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JP2019050370A - 発光素子 - Google Patents

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JP2019050370A
JP2019050370A JP2018162630A JP2018162630A JP2019050370A JP 2019050370 A JP2019050370 A JP 2019050370A JP 2018162630 A JP2018162630 A JP 2018162630A JP 2018162630 A JP2018162630 A JP 2018162630A JP 2019050370 A JP2019050370 A JP 2019050370A
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JP2018162630A
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敏明 佐々田
Toshiaki Sasada
敏明 佐々田
大介 福島
Daisuke Fukushima
大介 福島
田中 慎也
Shinya Tanaka
慎也 田中
敦資 麻野
Atsushi Asano
敦資 麻野
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Polyoxymethylene Polymers And Polymers With Carbon-To-Carbon Bonds (AREA)

Abstract

【課題】輝度寿命が優れる発光素子を提供する。【解決手段】陽極及び陰極の間に第1の有機層及び第2の有機層を有し、第1の有機層がデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体及び最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.25eV以下である遷移金属を含まない低分子化合物を含有し、第2の有機層が架橋材料の架橋体を含有し、架橋材料が下記から選ばれる架橋基を有する化合物である発光素子。[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。*1は結合位置を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、発光素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子等の発光素子は、ディスプレイ及び照明の用途に好適に使用することが可能であり、研究開発が行われている。例えば、特許文献1には、架橋基を有する高分子化合物(P0)を含有する有機層と、ホスト材料及び金属錯体(G0)を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。なお、金属錯体(G0)はデンドロンを有さない金属錯体である。また、特許文献2には、架橋基を1種のみ有する高分子化合物(P0’)を含有する有機層と、ホスト材料及び燐光発光性遷移金属錯体を含有する発光層とを有する発光素子が記載されている。なお、高分子化合物(P0’)は架橋基A群から選ばれる架橋基を有さない高分子化合物である。
Figure 2019050370
国際公開第2015/020217号 国際公開第2015/192941号
しかし、上述した発光素子は、輝度寿命が必ずしも十分ではない。
そこで、本発明は、輝度寿命が優れる発光素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[15]を提供する。
[1]
陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、
前記第1の有機層が、デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体、及び、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.25eV以下である、遷移金属を含まない低分子化合物を含有する層であり、
前記第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、
前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる架橋基を有する化合物である、発光素子。
(架橋基A群)
Figure 2019050370
[式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよく、該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
[2]
前記デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体が、式(1)で表される金属錯体である、[1]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
1は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n1+n2は3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n1+n2は2である。
1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E1及びE2の少なくとも一方は炭素原子である。E1及びE2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
環L1は、芳香族複素環を表し、該環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環L2は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
環L1が有していてもよい置換基と、環L2が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
環L1及び環L2の少なくとも一つは、デンドロンを有する。
1−G1−A2は、アニオン性の2座配位子を表す。A1及びA2は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G1は、単結合、又は、A1及びA2とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A1−G1−A2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[3]
前記式(1)で表される金属錯体が、式(1−A)で表される金属錯体である、[2]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
M、n1、n2、E1及びA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
環L1Aは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
但し、環L1Aがデンドロンを有するか、或いは、R21A、R22A、R23A及びR24Aの少なくとも1つが、デンドロンである。
環L2Aは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環を表す。]
[4]
前記式(1−A)で表される金属錯体が、式(1−B1)、式(1−B2)、式(1−B3)、式(1−B4)又は式(1−B5)で表される金属錯体である、[3]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
M、n1、n2、R21A、R22A、R23A、R24A及びA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
11及びn12は、それぞれ独立に、1又は2を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n11+n12は3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n11+n12は2である。
11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
但し、R11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B、R18B、R21A、R22A、R23A及びR24Aの少なくとも1つがデンドロンである。
式(1−B1)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B2)中、R13BとR14B、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R18BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B3)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R11BとR21A、R13BとR14B、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R18BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B4)中、R11BとR18B、R14BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B5)中、R11BとR12B、R12BとR18B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[5]
前記デンドロンが、式(D−A)又は式(D−B)で表される基である、[1]〜[4]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
DA1、mDA2及びmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1、ArDA2及びArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2及びArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2019050370
[式中、
DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
[6]
前記式(D−A)で表される基が、式(D−A1)、式(D−A2)、式(D−A3)、式(D−A4)又は式(D−A5)で表される基である、[5]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
p1、Rp2、Rp3及びRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2及びRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0又は1を表し、np4は0〜4の整数を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
[7]
前記式(D−B)で表される基が、式(D−B1)、式(D−B2)、式(D−B3)、式(D−B4)、式(D−B5)又は式(D−B6)で表される基である、[5]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
[式中、
p1、Rp2、Rp3及びRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2及びRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0又は1を表し、np4は0〜4の整数を表す。複数あるnp1は同一でも異なっていてもよい。複数あるnp2は、それらは同一でも異なっていてもよい。]
[8]
前記架橋材料が、式(2)又は式(2’)で表される構成単位を含む高分子化合物である、[1]〜[7]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar3は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Figure 2019050370
[式中、
mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4及びAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar4、Ar5及びAr6はそれぞれ、該基が結合している窒素原子に結合している該基以外の基と、直接結合して、又は、酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、前記と同じ意味を表す。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
[9]
前記架橋基A群から選ばれる架橋基が、式(XL−1)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される基である、[1]〜[8]のいずれかに記載の発光素子。
[10]
前記遷移金属を含まない低分子化合物が、式(T−1)で表される化合物である、[1]〜[9]のいずれかに記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
T1は、0以上5以下の整数を表す。nT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
T2は、1以上10以下の整数を表す。
ArT1は、置換アミノ基又は1価の複素環基を表し、該1価の複素環基は、環内に二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NRT1'−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
ArT2は、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基、環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基の少なくとも1つを含む縮合環の複素環基、又は、電子求引性基若しくは環内に−C(=O)−で表される基を含む芳香族炭化水素基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[11]
前記ArT1の少なくとも1つが、式(T1−1)で表される基である、[10]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、環内に−C(=O)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環、又は、環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。
T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
[12]
前記式(T1−1)で表される基が、式(T1−1A)、式(T1−1B)、式(T1−1C)又は式(T1−1D)で表される基である、[11]に記載の発光素子。
Figure 2019050370
[式中、
T1は、前記と同じ意味を表す。
T2及びXT3は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基を表す。RXT2及びRXT2'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT2'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
[13]
前記第1の有機層が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、[1]〜[12]のいずれかに記載の発光素子。
[14]
前記第1の有機層と前記第2の有機層とが隣接している、[1]〜[13]のいずれかに記載の発光素子。
[15]
前記第2の有機層が、前記陽極及び前記第1の有機層との間に設けられた層である、[1]〜[14]のいずれかに記載の発光素子。
本発明によれば、輝度寿命が優れる発光素子を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
<共通する用語の説明>
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i-Prはイソプロピル基、t-Buはtert-ブチル基を表す。
水素原子は、重水素原子であっても、軽水素原子であってもよい。
金属錯体を表す式中、中心金属との結合を表す実線は、共有結合又は配位結合を意味する。
「高分子化合物」とは、分子量分布を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が1×103〜1×108である重合体を意味する。
高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよい。
高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、高分子化合物を発光素子の作製に用いた場合、発光特性又は輝度寿命が低下する可能性があるので、好ましくは安定な基である。高分子化合物の末端基としては、好ましくは主鎖と共役結合している基であり、例えば、炭素−炭素結合を介して高分子化合物の主鎖と結合するアリール基又は1価の複素環基が挙げられる。
「低分子化合物」とは、分子量分布を有さず、分子量が1×104以下の化合物を意味する。
「構成単位」とは、高分子化合物中に1個以上存在する単位を意味する。
「アルキル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。分岐のアルキル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
アルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2-エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、3-プロピルヘプチル基、デシル基、3,7-ジメチルオクチル基、2-エチルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、ドデシル基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基(例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3-フェニルプロピル基、3-(4-メチルフェニル)プロピル基、3-(3,5-ジ-ヘキシルフェニル)プロピル基、6-エチルオキシヘキシル基)が挙げられる。
「シクロアルキル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜50であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜20である。
シクロアルキル基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基が挙げられる。
「アリール基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個を除いた残りの原子団を意味する。アリール基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜20であり、より好ましくは6〜10である。
アリール基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、1-アントラセニル基、2-アントラセニル基、9-アントラセニル基、1-ピレニル基、2-ピレニル基、4-ピレニル基、2-フルオレニル基、3-フルオレニル基、4-フルオレニル基、2-フェニルフェニル基、3-フェニルフェニル基、4-フェニルフェニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「アルコキシ基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜40であり、好ましくは4〜10である。分岐のアルコキシ基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert-ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7-ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「シクロアルコキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜40であり、好ましくは4〜10である。
シクロアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
「アリールオキシ基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜48である。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェノキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、1-アントラセニルオキシ基、9-アントラセニルオキシ基、1-ピレニルオキシ基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子等で置換された基が挙げられる。
「p価の複素環基」(pは、1以上の整数を表す。)とは、複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団を意味する。p価の複素環基の中でも、芳香族複素環式化合物から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうちp個の水素原子を除いた残りの原子団である「p価の芳香族複素環基」が好ましい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも、複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、及び、これらの基における水素原子が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基等で置換された基が挙げられる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示す。
「アミノ基」は、置換基を有していてもよく、置換アミノ基が好ましい。アミノ基が有する置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基が好ましい。
置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4-メチルフェニル)アミノ基、ビス(4-tert-ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5-ジ-tert-ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。
「アルケニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。直鎖のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜30であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルケニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルケニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルケニル基及びシクロアルケニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、7-オクテニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アルキニル基」は、直鎖及び分岐のいずれでもよい。アルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常2〜20であり、好ましくは3〜20である。分岐のアルキニル基の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
「シクロアルキニル基」の炭素原子数は、置換基の炭素原子を含めないで、通常4〜30であり、好ましくは4〜20である。
アルキニル基及びシクロアルキニル基は、置換基を有していてもよく、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられる。
「アリーレン基」は、芳香族炭化水素から環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子2個を除いた残りの原子団を意味する。アリーレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
アリーレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、ナフタセンジイル基、フルオレンジイル基、ピレンジイル基、ペリレンジイル基、クリセンジイル基、及び、これらの基が置換基を有する基が挙げられ、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基である。アリーレン基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
