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JP6483521B2 - 半導体レーザ - Google Patents

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JP6483521B2 JP2015103397A JP2015103397A JP6483521B2 JP 6483521 B2 JP6483521 B2 JP 6483521B2 JP 2015103397 A JP2015103397 A JP 2015103397A JP 2015103397 A JP2015103397 A JP 2015103397A JP 6483521 B2 JP6483521 B2 JP 6483521B2
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Description

本発明は、光送信器用光源などに利用される半導体レーザに関する。
インターネットの普及に伴うネットワークトラフィック量の爆発的な増大により、光ファイバ伝送の高速・大容量化が著しい。半導体レーザは、光ファイバ通信を支える光源デバイスとして発展を続けてきた。特に、分布帰還型(DFB)レーザによる単一モード光源の実現は、時分割多重方式、および波長分割多重(WDM)方式による光ファイバ通信の高速化、大容量化に大きく寄与してきた。
近年、光通信は、コアネットワークやメトロネットワーク等のテレコム領域に限らず、データセンタ間、ラック間、更にはボード間、ボード内といった短距離のデータ通信にも適用されている。データ通信用の大容量化は急激に進んでいることから、今後はWDMネットワークの適用が進むと考えられる。既に、100Gbイーサネット(登録商標)はWDM型の多波長アレイ光源を前提として標準化されており、この流れは今後も続くと考えられる。
データ通信用途においては、低消費電力化が重要である。半導体レーザの低消費電力化に向けては、小型化と共振器の高Q値化が設計指針となる。このことから、小型かつ高Q値を有する半導体レーザが検討されてきた。データ通信用の小型レーザとしては、活性層の上下に、周期的な屈折率構造を有する誘電体多層膜からなるブラッグ反射鏡を形成し、素子の表面から光を取り出す面発光レーザ(VCSEL)が実用化されている。反射率の高い反射鏡を形成し、活性層体積を小さくすることができるため、閾値電流が1mA程度の消費電力の小さいレーザが実現されている。
しかし、VCSELは、結晶成長を用いた反射鏡の膜厚制御により発振波長の制御を行うため、モノリシック集積のアレイ型集積光源を実現するにあたっては、レーザ素子毎の波長制御が困難であるという課題がある。従って、モノリシック集積型のアレイ光源を実現するには、導波路型の波長多重変調光源が重要な役割を果たすと考えられる。
導波路型のWDM用光源として代表的なレーザは先述したDFBレーザである(非特許文献1)。半導体レーザの共振器に屈折率の周期構造を形成し、単一モード化を実現する。以下、埋め込み型DFBレーザについて、図15A、図15Bを用いて説明する。図15Aは、典型的な埋め込み型DFBレーザの構成を示す断面図であり、光出射方向に垂直な断面を示している。また、図15Bは、典型的な埋め込み型DFBレーザの構成を示す斜視図である。
この埋め込み型DFBレーザは、n型のInPからなる基板601の上に形成されたn型InPからなるクラッド層602と、この上に形成された活性層603とを備える。活性層603は、光出射方向に延在するストライプ状に形成されている。また、活性層603の両脇は、p型のInPからなる埋め込み層604と、n型のInPからなる電流阻止層605に埋め込まれ、いわゆるpn埋め込み構造とされている。また、活性層603の上部には、図15Bに示すように、回折格子621が形成されている。また、活性層603の上には、p型のInPからなるクラッド層606が形成されている。クラッド層606は、活性層603両脇の電流阻止層605の上にも形成されている。
また、クラッド層606の上には、p型のInGaAsからなるコンタクト層607が形成され、コンタクト層607の上には、SiO2からなる保護膜608が形成されている。また、保護膜608の開口部でコンタクト層607に接続するp電極611が形成され、基板601の裏面には、n電極612が形成されている。
単一モード化に向けては、回折格子621が重要な役割を果たす。代表的な構造として、λ/4シフト構造が実用化されてきた。図16は、λ/4シフト構造の屈折率分布の例を示す。図16において、(a)は回折格子621をサイン波形状で形成した場合を例示し、(b)は、回折格子621を矩形形状で形成した場合を例示している。均一な周期で形成された回折格子621の一部(図16中央部)に、位相が反転する部分を形成する。この位相シフトにより、ブラッグ波長における単一モード発光が可能となる。
図17は、発振付近の発光スペクトルを示す特性図である。素子長は500μmとし、回折格子621の結合係数は30cm-1とした。λ/4シフトは、活性層603の中央部に形成してある。図17に示すように、このレーザは、ストップバンドの中心波長において単一モードで発光する。回折格子621の位相シフトのパタンは、電子ビーム露光などのリソグラフィー技術を用いることで形成することができ、簡易に単一モード発振を得られるため、上記埋め込み型DFBレーザは、これまでWDMシステムを始め、単一モード光源として多く実用化されてきた。
近年は、短共振器化により50Gbit/sで高速動作するDFBレーザ(非特許文献2)や、電界変調器を集積したアレイ型光源も報告されている(非特許文献3)。今後はこれらを更に進展させた、データ通信に適用可能な超小型・低消費電力のDFBレーザの実現が望まれる。
H. SODA and H. IMAI, "Analysis of the Spectrum Behavior Below the Threshold in DFB Lasers", IEEE Journal of Quantum Electronics, vol.QE-22, no.5, pp.637-641, 1986. W. Kobayashi et al., "50-Gb/s Direct Modulation of a 1.3-μm InGaAlAs-Based DFB Laser With a Ridge Waveguide Structure", IEEE JOURNAL OF SELECTED TOPICS IN QUANTUM ELECTRONICS, vol.19, no.4, pp.1500908-1500908, 2013. T. Fujisawa et al., "Ultracompact, 160-Gbit/s transmitter optical subassembly based on 40-Gbit/s × 4 monolithically integrated light source", OPTICS EXPRESS, vol.21, no.1, pp.182-189, 2013. T. Simoyama et al., "40-Gbps Transmission Using Direct Modulation of 1.3-μm AlGaInAs MQW Distributed-Reflector Lasers up to 70℃", OFC/NFOEC 2011, OWD3, 2011. M. Okai et al., "Corrugation-Pitch-Modulated MQW-DFB Laser with Narrow Spectral Linewidth (170 Khz)", IEEE Photonics Technology Letters, vol.2, no.8, pp.529-530, 1990.
