JP6521489B2 - バーグラセンサの配置構造 - Google Patents
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Description
本発明は、バーグラセンサの配置構造に関し、特に、車室内への侵入を検知するバーグラセンサを、車室内部材に配置する配置構造に関する。
特開2013−221902号公報(特許文献1)には、自動車用侵入検知装置が記載されている。この自動車用侵入検知装置においては、超音波発信手段と、超音波受信手段が、超音波通過用の開口部を有するカバー部材によって覆われている。カバー部材の開口部には、複数のフィン部が設けられており、これらのフィン部のうち一部の特定のフィン部が超音波を反射するように設定されている。一部の特定のフィン部が反射した超音波の反射方向は、超音波のメインビーム方向とは異なっており、特定のフィン部で反射された超音波はサイドローブを形成する。これにより、簡単な構造で、所望の方向のサイドローブを得ることができる。
特許文献1記載の発明においては、超音波発信手段によって発生された超音波に所望の方向のサイドローブを形成するために、超音波発信手段をカバー部材で覆い、このカバー部材の開口部を通して超音波を放射している。しかしながら、超音波発信手段から放射された超音波を、カバー部材の開口部に設けたフィン部で反射させ、所望のサイドローブを得るためには、超音波発信手段とカバー部材をある程度離間させる必要がある。このため、特許文献1記載の自動車用侵入検知装置(バーグラセンサ)を車両の室内に配置された車室内部材内に組み込もうとすると、大きなスペースを要することとなり、スペースの確保が難しいという問題がある。
従って、本発明は、放射する超音波に所要の指向性をもたせながら、車室内部材にコンパクトに組み込むことができるバーグラセンサの配置構造を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するために、本発明は、車室内への侵入を検知するバーグラセンサを、車室内部材に配置する配置構造であって、超音波振動子を備え、超音波を発生する超音波発生部と、この超音波発生部の超音波振動子によって生成された超音波を、長穴からなる先端開口から車室内に放射するスロート部と、を有し、車室内部材には溝が形成され、この溝の底面に、スロート部の先端開口が開口し、先端開口の幅は超音波振動子よりも小さく形成され、先端開口が開口した溝の幅は、先端開口の幅よりも大きく、且つ発生する超音波の波長以下であることを特徴としている。
このように構成された本発明においては、超音波発生部が超音波を発生し、この超音波は、スロート部を通って、その先端の先端開口から放射される。スロート部の先端開口は、車室内部材に形成された溝の底面に開口しており、先端開口から放射された超音波は、溝の中から車室内に放射される。
このように構成された本発明によれば、スロート部の先端開口が溝の底面に開口しているので、先端開口から放射された超音波は、溝の内壁面による反射を受けながら車室内に放出される。この結果、溝の内壁面が音響的なホーンのように作用し、超音波の伝搬性能を高めることができると共に、溝を介して車室内に放射される超音波の指向性をコントロールすることが可能になる。また、超音波発生部のスロート部の先端開口が車室内部材に開口しているので、超音波発生部と車室内部材を大きく離間させる必要がなく、バーグラセンサを車室内部材にコンパクトに組み込むことができる。さらに、バーグラセンサを配置する車室内部材に設けた溝は、車室内部材に施す装飾に容易に溶け込ませることが可能であり、車室内のデザイン性を実質的に損なうことなく、車室内部材にバーグラセンサを配置することができる。
本発明において、好ましくは、スロート部は1つの超音波発生部に対して2つ設けられ、これら2つのスロート部の各先端開口は、同一の溝の底面に開口している。
このように構成された本発明によれば、同一の溝の底面に2つのスロート部の各先端開口が設けられているので、超音波の伝搬性能をさらに高めることができる。また、2つの先端開口の配置を適宜設定することにより、放射される超音波の指向性を、さらに容易にコントロールすることが可能になる。
本発明において、好ましくは、車室内部材は、車室の天井面に取り付けられるセンターコンソールである。
このように構成された本発明によれば、車室内部材であるセンターコンソールにバーグラセンサが配置されるので、車室天井面の車幅方向ほぼ中央から超音波を放射することができ、車室内全体に、容易に超音波を行き渡らせることができる。
このように構成された本発明によれば、車室内部材であるセンターコンソールにバーグラセンサが配置されるので、車室天井面の車幅方向ほぼ中央から超音波を放射することができ、車室内全体に、容易に超音波を行き渡らせることができる。
