以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る撮像システムの構成を示したブロック図である。本実施形態の撮像システムは、撮像装置であるカメラ本体100、カメラ本体100に着脱可能なレンズユニット200、カメラ本体100に着脱可能な照明装置300を有している。
まず、カメラ本体100内の構成について説明する。カメラマイコン(CCPU)101は、カメラ本体100の各部を制御する。カメラマイコン101は、例えば、CPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマ回路、EEPROM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
撮像素子102は、赤外カットフィルタやローパスフィルタ等を含むCCDやCMOS等の撮像素子であり、入射光量に応じた信号を出力する。シャッター103は、非撮影時には撮像素子102を遮光し、撮影時には撮像素子102へ光束を導くように駆動する。
主ミラー(ハーフミラー)104は、非撮影時に後述するレンズ群202より入射する光の一部を反射しピント板105に結像させる。ピント板105上の像は、ペンタプリズム114を介して光学ファインダー116等に導かれ被写体の状態を確認するために用いられる。
測光回路106は、撮影画面内で複数の測光領域に分割されたそれぞれの測光領域において被写体の測光を行うための測光センサ(AEセンサ)を有している。焦点検出回路107は、撮影画面内に複数の測距点を備えた焦点検出センサ(AFセンサ)を有している。
ゲイン切換え回路108は、撮像素子102からの信号の増幅ゲインを切換えるものであって、撮影条件や後述する充電電圧条件によるレベル設定、撮影者の入力等によりカメラマイコン101がゲインの設定を行う。
A/Dコンバータ109は、増幅された撮像素子102からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。タイミングジェネレータ(TG)110は、撮像素子102からの信号とA/Dコンバータ109の変換タイミングを同期させるために用いられる。信号処理回路111は、A/Dコンバータ109でデジタル信号に変換された画像データに対して画像処理を行う。
信号ラインSCは、カメラ本体100とレンズユニット200及び照明装置300とのインタフェース用信号ラインである。例えば、カメラマイコン101をホストとしてデータの交換やコマンドの伝達を相互に行う。
入力部112は、電源スイッチ、撮影モード変更スイッチ、撮影動作を開始させるためのレリーズスイッチなどの各種操作部が含まれる。液晶装置や発光素子などからなる表示部113は、各種設定や撮影情報などを表示する。
ペンタプリズム114は、レンズ群202より入射し主ミラー104によって反射された光束を測光回路106のAEセンサ及び光学ファインダー116に導く。サブミラー115は、レンズ群202より入射し主ミラー104の中央の半透明部を透過した光束を焦点検出回路107のAFセンサへ導く。
次に、レンズユニット200内の構成と動作について説明する。レンズマイコン(LPU)201は、レンズユニット200の各部の動作を制御する。レンズマイコン201は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマ回路、EEPROM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
レンズ群202は、複数枚のレンズで構成されていて、レンズ駆動部203は、レンズマイコン201からの焦点調節、焦点距離の変更などの指示に応じてレンズ群202を移動させる。
エンコーダ204は、レンズ群202の位置あるいはレンズ群202の駆動量を検出する。エンコーダ204の検出結果を示す位置情報あるいは駆動情報をレンズマイコン201からカメラマイコン101に送信することにより、カメラマイコン101は、撮影時の被写体距離に関する情報を取得できる。絞り205は、開口径を変更して撮像素子102に入射する光量を調節するものであって、絞り制御回路206を介してレンズマイコン201により制御される。
次に、照明装置300の構成について説明する。電池301は、照明装置300の各部に電力(VBAT)を供給するためのものであり、昇圧回路302は、電池301の電圧を数百Vに昇圧し図示しないメインコンデンサの充電を行う。
トリガー回路306は、放電管307の発光時にストロボマイコン310よりトリガー信号を受けるとトリガー電圧を出力する。放電管307は、トリガー回路306から印加される数KVのトリガー電圧を受け励起することでメインコンデンサに充電されたエネルギーを用いて発光する。
発光制御回路308は、トリガー回路306からのトリガー電圧により放電管307の発光の開始を制御し、後述のANDゲート311の出力により発光の停止を制御する。積分回路309は、フォトダイオード313が放電管307の照射光を受光して生じる電流値を積分する積分回路であり、積分回路309の出力は、コンパレータ312の反転入力端子とストロボマイコン310に入力される。
ストロボマイコン(FPU)310は、照明装置300の各部の動作を制御する。ストロボマイコン310は、例えばCPU、ROM、RAM、入出力制御回路(I/Oコントロール回路)、マルチプレクサ、タイマ回路、EEPROM、A/Dコンバータ、D/Aコンバータ等を含むマイコン内蔵ワンチップIC回路構成となっている。
ANDゲート311は、コンパレータ312に接続されていない入力がストロボマイコン310に接続され、出力が発光制御回路308に接続されている。コンパレータ312は、反転入力端子が積分回路309の出力に接続され、非反転入力がストロボマイコン310に接続され、出力がANDゲート311に接続されている。このようにして、積分回路309の積分レベルとストロボマイコン310により設定された基準レベルとを比較して、積分回路309の積分レベルが基準レベルに達すると発光の停止を制御する。
フォトダイオード313は、前述したように放電管307の照射光を受光するセンサであり、直接またはグラスファイバーなどを介して放電管307の照射光を受光する。フォトダイオード313が出力する電流値は前述したように積分回路309にて積分される。
