JP6476553B2 - 画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents
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Description
例えば、特定の分子構造を持たせ、電子輸送性を向上させ、感度を高めた電子輸送材料が知られている(特許文献1〜2参照)。また、特定の分子構造を持たせ、正孔輸送性を向上させた正孔輸送材料も知られている(特許文献3参照)。その他、電荷輸送材料としては、種々の材料が知られている(特許文献4参照)。
導電性基体上に、結着樹脂(a)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料(b)、下記一般式(1)で表される正孔輸送材料(c)、並びに、下記一般式(2)で表される電子輸送材料(d)を含み、且つ、1000nmにおける吸光度を用いて算出された粗大粒子係数が0.025以下である単層型の感光層を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、直流電圧のみを利用して当該表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備え、
前記電子写真感光体における前記感光層中の前記電荷発生材料(b)の含有量が、感光層全体の質量(固形分質量)に対して1質量%以上2質量%以下である、画像形成装置である。
導電性基体上に、結着樹脂(a)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料(b)、前記一般式(1)で表される正孔輸送材料(c)、並びに、前記一般式(2)で表される電子輸送材料(d)を含み、且つ、1000nmにおける吸光度を用いて算出された粗大粒子係数が0.025以下である単層型の感光層を、を備える電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、直流電圧のみを利用して当該表面を帯電する帯電手段と、を備え、
前記電子写真感光体における前記感光層中の前記電荷発生材料(b)の含有量が、感光層全体の質量(固形分質量)に対して1質量%以上2質量%以下である、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジである。
<1>に係る発明によれば、単層型の感光層中の前記電荷発生材料(b)の含有量が上記範囲を外れる場合と比べ、画像の点欠陥を抑制しうる、直流電圧のみを利用して帯電を行う接触型帯電手段を採用した画像形成装置が提供される。
つまり、かかる電子写真感光体は、導電性基体と、導電性基体上に上記の(a)〜(d)成分を含む単層型の感光層と、を有する正帯電有機感光体(以下、「単層型感光体」と称することがある)である。
なお、単層型の感光層とは、電荷発生能と共に、正孔輸送性及び電子輸送性を持つ感光層である。
非接触帯電方式の帯電手段では、放電によって副次的に、オゾンや窒素酸化物などの物質が生成されることがあるため、このような点からは、接触帯電方式の帯電手段を用いることが望ましい。
なお、接触帯電方式の中でも、直流電圧のみを利用して電子写真感光体を帯電する、所謂DC帯電方式と、直流電圧に更に交流電圧を重畳させて電子写真感光体を帯電させる、所謂AC/DC帯電方式の2種類がある。後者の場合、その強い帯電電界のために電子写真感光体へ与える負荷が大きく、電子写真感光体の感光層を磨耗させてしまう傾向があり、長期使用の点においては、DC帯電方式の方が有利であることが知られている。
また、DC帯電方式の方がより消費電力が小さくすむため、ランニングコストの観点からは、電子写真方式の画像形成装置にはDC帯電方式を用いることが望ましい。
単層型感光体においては、その単層型の感光層内に、電荷発生材料と正孔輸送材料と電子輸送材料とを含有する構成のため、積層型の感光層を有する有機感光体ほどの感度が得られず、更なる高感度化が求められている。
そこで、高い電荷輸送性を持つ正孔輸送性物質及び電子輸送性物質を用いることで、単層型感光体の高感度化を実現させる方法が知られているものの、このような単層型感光体では、画像の点欠陥が発生する現象が生じてしまう。
特に、DC帯電方式の接触型帯電手段を採用した画像形成装置に、前記した単層型感光体を適用すると、帯電時に異常放電が起こり、画像の点欠陥が発生する頻度が高くなる。
これは、電荷発生材料の分散性が悪化し、電荷発生材料の凝集が発生し、感光層中の抵抗分布が不均一となっているところに、かかる感光層に接触している接触型帯電手段からの直流電流が局所的(電荷発生材料の凝集部分)に流れ、異常放電を引き起こすためと考えられる。
この理由は定かではないが、粗大粒子係数が0.025以下となる単層型感光層は、電荷発生材料(b)の分散性が維持されており、電荷発生材料(b)による凝集体がない、又は、少ないことを示しており、その結果、感光層の抵抗分布が均一に近く、これに起因する帯電時の異常放電が抑制されたものと考えられる。
また、特定の構造を持つ正孔輸送材料(c)及び電子輸送材料(d)が電荷輸送性に優れることで、電子写真感光体としての高感度化をも達成しうる。