DFBレーザの更なる小型化に向けては、回折格子の結合係数κの値を増大させて反射率を上げることが設計指針となる。しかし、従来型のλ/4シフトDFBレーザは、短共振器化、共振器の高Q値化を行うと発振モードが不安定となる課題があった。また、小型化のみならず、共振器の高Q値化により線幅の狭いレーザを実現する際の制限要因にもなっていた。
図18Aは、共振器長100μm、κ=800cm-1の場合のλ/4シフトDFBレーザの共振器内の電界分布のシミュレーション結果を示す特性図である。図18Aにおいて、半導体レーザの両端面からの出力波長(Forward,Backward)は破線で示し、これらの合計(Total)を実線で示している。半導体レーザの両端面からの出力波長(Forward,Backwardは、一致している。また、図18Bは、共振器長100μm、κ=800cm-1の場合のλ/4シフトDFBレーザの共振器内のキャリア分布のシミュレーション結果を示す特性図である。
図18Aに示すように、活性層中央部で光が集中し、また、図18Bに示すように、活性層中央部でキャリアは減少している。レーザ活性層内では光強度の高い領域でキャリアが多く消費されるために、活性層中央部のキャリア密度は低下する。
このように、レーザ内の光強度分布により共振器内にキャリア分布が発生する現象を、空間ホールバーニングと呼ぶ。この状態では、活性層中央部のキャリア密度が低下することから、活性層中央部の屈折率が他領域に対して高くなる。回折格子に屈折率分布が発生すると、反射波長の不均一性や反射率の低下によりモード選択性が著しく低下し、レーザの発振モードが不安定となる。
図19Aは、空間ホールバーニングが無い状態の発光スペクトルを示す特性図である。また、図19Bは、空間ホールバーニングがある場合の発光スペクトル示す特性図である。空間ホールバーニングを含めない理想状態においては、図19Aに示すように中心のブラッグ波長で発光している。これに対し、空間ホールバーニングが生じると、図19Bに示すように、回折格子のストップバンド端において強い発光が生じることがわかる。
このように、λ/4シフトDFBレーザにおいては、小型化に向けて回折格子の反射率を増大させた際の発振モードの安定化に課題があった。
また、狭線幅レーザ用途としては、結合係数と共振器長の積κLを1.5程度に留めて共振器内の光分布の局在化を抑制し、κの値を下げ、かつ共振器長Lを長くして共振器のQ値を上げる手法がとられている。しかし、素子の小型化は望めず、また微小な回折格子制御が必要となる。
また、DFBレーザのモード安定化に向けては、λ/4シフトを設けずに共振器の端面に反射を設けて単一モード発振を行う手法があるが、端面と回折格子間の位相制御が困難であり、歩留まりよく単一モード発振を得ることは難しい。
また、端面反射に変えてDFBレーザの前後に回折格子を形成して高反射率を得る、いわゆる分布反射型(DR)レーザが提案されている(非特許文献4参照)。しかしながら、DFB領域に電流注入を行った際、DR領域に対して発振波長が大きくずれるために、広い電流注入領域で安定な発振を得ることは困難である。
また、回折格子の位相シフトを緩やかにすることで活性層内の電界分布の均一化を図る非対称周期変調型(CPM)回折格子が提案されている(非特許文献5参照)。しかしながら、電界分布の均一化の効果は位相シフト付近の領域に限られることから、この技術においても、ストップバンド端における発振抑制には至らない。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、安定した単一発振モードの状態で、分布帰還型レーザの短共振器化および共振器の高Q値化ができるようにすることを目的とする。
本発明に係る半導体レーザは、基板の上に形成された活性層と、活性層の上に形成された回折格子と、活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、n型半導体層に接続するn型電極と、p型半導体層に接続するp型電極とを備える分布帰還型の半導体レーザであって、回折格子は、回折格子の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比であるデューティー比が0.5より大きい最大値となる領域を内部領域に備え、デューティー比が回折格子の両端部から最大値となる領域にかけて増大していき、回折格子の溝周期は、回折格子の全域で一定とされている
本発明に係る半導体レーザ基板の上に形成された活性層と、活性層の上に形成された回折格子と、活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、n型半導体層に接続するn型電極と、p型半導体層に接続するp型電極とを備える分布帰還型の半導体レーザであって、回折格子は、回折格子の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比であるデューティー比が0.5より小さい最小値となる領域を内部領域に備え、デューティー比が回折格子の両端部から最小値となる領域にかけて減少していき、回折格子の溝周期は、回折格子の全域で一定とされている
本発明に係る半導体レーザ基板の上に形成された活性層と、活性層の上に形成された回折格子と、活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、n型半導体層に接続するn型電極と、p型半導体層に接続するp型電極とを備える分布帰還型の半導体レーザであって、回折格子の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比であるデューティー比は、両端部より内部領域にかけて変化して内部領域の結合係数が両端部より低くなる状態に設定され、回折格子の溝周期は、回折格子の全域で一定とされている