モータードライバー回路およびモーター等からなるズーム駆動部314は、後述する光学系317と放電管307との距離を変化させるために光学系317を移動させる。エンコーダ315は光学系317の位置あるいは光学系317の駆動量を検出する。
反射傘316は、放電管307から照射された光を発光部350の照射方向へと反射する。光学系317は、透明なパネル等からなり放電管307から照射された光のムラを軽減するとともに放電管307から照射された光の照射範囲を広げて放電管307からの光を射出する。また、光学系317と放電管307との距離を変更することで、照射範囲の拡大や縮小を行うことができる。
入力部320は、電源スイッチ、照明装置300の設定などを入力するため設定ボタンなどの各種操作部を含んでいる。また、入力部320は、バウンス撮影に最適な発光部350の位置あるいは回動量を自動的に決定するための制御(以下、自動バウンス制御とする)を行うことを指示する入力を受け付けるための自動バウンス制御ボタンも含んでいる。自動バウンス制御の詳細については後述する。表示部321は、照明装置300の各種状態などを表示する。
本体部340は、カメラ本体100に取り付けるための取り付け部370を有し、外観には入力部320及び表示部321が設けられている。発光部350は、本体部340に対して第1の軸を中心に回動可能かつ第2の軸を中心に回動可能なように本体部340と連結されていて、発光部350を本体部340に対して回動させることで照明装置300の照射光の照射方向を変更可能である。
モータードライバー回路およびモーター等からなるバウンス駆動部351は、発光部350を本体部340に対して第1の軸及び第2の軸を中心にして回動させるものであって、ストロボマイコン310からの駆動信号を受けて発光部350を回動させる。
エンコーダ352は、発光部350の位置あるいは発光部350の回動量を検出する。エンコーダ352の出力信号を取得することで、ストロボマイコン310は、本体部340に対する発光部350の回動状態を判断する。
3軸の加速度センサなどからなる姿勢検知センサ360は、重力方向に対する本体部340の姿勢を検知することができる。
本実施形態では、本体部340の取り付け部370が位置する側を下側とした場合に、左右方向に設けられる軸を第1の軸、上下方向に設けられる軸を第2の軸とする。すなわち、本体部340に対して第1の軸を中心に発光部350を回動させると、発光部350は上下方向(第1の方向)に回動することになり、第2の軸を中心に発光部350を回動させると、発光部350は左右方向(第2の方向)に回動することになる。また、本実施形態では、本体部340の表示部321が位置する側を背面側とした場合に、光学系317の射出面が本体部340の正面側を向き、光学系317の射出面が取り付け部370の取り付け面の垂直方向となる位置を発光部350の基準位置とする。そして、発光部350を、基準位置から上方向に90度まで回動可能とし、基準位置から左方向及び右方向にそれぞれ90度まで回動可能とする。
図2は、発光部350の回動量とエンコーダ352の出力信号との関係を示した図であり、図2(a)は、発光部350の上下方向の回動量について示した図、図2(b)は、発光部350の上下方向の回動量について示した図である。
発光部350は基準位置から上方向に90度まで回動可能であって、図2(a)に示すように、エンコーダ352は、上下用エンコーダによって15度単位で発光部350の上下方向の回動角度を検出することができる。また、発光部350は、基準位置から左方向及び右方向にそれぞれ90度まで回動可能であって、図2(b)に示すように、エンコーダ352は、左右用エンコーダによって15度単位で発光部350の左右方向の回動角度を検出することができる。なお、図2(b)において、正の角度は右方向への回動角度を示し、負の角度は左方向への回動角度を示しているものとする。
以上のように、エンコーダ352は発光部350の上下方向の回動量及び左右方向の回動量を検出し、上下方向の回動量及び左右方向の回動量の組み合わせに応じて異なる信号を出力する。例えば、発光部350を上方向に45度、右方向に90度回動させた場合、エンコーダ352の出力信号(bit7,bit6,bit5,bit4,bit3,bit2,bit1)=(0,1,0,1,0,1,0)となる。ストロボマイコン310は、このような出力信号を取得することで本体部340に対する発光部350の回動状態を判断する。
図3は、発光部350を回動させた状態を示す図であり、図3(a)は、発光部350を第1の軸を中心に回動させた状態を示す図、図3(b)は、発光部350を第2の軸を中心に回動させた状態を示す図である。
発光部350は、図3(a)に示すように、基準位置から上方向に回動可能であり、図3(b)に示すように、基準位置から左方向及び右方向に回動可能である。なお、本実施形態では、本体部340の上側から見て第2の軸を中心に左回りする方向への回動を左方向への回動、本体部340の上側から見て第2の軸を中心に右回りする方向への回動を右方向への回動とする。
次に、カメラマイコン101の具体的な処理について、図4、図5のフローチャートを用いて説明する。図4は、入力部112のレリーズスイッチが全押し状態であると判断されるまでのカメラマイコン101の処理を示し、図5は、入力部112のレリーズスイッチが全押し状態であると判断された後のカメラマイコン101の処理を示している。
入力部112の電源スイッチがオンされてカメラマイコン101が動作可能となると、カメラマイコン101は、図4のステップS1より所定の処理を開始する。
まず、ステップS1では、カメラマイコン101は、自身のメモリやポートの初期化を行う。また、入力部112の各種操作部の状態や予め設定された入力情報を読み込み、焦点調節モード、シャッター速度の決め方、絞りの決め方など様々な設定を行う。
ステップS2では、カメラマイコン101は、入力部112のレリーズスイッチが半押し状態であるか否か(SW1がONか否か)を判断し、OFFのときはこのステップを繰り返し、ONのときはステップS3に進む。
