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JP6479344B2 - 建設機械用物体検知システム - Google Patents

建設機械用物体検知システム Download PDF

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Description

本発明は、旋回機構を備える建設機械の周囲に存在する物体を検知する建設機械用物体検知システムに関する。
建設機械の警戒区域内に入った物体をレーザスキャナで検知した場合にカメラを回動させてその物体を撮影し、そのカメラが撮影した画像をモニタに表示するシステムが知られている(特許文献1参照。)。
このシステムは、建設機械の後方の死角領域を監視するために建設機械の後部においてレーザスキャナを車体側壁から突出するように設置している。
特開平8−160127号公報
しかしながら、上述のシステムは、車体側壁に取り付けられるレーザスキャナの計測範囲が車体側壁自体によって制限されるため、後方の死角領域全体をカバーするためにはレーザスキャナを複数台設置する必要があり効率的でない。
上述に鑑み、より広い計測範囲をより少ない数の走査型距離計測装置でカバーできるようにする建設機械用物体検知システムの提供が望まれる。
本発明の一実施形態に係る建設機械用物体検知システムは、旋回機構を介して下部走行体に搭載される上部旋回体を備える建設機械の周囲に存在する物体を検知する建設機械用物体検知システムであって、前記上部旋回体の下側に取り付けられる物体を検出する装置を有る。
上述の手段により、より広い計測範囲をより少ない数の走査型距離計測装置でカバーできるようにする建設機械用物体検知システムが提供される。
本発明の実施例に係る物体検知システムが搭載されるショベルの側面図である。 物体検知システムの構成例を示すブロック図である。 走査型距離計測装置の構成例を示す概略図である。 旋回機構が走査型距離計測装置の計測範囲に与える影響を示すショベル上面図である。 下部走行体上の障害物が走査型距離計測装置の計測範囲に与える影響を示すショベル上面図である。 レーザ光保護構造を備えたショベルの構成例を示す側面図である。 別のレーザ光保護構造を備えたショベルの構成例を示す側面図である。 レーザ光保護構造が走査型距離計測装置の計測範囲に与える影響を示すショベル上面図である。
図1は、本発明の実施例に係る物体検知システム100が搭載されるショベルの側面図である。ショベルの下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載される。上部旋回体3には、ブーム4が取り付けられる。ブーム4の先端にはアーム5が取り付けられ、アーム5の先端にはバケット6が取り付けられる。ブーム4、アーム5、及びバケット6は、掘削アタッチメントを構成し、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9によりそれぞれ油圧駆動される。また、上部旋回体3には、キャビン10が設けられ、且つエンジン等の動力源が搭載される。また、上部旋回体3の後端部分を構成するカウンターウエイトの下面には走査型距離計測装置40が取り付けられる。また、上部旋回体3の後端上部、左端上部、及び右端上部の3カ所には撮像装置41が取り付けられる。また、キャビン10内にはコントローラ30及び出力装置50が設置される。
図2は、物体検知システム100の構成例を示すブロック図である。物体検知システム100は、主に、コントローラ30、走査型距離計測装置40、撮像装置41、及び出力装置50を含む。
コントローラ30は、ショベルの駆動制御を行う制御装置である。本実施例では、コントローラ30は、CPU及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、内部メモリに格納された駆動制御用のプログラムをCPUに実行させて各種機能を実現する。
