JP6660001B2 - 燃料蒸発ガス排出抑止装置 - Google Patents
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Description
しかし、このようにエンジン始動時に行うようにすると、例えばハイブリッド車のようにエンジンを作動しないで走行するEVモードが可能な車両では、EV走行のみ行なっている場合にキャニスタパージが行なわれず、キャニスタの吸着容量を超えて吸着が不能となり、給油時に燃料タンクから燃料蒸発ガスが給油口から漏れてしまう虞がある。また、エンジン始動時にキャニスタに燃料蒸発ガスが多く吸着していない場合もあり、このような場合では無駄なキャニスタパージを実行することになってしまう。
また、好ましくは、前記キャニスタから前記吸気通路に導入される燃料蒸発ガスの濃度を算出するパージ濃度算出部を備え、前記キャニスタパージ制御部は、前記パージ濃度算出部により算出した前記燃料蒸発ガスの濃度に基づいて、前記キャニスタパージの実行完了時期を設定するとよい。
前記タンクパージ制御部は、更に、前記キャニスタパージ制御部による前記キャニスタパージの禁止期間中には、前記内燃機関の運転中において、前記燃料タンクの圧力が前記第1の所定値より低い第2の所定値未満となるまで前記タンクパージを実行するとよい。
そして、キャニスタパージの完了から次の燃料タンクへの給油までキャニスタパージが禁止されるので、給油の際にキャニスタに燃料蒸発ガスが吸着される燃料蒸発ガス排出抑止装置において、無駄なキャニスタパージを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料蒸発ガス排出抑止装置1の概略構成図である。
本実施形態の燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、図示しない走行用モータ及びエンジン10(内燃機関)を備えこれらの駆動源のいずれか一方或いは双方を用いて走行するハイブリッド車やプラグインハイブリッド車に用いられている。
図1に示すように、燃料蒸発ガス排出抑止装置1は、車両に搭載されるエンジン10と、燃料を貯留する燃料貯留部20と、燃料貯留部20で蒸発した燃料の蒸発ガスを処理する燃料蒸発ガス処理部30と、車両の総合的な制御を行うための制御装置である電子コントロールユニット50と、後述する給油リッド23(給油蓋)の開作動を操作するモーメンタリ動作式の給油リッドスイッチ61と、車両状態等を表示するディスプレイ63とを備えている。
燃料貯留部20は、燃料タンク21と、燃料タンク21への燃料注入口である燃料給油口22と、車両の車体に設けられる燃料給油口22の蓋である給油リッド23と、給油リッド23を閉状態でロックするリッドロック機構65と、燃料を燃料タンク21から燃料配管13を介して燃料噴射弁12に供給する燃料ポンプ24と、燃料タンク21の内圧である燃料タンク内圧Ptを検出する圧力センサ25(タンク圧検出部)と、燃料タンク21から燃料蒸発ガス処理部30への燃料の流出を防止する燃料カットオフバルブ26と、給油時に燃料タンク21内の液面を制御するレベリングバルブ27とで構成されている。また、燃料タンク21内で発生した燃料蒸発ガスは、燃料カットオフバルブ26よりレベリングバルブ27を経由して、燃料蒸発ガス処理部30に排出される。
パージ配管31は、一端がエンジン10の吸気通路11に接続され、他端がバイパス弁37に接続されている。ベーパ配管32は、一端が燃料タンク21のレベリングバルブ27に接続され、他端がバイパス弁37に接続されている。
エバポレーティブリークチェックモジュール34は、内部に負圧ポンプ、切替弁、圧力センサを有しており、燃料蒸発ガス排出抑止装置1の洩れやバルブ等の故障判定に用いられる。
電子コントロールユニット50は、車両の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)及びタイマ等を含んで構成されており、給油制御部51、タンクパージ制御部52、キャニスタパージ制御部53、パージ濃度算出部55を備えている。
一方、電子コントロールユニット50の出力側には、上記燃料噴射弁12、燃料ポンプ24、エバポレーティブリークチェックモジュール34の負圧ポンプ及び切替弁、密閉弁35、パージバルブ36、バイパス弁37、ディスプレイ63、リッドロック機構65に備えられたドアモータ86等が接続されている。
タンクパージは、電子コントロールユニット50のタンクパージ制御部52によって行なわれ、バイパス弁37を閉弁し、エンジン10の運転中に密閉弁35及びパージバルブ36を開弁させることで、燃料タンク21内の燃料蒸発ガスを吸気通路11へ導入して処理する。