ステップS3では、カメラマイコン101は、レンズユニット200内のレンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行う。そして、レンズユニット200の焦点距離に関する情報(以下、レンズの焦点距離情報)や焦点調節、測光に必要な光学情報などを含むレンズ情報を取得する。
ステップS4では、カメラマイコン101は、カメラ本体100に照明装置300が装着されているかどうかを判断する。カメラ本体100に照明装置300が装着されていればステップS5へ進み、未装着ならばステップS7へ進む。
ステップS5では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、ステップS3にて取得したレンズの焦点距離情報をストロボマイコン310に送信する。
これにより、ストロボマイコン310は、受信したレンズの焦点距離情報に基づいてズーム駆動部314を駆動させて照射光の照射範囲を制御する。
ステップS6では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行う。そして、ストロボマイコン310のメモリ内に格納されている本体部340に対する発光部350の位置あるいは発光部350の回動量を示す情報(以下、バウンス情報とする)を出力するようにストロボマイコン310に指示を出す。ストロボマイコン310は、カメラマイコン101からの指示に従ってバウンス情報を出力する。このバウンス情報により、カメラマイコン101は、照明装置300の回動状態(本体部340に対する発光部350の回動状態)を判断することができる。そして、カメラマイコン101は、照明装置300の回動状態を示す情報を表示部113に表示させる。
次に、ステップS7で、カメラマイコン101は、ステップS1にて設定された焦点調節モードが自動焦点調節を行うモード(AFモード)であるか、そうでないモード(MFモード)であるかを判断する。
ステップS7でAFモードであればステップS8に進み、MFモードであれば、ステップS9へ進む。ステップS8では、焦点検出回路107を駆動することにより周知の位相差検出法を用いた自動焦点調節を行う。自動焦点調節では、カメラマイコン101は、焦点検出回路107の出力に基づきレンズ群202の駆動量を演算する。そして、カメラマイコン101は、レンズマイコン201と通信ラインSCを介して通信を行い、演算した駆動量に関する情報をレンズマイコン201へ送信する。レンズマイコン201は、受信した情報に基づいてレンズ駆動部203を制御してレンズ群202を合焦位置に駆動させ、ステップS9へ進む。
ステップS9では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて被写体の測光を行う。ここでは、撮影画面上の分割された6つのエリアそれぞれから輝度値を取得するものとする。取得した6つのエリアの輝度値は、
EVb(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
ステップS10では、カメラマイコン101は、入力部112より入力された情報に基づいてゲイン切換え回路108のゲイン設定を行う。
ステップS11では、カメラマイコン101は、ステップS9で取得した複数のエリアの輝度値EVbから、周知のアルゴリズムにより露出値EVsを決定する。
ステップS12では、カメラマイコン101は、ステップS9の測光結果、入力部112による撮影モードの設定などに基づいて、照明装置300を発光させた撮影(以下、発光撮影とする)を行うか否かを判断する。そして、発光撮影を行う場合にはステップS13へ進み、照明装置300を発光させない撮影(以下、非発光撮影とする)を行う場合にはステップS16へ進む。
ステップS13では、カメラマイコン101は、発光撮影に適したシャッター速度Tvと絞り値AvとをステップS11で決定した露出値EVsに基づいて決定する。なお、シャッター速度Tv及び絞り値Avは、入力部112より入力された情報に基づいて決定してもよい。ステップS13の処理が実行されると、ステップS14へ進む。
ステップS14では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310と通信ラインSCを介して通信を行い、プリ発光量に関する情報や発光モードに関する情報などを含むストロボデータをストロボマイコン310に送信する。
続いて、ステップS15で、カメラマイコン101は、入力部112のレリーズスイッチが全押し状態であるか否か(SW2がONか否か)を判断し、OFFのときはステップS2に戻りステップ2以降の処理を再び行う。ONのときは図5に示す発光撮影処理へ進む。
ステップS12にて発光撮影を行わないと判断された場合はステップS16へ進み、ステップS16では、カメラマイコン101は、非発光撮影に適したシャッター速度Tvと絞り値AvとをステップS11で決定した露出値EVsに基づいて決定する。なお、シャッター速度Tv及び絞り値Avは、入力部112より入力された情報に基づいて決定してもよい。ステップS16の処理が実行されると、ステップS17へ進む。
続いて、ステップS17で、カメラマイコン101は、入力部112のレリーズスイッチが全押し状態であるか否か(SW2がONか否か)を判断し、OFFのときはステップS2に戻りステップ2以降の処理を再び行う。ONのときは非発光撮影処理へ進む。なお、非発光撮影処理は、本発明に直接関係するものではなく周知の撮影処理でよいため詳細な説明は省略する。
発光撮影処理に移行すると、ステップS101では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて測光を行い、照明装置300を発光させていないときの被写体の輝度値(以下、非発光時輝度値とする)を取得する。
ここで、6つに分割された各エリアの非発光時輝度値は、
EVa(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内の図示しないRAMに記憶させる。
