JP6476077B2 - 自走式電子機器および前記自走式電子機器の走行方法 - Google Patents
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Description
この発明は、自走式電子機器およびその走行方法に関し、詳しくは、障害物または下向きの段差(下り段差)等の回避機能を備えた自走式電子機器およびその走行方法に関する。
従来、屋内または屋外を自律的に走行して掃除などの作業を行う自走式電子機器が知られている。このような自走式電子機器には、自走中に周辺の壁や家具などの障害物を検知する障害物センサや、床面を検知して崖や下り段差等から自走式電子機器が落下するのを防止する床面検知センサを備えたものがある。
このような障害物または下り段差の回避機能を備えた自走式電子機器が障害物または下り段差を検知した場合、直ちに離脱動作を行うのが一般的である。
例えば、自走中に自走式電子機器が前方に障害物を検知した場合、予め定められた距離を後退し、また、後方に下り段差を検知した場合、予め定められた距離を前進するといった離脱動作が通常行われる。
例えば、自走中に自走式電子機器が前方に障害物を検知した場合、予め定められた距離を後退し、また、後方に下り段差を検知した場合、予め定められた距離を前進するといった離脱動作が通常行われる。
また、障害物の回避機能を備えた従来の自走式電子機器として、本体の移動を検知するとともに、本体の衝突を検知する衝突検知手段と、本体の前方にのみ設置され、本体外の状況を検知する外部検知手段をと備え、制御手段が、前記衝突検知手段が本体の衝突を検知した場合に、前記走行手段にて本体を回転させるとともに、前記外部検知手段により本体周辺の状況を検知し、前記走行経路を補正することを特徴とする自走式掃除機の発明が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、バンパーと、突出障害物検知手段と、前記突出障害物検知手段から信号を受けて障害物が存在するか否かを判別し、障害物の出現時、その障害物を回避するようにロボット本体の走行方向を変更させる制御部と、を備えることを特徴とするロボット掃除機の発明も開示されている(例えば、特許文献2を参照)。
しかしながら、前後または左右等を障害物または下り段差に挟まれた場所に自走式電子機器が入り込んだ場合、前進および後退の動作が連鎖的に生じることにより、しばしば離脱の困難な状況に陥ることがある。このような状況に陥った場合、自走式電子機器は予め定められた回避動作を優先させ、他の動作を行うことができないため、困難な状況からいつまで経っても抜け出すことができない事態に陥ってしまう。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、障害物や下り段差等の走行不能な領域に挟まれた場所に入り込んだ場合においても、効率的に抜け出すことができる自走式電子機器および前記自走式電子機器の走行方法を提供することにある。
この発明は、筐体と、前記筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体の走行を制御する走行制御部と、前記筐体の周辺の走行不能領域を検知する周辺検知センサとを備え、前記駆動輪は、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪を含み、前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする自走式電子機器を提供するものである。
また、この発明は、周辺の走行不能領域を回避しつつ、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪で筐体を走行させる自走式電子機器の走行方法であって、前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする自走式電子機器の走行方法を提供するものである。
また、この発明は、周辺の走行不能領域を回避しつつ、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪で筐体を走行させる自走式電子機器の走行方法であって、前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする自走式電子機器の走行方法を提供するものである。
この発明によれば、前後または左右等を障害物や下り段差等の走行不能な領域に挟まれた場所に入り込んだ場合においても、効率的に抜け出すことができる自走式電子機器および前記自走式電子機器の走行方法を実現できる。
(実施形態1)
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
なお、実施形態1では、自走式電子機器として自走式掃除機1の場合を例示して説明するが、この発明は掃除機以外の自走式電子機器(例えば、自走式イオン発生機)にも適用可能である。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
なお、実施形態1では、自走式電子機器として自走式掃除機1の場合を例示して説明するが、この発明は掃除機以外の自走式電子機器(例えば、自走式イオン発生機)にも適用可能である。
図1は、この発明の実施形態1に係る自走式掃除機1を示す斜視図である。図2は、図1に示す自走式掃除機1の底面図である。図3は、図1に示す自走式掃除機1の制御回路の概略構成を示すブロック図である。図4は、図1に示す自走式掃除機1の側断面図である。図5は、図1に示す自走式掃除機1の平断面図である。
実施形態1の自走式掃除機1は、円盤形の筐体2を備え、この筐体2の内部および外部に、衝突検知部43、回転ブラシ9、サイドブラシ10、集塵室15を構成する集塵ボックス15a、電動送風機50、筐体2を前後方向へ直進および左右方向へ旋回させる左右一対の駆動輪22L、22R、後輪26、左右一対の充電用端子13、複数の床面検知センサ18および電子機器部品等を含む制御部40、駆動輪22L、22R、回転ブラシ9、サイドブラシ10および電動送風機50等を駆動する駆動源としてのバッテリーなどの構成要素が設けられている。
なお、この発明の「周辺検知センサ」は、移動物検知部43bおよび/または床面検知センサ18によって実現する。また、この発明の「走行制御部」は、制御部40およびモータドライバ51aの協働によって実現する。
