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JP6429497B2 - 撮像装置、制御方法、及びプログラム - Google Patents

撮像装置、制御方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、被写体の測光結果に重み付けをして露出制御をおこなう撮像装置と、その制御方法およびプログラムに関する。
従来、撮像装置における露出制御として、被写体の輝度に関する情報(以下、輝度情報と称す)に重み付けをして露出制御を行う方法がある。
特許文献1では、撮像装置から被写体までの距離に関する情報に基づいて合焦させる領域を決定し、当該合焦させる領域の重み付けの度合いを他の領域よりも大きくして露出制御を行う撮像装置について提案されている。
特開2002−229093号公報
ところで、ユーザが合焦位置を変更する場合は、当該変更した合焦位置に対応した被写界深度内の被写体を撮像したいというユーザの意図がある。この場合、合焦位置を変更した後の合焦させる領域の重み付けの度合いを、予め設定されている重み付けの度合よりも大きくなるように設定し、撮像したい被写体の変化に合わせて露出量を変更することが望ましい。
しかしながら、特許文献1に記載の撮像装置は、合焦させない領域の輝度が変化することで、合焦させる領域の輝度が変化しなくても、重み付けをして求める露出量が変化してしまう。そのため、撮像したい被写体の変化に合わせて、露出量を設定することができない。
本明の目的は、ユーザによって合焦位置を変更する場合に、撮像したい被写体の変化に合わせて露出量を設定することである。
上記目的を達成するための本発明に係る撮像装置は、光路上において被写体に焦点が合う合焦位置を変更可能な撮像レンズの前記合焦位置の変更に応じた制御をおこなう撮像装置であって、前記撮像装置から被写体までの距離に関する第1の情報を取得する距離取得手段と、前記撮像レンズの前記合焦位置に関する情報を取得する位置取得手段と、前記第1の情報と前記撮像レンズの前記合焦位置に関する情報に基づいて、一画面中の複数の領域において当該合焦位置に対応した被写界深度内の被写体が含まれる深度内領域を検出する領域検出手段と、被写体を測光して前記複数の領域における測光値を取得する測光手段と、前記複数の領域ごとに、前記測光値に対する重み付けの度合いを設定する重み付け手段と、前記測光値と前記重み付け度合いに基づいて評価値を算出する評価値算出手段と、前記評価値算出手段によって算出した評価値に基づいて、露出量を設定する露出制御手段と、前記撮像レンズの前記合焦位置が第1の合焦位置から前記第1の合焦位置とは異なる第2の合焦位置へと変更されたか否かを判定する判定手段と、を有し、
前記重み付け手段は、基準となる重み付けの度合いに対して、前記深度内領域の重み付けの度合いが大きくなるように設定し、前記評価値算出手段は、前記撮像レンズが前記第1の合焦位置である場合に、前記複数の領域に基づく基準評価値と前記第1の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第1の評価値とを算出し、前記判定手段によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定された場合であって、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合に、前記第1の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第2の評価値を算出し、前記露出制御手段は、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置である場合に、前記基準評価値に基づいて露出量を設定し、前記判定手段によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定され、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合は、前記第1の評価値と前記第2の評価値の差分に基づいて露出量を設定することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザによって合焦位置を変更する場合に、撮像したい被写体の変化に合わせて露出量を設定することができる。
本発明を実施した撮像装置の実施形態であるデジタルカメラ100の構成を説明するブロック図である。 本発明を実施した撮像装置の実施形態であるデジタルカメラ100の画像処理部を説明する図である。 本発明を実施した撮像装置の実施形態であるデジタルカメラ100について、第1の被写界深度で深度内優先AEを実行する場合を例示的に説明する図である。 本発明を実施した撮像装置の実施形態であるデジタルカメラ100について、第2の被写界深度で深度内優先AEを実行する場合を例示的に説明する図である。 本発明を実施した撮像装置の実施形態であるデジタルカメラ100の深度内優先AE処理を説明するフローチャートである。 本発明を実施した撮像装置の実施形態であるデジタルカメラ100の深度内優先AE処理において、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更する場合を例示的に説明するフローチャートである。
(実施形態)
本発明に係る実施形態としての撮像装置であるデジタルカメラ(以下、単にカメラと称す)100について図1を参照して説明する。図1は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100の構成を説明するブロック図である。
結像レンズ101は被写体光学像を後述の撮像素子107上に結像するための撮像レンズである。
絞り102は、結像レンズ101を通過してカメラ100の内部に入射する光量を調節する光量調節手段である。絞り駆動部103は絞り102を駆動させるためのステップモータである。また、絞り制御部112は、絞り駆動部103の動作を制御することによって、絞り102の駆動を制御する制御手段である。
フォーカスレンズ104は、絞り102を通過した光を撮像素子107に導き、被写体の光学像を撮像素子107に結像させるための撮像レンズである。撮像素子107までの光路上において、フォーカスレンズ104の位置を変更することで、合焦させる被写体を変更することができる。レンズ駆動部105は光路上におけるフォーカスレンズ104の位置(以下、合焦位置と称す)を変更するステップモータである。また、レンズ制御部114は、レンズ駆動部105の動作を制御することによって、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更することができる制御手段である。なお、レンズ制御部114は、ズームレンズ(不図示)の動作を制御することもできる。