次に、図2、図3を用いて、電子コントロールユニット50において実行するキャニスタパージ及びタンクパージの制御について説明する。図2は、キャニスタパージ実施可否判定制御要領を示すフローチャートである。図3は、パージ制御要領を示すフローチャートである。
図2に示すように、始めにステップS10では、前回の本ステップによる給油の有無の判定から給油があったか否かを判別する。給油があったか否かについては、例えば給油リッドスイッチ61の操作や、燃料タンク21に備えられたレベリングセンサの検出値(燃料タンク21内の燃料の貯留量)の変化等に基づいて判定すればよい。給油があった場合には、ステップS20に進む。給油がない場合には、ステップS30に進む。
ステップS30では、次式(1)に示すように、メモリに記憶されている前回までの給油後キャニスタパージ積算量ΣQp(n-1)に、今回増加したキャニスタパージ量Qp(r)を加算して、その加算値を現状の給油後キャニスタパージ積算量ΣQp(n)としてメモリに記憶する。
なお、キャニスタパージ量Qp(r)は、キャニスタパージによりキャニスタ33から吸気通路11に導入された燃料蒸発ガスを含むパージガスの流量であり、例えばパージバルブ36の開度に基づく値である。そして、ステップS40に進む。
ステップS40では、給油後キャニスタパージ実施条件が成立したか否かを判別する。給油後キャニスタパージ実施条件は、例えば、次式(2)のように、現状の給油後キャニスタパージ積算量ΣQp(n)が所定値Qpa未満とすればよい。この所定値Qpaは、例えば0に近い正値に設定すればよい。
なお、本ステップで式(2)の判定の代わりに、次式(3)に示すように、キャニスタパージ濃度Pcが所定値Pca以下であることを給油後キャニスタパージ実施条件としてもよい。
Pc≦Pca・・・(3)
キャニスタパージ濃度Pcは、キャニスタパージ時にキャニスタ33から吸気通路11に導入されるパージガスにおける燃料蒸発ガスの濃度である。キャニスタパージ濃度Pcは、例えば特開平11-72049号公報に記載されているように、空燃比のフィードバック制御を行うエンジンにおいて、フィードバック制御において用いられるフィードバック補正係数、パージ流量(キャニスタパージ量Qp(r))、吸入空気量等に基づいて演算すればよい。このキャニスタパージ濃度Pcの演算は、電子コントロールユニット50に設けられたパージ濃度算出部55において行なわれる。なお、所定値Pcaは、1.0(等量比で無限大)に設定すればよい。
あるいは、給油後キャニスタパージ積算量ΣQp(n)の代わりにキャニスタパージの実行時間に基づいて判定してもよい。
給油後キャニスタパージ実施条件が成立した場合には、ステップS50に進む。給油後キャニスタパージ実施条件が成立しない場合には、ステップS60に進む。
ステップS60では、給油後キャニスタパージ完了フラグをセットし、キャニスタパージを実施不可とする。そして、本ルーチンを終了する。
図3に示すように、始めにステップS100では、給油後キャニスタパージ完了フラグがクリアしているか否かを判別する。給油後キャニスタパージ完了フラグがクリアしている場合には、ステップS110に進む。給油後キャニスタパージ完了フラグがクリアしていない場合には、ステップS140に進む
ステップS110では、エンジン運転要求をし、エンジン10停止時にはエンジン10を始動させて強制運転させる。そして、ステップS120に進む。
ステップS160では、タンクパージ制御を実施する。タンクパージ制御は、パージ濃度算出部55においてキャニスタパージ濃度と同様に算出したタンクパージ濃度(パージ濃度)の算出、エンジン10の運転状態に適した目標タンクパージ率の算出、パージバルブ36の制御用の目標タンクパージDUTYを算出して、上記のように、パージバルブ36及び密閉弁35を開弁、バイパス弁37を閉弁した上で、パージバルブ36の開度を制御して、吸気通路11への燃料蒸発ガスの導入量を調整して、タンクパージを実行させる。そして、本ルーチンを終了する。
以上のように、本実施形態では、燃料タンク21への給油完了後に、例えば給油後キャニスタパージ積算量ΣQp(n)がQpa未満となり、給油後キャニスタパージ実施条件が成立してキャニスタパージが開始される。そして、給油後キャニスタパージ積算量ΣQp(n)が所定値Qpa以上となって、給油後キャニスタパージ実施条件の成立が解除されるまでキャニスタパージが実行される。
