以下、本発明に係る無線式中継器用電源装置1及び警報システム2の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る警報システム2を示すブロック図である。この図1に基づいて、警報システム2について説明する。図1に示すように、警報システム2は、無線式感知器3と、無線式中継器4(端末機器の一例)と、受信機5と、無線式中継器用電源装置1(中継装置の一例)とを備えている。無線式感知器3は、例えば煙等を感知する火災感知器である。無線式感知器3は、受信機5に有線で直接接続されてはおらず、無線式中継器4を介して、無線で火災信号等の送受信が行われる。
無線式中継器4は、無線式感知器3との間で信号の送受信を無線で行い、無線式感知器3から受信した信号を受信機5に配線を通じて送信するものである。なお、本実施の形態1では、無線式中継器4は、無線式中継器用電源装置1を介して、信号を受信機5に送信する。
受信機5は、無線式中継器4から受信した信号に基づいて、火災警報等の報知を行うものである。なお、本実施の形態1では、受信機5は、無線式中継器用電源装置1を介して、無線式中継器4からの信号を受信する。受信機5は、例えば100Vの交流電源が入力されている。なお、受信機5は、火災等の報知用中継器としてもよい。
無線式中継器用電源装置1は、無線式中継器4に電源を供給し、無線式中継器4と受信機5との間に介在させて、無線式中継器4からの信号を受信機5に中継するものである。無線式中継器用電源装置1は、例えば100Vの交流電源(商用電源)が入力されており、そのほかに、予備電源14も接続されている。なお、無線式中継器用電源装置1は、電源機能を有さず、中継機能のみ有していてもよい。
ここで、無線式中継器用電源装置1は、更に、電源電圧監視回路(図示せず)を有している。電源電圧監視回路は、例えば電源回路26に接続されており、電源回路26から出力される電圧を測定している。通常時、無線式中継器用電源装置1は、商用電源によって駆動されている。電源電圧監視回路によって測定された電圧が所定電圧を下回った場合、無線式中継器用電源装置1は、商用電源による駆動から予備電源14による駆動に切り替えられる。これにより、無線式中継器用電源装置1は、予備電源14によって駆動される。
無線式中継器用電源装置1と無線式中継器4とは、一対の電源線13によって接続されており、無線式中継器用電源装置1は、電源線13を用いて、無線式中継器4に電源を供給する。また、無線式中継器用電源装置1と無線式中継器4とは、一対の中継配線11によって接続されており、無線式中継器用電源装置1は、中継配線11を用いて、無線式中継器4との間で信号の送受信を行う。この信号は、例えば無線式中継器4が無線式感知器3から受信した火災信号等である。
更に、無線式中継器用電源装置1と受信機5とは、一対の受信配線12によって接続されており、無線式中継器用電源装置1は、受信配線12を用いて、受信機5との間で信号の送受信を行う。この信号は、例えば無線式中継器用電源装置1が無線式中継器4から受信した火災信号等である。そして、無線式中継器用電源装置1は、各種の異常情報を外部機器に移報する機能を有している。
なお、無線式感知器3は、煙等により火災を検出すると火災信号を送信する。
また、無線式中継器4は、図示しないが、常時は開の第1のスイッチング素子と発報電流調整用の抵抗(例えば100Ω)とが直列接続されて、図2に示す中継配線11間(後述する中継終端抵抗15)に並列に接続されたスイッチング回路を備えている。このスイッチング回路は、無線式中継器用電源装置1のスイッチング回路(後述する)と同様の構成である。そして、無線式中継器4は、無線式感知器3から火災信号を受信すると、第1のスイッチング素子を閉じることによりスイッチング回路を動作させて、火災情報(火災信号)として、発報電流調整用の抵抗に基づく略短絡電流を中継配線11に流すように動作する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る無線式中継器用電源装置1を示すブロック図である。図2に示すように、無線式中継器用電源装置1は、第1の受信端子22aと、第2の受信端子22bと、第1の終端端子29aと、第2の終端端子29bとを備えている。更に、無線式中継器用電源装置1は、中継断線監視回路25と、一対の中継端子21と、制御回路27と、電源端子28と、移報リレー30と、LED31と、配線端子台32と、移報端子台33とを備えている。第1の受信端子22aと第2の受信端子22bとは、一対の受信端子であり、第1の終端端子29aと第2の終端端子29bとは、一対の終端端子である。
第1の受信端子22aは、受信機5の一端に、一対の受信配線12の一方を介して接続されるものである。第2の受信端子22bは、受信機5の他端に、一対の受信配線12の他方を介して接続されるものである。第1の終端端子29aは、受信機5による受信配線12の断線検出用の終端器16の一端に接続され、第1の受信端子22aに接続されるものである。第2の終端端子29bは、終端器16の他端に接続されるものである。なお、終端器16は、終端抵抗としてもよく、抵抗値は、中継終端抵抗15(後述する)と同様としてもよく、例えば10kΩである。