撮像素子107は、電荷を蓄積することで画像を生成することが可能なCCDやCMOSなどの固体撮像素子からなる電荷蓄積型の撮像素子であって、2次元的に撮像用の画素が配列されている。結像レンズ101やフォーカスレンズ104を透過した被写体の光学像が撮像素子107に結像すると、当該被写体の光学像に応じたアナログ電気信号(アナログ画像データ)が出力される。
シャッタ制御部113は、シャッタ106の駆動を制御する制御手段である。シャッタ制御部113によりシャッタ106の駆動を制御することによって、撮像素子107に光を露光する露光時間を制御することができる。すなわち、シャッタ制御部113は、被写体を撮像して取得する画像の露光時間(蓄積時間)を制御することができる。なお、本実施形態では、機械的な動作をおこなうシャッタ106を採用する場合について説明したが、所謂電子シャッタ方式のシャッタを採用するような構成であってもよい。
AFE(Analog Front End)108は、撮像素子107から出力されたアナログ画像データに対するアナログゲイン量を調整する調整手段である。また、AFE108は、撮像素子107から出力されたアナログ画像データに対して、レンズの収差補正やサンプリングをおこなう処理部でもある。AFE108によって各種の処理が施されたアナログ画像データは、不図示のA/D変換部によってデジタル画像データに変換される。
画像処理部109は、撮像素子107から出力された画像データに対するリサイズ処理、色変換処理、ガンマ補正処理をおこなう処理部である。また、画像処理部109は、TTL(Through the Lens)方式のAWB(Automatic White Balance)処理をおこなうこともできる。
また、画像処理部109の内部には、フォーカス評価部125、距離取得部126、合焦被写体検出部127、重み付け部128、露出評価部129が設けられている。各部の詳細については図2を参照して後述する。さらに、画像処理部109は、A/D変換部(不図示)から出力されたデジタル画像データのデジタルゲイン量を調節することもできる。
レンズ位置検出部115は、レンズ制御部114によって駆動したフォーカスレンズ104の駆動量に基づいて、フォーカスレンズ104の合焦位置を取得する位置取得手段である。
露出制御部116は、画像処理部109によって取得できる露出制御用の評価値に基づいて、AFE108、画像処理部109、絞り制御部112、シャッタ制御部113の動作を制御し、被写体が適正な明るさとなるような露出量を設定する露出制御手段である。なお、本実施形態の露出量とは、取得する画像の明るさを設定するための値であって、絞り値や露光時間(蓄積時間)、ゲイン量(ISO感度)などの露出条件を変化させることによって設定される。
CPU117は、カメラ100の全体的な動作を統括的に制御する制御手段である。例えば、CPU117は、画像処理部109やメモリ110、絞り制御部112、シャッタ制御部113、レンズ制御部114、レンズ位置検出部115、露出制御部116、表示部123、電源部124などに対して各種の動作や処理を指示する。また、本実施形態では、CPU117からの指示によって、前述したゲイン量の調整、被写体を撮像する際の露光時間や絞り値が設定され、カメラ100の各部に動作が指示される。なお、CPU117は、メモリ110に格納されているプログラムを実行し、当該プログラムの処理に応じたカメラ100の動作や処理を制御することもできる。
メモリ110は、電気的に消去や記憶が可能なメモリであり、例えば、フラッシュメモリ等に代表されるEEPROM等である。メモリ110には、本実施形態において使用される種々のデータが格納されている。例えば、カメラ100において実行されるプログラムや動作用の定数、種々の露出条件、露出制御用の重み付け係数、カメラ100内の処理で使用する算出式などがメモリ110に予め格納されている。
なお、カメラ100において実行されるプログラムとは、後述する図5、6に示すフローと同様の動作を指示するためのプログラムである。また、メモリ110には、DRAMなどの記録素子によって構成された画像データの記録領域を有しており、所定枚数の静止画や所定時間の動画、音声データを記録することができる十分な記憶容量を備え、取得されたデジタル画像データの記録ができる。
さらに、メモリ110は、画像表示用メモリ(ビデオメモリ)、カメラ100の各部の作業領域、後述する記録媒体111の記録用バッファとしても使用される。画像処理部109において種々の処理が施されたデジタル画像データなどは、この記録用バッファに一時的に記録される。そして、CPU117によって当該デジタル画像データが読み出され、記録用の画像データに変換された状態で記録媒体111に記録される。
記録媒体111は、メモリ110に記録されたデジタル画像データの記録が可能なメモリーカードやハードディスクなどの記録媒体である。なお、本実施形態では記録媒体111として、カメラ100に対して挿抜可能なメモリーカードを採用するが、DVD−RWディスク等の光学ディスクやハードディスク等の磁気ディスクを採用するような構成であってもよい。また、記録媒体111を予めカメラ100に内蔵するような構成であってもよい。
操作部118は、カメラ100に対して、ユーザが各種の指示や設定を行うためのスイッチ、ボタン、ダイヤルなどの操作部材によって構成される入力デバイス群である。例えば、電源スイッチやレリーズボタン、メニューボタン、方向指示ボタン、実行ボタンなどが含まれる。
操作部118には、フォーカスレンズ104の合焦位置の変更に関する制御(フォーカス制御)を自動でおこなうか、ユーザの手動操作でおこなうかを設定するフォーカスモード設定ボタン119が設けられている。本実施形態では、ユーザがフォーカスモード設定ボタン119を操作することで、フォーカス制御を自動でおこなうオートフォーカス(AF)モードと、フォーカス制御をユーザの手動操作でおこなうマニュアルフォーカス(MF)モードを選択することができる。
また、フォーカスモードがMFモードに設定されている場合は、ユーザが操作部118に設けられたフォーカスコントローラ120を操作することで、当該操作に応じてフォーカスレンズ104の合焦位置を変更することができる。
また、操作部118には、被写体を撮像して取得する画像データの露出量を固定するAEロックボタン(露出固定手段)121が設けられている。ユーザは、このAEロックボタン121をオンすることで露出量を固定することができ、AEロックボタン121をオフすることで、露出量の固定を解除することができる。なお、動画取得中にAEロックボタン121をオンすると、一画面全体の測光値に基づいて新たに露出量が設定される。そして、ユーザによって合焦位置が変更されるまでは、当該露出量を固定して動画の取得がおこなわれる。
