物に刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質を混合した後、刺激応答性ポリマーが凝集する条件下におく。検出対象が存在しない場合は刺激応答性ポリマーの凝集が阻害されたままである一方、検出対象が存在する場合には、検出対象の非存在下よりも刺激応答性ポリマーの凝集の程度が変化する。具体的には、例えば、刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和されることや、逆に刺激応答性ポリマーの凝集阻害がさらに促進される。好ましくは、検出対象の電荷または疎水性部分の影響で凝集阻害が緩和される。
(アプタマー)
アプタマーは、検出対象の特定部位を認識するアプタマーであってよく、検出対象の異なる部位を認識するアプタマーの混合物であってもよい。ここで用いるアプタマーは、いかなるタイプのアプタマーであってもよく、Hairpin−loopやG−quadruplex構造等を形成するDNAアプタマー、RNAアプタマーであってもよい。また、検出対象の特定部位を認識するアプタマーの二分子をリンカーで連結させたbivalent型、検出対象に対して異なる部位を認識する二種類のアプタマーをリンカーで連結させたbispecific型であってもよい。アプタマーを用いることによって、検出対象を特異的に認識する。抗体を用いた場合と比較して、例えば、DNAアプタマーは、5’末端及び3’末端にビオチン標識などの様々な修飾が容易であり、このような加工を施した後も抗原に対する結合能を高度に保持する。また、抗原に対して高い結合能と特異性(抗体より低い解離定数)を有するDNAアプタマーを設計することが容易であるから、高感度かつ短時間で検出が可能となる。
(凝集性物質)
本発明で用いられる凝集性物質は刺激応答性ポリマーを含有する。この刺激応答性ポリマーは、外的な刺激に応答して構造変化を起こし、凝集及び分散を調整できるポリマーである。刺激は、特に限定されないが、温度、光、酸、塩基、pH若しくは電気等の様々な物理的、または化学的信号であってよい。
特に、本発明では、刺激応答性ポリマーとしては、温度変化によって凝集及び分散可能な温度応答性ポリマーが利用できる。なお、温度応答性ポリマーとしては、下限臨界溶液温度(以下、LCSTとも称する)を有するポリマーや上限臨界溶液温度を有するポリマーが挙げられる。
本発明で用いられる下限臨界溶液温度を有するポリマーとしては、例えば、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルモルホリン等のN置換(メタ)アクリルアミド誘導体からなるポリマー;ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール部分酢化物、ポリビニルメチルエーテル、(ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン)ブロックコポリマー、ポリオキシエチレンラウリルアミン等のポリオキシエチレンアルキルアミン誘導体;ポリオキシエチレンソルビタンラウレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル誘導体;(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)アクリレート、(ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル)メタクリレート等の(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル)(メタ)アクリレート類;及び(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)アクリレート、(ポリオキシエチレンオレイルエーテル)メタクリレート等の(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)(メタ)アクリレート類等のポリオキシエチレン(メタ)アクリル酸エステル誘導体等が挙げられる。更に、例えば、これらのポリマー及びこれらの少なくとも2種のモノマーからなるコポリマーが挙げられる。また、例えば、N−イソプロピルアクリルアミドとN−t−ブチルアクリルアミドのコポリマーも利用できるが挙げられる。(メタ)アクリルアミド誘導体を含むポリマーを使用する場合、このポリマーにその他の共重合可能なモノマーを、下限臨界溶液温度を有する範囲で共重合してもよい。本発明では、なかでも、N−n−プロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルモルホリン、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−メタクリロイルピロリジン、N−メタクリロイルピペリジン、N−メタクリロイルモルホリンからなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーからなるポリマー又はN−イソプロピルアクリルアミドとN−t−ブチルアクリルアミドのコポリマーが好ましく利用できる。