一対の中継端子21は、無線式中継器4に中継配線11を介して接続されるものである。
中継断線監視回路25は、中継端子21間に接続されて中継配線11の断線を監視するものである。なお、無線式中継器4には、中継配線11の末端に接続された断線検出用の中継終端抵抗15が接続されており、例えば10kΩである。中継断線監視回路25は、中継配線11に流れる中継終端抵抗15に基づく微弱電流を検出し、当該微弱電流が流れなくなったことを検出すると、中継配線11が断線であると判断する。このようにして、中継断線監視回路25は、中継配線11の断線を監視している。そして、中継配線11の断線が確認されると、中継配線11が断線した旨の中継断線警報(後述する)が出力される。
また、中継断線監視回路25は、無線式中継器4から受信した火災信号等を検出して、制御回路27に送信する機能も有している。ここで、中継断線監視回路25は、無線式中継器4のスイッチング動作に基づく中継配線11に流れる略短絡電流を検出し、当該略短絡電流が流れていると判断すると、火災信号を検出したと判断する。
なお、火災信号を検出する回路を中継火災監視回路として、中継断線監視回路25とは別に設けるようにしてもよい。
電源回路26は、交流電源から供給された電力を変圧器で変圧した後の電力が入力されるものであり、この電力を所定の電力に変換して、中継断線監視回路25及び制御回路27に出力する。なお、中継断線監視回路25及び制御回路27は、予備電源14からも電力が供給されるように構成されている。制御回路27は、中継断線監視回路25から受信した信号に基づいて、異常情報又は火災情報を受信機5に送信するものである。また、制御回路27は、その異常情報又は火災情報を移報リレー30及びLED31に送信する。一対の電源端子28は、無線式中継器4に電源線13を介して接続されるものである。なお、電源端子28には、ヒューズが取り付けられている。また、無線式中継器用電源装置1には盤面スイッチ14aが設けられており、盤面スイッチ14aが押下されると、電池試験回路14bが駆動して、予備電源14の電圧試験が行われる。
ここで、終端器16(第1の終端端子29a及び第2の終端端子29b)と受信配線12(第1の受信端子22a及び第2の受信端子22b)との間には、断線出力回路42と、スイッチング回路としての第3のスイッチング素子43と、抵抗44とを備える。
なお、断線出力回路42と第3のスイッチング素子43とが実装されている部分は、それ以外の部分と絶縁されている。
中継断線監視回路25が中継配線11の断線を確認すると、中継断線監視回路25は、その異常情報(断線情報)を制御回路27に送信する。そして、制御回路27は、異常情報の場合に、終端器16に直列接続された断線出力回路42によって、通常、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとを短絡させている状態から、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとを開放させる状態に変更する。これにより、異常情報が受信機5に送信される。つまり、異常情報(異常状態を示す信号)として、受信配線12間を断線させる断線信号を出力して、受信配線12に終端器16に基づく微弱電流を流さなくする。このとき、中継配線11が断線した旨の中継断線警報(後述する)が出力される。
また、中継断線監視回路25が無線式中継器4から火災信号等を受信すると、中継断線監視回路25は、その火災情報を制御回路27に送信する。そして、制御回路27は、火災情報の場合に、終端器16に並列接続された常時は開の第3のスイッチング素子43を閉じて、スイッチング回路をスイッチング動作させる。これにより、火災情報が受信機5に送信される。なお、第3のスイッチング素子43には、終端器16よりも小さい抵抗値である発報電流調整用の抵抗44が直列に接続されており、これにより、火災情報として、受信配線12には、終端器16に基づく微弱電流よりも大きい略短絡電流が流れる。
移報リレー30は、各異常情報を外部機器に移報する際に使用されるスイッチである。LED31は、各情報を表示するものであり、交流電源灯、予備電源異常灯、2次側電源異常灯、火災灯及び断線灯を有している。交流電源灯は、交流電源の供給が断たれたときに表示されるものである。予備電源異常灯は、予備電源14に異常が発生したときに表示されるものである。2次側電源異常灯は、電源端子28に取り付けられたヒューズに異常が発生したときに表示されるものである。火災灯は、火災のときに表示されるものである。断線灯は、断線のときに表示されるものであり、中継断線警報の一例である。