この自走式掃除機1において、後輪26が配置されている部分が後方部、後輪26と反対側が前方部、左右一対の駆動輪22L、22Rが配置されている部分が中間部であり、停止時および水平面の走行時は、左右一対の駆動輪22L、22Rおよび後輪26の三輪で筐体2を支持している。よって、本明細書において、前進方向(前方)とは自走式掃除機1が前方部側へ進む方向を指し、後退方向(後方)とは自走式掃除機1が後方部側へ進む方向を指し、左右方向とは自走式掃除機1が前進するときの左側と右側の方向を指し、上下方向とは筐体2が三輪にて床面FL上で支持された状態での上下方向を指す。
筐体2は、前方部における中間部との境界付近の位置に形成された吸込口31を有する平面視円形の底板2aと、筐体2に対して集塵ボックス15aを出し入れする際に開閉する蓋部を有する天板2bと、底板2aおよび天板2bの外周部に沿って設けられた平面視円環形の側板2cとを備えている。
底板2aには左右の駆動輪22L、22Rの一部を筐体2内に収納するための左右一対の開口部2a2が形成さている。また、底板2aの内面における各開口部2a2の周囲には支持部材2a4が設けられている。さらに、各駆動輪22L、22Rは、後述の走行モータ51および走行モータ51の回転駆動力を各駆動輪22L、22Rに伝達するギヤを有する駆動力伝達機構を備えた駆動輪ユニットUL、URにそれぞれ組み込まれており、各駆動輪ユニットUL、URは各支持部材2a4に水平軸心を介して揺動可能に支持されている。
また、側板2cは、前部のバンパー2c1と後部側板2c2とに二分割された構成であり、後部側板2c2には排気口32が形成されている。以下、筐体2におけるバンパー2c1を除く部分を筐体本体2xという。
筐体2の内部には、走行モータ51、ブラシ用モータ52、電動送風機50、イオン発生器120、集塵ボックス15a、制御回路、バッテリー等の部品が設けられ、左右一対の駆動輪22L、22Rおよび後輪26の三輪で筐体2を支持できるよう筐体2の重心位置は後方部側に配置されている。なお、図5において、筐体2内の中間スペース2s1は集塵ボックス15aを収納するスペースであり、後方スペース2s2はバッテリーを収納するスペースである。
図3に示すように、自走式掃除機1全体の動作制御を行う制御回路は、制御部40、自走式掃除機1の動作に係る設定条件や作動指令を入力する操作パネル41、走行マップ42aを記憶する記憶部42、電動送風機50を駆動するためのモータドライバ50a、駆動輪22L、22Rの走行モータ51を駆動するためのモータドライバ51a、回転ブラシ9とサイドブラシ10を駆動するブラシ用モータ52を駆動するためのモータドライバ52a、床面検知センサ18を制御する制御ユニット18a、後述する超音波センサ6を制御する制御ユニット6a、後述する移動物検知部43bを制御する制御ユニット43a等を備える。
制御部40はCPU、ROM、RAMからなるマイクロコンピュータを備え、記憶部42に予め記憶されたプログラムデータに基いて、モータドライバ50a、51a、52aに個別に制御信号を送信し、電動送風機50、走行モータ51およびブラシ用モータ52を駆動制御して、一連の掃除運転を行う。なお、プログラムデータには、床面FLの広い領域を清掃する通常モード用と、壁際に沿って清掃する壁際モード用のプログラムデータなどが含まれる。
また、制御部40は、ユーザーによる設定条件や作動指令を操作パネル41から受け入れて記憶部42に記憶させる。この記憶部42に記憶される走行マップ42aは、自走式掃除機1の設置場所周辺の走行経路や走行速度などといった走行に係る情報であり、予めユーザーによって記憶部42に記憶させるか、あるいは自走式掃除機1自体が掃除運転中に自動的に記録することができる。
また、自走式掃除機1は、図1に示される超音波センサ6を構成する超音波送信部6b1および超音波受信部6b2によって進路上の障害物を検知した場合および掃除領域の周縁に到達した場合、駆動輪22L、22Rが一旦停止し、次に左右の駆動輪22L、22Rを互いに逆方向に回転して向きを変える。これにより、自走式掃除機1は、設置場所全体あるいは所望範囲全体に障害物を避けながら自走して掃除をすることができる。
この自走式掃除機1では、超音波センサ6によって進行方向に障害物が検知されると、その検知信号が制御部40に送信され、制御部40が自走式掃除機1を停止又は方向転換するように制御する。
一方、自走式掃除機1の走行時において、超音波センサ6によって障害物が検知されない場合、バンパー2c1が障害物に衝突する。この際、バンパー2c1の内側に設けられた移動物検知部43b(図示せず)によってバンパー2c1が障害物に衝突したことを検知すると、その検知信号が制御部40に送信され、制御部40が自走式掃除機1を停止又は方向転換するよう制御する。
バンパー2c1の左側部分のバンパー(左バンパー2c1L)、右側部分のバンパー(右バンパー2c1R)および正面部分のバンパー(中央バンパー2c1C)にそれぞれ対応する移動物検知部43bが設けられており、筐体1の左側、右側および正面に障害物が衝突したか否かを検知することができる。
移動物検知部43bは、バンパー2c1が押し込まれることにより、ONまたはOFFされ、その検知距離は5mm程度である。
移動物検知部43bは、バンパー2c1が押し込まれることにより、ONまたはOFFされ、その検知距離は5mm程度である。
図2に示される筐体2の底板2aにおける前部中央位置、左右のサイドブラシ10の位置および後部中央位置には、前述のように床面FLを検知する床面検知センサ18が配置されているので、床面検知センサ18によって下り段差DLが検知されると、その検知信号が後述の制御部40に送信され、制御部40が両駆動輪22L、22Rを停止するよう制御する。それによって、自走式掃除機1の下り段差DLへの落下が防止される。また、制御部40は、床面検知センサ18が下り段差DLを検知すると、下り段差DLから離脱して走行するように制御してもよい。
前部中央の床面検知センサ18は、数十cm程度の検知距離を有し、左右の床面検知センサ18は、10cm程度の検知距離を有する。
筐体2の底板2aの前端には、内蔵するバッテリーの充電を行う左右一対の充電用端子13が設けられている。室内を自走しながら掃除する自走式掃除機1は、掃除が終了すると室内に設置されている充電台に帰還する。
具体的には、自走式掃除機1は、床面FL上に設置された充電台から発信された赤外線などの信号を検出して充電台が存在する方向を認識し、自律的に障害物を避けながら走行して充電台に帰還する。
具体的には、自走式掃除機1は、床面FL上に設置された充電台から発信された赤外線などの信号を検出して充電台が存在する方向を認識し、自律的に障害物を避けながら走行して充電台に帰還する。
これにより、充電台に設けられた給電端子部に自走式掃除機1の充電用端子13が接触し、給電端子部が充電用端子13を介してバッテリーの正極端子および負極端子に接続され、バッテリーへの充電が行われる。