さらに、操作部118には、露出制御の方法を設定するAE(Auto Exposure)モード設定ボタン(モード設定手段)122が設けられている。ユーザは、AEモード設定ボタン122を操作することで、一画面中の被写界深度内の領域の重み付け係数を基準となる重み付け係数(以下、単に基準値と称す)よりも大きく設定するモード(第1のモード)を設定することができる。なお、上述した重み付け係数は、被写体の測光値に対する重み付けの度合であって、第1のモードでは、被写界深度内の被写体を重点的に考慮して露出制御をおこなうことができる。すなわち、第1のモードでは、被写界深度の変化に応じた露出量を設定することができる。
また、本実施形態では、第1のモードの他に、AEモード設定ボタン122によって、一画面中の各領域に予め設定されている基準値を変更しないモード(第2のモード)を設定することもできる。第2のモードでは、メモリ110に予め格納されている重み付け係数である基準値を変更しない。したがって、仮に第1のモードと同様の被写体を撮像する場合であっても、被写体の測光値が変化しない限り設定される露出量が変化することはない。
本実施形態では、第1のモードが設定され、本発明の特徴である被写界深度内の被写体に対して重点的な露出制御(以下、深度内優先AEと称す)をおこなう場合についての説明をする。
表示部123は、不図示のD/A変換部によって変換されたアナログ画像データを表示するためのLCDなどの表示手段である。本実施形態では、表示用のアナログ画像データ(スルー画像)を表示部123に逐次表示することで、被写体を撮像した画像データのライブビュー表示が可能となる。なお、不図示の電子ビューファインダに当該スルー画像をライブビュー表示させるような構成であってもよい。なお、表示部123が静電容量式のタッチパネルであって、表示部123に表示されたUIを操作選択することで、前述した操作部118を操作した際と同様の情報入力ができるような構成であってもよい。
電源部124は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、或いは、ACアダプター等であり、カメラ100の内部に電力を供給する電源である。
以下、図2を参照して、本実施形態の画像処理部109の詳細について説明する。図2は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100の画像処理部の詳細を説明する図である。
フォーカス評価部125は、AFE108から出力された画像データのコントラス情報を取得して、自動でフォーカス制御をおこなう際の評価値(以下、AF評価値と称す)を算出する算出手段である。AFモードが設定されている場合は、取得したAF評価値に基づいて、レンズ制御部114がフォーカスレンズ104の合焦位置を設定する。
距離取得部126は、AFE108から出力された画像データに基づいて、カメラ100から被写体までの被写体距離に関する情報(以下、距離マップと称す)を取得する距離取得手段である。なお、なお、本実施形態では、撮像素子107によって取得し、AFE108から出力された画像データに基づいて距離マップを取得するような構成であるが、これに限定されるものではない。
例えば、距離マップを取得するためのセンサを別途設けて、当該センサの出力に基づいて距離マップを取得するような構成であってもよいし、その他の公知の方法を用いて距離マップを取得する構成であってもよい。
合焦被写体検出部127は、一画面中において合焦状態の(被写界深度内の)被写体の領域を検出する領域検出手段である。合焦被写体検出部127は、距離取得部126で取得した距離マップと、レンズ位置検出部115で検出されたフォーカスレンズ104の現在の合焦位置および絞り値とに基づいて、合焦状態の被写体を検出することができる。
重み付け部128は、後述する露出評価部129によって測光された被写体の測光値(輝度情報)に露出制御に関する重み付け係数(重み付けの度合い)を設定する重み付け手段である。前述したように、本実施形態で重み付け部128は、深度内優先AE処理を実行する場合に、合焦被写体検出部127によって検出した被写界深度内の被写体に対する重み付け係数を後述する図3(e)に図示した基準値よりも大きくする。
露出評価部129は、AFE108から出力された画像データに基づいて被写体を測光して測光値(輝度情報)を取得(測光演算)する測光手段である。また、露出評価部129は、当該測光値と、重み付け部128によって設定された重み付け係数に基づいて、露出制御用の評価値(露出評価値)を算出する評価値算出手段である。そして、露出制御部116は、当該露出制御用の評価値に基づいて露出制御をおこない、露出量を設定する。なお、露出制御用の評価値は、メモリ110に記録することができる。以上が、カメラ100の基本的な構成である。
以下、本実施形態のフォーカス制御について詳細を説明する。まず、フォーカスコントローラ120によってオートのフォーカス制御が設定されている場合について説明する。オートでフォーカス制御をおこなう場合、フォーカス評価部125は、AFE108から出力された画像データの輝度成分のコントラスト情報からAF評価値を算出する。
レンズ制御部114は、当該AF評価値に基づいて、コントラスト情報が最大となるフォーカスレンズ104の位置にあわせてレンズ駆動部105を駆動する。
この際、レンズ制御部114は、レンズ駆動部105の駆動量をレンズ位置検出部115に送信する。そして、レンズ位置検出部115は、当該駆動量に基づいて、常に現在のフォーカスレンズ104の合焦位置を記憶しておく。
次に、フォーカスコントローラ120によってマニュアルのフォーカス制御が設定されている場合について説明する。マニュアルでフォーカス制御をおこなう場合、レンズ制御部114は、ユーザによるフォーカスコントローラ120の操作に応じてフォーカスレンズ104が移動するようにレンズ駆動部105を駆動させる。この構成によって、ユーザの意図した通りにフォーカス制御をおこなうことができる。
なお、オート時と同様に、レンズ制御部114はレンズ駆動部105の駆動量をレンズ位置検出部115に送信する。そして、レンズ位置検出部115は、当該駆動量に基づいて、現在のフォーカスレンズ104の合焦位置を記憶する。
次に、本実施形態の露出制御の詳細について図3を参照して説明する。なお、以下の説明では、深度内優先AEをおこなう場合について説明する。図3は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100について、第1の被写界深度で深度内優先AEを実行する場合を例示的に説明する図である。そして、図3(a)は、第1の被写界深度におけるカメラ100と撮像対象となる被写体の位置関係について例示的に示した図である。
図3(a)に図示するように、カメラ100に対して手前から順に、木・人物1・木・山が手前に存在しており、被写界深度内の被写体は木と人物1と木である。この際の被写界深度を例示的に第1の被写界深度と称す。
