JP6543902B2 - 金属錯体およびそれを用いた発光素子 - Google Patents
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Description
Mは、イリジウム原子または白金原子を表す。
mは1、2または3を表し、nは0、1または2を表す。Mがイリジウム原子の場合、m+nは3であり、Mが白金原子の場合、m+nは2である。
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、−CRZ=または窒素原子を表す。RZは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RZが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。Z1、Z2およびZ3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。但し、Z1、Z2およびZ3からなる群から選ばれる少なくとも1つは窒素原子である。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、2つ以上の環が縮合した芳香族炭化水素基、または、2つ以上の環が縮合した複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar1およびAr2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11、R12、R13、R14、R15およびR16が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、および、R15とR16は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。
A1−G1−A2は、アニオン性の2座配位子を表す。A1およびA2は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子または窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G1は、単結合、または、A1およびA2とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A1−G1−A2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Z1、Z2およびZ3は、それぞれ独立に、−CRZ=または窒素原子を表す。RZは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RZが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、Z1、Z2およびZ3からなる群から選ばれる少なくとも1つは窒素原子である。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、2つ以上の環が縮合した芳香族炭化水素基、または、2つ以上の環が縮合した複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、および、R15とR16は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
以下、本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基およびシクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、シクロヘキシル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられ、置換基を有するアルキル基およびシクロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基およびシクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、および、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、および、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基およびジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基およびシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、7−オクテニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基およびシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、5−ヘキシニル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、および、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子またはヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
mDA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
GDAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
TDAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
GDAは、窒素原子、芳香族炭化水素基または複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
TDAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
*は、式(D-A)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA2、または、式(D-B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D-A)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA4、または、式(D-B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D-A)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA5、または、式(D-B)におけるArDA7との結合を表す。
RDAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
RDAは前記と同じ意味を表す。
RDBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Rp1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
Rp1、Rp2およびRp3は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基またはハロゲン原子を表す。Rp1およびRp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0または1を表す。np1およびnp2が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。]
次に、本発明の金属錯体について説明する。本発明の金属錯体は、式(1)で表される金属錯体である。
R31、R32およびR33は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表す。R31が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、複数存在するR32は、同一でも異なっていてもよく、複数存在するR33は、同一でも異なっていてもよい。]
式(3−1)および(3−2)中、R32は、本発明の金属錯体の量子収率がより優れるので、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基または置換アミノ基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。