なお、充電中に自走式掃除機1が自動で動作を行うことは基本的にはなく、スタンバイ状態をとる。
また、商用電源(コンセント)に接続される充電台は、通常、室内の側壁SWに沿って設置される。なお、バッテリーは、各種モータ等の各駆動制御要素や制御回路に電力を供給する。
なお、充電中に自走式掃除機1が自動で動作を行うことは基本的にはなく、スタンバイ状態をとる。
また、商用電源(コンセント)に接続される充電台は、通常、室内の側壁SWに沿って設置される。なお、バッテリーは、各種モータ等の各駆動制御要素や制御回路に電力を供給する。
自走式掃除機1は、前述のように、左右の駆動輪22L、22Rと後輪26の3点で床面FLに接触しており、前進時に急停止しても後輪26が床面FLから浮き上がらないようなバランスで重量配分されている。
そのため、自走式掃除機1が前進中に下り段差DLの手前で急停止しても、それによって自走式掃除機1が前のめりに傾いて下り段差DLへ落下するということが防止されている。なお、駆動輪22L、22Rは、急停止してもスリップしないよう、接地面にトレッドパターン(溝)を有するゴムタイヤをホイールに嵌め込んで形成されている。
そのため、自走式掃除機1が前進中に下り段差DLの手前で急停止しても、それによって自走式掃除機1が前のめりに傾いて下り段差DLへ落下するということが防止されている。なお、駆動輪22L、22Rは、急停止してもスリップしないよう、接地面にトレッドパターン(溝)を有するゴムタイヤをホイールに嵌め込んで形成されている。
吸込口31は、床面FLに対面するよう筐体2の底面(底板2aの下面)に形成された凹部の開放面である。この凹部内には、筐体2の底面と平行な左右方向の軸心を中心に回転する回転ブラシ9が設けられており、凹部の左右両側には筐体2の底面と垂直な軸心を中心に回転するサイドブラシ10が設けられている。回転ブラシ9は、回転軸であるローラの外周面に螺旋状にブラシを植設することにより形成されている。サイドブラシ10は、回転軸の下端にブラシ毛束を放射状に設けることにより形成されている。回転ブラシ9の回転軸および一対のサイドブラシ10の回転軸は、筐体2の底板2aの一部に枢着されると共に、その付近に設けられたブラシ用モータ52、プーリおよびベルト等を含む動力伝達機構を介して回転可能に連結されている。
筐体2の内部において、吸込口31と集塵ボックス15aの間には吸引路が設けられ、集塵ボックス15aと排気口32の間には排気路が設けられている。
図4に示すように、吸込口31から筐体2内に吸い込まれた塵埃を含む空気は、矢印Aのように吸引路および集塵ボックス15aの吸引口15a1を通って集塵ボックス15a内に導かれる。このとき、回転ブラシ9が回転して床面FL上の塵埃を吸込口31へ掻き込むと共に、一対のサイドブラシ10が回転して吸込口31の左右側の塵埃を吸込口31へ掻き集めている。
図4に示すように、吸込口31から筐体2内に吸い込まれた塵埃を含む空気は、矢印Aのように吸引路および集塵ボックス15aの吸引口15a1を通って集塵ボックス15a内に導かれる。このとき、回転ブラシ9が回転して床面FL上の塵埃を吸込口31へ掻き込むと共に、一対のサイドブラシ10が回転して吸込口31の左右側の塵埃を吸込口31へ掻き集めている。
集塵ボックス15a内に塵埃が集められた後、フィルター15bを通過して塵埃が除去された空気は、矢印Bのように集塵ボックス15aの排出口15a2、この排出口15a2と接続されたダクト114、ダクト114に接続された電動送風機50および排気路34を通って排気口32から外部に放出される。なお、図4において、カバー15cはフィルター15bを覆う集塵ボックス15aのカバーである。
この自走式掃除機1は、左右の駆動輪22L、22Rが同一方向に正回転して前進し、同一方向に逆回転して後退し、互いに逆方向に回転することにより旋回する。例えば、自走式掃除機1は、掃除領域の周縁に到達した場合および進路上の障害物に衝突した場合、駆動輪22L、22Rが停止し、左右の駆動輪22L、22Rをそれぞれ異なる回転量だけ回転させて向きを変える。これにより、自走式掃除機1は、設置場所全体あるいは所望範囲全体に障害物を効率的に避けながら自走することができる。
<バンパー2c1、衝突検知部43およびそれらの周辺構成について>
図1に示すように、半円弧形状のバンパー2c1は、周方向中央位置および中央位置の左右複数箇所に円形の孔部を有しており、各孔部から露出するようにバンパー2c1の内面に超音波センサ6の超音波送信部6b1および超音波受信部6b2が設けられている。実施形態1の場合、バンパー2c1には5個の孔部が一列に形成されており、中央位置と左右両端の孔部に超音波受信部6b2が配置され、中央位置に隣接する2個の孔部に超音波送信部6b1が配置されている。
図1に示すように、半円弧形状のバンパー2c1は、周方向中央位置および中央位置の左右複数箇所に円形の孔部を有しており、各孔部から露出するようにバンパー2c1の内面に超音波センサ6の超音波送信部6b1および超音波受信部6b2が設けられている。実施形態1の場合、バンパー2c1には5個の孔部が一列に形成されており、中央位置と左右両端の孔部に超音波受信部6b2が配置され、中央位置に隣接する2個の孔部に超音波送信部6b1が配置されている。
制御ユニット6a(図3)は、超音波センサ6の超音波送信部6b1から超音波を発信させ、発信させた超音波が障害物で反射されて超音波受信部6b2で受信されるまでの時間から障害物までの距離を算出し制御部40へ検知信号として送信する。
バンパー2c1は、底板2a、天板2bおよび後部側板2c2の端部で構成された筐体本体2xの前方開口部2x1を覆うように、その前方開口部2x1の周縁部に嵌め込まれている。この際、バンパー2c1は、筐体本体2xに対して前後および左右方向に可動でありかつ前方開口部2x1から脱落しない嵌め込み構造によって支持されている。
<自走式掃除機1の自走時の掃除動作手順>
次に、図6〜図10に基づき、自走式掃除機1の掃除動作手順について説明する。
図6は、従来の自走式掃除機1の障害物および下り段差DLからの離脱動作の一例を示す説明図である。図7および図8は、この発明の自走式掃除機1の掃除動作処理のフローチャートである。図9は、図1に示す自走式掃除機1の障害物からの離脱動作の一例を示す説明図である。図10は、図1に示す自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作の一例を示す説明図である。
次に、図6〜図10に基づき、自走式掃除機1の掃除動作手順について説明する。