図3(b)は、図3(a)の状態を画像データとして示した図であって、AFE108から出力された画像データを複数のブロックに分割した様子を表している。露出評価部129は、図3(b)に図示するように、AFE108から出力された画像データの一画面を複数のブロック(領域)に分割して被写体を測光し、測光値(輝度情報)を取得する。当該測光によって取得された各ブロックの測光値はメモリ110に一時的に記録される。
距離取得部126は、AFE108から出力された画像データに基づいて画素単位の距離マップ(被写体距離)に関する情報を取得し、メモリ110に一時的に記録する。
合焦被写体検出部(領域検出手段)125は、距離マップと現在の合焦位置および絞り値とに基づいて、図3(c)に示すように、一画面中の複数の領域において、現在設定されている絞り値で合焦状態となる被写体が含まれるブロック(斜線部分)を検出する。なお、図3(c)は、露出制御に関する重み付け係数を基準値よりも大きくするブロック(深度内領域)を例示的に説明する図である。検出結果はメモリ110に一時的に記録する。
なお、本実施形態では、被写界深度内の被写体の割合が所定の値よりも大きいであるブロックを重み付けの度合いを基準値よりも大きくするブロック(深度内領域)として設定する。すなわち、被写界深度内の被写体が占める割合が十分に大きいブロックのみ重み付け係数を変更する。
この構成によって、被写界深度内の被写体の割合が所定の値以下のブロックを除いて深度内優先AE処理を実行できるため、ユーザが撮像対象として意図している可能性が低い被写体の明るさの変化によって、露出量が変化することを抑制することができる。すなわち、過度に露出量が変更されることを抑制することができる。また、この構成によって、カメラ100のブレや被写体自身の微小なブレによって、露出量が変更されることを抑制することができる。
重み付け部128は、メモリ110から、各ブロックの測光値と距離マップ、被写界深度内に存在する被写体を含むブロックに関する情報を読み出す。そして、重み付け部128は、図3(d)に図示するように、一画面中の複数のブロックごとに、測光値に対する重み付け係数を設定する。なお、図3(d)の斜線部分に該当するブロックは、図3(c)で検出した重み付け係数を基準値よりも大きくするブロックを示している。すなわち、斜線部分に該当するブロックは、図3(e)に示す基準となる重み付け係数(基準値)よりも重み付け係数を大きくするブロックを示している。図3(d)は、本実施形態の重み付け係数を例示的に示した図であって、図3(e)は、重み付け係数を変更する際の基準値を例示的に示している。なお、図3(e)に図示する基準値は、所謂中央部重点平均測光によって取得された各ブロックの測光値の重み付け係数を示しているが、基準値はどのようなものを用いてもよい。
図3(d)に図示するように、被写界深度内の被写体が含まれる領域として検出されたブロックの重み付け係数は、図3(e)に図示する基準値の2倍の値に設定する。なお、基準値に対して重み付け係数を大きくする比率は2倍以外の比率に設定してもよい。
露出評価部129は、重み付け部128によって設定された各ブロックの重み付け係数と先に算出した各ブロックの測光値とを掛けあわせることで、ブロックごとに、重み付け後の測光値を算出する。そして露出評価部129は、算出した重み付け後の測光値を加算平均することで、一画面全体の露出評価値を算出する。なお、本実施形態では、上述したような、一画面全体のブロックの測光値に基づいて算出する評価値を基準評価値と称する。なお、本実施形態では、一画面全体のブロックの測光値に基づいて基準評価値を算出するような構成であるが、例えば、一画面内の所定の領域のブロックの測光値に基づいて基準評価値を算出するような構成であってもよい。
露出制御部116は、当該基準評価値に基づいて露出制御をおこなう。具体的には、基準評価値が予め定められた目標値に到達するまで、AFE108や画像処理部109、絞り制御部112、シャッタ制御部113を動作させて、露光時間、ゲイン量などを調整することで露出制御をおこなう。この構成によって、被写界深度内に存在する被写体を重点的に考慮した露出量を設定することができる。なお、絞り値を変更すると、被写界深度が変化してしまうため、深度内優先AE処理では、ユーザによる任意の変更以外は、出来るだけ絞り値を変更しないような露出制御が望ましい。
そして、カメラ100は、当該設定された露出量に基づいて被写体を撮像することで、被写界深度内に存在する被写体が適正な明るさとなる画像データを取得することができる。
ここで、フォーカスレンズ104の合焦位置が異なる場合について図4を参照して説明する。図4は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100について、第2の被写界深度で深度内優先AEを実行する場合を例示的に説明する図である。図4(a)は、第2の被写界深度におけるカメラ100と撮像対象となる被写体の位置関係について例示的に示した図である。また、図4(b)、(c)は、第2の被写界深度における、露出制御に関する重み付けの度合いを強めるブロックを説明する図と、重み付けの様子を例示的に説明する図をそれぞれ示している。
図4(a)に図示するように、カメラ100に対して手前から順に、木・人物1・木・人物2・山が手前に存在しており、被写界深度内の被写体は人物2である。この場合の被写界深度を例示的に第2の被写界深度と称す。
この場合も前述したように、AFE108から出力される画像データの一画面を図4(b)に図示するように複数のブロックに分割し、被写界深度内に存在する被写体が存在するブロックのうち重み付け係数を基準値よりも大きくするブロックを検出する。
次に、図4(c)に図示するように、検出したブロックの測光値の重み付け係数を基準値よりも大きくする。そして、当該重み付け係数を大きくしたブロックを含む一画面全体のブロックの測光値に基づいて被写体を評価し、露出制御をおこなう。
以上説明したように、ある被写界深度に基づいて深度内優先AEをおこなう場合は、被写界深度内の被写体を重点的に考慮しつつ、一画面中全体を評価して露出量を設定する。したがって、被写界深度内の被写体を適正な明るさにしつつ、画面全体の明るさが不自然なものとなることを防ぐことができる。
しかしながら、上記深度内優先AEでは、被写界深度外の被写体の輝度が変化した場合も露出量が変化してしまう。例えば、被写界深度外で被写体が移動している場合や、被写界深度外に新たな被写体がフレームインする場合などは、被写界深度外の被写体の輝度が変化することで画面全体の明るさも変化してしまう。特に、絞り101が開放方向に設定されている場合は、被写界深度が浅いため、被写界深度外の被写体の輝度変化に応じて画面全体の明るさが変化する頻度も増加してしまう。また、一般的に、動画を取得する場合は、一画面全体の明るさが頻繁に変化すると不自然な動画となってしまう。