[式中、R及びRaは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。複数存在するR及びRaは、各々、同一でも異なっていてもよく、Ra同士は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
2価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは、3〜20であり、より好ましくは、4〜15である。
2価の複素環基は、置換基を有していてもよく、例えば、ピリジン、ジアザベンゼン、トリアジン、アザナフタレン、ジアザナフタレン、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾシロール、フェノキサジン、フェノチアジン、アクリジン、ジヒドロアクリジン、フラン、チオフェン、アゾール、ジアゾール、トリアゾールから、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合している水素原子のうち2個の水素原子を除いた2価の基が挙げられ、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。2価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
[式中、R及びRaは、前記と同じ意味を表す。]
「架橋基」とは、加熱処理、紫外線照射処理、近紫外線照射処理、可視光照射処理、赤外線照射処理、ラジカル反応等に供することにより、新たな結合を生成することが可能な基であり、好ましくは、架橋基A群の式(XL-1)〜式(XL-17)で表される架橋基である。
「置換基」とは、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、置換アミノ基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基又はシクロアルキニル基を表す。置換基は架橋基であってもよい。
「デンドロン」とは、原子又は環を分岐点とする規則的な樹枝状分岐構造を有する基である。なお、デンドロンを部分構造として有する金属錯体(以下、「デンドロンを有する金属錯体」ともいう。)としては、例えば、国際公開第02/067343号、特開2003−231692号公報、国際公開第2003/079736号、国際公開第2006/097717号等に記載の構造が挙げられる。本明細書において、アリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基は、デンドロンであってもよい。デンドロンとしては、好ましくは、式(D-A)又は式(D-B)で表される基である。
[式(D-A)又は式(D-B)で表される基]
DA1〜mDA7は、通常10以下の整数であり、好ましくは5以下の整数であり、より好ましくは2以下の整数であり、更に好ましくは0又は1である。mDA2〜mDA7は、同一の整数であることが好ましい。
DAは、好ましくは芳香族炭化水素基又は複素環基であり、より好ましくはベンゼン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環又はカルバゾール環から環を構成する炭素原子又は窒素原子に直接結合する水素原子3個を除いてなる基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DAが有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、更に好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
DAは、好ましくは式(GDA-11)〜式(GDA-15)で表される基であり、より好ましくは式(GDA-11)〜式(GDA-14)で表される基であり、更に好ましくは式(GDA-11)又は式(GDA-14)で表される基である。
Figure 2019050370
[式中、
*は、式(D-A)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA1、式(D-B)におけるArDA2、または、式(D-B)におけるArDA3との結合を表す。
**は、式(D-A)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA2、式(D-B)におけるArDA4、または、式(D-B)におけるArDA6との結合を表す。
***は、式(D-A)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA3、式(D-B)におけるArDA5、または、式(D-B)におけるArDA7との結合を表す。
DAは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基または1価の複素環基を表し、これらの基は更に置換基を有していてもよい。RDAが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DAは、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はシクロアルコキシ基であり、より好ましくは水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1〜ArDA7は、好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はカルバゾールジイル基であり、より好ましくは式(ArDA-1)〜式(ArDA-5)で表される基であり、更に好ましくは式(ArDA-1)〜式(ArDA-3)で表される基であり、特に好ましくは式(ArDA-2)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019050370
[式中、
DAは、前記と同じ意味を表す。
DBは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RDBが複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
DBは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArDA1〜ArDA7が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、GDAが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
DAは、好ましくは式(TDA-1)〜式(TDA-3)で表される基であり、より好ましくは式(TDA-1)で表される基である。
Figure 2019050370
[式中、RDA及びRDBは、前記と同じ意味を表す。]
式(D-A)で表される基は、好ましくは式(D-A1)〜式(D-A5)で表される基であり、より好ましくは式(D-A1)又は式(D-A3)〜式(D-A5)で表される基であり、更に好ましくは式(D-A1)、式(D-A3)又は式(D-A5)で表される基である。
式(D-B)で表される基は、好ましくは式(D-B1)〜式(D-B6)で表される基であり、より好ましくは式(D-B1)、式(D-B3)又は式(D-B5)で表される基であり、更に好ましくは式(D-B1)で表される基である。
p1〜Rp6におけるアルキル基又はシクロアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基又はtert−オクチル基である。
p1〜Rp6におけるアルコキシ基又はシクロアルコキシ基としては、好ましくは、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基又はシクロへキシルオキシ基である。
p1〜Rp6は、好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいシクロアルキル基であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基又はtert−オクチル基である。
デンドロンとしては、例えば、式(D−A−1)〜式(D−A−12)で表される基及び式(D−B−1)〜式(D−B−7)で表される基が挙げられる。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
[式中、RDは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、tert−オクチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基又はシクロへキシルオキシ基を表す。RDが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
Dは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基又はtert−オクチル基であることが好ましい。
<発光素子>
本発明の発光素子は、陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、前記第1の有機層が、デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体、及び、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.25eV以下である、遷移金属を含まない低分子化合物を含有する層であり、前記第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる架橋基を有する化合物である、発光素子である。
第1の有機層及び第2の有機層の形成方法としては、例えば、真空蒸着法等の乾式法、並びに、スピンコート法及びインクジェット印刷法等の湿式法が挙げられ、湿式法が好ましい。
第1の有機層を湿式法により形成する場合、後述する第1のインクを用いることが好ましい。
第2の有機層を湿式法により形成する場合、後述する第2のインクを用いることが好ましい。第2の有機層を形成後、加熱又は光照射することで、第2の有機層に含有される架橋材料を架橋させることができ、加熱することで、第2の有機層に含有される架橋材料を架橋させることが好ましい。架橋材料が架橋した状態(架橋材料の架橋体)で、第2の有機層に含有されている場合、第2の有機層は溶媒に対して実質的に不溶化されている。そのため、第2の有機層は、発光素子の積層化に好適に使用することができる。
架橋させるための加熱の温度は、通常、25℃〜300℃であり、好ましくは50℃〜260℃であり、より好ましくは130℃〜230℃であり、更に好ましくは180℃〜210℃である。
加熱の時間は、通常、0.1分〜1000分であり、好ましくは0.5分〜500分であり、より好ましくは1分〜120分であり、更に好ましくは10分〜60分である。
光照射に用いられる光の種類は、例えば、紫外光、近紫外光、可視光である。
第1の有機層又は第2の有機層に含有される成分の分析方法としては、例えば、抽出等の化学的分離分析法、赤外分光法、核磁気共鳴分光法、質量分析法等の機器分析法、並びに、化学的分離分析法及び機器分析法を組み合わせた分析法が挙げられる。
第1の有機層又は第2の有機層に対して、トルエン、キシレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の有機溶媒を用いた固液抽出を行うことで、有機溶媒に対して実質的に不溶な成分(不溶成分)と、有機溶媒に対して溶解する成分(溶解成分)とに分離することが可能である。不溶成分は赤外分光法又は核磁気共鳴分光法により分析することが可能であり、溶解成分は核磁気共鳴分光法又は質量分析法により分析することが可能である。
<デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体>
「燐光発光性遷移金属錯体」は、通常、室温(25℃)で燐光発光性を示す化合物を意味し、好ましくは、室温で三重項励起状態からの発光を示す金属錯体である。この三重項励起状態からの発光を示す金属錯体は、中心金属原子及び配位子を有する。
中心金属原子としては、例えば、原子番号40以上の原子で、錯体にスピン−軌道相互作用があり、一重項状態と三重項状態との間の項間交差を起こし得る金属原子が挙げられる。金属原子としては、例えば、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子及び白金原子が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくはイリジウム原子又は白金原子である。
配位子としては、例えば、中心金属原子との間に、配位結合及び共有結合からなる群から選ばれる少なくとも1種の結合を形成する、中性若しくはアニオン性の単座配位子、又は、中性若しくはアニオン性の多座配位子が挙げられる。中心金属原子と配位子との間の結合としては、例えば、金属−窒素結合、金属−炭素結合、金属−酸素結合、金属−リン結合、金属−硫黄結合及び金属−ハロゲン結合が挙げられる。多座配位子とは、通常、2座以上6座以下の配位子を意味する。
[式(1)で表される金属錯体]
デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(1)で表される金属錯体であることが好ましい。
Mは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、イリジウム原子又は白金原子であることが好ましく、イリジウム原子であることがより好ましい。
Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n1は2又は3であることが好ましく、3であることがより好ましい。
Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n1は2であることが好ましい。
1及びE2は、炭素原子であることが好ましい。
環L1における芳香族複素環の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜15である。環L1は、5員の芳香族複素環又は6員の芳香族複素環であることが好ましく、2つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する5員の芳香族複素環又は1つ以上4つ以下の窒素原子を構成原子として有する6員の芳香族複素環であることがより好ましく、これらの環は置換基を有していてもよい。但し、環L1が6員の芳香族複素環である場合、E1は炭素原子であることが好ましい。
環L1としては、例えば、ジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、トリアジン環、アザナフタレン環及びジアザナフタレン環が挙げられ、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環であり、更に好ましくは、ピリジン環、キノリン環又はイソキノリン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環L2における芳香族炭化水素環の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。環L2における芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環及びこれらの環が2個以上5個以下縮合した環が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、フェナントレン環又はジヒドロフェナントレン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環又はジヒドロフェナントレン環であり、更に好ましくは、ベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環L2における芳香族複素環の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜15である。環L2における芳香族複素環としては、ピロール環、ジアゾール環、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環及びこれらの環に芳香環が1個以上5個以下縮合した環が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、更に好ましくは、ピリジン環又はジアザベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。環R2が6員の芳香族複素環である場合、E2は炭素原子であることが好ましい。
環L2は、本発明の発光素子の輝度寿命が更に優れるので、好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、ジヒドロフェナントレン環、ピリジン環、ジアザベンゼン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環であり、更に好ましくはベンゼン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
「環L1及び環L2の少なくとも一つは、デンドロンを有する。」とは、複数存在する環L1及び環L2のうち、少なくとも1つの環を構成する原子(好ましくは、炭素原子又は窒素原子)に直接結合する水素原子の一部又は全部が、デンドロンで置換されていることを意味する。式(1)で表される金属錯体において、環L1及び環L2が複数存在する場合、複数存在する環L1及び環L2のうち、少なくとも1つがデンドロンを有していればよいが、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、複数存在する環L1の全て、複数存在する環L2の全て、又は、複数存在する環L1及び環L2の全てが、デンドロンを有することが好ましく、複数存在する環L1の全て、又は、複数存在する環L2の全てが、デンドロンを有することがより好ましい。
環L1及び環L2が有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
環L1及び環L2が有していてもよい置換基におけるアリール基としては、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、フェントレニル基、ジヒドロフェントレニル基又はフルオレニル基が好ましく、フェニル基又はフルオレニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L1及び環L2が有していてもよい置換基における1価の複素環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基又はカルバゾリル基がより好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基又はトリアジニル基が更に好ましく、トリアジニル基が特に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
環L1及び環L2が有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、環L1及び環L2が有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、環L1及び環L2が有していてもよい置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
環L1及び環L2が有していてもよい置換基において、アリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基のうち、少なくとも1つはデンドロンであることが好ましい。
環L1及び環L2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
環L1が有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。環L2が有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。環L1が有していてもよい置換基と、環L2が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
[アニオン性の2座配位子]
1−G1−A2で表されるアニオン性の2座配位子としては、例えば、下記式で表される配位子が挙げられる。。但し、A1−G1−A2で表されるアニオン性の2座配位子は、添え字n1でその数を定義されている配位子とは異なる。
Figure 2019050370
[式中、*は、Mと結合する部位を表す。]
式(1)で表される金属錯体は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(1−A)で表される金属錯体であることが好ましい。
環L1Aは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環又はジアザナフタレン環であり、より好ましくは、ピリジン環、キノリン環又はイソキノリン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
環L1Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、環L1及び環L2が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
環L1Aが有していてもよい置換基が複数存在する場合、それらは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
環L2Aがピリジン環である場合、E21Aが窒素原子であるピリジン環、E22Aが窒素原子であるピリジン環、又は、E23Aが窒素原子であるピリジン環が好ましく、E22Aが窒素原子であるピリジン環がより好ましい。
環L2Aがジアザベンゼン環である場合、E21A及びE23Aが窒素原子であるピリミジン環、又は、E22A及びE24Aが窒素原子であるピリミジン環が好ましく、E22A及びE24Aが窒素原子であるピリミジン環がより好ましい。
環L2Aは、ベンゼン環であることが好ましい。
21A〜E24Aは、炭素原子であることが好ましい。
21A〜R24Aは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
21A及びR24Aは、更に好ましくは、水素原子である。
環L2Aがデンドロンを有する場合、R22A又はR23Aがデンドロンであることが好ましく、R22Aがデンドロンであることがより好ましい。
21A〜R24Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、環L1及び環L2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
21A〜R24Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、環L1及び環L2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
式(1−A)で表される金属錯体は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(1−A1)〜式(1−A4)又は式(1−B1)〜式(1−B5)で表される金属錯体であり、より好ましくは、式(1−B1)〜式(1−B5)で表される金属錯体であり、更に好ましくは式(1−B1)〜式(1−B3)で表される金属錯体であり、特に好ましくは式(1−B1)で表される金属錯体である。
[式(1−A1)〜式(1−A4)で表される金属錯体]
Figure 2019050370
[式中、M、n1、n2、R21A〜R24A及びA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
11A〜R13Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11A〜R13Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
式(1−A1)中、R11AとR21Aとは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−A2)中、R12AとR13Aとは互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−A3)及び式(1−A4)中、R11AとR12A、R12AとR13A、及び、R11AとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
式(1−A1)及び式(1−A3)中、R11Aは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1−A3)中、R12Aは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1−A2)及び式(1−A4)中、R12Aは、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1−A4)中、R11Aは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(1−A1)〜式(1−A4)中、R13Aは、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
11A〜R13Aにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、環L1及び環L2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