本実施形態に係る画像形成装置101は、図1に示すように、例えば、矢印Aで示すように、時計回り方向に回転する電子写真感光体10と、電子写真感光体10の上方に、電子写真感光体10に相対して設けられ、電子写真感光体10の表面を帯電させる帯電装置20(帯電手段の一例)と、帯電装置20により帯電した電子写真感光体10の表面に露光して、静電潜像を形成する露光装置30(静電潜像形成手段の一例)と、露光装置30により形成された静電潜像に現像剤に含まれるトナーを付着させて電子写真感光体10の表面にトナー像を形成する現像装置40(現像手段の一例)と、記録紙P(記録媒体の一例)をトナーの帯電極性とは異なる極性に帯電させて記録紙Pに電子写真感光体10上のトナー像を転写させる転写装置50と、電子写真感光体10の表面をクリーニングするクリーニング装置70(トナー除去手段の一例)とを備える。そして、トナー像が形成された記録紙Pを搬送しつつ、トナー像を定着させる定着装置60が設けられている。
電子写真感光体については、以下、図2を参照して説明する。
ここで、図2は、本実施形態に適用される電子写真感光体の一例の一部断面を概略的に示している。
図2に示した電子写真感光体10は、例えば、導電性基体4を備え、導電性基体4上に、下引層1、単層型の感光層2、及び保護層3がこの順で設けられて構成されている。
なお、下引層1、及び保護層3は、必要に応じて、設けられる層である。
導電性基体としては、例えば、金属(アルミニウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、モリブデン、バナジウム、インジウム、金、白金等)又は合金(ステンレス鋼等)を含む金属板、金属ドラム、及び金属ベルト等が挙げられる。また、導電性基体としては、例えば、導電性化合物(例えば導電性ポリマー、酸化インジウム等)、金属(例えばアルミニウム、パラジウム、金等)又は合金を塗布、蒸着又はラミネートした紙、樹脂フィルム、ベルト等も挙げられる。ここで、「導電性」とは体積抵抗率が1013Ωcm未満であることをいう。
酸性処理液による処理は、例えば、以下のようにして実施される。先ず、リン酸、クロム酸及びフッ酸を含む酸性処理液を調製する。酸性処理液におけるリン酸、クロム酸及びフッ酸の配合割合は、例えば、リン酸が10質量%以上11質量%以下の範囲、クロム酸が3質量%以上5質量%以下の範囲、フッ酸が0.5質量%以上2質量%以下の範囲であって、これらの酸全体の濃度は13.5質量%以上18質量%以下の範囲がよい。処理温度は例えば42℃以上48℃以下が好ましい。被膜の膜厚は、0.3μm以上15μm以下が好ましい。
下引層は、例えば、無機粒子と結着樹脂とを含む層である。
これらの中でも、上記抵抗値を有する無機粒子としては、例えば、酸化錫粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化ジルコニウム粒子等の金属酸化物粒子がよく、特に、酸化亜鉛粒子が好ましい。
無機粒子の体積平均粒径は、例えば、50nm以上2000nm以下(好ましくは60nm以上1000nm以下)がよい。
特に、電子受容性化合物としては、アントラキノン構造を有する化合物が好ましい。アントラキノン構造を有する化合物としては、例えば、ヒドロキシアントラキノン化合物、アミノアントラキノン化合物、アミノヒドロキシアントラキノン化合物等が好ましく、具体的には、例えば、アントラキノン、アリザリン、キニザリン、アントラルフィン、プルプリン等が好ましい。
下引層に用いる結着樹脂としては、例えば、電荷輸送性基を有する電荷輸送性樹脂、導電性樹脂(例えばポリアニリン等)等も挙げられる。
これら結着樹脂を2種以上組み合わせて使用する場合には、その混合割合は、必要に応じて設定される。
添加剤としては、多環縮合系、アゾ系等の電子輸送性顔料、ジルコニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムアルコキシド化合物、有機チタニウム化合物、シランカップリング剤等の公知の材料が挙げられる。シランカップリング剤は前述のように無機粒子の表面処理に用いられるが、添加剤として更に下引層に添加してもよい。
下引層の表面粗さ(十点平均粗さ)は、モアレ像抑制のために、使用される露光用レーザ波長λの1/4n(nは上層の屈折率)から1/2λまでに調整されていることがよい。
表面粗さ調整のために下引層中に樹脂粒子等を添加してもよい。樹脂粒子としてはシリコーン樹脂粒子、架橋型ポリメタクリル酸メチル樹脂粒子等が挙げられる。また、表面粗さ調整のために下引層の表面を研磨してもよい。研磨方法としては、バフ研磨、サンドブラスト処理、湿式ホーニング、研削処理等が挙げられる。
これらの溶剤として具体的には、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロロベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤が挙げられる。
図示は省略するが、下引層と感光層との間に中間層を更に設けてもよい。