以上説明したように、本発明によれば、回折格子の溝周期に対する溝凸部の幅の比が、回折格子の両端部から中心部にかけて変化しているようにしたので、安定した単一発振モードの状態で、分布帰還型レーザの短共振器化および共振器の高Q値化ができるという優れた効果が得られる。
図1Aは、本発明の実施の形態における半導体レーザの構成を示す断面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態における半導体レーザの構成を示す斜視図である。 図2は、本発明の実施の形態1における回折格子の状態を示す説明図である。 図3は、デューティー比に分布を設けない回折格子を用いた分布帰還型の半導体レーザの特性を示す特性図である。 図4は、中央部から端部にかけてデューティー比を増大させる分布を設けた不均一な回折格子132を用いた実施の形態1における分布帰還型の半導体レーザの特性を示す特性図である。 図5Aは、実施の形態1における半導体レーザのデューティー比の状態(a−1),(b−1)、結合係数(a−2),(b−2)、平均実効屈折率(a−3),(b−3)、ストップバンドの分布(a−4),(b−4)を示す特性図である。 図5Bは、実施の形態1における半導体レーザのデューティー比の状態(c−1)、結合係数(c−2)、平均実効屈折率(c−3)、ストップバンドの分布(c−4)を示す特性図である。 図6は、図5A,図5Bに示した3つの状態に対応する活性層103の閾値付近の発光スペクトルを示す特性図である。 図7は、本発明の実施の形態2における回折格子の状態を示す説明図である。 図8は、中央部から端部にかけてデューティー比を減少させる分布を設けた不均一な回折格子132を用いた実施の形態2における分布帰還型の半導体レーザの特性を示す特性図である。 図9は、本発明の実施の形態2における半導体レーザの電界分布を示す特性図である。 図10は、空間ホールバーニングによる屈折率分布の発生により、活性層103における回折格子132両端の屈折率が低下してストップバンドの曲率が増大する状態を説明するための説明図である。 図11Aは、実施の形態2における半導体レーザのデューティー比の状態(a−1),(b−1)、結合係数(a−2),(b−2)、平均実効屈折率(a−3),(b−3)、ストップバンドの分布(a−4),(b−4)を示す特性図である。 図11Bは、実施の形態2における半導体レーザのデューティー比の状態(c−1)、結合係数(c−2)、平均実効屈折率(c−3)、ストップバンドの分布(c−4)を示す特性図である。 図12は、図11A,図11Bに示した3つの状態に対応する活性層103の閾値付近の発光スペクトルを示す特性図である。 図13は、本発明における回折格子のデューティー比の変調の形状例を示す説明図である。 図14Aは、本発明の実施の形態における他の半導体レーザの構成を示す断面図である。 図14Bは、本発明の実施の形態における他の半導体レーザの構成を示す斜視図である。 図15Aは、埋め込み型DFBレーザの構成を示す断面図である。 図15Bは、埋め込み型DFBレーザの構成を示す斜視図である。 図16は、λ/4シフト構造の屈折率分布の例を示す説明図である。 図17は、埋め込み型DFBレーザの発振付近の発光スペクトルを示す特性図である。 図18Aは、共振器長100μm、κ=800cm-1の場合のλ/4シフトDFBレーザの共振器内の電界分布のシミュレーション結果を示す特性図である。 図18Bは、共振器長100μm、κ=800cm-1の場合のλ/4シフトDFBレーザの共振器内のキャリア分布のシミュレーション結果を示す特性図である。 図19Aは、空間ホールバーニングが無い状態のDFBレーザの発光スペクトルを示す特性図である 図19Bは、空間ホールバーニングがある場合のDFBレーザの発光スペクトル示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1Aは、本発明の実施の形態における半導体レーザの構成を示す断面図であり、光出射方向に垂直な断面を示している。また、図1Bは、本発明の実施の形態における半導体レーザの斜視図である。
この半導体レーザは、基板101の上に形成された活性層103と、活性層103の上に形成された回折格子132と、活性層103に接して形成されたn型半導体層105およびp型半導体層106と、n型半導体層105に接続するn型電極109と、p型半導体層106に接続するp型電極110とを備える分布帰還型の半導体レーザである。また、回折格子132の溝周期に対する溝凸部の幅の比(デューティー比)が、回折格子132の両端部から中心部にかけて変化している。なお、ここでは溝凸部の幅としているが、これはより高い屈折率の側に凸となっている部分(高屈折率領域)の幅である。回折格子132の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比がデューティー比である。
なお、基板101の上には、下部クラッド層102が形成され、この上に、活性層103が形成されている。また、活性層103は、基板101から見て上下の方向に、半導体層104a,半導体層104bに挾まれている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造が、n型半導体層105およびp型半導体層106に挾まれている。p型半導体層106およびn型半導体層105は、基板101の平面に平行な方向で活性層103を挾んで形成されている。