11A〜R13Aが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、環L1及び環L2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(1−A1)〜式(1−A4)中、R21A〜R24Aの少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R22A又はR23Aがデンドロンであることがより好ましく、R22Aがデンドロンであることが更に好ましい。
式(1−A1)〜式(1−A4)中、R11AとR12A、R12AとR13A、及び、R11AとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
[式(1−B1)〜式(1−B5)で表される金属錯体]
11B〜R18Bは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、より好ましくは、水素原子、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
11B、R14B〜R18Bは、金属錯体の合成が容易になるので、好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
12Bは、本発明の発光素子の輝度寿命が更に優れるので、好ましくは、水素原子又はデンドロンであり、より好ましくは、水素原子であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
13Bは、本発明の発光素子の輝度寿命が更に優れるので、好ましくは、水素原子又はデンドロンであり、これらの基は置換基を有していてもよい。
11B〜R18Bにおけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、環L1及び環L2が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
11B〜R18Bが有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、環L1及び環L2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(1−B1)中、R11B〜R14B及びR21A〜R24Aの少なくとも1つはデンドロンであり、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、R12B、R13B、R22A及びR23Aの少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R13B及びR22Aの少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましく、R13B又はR22Aがデンドロンであることが更に好ましい。
式(1−B2)中、R13B〜R18B及びR21A〜R24Aの少なくとも1つはデンドロンであり、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、R13B、R22A及びR23Aの少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R22A及びR23Aの少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましく、R22Aがデンドロンであることが更に好ましい。
式(1−B3)中、R11B〜R18B及びR21A〜R24Aの少なくとも1つはデンドロンであり、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、R12B、R13B、R22A及びR23Aの少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R13B及びR22Aの少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましく、R13B又はR22Aがデンドロンであることが更に好ましい。
式(1−B4)中、R11B、R14B〜R18B及びR21A〜R24Aの少なくとも1つはデンドロンであり、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、R22A及びR23Aの少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R22Aの少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましく、R22Aがデンドロンであることが更に好ましい。
式(1−B5)中、R11B、R12B、R15B〜R18B及びR21A〜R24Aの少なくとも1つはデンドロンであり、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、R22A及びR23Aの少なくとも1つがデンドロンであることが好ましく、R22Aの少なくとも1つがデンドロンであることがより好ましく、R22Aがデンドロンであることが更に好ましい。
式(1−B1)〜式(1−B5)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、R11BとR21A、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、R18BとR21A、R11BとR18B、R14BとR15B、及び、R12BとR18Bは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成しないことが好ましい。
デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体としては、例えば、下記式で表される金属錯体が挙げられる。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体は、例えば、「Journal of the American Chemical Society,Vol.107,1431−1432(1985)」、「Journal of the American Chemical Society,Vol.106,6647−6653(1984)」、特表2004−530254号公報、特開2008−179617号公報、特開2011−105701号公報、特表2007−504272号公報、国際公開第2006/121811号、特開2013−147450号公報、特開2014−224101号公報に記載されている方法に従って合成することができる。
[化合物(T)]
第1の有機層に含有される遷移金属を含まない低分子化合物(以下、「化合物(T)」という。)は、熱活性化遅延蛍光(TADF)性の化合物であることが好ましい。
化合物(T)の分子量は、通常1×102〜1×104であり、好ましくは2×102〜5×103であり、より好ましくは3×102〜3×103であり、更に好ましくは5×102〜1.5×103である。
化合物(T)において、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値(以下、「ΔEST」という。)は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0.20eV以下であり、より好ましくは0.16eV以下であり、更に好ましくは0.13eV以下である。また、ΔESTは、好ましくは0.0001eV以上であり、より好ましくは0.001eV以上であり、更に好ましくは0.005eVであり、特に好ましくは0.01eV以上であり、とりわけ好ましくは0.05eV以上である。
化合物のΔESTの値の算出は、B3LYPレベルの密度汎関数法により、化合物の基底状態を構造最適化する。その際、基底関数としては、6−31G*を用いる。そして、得られた構造最適化された構造を用いて、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、化合物のΔESTを算出する。但し、6−31G*が使用できない原子を含む場合は、該原子に対してはLANL2DZを用いる。なお、量子化学計算プログラムとしては、Gaussian09を用いて計算する。
化合物(T)は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、式(T−1)で表される化合物であることが好ましい。
T1は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0以上3以下の整数であり、より好ましくは0又は1である。
T2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは1以上5以下の整数であり、より好ましくは1又は2である。
「二重結合を有さない窒素原子」とは、窒素原子と、その窒素原子と結合するすべての原子との間に単結合のみを有する窒素原子を意味する。
「環内に二重結合を有さない窒素原子を含む」とは、環内に−N(−RN)−(式中、RNは水素原子又は置換基を表す。)又は式:
Figure 2019050370
で表される基を含むことを意味する。
環内に二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない1価の複素環基(以下、「1価のドナー型複素環基」という。)において、環を構成する二重結合を有さない窒素原子の数は、通常、1〜10であり、好ましくは1〜5であり、より好ましくは1〜3であり、更に好ましくは1又は2である。
1価のドナー型複素環基において、環を構成する炭素原子の数は、通常2〜60であり、好ましくは5〜40であり、より好ましくは10〜25である。
1価のドナー型複素環基としては、例えば、ピロール環、インドール環、カルバゾール環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環、インデノカルバゾール環、又は、これらの複素環に芳香族炭化水素環及び/若しくは複素環が1個以上5個縮合した環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられ、これらの基は置換基を有していてもよい。但し、複素環に縮合してもよい芳香族炭化水素環は、環内に−C(=O)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環である。複素環に縮合してもよい複素環は、環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない複素環である。
「環内に−C(=O)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
環内に−C(=O)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環及びこれらの環が2個以上5個以下縮合した環が挙げられ、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環又はジヒドロフェナントレン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環又はスピロビフルオレン環であり、更に好ましくは、ベンゼン環又はフルオレン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
「環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない複素環」の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない複素環としては、ピロール環、フラン環、チオフェン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ジベンゾシロール環、ジベンゾホスホール環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、これらの環に環内に−C(=ZT1)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環が1個以上5個以下縮合した環、及び、これらの環が2個以上5個以下縮合した環が挙げられ、好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環であり、より好ましくは、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
1価のドナー型複素環基は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、カルバゾール環、9,10−ジヒドロアクリジン環、5,10−ジヒドロフェナジン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、より好ましくは、カルバゾール環、インドロカルバゾール環又はインデノカルバゾール環から、環を構成する炭素原子又はヘテロ原子に直接結合する水素原子1個を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1における置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、後述のArT1が有していてもよい置換基における置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基としては、好ましくは、フェニル基、ナフチル基、フェントレニル基、ジヒドロフェントレニル基又はフルオレニル基が好ましく、フェニル基又はフルオレニル基がより好ましく、フェニル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基における1価の複素環基としては、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、フェノキサジニル基又はフェノチアジニル基が好ましく、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基又はカルバゾリル基がより好ましく、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基又はカルバゾリル基が更に好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基における置換アミノ基において、アミノ基が有する置換基としては、アリール基又は1価の複素環基が好ましく、アリール基がより好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。アミノ基が有する置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。アミノ基が有する置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基における1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基であり、より好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であり、更に好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT1の少なくとも1つは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、1価のドナー型複素環基であり、より好ましくは、式(T1−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT1は、本発明の発光素子の輝度寿命が更に優れるので、好ましくは、1価のドナー型複素環基であり、より好ましくは、式(T1−1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
・式(T1−1)で表される基
環RT1及び環RT2が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
環RT1及び環RT2のうち、少なくとも1つは、環内に−C(=O)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環であることが好ましく、該環は置換基を有していてもよい。
環RT1及び環RT2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、フェノキサジン環、フェノチアジン環、9,10−ジヒドロアクリジン環又は5,10−ジヒドロフェナジン環であり、より好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、カルバゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環であり、更に好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環又はカルバゾール環であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
T1は、好ましくは、単結合、酸素原子、硫黄原子又は−C(RXT1')2−で表される基であり、より好ましくは単結合、酸素原子又は硫黄原子であり、更に好ましくは単結合である。
XT1は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、更に好ましくは、アリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
XT1'は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは、アルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
複数存在するRXT1'は、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成しないことが好ましい。
XT1及びRXT1'におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
XT1及びRXT1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(T1−1)で表される基は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(T1−1A)〜式(T1−1D)で表される基であり、より好ましくは、式(T1−1A)〜式(T1−1C)で表される基である。
T2及びXT3は、好ましくは、単結合、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基である。XT2及びXT3のうち、少なくとも一方は単結合であることが好ましく、XT3が単結合であることがより好ましい。XT2及びXT3のうち、少なくとも一方が単結合である場合、もう一方は酸素原子、硫黄原子、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基であることが好ましく、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基であることがより好ましい。
XT2の例及び好ましい範囲は、RXT1の例及び好ましい範囲と同じである。
XT2'の例及び好ましい範囲は、RXT1'の例及び好ましい範囲と同じである。
XT2及びRXT2'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、RXT1及びRXT1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1〜RT12は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることが好ましく、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、1価の複素環基又は置換アミノ基であることがより好ましく、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基であることが更に好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(T1−1A)中、RT1、RT2、RT4、RT5、RT7及びRT8は、水素原子であることが特に好ましい。
式(T1−1B)〜式(T1−1D)中、RT1〜RT12は、水素原子であることが特に好ましい。
T1〜RT12におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基、1価の複素環基及び置換アミノ基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1〜RT12が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1は、アリーレン基又は2価の複素環基であることが好ましく、アリーレン基であることがより好ましく、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1で表されるアリーレン基としては、好ましくは、式(A−1)〜式(A−9)、式(A−19)又は式(A−20)で表される基であり、より好ましくは、式(A−1)〜式(A−3)、式(A−8)又は式(A−9)で表される基であり、更に好ましくは、式(A−1)又は(A−2)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
T1で表される2価の複素環基としては、好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−6)、式(AA−10)〜式(AA−15)又は式(AA−18)〜式(AA−22)で表される基であり、より好ましくは、式(AA−1)〜式(AA−4)、式(AA−10)〜式(AA−15)である。
T1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
T1'は、好ましくは、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲は、それぞれ、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基及び1価の複素環基の例及び好ましい範囲と同じである。RT1'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
ArT2における芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
ArT2における芳香族炭化水素基は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、電子求引性基又は環内に−C(=O)−で表される基を含む芳香族炭化水素基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環内に−C(=O)−で表される基を含む芳香族炭化水素基としては、ナフトキノン環、アントラキノン環、フェナントキノン環、インデノン環、フルオレノン環、テトラロン環、これらの環にベンゼン環が1個以上5個以下縮合した環、又は、これらの環が2個以上5個以下縮合した環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられ、好ましくは、ナフトキノン環、アントラキノン環、フェナントレンキノン環、フルオレノン環又はフェナントレンオン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2において、環内に−C(=O)−で表される基を含む芳香族炭化水素基以外の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、フルオレン環、フェナントレン環、ジヒドロフェナントレン環、又は、これらの環が2個以上5個以下縮合した環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、ベンゼン環、フルオレン環、スピロビフルオレン環、フェナントレン環又はジヒドロフェナントレン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、より好ましくは、ベンゼン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの環は置換基を有していてもよい。
電子求引性基を含む芳香族炭化水素基は、置換基として電子求引性基を有する芳香族炭化水素基であることが好ましく、この基は電子求引性基以外の置換基を有していてもよい。
電子求引性基としては、例えば、フッ素原子を置換基として有するアルキル基、フッ素原子、シアノ基、ニトロ基、アシル基及びカルボキシル基が挙げられ、好ましくは、シアノ基である。
フッ素原子を置換基として有するアルキル基としては、好ましくは、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基である。
電子求引性基を含む芳香族炭化水素基において、芳香族炭化水素基が有する電子求引性基の数は、通常、1〜10個であり、好ましくは、1〜5個であり、より好ましくは、1個又は2個である。
ArT2における複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは2〜30であり、より好ましくは3〜15である。