ステップS102では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号SCを介してプリ発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をプリ発光させる。そして、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて測光を行い、照明装置300をプリ発光させたときの被写体の輝度値(以下、プリ発光時輝度値とする)を取得する。
ここで、6つに分割された各エリアのプリ発光時輝度値は、
EVf(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
ステップS103で、カメラマイコン101は、発光撮影に先立って主ミラー104をアップさせ、撮影光路内から退去させる。
ステップS104で、カメラマイコン101は、ステップS18で取得したプリ発光時輝度値EVfとステップS17で取得したプリ発光直前の非発光時輝度値EVaとに基づいて、プリ発光の反射光成分に相当する反射成分輝度値EVdf(i)を演算する。
ここで、6つに分割された各エリアの反射成分輝度値は、式1から求められる。
EVdf(i)←LN2(2^EVf(i)−2^EVa(i)) (i=0〜5) ・・・式1
ステップS105で、カメラマイコン101は、発光撮影時の発光量(以下、本発光量とする)を演算する。まず、カメラマイコン101は、分割された6つのエリアのうち、どのエリアに存在する被写体に対して適正な本発光量を演算するかを決定する。なお、エリアの選択では、入力部112への操作により設定されたエリア、AFにより合焦状態となった被写体が存在するエリアなどを選択すればよい。そして、決定されたエリアに存在する被写体に対して適正な本発光量を演算する。このとき、決定されたエリアをエリアP、エリアPにおける輝度値をEVb(p)、エリアPにおける反射成分輝度位置EVdf(p)として、本発光量に関する情報である、プリ発光量に対して適正となる本発光量の相対比rを演算する。相対比rは、露出値EVsと輝度値EVbと輝度値EVdfとに基づいて、式2から求められる。
r←LN2(2^EVs−2^EVb(p))−EVdf(p) ・・・式2
ステップS106で、カメラマイコン101は、信号ラインSCを介してストロボマイコン310へ本発光量に関する情報である相対値rを送信する。
ステップS107では、カメラマイコン101は、ステップS13で決定した絞り値Avに基づいてレンズマイコン201に指示を出すとともに、ステップS13で決定したシャッター速度Tvに基づいてシャッター103を制御する。
ステップS108では、シャッター103が駆動することにより撮像素子102の撮像面全体が露光されるタイミングに同期させて、カメラマイコン101は信号ラインSCを介してストロボマイコン310に本発光を指示する発光信号を送信する。そして、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101から送られてきた発光信号に従って本発光制御を行う。このようにして発光撮影が行われる。
シャッター103が駆動することで撮像素子102が遮光されると、ステップS109で、カメラマイコン101は、撮影光路より退去させていた主ミラー104をダウンして再び撮影光路内に斜設させる。
ステップS110で、カメラマイコン101は、撮像素子102からの信号をゲイン切換え回路108で設定されたゲインで増幅させ、増幅された信号をA/Dコンバータ109でデジタル信号に変換させる。その後、カメラマイコン101は、変換されたデジタル信号をホワイトバランスなどの画像処理を信号処理回路111に実行させる。
最後に、ステップS111で、カメラマイコン101は、画像処理されたデジタル信号を図示しない記録媒体に記録させて、一連の処理を終了する。
続いて、ストロボマイコン310の発光前の具体的な処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。入力部320の電源スイッチがオンされてストロボマイコン310が動作可能となると、ストロボマイコン310は、ステップS101より所定の処理を開始する。
まず、ステップS201では、ストロボマイコン310は、自身のメモリやポートの初期化を行う。また、入力部320の各種操作部の状態や予め設定された入力情報を読み込み、発光モードや発光量などの設定を行う。
ステップS202では、ストロボマイコン310は、昇圧回路302の動作を開始させて発光の準備を行う。
ステップS203では、ストロボマイコン310は、カメラマイコン101から通信ラインSCを介して取得されるレンズの焦点距離情報を自身のメモリ内に記憶(格納)する。また、これ以前にレンズの焦点距離情報を自身のメモリ内に記憶していたならば、記憶内容を更新する。
ステップS204では、ストロボマイコン310は、自身のメモリ内に記憶されたレンズの焦点距離情報及び設定された発光モードや発光量などに関する情報を表示部321に表示させる。
ステップS205では、ストロボマイコン310は、放電管307から照射された光の照射範囲がレンズユニット200の焦点距離に対応した範囲となるようにズーム駆動部314内のモーターを動作させ光学系317を移動させる。
ステップS206では、ストロボマイコン310は、エンコーダ352を用いて発光部350の位置あるいは発光部350の回動量を検出する。
ステップS207では、ストロボマイコン310は、メインコンデンサの充電電圧が放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達したか否かを判断し、放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していると判断した場合にはステップS108へ進む。
ステップS208では、ストロボマイコン310は、充電完了信号を出力して発光部350の発光準備ができたことを通信ラインSCを介してカメラマイコン101に送信する。そして、ストロボマイコン310は、昇圧回路の動作を停止させる。その後、ステップS203に戻り、ステップS203からの処理を再び行う。
一方、放電管307の発光に必要な電圧レベルにまで達していないと判断した場合には、ステップS209へ進む。ステップS209では、ストロボマイコン310は、充電未完信号を出力して発光部350の発光準備ができていないことを通信ラインSCを介してカメラマイコン101に送信する。その後、ステップS203に戻り、メインコンデンサの充電を継続させてステップS203からの処理を再び行う。