式(3−1)および(3−2)中、R33は、本発明の金属錯体の合成が容易になるため、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基または1価の複素環基であることが好ましく、水素原子またはアルキル基であることがより好ましい。
*は、イリジウム原子または白金原子と結合する部位を表す。
RL1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRL1は、同一でも異なっていてもよい。
RL2は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Z1、Z2、Z3、R14、R15、R16およびR2は、前記と同意味を表す。
RL5は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、置換アミノ基またはハロゲン原子を表す。RL5が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
RL5は、下記群IIの式(II−1)〜式(II−14)で表される基および下記群IIIの式(III−1)〜式(III−17)で表される基から選ばれる基であることが好ましい。
次に、本発明の化合物について説明する。本発明の化合物は、式(1M)で表される化合物である。本発明の化合物は、後述する本発明の金属錯体の製造において有用な化合物である。
[製造方法1]
本発明の金属錯体である式(1)で表される金属錯体は、例えば、配位子となる化合物と金属化合物とを反応させる方法により製造することができる。必要に応じて、金属錯体の配位子の官能基変換反応を行ってもよい。
式(1M)で表される化合物と、イリジウム化合物またはその水和物とを反応させることで、式(1M−1)で表される金属錯体を合成する工程A1、および、
式(1M−1)で表される金属錯体と、式(1M)で表される化合物またはA1−G1−A2で表される配位子の前駆体とを反応させる工程B1を含む方法により製造することができる。
Z1、Z2、Z3、Ar1、Ar2、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、前記と同じ意味を表す。
W1およびW2は、それぞれ独立に、−B(ORW1)2で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RW1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRW1は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する酸素原子とともに環を形成していてもよい。]
W1で表されるアリールスルホニルオキシ基としては、例えば、p−トルエンスルホニルオキシ基が挙げられる。
R2は、前記と同じ意味を表す。
W3は、−B(ORW1)2で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RW1は、前記と同じ意味を表す。]
R11、R12、R13、R14、R15およびR16は、前記と同じ意味を表す。
W4およびW5は、それぞれ独立に、−B(ORW1)2で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RW1は、前記と同じ意味を表す。]
本発明の金属錯体である式(1)で表される金属錯体は、例えば、金属錯体の前駆体と金属錯体の配位子の前駆体とを反応させる方法によっても製造することができる。
式(1M−2)で表される化合物と、式(1M−4)で表される金属錯体とをカップリング反応させることにより製造することができる。このカップリング反応は、式(1M)で表される化合物について説明したものと同じである。
m、n、Z1、Z2、Z3、Ar1、Ar2、R11、R12、R13、R14、R15、R16およびW1は、前記と同じ意味を表す。
W6は、−B(ORW1)2で表される基、アルキルスルホニルオキシ基、シクロアルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RW1は、前記と同じ意味を表す。]
式(1M−4a−2)で表される金属錯体と、式(1M−4a−1)で表される化合物とを反応させる工程B2を含む方法により製造することができる。
カップリング反応において、反応を促進するために、パラジウム触媒等の触媒を用いてもよい。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)二パラジウム(0)が挙げられる。
本発明の組成物は、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料と、本発明の金属錯体とを含有する。
本発明の金属錯体は、正孔注入性、正孔輸送性、電子注入性および電子輸送性から選ばれる少なくとも1つの機能を有するホスト材料との組成物とすることにより、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子の外部量子効率がより優れたものとなる。本発明の組成物において、ホスト材料は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
ホスト化合物として好ましい高分子化合物(以下、「高分子ホスト」ともいう。)に関して説明する。
[表中、p、q、r、sおよびtは、各構成単位のモル比率を示す。p+q+r+s+t=100であり、かつ、100≧p+q+r+s≧70である。その他の構成単位とは、式(Y)で表される構成単位、式(X)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。]
高分子ホストは、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第109巻,897−1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応およびKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、高分子化合物が好ましく、架橋基を有する高分子化合物がより好ましい。
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
正孔注入材料および電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料および電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
正孔注入材料または電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
発光材料(本発明の金属錯体とは異なる。)は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
酸化防止剤は、本発明の金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光および電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
膜は、本発明の金属錯体を含有する。
本発明の発光素子は、本発明の金属錯体を用いて得られる発光素子であり、本発明の金属錯体が分子内または分子間で架橋されたものであってもよく、本発明の金属錯体が分子内および分子間で架橋されたものであってもよい。
本発明の発光素子の構成としては、例えば、陽極および陰極からなる電極と、該電極間に設けられた本発明の金属錯体を用いて得られる層とを有する。
本発明の金属錯体を用いて得られる層は、通常、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、電子輸送層、電子注入層の1種以上の層であり、好ましくは、発光層である。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を含む。これらの層は、各々、発光材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料を、上述した溶媒に溶解させ、インクを調製して用い、上述した膜の作製と同じ方法を用いて形成することができる。