図6は、従来の自走式掃除機1の障害物および下り段差DLからの離脱動作の一例を示す説明図である。図7および図8は、この発明の自走式掃除機1の掃除動作処理のフローチャートである。図9は、図1に示す自走式掃除機1の障害物からの離脱動作の一例を示す説明図である。図10は、図1に示す自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作の一例を示す説明図である。
従来、自走式掃除機1が自走中に、前方に障害物を検知した場合、予め定められた距離を後退し、また、後方に下り段差DLを検知した場合、予め定められた距離を前進するといった動作が一般的である。
しかしながら、図6(A)に示されるように、例えば、前方を障害物(側壁SW)、かつ、後方を下り段差DLに挟まれた場所に自走式掃除機1が入り込んでしまうこともある。この場合、図6(B)に示されるように、筐体2の前進および後退の往復動作BFが連鎖的に生じて、しばしば離脱の困難な状況に陥ることがある。
そこで、このような問題を回避すべく、制御部40は、以下のステップに示す手順に従う。
図7のステップS1において、制御部40は、予め定められた掃除運転動作をさせる(ステップS1)。
具体的には、制御部40は、モータドライバ51aに筐体2をランダム走行させながら、移動物検知部43bに障害物を検知させ、また、床面検知センサ18に下り段差DLを検知させる。
具体的には、制御部40は、モータドライバ51aに筐体2をランダム走行させながら、移動物検知部43bに障害物を検知させ、また、床面検知センサ18に下り段差DLを検知させる。
次に、ステップS2において、制御部40は、筐体2の右前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知したか否かを判定する(ステップS2)。
筐体2の右前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知した場合(ステップS2の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS3において、モータドライバ51aを制御して、右後方に向かって弧を描くように筐体2を後退させる(ステップS3)。その後、制御部40は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
一方、筐体2の右前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知していない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
筐体2の右前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知した場合(ステップS2の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS3において、モータドライバ51aを制御して、右後方に向かって弧を描くように筐体2を後退させる(ステップS3)。その後、制御部40は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
一方、筐体2の右前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知していない場合(ステップS2の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS4の判定を行う(ステップS4)。
ここで、「弧を描くように」とは、左右の駆動輪22Lおよび22Rのうち、一方の駆動輪22L(または22R)の回転量が他方の駆動輪22R(または22L)の回転量よりも小さくなるように駆動輪22Lおよび22Rを駆動させることをいう。
例えば、図9(A)(B)に示すように、バンパー2c1の左側部分(左バンパー2c1L)が側壁SWに衝突して移動物検知部43bが側壁SWを検知したとき、制御部40は、左側の駆動輪22Lの回転量が右側の駆動輪22Rの回転量よりも小さくなるようにモータドライバ51aを制御する。
図9(B)において、左駆動輪22Lは前進し、右駆動輪22Rは後退しているが、左駆動輪22Lの回転量が右駆動輪22Rの回転量より小さいため、全体として、筐体2は左後方に向かって後退している。
また、左駆動輪22Lの回転量が右駆動輪22Rの回転量より小さくなるように、左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rの両方を後退させるようにしてもよい。
一方、バンパー2c1の右側部分(右バンパー2c1R)が側壁SWに衝突して、移動物検知部43bが側壁SWを検知した場合も同様に、制御部40は、右側の駆動輪22Rの回転量が左側の駆動輪22Lの回転量よりも小さくなるようにモータドライバ51aを制御する。
このように、筐体2をその場で回転させず、障害物との衝突位置に応じて、筐体2が側壁SWから弧を描いて離れていくように、左右の駆動輪22Lおよび22Rを異なる回転量で回転させることによって、筐体2および側壁SWが傷つくことを防止することができる。
また、図10(A)(B)に示すように、左前方の床面検知センサ18FLが下り段差DLを検知した場合も、制御部40は、左側の駆動輪22Lの回転量が右側の駆動輪22Rの回転量よりも小さくなるようにモータドライバ51aを制御する。
図10(B)において、左駆動輪22Lは前進し、右駆動輪22Rは後退しているが、左駆動輪22Lの回転量が右駆動輪22Rの回転量より小さいため、全体として、筐体2は左後方に向かって後退している。
また、左駆動輪22Lの回転量が右駆動輪22Rの回転量より小さくなるように、左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rの両方を後退させるようにしてもよい。
一方、右前方の床面検知センサ18FRが下り段差DLを検知した場合も同様に、制御部40は、右側の駆動輪22Rの回転量が左側の駆動輪22Lの回転量よりも小さくなるようにモータドライバ51aを制御する。
このように、筐体2をその場で回転させず、下り段差DLの検知位置に応じて、筐体2が下り段差DLから弧を描いて離れていくように、左右の駆動輪22Lおよび22Rを異なる回転量で回転させることによって、筐体2の落下のリスクを軽減しつつ、下り段差DLから離脱することができる。
次に、ステップS4において、制御部40は、筐体2の左前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知したか否かを判定する(ステップS4)。