また、コントローラ30は、各種装置の出力に基づいてショベルの周辺に物体が存在するかを判定し、その判定結果に応じて各種装置を制御する。なお、本実施例では、物体として特に「人」を対象とした場合を説明する。具体的には、コントローラ30は、走査型距離計測装置40及び撮像装置41のそれぞれの出力を受け、物体検出部31、人候補抽出部32、及び人識別部33のそれぞれに対応するソフトウェアプログラムを実行する。そして、その実行結果に応じてショベルの駆動制御を実行し、或いは、出力装置50から各種情報を出力させる。
走査型距離計測装置40は、ショベルの周囲に存在する物体までの距離を計測する装置であり、計測データをコントローラ30に対して出力する。本実施例では、走査型距離計測装置40は、半導体レーザを用いた二次元走査型レーザレンジファインダである。具体的には、走査型距離計測装置40は、半導体レーザの光軸が下部走行体1と上部旋回体3との間の隙間を通るように、カウンターウエイトの下面に取り付けられる。より具体的には、走査型距離計測装置40は、カウンターウエイトの下面の後端部分において、車幅方向中央部分に取り付けられる。
図3は、走査型距離計測装置40の構成例を示す概略図であり、図3(A)はその側面図を示し、図3(B)は、図3(A)の一点鎖線で示す平面をIII−III方向から見た図を示す。
図3に示すように、走査型距離計測装置40は、主に、本体部40a、光窓部40b、及び蓋部40cを含む。本体部40aは、半導体レーザ発生器、ミラー回転用モータ、及び受光器(何れも図示せず。)等を収容する部分である。また、光窓部40bは、ミラー回転用モータによってZ軸回りに回転駆動される回転ミラー(図示せず。)を収容する部分であり、その筐体がレーザ光を透過できる材料で形成される。そして、走査型距離計測装置40は、半導体レーザ発生器が発生させたレーザ光40Xを回転ミラーで反射させてXY平面に平行に且つZ軸に平行な計測軸回りに放射状にレーザ光40Xを照射する。また、本実施例では、走査型距離計測装置40の計測範囲は、XY平面における計測軸を中心とする所定半径(例えば30メートル)の円領域に相当する。なお、計測範囲は、中心角が360度未満の扇形領域であってもよい。
この構成により、走査型距離計測装置40は、回転ミラーの回転角度からレーザ光40Xの照射方向を導き出し、且つ、レーザ光の飛行時間から反射体までの距離(以下、「反射体距離」とする。)を導き出す。
撮像装置41は、ショベルの周囲の画像を撮像する装置であり、撮像した画像をコントローラ30に対して出力する。本実施例では、撮像装置41は、CCD等の撮像素子を採用するワイドカメラであり、上部旋回体3の上部において光軸が斜め下方を向くように取り付けられる。
出力装置50は、各種情報を出力する装置であり、例えば、各種画像情報を表示する車載ディスプレイ、各種音声情報を音声出力する車載スピーカ等を含む。本実施例では、出力装置50は、コントローラ30からの制御指令に応じて各種情報を出力する。
物体検出部31は、ショベルの周囲に存在する物体を検出する機能要素である。本実施例では、物体検出部31は、走査型距離計測装置40が出力する照射方向及び反射体距離に関する情報に基づいて反射体の実在位置を導き出し、その実在位置がショベルから所定距離範囲内であればその反射体を検出対象の物体(後続の処理の対象となる物体)として検出する。
また、物体検出部31は、走査型距離計測装置40の計測範囲内に存在する所定の物体の位置を予め記憶しておき、その所定の物体を検出対象から除外する。なお、走査型距離計測装置40の計測範囲内に存在する所定の物体は、ショベルが動いた場合であっても走査型距離計測装置40との相対位置が変動しない物体であり、例えば、ショベルの旋回機構2を含む。具体的には、物体検出部31は、走査型距離計測装置40が旋回機構2に関する反射体の位置を導き出した場合であっても、その反射体を検出対象の物体として検出しない。また、物体検出部31は、走査型距離計測装置40から見た旋回機構2の存在方向において旋回機構2より走査型距離計測装置40に近い反射体の位置を導き出した場合であっても、その反射体を検出対象の物体として検出しない。旋回機構2と走査型距離計測装置40との間に検出すべき物体が存在することはないためである。そのため、下部走行体1と上部旋回体3との間に設置される配管等は、望ましくは、旋回機構2と走査型距離計測装置40との間の範囲である監視不要範囲を通るように配置される。なお、走査型距離計測装置40は、所定の物体の存在方向にはレーザ光40Xを照射しないようにしてもよい。監視の必要がないためである。