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板の場合には、基板から最も遠くにある電極が透明または半透明であることが好ましい。
陽極および陰極は、各々、2層以上の積層構造としてもよい。
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極もしくは陰極、または、両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、または、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源および表示装置としても使用できる。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルムまたはテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(アジレント テクノロジー製、商品名:1100LCMSD)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、0.2mL/分の流量で流した。カラムは、L−column 2 ODS(3μm)(化学物質評価研究機構製、内径:2.1mm、長さ:100mm、粒径3μm)を用いた。
測定試料約0.1mgを、200μLのテトラヒドロフランに溶解させて、試料溶液を調製した。1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン約4mgを、400μLのテトラヒドロフランに溶解させて、マトリックス溶液を調製した。試料溶液10μLとマトリックス溶液50μLとを混合し、これをMALDIプレートに塗布して、MALDI−TOFMSの測定を行った。測定は、MALDI−TOFMS装置:REFLEX III(Bruker社製)を用いて、測定モード:リフレクターモード、加速電圧:27.5kV、レーザー:N2(337nm)で行った。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン(THF−d8)または重塩化メチレン(CD2Cl2)に溶解させ、NMR装置(バリアン(Varian,Inc.)製、商品名 MERCURY 300)を用いて測定した。
測定試料を、トルエン、テトラヒドロフランまたはクロロホルムに任意の濃度で溶解させ、DART用TLCプレート(テクノアプリケーションズ社製 YSK5−100)上に塗布し、TLC−MS(日本電子(JEOL Ltd.)社製、商品名 JMS−T100TD(The AccuTOF TLC))を用いて測定した。測定時のヘリウムガス温度は、200〜400℃の範囲で調整した。
金属錯体を、0.0008重量%の濃度となるように、キシレンに溶解させた。得られたキシレン溶液を1cm角の石英セルに入れた後、窒素ガスでバブリングすることにより酸素を脱気することにより測定試料を作製した。得られた測定試料に対して、絶対PL量子収率測定装置(自動制御電動モノクロ光源タイプ)(C9920−02G 浜松ホトニクス株式会社製)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルを測定した。なお、励起波長は400nmとした。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、1−ブロモナフタレン(化合物M1a、132.5g)およびテトラヒドロフラン(脱水品、3.1L)を加え、攪拌しながら−73℃まで冷却した。その後、そこへ、n−ブチルリチウムのへキサン溶液(1.6mol/L、400mL)を、反応容器内の反応液を−73℃で攪拌しながら滴下した。得られた反応液を「反応液A」と呼ぶ。
別の反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、塩化シアヌル(59.0g)およびテトラヒドロフラン(脱水品、1.0L)を加え、攪拌しながら−75℃まで冷却した。その後、そこへ、上記の反応液Aを、反応容器内の反応液を−75℃で攪拌しながら滴下し、滴下終了後に室温まで昇温させ、室温で一晩攪拌した。その後、そこへ、希薄な塩化アンモニウム水溶液(500mL)を加えた後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をクロロホルム(1.5L)に溶解させた後、水(1L)、5重量%食塩水(1L)で順次洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥し、溶媒量が約半分となるまで濃縮した。その後、そこへ、n−ヘキサン(400mL)を加え、シリカゲルを用いてろ過した後、得られたろ液を減圧留去した。得られた残渣を、酢酸エチルおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析し、次いで、アセトニトリルおよびn−ヘキサンの混合溶媒を用いて晶析することにより精製した。その後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物M1b(74.3g、収率63%)を白色固体として得た。化合物M1bのHPLC面積百分率値は98.0%であった。
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=9.15−9.11(mult,2H),8.55(dd,2H),8.14(d,2H),8.00(dd,2H),7.70−7.57(mult,6H).
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物M1b(61.4g)、特開2008−179617号公報記載の方法に従って合成した金属錯体M0(43.1g)、炭酸セシウム(81.5g)、ビス(ジ−tert−ブチル(4−ジメチルアミノフェニル)ホスフィン)ジクロロパラジウム(II)(0.9g)、1,4−ジオキサン(783mL)およびイオン交換水(5mL)を加え、65℃で36時間撹拌した。得られた反応液をろ過した後、得られたろ液を減圧留去した。得られた残渣をトルエンおよびクロロホルムの混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析し、次いで、クロロホルムおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析することにより精製した。その後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、金属錯体M1(19g、収率27%)を赤色固体として得た。金属錯体M1のHPLC面積百分率値は99.0%であった。
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=9.01(d,3H),8.79(d,6H),8.61(dd,3H),8.10(dd,6H),8.00(d,3H),7.85(d,3H),7.77(t,12H),7.49−7.36(mult,18H),7.03-6.90(mult,9H).
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=8.92(d,3H),8.76(d,6H),8.61(dd,3H),8.10(dd,6H),7.94−7.90(mult,6H),7.78(t,12H),7.50−7.36(mult,18H),7.04(dd,3H),6.88(d,3H).
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=9.13(d,3H),8.81(d,6H),8.70(dd,3H),8.24(d,3H),8.19(d,3H),8.12(dd,6H),7.90(dd,6H),7.79−7.74(mult,15H),7.70−7.66(mult,12H),7.53−7.35(mult,33H),7.28(d,3H),1.36(s,54H).
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=9.02(d,3H),8.76(d,6H),8.59(dd,3H),8.13(d,3H),8.09−8.05(mult,9H),7.77−7.72(mult,12H),7.56(s,6H),7.48−7.28(mult,45H),7.18(d,3H),2.15(s,9H),1.36(s,54H).