これらの問題を解決するために、深度内優先AEにおいて、被写界深度内の被写体を重点的に考慮しつつ一画面中全体を評価して設定した当初の露出量を固定して露出制御をおこなうことが考えられる。
しかしながら、上述した方法では、動画取得中にフォーカスレンズ104の合焦位置を変更して合焦させる被写体を変更した場合に、変更後の被写界深度に応じた露出制御をおこなうことができない。
例えば、ユーザの意図によって、合焦させる被写体を図4に図示した人物1から人物2に変更する場合を想定する。この場合、一度設定した露出量を、新たに、フォーカスレンズ104の合焦位置に応じて設定し直す必要がある。しかしながら、不自然な動画が取得されることを抑制するために、第1の被写界深度に応じた露出量に固定して露出制御をおこなうと、変更後の第2の被写界深度に応じた露出制御ができない。
そこで、本実施形態では、被写界深度内の被写体の輝度の変化に基づいて露出量を補正することで、当初設定した画面全体の明るさが大きく変化することなく、被写界深度内に存在する被写体の輝度変化に追従した深度内優先AEを安定しておこなう。
以下、その詳細について図5、6を参照して説明する。図5は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100の深度内優先AE処理を説明するフローチャートである。なお、以下の説明では、露出制御の方式として前述した深度内優先AE処理が設定されている場合であって、動画の取得中にユーザの手動操作によって合焦位置が変更される場合について例示的に説明する。
深度内優先AE処理において、AEロックボタン121がオンされると、ステップS501で距離取得部126は、一画面を複数のブロックに分割し距離マップを取得する。次に、ステップS502でレンズ位置検出部115は、フォーカスレンズ104の現在の合焦位置(第1の合焦位置)に関する情報を取得する。なお、当該第1の合焦位置とは、AEロックボタン121をオンすることで露出量の固定が指示された際のフォーカスレンズ104の合焦位置であって、合焦位置を変更する前のフォーカスレンズ104の位置を示している。
また、ステップS502ではCPU117によって、現在設定されている絞り値に関する情報も取得される。
次に、ステップS503で露出評価部129は、既に取得している画像データ一画面を複数のブロックに分割する。そして、測光演算をして、当該複数のブロックごとの測光値を算出する。
次に、ステップS504で合焦被写体検出部127は、距離マップと現在の絞り値に基づいて、一画面中の複数のブロックにおいて、第1の合焦位置に対応した被写界深度(第1の被写界深度)内の被写体が含まれるブロック(深度内領域)を検出する。
次に、ステップS505で重み付け部128は、ステップS504で検出したブロックに関する情報に基づいて、ステップS503で算出した各ブロックの測光値に対する重み付け係数を設定する。なお、ステップS504で検出したブロックについては、重み付け係数を基準値よりも大きくなるように設定する。
次に、ステップS506で露出評価部129は、設定された重み付け係数に基づいて各ブロックの測光値を重み付けし、重み付けされた測光値を平均することで基準評価値Ysを算出する。算出した基準評価値Ysはメモリ110に記録される。
次に、ステップS507で露出評価部129は、ステップS504で検出したブロックの測光値(重み付け済みの測光値)のみを平均することで第1の評価値Y1を算出する。すなわち、第1の合焦位置に対応した被写界深度内の被写体の測光値のみに基づいて第1の評価値Y1を算出する。算出した第1の評価値Y1はメモリ110に記録される。
次に、ステップS508で露出制御部116は、メモリ110から基準評価値Ysを読み出し、基準評価値Ysに基づいて露出量を設定する。この際、取得する動画の明るさが滑らかに変化するように露光時間やゲイン量をフレームレート単位で少しずつ変化させるように露出制御をおこなう。なお、当該露出制御によって設定された露出量をメモリ110に記録するような構成であってもよい。
次に、ステップS509で露出制御部116は、先に設定した露出量を固定し、以降の処理では、フォーカスレンズ104の合焦位置が変更される、又は、AEロックボタン121がオフされるまで固定した露出量で動画の取得を続行する。
次に、ステップS510でCPU(判定手段)117は、レンズ位置検出部115から出力される情報に応じて、フォーカスレンズ104の合焦位置が第1の合焦位置から第2の合焦位置へと変更されたか否かを判定する。当該判定においてCPU117が、合焦位置が第2の合焦位置へと変更されたと判定した場合は図6のステップS601の処理に移行する。
なお、第2の合焦位置とは、AEロックボタン121をオンすることで露出量の固定が指示された後であって、合焦位置を変更した後のフォーカスレンズ104の位置を示している。
CPU117が、合焦位置が変更されていないと判定した場合はステップS511に進み、CPU117は、動画の取得を終了するか否かを判定する。ステップS511の判定において、CPU117が動画の取得を続行すると判定した場合は、ステップS510に戻り、フォーカスレンズ104の合焦位置が変更されたか否かを再度判定する。また、ステップS511の判定において、CPU117が動画の取得を終了すると判定した場合は、深度内優先AE処理を終了し、動画取得も終了する。そして、取得された画像データをメモリ110に記録して、被写体の撮像に係るカメラ100の処理を終了する。
以下、図6を参照して、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更した場合の深度内優先AE処理について説明する。図6は、本発明を実施した撮像装置の実施形態であるカメラ100の深度内優先AE処理において、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更する場合を例示的に説明するフローチャートである。
ステップS601でCPU117は、レンズ位置検出部115からの出力に基づいて、フォーカスレンズ104の合焦位置の変更が完了したか否かを判定する。ステップS601の処理は、フォーカスレンズ104の合焦位置の変更が完了したとCPU117によって判定されるまで繰り返される。
フォーカスレンズ104の合焦位置の変更が完了したら、ステップS602で距離取得部126は、合焦位置変更後の一画面中の被写体に関する距離マップを取得する。そして、ステップS603でレンズ位置検出部115は、フォーカスレンズ104の第2の合焦位置に関する情報を取得する。
次に、ステップS604で合焦被写体検出部127は、距離マップと現在の絞り値に基づいて、一画面中の複数のブロックにおいて、第2の合焦位置に対応した被写界深度(第2の被写界深度)内の被写体が含まれるブロック(深度内領域)を検出する。