ArT2における複素環基としては、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基、又は、環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基であり、より好ましくは、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基としては、トリアゾール環、オキサジアゾール環、チアジアゾール環、ジアザベンゼン環又はトリアジン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基が挙げられ、好ましくは、トリアゾール環、ジアザベンゼン環又はトリアジン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、より好ましくは、ピリミジン環又はトリアジン環から、環を構成する炭素原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基としては、ベンゾチオフェンジオキシド環、ベンゾチオフェンオキシド環、ベンゾピラノン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアザナフタレン環、アザインドール環、ジアザインドール環、キノリノン環、ベンゾジアゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサジアゾール環、ベンゾチアジアゾール環、これらの環に芳香環が1個以上5個以下縮合した環、又は、これらの環が2個以上5個以下縮合した環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、好ましくは、ジベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾチオフェンオキシド環、ジベンゾピラノン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環、アザフェナントレン環、ジアザフェナントレン環、アザカルバゾール環、ジアザカルバゾール環、又は、アクリドン環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、より好ましくは、ジベンゾチオフェンジオキシド環、ジベンゾピラノン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、アザアントラセン環、ジアザアントラセン環又はジアザフェナントレン環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、更に好ましくは、ジベンゾチオフェンジオキシド環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基は、好ましくは、環内に−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基であり、より好ましくは−S(=O)2−で表される基を含む縮合環の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基において、環内に含まれる−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基の合計の個数は、通常、1〜10個であり、好ましくは1〜5個であり、より好ましくは1〜3個であり、更に好ましくは、1個である。
ArT2において、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基、並びに、環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基以外の複素環基としては、好ましくは、ピリジン環、ジアゾール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個以上を除いた基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基、環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基、又は、電子求引性基若しくは環内に−C(=O)−で表される基を含む芳香族炭化水素基であり、より好ましくは、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基、又は、環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1つの基を含む縮合環の複素環基であり、更に好ましくは、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2が有していてもよい置換基(後述の式(1T’)で表される基とは異なる。以下、同様である。)としては、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基又は電子求引性基であり、より好ましくは、アルキル基、アリール基、1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基又は電子求引性基であり、更に好ましくは、アルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2が有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基におけるアリール基の例及び好ましい範囲と同じである。
1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基としては、好ましくは、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、アザカルバゾリル基、又はジアザカルバゾリル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArT2が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
式(T−1)で表される化合物は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−16)で表される化合物であり、より好ましくは、式(T’−1)〜式(T’−5)又は式(T’−10)〜式(T’−12)で表される化合物であり、更に好ましくは、式(T’−1)又は式(T’−3)で表される化合物であり、特に好ましくは、式(T’−3)で表される化合物である。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
[式中、
X1は、酸素原子、硫黄原子又は−N(R1T)−で表される基を表す。
X2は、=N−で表される基又は=C(R1T)−で表される基を表す。
X3は、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基又は−S(=O)2−で表される基を表す。
X4は、酸素原子、硫黄原子、−N(R1T)−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基又は−S(=O)2−で表される基を表す。
1T及びR1T'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
複数存在するR1Tは、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するR1Tのうち、少なくとも1個は式(1T’)で表される基である。
複数存在するR1T'は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するR1T'のうち、少なくとも1個は式(1T’)で表される基であり、且つ、少なくとも1個は電子求引性基である。]
X1は、好ましくは、−N(R1T)−で表される基である。
X3は、好ましくは、−C(=O)−で表される基又は−S(=O)2−で表される基であり、より好ましくは−S(=O)2−で表される基である。
X4は、好ましくは、酸素原子、硫黄原子、−N(R1T)−で表される基、−C(=O)−で表される基又は−S(=O)2−で表される基であり、より好ましくは酸素原子、硫黄原子又は−N(R1T)−で表される基であり、更に好ましくは酸素原子である。
複数存在するR1Tのうち、nT2個は式(1T’)で表される基であることが好ましい。
複数存在するR1T'のうち、nT2個は式(1T’)で表される基であることが好ましい。
複数存在するR1T'のうち、1〜5個は電子求引性基であることが好ましく、1〜3個は電子求引性基であることがより好ましく、1個又は2個は電子求引性基であることが更に好ましい。
Figure 2019050370
[式中、LT1、nT1及びArT1は、前記と同じ意味を表す。]
1Tは、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基又は式(1T’)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、アリール基又は式(1T’)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1T'は、好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、1価のドナー型複素環基以外の1価の複素環基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、より好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、更に好ましくは、水素原子、電子求引性基又は式(1T’)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
1T及びR1T'が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArT1が有していてもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
化合物(T)としては、例えば、下記式で表される化合物が挙げられる。なお、式中、Z1は、−N=で表される基、又は、−CH=で表される基を表す。Z2は、酸素原子又は硫黄原子を表す。Z3は、−C(=O)−で表される基又は−S(=O)2−で表される基を表す。Z1〜Z3が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
1は−N=で表される基であることが好ましい。Z2は酸素原子であることが好ましい。Z3は、−S(=O)2−で表される基であることが好ましい。
化合物(T)は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.等から入手可能であるし、例えば、国際公開第2007/063754号、国際公開第2008/056746号、国際公開第2011/032686号、国際公開第2012/096263号、特開2009−227663号公報、特開2010−275255号公報、Advanced Materials(Adv.Mater),26巻,7931−7958頁,2014年に記載されている方法に従って合成してもよい。
[第1の組成物]
第1の有機層は、化合物(T)と、デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む組成物(以下、「第1の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。但し、第1の組成物において、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料及び発光材料と、化合物(T)とは異なる。第1の組成物において、発光材料はデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体とは異なる。
[正孔輸送材料]
正孔輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類され、好ましくは高分子化合物である。正孔輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
高分子化合物としては、例えば、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体;側鎖又は主鎖に芳香族アミン構造を有するポリアリーレン及びその誘導体が挙げられる。高分子化合物は、電子受容性部位が結合された化合物でもよい。電子受容性部位としては、例えば、フラーレン、テトラフルオロテトラシアノキノジメタン、テトラシアノエチレン、トリニトロフルオレノン等が挙げられ、好ましくはフラーレンである。
第1の組成物において、正孔輸送材料の配合量は、化合物(T)とデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体との合計を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
正孔輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[電子輸送材料]
電子輸送材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。電子輸送材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、8-ヒドロキシキノリンを配位子とする金属錯体、オキサジアゾール、アントラキノジメタン、ベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノン、テトラシアノアントラキノジメタン、フルオレノン、ジフェニルジシアノエチレン及びジフェノキノン、並びに、これらの誘導体が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリフェニレン、ポリフルオレン、及び、これらの誘導体が挙げられる。高分子化合物は、金属でドープされていてもよい。
第1の組成物において、電子輸送材料の配合量は、化合物(T)とデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体との合計を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
電子輸送材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[正孔注入材料及び電子注入材料]
正孔注入材料及び電子注入材料は、各々、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。正孔注入材料及び電子注入材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、銅フタロシアニン等の金属フタロシアニン;カーボン;モリブデン、タングステン等の金属酸化物;フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カリウム等の金属フッ化物が挙げられる。
高分子化合物としては、例えば、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフェニレンビニレン、ポリチエニレンビニレン、ポリキノリン及びポリキノキサリン、並びに、これらの誘導体;芳香族アミン構造を主鎖又は側鎖に含む重合体等の導電性高分子が挙げられる。
第1の組成物において、正孔注入材料及び電子注入材料の配合量は、各々、化合物(T)とデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体との合計を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
電子注入材料及び正孔注入材料は、各々、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[イオンドープ]
正孔注入材料又は電子注入材料が導電性高分子を含む場合、導電性高分子の電気伝導度は、好ましくは、1×10-5S/cm〜1×103S/cmである。導電性高分子の電気伝導度をかかる範囲とするために、導電性高分子に適量のイオンをドープすることができる。
ドープするイオンの種類は、正孔注入材料であればアニオン、電子注入材料であればカチオンである。アニオンとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンが挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンが挙げられる。
ドープするイオンは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[発光材料]
発光材料は、低分子化合物と高分子化合物とに分類される。発光材料は、架橋基を有していてもよい。
低分子化合物としては、例えば、ナフタレン及びその誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、並びに、イリジウム、白金又はユーロピウムを中心金属とする三重項発光錯体が挙げられる。
三重項発光錯体としては、例えば、以下に示す金属錯体が挙げられる。
Figure 2019050370
高分子化合物としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、フルオレンジイル基、フェナントレンジイル基、ジヒドロフェナントレンジイル基、後述の式(X)で表される基、カルバゾールジイル基、フェノキサジンジイル基、フェノチアジンジイル基、ピレンジイル基等を含む高分子化合物が挙げられる。
第1の組成物において、発光材料の配合量は、化合物(T)とデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体との合計を100質量部とした場合、通常、0.1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、化合物(T)及びデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体と同じ溶媒に可溶であり、発光及び電荷輸送を阻害しない化合物であればよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられる。
第1の組成物において、酸化防止剤の配合量は、化合物(T)とデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体との合計を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
酸化防止剤は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
[第1のインク]
化合物(T)と、デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体と、溶媒とを含有する組成物(以下、「第1のインク」ともいう。)は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、キャピラリ−コート法、ノズルコート法等の塗布法に好適に使用することができる。
第1のインクの粘度は、塗布法の種類によって調整すればよいが、インクジェット印刷法等の溶液が吐出装置を経由する印刷法に適用する場合には、吐出時の目づまりと飛行曲がりが起こりづらいので、好ましくは25℃において1〜20mPa・sである。
第1のインクに含有される溶媒は、好ましくは、インク中の固形分を溶解又は均一に分散できる溶媒である。溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、4-メチルアニソール等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、n-ヘキシルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-へプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、n-ドデカン、ビシクロヘキシル等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート、安息香酸メチル、酢酸フェニル等のエステル系溶媒;エチレングリコール、グリセリン、1,2-ヘキサンジオール等の多価アルコール系溶媒;イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N-メチル-2-ピロリドン、N,N-ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が挙げられる。溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
第1のインクにおいて、溶媒の配合量は、化合物(T)とデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体との合計を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
<第2の有機層>
第2の有機層は、架橋材料の架橋体を含有する層である。
[架橋材料]
架橋材料の架橋体は、架橋材料を上述した方法及び条件等により架橋した状態にすることで得られる。
架橋材料は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよいが、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、架橋基A群から選ばれる架橋基を有する低分子化合物(以下、「第2の有機層の低分子化合物」という。)、又は、架橋基A群から選ばれる架橋基を有する架橋構成単位を含む高分子化合物(以下、「第2の有機層の高分子化合物」という。)であることが好ましく、第2の有機層の高分子化合物であることがより好ましい。
架橋基A群から選ばれる架橋基としては、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)、式(XL−9)、式(XL−10)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)で表される架橋基である。
[第2の有機層の高分子化合物]
第2の有機層の高分子化合物に含まれる、架橋基A群から選ばれる架橋基を有する構成単位は、後述する式(2)又は式(2')で表される構成単位であることが好ましいが、下記式で表される構成単位であってもよい。
Figure 2019050370
・式(2)で表される構成単位
nAは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0又は1である。
nは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2である。
Ar3は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常6〜60であり、好ましくは6〜30であり、より好ましくは6〜18である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基のn個の置換基を除いたアリーレン基部分としては、好ましくは、式(A-1)〜式(A-20)で表される基であり、より好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-6)〜式(A-10)、式(A-19)又は式(A-20)で表される基であり、さらに好ましくは、式(A-1)、式(A-2)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Ar3で表される複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは4〜18である。
Ar3で表される複素環基のn個の置換基を除いた2価の複素環基部分としては、好ましくは、式(AA-1)〜式(AA-34)で表される基である。
Ar3で表される芳香族炭化水素基及び複素環基は置換基を有していてもよく、置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基及びシアノ基が好ましい。
Aで表されるアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。LAで表されるシクロアルキレン基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常3〜20である。
アルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基が挙げられる。
Aで表されるアルキレン基及びシクロアルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基及びシクロアルキレン基が有していてもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、ハロゲン原子又はシアノ基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Aで表されるアリーレン基は、置換基を有していてもよい。アリーレン基としては、フェニレン基又はフルオレンジイル基が好ましく、m−フェニレン基、p−フェニレン基、フルオレン−2,7−ジイル基、フルオレン−9,9−ジイル基がより好ましい。アリーレン基が有してもよい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、ハロゲン原子、シアノ基又は架橋基A群から選ばれる架橋基が好ましく、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
Aで表される2価の複素環基としては、好ましくは式(AA−1)〜式(AA−34)で表される基である。
Aは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になるため、好ましくは、アリーレン基又はアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Xは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは、式(XL−1)、式(XL−9)、式(XL−10)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、より好ましくは、式(XL−1)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基であり、更に好ましくは、式(XL−1)で表される架橋基である。