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物L5a(15g)、化合物L5b(24g)、テトラヒドロフラン(430mL)、イオン交換水(21mL)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(3.6g)および炭酸セシウム(250g)を加え、60℃で64時間撹拌した。その後、そこへ、トルエン(400mL)を加え、セライトを用いてろ過した。得られたろ液を5重量%食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた油状物を、トルエンおよびヘキサンの混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、減圧乾燥することにより、化合物L5c(20g、収率82%)を黄色油状物として得た。
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物L5c(9.4g)、化合物L5d(12g)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(2.7g)、酢酸カリウム(19g)および1,2−ジメトキシエタン(100mL)を加え、80℃で3時間攪拌した。その後、そこへ、トルエン(150mL)を加え、セライトを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣にヘキサン(180mL)を加えて溶解させ、これをろ過し、得られたろ液を濃縮した。その後、そこへ、トルエン(70mL)およびアセトニトリル(70mL)を加え、シリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。その後、そこへ、ヘキサン(60mL)および活性炭(7.5g)を加え、50℃で1時間攪拌した。その後、セライトを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより、化合物L5e(12g)を無色油状物として得た。
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物L5e(8.8g)、化合物M1b(11g)、1,4−ジオキサン(450mL)、イオン交換水(24mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.6g)および炭酸セシウム(70g)を加え、90℃で3時間撹拌した。その後、そこへ、トルエンを加え、セライトを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。その後、そこへ、トルエンを加え、得られた有機層を5重量%食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた油状物を、トルエンおよびヘキサンの混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、溶媒を減圧留去した。その後、そこへ、トルエン(100mL)および活性炭(3.6g)を加え、60℃で1時間攪拌した。その後、そこへ、トルエン(250mL)を加え、攪拌した後、セライトを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を、トルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いて晶析することにより精製した後、減圧乾燥することにより、化合物L5(9.9g、収率69%)を白色粉末として得た。化合物L5のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=10.01(dd,1H),9.25−9.21(mult,2H),9.05(dd,1H),8.61(dd,2H),8.25(t,1H),8.14(d,2H),8.04−7.99(mult,4H),7.96(dt,1H),7.74−7.45(mult,7H),1.43(s,9H).
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物L5(736mg)および2−エトキシエタノール(13mL)を加え、90℃まで昇温した。その後、そこへ、イオン交換水(5.4mL)に溶解させた塩化イリジウム(III)水和物(273mg)を加え、105℃で21時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール(50mL)に加え、室温で1時間攪拌した。その後、ろ過し、得られた残渣を減圧乾燥することにより、金属錯体M5aを含む赤色固体(850mg)を得た。
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、金属錯体M5aを含む赤色固体(834mg)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(207mg)およびアセトニトリル(15mL)を加え、90℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、セライトおよびアルミナを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。その後、そこへ、ヘキサンを加え、攪拌した。得られた沈殿をろ取することにより、赤橙色固体(800mg)を得た。
遮光した反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、上記のStage2aで得られた赤橙色固体(769mg)、化合物L5(1.2g)、2,6−ルチジン(660mg)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(17mL)を加え、150℃で21時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール(50mL)に加え、室温で1時間攪拌した。その後、これをろ過し、得られた残渣にトルエン(50mL)を加え、攪拌し、ろ過した。得られた沈殿をクロロホルム(300mL)に溶解させ、シリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。その後、そこへ、メタノールを加え、攪拌し、ろ過した。得られた沈殿を、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、金属錯体M5(450mg)を赤色固体として得た。金属錯体M5のHPLC面積百分率値は99.0%であった。
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=9.04(d,3H),8.79(d,6H),8.62(dd,3H),8.06(dd,6H),8.02(d,3H),7.85(d,3H),7.79−7.72(mult,12H),7.48−7.35(mult,18H),7.05(dd,3H),6.86(d,3H),1.36(s,27H).