ここでは、半導体層104aの上に接して活性層103が形成され、活性層103の上に接して半導体層104bが形成されている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造の側部に接し、n型半導体層105およびp型半導体層106が形成されている。
また、n型電極109は、n型半導体層105にコンタクト層107を介して接続し、p型電極110は、p型半導体層106にコンタクト層108を介して接続する。この構成では、活性層103には、基板101の平面に平行な方向で電流が注入される。
また、活性層103は、光出射方向に所定の長さで延在し、この延在方向の共振器領域131において、活性層103の上に回折格子132が形成されている。なお、ここでは、半導体層104bの上面に回折格子132を形成している。
また、図1Bでは省略しているが、コンタクト層107とコンタクト層108との間の半導体層104b、n型半導体層105、p型半導体層106の上面は、保護膜111により保護されている。また、半導体レーザは、共振器領域131の両端に、図示しない無反射膜が形成されている。
基板101は、例えば、シリコンから構成され、下部クラッド層102は、例えば、酸化シリコンから構成されている。また、活性層103は、InGaAsPからなる層厚6nmの井戸層が8層、および層厚9nmのバリア層が9層、交互に積層された量子井戸構造とされている。また、活性層103は、幅0.8μm程度とされている。活性層103の発光波長は1.55μmである。
また、例えば、半導体層104a,半導体層104bは、アンドープのInP(i−InP)から構成され、n型半導体層105は、Siが1×1018cm-3程度ドープされたn型のInP(n−InP)から構成され、p型半導体層106は、Znが1×1018cm-3程度ドープされたp型のInP(p−InP)から構成されている。
また、コンタクト層107は、Siが1×1019cm-3程度ドープされたn型のInGaAs(n−InGaAs)から構成され、コンタクト層108は、Znが1×1019cm-3程度ドープされたInGaAs(p−InGaAs)から構成されている。また、保護膜111は、例えば、SiO2から構成されている。
例えば、まず、酸化シリコンから構成された下部クラッド層102を備える基板(シリコン基板)101を用意する。
一方で、InP基板の上に、InGaAsからなる犠牲層、半導体層104b,活性層103,半導体層104aとなる化合物半導体の層をエピタキシャル成長させる。例えば、よく知られた有機金属気相成長法により、各層を成長させれば良い。次いで、このエピタキシャル成長した基板の半導体層104a面と、前述したシリコン基板101の酸化シリコン面を公知のウエハ接合技術により直接接合し、この後、InP基板と犠牲層を除去する。次いで、公知のフォトリソグラフィー技術により作成したレジストパタンをマスクとしたウエットエッチングおよびドライエッチングなどにより、成長させた各化合物半導体の層をパターニングし、半導体層104b,活性層103,半導体層104aからなるストライプ構造を形成する。
次に、形成した半導体層104b,活性層103,半導体層104aの両脇に、n型のInPとInGaAs層、p型のInPとInGaAs層を再成長させ、n型半導体層105とコンタクト層107、およびp型半導体層106とコンタクト層108を形成する。なお、半導体層104b,活性層103,半導体層104aの両脇に、アンドープのInPとInGaAsを再成長させた後、イオン注入や熱拡散などによりn型の不純物、p型の不純物を導入することで、n型半導体層105とコンタクト層107,p型半導体層106とコンタクト層108を形成してもよい。
次に、半導体層104bの表面に、回折格子132を形成する。例えば、電子ビーム露光によるリソグラフィーで形成したレジストパタンをマスクとし、所定のエッチングによりパターニングすることで、回折格子132を形成すれば良い。回折格子132のデューティー比は、上記レジストパタンにより変えることができる。
次に、形成した回折格子132を覆うように、保護膜111を形成する。例えば、よく知られたスパッタ法やプラズマアシストCVD法などによりSiO2を堆積することで、保護膜111を形成すれば良い。また、コンタクト層107の上にn型電極109を形成し、コンタクト層108の上にp型電極110を形成する。
上述した実施の形態1における半導体レーザによれば、半導体層104bと、SiO2から構成された保護膜111との間の高い屈折率差を用いるため、高い結合係数を有する回折格子132を得ることができ、高いQ値が得られる。
次に、回折格子132について、図2を用いてより詳細に説明する。図2の(a)は、光出射方向に対して半導体レーザの側面から見た回折格子132の形状と共に実効屈折率の変化を示している。回折格子の周期は全領域にわたりΛで一定とし、実効屈折率の最大値はneq-H、最小値はneq-L、中間値はneq-Mである。この構成において、デューティー比に分布を設ける。デューティー比は、ΛH(回折格子1周期内で、実効屈折率の中間値neq-Mよりも高い屈折率領域の幅)/Λ(回折格子周期)で定義する。特に回折格子の形状が完全な矩形の場合は、[1周期あたりの高屈折率(neq-H)領域の幅]/Λで与えられる。この例では、溝凸部が高屈折率領域に対応する。具体的には、活性層103の中央部(共振器領域131の中央部)から端側にかけてデューティー比が増大する状態に形成する。この状態では、回折格子132の中央部は、屈折率の高い領域の比が低くなるため、回折格子1周期内の平均実効屈折率が減少する。