式(2)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物の安定性及び架橋性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは3〜65モル%であり、更に好ましくは5〜50モル%である。
式(2)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
・式(2’)で表される構成単位
mAは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0〜3の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
mは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは1又は2であり、より好ましくは2である。
cは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になり、且つ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは0である。
Ar5は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
Ar5で表される芳香族炭化水素基のm個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義及び例は、式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
Ar5で表される複素環基のm個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義及び例は、式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義及び例と同じである。
Ar5で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のm個の置換基を除いた2価の基の定義及び例は、式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義及び例と同じである。
Ar4及びAr6は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
Ar4及びAr6で表されるアリーレン基の定義及び例は、式(X)におけるArX1及びArX3で表されるアリーレン基の定義及び例と同じである。
Ar4及びAr6で表される2価の複素環基の定義及び例は、式(X)におけるArX1及びArX3で表される2価の複素環基の定義及び例と同じである。
Ar4〜Ar6で表される基が有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArY1で表される基が有してもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。Ar4〜Ar6で表される基が有してもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArY1で表される基が有してもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
Aで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例は、それぞれ、LAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義及び例と同じである。
Aは、第2の有機層の高分子化合物の製造が容易になるので、好ましくは、アリーレン基又はアルキレン基であり、より好ましくは、フェニレン基、フルオレンジイル基又はアルキレン基であり、更に好ましくはフェニレン基又はメチレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Aで表される基が有してもよい置換基の例及び好ましい範囲は、LAで表される基が有してもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
Aで表される基が有してもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲は、ArY1で表される基が有してもよい置換基が更に有していてもよい置換基の例及び好ましい範囲と同じである。
X’で表される架橋基の例及び好ましい範囲は、Xの例及び好ましい範囲と同じである。
式(2')で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物の安定性が優れ、且つ、第2の有機層の高分子化合物の架橋性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜50モル%であり、より好ましくは3〜30モル%であり、更に好ましくは5〜20モル%である。
式(2’)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
・式(2)又は(2')で表される構成単位の好ましい態様
式(2)で表される構成単位としては、例えば、式(2-1)〜式(2-30)で表される構成単位が挙げられ、式(2')で表される構成単位としては、例えば、式(2'-1)〜式(2'-9)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
・その他の構成単位
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れるので、更に、式(X)で表される構成単位を含むことが好ましい。また、第2の有機層の高分子化合物は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、更に、式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物は、正孔輸送性が優れ、且つ、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、更に、式(X)で表される構成単位及び式(Y)で表される構成単位を含むことが好ましい。
Figure 2019050370
[式中、
X1及びaX2は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
ArX1及びArX3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、それぞれ独立に、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArX2及びArX4が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X1〜RX3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RX2及びRX3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
X1及びaX2は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、好ましくは2以下の整数であり、より好ましくは0又は1である。
X1〜RX3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)又は式(A-9)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-1)、式(AA-2)又は式(AA-7)〜式(AA-26)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX1及びArX3は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX2及びArX4で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4で表される2価の複素環基のより好ましい範囲は、ArX1及びArX3で表される2価の複素環基のより好ましい範囲と同じである。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、ArX1及びArX3で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同じである。
ArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられ、これらは置換基を有していてもよい。
Figure 2019050370
[式中、RXXは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
XXは、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArX2及びArX4は、好ましくは置換基を有していてもよいアリーレン基である。
ArX1〜ArX4及びRX1〜RX3で表される基が有してもよい置換基としては、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(X)で表される構成単位としては、好ましくは式(X-1)〜式(X-7)で表される構成単位である。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
[式中、RX4及びRX5は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、1価の複素環基又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRX4は、同一でも異なっていてもよい。複数存在するRX5は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRX5同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
式(X)で表される構成単位は、正孔輸送性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.1〜90モル%であり、より好ましくは1〜70モル%であり、更に好ましくは10〜50モル%である。
式(X)で表される構成単位としては、例えば、式(X1-1)〜式(X1-19)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
第2の有機層の高分子化合物において、式(X)で表される構成単位は、1種のみ含まれていても、2種以上含まれていてもよい。
Figure 2019050370
[式中、ArY1は、アリーレン基、2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
ArY1で表されるアリーレン基は、より好ましくは式(A-1)、式(A-6)、式(A-7)、式(A-9)〜式(A-11)、式(A-13)又は式(A-19)で表される基であり、更に好ましくは式(A-1)、式(A-7)、式(A-9)又は式(A-19)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される2価の複素環基は、より好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-13)、式(AA-15)、式(AA-18)又は式(AA-20)で表される基であり、更に好ましくは式(AA-4)、式(AA-10)、式(AA-18)又は式(AA-20)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基における、アリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲は、それぞれ、前述のArY1で表されるアリーレン基及び2価の複素環基のより好ましい範囲、更に好ましい範囲と同様である。
ArY1で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基としては、式(X)のArX2及びArX4で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基と同様のものが挙げられる。
ArY1で表される基が有してもよい置換基は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-1)〜式(Y-7)で表される構成単位が挙げられ、本発明の発光素子の輝度寿命の観点からは、好ましくは式(Y-1)又は式(Y-2)で表される構成単位であり、第2の有機層の高分子化合物の電子輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-3)又は式(Y-4)で表される構成単位であり、第2の有機層の高分子化合物の正孔輸送性の観点からは、好ましくは式(Y-5)〜式(Y-7)で表される構成単位である。
Figure 2019050370
[式中、RY1は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY1は、同一でも異なっていてもよく、隣接するRY1同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
Y1は、好ましくは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y-1)で表される構成単位は、好ましくは、式(Y-1')で表される構成単位である。
Figure 2019050370
[式中、RY11は、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY11は、同一でも異なっていてもよい。]
Y11は、好ましくは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、より好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019050370
[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y1は、−C(RY2)2−、−C(RY2)=C(RY2)−又は−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基を表す。RY2は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRY2は、同一でも異なっていてもよく、RY2同士は互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
Y2は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、双方がアリール基、双方が1価の複素環基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基若しくは1価の複素環基であり、より好ましくは一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。2個存在するRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−で表される基としては、好ましくは式(Y-A1)〜式(Y-A5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-A4)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019050370
Y1において、−C(RY2)=C(RY2)−で表される基中の2個のRY2の組み合わせは、好ましくは双方がアルキル基若しくはシクロアルキル基、又は、一方がアルキル基若しくはシクロアルキル基で他方がアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Y1において、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基中の4個のRY2は、好ましくは置換基を有していてもよいアルキル基又はシクロアルキル基である。複数あるRY2は互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよく、RY2が環を形成する場合、−C(RY2)2−C(RY2)2−で表される基は、好ましくは式(Y-B1)〜式(Y-B5)で表される基であり、より好ましくは式(Y-B3)で表される基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019050370
[式中、RY2は前記と同じ意味を表す。]
式(Y-2)で表される構成単位は、式(Y-2')で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2019050370
[式中、RY1及びXY1は前記と同じ意味を表す。]
Figure 2019050370
[式中、
Y1は前記と同じ意味を表す。
Y3は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y3は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
Figure 2019050370
[式中、
Y1は前記を同じ意味を表す。
Y4は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
Y4は、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくはアリール基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
式(Y)で表される構成単位としては、例えば、式(Y-11)〜式(Y-56)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1がアリーレン基である構成単位は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜80モル%であり、より好ましくは30〜60モル%である。
式(Y)で表される構成単位であって、ArY1が2価の複素環基、又は、少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基である構成単位は、第2の有機層の高分子化合物の電荷輸送性が優れるので、第2の有機層の高分子化合物に含まれる構成単位の合計量に対して、好ましくは0.5〜40モル%であり、より好ましくは3〜30モル%である。
式(Y)で表される構成単位は、第2の有機層の高分子化合物中に、1種のみ含まれていてもよく、2種以上含まれていてもよい。
第2の有機層の高分子化合物としては、例えば、表1に示す高分子化合物P-1〜P-8が挙げられる。ここで、「その他の構成単位」とは、式(2)、式(2')、式(X)及び式(Y)で表される構成単位以外の構成単位を意味する。
Figure 2019050370

[表中、p’、q’、r’、s’及びt’は、各構成単位のモル比率を表す。p’+q’+r’+s’+t’=100であり、且つ、70≦p’+q’+r’+s’≦100である。]
第2の有機層の高分子化合物は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体のいずれであってもよいし、その他の態様であってもよいが、複数種の原料モノマーを共重合した共重合体であることが好ましい。
第2の有機層の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、好ましくは5×103〜1×106であり、より好ましくは1×104〜5×105であり、更に好ましくは1.5×104〜1×105である。
[第2の有機層の高分子化合物の製造方法]
第2の有機層の高分子化合物は、ケミカルレビュー(Chem. Rev.),第109巻,897-1091頁(2009年)等に記載の公知の重合方法を用いて製造することができ、Suzuki反応、Yamamoto反応、Buchwald反応、Stille反応、Negishi反応及びKumada反応等の遷移金属触媒を用いるカップリング反応により重合させる方法が例示される。
前記重合方法において、単量体を仕込む方法としては、単量体全量を反応系に一括して仕込む方法、単量体の一部を仕込んで反応させた後、残りの単量体を一括、連続又は分割して仕込む方法、単量体を連続又は分割して仕込む方法等が挙げられる。
遷移金属触媒としては、パラジウム触媒、ニッケル触媒等が挙げられる。
重合反応の後処理は、公知の方法、例えば、分液により水溶性不純物を除去する方法、メタノール等の低級アルコールに重合反応後の反応液を加えて、析出させた沈殿を濾過した後、乾燥させる方法等を単独又は組み合わせて行う。高分子ホストの純度が低い場合、例えば、晶析、再沈殿、ソックスレー抽出器による連続抽出、カラムクロマトグラフィー等の通常の方法にて精製することができる。
[第2の有機層の低分子化合物]
第2の有機層の低分子化合物は、式(3)で表される低分子化合物が好ましい。
Figure 2019050370
[式中、
B1〜mB3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。複数存在するmB1は、同一でも異なっていてもよい。mB3が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
Ar7は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。Ar7が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
B1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−N(R’’’)−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’’’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LB1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
X’’は、架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するX’’は、同一でも異なっていてもよい。但し、複数存在するX’’のうち、少なくとも1つは、架橋基である。]
B1は、通常、0〜10の整数であり、架橋材料の合成が容易になるため、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0又は1であり、特に好ましくは0である。
B2は、通常、0〜10の整数であり、架橋材料の合成が容易となり、且つ、本発明の実施形態に係る発光素子の輝度寿命がより優れるため、好ましくは0〜5の整数であり、より好ましくは0〜3の整数であり、更に好ましくは1又は2であり、特に好ましくは1である。
B3は、通常、0〜5の整数であり、架橋材料の合成が容易になるため、好ましくは0〜4の整数であり、より好ましくは0〜2の整数であり、更に好ましくは0である。
Ar7で表される芳香族炭化水素基のmB3個の置換基を除いたアリーレン基部分の定義や例は、式(X)におけるArX2で表されるアリーレン基の定義や例と同じである。
Ar7で表される複素環基のmB3個の置換基を除いた2価の複素環基部分の定義や例は、式(X)におけるArX2で表される2価の複素環基部分の定義や例と同じである。
Ar7で表される少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環が直接結合した基のmB3個の置換基を除いた2価の基の定義や例は、式(X)におけるArX2で表される少なくとも1種のアリーレン基と少なくとも1種の2価の複素環基とが直接結合した2価の基の定義や例と同じである。
Ar7で表される基が有してもよい置換基の定義や例は、式(X)におけるArX2で表される基が有してもよい置換基の定義や例と同じである。
Ar7は、本発明の実施形態に係る発光素子の輝度寿命が優れるので、好ましくは芳香族炭化水素基であり、この芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。
B1で表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例は、それぞれ、前述のLAで表されるアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基の定義や例と同じである。
B1は、架橋材料の合成が容易になるため、好ましくは、アルキレン基、アリーレン基又は酸素原子であり、より好ましくはアルキレン基又はアリーレン基であり、更に好ましくはフェニレン基、フルオレンジイル基又はアルキレン基であり、特に好ましくはフェニレン基又はアルキレン基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
X’’は、好ましくは、架橋基A群から選ばれる架橋基、アリール基又は1価の複素環基であり、より好ましくは、式(XL−1)、式(XL−9)、式(XL−10)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される架橋基、或いは、アリール基であり、更に好ましくは、式(XL−1)、式(XL−16)若しくは式(XL−17)で表される架橋基、フェニル基、ナフチル基又はフルオレニル基であり、特に好ましくは、式(XL−1)で表される架橋基、フェニル基又はナフチル基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。
第2の有機層の低分子化合物としては、例えば、以下に示す低分子化合物が挙げられる。
Figure 2019050370
第2の有機層の低分子化合物は、Aldrich、Luminescence Technology Corp.、American Dye Source等から入手可能である。その他には、例えば、国際公開第1997/033193号、国際公開第2005/035221号、国際公開第2005/049548号に記載されている方法に従って合成することができる。