配線端子台32は、中継端子21、第1の受信端子22a、第2の受信端子22b、電源端子28、第1の終端端子29a及び第2の終端端子29bが設けられた端子台である。移報端子台33は、外部機器に移報する各端子が設けられた端子台である。例えば、異常代表端子、交流電源断端子、予備電源異常端子及び二次側電源異常端子が設けられている。異常代表端子は、いずれの異常が発生した場合でも、その情報を移報するための端子であり、本発明の移報端子98に相当する。この異常には、中継配線11の断線が含まれており、これも、中継断線警報の一例である。交流電源断端子は、交流電源の供給が断たれたときに、その情報を移報するための端子である。予備電源異常端子は、予備電源14に異常が発生したときに、その情報を移報するための端子である。2次側電源異常端子は、電源端子28に取り付けられたヒューズに異常が発生したときに、その情報を移報するための端子である。
次に、図1において、受信機5は、受信配線12間の断線が確認された場合に受信断線警報を出力する受信警報部(図示せず)と、受信配線12に接続されて受信配線12間の断線を監視する監視回路(図示せず)とを有する。監視回路は、受信配線12に流れる終端器16に基づく微弱電流を検出し、当該微弱電流が流れなくなったことを検出すると、受信配線12間が断線である、即ち、異常状態を示す信号としての断線信号を受信したと判断する。このようにして、監視回路は、断線信号の受信の有無を監視している。そして、断線信号の受信が確認されると、受信警報部は、断線信号を受信した旨の受信断線警報を出力する。
また、受信機5は、前述の監視回路(図示せず)が、無線式中継器用電源装置1のスイッチング動作に基づく略短絡電流を検出すると、火災情報を受信したと判断する。そして、前述の受信警報部(図示せず)が、受信火災警報を出力する。
なお、受信機5は、監視回路として、火災情報を検出する回路である火災監視回路と、受信配線12間の断線を監視する回路である断線監視回路とを別個に設けてもよい。
図3は、本発明の実施の形態1に係る無線式中継器用電源装置1と受信機5の接続を示す回路図である。次に、無線式中継器用電源装置1について詳細に説明する。図3に示すように、無線式中継器用電源装置1の断線出力回路42は、リレー65と、第1のジャンパ端子51と、第2のジャンパ端子52と、第3のジャンパ端子56と、第4のジャンパ端子57と、スイッチング部60と、第5のジャンパ端子53と、第6のジャンパ端子54と、第7のジャンパ端子58と、第8のジャンパ端子59と、第1の抵抗45と、第2の抵抗46と、第3の抵抗47と、第4の抵抗48とを備えている。なお、図3において、第3のスイッチング素子43及び抵抗44は、断線出力回路42よりも、受信機5側に接続されている。これにより、無線式中継器用電源装置1は、異常報知よりも火災報知を優先させている。
リレー65は、第2の受信端子22bに接続されるリレー基端子68、第1のリレー端子66及び第2のリレー端子67を有し、リレー基端子68と第1のリレー端子66とを接続するか又はリレー基端子68と第2のリレー端子67とを接続するかを切り替えられるものである。なお、リレー65は、無通電時にリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続される。第1のジャンパ端子51は、第1のリレー端子66に接続されるものである。第2のジャンパ端子52は、第2の終端端子29bに接続されるものである。第3のジャンパ端子56は、第2の終端端子29bに接続されるものである。第4のジャンパ端子57は、第2のリレー端子67に接続されるものである。
第5のジャンパ端子53は、スイッチング部60に接続されるものである。第6のジャンパ端子54は、通電正常時にハイインピーダンスとなり、通電異常時に接地されるものである。これは、各素子から構成された通電制御部70によって制御されている。第7のジャンパ端子58も、通電正常時にハイインピーダンスとなり、通電異常時に接地されるものである。なお、第6のジャンパ端子54及び第7のジャンパ端子58には、第1の電圧源71が接続されている。第8のジャンパ端子59は、スイッチング部60に接続されるものである。
スイッチング部60は、リレー65の動作を制御するものである。スイッチング部60は、第1のリレースイッチング素子61と、第2のリレースイッチング素子62と、リレー制御部63とを有している。第1のリレースイッチング素子61は、例えばバイポーラトランジスタであり、ベースに第8のジャンパ端子59が接続され、コレクタに第2の電圧源72及び第5のジャンパ端子53が接続され、エミッタが接地されている。
第2のリレースイッチング素子62は、例えばバイポーラトランジスタであり、ベースに第2の電圧源72、第5のジャンパ素子及び第1のリレースイッチング素子61のコレクタが接続され、コレクタにリレー制御部63が接続され、エミッタが接地されている。リレー制御部63は、各素子から構成されたものであり、リレー65の動作を制御する。リレー制御部63は、電流が流れることによってリレー基端子68と第1のリレー端子66とを接続させ、電流が流れないことによってリレー基端子68と第2のリレー端子67とを接続させる。