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4a(50g)、化合物L4b(75g)、トルエン(500mL)、イオン交換水(500mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.2g)および炭酸ナトリウム(85g)を加え、90℃で5時間撹拌した。室温へ冷却後、得られた反応液を、セライトを用いてろ過し、得られたろ液をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層に活性炭(5g)を加え、室温で1時間攪拌した後、セライトを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をトルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いて晶析することにより精製した後、減圧乾燥することにより、化合物L4c(65g、収率91%)を白色固体として得た。化合物L4cのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4c(61g)、化合物L4d(550mg)、シクロペンチルメチルエーテル(490mL)、(1,5−シクロオクタジエン)(メトキシ)イリジウム(I)二量体(680mg)および化合物L5d(54g)を加え、105℃で4時間撹拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール(920mL)に加え、攪拌し、ろ過した。得られた固体をトルエン(750mL)に溶解させた後、活性白土(7.5g)を加え、60℃で30分間攪拌した。その後、シリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた濃縮物をトルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いた晶析により精製した後、減圧乾燥することにより、化合物L4e(70g、収率85%)を白色固体として得た。化合物L4eのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4e(69g)、化合物L4f(41g)、トルエン(690mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.7g)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(420g)を加え、85℃で2時間撹拌した。その後、そこへ、トルエン(280mL)を加え、得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をトルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いた晶析により精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物L4g(66g、収率90%)を白色固体として得た。化合物L4gのHPLC面積百分率値は96.0%であった。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4g(66g)、化合物L5d(39g)、[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(2.1g)、酢酸カリウム(38g)および1,2−ジメトキシエタン(DME)(650mL)を加え、85℃で2時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、トルエン(330mL)を加え、セライトを用いてろ過し、得られたろ液をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を減圧濃縮した後、トルエン(550mL)および活性炭(9.8g)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、セライトを用いてろ過し、得られたろ液をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮した。得られた残渣を、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析することによりで精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物L4h(57g、収率80%)を白色固体として得た。化合物L4hのHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4h(57g)、化合物L4i(24g)、トルエン(570mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.2g)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(300g)を加え、64℃で4時間撹拌した。得られた反応液を5℃まで冷却し、5℃で1時間攪拌した後、ろ過した。得られたろ液をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮した。得られた残渣をトルエンおよびメタノールの混合溶媒を用いた再結晶晶析により精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物L4j(45g、収率74%)を白色固体として得た。化合物L4jのHPLC面積百分率値は97.6%であった。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4j(44g)、化合物L5d(23g)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(1.2g)、酢酸カリウム(22g)および1,2−ジメトキシエタン(DME)(440mL)を加え、85℃で3時間攪拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、トルエン(330mL)を加え、セライトを用いてろ過し、得られたろ液をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮した。その後、そこへ、トルエン(750mL)および活性炭(6.6g)を加え、室温で1時間攪拌した後、セライトを用いてろ過した。得られたろ液を、イオン交換水で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮した。得られた残渣を、トルエンおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いた晶析により精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物L4k(41g、収率86%)を白色固体として得た。化合物L4kのHPLC面積百分率値は98.7%であった。
反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4k(15g)、化合物M1b(10g)、トルエン(300mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(270mg)および20重量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(70g)を加え、70℃で1時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却した後、セライトを用いてろ過し、得られたろ液にトルエン(60mL)を加えた。得られた有機層をイオン交換水で洗浄し、得られた有機層を減圧濃縮した。その後、そこへ、トルエン(320mL)および活性炭(2.3)を加え、室温で30分攪拌した後、シリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧留去した。得られた残渣を、酢酸エチルおよびアセトニトリルの混合溶媒を用いて晶析し、次いで、n−ヘプタンを用いて洗浄することにより精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、化合物L4(17g、収率83%)を白色固体として得た。化合物L4のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
1H−NMR(CDCl3,300MHz):δ(ppm)=10.29(d,1H),9.25(d,2H),9.05(dd,1H),8.62(d,2H),8.41(s,1H),8.11(d,3H),8.02−7.97(mult,3H),7.77(d,1H),7.71−7.55(mult,9H),7.48(d,4H),7.39(d,4H),2.21(s,3H),1.40(s,18H).