中間層は、例えば、樹脂を含む層である。中間層に用いる樹脂としては、例えば、アセタール樹脂(例えばポリビニルブチラール等)、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、カゼイン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ゼラチン、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂等の高分子化合物が挙げられる。
中間層は、有機金属化合物を含む層であってもよい。中間層に用いる有機金属化合物としては、ジルコニウム、チタニウム、アルミニウム、マンガン、ケイ素等の金属原子を含有する有機金属化合物等が挙げられる。
これらの中間層に用いる化合物は、単独で又は複数の化合物の混合物若しくは重縮合物として用いてもよい。
中間層を形成する塗布方法としては、浸漬塗布法、突き上げ塗布法、ワイヤーバー塗布法、スプレー塗布法、ブレード塗布法、ナイフ塗布法、カーテン塗布法等の通常の方法が用いられる。
単層型の感光層は、結着樹脂(a)、電荷発生材料(b)、正孔輸送材料(c)、及び、電子輸送材料(d)に加え、必要に応じて、その他添加剤を含んで構成される。
また、単層型の感光層は、1000nmにおける吸光度を用いて算出された粗大粒子係数が0.025以下であり、望ましくは0.02以下であり、より望ましくは0.018以下である。なお、粗大粒子係数の下限値としては、膜自身の散乱の点から、0.005程度となる。
粗大粒子係数が0.025を超えると、直流電圧のみを利用して帯電を行う接触型帯電手段を採用した画像形成装置に適用した場合、画像の点欠陥が発生し易くなる。
本実施形態における「粗大粒子係数」は、1000nmにおける吸光度の感光層膜厚1μm当たりの変化量を示すものであって、感光層中の粗大粒子の存在量の指標となるものである。
以下に、粗大粒子係数の算出方法について詳細に説明する。
まず、感光体を作製する際に用いる感光層形成用塗布液と同様のサンプル用塗布液を準備し、これをガラスプレート上に塗布し、感光層の形成の際の同条件で乾燥硬化し、ある厚さ(L1(μm))の膜を作製する。また、同様にして、L1とはそれぞれ異なる厚さ(L2(μm)、L3(μm))の膜をガラスプレート上に作製する。
このようにして得られた3枚のサンプルについて、1000nmにおける吸光度を測定し、その値を、膜厚L1のサンプルの場合「A1」、膜厚L2のサンプルの場合「A2」、膜厚L3のサンプルの場合「A3」とした。
そして、膜厚を横軸、吸光度を縦軸としたときのプロットから接線の傾きをより算出し、これを粗大粒子係数とした。
なお、ガラスプレート上に成膜される膜厚は5μm以上15μm以下の範囲とする。
また、吸光度は、日立社製、紫外可視分光光度計U2000を用いて測定する。
まず、電子写真感光体の感光層の良溶媒液を用い、感光層を一度溶解する。そして、溶解して得られた溶液を適宜濃縮した後、ガラスプレート上へ塗布する以外は、上記と同様にして、粗大粒子係数を求める。
即ち、1.結着樹脂(a)、電荷発生材料(b)、正孔輸送材料(c)、及び、電子輸送材料(d)の各成分の量比を調整し、粗大粒子(凝集体)の生成を抑制する方法、2.電荷発生材料(b)である顔料の分散工程の改良、3.分散助剤等の添加剤を用いる等が挙げられる。
中でも、1.の方法が、電子写真感光体の高感度化を維持しうる点、また、製造工程の制約を受け難い点から好ましく、特に、電荷発生材料(b)の含有量を調整する方法が好ましい。
結着樹脂としては、特に制限はないが、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコーン樹脂、シリコーンアルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等が挙げられる。これらの結着樹脂は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
これらの結着樹脂の中でも、特に、感光層の成膜性の観点から、例えば、粘度平均分子量30000以上80000以下のポリカーボネート樹脂がよい。
電荷発生材料としては、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種が適用される。
電荷発生材料としては、これら顔料を単独で用いてもよいが、必要に応じて併用してもよい。そして、電荷発生材料としては、感光体の高感度化、及び画像の点欠陥抑制の観点から、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がよい。
特に、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料としては、例えば、600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおいて、810nm以上839nm以下の範囲に最大ピーク波長を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料がより優れた分散性が得られる観点から望ましい。電子写真感光体の材料として用いた場合に、優れた分散性と、十分な感度、帯電性及び暗減衰特性とが得られ易くなる。
