JP6512404B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
更に、特許文献1に示すように、タンクパージ実行中において、燃料タンク内の燃料蒸発ガスがキャニスタに吸着されないように、燃料タンクと吸気通路とを連通しつつキャニスタを封鎖するキャニスタ開閉弁(ベーパソレノイドバルブ)を備えた装置が開発されている。
そして、通常ではタンクパージを行なって所定時間が経過すれば燃料タンク内の圧力が所定圧以下となるものの、例えば燃料蒸発ガスの処理能力が低下していたり、燃料タンク内の圧力が大幅に上昇していたりしている場合には、タンクパージを行なって所定時間経過しても燃料タンク内の圧力が所定圧以下にならない虞がある。このような場合には、タンクパージが長時間実行され、密閉弁の開弁が長時間継続されてしまい、密閉弁の耐久性や電力消費の観点から望ましくない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、タンクパージの長時間の実行を抑止して、密閉弁の保護を図ることのできる燃料蒸発ガス排出抑止装置を提供することにある。
また、好ましくは、前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンク内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記キャニスタ開閉弁の閉弁後、前記内燃機関が前記燃料蒸発ガスを処理可能な運転状態になってから前記密閉弁を開弁させるとよい。
また、好ましくは、前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンク内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記内燃機関が運転停止している場合には、前記内燃機関を始動させるとよい。
このように、キャニスタ開閉弁の作動に基づいて密閉弁の作動規制が行なわれることで、例えば内燃機関の始動時のようにタンクパージ開始判定から密閉弁の開弁が待機された場合には、その待機時間を含めてタンクパージの実行時間を規制することができる。したがって、タンクパージを行なうために内燃機関を作動させる車両では、内燃機関の作動時間を抑えることができ、燃料消費を抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。
また、図2〜4は、密閉弁35の構造及び作動を示す説明図であり、図2は非通電時、図3は通電時であって燃料タンク側がバイパス弁側より高圧である場合、図4は通電時であって燃料タンク側とバイパス弁側とが略同一の圧力である場合を示す。図5、6は、エバポレーティブリークチェックモジュールの構造及び作動を示す説明図であり、図5は切替弁の非作動時での状態、図6は切替弁の作動時での状態を示す。図2〜4中の実線の矢印は、燃料蒸発ガスの流れ方向を示す。図5及び図6中の矢印は、エバポレーティブリークチェックモジュール34内の負圧ポンプ34cを作動させた場合の空気の流れ方向を示す。
本実施形態の燃料蒸発ガス排出抑止装置1を備えた車両は、エンジン10を作動させずに車両に搭載したバッテリの電力により走行用モータで走行駆動するEVモードと、エンジン10を作動させてエンジン10及び走行用モータの両方で走行駆動するパラレルモードが可能である。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、車両の車体に設けられる燃料給油口22の蓋である給油リッド23と、給油リッド23を閉状態でロックするリッドロック機構65と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ24と、燃料タンク21の内圧である燃料タンク内圧Ptを検出する圧力センサ25(タンク圧検出部)と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ26と、給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ27とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ26よりレベリングバルブ27を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、一端がエンジン10の吸気通路11に接続され、他端がバイパス弁37に接続されている。ベーパ配管32は、一端が燃料タンク21のレベリングバルブ27に接続され、他端がバイパス弁37に接続されている。
図3に示すように、ソレノイド駆動時(通電時)には、小口径弁体35bが大口径弁体35cから離間する方向(図3中、上方)に移動して、大口径弁体35c中央部の流路35gを開放する。ここで、燃料タンク21側の圧力がバイパス弁37側の圧力より高い場合には、大口径弁体35cの上下の圧力差によりスプリング35dの付勢力に抗して大口径弁体35cがソレノイド35eとは反対側に移動し、大口径弁体35cの周縁部とケース35aの内壁面との間の流路35fを遮断する。したがって、燃料タンク21とバイパス弁37とは、小径の流路35gのみを通じて燃料蒸発ガスが流通可能となる。
図5及び図6に示すように、エバポレーティブリークチェックモジュール34には、キャニスタ33の外気吸入孔33aに通じるキャニスタ側通路34aと、エアフィルタ40を介して大気に通じる大気側通路34bとが設けられている。大気側通路34bには、負圧ポンプ34cを備えるポンプ通路34dが連通している。また、エバポレーティブリークチェックモジュール34には、切替弁34eとバイパス通路34fとが設けられている。切替弁34eは、電磁ソレノイドを備え、当該電磁ソレノイドで駆動される。切替弁34eは、電磁ソレノイドが無通電の状態である時には、図5のように、キャニスタ側通路34aと大気側通路34bとを連通させる(切替弁34eの開弁状態に相当)。また、切替弁34eは、電磁ソレノイドに外部から駆動信号が供給され通電の状態(ON)である時には、図6のように、キャニスタ側通路34aとポンプ通路34dとを連通させる(切替弁34eの閉弁状態に相当)。バイパス通路34fは、常時キャニスタ側通路34aとポンプ通路34dとを導通させる通路である。そして、バイパス通路34fには、小径(例えば、直径0.45mm)の基準オリフィス34gが設けられている。また、ポンプ通路34dの負圧ポンプ34cとバイパス通路34fの基準オリフィス34gとの間には、ポンプ通路34d或いは基準オリフィス34g下流のバイパス通路34f内の圧力を検出する圧力センサ34hが設けられている。なお、エバポレーティブリークチェックモジュール34は、燃料蒸発ガス排出抑止装置1の洩れやバルブ等の故障判定に用いられる。
