JP6568275B2 - 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 - Google Patents
分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6568275B2 JP6568275B2 JP2018155285A JP2018155285A JP6568275B2 JP 6568275 B2 JP6568275 B2 JP 6568275B2 JP 2018155285 A JP2018155285 A JP 2018155285A JP 2018155285 A JP2018155285 A JP 2018155285A JP 6568275 B2 JP6568275 B2 JP 6568275B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymer
- vinyl
- mass
- branched
- polymer composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
[1]
下記(A)〜(C)の要件を満足するブロック共重合体を含む、分岐材:
(A)少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素系単位を主とする重合体ブロック(a)と、共役ジエン系化合物単位を含み、当該重合体ブロック(a)とは異なる、少なくとも1つの重合体ブロック(b)と、を有する;
(B)前記ブロック共重合体中の共役ジエン系化合物単位の含有量が5質量%〜40質量%である;
(C)前記ブロック共重合体中のビニル結合量が20〜70%である。
[2]
前記ビニル芳香族炭化水素がスチレンであり、前記共役ジエン系化合物が1,3−ブタジエンである、[1]に記載の分岐材。
[3]
前記ブロック共重合体の末端の少なくとも1つが重合体ブロック(b)である、[1]又は[2]に記載の分岐材。
[4]
前記ビニル結合量が30〜60%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の分岐材。
[5]
下記工程(I)、(II)を順に含む、重合体組成物の製造方法。
ラジカル重合可能な単量体に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分岐材を溶解する工程(I);
ラジカル重合を行う工程(II)。
[6]
前記ラジカル重合可能な単量体から得られる重合体が、メタクリレート系単量体、アクリレート系単量体、ニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び酢酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種の単独重合体又は少なくとも2種の共重合体並びにビニル芳香族炭化水素単量体とニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び/又は酢酸ビニルとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、[5]に記載の重合体組成物の製造方法。
[7]
前記工程(I)において、前記分岐材の含有量が前記ラジカル重合可能な単量体の0.5〜10質量%である、[5]又は[6]に記載の重合体組成物の製造方法。
[8]
[5]〜[7]のいずれかに記載の製造方法で得られる、重合体組成物。
[9]
線状重合体と分岐状重合体を含む重合体組成物であって、
前記分岐状重合体が[1]〜[4]のいずれかに記載の分岐材中の共役ジエン系化合物単位を起点として分岐している、重合体組成物。
[10]
前記分岐状重合体中の分岐材に由来するビニル芳香族炭化水素の含有量が0.5質量%〜10質量%である、[9]に記載の重合体組成物。
[11]
メタクリレート系単量体、アクリレート系単量体、ニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び酢酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種の単独重合体又は少なくとも2種の共重合体並びにビニル芳香族炭化水素単量体とニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び/又は酢酸ビニルとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上を前記線状重合体として含む、[8]〜[10]のいずれかに記載の重合体組成物。
本実施形態に係る分岐材は、下記(A)〜(C)の要件を満足するブロック共重合体を含む:
(A)少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素系単位を主とする重合体ブロック(a)と、共役ジエン系化合物単位を含み、当該重合体ブロック(a)とは異なる、少なくとも1つの重合体ブロック(b)と、を有する;
(B)ブロック共重合体中の共役ジエン系化合物単位の含有量が5質量%〜40質量%である;
(C)ブロック共重合体中のビニル結合量が20〜70%である。
上記のように構成されているため、本実施形態の分岐材によれば、ラジカル重合可能なビニル系単量体から得られる重合体において、線状重合体と分岐状重合体とを同時に得るだけでなく、選択的に分岐状重合体を製造すると共に当該分岐状重合体の分子量及び含有量を効率よく制御して製造することができる。
本実施形態におけるブロック共重合体は、少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素系単位を主とする重合体ブロック(a)と、共役ジエン系化合物単位を含み、当該重合体ブロック(a)とは異なる、少なくとも1つの重合体ブロック(b)と、を有する。なお、「主とする」とは、ビニル芳香族炭化水素系単位が重合体ブロック(a)中に70質量%以上含むことを意味する。ビニル芳香族炭化水素系単位は、重合体ブロック(a)中に72質量%以上含まれることが好ましく、より好ましくは75質量%以上である。すなわち、本実施形態におけるブロック共重合体は、共役ジエン系単量体成分を含有しないビニル芳香族系単量体を由来とする高分子量体成分を1ブロック以上有している。この1ブロック当りの高分子量体成分の分子量は、2000以上あることが好ましい。このブロック成分を有さない場合、ビニル芳香族系単量体を主成分としたラジカル重合系において、分岐状重合体を形成する前の重合初期段階でブロック共重合体の相分離が起きやすくなり、効率よく分岐状重合体を形成しにくくなる。重合体ブロック(b)は、共役ジエン系化合物単位を含み、重合体ブロック(a)とは異なるブロックである。なお、重合体ブロック(b)中における共役ジエン系化合物単位の含有量が30質量%を超えることが好ましく、より好ましくは32質量%以上であり、さらに好ましくは35質量%以上である。重合体ブロック(b)は共役ジエン系化合物単位、単体からなるブロック(ホモブロック)であってもよい。