本発明で用いられる上限臨界溶液温度を有するポリマーとしては、例えば、アクロイルグリシンアミド、アクロイルニペコタミド、アクリロイルアスパラギンアミド及びアクリロイルグルタミンアミド等からなる群から選ばれる少なくとも1種のモノマーからなるポリマーが挙げられる。また、これらの少なくとも2種のモノマーからなるコポリマーであってもよい。これらのポリマーには、アクリルアミド、アセチルアクリルアミド、ビオチノールアクリレート、N−ビオチニル−N’−メタクロイルトリメチレンアミド、アクロイルザルコシンアミド、メタクリルザルコシンアミド、アクロイルメチルウラシル等、その他の共重合可能なモノマーを、上限臨界溶液温度を有する範囲で共重合してもよい。
また、本発明では、刺激応答性ポリマーとして、pH変化によって凝集及び分散可能なpH応答性ポリマーが利用できる。
このようなpH応答性ポリマーとしては、例えば、カルボキシル、リン酸、スルホニル、アミノ等の基を官能基として含有するポリマーが挙げられる。より具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ホスホリルエチル(メタ)アクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドまたはこれらの塩を共重合成分として含むポリマーが挙げられる。
凝集性物質は、後述の磁力付加により検出精度を向上できる点で、微粒子状の磁性物質を更に含有することが好ましい。かかる磁性物質は、多価アルコールとマグネタイトとで構成されてよい。
多価アルコールは、構成単位に水酸基を少なくとも2個有し且つ鉄イオンと結合可能なアルコール構造体であれば特に限定されず、例えば、デキストラン、ポリビニルアルコール、マンニトール、ソルビトール及びシクロデキストリンが挙げられる。例えば特開2005−82538号公報には、デキストランを用いた微粒子状の磁性物質の製造方法が開示されている。また、グリシジルメタクリレート重合体のようにエポキシを有し、開環後多価アルコール構造体を形成する化合物も使用できる。
このような多価アルコールを用いて調製された微粒子状の磁性物質(磁性微粒子)は、良好な分散性を有するように、その平均粒径が0.9nm以上1000nm未満であることが好ましい。平均粒径は、特に目的とする検出対象の検出感度を高めるためには、2.9nm以上200nm未満であることが好ましい。
(アプタマーと凝集性物質の結合)
アプタマーと凝集性物質との結合方法は、特に限定されないが、例えば、アプタマー側及び凝集性物質側(例えば刺激応答性ポリマー部分)の双方に、互いに親和性の物質(例えば、ビオチン及びストレプトアビジンまたはアビジン)を結合させ、これら物質を介してアプタマー及び凝集性物質を結合させる。
具体的には、刺激応答性ポリマーへのビオチンの結合は、国際公開第01/09141号に記載されているように、ビオチン等をメタクリルやアクリル等の重合性官能基と結合させて付加重合性モノマーとし、他のモノマーと共重合することにより行い、そこにストレプトアビジンを固定化する。また、アプタマーへのビオチン等の標識は常法に従って行い、オリゴDNA合成の際に5’側または3’側に標識しておく。ビオチン標識アプタマーとストレプトアビジン固定化刺激応答性ポリマーとを混合すると、ビオチンとストレプトアビジンとの結合を介して、アプタマー及び刺激応答性ポリマーが結合する。
なお、本明細書では、刺激応答性ポリマーと微粒子状の磁性物質とが結合した材料を刺激応答性磁性微粒子と記し、その刺激が温度の場合には、温度応答性磁性微粒子と記している。
微粒子状の磁性物質と刺激応答性ポリマーとの結合は、反応性官能基を介して結合する方法や、磁性物質中の多価アルコール上の活性水素又は多価アルコールに重合性不飽和結合を導入してグラフト重合する方法等の当技術分野で周知の方法で行ってよい(例えば、ADV.Polym.Sci.、Vol.4、p111、1965やJ.Polymer Sci.、Part−A、3、p1031、1965参照)。
以上のような凝集性物質、アプタマー、検体の混合物を凝集性物質に係る刺激応答性ポリマーが凝集する条件下におくと、検出対象が存在しない場合は刺激応答性ポリマーの凝集阻害が起こり、凝集が生じない。一方、検出対象が存在する場合には、検出対象の電荷部分又は疎水性部分によって刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和され、凝集が生じる。
このうち、凝集阻害が緩和される現象を、図1および図2を参照しながら説明する。
図1に示されるように、刺激応答性磁性微粒子1は微粒子状の磁性物質2を含み、この磁性物質2の表面に刺激応答性ポリマー3が結合されている。刺激応答性ポリマー3にはストレプトアビジン4が結合しており、ビオチン5を介して検出対象7に対するアプタマー6が結合する。これにより、検出対象7はアプタマー6を介して刺激応答性ポリマー3に接近し、検出対象7の正電荷部分または疎水性部分の影響で、刺激応答性ポリマー3の凝集阻害が緩和される。