本発明において、好ましくは、
車室内部材には3本以上の溝が形成され、スロート部の先端開口が開口している溝の両側には先端開口が設けられていない溝が形成されており、先端開口が設けられていない溝は、先端開口が開口している溝の幅以下の間隔を開けて形成されていると共に、先端開口が開口している溝の幅以下の幅を有する。
このように構成された本発明によれば、スロート部の先端開口が開口している溝の両側にも溝が形成されているので、溝の中から放射された超音波が、その両側に形成された溝の壁面に当たって反射される。このような、溝の壁面からの反射波と、スロート部の先端開口が設けられた溝から直接放射された超音波を干渉させることにより、所要の指向特性を形成することが可能になり、さらに超音波の伝搬特性を向上させることができる。
車室内部材には3本以上の溝が形成され、スロート部の先端開口が開口している溝の両側には先端開口が設けられていない溝が形成されており、先端開口が設けられていない溝は、先端開口が開口している溝の幅以下の間隔を開けて形成されていると共に、先端開口が開口している溝の幅以下の幅を有する。
このように構成された本発明によれば、スロート部の先端開口が開口している溝の両側にも溝が形成されているので、溝の中から放射された超音波が、その両側に形成された溝の壁面に当たって反射される。このような、溝の壁面からの反射波と、スロート部の先端開口が設けられた溝から直接放射された超音波を干渉させることにより、所要の指向特性を形成することが可能になり、さらに超音波の伝搬特性を向上させることができる。
本発明において、好ましくは、車室内部材には5本以上の溝が形成され、スロート部の先端開口が開口している溝は、他の溝よりも幅が広い。
このように構成された本発明によれば、車室内部材に5本以上の溝が形成されているので、多くの溝からの反射波を干渉させることができ、放射される超音波に、より多様な指向性をもたせることが可能になり、さらに超音波の伝搬特性を向上させることができる。
このように構成された本発明によれば、車室内部材に5本以上の溝が形成されているので、多くの溝からの反射波を干渉させることができ、放射される超音波に、より多様な指向性をもたせることが可能になり、さらに超音波の伝搬特性を向上させることができる。
本発明のバーグラセンサの配置構造によれば、放射する超音波に所要の指向性をもたせながら、車室内部材にコンパクトに組み込むことができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1実施形態によるバーグラセンサの配置構造を採用した車両の断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態のバーグラセンサの配置構造において、バーグラセンサは、車両Vの車室C内に取り付けられたセンターコンソール1の内部に配置されている。センターコンソール1は、車両Vの車室C内の天井面R(ルーフ)の前端部であって、車幅方向ほぼ中央に取り付けられている。バーグラセンサは、超音波を放射する送信部と、放射された超音波の反射波を受信する受信部を備えている。また、バーグラセンサは、受信部が受信した超音波に発生しているドップラー効果に基づいて、車室C内に移動する物体が存在するか否かを検知し、不正な侵入者を検出することができるように構成されている。
図1は、本発明の第1実施形態によるバーグラセンサの配置構造を採用した車両の断面図である。
図1に示すように、本発明の第1実施形態のバーグラセンサの配置構造において、バーグラセンサは、車両Vの車室C内に取り付けられたセンターコンソール1の内部に配置されている。センターコンソール1は、車両Vの車室C内の天井面R(ルーフ)の前端部であって、車幅方向ほぼ中央に取り付けられている。バーグラセンサは、超音波を放射する送信部と、放射された超音波の反射波を受信する受信部を備えている。また、バーグラセンサは、受信部が受信した超音波に発生しているドップラー効果に基づいて、車室C内に移動する物体が存在するか否かを検知し、不正な侵入者を検出することができるように構成されている。
図2は、本発明の第1実施形態におけるセンターコンソールの分解斜視図である。
図2に示すように、センターコンソール1は、超音波発生部である超音波発振器2と、超音波受信部である超音波受信器4と、超音波発振器2及び超音波受信器4を制御する制御ユニット6と、超音波発振器2及び超音波受信器4を所定の位置に保持する取付用部材8と、以上の機器を収納するための車室内部材であるコンソールカバー10と、を有する。本実施形態においては、センターコンソール1に内蔵された超音波発振器2、超音波受信器4及び制御ユニット6がバーグラセンサを構成している。