[第2の組成物]
第2の有機層は、架橋材料の架橋体と、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群から選ばれる少なくとも1種の材料とを含む組成物(以下、「第2の組成物」ともいう。)を含有する層であってもよい。
第2の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光性材料の例及び好ましい範囲は、第1の組成物に含有される正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の例及び好ましい範囲と同じである。第2の組成物において、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料、電子注入材料及び発光材料の配合量は、各々、架橋材料の架橋体を100質量部とした場合、通常、1〜400質量部であり、好ましくは5〜150質量部である。
第2の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲は、第1の組成物に含有される酸化防止剤の例及び好ましい範囲と同じである。第2の組成物において、酸化防止剤の配合量は、架橋材料の架橋体を100質量部とした場合、通常、0.001〜10質量部である。
架橋材料と、溶媒とを含有する組成物(以下、「第2のインク」ともいう。)は、第1のインクの項で説明した湿式法に好適に使用することができる。第2のインクの粘度の好ましい範囲は、第1のインクの粘度の好ましい範囲と同じである。第2のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲は、第1のインクに含有される溶媒の例及び好ましい範囲と同じである。
第2のインクにおいて、溶媒の配合量は、架橋材料を100質量部とした場合、通常、1000〜100000質量部であり、好ましくは2000〜20000質量部である。
<発光素子の層構成>
本発明の発光素子は、陽極、陰極、第1の有機層及び第2の有機層以外の層を有していてもよい。
本発明の発光素子において、第1の有機層は、通常、発光層(以下、「第1の発光層」と言う。)である。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、通常、正孔輸送層、第2の発光層又は電子輸送層であり、好ましくは正孔輸送層又は第2の発光層であり、より好ましくは正孔輸送層である。
本発明の発光素子において、第1の有機層と第2の有機層とは、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、隣接していることが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層は、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極及び第1の有機層の間に設けられた層であることが好ましく、陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層又は第2の発光層であることがより好ましく、陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層であることが更に好ましい。
本発明の発光素子の第1の有機層において、化合物(T)及びデンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体は、それぞれ、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。本発明の発光素子の第2の有機層において、架橋材料の架橋体は、1種単独で含有されていても、2種以上含有されていてもよい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた正孔輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第2の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陽極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第1の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた第2の発光層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層及び電子輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子において、第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陽極と第1の有機層との間に、正孔注入層及び正孔輸送層のうちの少なくとも1つの層を更に有することが好ましい。第2の有機層が陰極及び第1の有機層の間に設けられた電子輸送層である場合、本発明の発光素子の輝度寿命がより優れるので、陰極と第2の有機層との間に、電子注入層を更に有することが好ましい。
本発明の発光素子の具体的な層構成としては、例えば、(D1)〜(D15)で表される層構成が挙げられる。本発明の発光素子は、通常、基板を有するが、基板上に陽極から積層されていてもよく、基板上に陰極から積層されていてもよい。
(D1)陽極/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D2)陽極/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D3)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D4)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D5)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D6)陽極/正孔注入層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D7)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/陰極
(D8)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/陰極
(D9)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子注入層/陰極
(D10)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D11)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D12)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)/第2の発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D13)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1の発光層(第1の有機層)/第2の発光層(第2の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D14)陽極/正孔注入層/正孔輸送層/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層(第2の有機層)/電子注入層/陰極
(D15)陽極/正孔注入層/正孔輸送層(第2の有機層)/第2の発光層/第1の発光層(第1の有機層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(D1)〜(D15)中、「/」は、その前後の層が隣接して積層していることを意味する。具体的には、「第2の発光層(第2の有機層)/第1の発光層(第1の有機層)」とは、第2の発光層(第2の有機層)と第1の発光層(第1の有機層)とが隣接して積層していることを意味する。
本発明の発光素子において、陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極は、それぞれ、必要に応じて、2層以上設けられていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
陽極、正孔注入層、正孔輸送層、第1の発光層、第2の発光層、電子輸送層、電子注入層及び陰極の厚さは、通常、1nm〜1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、更に好ましくは5nm〜150nmである。
本発明の発光素子において、積層する層の順番、数、及び厚さは、発光素子の発光効率、駆動電圧及び素子寿命を勘案して調整すればよい。
[第2の発光層]
第2の発光層は、通常、第2の有機層又は発光材料を含有する層であり、好ましくは、発光材料を含有する層である。第2の発光層が発光材料を含有する層である場合、第2の発光層に含有される発光材料としては、例えば、前述の第2の組成物が含有していてもよい発光材料が挙げられる。第2の発光層に含有される発光材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が第2の発光層を有し、且つ、後述の正孔輸送層及び後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、第2の発光層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔輸送層]
正孔輸送層は、通常、第2の有機層又は正孔輸送材料を含有する層であり、好ましくは、第2の有機層である。正孔輸送層が正孔輸送材料を含有する層である場合、正孔輸送材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい正孔輸送材料が挙げられる。正孔輸送層に含有される正孔輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が正孔輸送層を有し、且つ、前述の第2の発光層及び後述の電子輸送層が第2の有機層ではない場合、正孔輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[電子輸送層]
電子輸送層は、通常、第2の有機層又は電子輸送材料を含有する層であり、好ましくは、電子輸送材料を含有する層である。電子輸送層が電子輸送材料を含有する層である場合、電子輸送層に含有される電子輸送材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい電子輸送材料が挙げられる。電子輸送層に含有される電子輸送材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
本発明の発光素子が電子輸送層を有し、且つ、前述の第2の発光層及び前述の正孔輸送層が第2の有機層ではない場合、電子輸送層は第2の有機層であることが好ましい。
[正孔注入層及び電子注入層]
正孔注入層は、正孔注入材料を含有する層である。正孔注入層に含有される正孔注入材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい正孔注入材料が挙げられる。正孔注入層に含有される正孔注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
電子注入層は、電子注入材料を含有する層である。電子注入層に含有される電子注入材料としては、例えば、前述の第1の組成物が含有していてもよい電子注入材料が挙げられる。電子注入層に含有される電子注入材料は、1種単独で含有されていても、2種以上が含有されていてもよい。
[基板/電極]
発光素子における基板は、電極を形成することができ、かつ、有機層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよく、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の材料からなる基板である。不透明な基板を使用する場合には、基板から最も遠くにある電極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、例えば、導電性の金属酸化物、半透明の金属が挙げられ、好ましくは、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ;インジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等の導電性化合物;銀とパラジウムと銅との複合体(APC);NESA、金、白金、銀、銅である。
陰極の材料としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、亜鉛、インジウム等の金属;それらのうち2種以上の合金;それらのうち1種以上と、銀、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1種以上との合金;並びに、グラファイト及びグラファイト層間化合物が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
本発明の発光素子において、陽極及び陰極の少なくとも一方は、通常、透明又は半透明であるが、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極及び陰極の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法及びラミネート法が挙げられる。
[発光素子の製造方法]
本発明の発光素子において、第1の発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層、電子注入層等の各層の形成方法としては、低分子化合物を用いる場合、例えば、粉末からの真空蒸着法、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられ、高分子化合物を用いる場合、例えば、溶液又は溶融状態からの成膜による方法が挙げられる。
第1の発光層、第2の発光層、正孔輸送層、電子輸送層、正孔注入層及び電子注入層は、第1のインク、第2のインク、並びに、上述した発光材料、正孔輸送材料、電子輸送材料、正孔注入材料及び電子注入材料をそれぞれ含有するインクを用いて、スピンコート法、インクジェット印刷法等の塗布法により形成することができる。
[発光素子の用途]
発光素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。パターン状の発光を得るためには、面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部にしたい層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極若しくは陰極、又は両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にON/OFFできるように配置することにより、数字、文字等を表示できるセグメントタイプの表示装置が得られる。ドットマトリックス表示装置とするためには、陽極と陰極を共にストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子化合物を塗り分ける方法、カラーフィルター又は蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス表示装置は、パッシブ駆動も可能であるし、TFT等と組み合わせてアクティブ駆動も可能である。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末等のディスプレイに用いることができる。面状の発光素子は、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、又は、面状の照明用光源として好適に用いることができる。フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源及び表示装置としても使用できる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)及びポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、移動相にテトラヒドロフランを用い、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。なお、SECの各測定条件は、次のとおりである。
測定する高分子化合物を約0.05質量%の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、SECに10μL注入した。移動相は、2.0mL/分の流量で流した。カラムとして、PLgel MIXED−B(ポリマーラボラトリーズ製)を用いた。検出器にはUV−VIS検出器(島津製作所製、商品名:SPD−10Avp)を用いた。
化合物のΔESTの値の算出は、B3LYPレベルの密度汎関数法により、化合物の基底状態を構造最適化した。その際、基底関数として、6−31G*を用いた。そして、得られた構造最適化された構造を用いて、B3LYPレベルの時間依存密度汎関数法により、化合物のΔESTを算出した。なお、量子化学計算プログラムとして、Gaussian09を用いて計算した。
<合成例M> 化合物M1〜M23の合成
化合物M1は特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M2は特開2008−106241号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M3は特開2010−215886号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M4、M9及びM20は国際公開第2002/045184号に記載の方法に準じて合成した。
化合物M5は国際公開第2005/049546号に記載の方法に従って合成した。
化合物M6は国際公開第2011/049241号に記載の方法に従って合成した。
化合物M7は国際公開第2015/145871号に記載の方法に従って合成した。
化合物M8及び化合物M23は国際公開第2013/146806号に記載の方法に従って合成した。
化合物M10、M11、M13及びM17〜M19は国際公開第2016/031639号に記載の方法に従って合成した。
化合物M12及びM14は特開2011−174062号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物M15及びM16は国際公開第2013/191088号に記載の方法に従って合成した。
化合物M21は特開2014−1328号公報に記載の方法に準じて合成した。
化合物M22は特開2010−215886号公報に記載の方法に準じて合成した。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
<合成例HTL−1> 高分子化合物HTL−1の合成
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物M1(0.995g)、化合物M2(0.106g)、化合物M3(0.0924g)、化合物M4(0.736g)、ジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)及びトルエン(50ml)を加え、105℃に加熱した。得られた反応液に、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)を滴下し、5.5時間還流させた。その後、そこに、フェニルボロン酸(24.4mg)、20質量%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(6.6ml)及びジクロロビス〔トリス(2−メトキシフェニル)ホスフィン〕パラジウム(1.8mg)を加え、14時間還流させた。その後、そこに、ジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え、80℃で2時間撹拌した。得られた反応液を冷却後、水で2回、3質量%酢酸水溶液で2回、水で2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに滴下したところ、沈殿が生じた。得られた沈殿物をトルエンに溶解させ、アルミナカラム、シリカゲルカラムの順番で通液することにより精製した。得られた溶液をメタノールに滴下し、撹拌したところ、沈殿が生じた。
得られた沈殿物をろ取し、乾燥させることにより、高分子化合物HTL−1を0.91g得た。高分子化合物HTL−1のMnは5.2×104であり、Mwは2.5×105であった。
高分子化合物HTL−1は、仕込み原料の量から求めた理論値では、化合物M1から誘導される構成単位と、化合物M4から誘導される構成単位と、化合物M2から誘導される構成単位と、化合物M3から誘導される構成単位とが、50:40:5:5のモル比で構成された共重合体である。
<合成例HTL−2> 高分子化合物HTL−2〜HTL−15及びHTL−C1〜HTL−C3の合成
高分子化合物(共重合体)HTL−2〜HTL−15及びHTL−C1〜HTL−C3は、表2に記載の種類及びモル比の化合物を用いて、同表に記載の合成方法で合成した。得られた高分子化合物のMn及びMwは、表2に記載のとおりである。
Figure 2019050370
<化合物HTM−1>
化合物HTM−1は、Luminescence Technology社より購入した。
Figure 2019050370
<合成例G、R> 金属錯体G1〜G7及びR1〜R6の合成
金属錯体G1は特開2013−237789号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体G2は国際公開第2009/131255号に記載の方法に従って合成した。
金属錯体G3は国際公開第2011/032626号に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体G4は特開2014−224101号公報に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体G5及びG6は、特開2014−224101号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体G7は、特開2014−224101号公報に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体R1は国際公開第2003/040256号に記載の方法に準じて合成した。 金属錯体R2は国際公開第2002/44189号に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体R3は特開2011−105701号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体R4は特開2006−188673号公報に記載の方法に準じて合成した。
金属錯体R5は特開2008−179617号公報に記載の方法に従って合成した。
金属錯体R6はLuminescence Technology社より購入した。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
<合成例H1> 化合物H1〜H6及びHC1〜HC5の合成及び入手
化合物H1は、国際公開第2010/136109号に記載の方法に準じて合成した。
化合物H2は、国際公開第2014/115743号に記載の方法に準じて合成した。
化合物H3、H6、HC1、HC4及びHC5は、Luminescence Technology社より購入した。
化合物H4は、国際公開第2011/070963号に記載の方法に準じて合成した。
化合物H5は、国際公開第2008/056746号に記載の方法に準じて合成した。
化合物HC2は、特開2010−189630号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物HC3は、特開2015−110751号公報に記載の方法に従って合成した。
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
Figure 2019050370
<合成例H7> 化合物H7の合成
Figure 2019050370
Figure 2019050370
(化合物T3−3の合成)
反応容器内をアルゴンガス雰囲気とした後、化合物T3−1(2.5g)、化合物T3−2(2.8g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.25g)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(0.13g)、ナトリウム-tert-ブトキシド(1.3g)及びトルエン(75mL)を加え、室温で1時間攪拌した。その後、そこへ、ヘキサン及びシリカゲルを加え、50℃で攪拌した後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)で精製した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物T3−3の粗精製物(3.1g、茶色オイル)を得た。得られた粗精製物に、ヘキサン及び活性炭を加え、室温で攪拌した後、減圧ろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより、化合物T3−3(2.7g、黄色固体)を得た。化合物T3−3のHPLC面積百分率値は98.5%であった。
1H-NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm)=8.20-8.11(m,2H),7.74-6.85(m,26H),2.50-2.30(m,7H),1.53-0.82(m,22H).