続いて、自動バウンス制御におけるカメラマイコン101及びストロボマイコン310の処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。図7のフローチャートは、入力部320の自動バウンス制御ボタンが操作されることで開始される。自動バウンス制御ボタンが操作されると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101に自動バウンス制御ボタンが操作されたことを示す情報を送信する。カメラマイコン101は、自動バウンス制御ボタンが操作されたことを示す情報を受信すると、自動バウンス制御に係わる各種処理を開始させる。
ステップS300では、ストロボマイコン310は、姿勢検知センサ360を用いて重力方向に対する照明装置300の姿勢を判断する。以下では、本体部340の姿勢が照明装置300の姿勢に相当するものとして説明する。そして、本体部340の下側が重力方向を向いている姿勢を正位置、本体部340の背面側から見て右側が重力方向を向いている姿勢を縦位置(左上)、本体部340の背面側から見て左側が重力方向を向いている姿勢を縦位置(右上)とする。
図8は、撮像システムの姿勢に応じた自動バウンス制御を示した図である。図8(a)は、本体部340の姿勢が縦位置(左上)の姿勢である状態における自動バウンス制御を示した図、図8(b)は、本体部340の姿勢が縦位置(右上)の姿勢である状態における自動バウンス制御を示した図である。
そして、ステップS300では、ストロボマイコン310は、判断された本体部340の姿勢に関する情報を信号ラインSCを介してカメラマイコン101に送信する。
ステップS300にて、本体部340の姿勢が正位置であると判断された場合はステップS301へ進む。また、本体部340の姿勢が縦位置(左上)であると判断された場合はステップS311へ進み、本体部340の姿勢が縦位置(右上)であると判断された場合はステップS321へ進む。
ステップS301では、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から上方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させる。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS302では、本体部340の姿勢に関する情報及びバウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS303では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて照射光の照射が行われたときの被写体の測光を行い、照明装置300をテスト発光させたときの被写体の輝度値(以下、テスト発光時輝度値とする)を取得する。ここで、正位置の姿勢で発光部350を上方向に回動させた状態における6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVn1(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
続いて、ステップS304へ進むと、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から左方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させるとともに、発光部350の上方向の回動角度を0度に戻す。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS305では、バウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS306では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて照射光の照射が行われたときの被写体の測光を行い、正位置の姿勢で発光部350を左方向に回動させた状態におけるテスト発光時輝度値を取得する。ここで、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVn2(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
続いて、ステップS307へ進むと、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から右方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させる。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS308では、バウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS309では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて照射光の照射が行われたときの被写体の測光を行い、正位置の姿勢で発光部350を左方向に回動させた状態におけるテスト発光時輝度値を取得する。ここで、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVn3(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