第1の抵抗45は、第1の電圧源71の下流に設けられている。第2の抵抗46は、第2の電圧源72の下流に設けられている。第3の抵抗47は、第1のリレースイッチング素子61のベースに接続されている。第4の抵抗48は、第2のリレースイッチング素子62のベースに接続されている。
ここで、第1のジャンパ端子51と第2のジャンパ端子52とは、例えば第1のジャンパ50によって短絡される。また、第5のジャンパ端子53と第6のジャンパ端子54も、例えば第1のジャンパ50によって短絡される。一方、第3のジャンパ端子56と第4のジャンパ端子57とは、例えば第2のジャンパ55によって短絡される。また、第7のジャンパ端子58と第8のジャンパ端子59も、例えば第2のジャンパ55によって短絡される。
このように、無線式中継器用電源装置1は、第1のジャンパ50によって第1のジャンパ端子51と第2のジャンパ端子52とが短絡され、第1のジャンパ50によって第5のジャンパ端子53と第6のジャンパ端子54とが短絡される第1の状態と、第2のジャンパ55によって第3のジャンパ端子56と第4のジャンパ端子57とが短絡され、第2のジャンパ55によって第7のジャンパ端子58と第8のジャンパ端子59とが短絡される第2の状態とのいずれかが選択されるものである。
次に、無線式中継器用電源装置1の動作等について説明する。先ず、火災等が発生した場合の動作について説明する。中継断線監視回路25が、無線式中継器4のスイッチング動作に基づく略短絡電流を検出することにより、無線式中継器4から火災信号等を受信すると、中継断線監視回路25は、その火災情報を制御回路27に送信する。そして、制御回路27は、火災情報の場合に、第3のスイッチング素子43を閉じる。これにより、火災情報が受信機5に送信される。また、制御回路27は、LED31の火災灯によって火災表示を行う。
一方、受信機5は、監視回路(図示せず)が、無線式中継器用電源装置1のスイッチング動作に基づく略短絡電流を検出すると、火災情報を受信したと判断する。そして、受信警報部(図示せず)が、受信火災警報を出力する。
次に、中継配線11が断線した場合の動作について説明する。中継断線監視回路25は、前述の如く、中継配線11に流れる中継終端抵抗15に基づく微弱電流が流れなくなったことを検出すると、中継配線11が断線であると判断する。中継断線監視回路25が中継配線11の断線を確認すると、中継断線監視回路25は、その異常情報(断線情報)を制御回路27に送信する。そして、制御回路27は、異常情報の場合に、断線出力回路42によって、受信配線12間を断線させる断線信号を出力する。これにより、異常情報が受信機5に送信される。また、制御回路27は、LED31の断線灯によって断線表示を行い、中継配線11が断線した旨の中継断線警報が出力される。
一方、受信機5は、監視回路(図示せず)が、常時受信配線12に流れる終端器16に基づく微弱電流を検出しているが、当該微弱電流が流れなくなったことを検出すると、受信配線12間が断線である、即ち、異常状態を示す信号としての断線信号を受信したと判断する。そして、断線信号の受信が確認されると、受信警報部(図示せず)は、断線信号を受信した旨の受信断線警報を出力する。
図4は、本発明の実施の形態1におけるジャンパ設定を示す図である。次に、無線式中継器用電源装置1の各通電状態における動作について説明する。通電状態として、通電正常と通電異常と無通電とが挙げられる。通電正常とは、交流電源又は予備電源14のいずれかによって通電されており、且つ、中継断線監視回路25が断線を検出していない状態(正常状態)をいう。通電異常とは、交流電源又は予備電源14のいずれかによって通電されており、且つ、中継断線監視回路25が断線を検出している状態(異常状態)をいう。無通電とは、交流電源及び予備電源14のいずれによっても通電されていない状態をいう。
先ず、第1のジャンパ50が取り付けられた第1の状態の場合について説明する。図4に示すように、通電状態が通電正常であるとき、制御回路27の制御によって、通電制御部70がハイインピーダンスとなる。そのため、第6のジャンパ端子54はハイインピーダンスとなり、第5のジャンパ端子53もハイインピーダンスとなる。また、第1のリレースイッチング素子61のベースには電流が流れないため、第1のリレースイッチング素子61はオフされている。従って、第1のリレースイッチング素子61のコレクタからエミッタには電流が流れない。よって、第1の電圧源71、第1の抵抗45、第6のジャンパ端子54、第5のジャンパ端子53、第4の抵抗48、第2のリレースイッチング素子62のベースの順に電流が流れる。