筐体2の左前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知した場合(ステップS4の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS5において、モータドライバ51aを制御して、左後方に向かって弧を描くように筐体2を後退させる(ステップS5)。その後、制御部40は、ステップS6の判定を行う(ステップS6)。
一方、筐体2の左前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知していない場合(ステップS4の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS6の判定を行う(ステップS6)。
次に、ステップS6において、制御部40は、筐体2の前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知したか否かを判定する(ステップS2)。
筐体2の前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知した場合(ステップS6の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS7において、モータドライバ51aに、筐体2を後退させる(ステップS7)。その後、制御部40は、ステップS8の判定を行う(ステップS8)。
一方、筐体2の前方に設けられた移動物検知部43bまたは床面検知センサ18が、障害物または下り段差DLを検知していない場合(ステップS6の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS8の判定を行う(ステップS8)。
次に、ステップS8において、制御部40は、筐体2の後方に設けられた床面検知センサ18が、障害物等を検知したか否かを判定する(ステップS8)。
筐体2の後方に設けられた床面検知センサ18が、障害物等を検知した場合(ステップS8の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS9において、モータドライバ51aに、筐体2を前進させる(ステップS9)。その後、制御部40は、ステップS10の判定を行う(ステップS10)。
一方、筐体2の後方に設けられた床面検知センサ18が、障害物等を検知していない場合(ステップS8の判定がNoの場合)、制御部40は、図8のステップS10の判定を行う(ステップS10)。
次に、図8のステップS10において、制御部40は、筐体2が予め定められた時間(例えば、5秒間)内に予め定められた回数(例えば、3回)以上前進と後退を繰り返したか否かを判定する(ステップS10)。
筐体2が予め定められた時間内に予め定められた回数以上後退した場合(ステップS10の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS11において、予め定められた方向に予め定められた角度(例えば、右45°)だけ筐体2を回転させる(ステップS11)。その後、制御部40は、ステップS12の判定を行う(ステップS12)。
一方、筐体2が予め定められた時間内に予め定められた回数以上後退していない場合(ステップS10の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS12の判定を行う(ステップS12)。
次に、ステップS12において、制御部40は、掃除終了条件が満たされたか否かを判定する(ステップS10)。
掃除終了条件が満たされた場合(ステップS12の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS13において、充電台への帰還動作を実行させる(ステップS13)。その後、制御部40は、ステップS15の判定を行う(ステップS15)。
一方、掃除終了条件が満たされていない場合(ステップS12の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS14において、掃除運転動作を継続させる(ステップS14)。その後、制御部40は、ステップS2の判定を繰り返す(ステップS2)。
次に、ステップS15において、制御部40は、筐体2が充電台に帰還したか否かを判定する(ステップS15)。
筐体2が充電台に帰還した場合(ステップS15の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS16において、自走式掃除機1の電源をオフにして(ステップS13)、掃除運転を終了させる。
一方、筐体2が充電台に帰還していない場合(ステップS15の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS2の判定を繰り返す(ステップS2)。
筐体2が充電台に帰還した場合(ステップS15の判定がYesの場合)、制御部40は、ステップS16において、自走式掃除機1の電源をオフにして(ステップS13)、掃除運転を終了させる。
一方、筐体2が充電台に帰還していない場合(ステップS15の判定がNoの場合)、制御部40は、ステップS2の判定を繰り返す(ステップS2)。
このように、左右の駆動輪22Lおよび22Rのうち、一方の駆動輪22Lまたは22Rの回転量が、他方の駆動輪22Rまたは29Lの回転量よりも小さくなるように駆動輪22Lおよび22Rを駆動することにより、筐体2および障害物をいずれも傷つけることなく、離脱動作を行うことが可能となる。また、検知したものが下り段差DLの場合、筐体2の落下のリスクを軽減しつつ、離脱動作を行うことが可能となる。
また、筐体2が予め定められた時間内に予め定められた回数以上後退した場合に、筐体2を予め定められた角度だけ回転させることによって、前後の往復運動BFから抜け出すことが可能となる。
(実施形態2)
<この発明の実施形態2に係る自走式掃除機1の障害物からの離脱動作>
次に、図11に基づき、この発明の実施形態2に係る自走式掃除機1の障害物からの離脱動作について説明する。
図11は、この発明の自走式掃除機1の障害物からの離脱動作の一例を示す説明図である。
<この発明の実施形態2に係る自走式掃除機1の障害物からの離脱動作>
次に、図11に基づき、この発明の実施形態2に係る自走式掃除機1の障害物からの離脱動作について説明する。
図11は、この発明の自走式掃除機1の障害物からの離脱動作の一例を示す説明図である。
実施形態2において、左右の駆動輪22Lおよび22Rのうち、一方の駆動輪22Lまたは22Rの回転量がゼロになる(すなわち、一方の駆動輪22Lまたは22Rが停止する)ように、駆動輪22Lおよび22Rを動作させる。