ステップS605で重み付け部128は、ステップS604で検出した深度内領域に基づいて重み付け係数を設定する。なお、重み付け係数の設定方法については、前述したステップS505と同様なので説明は省略する。
ここで、合焦位置を変更した後の被写界深度内に主要な被写体が存在するブロックを検出できない場合は、ステップS604〜S609の処理を省略し、ステップS508で先に設定した露出量を維持する。そして、ステップS510に進み前述したステップS510〜S511の処理を繰り返す。
次に、ステップS606で露出評価部129は、ステップS604で検出したブロックの測光値(重み付け済みの測光値)のみを平均することで第2の評価値Y2を算出する。すなわち、第2の合焦位置に対応した被写界深度内の被写体の測光値のみに基づいて第2の評価値Y2を算出する。算出した第2の評価値Y1はメモリ110に記録される。
なお、本実施形態では、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更した後に、新たに測光演算するような構成ではないが、ステップS603やステップS604の後に測光演算をおこなうような構成であってもよい。この際、算出した一画面中の複数のブロックの測光値のうち、ステップS604で検出したブロックの測光値のみを更新する。この構成によって、AEロックボタン121をオンした際に設定した一画面全体の測光値に関する情報は維持ししたまま、変更後の深度内領域の測光値に関する情報を更新することができる。したがって、ユーザによって合焦位置を変更する場合に、撮像した被写体の明るさの変化に合わせて露出制御に用いる測光値を変更することができる。
次に、ステップS607でCPU117は、メモリ110から第1の評価値Y1と第2の評価値Y2を読み出し、第1の評価値Y1と第2の評価値Y2に基づいて露出補正量ΔBvを算出する。露出補正量ΔBvは第1の評価値Y1と第2の評価値Y2の差分であって、式(1)を用いて、
ΔBv=Log2(Y2/Y1)・・・(1)
として算出できる。算出した露出補正量ΔBvはメモリ110に記録される。
なお、露出補正量ΔBvとしては、これに限定されるものではない。例えば、第1の評価値Y1に対応する露出量から、第2の評価値Y2に対応する露出量を差し引いて露出補正量ΔBvを算出するような構成であってもよい。
次に、ステップS608で露出制御部116は、メモリ110から露出補正量ΔBvを読み出し、露出補正量ΔBvに基づいてAFE108、画像処理部109、絞り制御部112、シャッタ制御部113などの動作を制御する。そして、当該制御によって、露光時間やゲイン量などを調整して、ステップS508で先に設定された露出量を補正することで新たに露出量を設定する。
この際、先に算出したΔBvがプラスの値である場合(ΔBv>0)は、合焦位置を変更する前よりも合焦位置を変更した後の方が明るい被写体であると判定し、画面が暗くなるように露出制御をおこなう。また、先に算出したΔBvがマイナスの値である場合(ΔBv<0)は、合焦位置を変更する前よりも合焦位置を変更した後の方が暗い被写体であると判定し、画面が明るくなるように露出制御をおこなう。なお、算出した露出補正量ΔBv=0の場合は、合焦位置を変更する前と合焦位置を変更した後とで被写体の明るさに変化がないと判定し、ステップS508で設定した露出量を維持したまま露出補正処理を終了する。
また、露出補正処理の動作としては、先に説明した通常の露出制御と同様に、取得する動画の明るさが滑らかに変化するように露光時間やゲイン量をなどをフレームレート単位で少しずつ変化させるように露出制御をおこなう。撮像用の1フレームで露出補正処理が完了しない場合は、露出補正量ΔBv=0となるまで、複数のフレームにおいて徐々に露出補正処理用の露出制御をおこなう。
次に、ステップS609で露出制御部116は、ステップS609で補正を行った露出量を固定する。そして、ステップS610でCPU117は、動画の取得を終了するか否かを判定し、動画の取得を終了すると判定された場合は深度内優先AEを終了し、動画取得も終了する。また、CPU117によって、動画の取得を続行すると判定した場合はステップS510の処理に戻る。
なお、ステップS510に戻り、再びフォーカスレンズ104の合焦位置が変更されたとCPU117に判定された場合は、前述したステップS601〜S610の処理を繰り返しおこなう。
例えば、フォーカスレンズ104の合焦位置を、前述した第2の合焦位置から第3の合焦位置へと更に変更した場合は、変更後の合焦位置に応じた深度内領域に基づいて新たに第3の評価値Y3を算出する。そして、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更する前の第2の評価値Y2と変更後の第3の評価値Y3との差分に基づく露出量で露出補正処理をおこなう。この際、第2の合焦位置から第1の合焦位置と同じ位置へとフォーカスレンズ104の合焦位置を変更した場合も、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更する前後の評価値の差分に基づいて露出補正処理をおこなう。すなわち、第3の合焦位置は、第1の合焦位置と同じ位置を含み第2の合焦位置とは異なる位置である。
したがって、深度内優先AE時にAEロックボタン121がオンされている場合は、フォーカスレンズ104の合焦位置が変更される度に、変更前と変更後の合焦位置に対応した深度内領域に基づく評価値同士の差分に基づいて新たに露出補正処理をおこなう。
以上説明したように、本実施形態のカメラ100は、被写界深度内の被写体を重点的に考慮して設定した露出量を固定するので、被写界深度外の被写体の輝度が変化しても、一画面全体の明るさが変化することを抑制することができる。また、被写体を連続して撮像することで取得した動画が、不自然な明るさになることを抑制することができる。
また、本実施形態のカメラ100は、ユーザの意図で合焦させる被写体を変更した場合に、合焦位置の変更前と変更後の被写界深度内の被写体の輝度変化のみに基づいて、合焦位置の変更前の露出量に対する露出補正処理をおこなう。
すなわち、本実施形態のカメラ100は、合焦位置の変更前に一画面全体を評価して設定した露出量を維持したまま、被写界深度内の被写体の輝度が変化した分だけ、当該露出量を補正するように露出制御をおこなう。この構成によって、画面全体の明るさが大きく変化することなく、被写界深度内の被写体を重点的に考慮した露出量を設定することができるため、被写界深度内の被写体を適正な明るさにしつつ、画面全体の明るさが不自然なものとなることを防ぐことができる。したがって、本実施形態のカメラ100は、ユーザによって合焦位置を変更する場合に、撮像したい被写体の変化に合わせて露出量を設定することである。