ここで、平均粒径が0.20μmより大きい場合、又は比表面積値が45m2/g未満である場合は、顔料粒子が粗大化しているか、又は顔料粒子の凝集体が形成される傾向があり、分散性や、感度、帯電性及び暗減衰特性といった特性に欠陥が生じやすい傾向にあり、それにより画質欠陥を生じ易くなることがある。
クロロガリウムフタロシアニン顔料の好適な分光吸収スペクトルの最大ピーク波長、平均粒径、最大粒径、及び比表面積値は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料と同様である。
正孔輸送材料としては、下記一般式(1)で表される正孔輸送材料が適用される。
これらの中でも、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基が望ましい。
なお、フェニル基に置換し得る置換基としては、例えば、R1〜R6が示す低級アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が挙げられる。
・4−Me:フェニル基の4−位に置換するメチル基
・3−Me:フェニル基の3−位に置換するメチル基
・4−Cl:フェニル基の4−位に置換する塩素原子
・4−MeO:フェニル基の4−位に置換するメトキシ基
・4−F:フェニル基の4−位に置換するフッ素原子
・4−Pr:フェニル基の4−位に置換するプロピル基
・4−PhO:フェニル基の4−位に置換するフェノキシ基
電子輸送材料としては、下記一般式(2)で表される電子輸送材料が適用される。
これらの中でも、フェニル基が望ましい。
炭素数5以上10以下の直鎖状のアルキル基としては、例えば、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等が挙げられる。
炭素数5以上10以下の分岐状のアルキル基としては、例えば、イソプロピル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、sec−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、イソヘプチル基、sec−ヘプチル基、tert−ヘプチル基、イソオクチル基、sec−オクチル基、tert−オクチル基、イソノニル基、sec−ノニル基、tert−ノニル基、イソデシル基、sec−デシル基、tert−デシル基等が挙げられる。
R20が示すアルキレン基としては、直鎖状又は分岐状の炭素数5以上10以下のアルキレン基が挙げられ、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ネオペンチレン基、tert−ペンチレン基等が挙げられる。
Ar2が示すアリール基としては、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基等が挙げられる。
・Ph:フェニル基
上記特定の正孔輸送材料及び電子輸送材料以外にも、機能を損ねない範囲で、他の電荷輸送材料(他の正孔輸送材料、他の電子輸送材料)を併用してもよい。但し、他の電荷輸送材料は、正孔輸送材料及び電子輸送材料全体に対して40質量%以下で併用することがよい。
正孔輸送材料と電子輸送材料との比率は、質量比(正孔輸送材料/電子輸送材料)で、50/50以上90/10以下が望ましく、より望ましくは60/40以上80/20以下である。
なお、本比率は、他の電荷輸送材料を併用した場合、その合計での比率である。
単層型の感光層には、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の周知のその他添加剤を含んでいてもよい。また、単層型の感光層が表面層となる場合、フッ素樹脂粒子、シリコーンオイル等を含んでいてもよい。
単層型の感光層は、上記成分を溶剤に加えた感光層形成用塗布液を用いて形成される。
溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状若しくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤が挙げられる。これら溶剤は単独又は2種以上混合して用いる。
保護層は、必要に応じて感光層上に設けられる。保護層は、例えば、帯電時の感光層の化学的変化を防止したり、感光体表面の機械的強度を高める目的で設けられる。
保護層としては、周知の保護層が適用されるが、硬化膜(架橋膜)で構成された層を適用することがよい。
硬化膜(架橋膜)で構成された保護層としては、例えば、下記1)又は2)に示す層が挙げられる。
2)非反応性の電荷輸送材料と、電荷輸送性骨格を有さず、反応性基を有する反応性基含有非電荷輸送材料と、を含む組成物の硬化膜で構成された層(つまり、非反応性の電荷輸送材料と、当該反応性基含有非電荷輸送材料の重合体又は架橋体と、を含む層)
なお、保護層形成用塗布液は、無溶剤の塗布液であってもよい。
前述した電子写真感光体を備える本実施形態に係る画像形成装置は、その他、電子写真感光体の表面に接触し、直流電圧のみを利用して当該表面を帯電する帯電手段と、帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、を備える。
帯電装置20としては、図2には、導電性の帯電ロールを備えた接触型帯電器が記載されているが、これに限定されるものではなく、例えば、帯電ブラシ、帯電フィルム、帯電ゴムブレード、帯電チューブ等を用いた接触型帯電器であってもよい。