図4は、所定の物体として検出対象から除外される旋回機構2が走査型距離計測装置40の計測範囲40Rに与える影響を示すショベル上面図である。なお、点線円で示す範囲は、走査型距離計測装置40の計測範囲40Rを表す。また、斜線ハッチングで示す範囲40Raは、旋回機構2の存在により走査型距離計測装置40のレーザ光40Xが到達できない死角範囲を表す。また、ドットハッチングで示す範囲40Rbは、旋回機構2の存在により監視の必要のない監視不要範囲を表す。なお、図4〜図7は、明瞭化のため、掘削アタッチメントの図示を省略する。
また、図4に示すように、走査型距離計測装置40は、旋回軸からできるだけ離れた位置に取り付けられる。旋回軸から離れるほど死角範囲40Raが小さくなるためである。
また、物体検出部31は、検出した物体の位置に基づいて、その物体が走査型距離計測装置40による計測を妨げる障害物であるかを判定してもよい。例えば、物体検出部31は、検出した物体の実在位置が、上部旋回体3の側壁に対応する位置である場合、その物体が走査型距離計測装置40による計測を妨げる土砂等の障害物であると判定する。この場合、物体検出部31は、出力装置50に制御指令を出力し、上部旋回体3の側壁に土砂等の障害物が存在する旨を運転者に通知してもよい。
人候補抽出部32は、物体検出部31が検出した物体から人候補を抽出する機能要素である。本実施例では、人候補抽出部32は、物体検出部31が検出した物体のうち、所定の範囲の寸法を有する物体を人候補として抽出する。例えば、物体検出部31は、連続的に照射するレーザ光40Xで計測した各計測点に、距離に応じた重み値と人の寸法(身体の厚み、幅等)の仮説に基づく人中心位置の分布を与え、その分布を重み値付きで重ね合わせて計測範囲内の確率分布を求める。次いで、求めた確率分布の極大点を検出し、この極大点における確率分布の値が所定の閾値より大きいときにその極大点を人候補の位置として特定する。
人識別部33は、人候補抽出部32が抽出した人候補が人であるかを識別する機能要素である。本実施例では、人識別部33は、撮像装置41が撮像した撮像画像における、人候補抽出部32が抽出した人候補に対応する画像部分(以下、「人候補画像部分」とする。)に画像認識処理を施してその人候補が人であるかを識別する。具体的には、人識別部33は、走査型距離計測装置40の取り付け位置及び撮像装置41の取り付け位置から導き出される三次元空間における座標と撮像画像平面における座標との対応関係を利用して撮像画像における人候補画像部分を特定する。人候補画像部分は、所定の大きさを有する画像部分である。そして、人識別部33は、HOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量に代表される画像特徴量記述と機械学習により生成した識別器とを用いた画像認識処理等の公知の画像認識処理により人候補が人であるかを識別する。人識別部33が人候補を人として識別する割合は、人候補抽出部32による人候補の抽出が高精度であるほど高くなる。なお、人識別部33は、夜間、悪天候時等の撮像に適さない環境下で所望の品質の撮像画像を得られない場合等においては、人候補の全てが人であると識別し、人候補抽出部32が抽出した人候補の全てを人であると識別してもよい。人の検知漏れを防止するためである。
次に、図5を参照し、下部走行体1と上部旋回体3との間に土砂等の障害物M1が存在する場合について説明する。なお、図5は、下部走行体1上の土砂等の障害物M1が走査型距離計測装置40の計測範囲40Rに与える影響を示すショベル上面図であり、図4に対応する。また、点線円で示す範囲は、走査型距離計測装置40の計測範囲40Rを表す。また、斜線ハッチングで示す範囲40Raは、旋回機構2の存在により走査型距離計測装置40のレーザ光40Xが到達できない死角範囲を表す。また、斜線ハッチングで示す範囲40Rcは、障害物M1の存在によりレーザ光40Xが到達できない死角範囲を表す。
このように、下部走行体1と上部旋回体3との間の障害物M1は、走査型距離計測装置40の計測範囲40R内に死角範囲40Rcを生じさせ、物体検知システム100の物体検知能力を低下させてしまう。