刺激応答性ポリマーを凝集させるためには、例えば温度応答性ポリマーを用いた場合、混合物の入った容器を温度応答性ポリマーの凝集する温度の恒温槽に移せばよい。温度応答性ポリマーには、上限臨界溶液温度(以下「UCST」と略すことがある。)を有するポリマーと、下限臨界溶液温度(以下「LCST」と略すことがある。)を有するポリマーの2種類がある。例えば、LCSTが37℃である下限臨界溶液温度を有するポリマーを用いた場合には、混合物の入った容器を37℃以上の恒温槽に移すことで、温度応答性ポリマーを凝集させることができる。また、UCSTが5℃である上限臨界溶液温度を有するポリマーを用いた場合には、混合物の入った容器を5℃未満の恒温槽に移すことで、温度応答性ポリマーを凝集させることができる。
また、pH応答性ポリマーを用いた場合、混合物の入った容器に酸溶液又はアルカリ溶液を加えればよい。具体的には、pH応答性ポリマーが構造変化を起こすpH範囲の外にある分散している混合物の入った容器に、酸溶液又はアルカリ溶液を加え、容器内をpH応答性ポリマーが構造変化を起こすpH範囲に変更すればよい。例えば、pH5以下で凝集、pH5超で分散するpH応答性ポリマーを用いた場合、pH5超で分散している混合物の入った容器に、pHが5以下になるように酸溶液を加えればよい。また、pH10以上で凝集、pH10未満で分散するpH応答性ポリマーを用いた場合、pH10未満で分散している混合物の入った容器に、pHが10以上になるようにアルカリ溶液を加えればよい。pH応答性ポリマーが構造変化を起こすpHは、特に限定されないが、pH4〜10が好ましく、pH5〜9であることがさらに好ましい。
また、光応答性ポリマーを用いた場合、混合物の入った容器にポリマーを凝集できる波長の光を照射すればよい。凝集させるための好ましい光は、光応答性ポリマーに含まれる光応答性官能基の種類及び構造により異なるが、一般に波長190〜800nmの紫外光又は可視光が好適に使用できる。このとき、強度は0.1〜1000mW/cmが好ましい。なお、光応答性ポリマーは、測定精度を向上できる点で、濁度の測定に用いられる光が照射された際、分散を生じにくいもの、換言すれば凝集するものであることが好ましい。光応答性ポリマーとして、濁度の測定に用いられる光が照射された際に分散を生じるものを用いる場合、照射時間を短縮することで測定精度を向上できる。
アプタマーが刺激応答性ポリマーに結合し、この結合物を刺激応答性ポリマーが凝集する条件下におくと、アプタマーの負電荷の影響により凝集阻害が生じる。つまり、検出対象が存在しない場合は分散を維持することになる[図2の(A)]。一方、検出対象が存在する場合には、検出対象の正電荷部分または疎水性部分の影響で、刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和され、凝集が促進する[図2の(B)]。これは、図2に示されるように、(A)では測定終了時に吸光度が(B)と比較して高くなっており、濁度が上昇していることからわかる。
ここで、下限臨界溶液温度及び上限臨界溶液温度は例えば以下のように決定する。まず、試料を吸光光度計のセルに入れ、1℃/分の速度で試料を昇温する。この間、550nmにおける透過率変化を記録する。ここで、ポリマーが透明に溶解しているときの透過率を100%、完全に凝集したときの透過率を0%としたとき、透過率が50%になるときの温度をLCSTとして求める。UCSTの場合は、1℃/分の速度で試料を冷却し、以下、LCST同様の方法で求める。
(判定)
凝集の程度の判定、上記例で言えば、分散の有無の判定は、例えば目視又は濁度測定で行うことができる。濁度は光散乱装置での光透過率から算出でき、濁度が低ければ刺激応答性ポリマーの凝集が阻害されており、検出物質の存在が示唆される。ここで、使用する光の波長は、磁性物質の粒径等に応じ所望の検出感度が得られるよう適宜設定されてよい。光の波長は、従来汎用の装置を利用できる点で、可視光の範囲内であることが好ましい。
目視又は濁度測定は、一定の時点で断続的に行ってもよいし、経時的に連続して行ってもよい。また、ある時点における濁度測定値と、他の時点における濁度測定値との差に基づいて判定を行ってもよい。
(分離)
凝集性物質が微粒子状の磁性物質を含有する場合、本発明の検出方法は、磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含むことが好ましい。これによって、凝集した磁性物質が、非凝集状態の磁性物質を含む夾雑物から分離される。このため、分離した磁性物質の量、溶媒に分散した際の光透過率等の測定値は、夾雑物の影響が除外され、検出物質の存在をより忠実に反映したものとなる。
磁力の付加は磁性物質に磁石を接近させて行うことができる。この磁石の磁力は、用いる磁性物質が有する磁力の大きさによって異なる。磁石としては、例えばネオジム磁石(ネオマグ社製)が挙げられる。