図2に示すように、センターコンソール1は、超音波発生部である超音波発振器2と、超音波受信部である超音波受信器4と、超音波発振器2及び超音波受信器4を制御する制御ユニット6と、超音波発振器2及び超音波受信器4を所定の位置に保持する取付用部材8と、以上の機器を収納するための車室内部材であるコンソールカバー10と、を有する。本実施形態においては、センターコンソール1に内蔵された超音波発振器2、超音波受信器4及び制御ユニット6がバーグラセンサを構成している。
超音波発振器2は概ね円柱形のケース2aを有し、制御ユニット6からの駆動信号に基づいて、内蔵された振動子16(図4)を振動させ、所定周波数の超音波を発生させるように構成されている。なお、本実施形態において、超音波発振器2は約40kHz、波長約8.5mmの超音波を発生させるように構成されている。
超音波受信器4は概ね円柱形のケース4aを有し、超音波発振器2が発生させ、車両Vの車室C内で反射された超音波を受信するように構成されている。超音波受信器4は超音波を受信すると電気信号を生成し、この電気信号を制御ユニット6に送るように構成されている。なお、本実施形態において、超音波受信器4と超音波発振器2は実質的に同一の構成を有している。
制御ユニット6は、超音波発振器2及び超音波受信器4に接続され、これらを制御するように構成されている。即ち、制御ユニット6は、バーグラセンサの稼働中、所定の時間間隔で超音波発振器2に駆動信号を送り、超音波発振器2から超音波を発生させる。さらに、超音波発振器2が発生させた超音波の反射波を超音波受信器4が受信すると電気信号が生成され、制御ユニット6に送られる。制御ユニット6は、超音波受信器4から入力された電気信号に基づいて、反射波にドップラー効果が生じているか否かを解析し、不正な侵入者の有無を判断する。
即ち、車室C内の動いている物体から反射された超音波にはドップラー効果が発生しており、車室C内に正当な乗員がいない状態で、ドップラー効果が検出された場合には、不正な侵入者があると判断することができる。不正な侵入者が検知された場合には、制御ユニット6は発音器(図示せず)を作動させ、大音量で警告音を発生させて異常を報知する。具体的には、制御ユニット6は、マイクロプロセッサ、メモリ、インターフェイス回路、これらを作動させるプログラム、及び警告音を発生させるための発音器であるスピーカー等により構成することができる(以上、図示せず)。
取付用部材8は、コンソールカバー10の内側に配置される板状の部材であり、コンソールカバー10内の適所に、超音波発振器2、超音波受信器4及び制御ユニット6を固定できるように構成されている。具体的には、取付用部材8の裏面(コンソールカバー10の反対側の面)中央には制御ユニット6を固定するための保持部(図示せず)が設けられ、その両側に超音波発振器2、及び超音波受信器4を夫々保持するための保持穴8a、8bが夫々形成されている。これらの保持穴8a、8bにより、超音波発振器2及び超音波受信器4は、コンソールカバー10の裏側の適所に保持される。
コンソールカバー10は、センターコンソール1の外観を構成する部材であり、取付用部材8が背面側に取り付けられる。また、超音波発振器2により発生された超音波はコンソールカバー10の発音部10aを介して車室C内に放射され、反射された超音波はコンソールカバー10の受音部10bを介して超音波受信器4により受信される。さらに、コンソールカバー10には、一対の照明ランプ12、及びセンターコンソール1を操作するための複数の操作スイッチ14が設けられている。
次に、図3乃至図5を参照して、本発明の実施形態によるバーグラセンサの配置構造を説明する。図3は、センターコンソール1の、超音波発振器2が内蔵されている部分を拡大して示す正面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿う部分の拡大断面図である。図5は、本発明の第1実施形態によるバーグラセンサの配置構造を採用した場合において、超音波発振器2から発生される超音波の音圧分布を示す図である。
図3及び図4に示すように、センターコンソール1のコンソールカバー10表面には発音部10aが設けられ、この発音部10aの表面には平行に延びる多数の細長い溝20が形成されている。これらの溝が形成された発音部10aの裏面には、バーグラセンサの超音波発振器2が配置されている。なお、本実施形態においては、コンソールカバー10表面に設けられた受音部10bの構造も、発音部10aの構造と同一である。また、以下に説明する、コンソールカバー10に対する超音波発振器2の配置構造も、コンソールカバー10に対する超音波受信器4の配置構造と同一である。
図4に示すように、超音波発振器2のケース2aは、取付用部材8に設けられた保持穴8aに嵌め込まれ、コンソールカバー10の裏面の適所に保持されている。また、超音波発振器2のケース2a内には超音波振動子16(振動板)が配置されており、この超音波振動子16は、駆動信号を加えることにより高周波振動するように構成されている。さらに、超音波発振器2のケース2a前面の開口部は、コンソールカバー10の裏面によって覆われており、超音波振動子16とコンソールカバー10の裏面の間にチャンバー22が形成される。