また、本実施形態において、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更する前に設定された露出量は、合焦位置の変更中に変更されることはない。この構成によって、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更している途中に被写界深度内に含まれる被写体に対して、露出制御がおこなわれることを防ぐことができる。すなわち、ユーザがフォーカスレンズ104の合焦位置を変更している最中に、ユーザが撮像対象として意図しない被写体に合わせて露出量が設定されてしまうことを防止することができる。
なお、本実施形態では、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更する場合に、当該合焦位置の変更後に、第2の評価値Y2を取得するような構成であったが、これに限定されるものではない。例えば、第2の評価値Y2を取得する際と同様の方法で、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更している間も連続して評価値を取得し、合焦位置の変更が終了した段階の当該評価値を第2の評価値として露出補正処理に用いるような構成であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態では、ユーザによるマニュアルフォーカスによって、フォーカスレンズ104の合焦位置を変更するような構成について説明したが、オートフォーカスによって合焦位置が変更されるような場合に適用することもできる。
なお、本実施形態では、ユーザの手動操作によってフォーカス制御をおこなう場合について説明した。これは、ユーザの手動操作によって合焦位置が変更される場合はユーザの意図に基づいて合焦させる被写体が決定されるため、被写界深度内の被写体が、ユーザの意図する主要な撮像対象となる場合が多いためである。これに対して、自動でフォーカス制御をおこなう場合は、ユーザの意図には関係なく合焦位置が変更されるので被写界深度内に存在する被写体が、必ずしもユーザが意図した主要な撮像対象というわけではない。
そこで、AFモードが設定されている際に深度内優先AE処理をおこなう場合は、AEロックボタン121をオンした際に設定された露出量(基準評価値に対応した露出量)を固定しておくような構成であってもよい。この構成によって、フォーカス制御の方式に応じた適正な露出制御をおこなうことができる。なお、AFモードが設定されている場合であっても、上述したような深度内優先AE処理における露出補正処理をおこなうような構成であってもよい。
また、前述した実施形態では、カメラ100の内部に設けられた制御部や処理部などが互いに連携して動作することによって、カメラ100の動作を制御するような構成であるが、これに限定されるものではない。前述した図5や図6のフローに従ったプログラムを予めメモリ110に格納しておき、当該プログラムをCPU117が実行することで、カメラ100の動作を制御するような構成であってもよい。
また、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。また、プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記録媒体でもあってもよい。
なお、前述した実施形態では、本発明を実施する撮像装置の一例としてデジタルカメラを採用した場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、デジタルビデオカメラやスマートフォンなどの可搬型デバイスなど、本発明はその要旨の範囲内で種々の撮像装置に適用することができる。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワークまたは各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
100 デジタルカメラ(撮像装置)
104 フォーカスレンズ(撮像レンズ)
109 画像処理部
115 レンズ位置検出部(位置取得手段)
116 露出制御部(露出制御手段)
117 CPU(判定手段)
124 距離取得部(距離取得手段)
125 合焦被写体検出部(領域検出手段)
126 重み付け部(重み付け手段)
127 露出評価部(測光手段、評価値算出手段)

Claims (10)

  1. 光路上において被写体に焦点が合う合焦位置を変更可能な撮像レンズの前記合焦位置の変更に応じた制御をおこなう撮像装置であって、
    前記撮像装置から被写体までの距離に関する第1の情報を取得する距離取得手段と、
    前記撮像レンズの前記合焦位置に関する情報を取得する位置取得手段と、
    前記第1の情報と前記撮像レンズの前記合焦位置に関する情報に基づいて、一画面中の複数の領域において当該合焦位置に対応した被写界深度内の被写体が含まれる深度内領域を検出する領域検出手段と、
    被写体を測光して前記複数の領域における測光値を取得する測光手段と、
    前記複数の領域ごとに、前記測光値に対する重み付けの度合いを設定する重み付け手段と、
    前記測光値と前記重み付け度合いに基づいて評価値を算出する評価値算出手段と、
    前記評価値算出手段によって算出した評価値に基づいて、露出量を設定する露出制御手段と、
    前記撮像レンズの前記合焦位置が第1の合焦位置から前記第1の合焦位置とは異なる第2の合焦位置へと変更されたか否かを判定する判定手段と、
    を有し、
    前記重み付け手段は、基準となる重み付けの度合いに対して、前記深度内領域の重み付けの度合いが大きくなるように設定し、
    前記評価値算出手段は、前記撮像レンズが前記第1の合焦位置である場合に、前記複数の領域に基づく基準評価値と前記第1の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第1の評価値とを算出し、前記判定手段によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定された場合であって、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合に、前記第1の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第2の評価値を算出し、