本実施形態においては、帯電特性・汎用性の点から、接触型帯電手段として、帯電ロールを用いる構成が好ましい。
ここで、帯電ロールとしては、例えば、導電性支持体(シャフト)上に、導電性弾性層と、必要に応じて、表面層とが順次形成されたものである。
抵抗値の調整を目的とした導電剤として、マトリックス材に配合されるカーボンブラックや導電性金属酸化物粒子、或いはイオン導電剤のような、電子及び/又はイオンを電荷キャリアとして電気伝導する材料を分散したもの等を用いることができる。
また、導電性弾性層は発泡体であってもかまわない。
表面層の材料としては、樹脂、ゴム等の何れを用いてもよく特に限定するものではな区、例えば、ポリエステル、ポリイミド、共重合ナイロン、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、メラミン樹脂、フッ素ゴム、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。
更に、表面層には、フッ素系或いはシリコーン系の樹脂、絶縁性の粒子等を添加してもよい。
露光装置30としては、例えば、電子写真感光体10表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光を、像様に露光する光学系機器等が挙げられる。光源の波長は電子写真感光体10の分光感度領域にあるものがよい。半導体レーザの波長としては、例えば、780nm前後に発振波長を有する近赤外がよい。しかし、この波長に限定されず、600nm台の発振波長レーザや青色レーザとして400nm以上450nm以下に発振波長を有するレーザも利用してもよい。また、露光装置30としては、例えばカラー画像形成のためにはマルチビーム出力するタイプの面発光型のレーザ光源も有効である。
現像装置40は、例えば、トナー及びキャリアからなる2成分現像剤を収容する容器内に、現像領域で電子写真感光体10に対向して配置された現像ロール41が備えられた構成が挙げられる。現像装置40としては、2成分現像剤により現像する装置であれば、特に制限はなく、周知の構成が採用される。
転写装置50としては、例えば、ベルト、ロール、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触型転写帯電器、コロナ放電を利用したスコロトロン転写帯電器やコロトロン転写帯電器等のそれ自体公知の転写帯電器が挙げられる。
クリーニング装置70は、例えば、筐体71と、クリーニングブレード72と、クリーニングブレード72の電子写真感光体10回転方向下流側に配置されるクリーニングブラシ73と、を含んで構成されている。また、クリーニングブラシ73には、例えば、固形状の潤滑剤74が接触して配置されている。
プロセスカートリッジ101Aの構成は、これに限られず、例えば、少なくとも、電子写真感光体10及び接触型帯電手段を採用した帯電装置20を備えてえればよく、その他、例えば、帯電装置20、露光装置30、現像装置40、転写装置50、及びクリーニング装置70から選択される少なくとも一つを備えていてもよい。
なお、以下に示す「部」及び「%」は特に断りのない限り質量基準である。
電荷発生材料としてCukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料:1.5質量部と、結着樹脂としてビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万):46.5質量部と、表1に示す電子輸送材料:15質量部と、表1に示す正孔輸送材料:37質量部と、溶剤としてテトラヒドロフラン250質量部と、からなる混合物を、直径1mmφのガラスビーズを用いたサンドミルにて4時間分散し、感光層形成用塗布液を得た。
この感光層形成用塗布液を浸漬塗布法にて、直径30mm、長さ244.5mmのアルミニウム基材上に塗布し、140℃、30分の乾燥硬化を行い、厚さ30μmの単層型の感光層を形成した。
以上の工程を経て、電子写真感光体(感光体1)を作製した。
表1に従って、電荷発生材料、電子輸送材料、正孔輸送材料、及び結着樹脂について、種類及び量をそれぞれ変更した以外は、感光体1と同様にして、電子写真感光体(感光体2〜18、及び、比較感光体1〜5)を作製した。
前述のようにして得られた電子写真感光体について、以下の評価を行った。その結果を表1にまとめて示す。
前述した各感光体を作製する際に用いた感光層形成用塗布液を使用し、前述した方法で、粗大粒子係数を算出した。
粗大粒子係数の値が大きいと電荷発生材料の分散性が悪く、粗大粒子係数が0.025以上であると、直流電圧のみを利用して帯電を行う接触型帯電手段を採用した画像形成装置に適用した際、かかる帯電手段による帯電時に画像に点欠陥が生じ易い。
画質評価は、Brother社製HL5340Dに対して、前述のようにして得られた電子写真感光体と、直流電圧のみを利用して帯電を行う接触型帯電手段(帯電ロールを備えたもの)と、を取り付けた改造機を用いて行った。
この改造機を用い、帯電の際に600Vの直流電圧を用い、50%ハーフトーン画像を印刷し、画像の点欠陥を以下の基準で評価した。