これにより、第2のリレースイッチング素子62はオンされ、第2のリレースイッチング素子62のコレクタからエミッタに電流が流れる。即ち、リレー制御部63に電流が流れ、リレー65においてリレー基端子68と第1のリレー端子66とが接続される。このとき、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとは、第2の受信端子22b、リレー基端子68、第1のリレー端子66、第1のジャンパ端子51、第2のジャンパ端子52、第2の終端端子29bの経路で接続される。従って、無線式中継器用電源装置1に終端器16が接続されるため、異常状態を示す信号である、一対の受信配線12間を断線させることによる断線信号が出力されない。そのため、受信機5の受信警報部における受信断線警報は遮断される。
図4に示すように、通電状態が通電異常であるとき、制御回路27の制御によって、通電制御部70が接地される。そのため、第6のジャンパ端子54は接地され、第5のジャンパ端子53も接地される。また、第1のリレースイッチング素子61のベースには電流が流れないため、第1のリレースイッチング素子61はオフされている。従って、第1のリレースイッチング素子61のコレクタからエミッタには電流が流れない。よって、第5のジャンパ端子53に接続された第2のリレースイッチング素子62のベースも接地されるため、第2のリレースイッチング素子62はオフされている。
従って、第2のリレースイッチング素子62のコレクタからエミッタには電流が流れない。即ち、リレー制御部63に電流が流れず、リレー65においてリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続される。このとき、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとは、第3のジャンパ端子56と第4のジャンパ端子57とが開放されているため、接続されない。従って、無線式中継器用電源装置1から終端器16が切り離されるため、異常状態を示す信号として、一対の受信配線12間を断線させることによる断線信号が出力される。そのため、受信機5の受信警報部における受信断線警報が出力される。
このように、リレー65は、第1の状態において、通電正常時にリレー基端子68と第1のリレー端子66とが接続され、通電異常時にリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続される。
図4に示すように、通電状態が無通電であるとき、リレー制御部63に電流が流れないため、リレー65においてリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続される。このとき、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとは、第3のジャンパ端子56と第4のジャンパ端子57とが開放されているため、接続されない。従って、無線式中継器用電源装置1から終端器16が切り離されるため、異常状態を示す信号として、一対の受信配線12間を断線させることによる断線信号が出力される。そのため、受信機5の受信警報部における受信断線警報が出力される。このように、第1のジャンパ50が取り付けられる第1の状態においては、無線式中継器用電源装置1が無通電のとき、受信機5の受信警報部における受信断線警報が出力される。
次に、第2のジャンパ55が取り付けられた第2の状態の場合について説明する。図4に示すように、通電状態が通電正常であるとき、制御回路27の制御によって、通電制御部70がハイインピーダンスとなる。そのため、第7のジャンパ端子58はハイインピーダンスとなり、第8のジャンパ端子59もハイインピーダンスとなる。よって、第1の電圧源71、第1の抵抗45、第7のジャンパ端子58、第8のジャンパ端子59、第3の抵抗47、第1のリレースイッチング素子61のベースの順に電流が流れる。これにより、第1のリレースイッチング素子61はオンされ、第1のリレースイッチング素子61のコレクタからエミッタに電流が流れる。
よって、第2の電圧源72、第2の抵抗46、第1のリレースイッチング素子61のコレクタ、第1のリレースイッチング素子61のエミッタの順に電流が流れるため、第2のリレースイッチング素子62のベースには電流が流れない。従って、第2のリレースイッチング素子62はオフされ、第2のリレースイッチング素子62のコレクタからエミッタには電流が流れない。即ち、リレー制御部63に電流が流れず、リレー65においてリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続される。このとき、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとは、第2の受信端子22b、リレー基端子68、第2のリレー端子67、第4のジャンパ端子57、第3のジャンパ端子56、第2の終端端子29bの経路で接続される。従って、無線式中継器用電源装置1に終端器16が接続されるため、異常状態を示す信号である、一対の受信配線12間を断線させることによる断線信号が出力されない。そのため、受信機5の受信警報部における受信断線警報は遮断される。