(化合物T3−4の合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物T3−3(2.6g)、テトラヒドロフラン(26mL)、ジメチルスルホキシド(16mL)及び33質量%水酸化カリウム水溶液(5.4g)を加え、還流下で6.5時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、イオン交換水及びトルエンの混合液を用いて抽出を行い、更に、得られた有機層をイオン交換水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、ろ過し、得られたろ液を減圧濃縮することにより粗精製物を得た。得られた粗精製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)で精製した後、50℃で減圧乾燥させることにより、化合物T3−4(2.1g、茶色オイル)を得た。化合物T3−4のHPLC面積百分率値は97.6%であった。
(化合物H7の合成)
反応容器内を窒素雰囲気とした後、化合物T3−4(2.1g)、化合物T3−5(1.3g)、酢酸パラジウム(0.071g)、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(0.096g)及びキシレン(84mL)を加えた。その後、そこへ、ナトリウム-tert-ブトキシド(0.76g)を加え、100℃で1時間攪拌した。得られた混合物を室温まで冷却した後、ヘキサン及びシリカゲルを加え、室温で攪拌した後、シリカゲルを敷いたろ過器でろ過した。得られたろ液を減圧濃縮することにより粗精製物を得た。得られた粗精製物を、ヘキサン及びエタノールの混合溶媒で晶析することにより固体を得た。得られた固体を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン及びトルエンの混合溶媒)で精製し、更に、トルエン、酢酸エチル及びアセトニトリルの混合溶媒で晶析した。得られた固体を50℃で減圧乾燥させることにより、化合物H7(1.2g、黄色固体)を得た。化合物H7のHPLC面積百分率値は99.5%以上であった。
LC-MS(APCI,positive):m/z=977.5[M+H]+
1H-NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm)=9.06-8.98(m,2H),8.82-8.80(m,4H),7.90-6.80 (m,32H),2.54-2.43(m,4H),1.53-1.49(m,4H),1.25(m,12H),0.85-0.83(m,6H).
化合物H7のΔESTの値は、0.109eVであった。
<実施例D1> 発光素子D1の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により35nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
キシレンに高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。得られたキシレン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層(正孔輸送層)を形成した。この加熱により、高分子化合物HTL−3は架橋体となった。
(第1の有機層の形成)
トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより第1の有機層(発光層)を形成した。
(陰極の形成)
第1の有機層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、第1の有機層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D1を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の80%となるまでの時間(以下、「LT80」という。)を測定した。その結果を表3に示す。
<比較例CD1> 発光素子CD1の作製と評価
実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、表3に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD1を作製した。発光素子CD1に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT80の測定結果を表3に示す。
<比較例CD2> 発光素子CD1の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「キシレンに高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに化合物HTM−1を0.7質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD2を作製した。発光素子CD2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT80の測定結果を表3に示す。
なお、表3では、発光素子CD1のLT80を1としたときの発光素子D1及びCD2のLT80の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D2> 発光素子D2の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−1」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、化合物H6及び金属錯体G2(化合物H6/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D2を作製した。発光素子D2に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の85%となるまでの時間(以下、「LT85」という。)を測定した。その結果を表4に示す。
<実施例D3〜D9> 発光素子D3〜D9の作製と評価
実施例D2の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H6及び金属錯体G2(化合物H6/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表4に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D2と同様にして、発光素子D3〜D9を作製した。発光素子D3〜D9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT85の測定結果を表4に示す。
<比較例CD3> 発光素子CD3の作製と評価
実施例D2の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H6及び金属錯体G2(化合物H6/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、表4に記載の材料を1質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D2と同様にして、発光素子CD3を作製した。発光素子CD3に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT85の測定結果を表4に示す。
なお、表4では、発光素子CD3のLT85を1.0としたときの発光素子D2〜D9のLT85の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D11〜D14> 発光素子D11〜D14の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、表5に記載の材料を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D11〜D14を作製した。発光素子D11〜D14に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の90%となるまでの時間(以下、「LT90」という。)を測定した。その結果を表5に示す。
<比較例CD4> 発光素子CD4の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−8」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「金属錯体G2」に代えて、「金属錯体G1」を用いた以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD4を作製した。発光素子CD4に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT90の測定結果を表5に示す。
なお、表5では、発光素子CD4のLT90を1.0としたときの発光素子D11〜D14のLT90の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D15〜D21及び比較例CD5> 発光素子D15〜D21及びCD5の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、表6に記載の材料を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D15〜D21及びCD5を作製した。発光素子D15〜D21及びCD5に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT80を測定した。その結果を表6に示す。
なお、表6では、発光素子CD5のLT80を1.0としたときの発光素子D15〜D21のLT80の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D22及び比較例CD6> 発光素子D22及びCD6の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、表7に記載の材料を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D22及びCD6を作製した。発光素子D22及びCD6に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の75%となるまでの時間(以下、「LT75」という。)を測定した。その結果を表7に示す。
<実施例D23及び比較例CD7> 発光素子D23及びCD7の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、表7に記載の材料を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表7に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D23及びCD7を作製した。発光素子D23及びCD7に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT75の測定結果を表7に示す。
なお、表7では、発光素子CD6のLT75を1.0としたときの発光素子D22、D23及びCD7のLT75を示す。
Figure 2019050370
<実施例D24及び比較例CD8〜CD9> 発光素子D24、CD8及びCD9の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、表8に記載の材料を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、表8に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D24、CD8及びCD9を作製した。発光素子D24、CD8及びCD9に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の95%となるまでの時間(以下、「LT95」という。)を測定した。その結果を表8に示す。
<実施例D25> 発光素子D25の作製と評価
実施例D24の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H6及び金属錯体G2(化合物H6/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表8に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D24と同様にして、発光素子D25を作製した。発光素子D25に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT95の測定結果を表8に示す。
なお、表8では、発光素子CD8のLT95を1としたときの発光素子D24、D25及びCD9のLT95の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D26及びD27> 発光素子D26及びD27の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、表9に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D26及びD27を作製した。発光素子D26及びD27に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT95の測定結果を表9に示す。
<比較例CD10> 発光素子CD10の作製と評価
実施例D26の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H2及び金属錯体G2(化合物H2/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表9に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D26と同様にして、発光素子CD10を作製した。発光素子CD10に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT95の測定結果を表9に示す。
なお、表9では、発光素子CD10のLT95を1としたときの発光素子D26及びD27のLT95の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D28〜D31及び比較例CD11〜CD12> 発光素子D28〜D31、CD11及びCD12の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表10に記載の材料を3質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D28〜D31、CD11及びCD12を作製した。発光素子D28〜D31、CD11及びCD12に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT75の測定結果を表10に示す。
<比較例CD13> 発光素子CD13の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表10に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子CD13を作製した。発光素子CD13に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT75の測定結果を表10に示す。
なお、表10では、発光素子CD12のLT75を1.0としたときの発光素子D28〜D31、CD11及びCD13のLT75の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D32> 発光素子D32の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「トルエンに、表11に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D32を作製した。発光素子D32に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT85の測定結果を表11に示す。
<実施例D33〜D34及び比較例CD14> 発光素子D33、D34及びCD14の作製と評価
実施例D1の(第2の有機層の形成)における「高分子化合物HTL−3」に代えて、「高分子化合物HTL−2」を用い、更に、実施例D1の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体G2(化合物H1/金属錯体G2=70質量%/30質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表11に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D1と同様にして、発光素子D33、D34及びCD14を作製した。発光素子D33、D34及びCD14に電圧を印加することによりEL発光が観測された。4000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT85の測定結果を表11に示す。
なお、表11では、発光素子CD14のLT85を1.0としたときの発光素子D32〜D34のLT75の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D35> 発光素子D35の作製と評価
(陽極及び正孔注入層の形成)
ガラス基板にスパッタ法により45nmの厚みでITO膜を付けることにより陽極を形成した。該陽極上に、ポリチオフェン・スルホン酸系の正孔注入剤であるAQ−1200(Plextronics社製)をスピンコート法により65nmの厚さで成膜し、大気雰囲気下において、ホットプレート上で170℃、15分間加熱することにより正孔注入層を形成した。
(第2の有機層の形成)
クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。得られたクロロベンゼン溶液を用いて、正孔注入層の上にスピンコート法により20nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、ホットプレート上で180℃、60分間加熱させることにより第2の有機層(正孔輸送層)を形成した。この加熱により、高分子化合物HTL−3は架橋体となった。
(第1の有機層の形成)
トルエンに、化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。得られたトルエン溶液を用いて、第2の有機層の上にスピンコート法により80nmの厚さで成膜し、窒素ガス雰囲気下において、130℃、10分間加熱させることにより第1の有機層(発光層)を形成した。
(陰極の形成)
第1の有機層を形成した基板を蒸着機内において、1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、第1の有機層の上にフッ化ナトリウムを約4nm、次いで、フッ化ナトリウム層の上にアルミニウムを約80nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止することにより、発光素子D35を作製した。
(発光素子の評価)
発光素子D35に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の50%となるまでの時間(以下、「LT50」という。)を測定した。その結果を表12に示す。
<比較例CD15> 発光素子CD15の作製と評価
実施例D35の(第1の有機層の形成)における「金属錯体R4」に代えて、「金属錯体R1」を用いた以外は、実施例D35と同様にして、発光素子CD15を作製した。発光素子CD15に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT50の測定結果を表12に示す。
なお、表12では、発光素子CD15のLT50を1.0としたときの発光素子D35のLT50の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D36〜D38> 発光素子D36〜D38の作製と評価
実施例D35の(第2の有機層の形成)における「クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表13に記載の材料を0.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D35の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表13に記載の材料を3質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D35と同様にして、発光素子D36〜D38を作製した。発光素子D36〜D38に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT50の測定結果を表13に示す。
<実施例D39及び比較例CD17〜CD18> 発光素子D39、CD17及びCD18の作製と評価
実施例D36の(第1の有機層の形成)における「キシレンに、化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)を3質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表13に記載の材料を2.5質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D36と同様にして、発光素子D39、CD17及びCD18を作製した。発光素子D39、CD17及びCD18に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT50の測定結果を表13に示す。
<比較例CD19及びCD20> 発光素子CD19及びCD20の作製と評価
実施例D35の(第2の有機層の形成)における「クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表13に記載の材料を0.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D35の(第1の有機層の形成)における「化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)」に代えて、表13に記載の材料を用いた以外は、実施例D35と同様にして、発光素子CD19及びCD20を作製した。発光素子CD19及びCD20に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT50の測定結果を表13に示す。
なお、表13では、発光素子CD17のLT50を1.0としたときの発光素子D36〜D39及びCD18〜CD20のLT50の相対値を示す。