そこで、本発明の実施例に係る物体検知システム100が搭載されるショベルは、望ましくは、下部走行体1と上部旋回体3との間の隙間を通る走査型距離計測装置40のレーザ光40Xが障害物M1に遮られないようにする構造(以下、「レーザ光保護構造」とする。)を備えるようにする。
図6は、レーザ光保護構造60を備えたショベルの構成例を示す側面図であり、図6(A)はレーザ光保護構造60が組み立てられた後の状態を示し、図6(B)はレーザ光保護構造60が組み立てられる前の状態を示す。
レーザ光保護構造60は、主に、導光板61及び保護板62を含む。導光板61は、走査型距離計測装置40が発生させるレーザ光を透過させる板状部材であり、例えば、アクリル樹脂等の光透過性材料で形成される。また、保護板62は、走査型距離計測装置40及び導光板61を保護する板状部材であり、例えば、金属等の高剛性材料で形成される。また、導光板61及び保護板62のそれぞれは、例えば、上部旋回体3の下面全体を覆うことができる大きさを有する。但し、導光板61及び保護板62のそれぞれは、必ずしも、旋回機構2の存在によりレーザ光40Xが到達できない死角範囲に対応する部分、監視不要範囲に対応する部分等を覆う必要はない。また、上部旋回体3の下面、導光板61、及び保護板62は、接着剤、ボルト等を用いた任意の方法で互いに結合される。また、本実施例では、走査型距離計測装置40は、光窓部40bのレーザ光40Xを発する部分の位置が導光板61の位置に対応するように配置される。なお、本体部40aはカウンターウエイトの下面に埋め込まれ、蓋部40cは保護板62に埋め込まれる。そのため、レーザ光40Xは、導光板61の内部を通ってショベルの周囲に到達する。
この構成により、レーザ光保護構造60は、土砂等の障害物M1(図5参照。)によってレーザ光40Xが下部走行体1のところで遮られてしまうのを防止できる。そのため、土砂等の障害物M1が走査型距離計測装置40の計測範囲40Rにおける死角範囲を広げてしまうのを防止できる。また、レーザ光保護構造60は、走査型距離計測装置40が外部の物体との接触により破壊されてしまうのを防止できる。
次に、図7及び図8を参照して別のレーザ光保護構造70について説明する。なお、図7は、別のレーザ光保護構造70を備えたショベルの構成例を示す側面図であり、図7(A)はレーザ光保護構造70が組み立てられた後の状態を示し、図7(B)はレーザ光保護構造70が組み立てられる前の状態を示す。また、図8は、レーザ光保護構造70が走査型距離計測装置40の計測範囲40Rに与える影響を示すショベル上面図であり、図4及び図5に対応する。
レーザ光保護構造70は、主に、窓材71及び保護板72を含む。窓材71は、走査型距離計測装置40が発生させるレーザ光を透過させる枠部材であり、例えば、アクリル樹脂等の光透過性材料で形成される。また、窓材71は、図8のドットハッチングで示すように、上部旋回体3の下面の縁に沿う枠を形成する。なお、窓材71は、1部材で構成されていてもよく、複数の部材で構成されていてもよい。
保護板72は、走査型距離計測装置40及び窓材71を保護する板状部材であり、例えば、金属等の高剛性材料で形成される。また、保護板72は、ポスト部72a〜72f(図7ではポスト部72d〜72gは不可視。)を介して上部旋回体3の下面に結合され、上部旋回体3の下面と保護板72との間に窓材71を挟むように固定される。また、保護板72は、上部旋回体3の下面全体を覆うことができる大きさを有する。但し、窓材71及び保護板72のそれぞれは、必ずしも、旋回機構2の存在によりレーザ光40Xが到達できない死角範囲に対応する部分、監視不要範囲に対応する部分等を囲む或いは覆う必要はない。
また、本実施例では、走査型距離計測装置40は、光窓部40bのレーザ光40Xを発する部分の位置が、上部旋回体3の下面と保護板72との間で窓材71に囲まれる導光空間の位置に対応するように配置される。なお、本体部40aはカウンターウエイトの下面に埋め込まれ、蓋部40cは保護板72に埋め込まれる。そのため、レーザ光40Xは、導光空間を通ってショベルの周囲に到達する。
この構成により、レーザ光保護構造70は、土砂等の障害物M1(図5参照。)によってレーザ光40Xが下部走行体1のところで遮られてしまうのを防止できる。そのため、土砂等の障害物M1が走査型距離計測装置40の計測範囲40Rにおける死角範囲を広げてしまうのを防止できる。また、レーザ光保護構造70は、走査型距離計測装置40が外部の物体との接触により破壊されてしまうのを防止できる。
