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JP6476514B2 - 非接触型データ受送信体 - Google Patents

非接触型データ受送信体 Download PDF

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JP6476514B2
JP6476514B2 JP2014223553A JP2014223553A JP6476514B2 JP 6476514 B2 JP6476514 B2 JP 6476514B2 JP 2014223553 A JP2014223553 A JP 2014223553A JP 2014223553 A JP2014223553 A JP 2014223553A JP 6476514 B2 JP6476514 B2 JP 6476514B2
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Description

本発明は、非接触型データ受送信体に関する。
RFID(Radio Frequency IDentification)用途の情報記録メディアのように、電磁波または電波を媒体として外部から情報を受信し、また、外部に情報を送信できるようにした非接触型データ受送信体としては、例えば、ICタグが挙げられる。ICタグは、例えば、基材と、その一方の面に設けられ互いに接続されたアンテナおよびICチップとから構成されるインレットを備えている。このようなICタグは、情報書込/読出装置からの電磁波または電波を受信すると共振作用によりアンテナに起電力が発生し、この起電力によりICタグ内のICチップが起動し、このICチップ内の情報を信号化し、この信号がICタグのアンテナから発信される。
ICタグの一例としては、ICチップおよびこれに接続された第1アンテナを有するインレットと、インレットに近接して配置され、第1アンテナと非接触で共振するブースター用の第2アンテナとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2007/119304号
ICタグは、金属体に近付けると通信性能が損なわれる。しかしながら、金属体に近付けた状態で、通信距離をより長くするためには、複雑なアンテナ設計等を行う必要があった。そこで、本発明者等は、ブースター用の第2アンテナを、その両端から中央部に向かって次第に金属体から離隔するように、長手方向において弧状に形成することによって、通信性能を低下させないことを見出した。しなしながら、ブースター用の第2アンテナを、弧状に形成すると、ICタグ全体が、第2アンテナの頂部の高さの分だけ厚くなってしまうという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、複雑なアンテナ設計等を行うことなく、金属体に近付けた状態で、通信距離をより長くすることができ、かつ薄型にすることができる非接触型データ受送信体を提供することを目的とする。
本発明の非接触型データ受送信体は、金属体に貼付して用いられる非接触型データ受送信体であって、ICチップおよび該ICチップに接続された第1アンテナを有するインレットと、前記第1アンテナに沿って、かつ、前記第1アンテナに対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナと、前記インレットおよび前記第2アンテナを支持する、誘電体からなる支持部材と、を備え、前記支持部材の厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状は、前記支持部材の両端から中央部に向かって次第に前記金属体から離隔するような弧状をなし、前記支持部材の頂部に、前記ICチップが配置され、前記インレットおよび前記第2アンテナは、前記ICチップの中心を通り、前記インレットおよび前記第2アンテナの長手方向に垂直な中心線を基準として平面視した場合に左側の領域αと平面視した場合に右側の領域βとからなり、前記領域βの長手方向の長さが、前記領域αの長手方向の長さの3倍となっており、前記支持部材における前記領域αに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって小さい曲率で湾曲し、前記支持部材における前記領域βに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって大きい曲率で湾曲し、前記支持部材の頂部に前記ICチップが配置されることを特徴とする。