また、磁力の付加は、判定の前又は判定と同時並行して行ってよいが、工程に費やされる時間を短縮化できる点で同時並行が好ましい。なお、磁力を付加すると、凝集した磁性物質は夾雑物を巻き込んで分離されるため、分離後における混合物の濁度は、夾雑物が存在していた場合の方がむしろ小さくなるものと推測される。
(検出対象)
以上の検出方法で検出できる対象としては、臨床診断に利用される物質が挙げられ、具体的には、例えば、体液、尿、喀痰、糞便、唾液中等に含まれる血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、トロンビン、ヒトイムノグロブリンG、ヒトイムノグロブリンM、ヒトイムノグロブリンA、ヒトイムノグロブリンE、ヒトアルブミン、ヒトフィブリノーゲン(フィブリン及びそれらの分解産物)、α−フェトプロテイン(AFP)、C反応性タンパク質(CRP)、ミオグロビン、ガン胎児性抗原、肝炎ウイルス抗原、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、ヒト胎盤性ラクトーゲン(HPL)、HIVウイルス抗原、アレルゲン、細菌毒素、細菌抗原、酵素、ホルモン(例えば、ヒト甲状腺刺激ホルモン(TSH)、インスリン等)、薬剤等が挙げられる。その他、体のあらゆる部位から採取した分泌液なども対象とし、あらゆる疾患に関連する原因物質等も挙げられる。
これらの検出対象が含まれると疑われる検体には、多種類且つ多量の夾雑物が混在する場合が多いが、測定される磁界は検出対象中の夾雑物に大きく影響されるものではない。このため、測定前に夾雑物を除去するといった予備手順を必ずしも行わなくてもよい。
(作用効果)
本発明の第1実施形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
検体に検出対象が存在する場合、この検出対象にアプタマーが結合する。検出対象とアプタマーの複合体が刺激応答性ポリマーを有する凝集性物質に結合すると、検出対象の電荷部分又は疎水性部分が刺激応答性ポリマーの近傍に配置され、刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和される。従って、この凝集阻害の変化の観察することで、検出対象の有無を判定できる。
以上の手順は、アプタマー及び刺激応答性ポリマーを有する凝集性物質のみを用いて達成され、特殊な試薬、機器を特に使用することなく行われるので、安価且つ簡便である。また、凝集の程度の変化を測定するだけであり、酵素によって触媒される反応を利用しないため、迅速に行うことができる。
<第2実施形態>
(定量方法)
本発明の定量方法では、まず、アプタマーと検体を混合する。次に、当該混合物と刺激応答性ポリマーを有する凝集性物質を混合し、刺激応答性ポリマーが凝集する所定条件下におく。続いて、この混合物の濁度を測定し、検出対象の量と濁度との所定条件下における相関式に基づいて、検体中の検出対象の量を算出する。前半部分の手順は前述した検出方法と類似するので、説明を省略する。
(相関式)
上記所定条件と同一の条件における、検出対象の量と濁度との相関式を作成する。この相関式を構成する検出対象の量と濁度との測定は、データが多い程に信頼性の高い相関式が得られる。そこでデータは、2以上の検出対象の量に関するものであればよく、3点以上の検出対象の量に関するものであることが好ましい。
ここで、検出対象の量と濁度との相関式は、検出対象の量と濁度との直接的な相関を示す式のみならず、検出対象の量と濁度を反映するパラメータとの相関式であってもよい。
(算出)
混合物の濁度測定値を、作成した相関式に代入することによって、検体中の検出対象の量を算出できる。
なお、検出方法又は定量方法における「濁度測定」には、濁度を直接的に測定することのみならず、濁度を反映するパラメータを測定することも包含される。かかるパラメータとしては、複数時点での濁度測定値の差異、分離された凝集物量、分離後の非凝集物の濁度等が挙げられる。ここで、複数時点のうちの1点は、例えば、検出対象が非存在下である陰性対照に磁力を付加した際、濁度が最大値となる時点であることが好ましい。これにより、別の時点での濁度測定値との差異が大きくなり、検出対象の量をより正確に定量できることになる。
(作用効果)
本発明の第2実施形態によれば、次の作用効果が得られる。第1実施形態と同様に、濁度の程度が検出対象の量に依存することになるので、検出対象量及び濁度の相関式に濁度測定値を代入することで、検出対象を定量できる。しかも、この手順は、アプタマー及び刺激応答性ポリマーを有する凝集性物質のみを用いて達成され、特殊な試薬、機器を特に使用することなく行われるので、安価且つ簡便である。また、凝集阻害の程度を測定するだけであり、酵素によって触媒される反応を利用する系ではないことから、迅速に行うことが可能である。
<実施例1>
(トロンビン試料の調製)