図2の(b)は、活性層103内の光出射方向のデューティー比の分布を示し、(c)は、活性層103内の光出射方向の平均実効屈折率の分布を示している。デューティー比の高い領域では、平均実効屈折率が増大しており、デューティー比が高くなる活性層103の両端では、屈折率が高くなる。
次に、実施の形態1における半導体レーザについて、より詳細に説明する。まず、図3は、デューティー比に分布を設けない回折格子、いわゆる均一回折格子を用いた分布帰還型の半導体レーザの特性を示す特性図である。図3の(a)は、均一回折格子を設けた活性層内の位置および回折格子のストップバンドを示す特性図である。図3の(a)において、横軸は活性層内位置、縦軸は波長である。ストップバンド領域には、光は存在することができない。
図3の(b)は、均一回折格子を設けた活性層による発光スペクトルを示す特性図である。回折格子の凹凸の実効屈折率差は0.061であり、結合係数は800cm-1である。活性層長(共振器領域131の長さ)は100μmである。この半導体レーザは、ストップバンドの両端の波長において、図3の(b)に示すように、対称な2モード発光を生じる。なお、図3の(b)では、半導体レーザの両端面からの出力波長を示しているが、両者は一致している。
次に、図4は、中央部から端部にかけてデューティー比を増大させる分布を設けた不均一な回折格子132を用いた分布帰還型の半導体レーザの特性を示す特性図である。図4の(a)は、回折格子132を設けた活性層103内の光出射方向位置、および回折格子132のストップバンドを示す特性図である。活性層103の共振器領域131の端側では、デューティー比を増大させていることから、平均の屈折率が相対的に高くなっており、ストップバンドが曲率を有する。この状態では、活性層103の光出射方向中心付近で共振モードが生じ、長波長側のストップバンド付近で発振することから、半導体レーザは、長波長側ストップバンド付近で単一モード発振する。
図4の(b)は、不均一な回折格子132を設けた活性層103による発光スペクトルを示す特性図である。光出射方向に共振器領域131の中央部における回折格子132のデューティー比Dcを0.4、端部のデューティー比Deを0.6とし、放物線状で変化させている。この構成では、ストップバンドが15nmと広いため、活性層103と発振波長を調節することにより、モード跳びのない安定した単一モード発振を得ることができる。なお、図4の(b)では、半導体レーザの両端面からの出力波長を示しているが、両者は一致している。
次に、デューティー比の分布とストップバンドおよび発振モードについて、より詳細に説明する。まず、図5Aにおいて、実施の形態1におけるデューティー比を放物線状に変化させた回折格子132を用いた半導体レーザにおいて、(a−1)に示すようにデューティー比を全領域で0.5以上にした場合の、結合係数(a−2)、平均実効屈折率(a−3)、ストップバンドの分布(a−4)を示す。
デューティー比を変えると、平均実効屈折率に加えて結合係数も変化する。一般に結合係数はデューティー比0.5の場合が最大となり、デューティー比が0.5からずれるに従い低下する。このため、結合係数は中央部が高くなり、回折格子132の中央部分におけるストップバンドが広くなる。
一方、図5Aにおいて、デューティー比を放物線状に変化させた回折格子132を用いた半導体レーザにおいて、(b−1)に示すようにデューティー比を全領域で0.5以下にした場合の、結合係数(b−2)、平均実効屈折率(b−3)、ストップバンドの分布(b−4)を示す。この場合、結合係数は中央部が低くなるため、回折格子132の中央部分におけるストップバンドが狭くなる。
また、図5Bにおいて、デューティー比を放物線状に変化させた回折格子132を用いた半導体レーザにおいて、(c−1)に示すように、回折格子132の両端のデューティー比が0.5を上回り、回折格子132中央部のデューティー比が0.5を下回る場合の、結合係数(c−2)、平均実効屈折率(c−3)、ストップバンドの分布(c−4)を示す。この条件では、回折格子132の両端と中央部2か所で結合係数が低下し、この2か所においてストップバンドが狭くなる。
以上に説明したように、回折格子132におけるデューティー比の選択により、活性層103における結合係数および平均実効屈折率の分布は変化する。パタン形成が容易な回折格子のデューティー比の値を変えるのみで、エッチングの深さや膜厚、導波路幅の分布を制御することなく、結合係数や実効屈折率を自在に制御することができる。原理的にはストップバンドの曲率によるモード選択はいずれの場合にも得られるために、いずれも長波長側で安定な単一モード発振が得られる。
図6は、上述した3つの状態に対応する活性層103の閾値付近の発光スペクトルを示す特性図である。図6の(a)は、回折格子132の中央部のデューティー比Dcを0.5とし、両端のデューティー比Deを0.7とした活性層103の発光スペクトルを示す。図6の(b)は、回折格子132の中央部のデューティー比Dcを0.3とし、両端のデューティー比Deを0.5とした活性層103の発光スペクトルを示す。図6の(c)は、回折格子132の中央部のデューティー比Dcを0.4とし、両端のデューティー比Deを0.6とした活性層103の発光スペクトルを示す。いずれも高いQ値を得ると同時に、明瞭な単一モードの発光ピークが得られている。なお、図6では、いずれも半導体レーザの両端面からの出力波長を示しているが、両者は一致している。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。この半導体レーザは、図1A,図1Bに示すように、基板101の上に形成された活性層103と、活性層103の上に形成された回折格子132と、活性層103に接して形成されたn型半導体層105およびp型半導体層106と、n型半導体層105に接続するn型電極109と、p型半導体層106に接続するp型電極110とを備える分布帰還型の半導体レーザである。また、回折格子132の溝周期に対する溝凸部の幅の比(デューティー比)が、回折格子132の両端部から中心部にかけて変化している。なお、ここでは溝凸部の幅としているが、これはより高い屈折率の側に凸となっている部分(高屈折率領域)の幅である。回折格子132の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比がデューティー比である。
基板101の上には、下部クラッド層102が形成され、この上に、活性層103が形成されている。また、活性層103は、基板101から見て上下の方向に、半導体層104a,半導体層104bに挾まれている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造が、n型半導体層105およびp型半導体層106に挾まれている。p型半導体層106およびn型半導体層105は、基板101の平面に平行な方向で活性層103を挾んで形成されている。
また、半導体層104aの上に接して活性層103が形成され、活性層103の上に接して半導体層104bが形成されている。また、半導体層104a,活性層103,半導体層104bの積層構造の側部に接し、n型半導体層105およびp型半導体層106が形成されている。
また、n型電極109は、n型半導体層105にコンタクト層107を介して接続し、p型電極110は、p型半導体層106にコンタクト層108を介して接続する。この構成では、活性層103には、基板101の平面に平行な方向で電流が注入される。
また、活性層103は、光出射方向に所定の長さで延在し、この延在方向の共振器領域131において、活性層103の上に回折格子132が形成されている。半導体層104bの上面に回折格子132を形成している。
また、図1Bでは省略しているが、コンタクト層107とコンタクト層108との間の半導体層104b、n型半導体層105、p型半導体層106の上面は、保護膜111により保護されている。また、半導体レーザは、共振器領域131の両端に、図示しない無反射膜が形成されている。
上記構成は、前述した実施の形態1と同様であり、半導体層104bと、SiO2から構成された保護膜111との間の高い屈折率差を用いるため、高い結合係数を有する回折格子132を得ることができ、高いQ値が得られる。
実施の形態2では、図7に示すように、活性層103の中央部(共振器領域131の中央部)から端側にかけてデューティー比が減少する状態としている。なお、図7の(a)は、光出射方向に対して半導体レーザの側面から見た回折格子132の形状と共に実効屈折率の変化を示している。回折格子の周期は全領域にわたりΛで一定とし、デューティー比(ΛH/Λ)に分布を設けている。中央部から端側にかけてデューティー比が減少する実施の形態2では、回折格子132の中央部は、屈折率の高い領域の比が高くなるため、回折格子1周期内の平均実効屈折率が増大する。
図7の(b)は、活性層103内の光出射方向のデューティー比の分布を示し、(c)は、活性層103内の光出射方向の平均実効屈折率の分布を示している。デューティー比の高い領域では、平均実効屈折率が増大しており、デューティー比が高くなる活性層103の中央では、屈折率が高くなる。
次に、実施の形態2における半導体レーザについて、より詳細に説明する。図8は、中央部から端部にかけてデューティー比を減少させる分布を設けた不均一な活性層103による実施の形態2の半導体レーザの特性を示す特性図である。図8の(a)は、中央部から端部にかけてデューティー比を減少させる分布を設けた不均一な活性層103内の位置および回折格子のストップバンドを示す特性図である。
図8の(b)は、中央部から端部にかけてデューティー比を減少させる分布を設けた不均一な活性層103による発光スペクトルを示す特性図である。なお、図8の(b)では、半導体レーザの両端面からの出力波長を示しているが、両者は一致している。
回折格子132の凹凸の実効屈折率差は0.061であり、デューティー比0.5における結合係数は800cm-1である。活性層長(共振器領域131の長さ)は100μmである。また、出射方向に共振器領域131の中央部における回折格子132のデューティー比Dcを0.6、端部のデューティー比Deを0.4とし、放物線状で変化させている。
活性層103の共振器領域131の端側では、デューティー比を減少させていることから、平均の屈折率が相対的に低くなっており、ストップバンドが曲率を有する。この状態においても、活性層103の光出射方向中心付近で共振モードが生じ、長波長側のストップバンド付近で発振することから、半導体レーザは、長波長側ストップバンド付近で単一モード発振する。
実施の形態2では、実施の形態1で示した安定な単一モード性に加え、空間ホールバーニングに対して優れた耐性を示す特徴がある。実施の形態2における半導体レーザの電界分布を図9に示す。図9において、半導体レーザの両端面からの出力波長において一端面からの出力波形(Forward)は破線で示し、他端面からの出力波形(Backward)は一点鎖線で示している。また、これらの合計(Total)を実線で示している。
図9に示すように、活性層103(回折格子132)の中心部にモードが集中する。このモード集中により、λ/4シフト型DFBレーザと同様に、空間ホールバーニングが発生し、活性層103両端のキャリア分布が中央部よりも高くなり、屈折率分布は、回折格子132両端の屈折率が中央部に対して低くなる。しかしながら、実施の形態2では、回折格子132両端の屈折率が中央よりも低くなる構成として単一モード発振動作するために、空間ホールバーニングが生じても発振の単一モード性が損なわれない。