その後、ステップS331へ進み、ステップS331では、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVn1に基づいて、正位置で発光部350を上方向に回動させた状態の評価値である評価値1を演算する。評価値1の演算方法は特に限定されないが、例えば、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値を所定の重み付けで重み付け演算する方法を用いればよい。このとき、入力部112への操作により設定されたエリア、AFにより合焦状態となった被写体が存在するエリアなどの重み付けを他のエリアの重み付けよりも大きくすることが好ましい。また、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVn2に基づいて、正位置で発光部350を左方向に回動させた状態の評価値である評価値2を演算する。また、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVn3に基づいて、正位置で発光部350を右方向に回動させた状態の評価値である評価値3を演算する。評価値2及び評価値3の演算方法は、評価値1の演算方法と同様であるため説明は省略する。
そして、カメラマイコン101は、演算した評価値1、評価値2、評価値3の中で所定値以上の評価値があるか否かを判断し、所定値以上の評価値があればステップS332へ進み、所定値以上の評価値がなければステップS334へ進む。
ステップS332では、カメラマイコン101は、評価値1、評価値2、評価値3の比較を行い、最大となる評価値を決定する。
続くステップS333では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介して、最大となる評価値が得られた発光部350の位置あるいは回動量を示す情報を送信する。ストロボマイコン310は、受信した情報の示す位置あるいは回動量となるように、バウンス駆動部351を駆動させ、発光部350を回動させる。
以上のようにして、カメラマイコン101は、照射方向を変更した複数回の照射光の照射に伴い得られた複数の測光結果に基づいて、照明装置300により照射光を照射させて撮影を行う際の照射方向を決定する。そして、カメラマイコン101は、発光撮影を行う際に自動バウンス制御により決定された照射方向に向けて照射光を照射するように制御する。
ステップS331にて所定値以上の評価値がないと判断された場合、ステップS334では、カメラマイコン101は、バウンス撮影に有効な壁や天井などの反射面をどの方向にも発見できない旨を知らせる警告画像を表示部113に表示させる。なお、カメラマイコン101が、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してバウンス撮影に有効な反射面をどの方向にも発見できないことを示す情報を送信し、ストロボマイコン310がその旨を知らせる警告画像を表示部321に表示させてもよい。
バウンス撮影に有効な反射面をどの方向にも発見できない場合、ステップS435にてストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ照射方向が予め決められた方向(例えば、基準位置における照射方向)となるまで発光部350を回動させる。
ステップS300にて本体部340の姿勢が縦位置(左上)であると判断された場合、ステップS311では、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から左方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させる。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS312では、本体部340の姿勢に関する情報及びバウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS313では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて照射光の照射が行われたときの被写体の測光を行い、縦位置(左上)の姿勢で発光部350を左方向に回動させた状態におけるテスト発光時輝度値を取得する。ここで、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVl1(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
続いて、ステップS314へ進むと、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から上方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させるとともに、発光部350の左方向の回動角度を0度に戻す。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS315では、バウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS316では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて照射光の照射が行われたときの被写体の測光を行い、縦位置(左上)の姿勢で発光部350を上方向に回動させた状態におけるテスト発光時輝度値を取得する。ここで、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVl2(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
本体部340の姿勢が縦位置(左上)である場合、発光部350を右方向に回動させた状態でのテスト発光は行わず、ステップS331へ進む。これは、本体部340の姿勢が縦位置(左上)である場合に発光部350を右方向に回動させると、発光部350の射出面は重力方向を向くことになり、発光部350の射出面の前にバウンス撮影に有効な反射面が存在しない可能性が高いためである。このように、照射方向を変化しつつ複数回のテスト発光を行ってバウンス撮影に最適な照射方向を自動的に決定する際に、有効な反射面が存在しない可能性が高い方向にはテスト発光を行わないことで、発光回数を低減でき電池の消耗を軽減することができる。
ステップS331では、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVl1に基づいて、縦位置(左上)の姿勢で発光部350を左方向に回動させた状態の評価値である評価値1´を演算する。また、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVl2に基づいて、縦位置(左上)の姿勢で発光部350を上方向に回動させた状態の評価値である評価値2´を演算する。評価値1´及び評価値2´の演算方法は、評価値1の演算方法と同様であるため説明は省略する。