例えば、図11(A)(B)に示すように、バンパー2c1の左部分(左バンパー)2c1Lが、側壁SWに衝突して移動物検知部43bが側壁SWを検知したとき、制御部40はモータドライバ51aを制御して、左側の駆動輪22Lの回転量がゼロとなるように(すなわち、左駆動輪22Lを静止させたまま)、右側の駆動輪22Rのみを回転させ、右後方に向かって弧を描くように筐体2を後退させる。
このようにすることで、片方の駆動輪22Lまたは22Rを静止させたまま、もう一方の駆動輪22Rまたは22Lのみが回転するように筐体2を後退させることで、離脱時の筐体2の旋回角度が大きくなるため、障害物からの筐体2の離脱が容易となる。
また、下り段差DLの場合も同様である。
また、下り段差DLの場合も同様である。
(実施形態3)
<この発明の実施形態3に係る自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作>
次に、図12に基づき、この発明の実施形態3に係る自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作について説明する。
図12は、この発明の自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作の一例を示す説明図である。
<この発明の実施形態3に係る自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作>
次に、図12に基づき、この発明の実施形態3に係る自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作について説明する。
図12は、この発明の自走式掃除機1の下り段差DLからの離脱動作の一例を示す説明図である。
実施形態3においては、筐体2の左右後方にも床面検知センサ18(床面検知センサ18BLおよび18BR)が設けられているものとする。
図12(A)(B)に示されるように、筐体2の左後方の床面検知センサ18BLが下り段差DLを検知したとき、制御部40は、モータドライバ51aを制御して、左側の駆動輪22Lが右側の駆動輪22Rよりも回転量が大きくなるように筐体2を前進させる。
図12(A)(B)に示されるように、筐体2の左後方の床面検知センサ18BLが下り段差DLを検知したとき、制御部40は、モータドライバ51aを制御して、左側の駆動輪22Lが右側の駆動輪22Rよりも回転量が大きくなるように筐体2を前進させる。
図12(B)において、左駆動輪22Lは前進し、右駆動輪22Rは後退しているが、左駆動輪22Lの回転量が右駆動輪22Rの回転量より大きいため、全体として、筐体2は右前方に向かって前進している。
また、左駆動輪22Lの回転量が右駆動輪22Rの回転量より大きくなるように、左駆動輪22Lおよび右駆動輪22Rの両方を前進させるようにしてもよい。
一方、筐体2の右後方の床面検知センサ18BRが下り段差DLを検知した場合も同様に、制御部40は、モータドライバ51aを制御して、右側の駆動輪22Rが左側の駆動輪22Lよりも回転量が大きくなるように筐体2を前進させる。
このようにすれば、前後または左右等が障害物や下り段差DLに挟まれた環境に入り込んだ場合であっても、下り段差DLから弧を描くように筐体2が離れていくため、往復動作BFが生じにくくなり、下り段差DLからの離脱が容易になる。
(実施形態4)
次に、図13および図14に基づき、この発明の実施形態4に係る自走式掃除機1の障害物・下り段差DLからの離脱動作について説明する。
図13および図14は、図1に示す自走式掃除機1の階段の踊り場における離脱動作の一例を示す説明図である。
次に、図13および図14に基づき、この発明の実施形態4に係る自走式掃除機1の障害物・下り段差DLからの離脱動作について説明する。
図13および図14は、図1に示す自走式掃除機1の階段の踊り場における離脱動作の一例を示す説明図である。
図13(A)に示すように、上向きの段差(上り段差)RLに対する筐体2の進入角度(入射角)θが小さいとき、図13(B)に示すように、上り段差RLとの衝突から抜け出すことができるまで筐体2が方向転換すべき最低角度(θに等しい)も小さくなる。
一方、図14(A)に示すように、上り段差RLに対する筐体2の進入角度(入射角)θが大きくなると、図14(B)に示すように、上り段差RLとの衝突から抜け出すことができるまで筐体2が方向転換すべき最低角度(θ)も大きくなる。
それゆえ、図13のように進入角度θが小さい場合は、図14のように進入角度θが大きい場合よりも、より少ない往復動作BFで上り段差RLからの衝突から抜け出すことができる。
一方、図14のように進入角度θが大きい場合は、上り段差RLからの衝突から抜け出すまでに、上り段差RLと下り段差DLとの間で何度も往復動作BFをしなければならない。
一方、図14のように進入角度θが大きい場合は、上り段差RLからの衝突から抜け出すまでに、上り段差RLと下り段差DLとの間で何度も往復動作BFをしなければならない。
そこで、実施形態4においては、筐体2の前進・後退の往復回数が予め定められた回数に達するごとに、離脱動作時の回転量の大きい方の駆動輪22L(22R)の回転量を大きくしていく。
具体的には、上り段差RLと下り段差DLの間に挟まれることによって、筐体2の前進および後退の往復運動BFを予め定められた回数だけ繰り返した場合、制御部40は、以下の表1に示されるように、駆動輪22Rの回転量を大きくしていく。
表1は、左前方の障害物を移動物検知部43bが検知、または左前方の下り段差DLを床面検知センサ18が検知した場合の筐体2の離脱動作時の各駆動輪22L(22R)の回転量の比率の一例を示す表である。
上の表では、左駆動輪22Lの回転量を1としたときの右駆動輪22Rの相対的な回転量をあらわす。
また、下の表2は、左前方の障害物を移動物検知部43bが検知、または左前方の下り段差DLを床面検知センサ18が検知した場合の筐体2の離脱動作時の各駆動輪22L(22R)の回転量の比率の別の一例を示す表である。
このようにすることで、階段の踊り場等の前後方向の筐体2の往復運動BFが生じやすい環境に自走式掃除機1が入り込んだとしても、容易に抜け出すことが可能となる。
(その他の実施形態)
1.実施形態1〜4において、制御部40は、モータドライバ51aに、前進による離脱動作と後退による離脱動作を組み合わせて筐体2の離脱動作を行うようにしてもよい。(実施形態5)
1.実施形態1〜4において、制御部40は、モータドライバ51aに、前進による離脱動作と後退による離脱動作を組み合わせて筐体2の離脱動作を行うようにしてもよい。(実施形態5)