ウシα−トロンビン(Thrombin;Thermo scientific社製)を0.1%(w/v)BSA(和光純薬工業製)、10mM Tris−HCl(pH7.5、和光純薬工業製)、100mM NaCl、5mM KClを含有する溶液で、100nM、80nM、60nM、40nM、20nM、10nMとなるように希釈したものを、それぞれトロンビン試料として調製した。
(トロンビン結合性DNAアプタマーの調製)
5’末端にビオチンを有するオリゴヌクレオチド(配列番号1)を10mM Tris−HCl(pH7.5、和光純薬工業製)、100mM NaCl、5mM KClを含有する溶液で、1μMとなるように希釈し、サーマルサイクラー(DNA Engine、Bio−Rad社製)を用いて95℃で10分保温した後、30分かけて25℃にしたものをトロンビン結合性DNAアプタマーとして調製した。
(配列番号1)
5’−agtccgtggtagggcaggttggggtgacttttttggttggtgtggttgg−3’
(試料の混合)
トロンビン試料100μLとトロンビン結合性DNAアプタマー10μLを1.5mLマイクロチューブに入れピペッティングで混合し、37℃で5分間保温した。
(試料と磁性微粒子の混合)
上記混合試料に、ストレプトアビジン及び温度応答性ポリマーが結合された磁性微粒子であるJNC石油化学社製のTherma−Max(商品名) LSA Streptavidin(0.02質量%)100μLを加えピペッティングで混合し、21℃で5分間保温した。
(試料の測定)
図3に示されるように、市販の分光光度計用マイクロセル(UVette、eppendorf社製)に付属のセルアダプターAに内部に10mm×5mm×3mmのネオジム永久磁石B(ネオマグ社製)を取り付けた。このセルアダプターにマイクロセルCを入れ、セル温度制御機が設けられた紫外可視分光光度計V−660DS(日本分光製)内に設置し、37℃のもと10分間以上保持した。
上記の試料と磁性微粒子の混合溶液200μLをマイクロセル内に分注し、直ちに、波長420nm、バンド幅2.0nmで600秒間に亘って連続して吸光度を測定した。磁性微粒子、磁性微粒子−アプタマー複合体、磁性微粒子−アプタマー−トロンビン(20nM、60nM、100nM)複合体の測定結果を図4に示す。
図4に示されるように、測定開始後約200秒後までは吸光度が上昇し、その後吸光度の低下が見られた。これは磁性微粒子の刺激応答性ポリマーが凝集することで濁度が上昇し、その後磁性微粒子が磁石に吸着されて分離されるからであると推測される。
また、測定開始後600秒後の吸光度は、磁性微粒子のみに比べて磁性微粒子−アプタマー複合体のほうが高くなることがわかった。これは刺激応答性ポリマーがアプタマーによって凝集阻害を受けて分散し、磁石に吸着しにくくなったためであると推測される。
さらに、測定開始後600秒後の吸光度は、トロンビン濃度が高いほど低くなることがわかった。これは磁性微粒子とアプタマーの複合体にトロンビンが結合することでアプタマーによる凝集阻害が緩和されたためであると推測される。
次に、各試料について、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差異を算出した。この結果を表1に示す。
表1に示されるように、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は、トロンビンの量に依存するものであった。即ち、トロンビン濃度が高いほど、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は大きかった。これにより、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を測定することで、トロンビンを高感度に検出又は定量できることがわかった。
また、開始後600秒以内という検出時間は、インキュベーション時間を含めても15分以内で完了し、数時間を要していたELISAなどの従来技術に比べて、格段に短いものである。また、アプタマーと検体の反応および温度応答性磁性微粒子の混合と濁度測定を行うだけで検出対象を検出又は定量できたことから手順が簡便である。
<実施例2>
(VEGF試料の調製)
VEGF(R&D社製)を50mM 酢酸、100mM NaCl、5mM KCl(pH4.5)で0、10、100、495fMとなるように希釈した。その際に、ヒト血清を最終濃度10%となるように添加し、VEGF試料とした。
(VEGF結合性DNAアプタマーの調製)
5’末端にビオチンを有するオリゴヌクレオチド(配列番号2)を50mM 酢酸、100mM NaCl、5mM KCl(pH4.5)で1μMとなるように希釈し、95℃で10分加熱した後、30分かけて25℃まで緩やかに冷却した。これを50mM 酢酸、100mM NaCl、5mM KCl(pH4.5)で75nMになるように希釈し、VEGF結合性DNAアプタマーとした。
(配列番号2)
5’−tgtgggggtggacgggccgggtaga−3’
(試料の混合)
試料50μLとVEGF結合性DNAアプタマー50μLを1.5mLマイクロチューブに入れ、サーモミキサーを用いて20℃、1,200rpm、10分間振とうした。
(試料と磁性微粒子の混合)
上記混合試料に、50mM 酢酸、100mM NaCl、5mM KCl(pH4.5)で希釈したストレプトアビジン及び温度応答性ポリマーが結合された磁性微粒子であるJNC石油化学社製のTherma−Max(商品名)LSA Streptavidn(0.02質量%)を50μL添加し、サーモミキサーを用いて20℃、1,200 rpm、10秒間振とうした。
(試料の測定)
図3に示されるように、市販の分光光度計用マイクロセル(UVette、eppendorf社製)に付属のセルアダプターAに内部に10mm×5mm×3mmのネオジム永久磁石B(ネオマグ社製)を取り付けた。このセルアダプターにマイクロセルCを入れ、セル温度制御機が設けられた紫外可視分光光度計V−660DS(日本分光製)内に設置し、37℃のもと10分間以上保持した。
上記の試料と磁性微粒子の混合溶液150μLをマイクロセル内に分注し、直ちに、波長420nm、バンド幅2.0nmで600秒間に亘って連続して吸光度を測定した。磁性微粒子−アプタマー複合体、磁性微粒子−アプタマー−VEGF複合体の測定結果を図5に示す。図5のグラフ横の数値は、VEGF濃度を示す。
図5に示されるように、測定開始後300秒後の吸光度は、VEGF濃度が高いほど低くなることがわかった。これは磁性微粒子とアプタマーの複合体にVEGFが結合することでアプタマーによる凝集阻害が緩和されたためであると推測される。
次に、各試料について、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差異を算出した。この結果を表2に示す。
表2に示されるように、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は、VEGFの量に依存するものであった。即ち、VEGF濃度が高いほど、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は大きかった。これにより、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を測定することで、VEGFを高感度に検出又は定量できることがわかった。
<実施例3>
実施例1と同様の手順で、SARS Coronavirus Nucleocapsid Protein(RayBiotech社製)の検出を行った。
SARS Coronavirus Nucleocapsid Protein結合アプタマーとして5’末端にビオチンを有するオリゴヌクレオチド(配列番号3)を用いた。
(配列番号3)
5’− gcaatggtacggtacttccggatgcggaaactggctaattggtgaggctggggcggtcgtgcagcaaaagtgcacgctactttgctaa−3’
SARS Coronavirus Nucleocapsid Protein試料濃度0nM,10nM,20nM,40nM,60nM,80nM,100nMにおける、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を表3に示す。
表3に示されるように、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は、SARS Coronavirus Nucleocapsid Proteinの量に依存するものであった。即ち、SARS Coronavirus Nucleocapsid Protein濃度が高いほど、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は小さかった。これにより、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を測定することで、SARS Coronavirus Nucleocapsid Proteinを高感度に検出又は定量できることがわかった。
<実施例4>
実施例1と同様の手順で、Influenza virus hemagglutinin(H5N1−HA,A/Anhui/1/2005,Abnova社製)の検出を行った。
Influenza virus hemagglutinin結合アプタマーとして5’末端にビオチンを有するオリゴヌクレオチド(配列番号4)を用いた。
(配列番号4)
5’−gaattcagtcggacagcggggttcccatgcggatgttataaagcagtcgcttataagggatggacgaatatcgtctccc−4’
Influenza virus hemagglutinin試料濃度0nM,100nMにおける、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を表4に示す。