本発明の非接触型データ受送信体は、ICチップおよび該ICチップに接続された第1アンテナを有するインレットと、前記第1アンテナに沿って、かつ、前記第1アンテナに対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナと、前記インレットおよび前記第2アンテナを支持する、誘電体からなる支持部材と、これらを収容する筐体と、を備え、前記支持部材を介して、前記第2アンテナと、厚さ方向に重なる位置に金属層が設けられ、前記支持部材の厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状は、前記支持部材の両端から中央部に向かって次第に前記金属から離隔するような弧状をなし、前記支持部材の頂部に、前記ICチップが配置され、前記インレットおよび前記第2アンテナは、前記ICチップの中心を通り、前記インレットおよび前記第2アンテナの長手方向に垂直な中心線を基準として平面視した場合に左側の領域αと平面視した場合に右側の領域βとからなり、前記領域βの長手方向の長さが、前記領域αの長手方向の長さの3倍となっており、前記支持部材における前記領域αに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって小さい曲率で湾曲し、前記支持部材における前記領域βに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって大きい曲率で湾曲し、前記支持部材の頂部に前記ICチップが配置されたことを特徴とする。
本発明によれば、複雑なアンテナ設計等を行うことなく、金属体に近付けた状態で、通信距離をより長くすることができ、かつ薄型にすることができる非接触型データ受送信体を提供することができる。
第1の実施形態の非接触型データ受送信体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。 第2の実施形態の非接触型データ受送信体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。 第3の実施形態の非接触型データ受送信体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。 実施例および比較例1,2の非接触型データ受送信体について、通信距離の測定結果を示すグラフである。
本発明の非接触型データ受送信体の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態の非接触型データ受送信体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿う断面図である。
本実施形態の非接触型データ受送信体10は、平面視長方形状の基材20と、基材20の一方の面20aに設けられた、第1アンテナ31を有するインレット30、および、第2アンテナ40と、基材20を支持する支持部材50とから概略構成されている。非接触型データ受送信体10は、金属体60に貼付して用いられる。
インレット30は、第1アンテナ31と、ICチップ32と、平面視正方形状のフィルム状またはシート状の絶縁基材33とから概略構成されている。第1アンテナ31およびICチップ32は、絶縁基材33の一方の面33aに設けられ、互いに電気的に接続されている。
第2アンテナ40は、インレット30の第1アンテナ31の近傍で、かつ、第1アンテナ31の外縁の少なくとも一部に沿うように設けられている。なお、第2アンテナ40が、第1アンテナ31の外縁に沿うように設けられるとは、第1アンテナ31と第2アンテナ40の間で電気的な接続(電磁界結合)が可能な位置に、両者が互いに配置されていることを言う。本実施形態では、第2アンテナ40は、平面視正方形状のループ状の第1アンテナ31の3辺に沿うように設けられ、第1アンテナ31に沿う部分においては、平面視コ字状をなしている。
さらに言い換えれば、第2アンテナ40は、インレット30(第1アンテナ31)の外側に沿うように配設された部分(中央部)41と、中央部41から基材20の長手方向の両端部まで延在する線状または帯状の放射素子42,42とからなるアンテナである。第2アンテナ40の中央部41は、線状または帯状の導電体が平面視コ字形状をなしている。
第2アンテナ40の中央部41は、その内側に配されるインレット30(第1アンテナ31)とほぼ同一の形状に形成されていることが好ましい。さらに、インレット30(第1アンテナ31)と中央部41は非接触に設けられているが、両者の間の隙間はできる限り小さくなるように中央部41を形成し、かつ、両者の間の隙間はできる限り小さくなるように中央部41内にインレット30(第1アンテナ31)を配置することが好ましい。また、第1アンテナ31と第2アンテナ40の距離は、両者の間で電気的な接続(電磁界結合)が可能な範囲であれば特に限定されないが、電気的な接続を確実なものとするためには、2mm以内が好ましい。
なお、第1アンテナ31は、少なくともその一辺が第2アンテナ40の少なくとも一辺に対して非接触でかつ略平行になるよう配されていればよく、第2アンテナ40にインレット30(第1アンテナ31)とほぼ形状が同一の中央部41が形成されていなくてもよい。
第2アンテナ40は、第1アンテナ31と、電磁結合による電気的な接続を行い、第1アンテナ31のみによって非接触通信を行う場合よりも、通信距離を長くする(長距離通信を可能とする)ためのものである。
第2アンテナ40は、非接触ICカード等の非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波帯の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さとなっている。すなわち、ICチップ32を中心とする2つの領域に放射素子42,42を区分した場合、それぞれの長手方向における長さは、1/4波長に相当する長さとなっている。
インレット30と第2アンテナ40を上記のような構成とすることにより、インレット30のICチップ32は、基材20および第2アンテナ40の長手方向の中央部に配置される。
また、基材20、および、基材20の長手方向の両端部まで延在する第2アンテナ40は、図1に示すように、それぞれの長手方向において、それぞれの中央部を基準として対称な形状をなしている。
支持部材50は、平面視長方形状をなし、その厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状が、その両端50c,50cから中央部(頂部)50dに向かって次第に金属体60から離隔するような弧状をなす凸状の部材である。すなわち、支持部材50は、金属体60における支持部材50が貼付される面60aとは反対側に凸の部材である。
支持部材50は、その長手方向が、基材20の長手方向に沿うように配置される。また、支持部材50の凸面(曲面)50aの頂部には、ICチップ32が配置された基材20の長手方向の中央部が接するように、基材20が配置される。ここでは、インレット30および第2アンテナ40が、支持部材50の凸面50aとは反対側に配置されている。
また、支持部材50は、図1(b)に示すように、長手方向において、その中央部を基準として対称な弧状をなしている。
支持部材50の凸面50aの曲率(曲げ半径)は、特に限定されず、非接触型データ受送信体10に求められる共振周波数に応じて適宜調整される。
基材20としては、絶縁基材が用いられ、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂からなる基材;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂からなる基材;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等のポリフッ化エチレン系樹脂からなる基材;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂からなる基材;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体からなる基材;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂からなる基材;ポリスチレンからなる基材;ポリカーボネート(PC)からなる基材;ポリアリレートからなる基材;ポリイミドからなる基材;ガラスエポキシ樹脂からなる基材;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙からなる基材等が用いられる。
ICチップ32としては、特に限定されず、第1アンテナ31および第2アンテナ40を介して非接触状態にて情報の書き込みおよび読み出しが可能なものであれば、非接触型ICタグや非接触型ICラベル、あるいは、非接触型ICカード等のRFIDメディアに適用可能なものであればいかなるものでも用いられる。
第1アンテナ31および第2アンテナ40としては、公知のポリマー型導電インク、銀インク組成物等の導電性のインクからなるもの、金属箔をエッチングしてなるもの、電気メッキや静電メッキ、もしくは金属蒸着等の各種薄膜形成法により形成された金属薄膜からなるものが挙げられる。あるいは、第1アンテナ31および第2アンテナ40としては、板状の金属を打ち抜いたもの、金属からなる繊維状のもの、樹脂からなる繊維に金属などの導電材料を練りこんだもの、樹脂からなる繊維にめっき、もしくは蒸着等で導電性材料を被覆したものも挙げられる。
支持基材50の材料としては、誘電材料であれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート(PC);ポリアリレート;ポリイミド;ガラスエポキシ樹脂などの樹脂、セラミックス、雲母などが挙げられる。
このような構成の非接触型データ受送信体10は、金属体60に貼付して(例えば、金属体60上に配置して)用いられるが、粘着テープなどの粘着材を用いて、金属体60上に貼付される。
本実施形態の非接触型データ受送信体10は、基材20の一方の面20aに設けられ、ICチップ32およびそれに接続された第1アンテナ31を有するインレット30、および、第1アンテナ31に沿って、かつ、第1アンテナ31に対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナ40と、基材20を支持する、誘電体からなる支持部材50と、を備え、支持部材50の厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状が、その両端50c,50cから中央部50dに向かって次第に金属体60から離隔するような弧状をなし、支持部材50の頂部50dに、ICチップ32が配置されている。このような構成の非接触型データ受送信体10では、基材20の一方の面20aに設けられたインレット30および第2アンテナ40が、支持部材50の底面(金属体上に載置した場合、金属体と接する面)50bと平行に配置され、第2アンテナ40の両端部が誘電体からなる支持部材50に接することなく、ICチップ32が配置された基材20の長手方向の中央部(インレット30)のみが支持部材50に接するため、第2アンテナ40が電気的(電波的)に、支持部材50のような弧状をなす。よって、非接触型データ受送信体10は、金属体60に貼付した状態で、通信距離をより長くすることができ、かつ薄型にすることができる。また、本実施形態の非接触型データ受送信体10は、第1アンテナ31を有するインレット30と第2アンテナ40の組み合わせからなる構成が元来有している通信性能(通信距離)以上の通信性能(通信距離)が得られる。