電子コントロールユニット50は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成されており、給油制御部51、タンクパージ制御部52、タンクパージ規制部53を備えている。
一方、電子コントロールユニット50の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ24、負圧ポンプ34c、切替弁34e、密閉弁35、パージバルブ36、バイパス弁37、ディスプレイ63、リッドロック機構65に備えられたドアモータ86等が接続されている。
キャニスタパージは、例えばエンジン10の始動直後に所定時間行われ、エンジン運転中においてパージバルブ36及びバイパス弁37を開弁することで、キャニスタ33に吸着されている燃料蒸発ガスを吸気通路11へ導入して処理する。なお、このとき、密閉弁35は閉弁状態とする。
タンクパージ制御部52は、圧力センサ25が検出した燃料タンク内圧Ptが第1の所定圧P1を超える高圧判定がされた際に、密閉弁35、パージバルブ36及びバイパス弁37を制御してタンクパージを実行し、燃料タンク内圧Ptが第2の所定圧P2以下となれば終了させる。なお、第1の所定圧P1は、燃料タンク内圧Ptの許容値内の上限値付近に設定すればよく。第2の所定圧P2は標準大気圧付近に設定すればよい。
図7〜9は、タンクパージ開始時における各種作動タイミング例を示すタイムチャートである。図7はEVモードでエンジン10が温態状態である場合、図8はパラレルモードでエンジン10が温態状態である場合、図9はEVモードでエンジン10が冷態状態である場合を示す。なお、エンジン10が温態状態あるいは冷態状態であるかについては、例えば水温センサ15により検出したエンジン10の冷却水温度Twで判別すればよく、タンクパージが十分に可能となる程度にエンジン運転が安定したか否かを判別できるような閾値に設定すればよい。
図9に示すように、EVモードでエンジン10が冷態状態である場合には、図7と同様に、高圧判定されるとともにエンジン10を始動させるが、タンクパージを許可する待機時間tbは、温態状態での待機時間taよりも長いものとなる。なお、待機時間ta、tbについては、あらかじめ設定した値でもよいし、エンジン10の冷却水温度Twに基づいてタンクパージを許可するタイミングを判定してもよい。
このようにバイパス弁37の作動に基づいてタンクパージの実行時間が規制されることで、タンクパージを行なっても燃料タンク内圧Ptが第2の所定圧P2以下に低下しない場合だけでなく、例えばエンジン運転が不安定でタンクパージが開始できないような場合も含めて、密閉弁35の長時間の開作動を抑制して、密閉弁35の保護を図ることができるとともに、密閉弁35での電力消費を更に抑制することができる。
また、タンクパージ実行中に、給油すべく給油リッドスイッチ61が操作された場合には、電子コントロールユニット50は、まず密閉弁35を閉弁してからバイパス弁37を開弁し、その後密閉弁35を開弁する。タンクパージ実行中では密閉弁35が開弁しており、給油時においても密閉弁35が開弁させるので、このようにタンクパージ実行中に給油リッドスイッチ61が操作された場合には、密閉弁35を開弁状態のままバイパス弁37を開弁させることが考えられる。しかし、このように密閉弁35を開弁状態のままでバイパス弁37を開弁させると、急激に燃料タンク21から燃料蒸発ガスをバイパス弁37側に排出して、レベリングバルブ27が閉弁してしまう可能性があり、以降の燃料タンク21からの燃料蒸発ガスの排出が不能になってしまう虞がある。
例えば、上記実施形態では、燃料蒸発ガス排出抑止装置1がハイブリッド車あるいはプラグインハイブリッド車に採用されているが、これら以外でエンジンを搭載した車両に採用したものでもよい。
11 吸気通路
21 燃料タンク
25 圧力センサ(タンク圧検出部)
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
35 密閉弁
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
50 電子コントロールユニット
52 タンクパージ制御部
53 タンクパージ規制部
Claims (5)
- 車両の内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記燃料タンクと前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉する常閉弁である密閉弁と、
前記内燃機関の吸気通路と前記キャニスタ開閉弁との間の前記連通路を開閉するパージ弁と、
前記燃料タンクの内圧を検出するタンク圧検出部と、
前記燃料タンクの内圧が第1の所定圧を超えた際に、前記キャニスタ開閉弁を閉弁するとともに前記密閉弁及び前記パージ弁を開弁させ、運転状態にある前記内燃機関の前記吸気通路に前記連通路を介して前記燃料タンク内の燃料蒸発ガスを導入して、当該燃料蒸発ガスを処理するタンクパージを行なうタンクパージ制御部と、
前記キャニスタ開閉弁の閉弁から所定時間内に、前記検出された内圧が前記第1の所定圧よりも低い第2の所定圧を下回らない場合に、前記密閉弁を閉弁させて前記タンクパージを中止するタンクパージ規制部と、を備えたことを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンクの内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記キャニスタ開閉弁の閉弁後に前記密閉弁を開弁させることを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
- 前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンクの内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記キャニスタ開閉弁の閉弁後、前記内燃機関が前記燃料蒸発ガスを処理可能な運転状態になってから前記密閉弁を開弁させることを特徴とする請求項2に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
- 前記タンクパージ制御部は、前記タンクパージの実行中に前記燃料タンクに燃料を補給すべく前記キャニスタ開閉弁の開指令を受けた場合には、前記密閉弁の閉弁、前記キャニスタ開閉弁の開弁、前記密閉弁の開弁の順番に作動させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
- 前記タンクパージ制御部は、前記燃料タンクの内圧が前記第1の所定圧を超えた際に、前記内燃機関が運転停止している場合には、前記内燃機関を始動させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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