本実施形態では、燃料タンク21へ給油する際にバイパス弁37を開弁してキャニスタ33に燃料タンク21内の燃料蒸発ガスを吸着させ、通常はバイパス弁37は閉弁しているので、給油の際のみキャニスタ33に燃料蒸発ガスが吸着する。そこで、本実施形態では、燃料タンク21へ給油後にキャニスタパージを実行し、次の燃料タンク21への給油までキャニスタパージを禁止するので、給油によってキャニスタ33に吸着される燃料蒸発ガスをその都度、吸気通路11に導入して処理し、キャニスタ33の性能を維持させるとともに、無駄なキャニスタパージを抑制することができる。
また、ステップS40において、式(2)のように、キャニスタパージ濃度Pcが所定値Pcaは、1.0未満となるまでキャニスタパージを実行させることで、キャニスタに吸着された燃料が無くなったことを正確に推定することができ、キャニスタパージをより適切に過不足なく実行させることができる。
また、給油後キャニスタパージ完了フラグがクリアしている、即ちキャニスタパージが完了していない場合には、エンジン10を強制運転して、キャニスタパージを実行する。但し、燃料タンク内圧Ptが所定圧P1以上である場合には、給油後キャニスタパージ完了フラグに拘わらず、エンジン10を強制運転の上、タンクパージを実行する。これにより、燃料タンク内圧Ptを確実に所定圧P1以下にすることができ、燃料タンク21の破裂を防止することができる。
以上で発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の形態は上記実施形態に限定されるものではない。
11 吸気通路
21 燃料タンク
25 圧力センサ(タンク圧検出部)
31 パージ配管(連通路)
32 ベーパ配管(連通路)
33 キャニスタ
35 密閉弁
37 バイパス弁(キャニスタ開閉弁)
50 電子コントロールユニット
51 給油制御部
52 タンクパージ制御部
53 キャニスタパージ制御部
55 パージ濃度算出部
Claims (4)
- 車両の内燃機関の吸気通路と燃料タンクとを連通する連通路と、
前記連通路に接続され前記連通路内の燃料蒸発ガスを吸着するキャニスタと、
前記燃料タンクと前記キャニスタとの間の前記連通路を開閉する密閉弁と、
前記燃料タンクへの給油の際に、前記燃料タンクの給油蓋を開弁する前に前記密閉弁を開弁して、前記燃料タンク内の燃料蒸発ガスを前記キャニスタに吸着させる給油制御部と、
前記内燃機関の運転中に、前記キャニスタに吸着された燃料蒸発ガスを前記吸気通路に導入して、当該燃料蒸発ガスを処理するキャニスタパージを実行するキャニスタパージ制御部と、を備え、
前記キャニスタパージ制御部は、前記燃料タンクへの給油完了後に、前記内燃機関を強制的に始動して前記キャニスタパージを実行し、当該キャニスタパージの完了から次の前記燃料タンクへの給油までエンジンの前記キャニスタパージを禁止することを特徴とする燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記キャニスタパージ制御部は、前記キャニスタパージの実行中における前記キャニスタから前記吸気通路への前記燃料蒸発ガスの導入量に基づいて、前記キャニスタパージの実行完了時期を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
- 前記キャニスタから前記吸気通路に導入される燃料蒸発ガスの濃度を算出するパージ濃度算出部を備え、
前記キャニスタパージ制御部は、前記パージ濃度算出部により算出した前記燃料蒸発ガスの濃度に基づいて、前記キャニスタパージの実行完了時期を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。 - 前記連通路と前記キャニスタとの連通を開閉するキャニスタ開閉弁と、
前記燃料タンクの内圧を検出するタンク圧検出部と、
前記燃料タンクの内圧が第1の所定値以上である際に、前記キャニスタ開閉弁を閉弁するとともに前記密閉弁を開弁し、運転状態にある前記内燃機関の前記吸気通路に前記連通路を介して前記燃料タンク内の燃料蒸発ガスを導入して、当該燃料蒸発ガスを処理するタンクパージを行なうタンクパージ制御部を更に備え、
前記タンクパージ制御部は、更に、前記キャニスタパージ制御部による前記キャニスタパージの禁止期間中には、前記内燃機関の運転中において、前記燃料タンクの圧力が前記第1の所定値より低い第2の所定値未満となるまで前記タンクパージを実行することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の燃料蒸発ガス排出抑止装置。
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