なお、本実施形態では、基材20の一方の面20aに、インレット30と第2アンテナ40が設けられた場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、インレットと第2アンテナがそれぞれ、基材の異なる面に設けられていてもよい。また、本発明にあっては、基材上にインレットおよび第2アンテナが設けられていなくてもよく、インレットおよび第2アンテナが単独で設けられていてもよい。
また、本実施形態では、第2アンテナ40として、ポール状のアンテナを例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第2アンテナの長手方向の長さが非接触ICモジュールに利用できる極超短波帯〈UHF〉やマイクロ波帯の電波の周波数(300MHz〜30GHz)の1/2波長に相当する長さで、かつ、中央部が第2アンテナにおける電流分布の最も高いところに設けられていれば、第2アンテナの形状はいかなるものであってもよい。
また、本実施形態では、第1アンテナ31が平面視正方形のループ状(環状)に周回された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、第1アンテナが、複数回捲き回された導体からなるコイル状をなしていてもよい。
また、本実施形態では、インレット30および第2アンテナ40が、支持部材50の凸面50aとは反対側に配置されている場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、インレットおよび第2アンテナが、支持部材の凸面側に配置されていてもよい。
また、本実施形態では、基材20と、インレット30と、第2アンテナ40と、支持部材50とを備えた非接触型データ受送信体10を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、後述する第2の実施形態のように、非接触型データ受送信体は、基材と、インレットと、第2アンテナと、支持部材と、これらが収容される筐体とを備えていてもよい。
なお、本実施形態では、第2アンテナ40は、インレット30(第1アンテナ31)の外側に沿うように配設された部分(中央部)41と、中央部41から基材20の長手方向の両端部まで延在する線状または帯状の放射素子42,42とからなり、第2アンテナ40の中央部41にインレット30(ICチップ32)が配置された場合を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、ICチップは、弧状をなす支持部材の頂部に配置されていればよく、基材および第2アンテナは、長手方向において、非対称な形状をなし、ICチップは、第2アンテナの長手方向において、一方の端部側に偏在するように配置されていてもよい。
(2)第2の実施形態
図2は、第2の実施形態の非接触型データ受送信体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B線に沿う断面図である。図2において、図1に示した第1の実施形態の非接触型データ受送信体と同一の構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の非接触型データ受送信体100は、平面視長方形状の基材20と、基材20の一方の面20aに設けられた、第1アンテナ31を有するインレット30、および、第2アンテナ40と、基材20を支持する支持部材50と、これらが収容される筐体110と、筐体110の基台120の底面(基台120が対称物に接する面)120aにおいて、第2アンテナ40と、厚さ方向に重なる(対向する)位置に設けられた金属層140とから概略構成されている。
筐体110は、金属体上に載置される基台120と、基台120の上部に配置されるとともに、上述の第1の実施形態の非接触型データ受送信体10と同一構成の非接触型データ受送信体を覆う蓋部材130とから概略構成されている。
基台120は、図2(b)に示すように、例えば、断面形状が凹状をなす部材であり、その凹部121内に、上述の第1の実施形態の非接触型データ受送信体10と同一構成の非接触型データ受送信体を収容する。
蓋部材130は、図2(b)に示すように、平板状の部材であり、その基台120と対向する面130aが、上述の第1の実施形態の非接触型データ受送信体10と同一構成の非接触型データ受送信体と対向するように配置される。