そして、カメラマイコン101は、演算した評価値1´、評価値2´の中で所定値以上の評価値があるか否かを判断し、所定値以上の評価値があればステップS332へ進み、所定値以上の評価値がなければステップS334へ進む。
ステップS332では、カメラマイコン101は、評価値1´と評価値2´との比較を行い、最大となる評価値を決定する。
続くステップS333では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介して、最大となる評価値が得られた発光部350の位置あるいは回動量を示す情報を送信する。ストロボマイコン310は、受信した情報の示す位置あるいは回動量となるように、バウンス駆動部351を駆動させ、発光部350を回動させる。
ステップS331にて所定値以上の評価値がないと判断された場合、ステップS334へ進むが、ステップS334以降の処理は前述した発光部350の姿勢が正位置の場合と同様のため、説明は省略する。
ステップS300にて本体部340の姿勢が縦位置(右上)であると判断された場合、ステップS321では、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から右方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させる。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS322では、本体部340の姿勢に関する情報及びバウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS323では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて測光を行い、縦位置(右上)の姿勢で発光部350を右方向に回動させた状態におけるテスト発光時輝度値を取得する。ここで、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVr1(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
続いて、ステップS324へ進むと、ストロボマイコン310は、バウンス駆動部351を駆動させ、基準位置から上方向に発光部350を所定の角度(例えば90度)まで回動させるとともに、発光部350の右方向の回動角度を0度に戻す。発光部350の回動が終了すると、ストロボマイコン310は信号ラインSCを介してカメラマイコン101にバウンス情報を送信する。
ステップS325では、バウンス情報を受信したカメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介してテスト発光を行うように指示する。ストロボマイコン310はこの指示に従って、発光制御回路308、トリガー回路306を制御して放電管307をテスト発光させる。
ステップS326では、カメラマイコン101は、測光回路106を用いて測光を行い、縦位置(左上)の姿勢で発光部350を上方向に回動させた状態におけるテスト発光時輝度値を取得する。ここで、6つに分割された各エリアのテスト発光時輝度値は、
EVr2(i) (i=0〜5)
として、カメラマイコン101内のRAMに記憶させる。
本体部340の姿勢が縦位置(右上)である場合、発光部350を左向に回動させた状態でのテスト発光は行わず、ステップS331へ進む。これは、本体部340の姿勢が縦位置(右上)である場合に発光部350を左方向に回動させると、発光部350の射出面は重力方向を向くことになり、発光部350の射出面の前にバウンス撮影に有効な反射面が存在しない可能性が高いためである。このように、照射方向を変化しつつ複数回のテスト発光を行ってバウンス撮影に最適な照射方向を自動的に決定する際に、有効な反射面が存在しない可能性が高い方向にはテスト発光を行わないことで、発光回数を低減でき電池の消耗を軽減することができる。
ステップS331では、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVr1に基づいて、縦位置(右上)の姿勢で発光部350を右方向に回動させた状態の評価値である評価値1´´を演算する。また、カメラマイコン101は、カメラマイコン101内のRAMに記憶したEVr2に基づいて、縦位置(右上)の姿勢で発光部350を上方向に回動させた状態の評価値である評価値2´´を演算する。評価値1´´及び評価値2´´の演算方法は、評価値1の演算方法と同様であるため説明は省略する。
そして、カメラマイコン101は、演算した評価値1´´、評価値2´´の中で所定値以上の評価値があるか否かを判断し、所定値以上の評価値があればステップS332へ進み、所定値以上の評価値がなければステップS334へ進む。
ステップS332では、カメラマイコン101は、評価値1´´と評価値2´´との比較を行い、最大となる評価値を決定する。
続くステップS333では、カメラマイコン101は、ストロボマイコン310に対して信号ラインSCを介して、最大となる評価値が得られた発光部350の位置あるいは回動量を示す情報を送信する。ストロボマイコン310は、受信した情報の示す位置あるいは回動量となるように、バウンス駆動部351を駆動させ、発光部350を回動させる。
ステップS331にて所定値以上の評価値がないと判断された場合、ステップS334へ進むが、ステップS334以降の処理は前述した発光部350の姿勢が正位置の場合と同様のため、説明は省略する。
以上のように、照明装置300の姿勢に応じてバウンス撮影に最適な照射方向を自動的に決定するためのテスト発光の照射方向を変更することで、発光回数を低減でき電池の消耗を軽減することができる。
また、バウンス自動制御時に重力方向とは異なる所定の方向(本実施形態では、重力方向とは逆方向)から照射光の照射を開始させることで、照明装置がどのような姿勢であっても撮影者が最初の照射方向を容易に認識できる。そのため、撮影者は周囲の状況に配慮しながら自動バウンス制御を開始させることができる。