表4に示されるように、測定開始600秒後の測定値は試料濃度0nMと100nMで明確な差が見られ、Influenza virus hemagglutinin存在下で磁性微粒子の凝集促進が見られた。これにより、Influenza virus hemagglutininを検出できることがわかった。
<比較例1>
実施例1と同様の手順で、アプタマーの代わりに抗体を使ってVEGF(Human Recombinant VEGF A165:Human Zyme社製)の検出を行った。
VEGF結合抗体としてAnti−VEGF抗体(Biotin)(abcam社製)を用いた。Anti−VEGF抗体(Biotin)は、10mM Tris−HCl(pH7.5、和光純薬工業製)、100mM NaCl、5mM KClを含有する溶液で、1μMとなるように希釈して使用した。
VEGF試料濃度0nM,0.1nM,1nM,10nM,100nMにおける、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を表5に示す。
表5に示されるように、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は、VEGFの量に依存するものであった。即ち、VEGF濃度が高いほど、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差は大きかった。これにより、開始直後及び600秒後の2点での測定値の差を測定することで、VEGFを検出又は定量できることがわかった。
一方、VEGF 0.1nMの測定値の差はVEGF 0nMの測定値の差よりも小さくなった。このことから、この検出系における測定感度は0.1nM以上と考えられる。
これにより、VEGF結合性DNAアプタマーを用いて10fMでも検出できた実施例2は、抗体を用いた比較例1に比べて格段に検出感度が高いことが確認された。
以上の結果より、検出対象の濃度に応じて濁度が変化すること、濁度を測定することで検出対象の濃度を定量できることが示された。つまり、本発明に係る方法は、二次抗体、発光試薬、発光検出装置等の特殊な試薬、機器を必要とせず、検出対象を迅速、安価且つ簡便に検出、定量できる新規な方法であることが確認された。
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1 刺激応答性磁性微粒子
2 磁性物質
3 刺激応答性ポリマー
4 ストレプトアビジン
5 ビオチン
6 アプタマー
7 検出対象
A セルアダプター
B ネオジム永久磁石
C マイクロセル

Claims (5)

  1. 検体中の検出対象を検出する方法であって、
    前記検体と、前記検出対象と結合しうるアプタマーと、刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質とを混合し、
    得られた混合物を前記刺激応答性ポリマーが凝集する条件下で、前記刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質の凝集の程度を判定し、当該凝集の程度が、前記検体の非存在下に比して変化した場合に、前記検体中に検出対象が存在すると判別する手順を含み、
    前記凝集性物質が、微粒子状の磁性物質を更に含有し、磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含み、
    前記凝集の程度の変化が、前記刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和する変化である、
    検出対象の検出方法。
  2. 前記検出対象と結合しうるアプタマーが、DNA、またはRNAである請求項1に記載の方法。
  3. 前記検出対象が、VEGFである請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記検出対象が、トロンビンである請求項1または2に記載の方法。
  5. 検体中の検出対象を定量する方法であって、
    前記検体と、前記検出対象と結合しうるアプタマーと、刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質とを混合し、
    得られた混合物を前記刺激応答性ポリマーが凝集する条件下で、前記刺激応答性ポリマーを含有する凝集性物質の凝集の程度を測定し、前記凝集の程度と前記検出対象の量との前記条件下における相関式に基づいて、前記検体中の検出対象の量を算出する手順を含み、
    前記凝集性物質が、微粒子状の磁性物質を更に含有し、磁力を付加することで、凝集した磁性物質を分離することを更に含み、
    前記凝集の程度の変化が、前記刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和する変化であり、
    前記刺激応答性ポリマーの凝集阻害が緩和する変化が、濁度により表される、
    検体対象の定量方法。
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