基台120および蓋部材130の材料としては、絶縁材料が用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エチレン等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート(PC);ポリアリレート;ポリイミド;ガラスエポキシ樹脂などが挙げられる。
基台120と蓋部材130を接合するには、超音波溶着や各種接着剤が用いられる。
金属層140は、平面視長方形状をなしており、第2アンテナ40の長手方向の両端と対向する位置まで延在している。
金属層140は、銅、銀、アルミニウム、SUS等の金属からなる金属箔、金属板等から構成されている。
金属層140が、第2アンテナ40と重なる(対向する)位置に設けられるとは、非接触型データ受送信体100を、基材20の一方の面20a側から平面視した場合、金属層140が、第2アンテナ40と重なって見えるように設けられることである。
金属層140は、基台120における底面120aとは反対側の面(筐体110の内側の底面)120bに、第2アンテナ40の長手方向の両端と対向する位置まで延在するように設けられていてもよい。また、金属層140は、基台120の内部に、底面120aに沿って、第2アンテナ40の長手方向の両端と対向する位置まで延在するように設けられていてもよい。また、金属層140は、筐体110の内部空間110Aにおける基材20と対向する位置に、第2アンテナ40の長手方向の両端と対向する位置まで延在するように設けられていてもよい。また、金属層140は、支持部材50の底面50bに、底面50bに沿って、第2アンテナ40の長手方向の両端と対向する位置まで延在するように設けられていてもよい。また、金属層140は、支持部材50の内部に、底面50bに沿って、第2アンテナ40の長手方向の両端と対向する位置まで延在するように設けられていてもよい。
なお、金属層140と、インレット30および第2アンテナ40とが接した状態では、インレット30および第2アンテナ40は通信不能となるため、金属層140と、インレット30および第2アンテナ40との間には支持部材50が配置されている必要がある。
本実施形態の非接触型データ受送信体100によれば、支持部材50を介して、第2アンテナ40と、厚さ方向に重なる(対向する)位置に金属層140が設けられているため、金属体のみならず、あらゆる材質からなる対称物に貼付した状態で、非接触通信を行うことができる。また、筐体110内に、基材20、インレット30、第2アンテナ40および支持部材50が収容されているので、これらが損傷することを防止できる。
(3)第3の実施形態
図3は、第3の実施形態の非接触型データ受送信体を示す概略図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C線に沿う断面図である。
本実施形態の非接触型データ受送信体200は、平面視長方形状の基材210と、基材210の一方の面210aに設けられた、第1アンテナ221を有するインレット220、および、第2アンテナ230とから概略構成されている。非接触型データ受送信体200は、金属体250に貼付して用いられる。
インレット220は、第1アンテナ221と、ICチップ222と、平面視正方形状のフィルム状またはシート状の絶縁基材223とから概略構成されている。第1アンテナ221およびICチップ222は、絶縁基材223の一方の面223aに設けられ、互いに電気的に接続されている。
第2アンテナ230は、インレット220の第1アンテナ221の近傍で、かつ、第1アンテナ221の外縁の少なくとも一部に沿うように設けられている。なお、第2アンテナ230が、第1アンテナ221の外縁に沿うように設けられるとは、第1アンテナ221と第2アンテナ230の間で電気的な接続(電磁界結合)が可能な位置に、両者が互いに配置されていることを言う。本実施形態では、第2アンテナ230は、平面視正方形状のループ状の第1アンテナ221の3辺に沿うように設けられ、第1アンテナ221に沿う部分においては、平面視コ字状をなしている。
さらに言い換えれば、第2アンテナ230は、インレット220(第1アンテナ221)の外側に沿うように配設された部分(沿在部)231と、沿在部231から基材210の長手方向の両端部まで延在する線状または帯状の放射素子232,232とからなるアンテナである。第2アンテナ230の沿在部231は、線状または帯状の導電体が平面視コ字形状をなしている。
第2アンテナ230の沿在部231は、その内側に配されるインレット220(第1アンテナ221)とほぼ同一の形状に形成されていることが好ましい。さらに、インレット220(第1アンテナ221)と沿在部231は非接触に設けられているが、両者の間の隙間はできる限り小さくなるように沿在部231を形成し、かつ、両者の間の隙間はできる限り小さくなるように沿在部231内にインレット220(第1アンテナ221)を配置することが好ましい。また、第1アンテナ221と第2アンテナ230の距離は、両者の間で電気的な接続(電磁界結合)が可能な範囲であれば特に限定されないが、電気的な接続を確実なものとするためには、2mm以内が好ましい。