例えば、図10に示すように、図10の(a),(b)に示す状態より、空間ホールバーニングによる屈折率分布の発生により、図10の(c),(d)に示すように、活性層103における回折格子132両端の屈折率が低下してストップバンドの曲率が増大しても、短波長側モードでの発振は損なわれない。また、長波長側のストップバンドで発振せず、加えて短波長側にも大きなモード跳びを誘発しないため、電流注入に伴う利得の短波長シフトの観点からも有利である。このように、実施の形態2の半導体レーザは、回折格子が均一に形成されているλ/4シフトレーザと比較して優れた特徴を有する。なお、図10の(b),(d)では、半導体レーザの両端面からの出力波長を示しているが、両者は一致している。
次に、デューティー比の分布とストップバンドおよび発振モードについて、より詳細に説明する。まず、図11Aにおいて、実施の形態2におけるデューティー比を放物線状に変化させた回折格子132を用いた半導体レーザにおいて、(a−1)に示すようにデューティー比を全領域で0.5以上にした場合の、結合係数(a−2)、平均実効屈折率(a−3)、ストップバンドの分布(a−4)を示す。
デューティー比を変えると、平均実効屈折率に加えて結合係数も変化する。一般に結合係数はデューティー比0.5の場合が最大となり、デューティー比が0.5からずれるに従い低下する。このため、結合係数は中央部が低くなり、回折格子132の中央部分におけるストップバンドが狭くなる。
一方、図11Aにおいて、デューティー比を放物線状に変化させた回折格子132を用いた半導体レーザにおいて、(b−1)に示すようにデューティー比を全領域で0.5以下にした場合の、結合係数(b−2)、平均実効屈折率(b−3)、ストップバンドの分布(b−4)を示す。この場合、結合係数は中央部が高くなり、回折格子132の中央部分におけるストップバンドが広くなる。
また、図11Bにおいて、デューティー比を放物線状に変化させた回折格子132を用いた半導体レーザにおいて、(c−1)に示すように、回折格子132の両端のデューティー比が0.5を下回り、回折格子132中央部のデューティー比が0.5を上回る場合の、結合係数(c−2)、平均実効屈折率(c−3)、ストップバンドの分布(c−4)を示す。この条件では、回折格子132の両端と中央部2か所で結合係数が低下し、この2か所においてストップバンドが狭くなる。
この場合も、デューティー比の選択により結合係数および平均実効屈折率の分布が変化するが、モード選択の機能はいずれの場合にも生じ、短波長側のストップバンドで安定な単一モード発振が得られる。
図12は、上述した3つの状態に対応する活性層103の閾値付近の発光スペクトルを示す特性図である。図12の(a)は、回折格子132の中央部のデューティー比Dcを0.7とし、両端のデューティー比Deを0.5とした活性層103の発光スペクトルを示す。図12の(b)は、回折格子132の中央部のデューティー比Dcを0.5とし、両端のデューティー比Deを0.3とした活性層103の発光スペクトルを示す。図12の(c)は、回折格子132の中央部のデューティー比Dcを0.6とし、両端のデューティー比Deを0.4とした活性層103の発光スペクトルを示す。いずれも明瞭な単一モードの発光ピークが得られている。なお、図12では、半導体レーザの両端面からの出力波長を示しているが、両者は一致している。
以上に説明したように、本発明によれば、回折格子の溝周期に対する溝凸部の幅の比が、回折格子の両端部から中心部にかけて変化しているようにしたので、安定した単一発振モードの状態で、分布帰還型レーザの短共振器化および共振器の高Q値化ができるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。
例えば、上述では、回折格子の形状が矩形である場合を示したが、回折格子の形状は台形やサイン関数などの他の形状でも構わない。また、デューティー比の変調の形状は放物線状としたが、その他の形状でも効果を得ることができるのは本発明の動作原理からも明らかである。例えば、図13の(a)および(b)に示すように、ガウシアン分布を有するデューティー比で変調してもよい。また、図13の(c)および(d)に示すように、台形状のデューティー比で変調してもよい。
また、上述では、回折格子のデューティー比の分布は左右対称としたが、この分布を非対称にしてもよい。また、デューティー比の分布中心を、活性層(回折格子)中央からずらしても同様の効果が得られることは動作原理からも明らかである。
また、本発明は、次に示す構成の半導体レーザに適用することもできる。図14Aの断面図,図14Bの斜視図に示すように、基板201の上に形成された活性層203と、活性層203の上に形成された回折格子232と、活性層203に接して形成されたn型半導体層205およびp型半導体層206と、n型半導体層205に接続するn型電極209と、p型半導体層206に接続するp型電極210とを備える。また、回折格子232の溝周期に対する溝凸部の幅の比(デューティー比)が、回折格子232の両端部から中心部にかけて変化している。
この半導体レーザは、例えば鉄をドープすることで高抵抗とした半絶縁性のInPからなる基板201の上に形成されている。活性層203は、基板201から見て上下の方向に、キャリア分離閉じ込め層202a,202bに挾まれている。また、これらは、基板201から見て上下の方向に、半導体層204a,半導体層204bに挾まれている。