なお、上記の実施形態では、発光部350を上方向、右方向、左方向に回動させるとき、それぞれの方向に90度回動させた状態でのみテスト発光を行う例を説明したが、各方向で複数の回動角度においてテスト発光を行うようにしてもよい。例えば、それぞれの方向で、60度、75度、90度の3つの回動角度でテスト発光を行うようにしてもよい。なお、回動角度が小さい(例えば、30度未満)場合、テスト発光が直接被写体に照射されてバウンス撮影の効果を得にくい可能性が高いため、所定角度(例えば、30度)未満の回動角度ではテスト発光しないようにすることが好ましい。
また、上記の実施形態では、発光部350を上方向、左右方向のいずれかの方向に回動させるとき、他方の方向は0度にしてテスト発光を行う例を説明したが、上方向の回動と左右方向の回動を組み合わせた状態でテスト発光を行うようにしてもよい。なお、上方向に90度回動させた状態で左右方向に回動させても、光学系317の射出面の向きは変わらないため、上方向に90度回動させた状態では左右方向の回動角度を変えて複数のテスト発光を行わないようにすることが好ましい。以上のように上方向の回動と左右方向の回動を組み合わせた状態でテスト発光を行う場合であっても、重力方向に回動させてテスト発光を行わないようにすることで、発光回数を低減でき電池の消耗を軽減することができる。
また、上記の実施形態では、本体部340の姿勢を、照明装置300自身が備えた姿勢検知センサ360で検知する例を説明した。しかしながら、本体部340の取り付け部370の位置及びカメラ本体100の被取り付け部の位置が固定であれば、照明装置300をカメラ本体100に装着した状態の本体部340の姿勢はカメラ本体100の姿勢によって決まる。そこで、カメラ本体100が備えた姿勢検知センサを用いることで、本体部340の姿勢を検知するようにしてもよい。例えば、ストロボマイコン310が本体部340の姿勢を判断し、本体部340の姿勢に関する情報を信号ラインSCを介してカメラマイコン101に送信する代わりに、カメラマイコン101が本体部340の姿勢を判断してもよい。
上記の理由から、照明装置が自身の姿勢を検知する姿勢検知センサを備えていない場合、撮像装置が備えた姿勢検知センサの検知結果を取得することで、照明装置側あるいは撮像装置側で照明装置の姿勢を判断することができる。
また、照明装置及び撮像装置がそれぞれ自身の姿勢を検知する姿勢検知センサを備えている場合、照明装置が備えた姿勢検知センサの検知結果のほうが照明装置の姿勢を正確に検知できるので、照明装置が備えた姿勢検知センサの検知結果を用いることが好ましい。
また、上記の実施形態では、カメラ本体100に装着された照明装置300にて自動バウンス制御を行う例を説明したが、カメラ本体100から離れた位置に配置された照明装置で自動バウンス制御を行ってもよい。この場合、カメラマイコン101とストロボマイコン310とが無線通信を行うことで各種制御を行えばよい。
また、上記の実施形態では、基準位置から下方向に回動できない照明装置を例にして説明したが、基準位置から下方向に回動可能な照明装置にも本発明は適用できる。
また、上記の実施形態では、照明装置に設けられた自動バウンス動制御ボタンが操作さることで自動バウンス制御を開始する例を説明したが、カメラ本体100の入力部112が操作されることで自動バウンス制御を開始するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、テスト発光時輝度値に基づいてバウンス撮影に最適な照射方向を決定しているが、プリ発光の場合と同様に、テスト発光輝度値と非発光輝度値から反射成分輝度値を求めて、反射成分輝度値に基づいて照射方向を決定してもよい。
また、上記の実施形態では、分割された各エリアのテスト発光時輝度値を重み付け演算してバウンス撮影に最適な照射方向を決定する際に用いる評価値を求める例を説明したが、分割された各エリアのテスト発光時輝度値の分布などに基づいて評価値を求めてもよい。例えば、バウンス撮影を行う場合、照明装置300の発光に伴い局所的に輝度値が大きくなることは好ましくないため、分割された各エリアのテスト発光時輝度値のばらつきが小さいほど高い評価値となるように評価値を演算してよい。
また、上記の実施形態では、自動バウンス制御における発光部350の回動をストロボマイコン310が制御する例を説明したが、発光部350の回動をカメラマイコン101が制御するようにしてもよい。このとき、カメラマイコン101からストロボマイコン310に指示を出し、カメラマイコンの指示に従ってストロボマイコン310がバウンス駆動部351を駆動させるようにすればよい。
また、上記の実施形態では、撮像装置がバウンス撮影に最適な照射方向を決定する例を説明したが、照明装置が測光センサを備えていて、当該測光センサの測光結果に基づいて照明装置がバウンス撮影に最適な照射方向を決定してもよい。
また、上記の実施形態では、照射方向を変更して複数の照射方向に向けて照射光を照射する際に重力方向への照射光の照射を制限する例として、重力方向へ照射光を照射させないようにしている。しかしながら、重力方向への照射回数が他の方向への照射回数よりも制限されていれば本発明の効果は得られるので、例えば、重力方向と逆方向への照射回数が複数回のときに重力方向への照射回数をそれよりも少ない回数にするようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、発光部350を本体部340に対して回動させることで照射光の照射方向の変更を行う例を説明したが、例えば、反射傘の向きや放電管307の向きを変更することで照射光の照射方向を変更する構成でもよい。あるいは、照射光の照射方向が異なる複数の光源を有し、複数の光源の中から照射させる光源を選択することで照射光の照射方向を変更する構成でもよい。
また、上記の実施形態では、放電管を光源とした照明装置を例として説明したが、光源の種類は放電管に限定されるものではなく、発光ダイオードなどを光源とした照明装置でもよい。
その他、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。