基材210および第2アンテナ230は、ICチップの中心を通り、基材210および第2アンテナ230の長手方向に垂直な中心線を基準として紙面左側の領域αと紙面右側の領域βとからなり、例えば、領域βの長手方向の長さが、領域αの長手方向の長さの3倍となっている。
支持部材240は、平面視長方形状をなし、その厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状が、その両端240c,240cから頂部240dに向かって次第に金属体250から離隔するように、その長手方向において、頂部240dを基準として非対称な弧状をなす凸状の部材である。すなわち、支持部材240は、金属体250における支持部材240が貼付される面250aとは反対側に凸の部材である。そのため、図3(b)に示すように、支持部材240における領域αに対応する部分が、長手方向の端(紙面左端)240cから頂部240dに向かって小さい曲率で湾曲(急激に湾曲)している。一方、図3(b)に示すように、支持部材240における領域βに対応する部分が、長手方向の端(紙面右端)240cから頂部240dに向かって大きい曲率で湾曲(緩やかに湾曲)している。また、弧状をなす支持部材240の頂部240dに、ICチップ222が配置される。
支持部材50の凸面50aの曲率(曲げ半径)は、特に限定されず、非接触型データ受送信体10に求められる共振周波数に応じて適宜調整される。
基材210としては、上述の基材20と同様のものが用いられる。
ICチップ222としては、上述のICチップ32と同様のものが用いられる。
第1アンテナ221としては、上述の第1アンテナ31と同様のものが用いられる。
第2アンテナ230としては、上述の第2アンテナ40と同様のものが用いられる。
このような構成の非接触型データ受送信体200は、金属体250に貼付して(例えば、金属体250上に配置して)用いられるが、粘着テープなどの粘着材を用いて、金属体250上に貼付される。
本実施形態の非接触型データ受送信体200は、基材210の一方の面210aに設けられ、ICチップ222およびそれに接続された第1アンテナ221を有するインレット220、および、第1アンテナ221に沿って、かつ、第1アンテナ221に対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナ230と、基材210を支持する、誘電体からなる支持部材240と、を備え、支持部材240の厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状が、その両端240c,240cから頂部240dに向かって次第に金属体250から離隔するような弧状をなし、支持部材240の頂部240dに、ICチップ222が配置されている。このような構成の非接触型データ受送信体200では、基材210の一方の面210aに設けられたインレット220および第2アンテナ230が、支持部材250の底面(金属体上に載置した場合、金属体と接する面)250bと平行に配置され、第2アンテナ230の両端部が誘電体からなる支持部材240に接することなく、ICチップ222が配置された基材210におけるインレット230が配置された部分およびその近傍のみが支持部材240に接するため、第2アンテナ230が電気的(電波的)に、支持部材240のような弧状をなす。よって、非接触型データ受送信体200は、金属体250に貼付した状態で、通信距離をより長くすることができ、かつ薄型にすることができる。また、本実施形態の非接触型データ受送信体200は、第1アンテナ221を有するインレット220と第2アンテナ230の組み合わせからなる構成が元来有している通信性能(通信距離)以上の通信性能(通信距離)が得られる。
また、本実施形態では、基材210と、インレット220と、第2アンテナ230と、支持部材240とを備えた非接触型データ受送信体200を例示したが、本発明はこれに限定されない。本発明にあっては、上述の第2の実施形態のように、非接触型データ受送信体は、基材と、インレットと、第2アンテナと、支持部材と、これらが収容される筐体とを備えていてもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
「実施例」
ICチップおよびこれに電気的に接続された第1アンテナを有するインレットと、第1アンテナに沿って、かつ、第1アンテナに対して未接着状態で配設されたブースター用の第2アンテナと、これらを配置する平面視長方形状のPET基材と、を有する平面状の非接触型データ受送信体を作製した。この非接触型データ受送信体において、ICチップを、PET基材の長手方向の中央部に配置した。
さらに、厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状が弧状をなす支持部材の頂部に、ICチップが配置された基材の長手方向の中央部が接するように、基材を配置し、図1に示すような、実施例の非接触型データ受送信体を作製した。
インレットとしては、ガラスエポキシからなる基材の一方の面に、ICチップおよび第1アンテナが設けられたものを用いた。
第1アンテナを、銅箔でループ状に形成した。
第2アンテナを、アルミニウム薄膜で形成した。
支持部材としては、アクリル系樹脂からなるものを用いた。
「比較例1」