Figure 2019050370
<実施例D40> 発光素子D40の作製と評価
実施例D35の(第2の有機層の形成)における「クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表14に記載の材料を0.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D35の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「クロロベンゼンに、表14に記載の材料を2質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D35と同様にして、発光素子D40を作製した。発光素子D40に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初初期輝度が4000cd/m2となるように電流値を設定後、定電流で駆動させ、輝度が初期輝度の60%となるまでの時間(以下、「LT60」という。)を測定した。その結果を表14に示す。
<実施例D41及びD43〜D46> 発光素子D41及びD43〜D46の作製と評価
実施例D35の(第2の有機層の形成)における「クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表14に記載の材料を0.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D35の(第1の有機層の形成)における「トルエンに、化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)を2質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表14に記載の材料を3質量%の濃度で溶解させた。」とする以外は、実施例D35と同様にして、発光素子D41及びD43〜D46を作製した。発光素子D41及びD43〜D46に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT60の測定結果を表14に示す。
<実施例D42> 発光素子D42の作製と評価
実施例D35の(第2の有機層の形成)における「クロロベンゼンに、高分子化合物HTL−3を0.6質量%の濃度で溶解させた。」に代えて、「キシレンに、表14に記載の材料を0.6質量%の濃度で溶解させた。」とし、更に、実施例D35の(第1の有機層の形成)における「化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)」に代えて、表14に記載の材料を用いた以外は、実施例D35と同様にして、発光素子D42を作製した。発光素子D42に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT60の測定結果を表14に示す。
<比較例CD21及びCD22> 発光素子CD21及びCD22の作製と評価
実施例D35の(第1の有機層の形成)における「化合物H1及び金属錯体R4(化合物H1/金属錯体R4=90質量%/10質量%)」に代えて、表14に記載の材料を用いた以外は、実施例D35と同様にして、発光素子CD21及びCD22を作製した。発光素子CD21及びCD22に電圧を印加することによりEL発光が観測された。1000cd/m2におけるCIE色度座標、及び、初期輝度を4000cd/m2としたときのLT60の測定結果を表14に示す。
なお、表14では、発光素子CD21のLT60を1.0としたときの発光素子D40〜D46及びCD22のLT60の相対値を示す。
Figure 2019050370

Claims (15)

  1. 陽極と、陰極と、陽極及び陰極の間に設けられた第1の有機層及び第2の有機層と、を有する発光素子であって、
    前記第1の有機層が、デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体、及び、最低三重項励起状態のエネルギー準位と最低一重項励起状態のエネルギー準位との差の絶対値が0.25eV以下である、遷移金属を含まない低分子化合物を含有する層であり、
    前記第2の有機層が、架橋材料の架橋体を含有する層であり、
    前記架橋材料が、架橋基A群から選ばれる架橋基を有する化合物である、発光素子。
    (架橋基A群)
    Figure 2019050370
    [式中、RXLは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表し、nXLは、0〜5の整数を表す。RXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。nXLが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。*1は結合位置を表す。これらの架橋基は置換基を有していてもよく、該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する炭素原子とともに環を形成していてもよい。]
  2. 前記デンドロンを有する燐光発光性遷移金属錯体が、式(1)で表される金属錯体である、請求項1に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    Mは、ルテニウム原子、ロジウム原子、パラジウム原子、イリジウム原子又は白金原子を表す。
    1は1以上の整数を表し、n2は0以上の整数を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n1+n2は3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n1+n2は2である。
    1及びE2は、それぞれ独立に、炭素原子又は窒素原子を表す。但し、E1及びE2の少なくとも一方は炭素原子である。E1及びE2が複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    環L1は、芳香族複素環を表し、該環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環L2は、芳香族炭化水素環又は芳香族複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    環L1が有していてもよい置換基と、環L2が有していてもよい置換基とは、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    環L1及び環L2の少なくとも一つは、デンドロンを有する。
    1−G1−A2は、アニオン性の2座配位子を表す。A1及びA2は、それぞれ独立に、炭素原子、酸素原子又は窒素原子を表し、これらの原子は環を構成する原子であってもよい。G1は、単結合、又は、A1及びA2とともに2座配位子を構成する原子団を表す。A1−G1−A2が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  3. 前記式(1)で表される金属錯体が、式(1−A)で表される金属錯体である、請求項2に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    M、n1、n2、E1及びA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
    環L1Aは、ピリジン環、ジアザベンゼン環、アザナフタレン環、ジアザナフタレン環、トリアゾール環又はジアゾール環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。該置換基が複数存在する場合、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。環L1Aが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    21A、E22A、E23A及びE24Aは、それぞれ独立に、窒素原子又は炭素原子を表す。E21A、E22A、E23A及びE24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。E21Aが窒素原子の場合、R21Aは存在しない。E22Aが窒素原子の場合、R22Aは存在しない。E23Aが窒素原子の場合、R23Aは存在しない。E24Aが窒素原子の場合、R24Aは存在しない。
    21A、R22A、R23A及びR24Aは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R21A、R22A、R23A及びR24Aが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。R21AとR22A、R22AとR23A、R23AとR24A、及び、環L1Aが有していてもよい置換基とR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    但し、環L1Aがデンドロンを有するか、或いは、R21A、R22A、R23A及びR24Aの少なくとも1つが、デンドロンである。
    環L2Aは、ベンゼン環、ピリジン環又はジアザベンゼン環を表す。]
  4. 前記式(1−A)で表される金属錯体が、式(1−B1)、式(1−B2)、式(1−B3)、式(1−B4)又は式(1−B5)で表される金属錯体である、請求項3に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    M、n1、n2、R21A、R22A、R23A、R24A及びA1−G1−A2は、前記と同じ意味を表す。
    11及びn12は、それぞれ独立に、1又は2を表す。但し、Mがルテニウム原子、ロジウム原子又はイリジウム原子の場合、n11+n12は3であり、Mがパラジウム原子又は白金原子の場合、n11+n12は2である。
    11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B及びR18Bが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    但し、R11B、R12B、R13B、R14B、R15B、R16B、R17B、R18B、R21A、R22A、R23A及びR24Aの少なくとも1つがデンドロンである。
    式(1−B1)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R13BとR14B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B2)中、R13BとR14B、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R18BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B3)中、R11BとR12B、R12BとR13B、R11BとR21A、R13BとR14B、R13BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R18BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B4)中、R11BとR18B、R14BとR15B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。式(1−B5)中、R11BとR12B、R12BとR18B、R15BとR16B、R16BとR17B、R17BとR18B、及び、R11BとR21Aは、それぞれ結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  5. 前記デンドロンが、式(D−A)又は式(D−B)で表される基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    DA1、mDA2及びmDA3は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    ArDA1、ArDA2及びArDA3は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2及びArDA3が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2019050370
    [式中、
    DA1、mDA2、mDA3、mDA4、mDA5、mDA6及びmDA7は、それぞれ独立に、0以上の整数を表す。
    DAは、窒素原子、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるGDAは、同一でも異なっていてもよい。
    ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。ArDA1、ArDA2、ArDA3、ArDA4、ArDA5、ArDA6及びArDA7が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    DAは、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数あるTDAは、同一でも異なっていてもよい。]
  6. 前記式(D−A)で表される基が、式(D−A1)、式(D−A2)、式(D−A3)、式(D−A4)又は式(D−A5)で表される基である、請求項5に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    p1、Rp2、Rp3及びRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2及びRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
    np1は、0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0又は1を表し、np4は0〜4の整数を表す。複数あるnp1は、同一でも異なっていてもよい。]
  7. 前記式(D−B)で表される基が、式(D−B1)、式(D−B2)、式(D−B3)、式(D−B4)、式(D−B5)又は式(D−B6)で表される基である、請求項5に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    Figure 2019050370
    [式中、
    p1、Rp2、Rp3及びRp4は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はハロゲン原子を表す。Rp1、Rp2及びRp4が複数ある場合、それらはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
    np1は0〜5の整数を表し、np2は0〜3の整数を表し、np3は0又は1を表し、np4は0〜4の整数を表す。複数あるnp1は同一でも異なっていてもよい。複数あるnp2は、それらは同一でも異なっていてもよい。]
  8. 前記架橋材料が、式(2)又は式(2’)で表される構成単位を含む高分子化合物である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    nAは0〜5の整数を表し、nは1又は2を表す。nAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar3は、芳香族炭化水素基又は複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Xは、前記架橋基A群から選ばれる架橋基を表す。Xが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
    Figure 2019050370
    [式中、
    mAは0〜5の整数を表し、mは1〜4の整数を表し、cは0又は1を表す。mAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    Ar5は、芳香族炭化水素基、複素環基、又は、少なくとも1種の芳香族炭化水素環と少なくとも1種の複素環とが直接結合した基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar4及びAr6は、それぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。
    Ar4、Ar5及びAr6はそれぞれ、該基が結合している窒素原子に結合している該基以外の基と、直接結合して、又は、酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して、環を形成していてもよい。
    Aは、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NR’−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R’は、前記と同じ意味を表す。KAが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    X’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。X’が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。但し、少なくとも1つのX’は、前記架橋基A群から選ばれる架橋基である。]
  9. 前記架橋基A群から選ばれる架橋基が、式(XL−1)、式(XL−16)又は式(XL−17)で表される基である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発光素子。
  10. 前記遷移金属を含まない低分子化合物が、式(T−1)で表される化合物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    T1は、0以上5以下の整数を表す。nT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    T2は、1以上10以下の整数を表す。
    ArT1は、置換アミノ基又は1価の複素環基を表し、該1価の複素環基は、環内に二重結合を有さない窒素原子を含み、且つ、環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない1価の複素環基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。ArT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    T1は、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、2価の複素環基、−NRT1'−で表される基、酸素原子又は硫黄原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。RT1'は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。LT1が複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
    ArT2は、環内に=N−で表される基を2個以上含む単環の複素環基、環内に−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、−S(=O)2−で表される基及び=N−で表される基の少なくとも1つを含む縮合環の複素環基、又は、電子求引性基若しくは環内に−C(=O)−で表される基を含む芳香族炭化水素基であり、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  11. 前記ArT1の少なくとも1つが、式(T1−1)で表される基である、請求項10に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    環RT1及び環RT2は、それぞれ独立に、環内に−C(=O)−で表される基を含まない芳香族炭化水素環、又は、環内に=N−で表される基、−C(=O)−で表される基、−S(=O)−で表される基、及び、−S(=O)2−で表される基を含まない複素環を表し、これらの環は置換基を有していてもよい。
    T1は、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT1)−で表される基、又は、−C(RXT1')2−で表される基を表す。RXT1及びRXT1'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT1'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。]
  12. 前記式(T1−1)で表される基が、式(T1−1A)、式(T1−1B)、式(T1−1C)又は式(T1−1D)で表される基である、請求項11に記載の発光素子。
    Figure 2019050370
    [式中、
    T1は、前記と同じ意味を表す。
    T2及びXT3は、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、−N(RXT2)−で表される基、又は、−C(RXT2')2−で表される基を表す。RXT2及びRXT2'は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するRXT2'は、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
    T1、RT2、RT3、RT4、RT5、RT6、RT7、RT8、RT9、RT10、RT11及びRT12は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、1価の複素環基、置換アミノ基、ハロゲン原子又はシアノ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。]
  13. 前記第1の有機層が、正孔輸送材料、正孔注入材料、電子輸送材料、電子注入材料、発光材料及び酸化防止剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の発光素子。
  14. 前記第1の有機層と前記第2の有機層とが隣接している、請求項1〜13のいずれか一項に記載の発光素子。
  15. 前記第2の有機層が、前記陽極及び前記第1の有機層との間に設けられた層である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の発光素子。
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