図4に示すように、通電状態が通電異常であるとき、制御回路27の制御によって、通電制御部70が接地される。そのため、第7のジャンパ端子58は接地され、第8のジャンパ端子59も接地される。よって、第1のリレースイッチング素子61のベースには電流が流れないため、第1のリレースイッチング素子61はオフされている。従って、第1のリレースイッチング素子61のコレクタからエミッタには電流が流れない。よって、第2の電圧源72、第2の抵抗46、第4の抵抗48、第2のリレースイッチング素子62のベースの順に電流が流れる。
これにより、第2のリレースイッチング素子62はオンされ、第2のリレースイッチング素子62のコレクタからエミッタには電流が流れる。即ち、リレー制御部63に電流が流れ、リレー65においてリレー基端子68と第1のリレー端子66とが接続される。このとき、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとは、第1のジャンパ端子51と第2のジャンパ端子52とが開放されているため、接続されない。従って、無線式中継器用電源装置1から終端器16が切り離されるため、異常状態を示す信号として、一対の受信配線12間を断線させることによる断線信号が出力される。そのため、受信機5の受信警報部における受信断線警報が出力される。
このように、リレー65は、第2の状態において、通電正常時にリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続され、通電異常時にリレー基端子68と第1のリレー端子66とが接続される。
図4に示すように、通電状態が無通電であるとき、リレー制御部63に電流が流れないため、リレー65においてリレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続される。このとき、第2の受信端子22bと第2の終端端子29bとは、第2の受信端子22b、リレー基端子68、第2のリレー端子67、第4のジャンパ端子57、第3のジャンパ端子56、第2の終端端子29bの経路で接続される。従って、無線式中継器用電源装置1に終端器16が接続されるため、異常状態を示す信号である、一対の受信配線12間を断線させることによる断線信号が出力されない。そのため、受信機5の受信警報部における受信断線警報は遮断される。このように、第2のジャンパ55が取り付けられる第2の状態においては、無線式中継器用電源装置1が無通電のとき、受信機5の受信警報部における受信断線警報は遮断される。
次に、無線式中継器用電源装置1の作用について説明する。無線式中継器用電源装置1は、リレー65と、第3のジャンパ端子56と、第4のジャンパ端子57とを備え、リレー65は、無通電時に受信配線12の他方と第4のジャンパ端子57とを接続するものであり、第3のジャンパ端子56と第4のジャンパ端子57との間は、非短絡状態又は短絡状態のいずれかが選択されるものであり、非短絡状態では、無通電時に断線信号が出力され、短絡状態では、無通電時に断線信号が出力されないように構成されている。これにより、無通電時において、断線信号を出力するか否かを選択することができる。
これにより、無線式中継器用電源装置1が保守点検等される場合、無通電にされても、断線信号を出力しないようにすることができる。
また、無線式中継器用電源装置1は、一対の受信配線12の一方に接続される第1の受信端子22aと、一対の受信配線12の他方に接続される第2の受信端子22bと、終端器16の一端、及び、第1の受信端子22aに接続される第1の終端端子29aと、終端器16の他端に接続される第2の終端端子29bと、を備え、リレー65は、リレー基端子68と第2のリレー端子67とを有し、リレー基端子68が第2の受信端子22bに接続され、第2のリレー端子67が第4のジャンパ端子57に接続され、また、リレー基端子68と第2のリレー端子67とを接続するか否かを切り替えるように構成されており、更に、無通電時に、リレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続されることにより、受信配線12の他方と第4のジャンパ端子57とを接続するものであり、第3のジャンパ端子56は、第2の終端端子29bに接続されるものであり、非短絡状態では、無通電時に、受信配線12と終端器16とが切り離されることにより、断線信号が出力され、短絡状態では、無通電時に、受信配線12と終端器16とが接続されることにより、断線信号が出力されないように構成されている。このため、上記のとおり、無通電時において、断線信号を出力するか否かを選択することができる。
