JP6492347B2 - 温調シートおよび車両用温調シート - Google Patents
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Description
ところで、一般に、身体の体温調整を行うにあたって、腰や首元等を局所的に冷やしたり温めたりすると効率的であることが知られている。このため、利用者の腰回りや首元に向けて冷温風を噴射させる車両用温調シートが開示されている。
また、シート座面に対するシートバックの角度が変化しても利用者の腰回りの空気を確実に拡散しにくくすることができる。このため、リクライニング機能を有しつつ、利用者の体温調整を効率よく行うことが可能な温調シートを提供できる。
図1は、車両用温調シート1の斜視図である。なお、以下の説明では、利用者が車両用温調シート1を利用できる状態(図1の状態)に配置して重力方向上側となる方向を単に上側、重力方向下側となる方向を単に下側、進行方向前方を単に前方、進行方向後方を単に後方、進行方向に直交する左右方向を単に左右方向と称して説明する。
図2は、図1のA矢視図である。
図1、図2に示すように、腰パッド5の表皮も、防水性の高い素材(例えば、PVCシート)により形成されている。また、腰パッド5は、シート座面2から立ち上がるパッド本体6を有している。
上述のように構成された車両用温調シート1には、腰パッド5に対応する位置に、温調装置9が埋設されている。
図3は、温調装置9の斜視図である。
同図に示すように、腰パッド5側に設けられている温調装置9は、熱電素子27と、熱電素子27の両面にそれぞれ設けられた2つの熱交換器28a,28bと、これら熱交換器28a,28bに外気を送り込むための送風機31と、送風機31と熱交換器28a,28bとを連結するエアダクト32と、パッド本体6における後壁6aの着座側表面6c(図2参照)側に設けられた送風口33と、を主構成としている。
熱電素子27に設けられた熱交換器28a,28bは、例えばアルミにより形成されたヒートシンクである。しかしながら、熱交換器28a,28bは、熱伝導率の高い材料で形成されていればよく、例えば、アルミに代わって銅等により形成してもよい。
また、ケーシング34の吸入口34aには、エアダクト32の一端が接続されている。エアダクト32は、吸入口34aから一旦左右方向外側(左側)に向かって延出した後、下方に向かって捩れながら延出するように形成されている。そして、エアダクト32の下端に、送風機31が設けられている。なお、この送風機31にも、例えば、シロッコファンが採用される。
円筒部42の先端側周縁には、外フランジ部41が形成されている。そして、後壁6aや可撓壁7から送風口33の外フランジ部41のみが露出した状態になっている。この外フランジ部41が後壁6aや可撓壁7の表皮に係合される形になり、これら後壁6aおよび可撓壁7内に送風口33が潜り込んでしまうことが防止される。
同図に示すように、送風口33の外フランジ部41には、複数(この実施形態では4つ)の凹部43が周方向に等間隔で形成されている。これら凹部43が形成されていることにより、車両用温調シート1に利用者が着座した際、この利用者によって送風口33が完全に閉塞されてしまうことが防止される。これについては、以下の説明で詳述する。
次に、温調装置9、および腰パッド5の作用について説明する。
図5は、腰パッド5の作用説明図である。
同図に示すように、車両用温調シート1は、いわゆるリクライニング機能を有しており、シート座面2に対してシートバック3が傾動可能に設けられている。このとき、腰パッド5は、パッド本体6とシートバック3とを離間させ、これらの間を可撓壁7によって連結させているので、腰パッド5は、シートバック3の傾動に追随する(図5における二点鎖線参照)。しかも、可撓壁7は、僅かに弛ませた状態で取り付けられている。このため、シートバック3を傾動させた際に、可撓壁7が引っ張られることがなく、シートバック3がスムーズに傾動される。
なお、電流の向きが変われば熱電素子27の一方の面が吸熱し、他方の面が発熱する。そして、各熱交換器28a,28bが、熱電素子27の発熱、吸熱に応じて発熱や吸熱を行う。
また、腰パッド5のパッド本体6をシートバック3から離間させ、これらパッド本体6とシートバック3との間を可撓壁7によって連結させている。このため、車両用温調シート1にリクライニング機能を持たせてもシート座面2とシートバック3との間の腰パッド5によって完全に閉塞できる。よって、腰パッド5の前面に確実にエア溜まりを形成することができ、利用者の体温調整を効率よく行うことができる。
例えば、上述の実施形態では、窓無し車(原付四輪車)や大型ルーフ(キャノピー)を装備した二輪車等に、車両用温調シート1が搭載されている場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、さまざまな車両や車両以外のものに車両用温調シート1を設けることが可能である。
さらに、上述の実施形態では、腰パッド5のパッド本体6の上縁側をシートバック3の下側縁に接触しない程度に延出形成し、パッド本体6の上側縁とシートバック3の下側縁との間に、可撓壁7を設けた場合について説明した。しかしながら、これに限られるものではなく、腰パッド5の全体を、可撓壁7によって構成してもよい。
さらに、送風口33は、外フランジ部41が形成されていなくてもよい。この場合、送風口33の外周縁に凹部43を形成すればよい。
2…シート座面
3…シートバック
5…腰パッド
6…パッド本体
6a…後壁
6b…横壁
7…可撓壁
9…温調装置
33…送風口
43…凹部
Claims (3)
- シート座面と、
前記シート座面の上方に前記シート座面と離間して配置され、前記シート座面に対して傾動可能に設けられるシートバックと、
前記シート座面と前記シートバックとの間を塞ぐように設けられる腰パッドと、
前記腰パッドに設けられた送風口と、
前記送風口に連結され、該送風口から冷温風を噴射させるための温調装置と、
を備え、
前記腰パッドは、
前記シート座面の後側から上方に向かって立ち上がり、前記シートバックの下側縁から離間している後壁と、
前記後壁の左右方向両側から前方に向かって立ち上がり、前記シートバックの下側縁から離間している2つの横壁と、
前記後壁および前記2つの横壁の上側縁と、前記シートバックの下側縁と、に跨るように設けられ、前記シートバックの傾動に追随可能なように可撓性を有している可撓壁と、
を備え、
前記後壁と前記可撓壁との接続部に前記送風口が配置されていることを特徴とする温調シート。 - 前記送風口の外周縁に、少なくとも1つ凹部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の温調シート。
- 請求項1または請求項2に記載の温調シートを、車両に搭載したことを特徴とする車両用温調シート。
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