実施例と同様の平面状の非接触型データ受送信体を作製した。
この非接触型データ受送信体を、実施例と同様の支持部材の凸面(曲面)に沿って配置した。
さらに、支持部材の底面側(平面上に配置した場合、平面と接する面側)に、ポリエチレンテレフタレートからなるスペーサーを設け、比較例1の非接触型データ受送信体を作製した。
「比較例2」
実施例と同様の平面状の非接触型データ受送信体を作製した。
この非接触型データ受送信体を、実施例と同様の支持部材の凸面(曲面)に沿って配置し、比較例2の非接触型データ受送信体を作製した。
「非接触型データ受送信体の通信距離の測定」
実施例および比較例の非接触型データ受送信体の通信距離を金属板上に配置し、情報書込/読出装置(商品名:Tag Formancelite、Voyantic社製)を用いて、電波暗箱内にて、実施例および比較例の非接触型データ受送信体の通信距離をシミュレーションした。
通信距離を測定において、情報書込/読出装置の出力を30dBmとした。
結果を図4に示す。
実施例1において、特定の周波数における通信距離が、比較例1と同等になるように、金属板における非接触型データ受送信体を載置した面からICチップまでの距離を調整したところ、図4に示すように、実施例1の非接触型データ受送信体の通信距離は10mmとなった。これは、比較例1の非接触型データ受送信体の通信距離の22mmよりも短く、結果として、実施例1の非接触型データ受送信体における支持部材の高さを小さくし、非接触型データ受送信体全体を薄くすることができた。
また、比較例2の非接触型データ受送信体は、ほとんど通信することができなかった。
10,100・・・非接触型データ受送信体、20・・・基材、30・・・インレット、31・・・第1アンテナ、32・・・ICチップ、33・・・絶縁基材、34,35・・・アンテナ、40・・・第2アンテナ、41・・・中央部、42・・・放射素子、50・・・支持部材、60・・・金属体、110・・・筐体、120・・・基台、130・・・蓋部材、140・・・金属層。

Claims (2)

  1. 金属体に貼付して用いられる非接触型データ受送信体であって、
    ICチップおよび該ICチップに接続された第1アンテナを有するインレットと、前記第1アンテナに沿って、かつ、前記第1アンテナに対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナと、前記インレットおよび前記第2アンテナを支持する、誘電体からなる支持部材と、を備え、
    前記支持部材の厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状は、前記支持部材の両端から中央部に向かって次第に前記金属体から離隔するような弧状をなし、
    前記支持部材の頂部に、前記ICチップが配置され
    前記インレットおよび前記第2アンテナは、前記ICチップの中心を通り、前記インレットおよび前記第2アンテナの長手方向に垂直な中心線を基準として平面視した場合に左側の領域αと平面視した場合に右側の領域βとからなり、前記領域βの長手方向の長さが、前記領域αの長手方向の長さの3倍となっており、
    前記支持部材における前記領域αに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって小さい曲率で湾曲し、前記支持部材における前記領域βに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって大きい曲率で湾曲し、前記支持部材の頂部に前記ICチップが配置されることを特徴とする非接触型データ受送信体。
  2. ICチップおよび該ICチップに接続された第1アンテナを有するインレットと、前記第1アンテナに沿って、かつ、前記第1アンテナに対して未接着状態で配設されるブースター用の第2アンテナと、前記インレットおよび前記第2アンテナを支持する、誘電体からなる支持部材と、これらを収容する筐体と、を備え、
    前記支持部材を介して、前記第2アンテナと、厚さ方向に重なる位置に金属層が設けられ、
    前記支持部材の厚さ方向かつ長手方向に沿う断面形状は、前記支持部材の両端から中央部に向かって次第に前記金属から離隔するような弧状をなし、
    前記支持部材の頂部に、前記ICチップが配置され
    前記インレットおよび前記第2アンテナは、前記ICチップの中心を通り、前記インレットおよび前記第2アンテナの長手方向に垂直な中心線を基準として平面視した場合に左側の領域αと平面視した場合に右側の領域βとからなり、前記領域βの長手方向の長さが、前記領域αの長手方向の長さの3倍となっており、
    前記支持部材における前記領域αに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって小さい曲率で湾曲し、前記支持部材における前記領域βに対応する部分が、前記支持部材の長手方向の端から前記支持部材の頂部に向かって大きい曲率で湾曲し、前記支持部材の頂部に前記ICチップが配置されたことを特徴とする非接触型データ受送信体。
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