このようにすれば、筐体2の前進による離脱動作のみ、または筐体2の後退による離脱動作のみを行う場合と比べ、より効率的な離脱動作を実現できる。
2.実施形態1〜5において、筐体2の前進と後退の往復動作BFが予め定められた時間(例えば、1分)内に予め定められた回数(例えば、30回)以上になったとき、自走式掃除機1の動作を停止させた上で報知するようにしてもよい。(実施形態6)
このようにすれば、前後または左右等が障害物または下り段差DLに挟まれた状況からの筐体2の離脱が困難な場合、無駄に走行して電気代を浪費することなく、ユーザーに脱出できない状況に陥ったことを知らせる自走式掃除機1を実現できる。
なお、具体的な報知の方法としては、例えば、音声情報で知らせる方法や、赤いインジケータを表示させる、あるいはスマートフォンやタブレットなど、ユーザーの携帯端末にエラー情報を送信するなどの方法などが挙げられる。
以上に述べたように、
(i)この発明の自走式電子機器は、筐体と、前記筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体の走行を制御する走行制御部と、前記筐体の周辺の走行不能領域を検知する周辺検知センサとを備え、前記駆動輪は、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪を含み、前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする。
また、この発明の自走式電子機器の走行方法は、周辺の走行不能領域を回避しつつ、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪で筐体を走行させる自走式電子機器の走行方法であって、前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする。
(i)この発明の自走式電子機器は、筐体と、前記筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体の走行を制御する走行制御部と、前記筐体の周辺の走行不能領域を検知する周辺検知センサとを備え、前記駆動輪は、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪を含み、前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする。
また、この発明の自走式電子機器の走行方法は、周辺の走行不能領域を回避しつつ、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪で筐体を走行させる自走式電子機器の走行方法であって、前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする。
この発明において、「自走式電子機器」は、走行しながら掃除や空気清浄やイオン発生などの作業を実行するものである。その具体的な態様の一例としては、例えば、自走式掃除機が挙げられる。自走式掃除機は、底面に吸気口を有すると共に内部に集塵部を有する筐体、筐体を走行させる駆動輪、駆動輪の回転、停止及び回転方向等を制御する制御部などを備え、自律的に掃除動作する掃除機を意味し、前述の図面を用いた実施形態によって一例が示される。
また、この発明の自走式電子機器としては、自走式掃除機だけでなく、空気吸引を行い清浄化した空気を排気する空気清浄機が自走するもの、イオン発生を行うイオン発生機が自走するもの、ユーザーに対して必要な情報等を提示するもの、あるいはユーザーが欲する要求を満足できるロボット等が自走するもの等を含む。
また、この発明の自走式電子機器としては、自走式掃除機だけでなく、空気吸引を行い清浄化した空気を排気する空気清浄機が自走するもの、イオン発生を行うイオン発生機が自走するもの、ユーザーに対して必要な情報等を提示するもの、あるいはユーザーが欲する要求を満足できるロボット等が自走するもの等を含む。
「走行不能領域」は、自走式電子機器の周辺の壁や家具、上向きの段差(上り段差)などの障害物のある領域や、崖や下向きの段差(下り段差)など、自走式掃除機が走行できない(走行困難な)領域である。
また、「周辺検知センサ」は、自走式電子機器の周辺の壁や家具、上り段差などの障害物を検知する障害物センサや、床面を検知する床面検知センサである。
例えば、自走式電子機器の筐体の各部に搭載された超音波センサ又は赤外線測距センサ等からなるセンサである。
また、自走式電子機器がカメラを搭載しそのカメラで撮影した画像を解析することによって障害物や下り段差を検知するものであってもよい。また、これらを組み合わせたものであってもよい。
例えば、自走式電子機器の筐体の各部に搭載された超音波センサ又は赤外線測距センサ等からなるセンサである。
また、自走式電子機器がカメラを搭載しそのカメラで撮影した画像を解析することによって障害物や下り段差を検知するものであってもよい。また、これらを組み合わせたものであってもよい。
なお、床面検知センサが筐体の周辺に床面を検知しなかった場合、崖や下り段差を検知したものとする。
さらに、この発明の好ましい態様について説明する。
(ii)この発明による自走式電子機器において、前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させるものであってもよい。
(ii)この発明による自走式電子機器において、前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させるものであってもよい。
このようにすれば、片方の駆動輪を回転させず(すなわち、静止させたまま)、もう一方の駆動輪のみが回転するように筐体を後退させることで、走行不能領域からの離脱時の筐体の旋回角度が大きくなるため、走行不能領域からの筐体の離脱が容易となる。
(iii)この発明による自走式電子機器において、前記周辺検知センサが前記筐体の左後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させるものであってもよい。
このようにすれば、筐体の左右後方に走行不能領域を検知した場合でも、当該走行不能領域から効率的に離脱することが可能となる。
(iv)この発明による自走式電子機器において、前記周辺検知センサが前記筐体の左後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させるものであってもよい。