また、半導体層204a,キャリア分離閉じ込め層202a,活性層203,キャリア分離閉じ込め層202b,半導体層204bの積層構造が、n型半導体層205およびp型半導体層206に挾まれている。p型半導体層206およびn型半導体層205は、基板201の平面に平行な方向で活性層203を挾んで形成されている。
また、n型電極209は、n型半導体層205にコンタクト層207を介して接続し、p型電極210は、p型半導体層206にコンタクト層208を介して接続する。この構成では、活性層203には、基板201の平面に平行な方向で電流が注入される。
また、活性層203は、光出射方向に所定の長さで延在し、この延在方向の共振器領域231において、活性層203の上に回折格子232が形成されている。半導体層204bの上面に回折格子232を形成している。
また、図14Bでは省略しているが、コンタクト層207とコンタクト層208との間の半導体層204b、n型半導体層205、p型半導体層206の上面は、保護膜211により保護されている。また、半導体レーザは、共振器領域231の両端に、図示しない無反射膜が形成され、分布帰還型レーザを構成している。
活性層203は、例えば、InGaAsPからなる層厚6nmの井戸層が14層、層厚9nmのバリア層が15層、交互に積層された量子井戸構造とされている。また、活性層203は、幅0.8μm程度とされている。活性層203(量子井戸層)の発光波長は1.55μmである。また、キャリア分離閉じ込め層202a,202bは、バンドギャップ波長1.2μmのInGaAsPから構成され、厚さ130nm程度とされている。
また、例えば、半導体層204a,半導体層204bは、アンドープのInPから構成され、n型半導体層205は、Siが1×1018cm-3程度ドープされたn型のInPから構成され、p型半導体層206は、Znが1×1018cm-3程度ドープされたp型のInPから構成されている。
また、コンタクト層207は、Siが1×1019cm-3程度ドープされたn型のInGaAsから構成され、コンタクト層208は、Znが1×1019cm-3程度ドープされたInGaAsから構成されている。また、保護膜111は、例えば、SiO2から構成されている。
この半導体レーザの回折格子232に、本発明の構成を提供することによっても、高Q値および単一モード発振の効果が得られる。
また、図15A、図15Bを用いて説明した埋め込み型DFBレーザの回折格子に本発明の回折格子構造を適用しても同様の効果が得られる。また、他のリッジレーザなどの回折格子にも本発明を適用することができるのは言うまでもない。
また、上述では、InGaAsP系の半導体を用いたが、InGaAlAs系やGaAs系など、他の化合物半導体材料を用いることもできることは言うまでも無い。
101…基板、102…下部クラッド層、103…活性層、104a,104b…半導体層、105…n型半導体層、106…p型半導体層、107,108…コンタクト層、109…n型電極、110…p型電極、111…保護膜、131…共振器領域、132…回折格子。

Claims (3)

  1. 基板の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された回折格子と、
    前記活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、
    前記n型半導体層に接続するn型電極と、
    前記p型半導体層に接続するp型電極と
    を備える分布帰還型の半導体レーザであって、
    前記回折格子は、前記回折格子の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比であるデューティー比が0.5より大きい最大値となる領域を内部領域に備え、デューティー比が前記回折格子の両端部から最大値となる領域にかけて増大していき、
    前記回折格子の溝周期は、前記回折格子の全域で一定とされている
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 基板の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された回折格子と、
    前記活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、
    前記n型半導体層に接続するn型電極と、
    前記p型半導体層に接続するp型電極と
    を備える分布帰還型の半導体レーザであって、
    前記回折格子は、前記回折格子の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比であるデューティー比が0.5より小さい最小値となる領域を内部領域に備え、デューティー比が前記回折格子の両端部から最小値となる領域にかけて減少していき、
    前記回折格子の溝周期は、前記回折格子の全域で一定とされている
    ことを特徴とする半導体レーザ。
  3. 基板の上に形成された活性層と、
    前記活性層の上に形成された回折格子と、
    前記活性層に接して形成されたp型半導体層およびn型半導体層と、
    前記n型半導体層に接続するn型電極と、
    前記p型半導体層に接続するp型電極と
    を備える分布帰還型の半導体レーザであって、
    前記回折格子の屈折率の高い側に凸の部分の幅の溝周期に対する比であるデューティー比は、両端部より内部領域にかけて変化して内部領域の結合係数が両端部より低くなる状態に設定され、
    前記回折格子の溝周期は、前記回折格子の全域で一定とされている
    ことを特徴とする半導体レーザ。
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