なお、レーザ光保護構造70を備えるショベルに搭載される物体検知システム100では、図8に示すように、物体検出部31は、走査型距離計測装置40の計測範囲内にあるポスト部72a〜72gの位置を予め記憶しておき、ポスト部72a〜72gを検出対象から除外する。なお、図8の斜線ハッチングで示す範囲40Raは、旋回機構2の存在によりレーザ光40Xが到達できない死角範囲を表す。また、斜線ハッチングで示す5つの範囲40Rdは、ポスト部72b〜72fの存在によりレーザ光40Xが到達できない死角範囲を表す。なお、斜線ハッチングで示す範囲40Reは、作業者Pの存在によりレーザ光40Xが到達できなくなった領域を表す。
具体的には、物体検出部31は、走査型距離計測装置40がポスト部72b〜72fのそれぞれに関する反射体の位置を導き出した場合であっても、その反射体を検出対象の物体として検出しない。また、物体検出部31は、走査型距離計測装置40から見たポスト部72b〜72fのそれぞれの存在方向においてポスト部72b〜72fのそれぞれより走査型距離計測装置40に近い反射体の位置を導き出した場合であっても、その反射体を検出対象の物体として検出しない。ポスト部72b〜72fのそれぞれと走査型距離計測装置40との間に検出すべき物体が存在することはないためである。なお、ポスト部72a、72gは、死角範囲40Raに含まれるため、その反射体が検出対象の物体として検出されることはない。
また、ポスト部はできるだけ少ない数であることが望ましく、走査型距離計測装置40からできるだけ離れた位置に設置されるのが望ましい。数が少ないほど、また、走査型距離計測装置40から離れるほど死角範囲40Rdが小さくなるためである。
また、物体検出部31は、走査型距離計測装置40が作業者Pに関する反射体の位置を導き出した場合には、その反射体を検出対象の物体として検出する。作業者Pの存在位置は、予め記憶された位置に含まれていないためである。
また、物体検出部31は、図8に示すように、右側の下部走行体1の真上で且つ窓材71に隣接した位置で何らかの物体M2を検出した場合には、物体M2が走査型距離計測装置40による計測を妨げる障害物であると判定する。物体M2の存在位置から、物体M2が検出すべき物体ではなく窓材71に付着した土砂等であると判断できるためである。この場合、物体検出部31は、出力装置50に制御指令を出力し、土砂等の障害物が窓材71に付着しているおそれがある旨を車載ディスプレイに表示し、或いは、車載スピーカから音声出力してその旨をショベルの運転者に通知してもよい。
以上の構成により、物体検知システム100は、走査型距離計測装置40のレーザ光が下部走行体1と上部旋回体3との間の隙間を通るように下部走行体1と上部旋回体3との間の隙間に走査型距離計測装置40を備える。そのため、ショベルの後方及び側方の死角領域全体を単一の走査型距離計測装置40で監視できる。
また、物体検知システム100は、走査型距離計測装置40のレーザ光が上部旋回体3の下面に取り付けられる導光板61を通り、或いは、上部旋回体3の下面に取り付けられる窓材71と保護板72によって形成される導光空間を通るように走査型距離計測装置40を備える。そのため、下部走行体1の上にかき上げられて堆積した土砂等によってレーザ光が遮られるのを防止できる。
また、物体検出部31は、走査型距離計測装置40の計測範囲内に存在する旋回機構2、ポスト部72a〜72g等の所定の物体を検出対象から除外する。そのため、無駄な検出処理を省略でき、検出処理の負荷低減、検出処理の高速化等を実現できる。
また、人候補抽出部32は、物体検出部31が検出した物体のうち、所定の範囲の寸法を有する物体を人候補として抽出する。そのため、人候補として適切でない物体を人候補から効率的に除外できる。
また、人識別部33は、撮像装置41が撮像した画像における人候補に対応する画像部分に画像認識処理を施してその人候補が人であるかを識別する。そのため、物体検出部31が検出した物体の数よりも少ない数の人候補に対応する画像部分のみに画像認識処理を施すことができ、識別処理に関する負荷の低減、識別処理の高速化等を実現できる。また、限られた数の人候補画像部分に詳細な画像認識処理を施すことで、人候補が人であるか否かを高精度に識別できる。