このようにすれば、片方の駆動輪を完全に回転させず(すなわち、静止させたまま)、もう一方の駆動輪のみが回転するように筐体を前進させることで、離脱時の筐体の旋回角度が大きくなるため、走行不能領域からの筐体の離脱が容易となる。
(v)この発明による自走式電子機器において、予め定められた情報を報知する報知部をさらに備え、前記筐体の前進および後退の往復回数が、予め定められた回数以上になったとき、または予め定められた時間内に予め定められた回数以上になったとき、前記走行制御部は前記筐体の動作を停止させ、前記報知部はエラー情報を報知するものであってもよい。
このようにすれば、走行不能領域に前後または左右等を挟まれた環境に入り込んでしまい、離脱が困難な状況に陥った場合、自走式電子機器を停止させた上でエラー情報をユーザーに知らせることが可能な自走式電子機器を実現できる。
「エラー情報を報知」は、例えば、ユーザーに警告音を発したり、筐体の上面等に警告用の赤ランプを表示させたり、あるいは、ユーザーの通信端末に表示すべきエラー情報を送信したりすることなどが挙げられる。
(vi)この発明による自走式電子機器において、予め定められた情報を報知する報知部をさらに備え、前記筐体の前進および後退の往復回数が、予め定められた回数以上になったとき、または予め定められた時間内に予め定められた回数以上になったとき、前記走行制御部は予め定められた角度だけ前記筐体を方向転換させるものであってもよい。
このようにすれば、走行不能領域に前後または左右等を挟まれた環境に入り込んでしまい、離脱が困難な状況に陥った場合、自力で当該環境から脱出可能な自走式電子機器を実現できる。
この発明の好ましい態様は、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含む。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味及び前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
前述した実施形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味及び前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
1:自走式掃除機、 2:筐体、 2a:底板、 2a2:開口部、 2a4:支持部材、 2b:天板、 2c:側板、 2c1:バンパー、 2c1L:左バンパー、 2c1R:右バンパー、 2c2:後部側板、 2s1:中間スペース、 2s2:後方スペース、 2x:筐体本体、 2x1:前方開口部、 6:超音波センサ、 6a:制御ユニット、 6b1:超音波送信部、 6b2:超音波受信部、 9:回転ブラシ、 10:サイドブラシ、 13:充電用端子、 15:集塵室、 15a:集塵ボックス、 15a1:吸引口、 15a2:排出口、 15b:フィルター、 15c:カバー、 18,18BL,18BR,18FL,18FR:床面検知センサ、 18a:制御ユニット、 22L:左駆動輪、 22R:右駆動輪、 26:後輪、 31:吸込口、 32:排気口、 34:排気路、 40:制御部、 41:操作パネル、 42:記憶部、 42a:走行マップ、 43:衝突検知部、 43a:制御ユニット、 43b:移動物検知部、 50:電動送風機、 50a,51a,52a:モータドライバ、 51:走行モータ、 52:ブラシ用モータ、 114:ダクト、 120:イオン発生器、 220:脱輪センサ、 221:支持アーム、 222:回転支軸、 223:スリット、 224:光センサ、 225:光信号、 A,B:矢印、 BF:往復運動、 DL:下り段差、 FL:床面、 RL:上り段差、 SW:側壁、 V:電池電圧、 Vth:下限電圧値、 UL,UR:駆動輪ユニット
Claims (7)
- 筐体と、前記筐体を走行させる駆動輪と、前記筐体の走行を制御する走行制御部と、前記筐体の周辺の走行不能領域を検知する周辺検知センサとを備え、
前記駆動輪は、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪を含み、
前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする自走式電子機器。 - 前記周辺検知センサが前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記左駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させる請求項1に記載の自走式電子機器。
- 前記周辺検知センサが前記筐体の左後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させる請求項1または2に記載の自走式電子機器。
- 前記周辺検知センサが前記筐体の左後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させ、前記周辺検知センサが前記筐体の右後方に走行不能領域を検知したとき、前記走行制御部は、前記右駆動輪の回転量がゼロになるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を前進させる請求項3に記載の自走式電子機器。
- 予め定められた情報を報知する報知部をさらに備え、
前記筐体の前進および後退の往復回数が、予め定められた回数以上になったとき、または予め定められた時間内に予め定められた回数以上になったとき、前記走行制御部は前記筐体の動作を停止させ、前記報知部はエラー情報を報知する請求項1〜4のいずれか1つに記載の自走式電子機器。 - 予め定められた情報を報知する報知部をさらに備え、
前記筐体の前進および後退の往復回数が、予め定められた回数以上になったとき、または予め定められた時間内に予め定められた回数以上になったとき、前記走行制御部は予め定められた角度だけ前記筐体を方向転換させる請求項1〜5のいずれか1つに記載の自走式電子機器。 - 周辺の走行不能領域を回避しつつ、互いに独立して駆動される左駆動輪および右駆動輪で筐体を走行させる自走式電子機器の走行方法であって、
前記筐体の左前方に走行不能領域を検知したとき、前記左駆動輪の回転量が前記右駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させ、前記筐体の右前方に走行不能領域を検知したとき、前記右駆動輪の回転量が前記左駆動輪の回転量よりも小さくなるように、前記左駆動輪および前記右駆動輪を後退させることを特徴とする自走式電子機器の走行方法。
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