本実施形態において、ブロック共重合体中の共役ジエン系化合物単位の含有量は、5質量%以上40質量%以下である。上記含有量が上記範囲内にあることにより、本実施形態の分岐材は、本実施形態所望の高分子量成分の導入を図ることができるとともに、十分な透明性・衝撃強度を発現することができる。上記含有量は、上記同様の観点から、好ましくは、7質量%以上38質量%以下、更に好ましくは、10質量%以上35質量%以下である。上記含有量が5質量%未満である場合、分岐状重合体の枝となる高分子鎖の数が少なくなり、目的とする高分子量成分の導入が図れない。また、上記含有量が40質量%を超える場合、分岐状重合体を形成する前に、ラジカル重合で得られるマトリックス高分子量体とブロック共重合体とが相分離してゴム粒子を形成してしまう。即ち、単に分岐状重合体が得られないだけでなく、透明性の低下や衝撃強度の低下が起こる。
本実施形態における共重合体中のビニル結合量は、20%以上70%以下である。上記ビニル結合量が上記範囲内にあることにより、本実施形態の分岐材は、本実施形態所望の高分子量成分の導入を図ることができるとともに、十分な熱安定性を発現することができる。上記ビニル結合量は、上記同様の観点から、好ましくは25%以上65%以下であり、より好ましくは30%以上60%以下である。なお、共重合体中のビニル結合量については、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。本実施形態において、「ビニル結合量」とは、上記ブロック共重合体中における共役ジエン系単量体の全結合に対するビニル基を生成する結合の割合である。なお、共役ジエン系単量体をリビングアニオン重合した場合、1,2−結合と1,4−結合が生成するが、その1,2−結合の成分割合が20%以上70%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以上65%以下であり、更に好ましくは30%以上60%以下である。ビニル結合量が20%よりも少ないと、ラジカル重合時に分岐型高分子の枝となる高分子鎖の数が少なくなり、目的とする高分子量成分の導入が図れない。また、70%よりも多くなるとブロック共重合体そのものの熱安定性が悪くなり、分岐材として使用するまでにゲル化物の生成等の品質低下を起こす恐れがある。なお、ブロック共重合体中の共役ジエン系化合物単位の含有量については、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
以下に、本実施形態における分岐材の製造方法の一例を示す。本実施形態の分岐材に含まれるブロック共重合体を重合させるための重合溶媒としては、ブロックポリマーの生産効率を十分に確保する観点から、炭化水素系の溶媒を用いることが好ましい。炭化水素系の溶媒としては、特に限定されないが、例えば、ブタン、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等のC4以上の脂肪族系炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素等を用いることができる。上記した炭化水素系の溶媒の中でも、好ましい例として、工業的に最も多く利用されているヘキサン、シクロヘキサンが挙げられる。
本実施形態の重合体組成物は、線状重合体と分岐状重合体を含む。分岐状重合体は同一分子量の線状重合体に比べてポリマー鎖の慣性半径が小さくなるため、流動性が向上し、更に、高分子鎖の絡み合い点数が増加することによって伸長粘度や溶融張力等のレオロジー特性や機械的強度、耐久性、耐クリープ性、耐薬品性等の高分子特性の向上が図れる。
次に、本実施形態に係る重合体組成物の製造方法は、ラジカル重合可能な単量体に、本実施形態の分岐材を溶解する工程(I)と、ラジカル重合を行う工程(II)と、を含む。このように構成されているため、本実施形態に係る重合体組成物の製造方法によれば、分岐型高分子を非常に効率よく微分散化することができる。そのため、少ない分岐材添加量で大きな性能向上の効果が期待できる。なお、本実施形態におけるラジカル重合は、分岐状重合体と線状重合体とをブレンドする方法に比べて製法上の効率がよいといえる。なお、重量平均分子量が数百万レベルの分岐型高分子については、ほとんどのポリマー間で良好な相溶性が得がたいといえる。そのため、溶液ブレンド法が用いられる場合もあるが、当該ブレンド法では工程が増えて製造効率が低い。また、分岐材を溶解する単量体のラジカル重合を行う場に複数の単量体を同時に存在させることで、単量体の重合(線状重合体生成)と同時に分岐状重合体を製造できる。更に、それ以外に分岐状高分子成分の平均分子量及び分子量分布を、線状重合体の平均分子量及び分布と同等にすることができる。すなわち、分岐状重合体の分岐成分1本あたりの分子鎖絡み合い効果を線状重合体と同等にすることができるため、性能の予測がしやすい。その結果、ポリマー設計がしやすいといえる。
測定用の試料0.1gを10mLの二硫化炭素で完全に溶解後、0.5mmセルを使用して赤外分光光度計(島津製作所製、「FTIR−8400S」)を使用してスペクトルを測定した。次いで、得られたスペクトルに基づき、Hampton法(R.R.:Analyt. Chem., 21(1949),p.923)によりビニル結合量を求めた。
1H−NMRを測定し、スチレン由来の芳香環のピーク面積とブタジエン由来のビニル結合部のピーク面積を使って計算により求めた。なお、測定装置としては、日本電子(株)社製、400MHz、NMRを使用し、CDCl3に溶かして64回積算してNMRチャートを得て求めた。
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって測定し、ポリスチレン換算で平均分子量を求めた。なお、GPC測定の条件は次のとおりとした。
[測定機種]東ソー社製 HLC−8320
[溶媒]THF、
[カラム]Agilent Techenology社製 PLgel 5μm MIXED−C×3本