また、物体検出部31は、検出した物体の位置に基づいて、その物体が走査型距離計測装置40による計測を妨げる障害物であるかを判定する。そのため、土砂等の障害物が導光板61又は窓材71に付着した旨をショベルの運転者に速やかに通知できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例では、単一の走査型距離計測装置40を用いてショベルの死角領域をカバーするが、2つ以上の走査型距離計測装置40を用いてショベルの死角領域をカバーしてもよい。
また、上述の実施例では、3つのカメラを用いてショベルの死角領域を撮像するが、1つ、2つ、又は4つ以上のカメラを用いてショベルの死角領域を撮像してもよい。
1・・・下部走行体 1A、1B・・・油圧モータ 2・・・旋回機構 3・・・上部旋回体 4・・・ブーム 5・・・アーム 6・・・バケット 7・・・ブームシリンダ 8・・・アームシリンダ 9・・・バケットシリンダ 10・・・キャビン 30・・・コントローラ 31・・・物体検出部 32・・・人候補抽出部 33・・・人識別部 40・・・走査型距離計測装置 40a・・・本体部 40b・・・光窓部 40c・・・蓋部 40R・・・計測範囲 40Ra、40Rc、40Rd・・・死角範囲 40Rb・・・監視不要範囲 40X・・・レーザ光 41・・・撮像装置 50・・・出力装置 60・・・レーザ光保護構造 61・・・導光板 62・・・保護板 70・・・レーザ光保護構造 71・・・窓材 72・・・保護板 72a〜72g・・・ポスト部 100・・・物体検知システム M1・・・障害物 M2・・・物体 P・・・作業者

Claims (6)

  1. 旋回機構を介して下部走行体に搭載される上部旋回体を備える建設機械の周囲に存在する物体を検知する建設機械用物体検知システムであって、
    前記上部旋回体の上部において光軸が斜め下方を向くように取り付けられたカメラとは別に、前記上部旋回体の下側に取り付けられる、物体を検出する装置を有し、
    前記装置は、レーザを発生させる装置であり、該装置が計測する領域と前記カメラが撮像する領域とが重複するように、且つ、レーザの光軸が前記下部走行体と前記上部旋回体との間の隙間を通過して、前記上部旋回体の後方及び側方のそれぞれに至ることで、後方及び側方のそれぞれに存在する物体を検知できるように前記上部旋回体の下側に取り付けられている、
    建設機械用物体検知システム。
  2. 前記装置は、レーザ発生器が発生させたレーザを用いて物体を検出する装置であり、前記レーザ発生器と受光器とを収容する本体部を有し、前記本体部は、前記上部旋回体の後方及び側方のそれぞれにおける物体と該装置との距離を検出できるように前記上部旋回体の下側に取り付けられている、
    請求項1に記載の建設機械用物体検知システム。
  3. 前記装置は、レーザの照射方向及び反射体距離に関する情報に基づいて反射体の実在位置を導き出し、該実在位置が前記建設機械から所定距離範囲内であれば該反射体を物体として検出する、
    請求項1又は2に記載の建設機械用物体検知システム。
  4. 前記上部旋回体の周囲の画像を撮像する撮像装置と、
    前記装置の出力と前記撮像装置の出力とに基づいて人を検知する人検知部と、をさらに有する、
    請求項1乃至3の何れか一項に記載の建設機械用物体検知システム。
  5. 前記装置は、レーザの光軸が前記下部走行体と前記上部旋回体との間の隙間を通るように、カウンターウェイトの下面に取り付けられている、
    請求項1乃至4の何れかに記載の建設機械用物体検知システム。
  6. 前記装置は、前記上部旋回体の、斜め後方を含む後方、左側方、右側方、及び、旋回機構で遮られる前方を除いた斜め前方、に対応する、360度未満の領域における物体を検知する、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の建設機械用物体検知システム。
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