また、コンソールカバー10の、超音波発振器2を覆っている部分には、平行に延びる2本の長穴が設けられており、これらの長穴は超音波発振器2のスロート部18として機能している。本実施形態においては、スロート部18を構成するこれらの長穴は、超音波振動子16の直径よりも小さく、幅約1mm、長さ約3.5mmの長円形の断面形状を有するように構成されている。さらに、各スロート部18先端の先端開口18aは、コンソールカバー10の表面に形成された溝20の中に位置しており、2つの先端開口18aが1本の溝20の底面に開口している。また、スロート部18の長さTは、コンソールカバー10の、長穴が形成されている部分の肉厚により規定され、本実施形態においては長さT=約1mmである。
本実施形態においては、各溝20は、深さD=約1mm、幅W=約3mmの長方形断面を有し、同一断面形状を有する溝が約1mmずつ間隔を開けて平行に多数本形成されている。さらに、図3に示すように、本実施形態においては、2つスロート部18の各先端開口18aは、発音部10aの最も端に形成された1本の溝20の中に、溝20と平行に延びるように2つ並べて開口していると共に、溝20の一方の端から距離L=約10mmの位置に形成されている(図3)。好ましくは、各スロート部18は、それらが形成されている溝20の両側の端部から、放射する超音波の波長(本実施形態においては約8.5mm)よりも長い距離L離れた位置に形成する。また、好ましくは、溝20を、放射する超音波の波長以下の幅W、放射する超音波の波長の2倍以上の長さ、約1mm以上の深さに形成することにより、放射される超音波の指向性を十分にコントロールすることができる。
制御ユニット6から超音波発振器2に駆動信号が送られると、超音波振動子16が高周波振動し、チャンバー22内で超音波が発生する。チャンバー22内で発生した超音波は、コンソールカバー10に形成された2つのスロート部18を通ってコンソールカバー10の表面側に放射される。ここで、各スロート部18の先端開口18aは溝20の底面に開口しているため、溝20の内壁面が音響的なホーンのように作用して、放射される超音波の指向性が改善される。
図5は超音波発振器2から放射される超音波の音圧分布であり、図3及び図4に示す配置構造で配置された超音波発振器2から超音波を発生させた場合における音圧分布を示している。図5は、発音源Sであるスロート部18の2つの先端開口18aから外部に放射された超音波が空間内に広がり、発音源Sから遠ざかるにつれて徐々に音圧が低下することを示している。ここで、先端開口18aからの超音波を直接放射するのではなく、溝20の底面から放射することにより、超音波が広い角度に広がるように指向性が改善されている。図5に示す音圧分布では、発音源Sを中心に、3方向に音圧の高い部分が形成されており、車室C内全体に超音波を十分に行き渡らせることができる。本実施形態においては、バーグラセンサ(超音波発振器2)の配置構造を工夫し、先端開口18aを溝20の底面に設けることにより、音圧分布の指向性を改善している。
次に、比較例として、超音波を超音波発振器2のスロート部18から直接放射した場合の音圧分布を、図6及び図7を参照して説明する。図6は比較例における超音波発振器の外観を示す斜視図であり、図7は比較例の超音波発振器から発生される超音波の音圧分布を示す図である。
図6に示すように、比較例の超音波発振器24は概ね円柱形のケース24aを有し、このケース24aの中に高周波振動する超音波振動子(図示せず)が内蔵されている。また、ケース24aの一方の端面には、超音波振動子を覆うカバー24bが設けられており、このカバー24bから突出するように、平行に配置された長円形断面の2つのスロート部26が形成されている。即ち、第1実施形態における超音波発振器2では、スロート部18がコンソールカバー10に設けた長穴により形成されていたのに対し、比較例の超音波発振器24では、突出する筒状の壁面の内側にスロート部26が形成されている。また、スロート部26は、第1実施形態における超音波発振器2のスロート部18と同様に、幅約1mm、長さ約3.5mmの長円形の断面形状を有している。
なお、比較例の超音波発振器24においても、ケース24a内の超音波振動子の振動により生成された超音波は、一旦、ケース24a内のチャンバーに放射され、このチャンバー内の超音波が2つのスロート部26を通り、各スロート部26の先端開口26aから外部に放射される。従って、比較例の超音波発振器24は、先端開口が溝の底面に開口している点を除き、第1実施形態における超音波発振器2と音響的に同等である。