[カラム温度]40℃
[送液流量] 0.35mL/min.
[試料濃度]0.1質量%
[試料注入量]0.02mL
[検出器]東ソー社製HLC−8320付属示差屈折計
各例の重合体組成物約0.07gをクロロホルム10mLに溶解し、オスミウム酸のtert−ブチルアルコール溶液とtert−ブチルハイドロパーオキサイドのtert−ブチルアルコール溶液との混合分解剤を20mL加え、90℃でバス中にて12分間還流下で分解した。冷却後、該溶液にメタノール200mLを撹拌下に加えてポリスチレン成分を沈殿させ、これをガラスフィルターにて分離した。分離されたポリスチレン成分をTHFに溶解し、GPC試料としてGPC測定に供した。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したスチレン250gとシクロヘキサン5000gを加え、次いでビニル結合量調整剤としてテトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)をシクロヘキサンに対して1700ppm添加し、更に有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部当り0.085質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。スチレンを完全に重合させた後、スチレン20質量部/1,3−ブタジエン14質量部の混合モノマーを加えて5分間反応させた。その後、1,3−ブタジエン16質量部をミニチュアバルブで10分間かけて添加した。3分間反応させた後、さらにスチレン25質量部を加えて反応させた。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したシクロヘキサン5700gと1,3−ブタジエン100gを加え、次いでビニル結合量調整剤としてTMEDAをシクロヘキサンに対して1500ppm添加し、更に有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部に対して0.095質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。1,3−ブタジエンを5分間反応させ、次いでスチレン800g加えて5分間反応させた。その後1,3−ブタジエンを100g加えて10分間反応させた。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したシクロヘキサン5700gと1,3−ブタジエン100gを加え、次いでビニル結合量調整剤としてTMEDAをシクロヘキサンに対して1100ppm添加し、更に有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部に対して0.095質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。1,3−ブタジエンを5分間反応させ、次いでスチレン800g加えて5分間反応させた。その後1,3−ブタジエンを100g加えて10分間反応させた。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したシクロヘキサン5700gと1,3−ブタジエン150gを加え、次いでビニル結合量調整剤としてTMEDAをシクロヘキサンに対して1000ppm添加し、更に有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部に対して0.095質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。1,3−ブタジエンを5分間反応させ、次いでスチレン800g加えて5分間反応させた。その後1,3−ブタジエンを150g加えて10分間反応させた。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したシクロヘキサン5700gとスチレン350gを加え、次いでビニル結合量調整剤としてTMEDAをシクロヘキサンに対して1500ppm添加し、更に有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部に対して0.095質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。スチレンを5分間反応させ、次いで1,3−ブタジエンを150g加えて5分間反応させた。そのスチレンを350g加えて5分間反応させた。最後に1,3−ブタジエンを再び150g加えて10分間反応させた。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したシクロヘキサン5700gと1,3−ブタジエンを300g加え、有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部に対して0.095質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。1,3−ブタジエンを5分間反応させ、次いでスチレンを400g加えて5分間反応させた。最後に1,3−ブタジエンを再び300g加えて10分間反応させた。
容積10Lの撹拌装置及びジャケット付きのオートクレーブを洗浄乾燥し、窒素置換後、予め精製・乾燥したシクロヘキサン5700gとスチレンを150g加え、有機リチウム開始剤として全モノマー100質量部に対して0.095質量部のn−ブチルリチウム/シクロヘキサン溶液を加えて、50℃にて重合を開始した。スチレンを5分間反応させ、次いで1,3−ブタジエンを700g加えて5分間反応させた。最後にスチレンを再び150g加えて10分間反応させた。
以下に示すラジカル塊状重合法によりスチレン−アクリロニトリル共重合体(表1中では単に「St/AN共重合体」と表記する。)を合成した。5.0質量部のブロック共重合体Aをスチレン69.35重量部、アクリロニトリル25.65重量部とエチルベンゼン10質量部に溶解する。このモノマー溶液をA−18試験管(φ18×L200mm)に3mL加える。そこへ2’,2−アゾビス−イソブチリロニトリルを0.16mol/mLのトルエン溶液を加えて80℃で5時間静置重合を行った。重合後、得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体の分子量分布ピーク数、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、及び分子量分布(Mz/Mw)をGPC測定により求めた。その結果を表1に示す。また、得られた分子量分布曲線を図1に示す。