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、化合物L4(16g)および2−エトキシエタノール(210mL)を加え、95℃まで昇温した。その後、そこへ、イオン交換水(27mL)に溶解させた塩化イリジウム(III)水和物(3.1g)を加え、120℃で4時間攪拌した。得られた反応液から、水と2−エトキシエタノールの混合物(150mL)を留去した後、2−エトキシエタノール(150mL)を加え、125℃で16時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール(70mL)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、ろ過し、得られた残渣を減圧乾燥した。得られた残渣を、トルエンおよびn−ヘキサンの混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した後、減圧乾燥することにより、金属錯体M4a(11g)を赤色固体として得た。金属錯体M4aのHPLC面積百分率値は98.1%であった。
遮光した反応容器内を窒素ガス雰囲気とした後、金属錯体M4a(10g)、化合物L4(4.5g)、トリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(1.8g)、2,6−ルチジン(740mg)およびジエチレングリコールジメチルエーテル(115mL)を加え、150℃で2時間攪拌した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、メタノール(450mL)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、ろ過し、得られた固体をトルエン(230mL)に溶解させた後、シリカゲルを用いてろ過し、得られたろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を、トルエンおよびn−ヘキサンの混合溶媒を用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、次いで、トルエンおよびアセトニトリルを用いた晶析により精製した後、50℃にて一晩減圧乾燥することにより、金属錯体M4(7.2g、収率91%)を赤色固体として得た。金属錯体M4のHPLC面積百分率値は98.3%であった。
1H−NMR(CD2Cl2,300MHz):δ(ppm)=9.02(d,3H),8.76(d,6H),8.59(dd,3H),8.13(d,3H),8.09−8.05(mult,9H),7.77−7.72(mult,12H),7.56(s,6H),7.48−7.28(mult,45H),7.18(d,3H),2.15(s,9H),1.36(s,54H).
金属錯体CM1は、特開2010−43243号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体CM2は、特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体CM3は、特開2006−188673号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体M3のキシレン溶液(0.0008重量%)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルの測定を行った。615nmに発光スペクトルの最大ピークを有する発光が観測され、PLQYは71%であった。
実施例4で合成した金属錯体M4のキシレン溶液(0.0008重量%)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルの測定を行った。622nmに発光スペクトルの最大ピークを有する発光が観測され、PLQYは67%であった。
金属錯体M5のキシレン溶液(0.0008重量%)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルの測定を行った。626nmに発光スペクトルの最大ピークを有する発光が観測され、PLQYは59%であった。
金属錯体CM1のキシレン溶液(0.0008重量%)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルの測定を行った。598nmに発光スペクトルの最大ピークを有する発光が観測され、PLQYは66%であった。
金属錯体CM2のキシレン溶液(0.0008重量%)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルの測定を行った。613nmに発光スペクトルの最大ピークを有する発光が観測され、PLQYは59%であった。
金属錯体CM1のキシレン溶液(0.0008重量%)を用いて、PLQYおよび発光スペクトルの測定を行った。625nmに発光スペクトルの最大ピークを有する発光が観測され、PLQYは57%であった。
Claims (10)
- 下記式(1)で表される金属錯体(但し、下記のIr(L39)3、Ir(L48)3、Ir(L57)3、Ir(L76)3、Ir(L78)3、Ir(L79)3、Ir(L104)3、Ir(L108)3、Ir(L131)3 、Ir(L176)3 、Ir(L209)3 、Ir(L216) 3 及びIr(L222)3を除く。)。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、2つ以上の環が縮合した芳香族炭化水素基、または、2つ以上の環が縮合した複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar1およびAr2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。R11、R12、R13、R14、R15およびR16が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、および、R15とR16は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
- 前記R11、R12、R13、R14、R15およびR16からなる群から選ばれる少なくとも1つが、下記式(D−A)または(D−B)で表される基である、請求項1または2に記載の金属錯体。
mDA1、mDA2およびmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
GDAは、芳香族炭化水素基を表し、この基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2およびArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、この基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2およびArDA3が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
TDAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
mDA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6およびmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
GDAは、芳香族炭化水素基を表し、この基は置換基を有していてもよい。複数存在するGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基を表し、この基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6およびArDA7が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
TDAは、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するTDAは、同一でも異なっていてもよい。] - 前記R14が、前記式(D−A)または(D−B)で表される基である、請求項3または4に記載の金属錯体。
- 前記R14が、前記式(3−1)または(3−2)で表される基である、請求項5に記載の金属錯体。
- 前記R11、R12、R13、R15およびR16が、水素原子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属錯体。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属錯体と、
正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料、酸化防止剤および溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含有する組成物。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の金属錯体を発光層に用いて得られる発光素子。
- 下記式(1M)で表される化合物(但し、下記のL39、L48、L57、L76、L78、L79、L104、L108、L131、L176、L209、L216及びL222を除く。)。
Ar1およびAr2は、それぞれ独立に、2つ以上の環が縮合した芳香族炭化水素基、または、2つ以上の環が縮合した複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
R11およびR12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基または置換アミノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基を表す。R11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、および、R15とR16は、それぞれ結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
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