図7は比較例の超音波発振器24から放射される超音波の音圧分布である。比較例の超音波発振器24では、各スロート部26を通った超音波が、先端開口26aから自由空間に直接放射される。比較例の超音波発振器24においても、超音波振動子によって生成された超音波が直接放射されるのではなく、2つのスロート部26を介して放射されることにより、超音波が広い角度に広がるように指向性がコントロールされている。しかしながら、図7に示す比較例の音圧分布は、図5に示した第1実施形態における音圧分布と比較して、超音波の広がりが小さいと共に、高い音圧が得られる範囲が狭く、車室C内全体に超音波を十分に行き渡らせることができない。このように、本発明の第1実施形態のバーグラセンサの配置構造では、各スロート部18の先端開口18aを溝20の底面に開口させることにより、ホーン効果が得られ、高い音圧で車室C内の広い範囲に超音波を放射することができる。
また、本実施形態においては、上述したように、コンソールカバー10に設けられた受音部10bの構成も発音部10aと同一であり、コンソールカバー10に対する超音波受信器4の配置構造も超音波発振器2の配置構造と同一である。また、音響系において相反定理が成り立つことも知られている。このことから明らかなように、超音波受信器4についても、超音波発振器2の配置構造と同一の配置構造を採用することにより、車室C内の広い範囲の超音波を、高い感度で受信することができる。
なお、本実施形態においては、各スロート部18が、コンソールカバー10に設けた長穴により、超音波発振器2とは別体で構成されていたが、比較例のようにスロート部26が一体に構成された超音波発振器24を使用して、本発明を構成することもできる。この場合には、スロート部26の先端開口26aが溝20の底面と同一平面上に位置するように超音波発振器24を配置して、先端開口26aを溝20の底面に開口させる。このような構成によっても、溝20によるホーン効果が得られ、図5と同様の音圧分布を得ることができる。
本発明の第1実施形態のバーグラセンサの配置構造によれば、スロート部18の先端開口18aが溝20の底面に開口しているので、先端開口18aから放射された超音波は、溝20の内壁面による反射を受けながら車室C内に放出される。この結果、溝20の内壁面が音響的なホーンのように作用し、超音波の伝搬性能を高めることができると共に、溝20を介して車室C内に放射される超音波の指向性がコントロールされる。これにより、本実施形態においては、車室C内全体に超音波を行き渡らせることができる。また、本実施形態においては、超音波発振器2のスロート部18の先端開口18aがコンソールカバー10に開口しているので、超音波発振器2とコンソールカバー10が密着しており、バーグラセンサをセンターコンソール1の中にコンパクトに組み込むことができる。
また、本実施形態のバーグラセンサの配置構造によれば、同一の溝20の底面に2つのスロート部18の各先端開口18aが設けられているので、超音波の伝搬性能をさらに高めることができる。
さらに、本実施形態のバーグラセンサの配置構造によれば、車室内部材であるセンターコンソール1にバーグラセンサが配置されるので、車室天井面Rの車幅方向ほぼ中央から超音波を放射することができ、車室C内全体に、容易に超音波を行き渡らせることができる。
次に、図8及び図9を参照して、本発明の第2実施形態によるバーグラセンサの配置構造を説明する。図8は、本発明の第2実施形態において採用されている超音波発生部である超音波発振器の斜視図である。図9は、図8に示す超音波発振器を単体で作動させた場合における音圧分布を示す図である。
本実施形態のバーグラセンサの配置構造は、使用する超音波発振器の構造が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第2実施形態の、第1実施形態とは異なる部分のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態において採用されている超音波発振器30は、概ね円柱形のケース30aを有し、このケース30aの中に高周波振動する超音波振動子(図示せず)が内蔵されている。また、ケース30a内の超音波振動子はカバー30bで覆われており、このカバー30bの中心から突出するように、円筒形のスロート部32が1つ形成されている。このスロート部32の内側に形成された通路は、先端開口32aに向けて円錐形状に広がっている。
本実施形態の超音波発振器30においても、ケース30a内の超音波振動子の振動により生成された超音波は、一旦、ケース30a内のチャンバーに放射され、このチャンバー内の超音波がスロート部32を通り、先端開口32aから外部に放射される。
図9は、超音波発振器30を単体で作動させた場合の超音波の音圧分布である。このように、超音波振動子(振動板)によって生成された超音波が、振動板よりも小さな断面を有するスロート部32を通るため、抵抗となり、音圧分布が丸みをおびた形になる。超音波発振器30においても、超音波振動子によって生成された超音波が直接放射されるのではなく、スロート部32を介して放射されることにより、超音波が広い角度に広がるように指向性が改善されている。しかしながら、図9に示す音圧分布では、超音波の広がりが不十分であると共に、高い音圧が得られる範囲が狭い。
本実施形態の超音波発振器30についても、単体で作動させた場合には、十分な広さの指向性が得られていないが、これを第1実施形態の配置構造と同様に配置することにより、広い指向性をもたせることができる。即ち、スロート部32の先端開口32aを、第1実施形態と同様に、車室内部材に設けた溝の底面に開口するように配置することにより、図5に示した音圧分布と同等の、広い指向性を得ることができる。このように、種々の断面形状を有するスロート部を備えた超音波発振器を、本発明のバーグラセンサの配置構造に適用することができる。
なお、本実施形態の超音波発振器30においては、スロート部32が超音波発振器30と一体に設けられているが、第1実施形態のように、車室内部材(コンソールカバー)に設けた円錐形の穴によりスロート部32を形成することもできる。
なお、本実施形態の超音波発振器30においては、スロート部32が超音波発振器30と一体に設けられているが、第1実施形態のように、車室内部材(コンソールカバー)に設けた円錐形の穴によりスロート部32を形成することもできる。
次に、図10及び図11を参照して、本発明の第3実施形態によるバーグラセンサの配置構造を説明する。図10は、本発明の第3実施形態によるバーグラセンサの配置構造において、超音波発振器を車室内部材に取り付けた状態を示す断面図である。図11は、図10に示す配置構造により放射される超音波の音圧分布を示す図である。
本実施形態のバーグラセンサの配置構造は、使用する超音波発振器の構造及びそれを取り付ける車室内部材の構成が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第3実施形態の、第1実施形態とは異なる部分のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の配置構造においては、車室内部材40の裏面に、超音波発生部である超音波発振器42が取り付けられている。
車室内部材40の表面には、等間隔で平行に延びる直線状の溝40aが多数本形成されている。これらの溝40aは、幅約1mm、深さ約1mmの概ね正方形の断面を有している。また、各溝40aは、約1mmの間隔を開けて形成されている。さらに、車室内部材40の表面に設けられている、超音波発振器42が取り付けられた溝40bは幅が広く、幅約3mm、深さ約1mmの概ね長方形の断面を有しており、この幅広の溝40bの両側に、幅の狭い多数の溝40aが形成されている。
車室内部材40の表面には、等間隔で平行に延びる直線状の溝40aが多数本形成されている。これらの溝40aは、幅約1mm、深さ約1mmの概ね正方形の断面を有している。また、各溝40aは、約1mmの間隔を開けて形成されている。さらに、車室内部材40の表面に設けられている、超音波発振器42が取り付けられた溝40bは幅が広く、幅約3mm、深さ約1mmの概ね長方形の断面を有しており、この幅広の溝40bの両側に、幅の狭い多数の溝40aが形成されている。
超音波発振器42は、概ね円柱形のケース42aを有し、このケース42aの中に高周波振動する超音波振動子44が内蔵されている。また、ケース42a内の超音波振動子44はカバー42bで覆われており、このカバー42bから突出するように、2つの長円形の筒形のスロート部46が形成されている。これらのスロート部46の先端開口46aは、1つの幅広の溝40bの底面に開口していると共に、溝40bの底面と同一平面上に位置している。また、各スロート部46の内側に形成された通路の構成は、図6に示した超音波発振器24と同一である。
本実施形態の超音波発振器42においても、ケース42a内の超音波振動子の振動44により生成された超音波は、一旦、ケース42a内のチャンバーに放射され、このチャンバー内の超音波がスロート部46を通り、その先端開口46aから外部に放射される。
図11は、図10の配置構造において放射された超音波の音圧分布である。
図11に示すように、図10の配置構造を採用することにより、スロート部の構成は第1実施形態と実質的に同一であるが、放射される超音波は、図5に示した音圧分布よりも更に広い角度に広がるように指向性がコントロールされている。
図11に示すように、図10の配置構造を採用することにより、スロート部の構成は第1実施形態と実質的に同一であるが、放射される超音波は、図5に示した音圧分布よりも更に広い角度に広がるように指向性がコントロールされている。
本発明の第3実施形態のバーグラセンサの配置構造によれば、スロート部46の先端開口46aが開口している溝40bの両側にも溝40aが形成されているので、溝40bの中から放射された超音波が、その両側に形成された溝40aの壁面に当たって反射される。このような、溝40aの壁面からの反射波と、スロート部46の先端開口46aが設けられた溝40bから直接放射された超音波を干渉させることにより、さらに超音波の伝搬特性を向上させることができる。
また、本実施形態のバーグラセンサの配置構造によれば、車室内部材40に、溝40bの両側に夫々2本以上の溝40aが形成されているので、多くの溝40aからの反射波を干渉させることができ、放射される超音波に、より多様な指向性をもたせることが可能になり、さらに超音波の伝搬特性を向上させることができる。
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第4実施形態によるバーグラセンサの配置構造を説明する。図12は、本発明の第4実施形態によるバーグラセンサの配置構造において、超音波発振器を車室内部材に取り付けた状態を示す断面図である。図13は、図12に示す配置構造により放射される超音波の音圧分布を示す図である。
本実施形態のバーグラセンサの配置構造は、使用する超音波発振器の構造及びそれを取り付ける車室内部材の構成が、上述した第1実施形態とは異なる。従って、ここでは、本発明の第4実施形態の、第1実施形態とは異なる部分のみを説明し、同様の構成、作用、効果については説明を省略する。
図12に示すように、本実施形態の配置構造においては、車室内部材50の裏面に、超音波発生部である超音波発振器52が取り付けられている。
車室内部材50の表面には、等間隔で平行に延びる直線状の溝50aが多数本形成されている。これらの溝50aは、幅約3mm、深さ約1mmの概ね長方形の断面を有している。また、各溝50aは、約3mmの間隔を開けて形成されている。さらに、車室内部材50の表面に設けられている、超音波発振器52が取り付けられた溝50bも他の溝50aと同様に、幅約3mm、深さ約1mmの概ね長方形の断面を有しており、この溝50bの両側に、2本以上の溝50aが形成されている。
車室内部材50の表面には、等間隔で平行に延びる直線状の溝50aが多数本形成されている。これらの溝50aは、幅約3mm、深さ約1mmの概ね長方形の断面を有している。また、各溝50aは、約3mmの間隔を開けて形成されている。さらに、車室内部材50の表面に設けられている、超音波発振器52が取り付けられた溝50bも他の溝50aと同様に、幅約3mm、深さ約1mmの概ね長方形の断面を有しており、この溝50bの両側に、2本以上の溝50aが形成されている。
超音波発振器52は、概ね円柱形のケース52aを有し、このケース52aの中に高周波振動する超音波振動子54が内蔵されている。また、ケース52a内の超音波振動子54はカバー52bで覆われており、このカバー52bから突出するように、2つの長円形の筒形のスロート部56が形成されている。これら2つのスロート部56の先端開口56aは、1つの溝50bの底面に開口していると共に、溝50bの底面と同一平面上に位置している。また、各スロート部56の内側に形成された通路の構成は、図6に示した超音波発振器24と同一である。
本実施形態の超音波発振器52においても、ケース52a内の超音波振動子54の振動により生成された超音波は、一旦、ケース52a内のチャンバーに放射され、このチャンバー内の超音波がスロート部56を通り、その先端開口56aから外部に放射される。
図13は、図12の配置構造において放射された超音波の音圧分布である。
図13に示すように、図12の配置構造を採用した場合において、スロート部の構成は第1実施形態と実質的に同一であるが、放射される超音波は極めて狭い指向性を有するものとなる。本実施形態における音圧分布の指向性は、図5に示した音圧分布よりも狭く、単体の超音波発振器から超音波を放射した図7に示す音圧分布よりも更に狭いものとなっている。このような音圧分布は、スロート部56の先端開口56aが開口した溝50bの両側に多数形成された溝50aからの反射波が重ね合わせられることにより形成されたものと考えられる。
図13に示すように、図12の配置構造を採用した場合において、スロート部の構成は第1実施形態と実質的に同一であるが、放射される超音波は極めて狭い指向性を有するものとなる。本実施形態における音圧分布の指向性は、図5に示した音圧分布よりも狭く、単体の超音波発振器から超音波を放射した図7に示す音圧分布よりも更に狭いものとなっている。このような音圧分布は、スロート部56の先端開口56aが開口した溝50bの両側に多数形成された溝50aからの反射波が重ね合わせられることにより形成されたものと考えられる。
このように狭い指向性を有するバーグラセンサの配置構造は、1つの超音波発振器から放射された超音波を車室C内全体に行き渡らせる用途には不向きであるが、車室C内の特定の部位における侵入をピンポイントで検知するためのセンサの配置構造として好適である。また、本実施形態の配置構造により超音波発振器52から放射された超音波は、超音波発振器を単体で作動させた場合よりも音圧分布が非常に安定していると共に、音圧も上昇している。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態に種々の変更を加えることができる。特に、上述した実施形態においては、センターコンソールのコンソールカバーを車室内部材として、その内部にバーグラセンサを配置していたが、本発明の配置構造は、インストゥルメントパネル等、車室内に配置されたコンソールカバー以外の部材にバーグラセンサを配置する場合にも適用することができる。また、上述した実施形態においては、スロート部の先端開口を形成した溝の底面は平面であったが、溝の底面を曲面とすることもできる。
1 センターコンソール
2 超音波発振器(超音波発生部)
2a ケース
4 超音波受信器(超音波受信部)
6 制御ユニット
8 取付用部材
8a、8b 保持穴
10 コンソールカバー(車室内部材)
10a 発音部
10b 受音部
12 照明ランプ
14 操作スイッチ
16 超音波振動子
18 スロート部
18a 先端開口
20 溝
22 チャンバー
24 超音波発振器(超音波発生部)
24a ケース
24b カバー
26 スロート部
30 超音波発振器(超音波発生部)
30a ケース
30b カバー
32 スロート部
32a 先端開口
40 車室内部材
40a、40b 溝
42 超音波発振器(超音波発生部)
42a ケース
42b カバー
44 超音波振動子
46 スロート部
46a 先端開口
50 車室内部材
50a 溝
50b 溝
52 超音波発振器(超音波発生部)
52a ケース
52b カバー
54 超音波振動子
56 スロート部
56a 先端開口
2 超音波発振器(超音波発生部)
2a ケース
4 超音波受信器(超音波受信部)
6 制御ユニット
8 取付用部材
8a、8b 保持穴
10 コンソールカバー(車室内部材)
10a 発音部
10b 受音部
12 照明ランプ
14 操作スイッチ
16 超音波振動子
18 スロート部
18a 先端開口
20 溝
22 チャンバー
24 超音波発振器(超音波発生部)
24a ケース
24b カバー
26 スロート部
30 超音波発振器(超音波発生部)
30a ケース
30b カバー
32 スロート部
32a 先端開口
40 車室内部材
40a、40b 溝
42 超音波発振器(超音波発生部)
42a ケース
42b カバー
44 超音波振動子
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46a 先端開口
50 車室内部材
50a 溝
50b 溝
52 超音波発振器(超音波発生部)
52a ケース
52b カバー
54 超音波振動子
56 スロート部
56a 先端開口
Claims (5)
- 車室内への侵入を検知するバーグラセンサを、車室内部材に配置する配置構造であって、
超音波振動子を備え、超音波を発生する超音波発生部と、
この超音波発生部の上記超音波振動子によって生成された超音波を、長穴からなる先端開口から車室内に放射するスロート部と、を有し、
上記車室内部材には溝が形成され、この溝の底面に、上記スロート部の上記先端開口が開口し、
上記先端開口の幅は上記超音波振動子よりも小さく形成され、上記先端開口が開口した上記溝の幅は、上記先端開口の幅よりも大きく、且つ発生する超音波の波長以下であることを特徴とするバーグラセンサの配置構造。 - 上記スロート部は1つの上記超音波発生部に対して2つ設けられ、これら2つのスロート部の各先端開口は、同一の上記溝の底面に開口している請求項1記載のバーグラセンサの配置構造。
- 上記車室内部材は、車室の天井面に取り付けられるセンターコンソールである請求項1又は2に記載のバーグラセンサの配置構造。
- 上記車室内部材には3本以上の溝が形成され、上記スロート部の上記先端開口が開口している溝の両側には上記先端開口が設けられていない溝が形成されており、上記先端開口が設けられていない上記溝は、上記先端開口が開口している上記溝の幅以下の間隔を開けて形成されていると共に、上記先端開口が開口している溝の幅以下の幅を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載のバーグラセンサの配置構造。
- 上記車室内部材には5本以上の溝が形成され、上記スロート部の上記先端開口が開口している溝は、他の溝よりも幅が広い請求項4記載のバーグラセンサの配置構造。
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