更に、リレー65は、第1のリレー端子66を有し、リレー基端子68と第1のリレー端子66とを接続するか、又は、リレー基端子68と第2のリレー端子67とを接続するかを切り替えるように構成されており、無線式中継器用電源装置1は、第1のリレー端子66に接続される第1のジャンパ端子51と、第2の終端端子29bに接続される第2のジャンパ端子52と、を備え、第1のジャンパ端子51と第2のジャンパ端子52とが短絡される第1の状態と、短絡状態(第3のジャンパ端子56と第4のジャンパ端子57とが短絡状態)である第2の状態と、のいずれかが選択されるものであり、第1の状態では、無通電時に、受信配線12と終端器16とが切り離されることにより、断線信号が出力され、第2の状態では、無通電時に、受信配線12と終端器16とが接続されることにより、断線信号が出力されないように構成されている。このため、上記のとおり、無通電時において、断線信号を出力するか否かを選択することができる。
更にまた、リレー65は、第1の状態において、通電且つ異常が発生していない(中継配線11が断線していない)通電正常時に、リレー基端子68と第1のリレー端子66とが接続され、また、通電且つ異常が発生している(中継配線11が断線している)通電異常時に、リレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続され、第2の状態において、通電正常時に、リレー基端子68と第2のリレー端子67とが接続され、また、通電異常時に、リレー基端子68と第1のリレー端子66とが接続されるように構成されており、第1の状態では、通電正常時に、受信配線12と終端器16とが接続されることにより、断線信号が出力されず、また、通電異常時に、受信配線12と終端器16とが切り離されることにより、断線信号が出力され、第2の状態では、通電正常時に、受信配線12と終端器16とが接続されることにより、断線信号が出力されず、また、通電異常時に、受信配線12と終端器16とが切り離されることにより、断線信号が出力されるように構成されている。このため、無通電時において、無通電状態を示す断線信号を出力するか否かを選択することができるようにしながらも、その他の異常発生時(中継配線11の断線時など)にも断線信号を出力することができる。
そして、警報システム2は、無線式中継器4(端末機器)と、受信機5と、無線式中継器用電源装置1(中継装置)と、を備え、受信機5には、中継装置から送信される断線信号を受信した場合に受信断線警報を出力する受信警報が設けられている。このため、受信機側で断線信号を受信して、受信断線警報を出力することができる。
端末機器と受信機5との間に介在して、端末機器からの信号を受信機5に中継するものであり、一対の受信配線12を介して受信機5と接続され、無通電時に、無通電状態を示す信号として一対の受信配線12間を断線させる断線信号を出力するか否かを選択可能な中継装置であって、一対の受信配線12と終端器16との間に設けられた断線出力回路42を備え、断線出力回路42は、一対の受信配線12と終端器16とを接続可能な経路中に、第1のジャンパ50が取り付けられる第1の状態と、第2のジャンパ55が取り付けられる第2の状態と、のいずれかが選択可能な構成であり、第1の状態では、無通電時に断線信号が出力され、第2の状態では、無通電時に断線信号が出力されないように構成されている。これにより、無通電時において、断線信号を出力するか否かを選択することができる。
更に、断線出力回路42は、第1の状態及び第2の状態のいずれにおいても、通電且つ異常が発生していない通電正常時に、断線信号が出力されず、また、通電且つ異常が発生している通電異常時に、断線信号が出力されるように構成されている。このため、無通電時において、無通電状態を示す断線信号を出力するか否かを選択することができるようにしながらも、異常発生時にも断線信号を出力することができる。
なお、前記実施の形態においては、通電異常における異常として、中継配線11の断線を例に挙げて説明したが、その他の異常であってもよく、無線式中継器用電源装置1は、当該異常が発生したときに、異常状態を示す信号として一対の受信配線12間を断線させる断線信号を出力する構成であってもよい。
つまり、その他の異常発生の有無に基づいて、或いは、その他の異常発生の有無も含めて、通電正常又は通電異常とするようにしてもよく、例えば、その他の異常としては、無線式中継器用電源装置1自身による異常(例えば、交流電源の停電など)や、無線式中継器4から受信した異常信号(例えば、無線式感知器3の電池切れ異常)などであってもよい。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係る無線式中継器用電源装置1について説明する。図5は、本発明の実施の形態2に係る無線式中継器用電源装置1を示す回路図である。本実施の形態2は、交流電源が遮断(停電)されたときに、その情報が移報されることを遮断することができる点で、実施の形態1とは別の発明であり、実施の形態1と組み合わせてもよい。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
無線式中継器用電源装置1は、移報リレー30と、移報スイッチング部90と、第9のジャンパ端子81と、第10のジャンパ端子82と、移報制御部99とを備えている。移報リレー30は、交流電源の異常(停電)を移報するための移報端子98に接続されるものである。第9のジャンパ端子81は、移報スイッチング部90に接続されるものである。第10のジャンパ端子82は、交流電源の異常時に接地されるものであり、各素子から構成された移報制御部99によって制御されている。
移報スイッチング部90は、移報リレー30の動作を制御するものである。移報スイッチング部90は、移報スイッチング素子91と、移報リレー制御部92、第5の抵抗93と、第6の抵抗94とを有している。移報スイッチング素子91は、例えばバイポーラトランジスタであり、ベースに第3の電圧源96及び第9のジャンパ端子81が接続され、コレクタに移報リレー制御部92及び第4の電圧源97が接続され、エミッタが接地されている。移報リレー制御部92は、各素子から構成されたものであり、移報リレー30の動作を制御する。移報リレー制御部92は、移報リレー30を、電流が流れることによって移報端子98間から開放させ、電流が流れないことによって移報端子98間に接続させる。
第5の抵抗93は、第3の電圧源96の下流に設けられている。第6の抵抗94は、移報スイッチング素子91のベースに接続されている。
ここで、第9のジャンパ端子81と第10のジャンパ端子82とは、例えば第3のジャンパ80によって短絡される。このように、無線式中継器用電源装置1は、第3のジャンパ80の取り付けによって第9のジャンパ端子81と第10のジャンパ端子82とが短絡される第3の状態と、第3のジャンパ80の取り外しによって第9のジャンパ端子81と第10のジャンパ端子82とが開放される第4の状態とのいずれかが選択される。
次に、無線式中継器用電源装置1の第3のジャンパ80の設定における動作について説明する。先ず、第3のジャンパ80が取り付けられた第3の状態の場合について説明する。交流電源の供給が遮断されるとき、移報制御部99が接地され、第10のジャンパ端子82及び第9のジャンパ端子81も接地される。よって、第3の電圧源96、第5の抵抗93、第9のジャンパ端子81、第10のジャンパ端子82の順に電流が流れる。
これにより、移報スイッチング素子91のベースには電流が流れない。よって、移報スイッチング素子91はオフされ、移報スイッチング素子91のコレクタからエミッタには電流が流れない。よって、移報リレー制御部92には電流が流れないため、移報リレー30は、移報端子98間に接続される。従って、交流電源が遮断されたときに、その情報が外部機器に移報される。
次に、第3のジャンパ80が取り外された第4の状態の場合について説明する。交流電源の供給が遮断されるとき、移報制御部99が接地され、第10のジャンパ端子82は接地されるが、第10のジャンパ端子82と第9のジャンパ端子81とは開放されているため、第9のジャンパ端子81は接地されない。このため、第3の電圧源96、第5の抵抗93、第6の抵抗94、移報スイッチング素子91のベースの順に電流が流れる。
従って、移報スイッチング素子91はオンされ、移報スイッチング素子91のコレクタからエミッタに電流が流れる。このため、第4の電圧源97、移報リレー制御部92、移報スイッチング素子91のコレクタ、移報スイッチング素子91のエミッタの順に電流が流れるため、移報リレー制御部92には電流が流れる。従って、移報リレー30は、移報端子98間から開放される。従って、交流電源が遮断されたときに、その情報が外部機器に移報されることが遮断される。
次に、無線式中継器用電源装置1の作用について説明する。無線式中継器用電源装置1は、第9のジャンパ端子81と第10のジャンパ端子82とが短絡される第3の状態と、第9のジャンパ端子81と前記第10のジャンパ端子82とが開放される第4の状態と、のいずれかが選択されるものである。上記のとおり、第3の状態においては、交流電源が遮断されるとき、その情報が外部機器に移報される。また、第4の状態においては、交流電源が遮断されるとき、その情報を外部機器に移報されることが遮断される。従って、無線式中継器用電源装置1は、交流電源が遮断されるとき、外部機器に移報するか否かを選択することができる。
これにより、無線式中継器用電源装置1が保守点検等される場合、交流電源が遮断されても、外部機器への移報を遮断することができる。
また、第3の状態は、第3のジャンパ80が取り付けられることにより実現され、第4の状態は、第3のジャンパ80が取り外されることにより実現される。従って、第3のジャンパ80の着脱によって、交流電源が遮断されたときにおける移報の有無を選択することができる。
前記全ての実施の形態において、中継装置として、無線式中継器用電源装置1を例に挙げて説明したが、その他の中継装置であってもよく、端末機器と受信機との間に介在して、端末機器からの信号を受信機に中継するものであればよい。また、端末機器とは配線に限らず、無線で接続される構成であってもよい。例えば、前記実施の形態における無線式中継器4が中継装置であって、無線式感知器3が端末機器であってもよい。