5:大変良い(点欠陥なし)
4:良い(点欠陥がほとんどない)
3:普通(点欠陥があるが問題のない範囲)
2:悪い(点欠陥があり問題になる範囲)
1:大変悪い(点欠陥が多くあり問題になる範囲)
なお、評価2以下であると実用上問題を生ずることがあると評価する。
−電子輸送材料−
・(2−1)〜(2−10) : 一般式(2)で表される電子輸送材料の例示化合物
・化合物A : 下記構造の電子輸送材料
・化合物B : 下記構造の電子輸送材料
・化合物C : 下記構造の電子輸送材料
・(1−1)、(1−21)、(1−22)、(1−41)、(1−42) : 一般式(1)で表される正孔輸送材料の例示化合物
・化合物D : N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−[1,1’]ビフェニル−4,4’−ジアミン(正孔輸送材料)
・PCZ : ビスフェノールZポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量:5万)
・HOGaPC : Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.3゜,16.0゜,24.9゜,28.0゜の位置に回折ピークを有するV型のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=820nm、平均粒径=0.12μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=60m2/g)
・ClGaPC : Cukα特性X線を用いたX線回折スペクトルのブラッグ角度(2θ±0.2°)が少なくとも7.4゜,16.6゜,25.5゜,28.3゜の位置に回折ピークを有するクロロガリウムフタロシアニン顔料(600nm以上900nm以下の波長域での分光吸収スペクトルにおける最大ピーク波長=780nm、平均粒径=0.15μm、最大粒径=0.2μm、比表面積値=56m2/g)
・TiOPC(II型) : チタニルフタロシアニン顔料
・H2PC(x型) : 無金属フタロシアニン顔料(フタロシアニン骨格の中心に2個の水素原子が配位したフタロシアニン)
Claims (2)
- 導電性基体上に、結着樹脂(a)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料(b)、下記一般式(1)で表される正孔輸送材料(c)、並びに、下記一般式(2)で表される電子輸送材料(d)を含み、且つ、1000nmにおける吸光度を用いて算出された粗大粒子係数が0.02以下である単層型の感光層を有する電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、直流電圧のみを利用して当該表面を帯電する帯電手段と、
帯電した前記電子写真感光体の表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
トナーを含む現像剤により、前記電子写真感光体の表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
を備え、
前記電子写真感光体における前記感光層中の前記電荷発生材料(b)の含有量が、感光層全体の質量(固形分質量)に対して1質量%以上2質量%以下である、画像形成装置。
(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子、又はメチル基を示す。m及びnは、各々独立に0又は1を示す。)
(一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、いずれも水素原子を示す。R18は、炭素数7又は8の直鎖状のアルキル基を示す。) - 導電性基体上に、結着樹脂(a)、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料及びクロロガリウムフタロシアニン顔料から選択される少なくとも1種の電荷発生材料(b)、下記一般式(1)で表される正孔輸送材料(c)、及び、下記一般式(2)で表される電子輸送材料(d)を含み、且つ、1000nmにおける吸光度を用いて算出された粗大粒子係数が0.02以下である単層型の感光層を、を備える電子写真感光体と、
前記電子写真感光体の表面に接触し、直流電圧のみを利用して当該表面を帯電する帯電手段と、を備え、
前記電子写真感光体における前記感光層中の前記電荷発生材料(b)の含有量が、感光層全体の質量(固形分質量)に対して1質量%以上2質量%以下である、
画像形成装置に脱着されるプロセスカートリッジ。
(一般式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は、各々独立に、水素原子、又はメチル基を示す。m及びnは、各々独立に0又は1を示す。)
(一般式(2)中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、及びR17は、いずれも水素原子を示す。R18は、炭素数7又は8の直鎖状のアルキル基を示す。)
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