実施例1で得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体中に存在する2重結合部分を前述した方法によって分解したところ、分岐状重合体成分と線状重合体成分を示す2峰性(バイモーダル)の分子量分布ピーク(実施例1)から、分岐状重合体成分が消失した単峰性のピーク(参考例1)へと変化し、そのMn,Mw,Mz及びMz/Mwはいずれも低下した。その結果を図1に示す。図1から、スチレン−アクリロニトリル共重合体中にはポリスチレン−ポリブタジエンのブロック共重合体を起点とする分岐状重合体成分が存在していたことが明らかになった。
使用したブロック共重合体の種類を重合体B〜Gに変えた以外は、すべて実施例1と同じ条件で重合した。重合後、得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体の分子量分布ピーク数、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、及び分子量分布(Mz/Mw)をGPC測定により求めた。その結果を表1に示す。
ポリスチレン−ポリブタジエンのブロック共重合体を含有させずに、スチレン−アクリロニトリル共重合体を実施例1に記載のラジカル塊状重合法と同様の条件で重合した。重合後、得られたスチレン−アクリロニトリル共重合体の分子量分布ピーク数、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、Z平均分子量(Mz)、及び分子量分布(Mz/Mw)をGPC測定により求めた。その結果を表1に示す。
Claims (12)
- 下記(A)〜(C)の要件を満足するブロック共重合体を含む、分岐材:
(A)少なくとも1つのビニル芳香族炭化水素系単位を主とする重合体ブロック(a)と、共役ジエン系化合物単位を含み、当該重合体ブロック(a)とは異なる、少なくとも1つの重合体ブロック(b)と、を有する;
(B)前記ブロック共重合体中の共役ジエン系化合物単位の含有量が5質量%〜40質量%である;
(C)前記ブロック共重合体中のビニル結合量が30〜70%である。 - ゴム粒子を形成しない、請求項1に記載の分岐材。
- 前記ビニル芳香族炭化水素がスチレンであり、前記共役ジエン系化合物が1,3−ブタジエンである、請求項1又は2に記載の分岐材。
- 前記ブロック共重合体の末端の少なくとも1つが重合体ブロック(b)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の分岐材。
- 前記ビニル結合量が30〜60%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の分岐材。
- 下記工程(I)、(II)を順に含む、重合体組成物の製造方法。
ラジカル重合可能な単量体に、請求項1〜5のいずれか一項に記載の分岐材を溶解する工程(I);
ラジカル重合を行う工程(II)。 - 前記ラジカル重合可能な単量体から得られる重合体が、メタクリレート系単量体、アクリレート系単量体、ニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び酢酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種の単独重合体又は少なくとも2種の共重合体並びにビニル芳香族炭化水素単量体とニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び/又は酢酸ビニルとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項6に記載の重合体組成物の製造方法。
- 前記工程(I)において、前記分岐材の含有量が前記ラジカル重合可能な単量体の0.5〜10質量%である、請求項6又は7に記載の重合体組成物の製造方法。
- 請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造方法で得られる、重合体組成物。
- 線状重合体と分岐状重合体を含む重合体組成物であって、
前記分岐状重合体が請求項1〜5のいずれか一項に記載の分岐材中の共役ジエン系化合物単位を起点として分岐している、重合体組成物。 - 前記分岐状重合体中の分岐材に由来するビニル芳香族炭化水素の含有量が0.5質量%〜10質量%である、請求項10記載の重合体組成物。
- メタクリレート系単量体、アクリレート系単量体、ニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び酢酸ビニルからなる群より選択される少なくとも1種の単独重合体又は少なくとも2種の共重合体並びにビニル芳香族炭化水素単量体とニトリル系ビニル単量体、塩化ビニル及び/又は酢酸ビニルとの共重合体からなる群より選択される少なくとも1種以上を前記線状重合体として含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の重合体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018155285A JP6568275B2 (ja) | 2018-08-22 | 2018-08-22 | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018155285A JP6568275B2 (ja) | 2018-08-22 | 2018-08-22 | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013196188A Division JP6426888B2 (ja) | 2013-09-20 | 2013-09-20 | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018199825A JP2018199825A (ja) | 2018-12-20 |
JP6568275B2 true JP6568275B2 (ja) | 2019-08-28 |
Family