    前記露出制御手段は、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置である場合に、前記基準評価値に基づいて露出量を設定し、前記判定手段によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定され、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合は、前記第1の評価値と前記第2の評価値の差分に基づいて露出量を設定することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記露出制御手段は、前記判定手段によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定され、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合に、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置である場合に設定した露出量を基準として、前記第1の評価値と前記第2の評価値の差分に基づいて当該露出量を補正することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記露出制御手段は、前記撮像レンズの前記合焦位置を変更中に、合焦位置の変更前に前記露出制御手段によって設定された露出量を変更しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記露出制御手段で設定した露出量の固定を指示する露出固定手段を有し、
    前記判定手段は、前記露出固定手段によって露出量の固定が指示された際の前記撮像レンズの前記合焦位置を前記第1の合焦位置と判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記判定手段は、前記撮像レンズの前記合焦位置が、前記第2の合焦位置から、前記第2の合焦位置とは異なる位置であって前記第1の合焦位置と同じ位置を含む第3の合焦位置へと変更されたか否かを判定し、
    前記評価値算出手段は、前記撮像レンズが前記第3の合焦位置である場合に、前記第3の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第3の評価値を算出し、
    前記露出制御手段は、前記判定手段によって前記撮像レンズが前記第2の合焦位置から前記第3の合焦位置に変更されたと判定され、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第3の位置にある場合は、前記第2の評価値と前記第3の評価値の差分に基づいて露出量を設定することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記領域検出手段は、前記複数の領域の各々において、被写界深度内の被写体が含まれる割合が所定の値よりも大きい領域を前記深度内領域として検出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記露出制御手段は、前記撮像レンズの前記合焦位置をユーザの手動操作によって変更する場合は、前記判定手段によって前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置へと変更されたと判定され前記撮像レンズが前記第2の合焦位置である場合に、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置である場合に設定した露出量を基準として、前記第1の評価値と前記第2の評価値の差分に基づいて当該露出量を補正し、前記撮像レンズの前記合焦位置を自動で変更する場合は、前記判定手段によって前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置へと変更されたと判定され前記撮像レンズが前記第2の合焦位置である場合に、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置である場合に設定した露出量を維持することを特徴とする請求項3乃至6の何れか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記重み付け手段によって、前記深度内領域の重み付けの度合いを前記基準となる重み付けの度合よりも大きく設定する第1のモードと、前記基準となる重み付けの度合いを変更しない第2のモードとを設定することができるモード設定手段を有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の撮像装置。
  9. 被写体を測光して一画面中の複数の領域における測光値を取得する測光手段を備え、光路上において被写体に焦点が合う合焦位置を変更可能な撮像レンズの前記合焦位置の変更に応じた制御をおこなう撮像装置の制御方法であって、
    前記撮像装置から被写体までの距離に関する第1の情報を取得する距離取得工程と、
    前記撮像レンズの前記合焦位置に関する情報を取得する位置取得工程と、
    前記第1の情報と前記撮像レンズの前記合焦位置に関する情報に基づいて、一画面中の複数の領域において被写界深度内の被写体が含まれる深度内領域を検出する領域検出工程と、
    前記複数の領域ごとに、前記測光値に対する重み付けの度合いを設定する重み付け工程と、
    前記測光値と前記重み付け度合いに基づいて評価値を算出する評価値算出工程と、
    前記評価値算出工程によって算出した評価値に基づいて、露出量を設定する露出制御工程と、
    前記撮像レンズの前記合焦位置が第1の合焦位置から前記第1の合焦位置とは異なる第2の合焦位置へと変更されたか否かを判定する判定工程と、
    を有し、
    前記重み付け工程は、基準となる重み付けの度合いに対して、前記深度内領域の重み付けの度合いが大きくなるように設定し、
    前記評価値算出工程は、前記撮像レンズが前記第1の合焦位置である場合に、前記複数の領域に基づく基準評価値と前記第1の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第1の評価値とを算出し、前記判定工程によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定された場合であって、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合に、前記第1の合焦位置情報に基づいて検出された前記深度内領域のみに基づく第2の評価値を算出し、
    前記露出制御工程は、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第1の合焦位置である場合に、前記基準評価値に基づいて露出量を設定し、前記判定工程によって前記撮像レンズが前記第1の合焦位置から前記第2の合焦位置に変更されたと判定され、前記撮像レンズの前記合焦位置が前記第2の合焦位置にある場合は、前記第1の評価値と前記第2の評価値の差分に基づいて露出量を設定することを特徴とする撮像装置の制御方法。
  10. 請求項9に記載の撮像装置の制御方法をコンピュータで実行させるためのコンピュータで読み取り可能なプログラム。
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