ID=64667013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018155285A Active JP6568275B2 (ja) | 2018-08-22 | 2018-08-22 | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6568275B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5794014A (en) * | 1980-12-03 | 1982-06-11 | Asahi Chem Ind Co Ltd | Impact-resistant thermoplastic resin and its production |
JPH01115978A (ja) * | 1987-10-29 | 1989-05-09 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 接着剤 |
JP3939036B2 (ja) * | 1998-09-08 | 2007-06-27 | 日本エラストマー株式会社 | 新規なゴム状重合体組成物及び耐衝撃性スチレン系樹脂組成物 |
US7012118B2 (en) * | 2002-02-07 | 2006-03-14 | Kraton Polymers U.S. Llc | Photopolymerizable compositions and flexographic plates prepared from controlled distribution block copolymers |
-
2018
- 2018-08-22 JP JP2018155285A patent/JP6568275B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018199825A (ja) | 2018-12-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6665145B2 (ja) | ブタジエン−スチレン線状共重合体、その調製方法および組成物、ならびに芳香族ビニル樹脂およびその調製方法 | |
KR20090104080A (ko) | 카르복실레이트 종결 중합체 및 내충격성-개질된 플라스틱에서의 그의 용도 | |
US20130144013A1 (en) | Process for Preparing High Impact Monovinylaromatic Polymers in the Presence of a Borane Complex | |
MXPA04009240A (es) | Composicion iniciadora y proceso para polimerizacion anionica. | |
JPH08295710A (ja) | ゴム強化ビニル芳香族共重合体の製造方法 | |
US7101941B2 (en) | Method for anionic polymerization of α-methylstyrene | |
JP5642677B2 (ja) | 官能化ポリ(1,3−アルカジエン)の合成方法および耐衝撃性ビニル芳香族ポリマーの調製におけるその使用 | |
US8754169B2 (en) | Method of preparing rubber comprising polymeric compositions and isoprene comprising interpolymers | |
JP6568275B2 (ja) | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 | |
JP5607065B2 (ja) | 物理/機械的性質及び高い光沢を最適なバランスで有するゴム強化ビニル芳香族(コ)ポリマー | |
US6410654B1 (en) | Highly rigid, high-tenacity impact-resistant polystyrene | |
JP6426888B2 (ja) | 分岐材、重合体組成物の製造方法及び重合体組成物 | |
TWI660975B (zh) | 氫化嵌段共聚物及其組合物 | |
US6825271B2 (en) | Anionically polymerized, impact-resistant polystyrene with capsule particle morphology | |
US7557160B2 (en) | Impact-resistant vinyl aromatic hydrocarbon resin | |
WO1998044034A1 (fr) | Composition polymere de diene conjugue et resine de styrene a renfort de caoutchouc | |
JP2014108978A (ja) | スチレン系樹脂補強用ゴム組成物 | |
JPH09302051A (ja) | 高光沢耐衝撃性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法 | |
JPH0337244A (ja) | 耐衝撃性スチレン系樹脂 | |
JPH09302044A (ja) | 耐衝撃性スチレン系樹脂組成物及びその製造方法 | |
JP4080067B2 (ja) | ゴム変性スチレン系樹脂 | |
JP3599072B2 (ja) | ビニル芳香族重合体含有樹脂組成物 | |
JPH0477510A (ja) | 制振性に優れた耐衝撃性スチレン系樹脂組成物 | |
JP2008297460A (ja) | 芳香族ビニル−共役ジエンブロック共重合体組成物および樹脂組成物 | |
JP4476567B2 (ja) | 耐衝撃性スチレン系樹脂組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180822 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180822 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190606 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190712 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190801 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6568275 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |