実施例1の自律走行型掃除機101の構成を図1〜5を用いて説明する。図1は自律走行型掃除機101の上方からの外観斜視図であり、図2は下方からの外観斜視図である。また、図3は自律走行型掃除機101を前後方向に垂直に切断した垂直断面図であり、図4は高さ方向に水平に切断した水平断面図である。さらに、図5は自律走行型掃除機101の制御装置のブロック図である。
まず、図1と図2の外観図を用いて、自律走行型掃除機101の外観を説明する。
図1において、1は略円筒形状の本体であり、上平面を含む上ケース2aと、底面を含む下ケース2bと、前方のバンパー3で構成されている。上ケース2aの上平面には、蓋15、表示パネル24、スタートボタン25、走行モード選択ボタン26、電源ボタン27が設けられている。なお、18a、18bはサイドブラシであり、43は後方ブラシである。
また、図2に示すように、下ケース2bの底面には、自律走行時に回転駆動する車輪4a、4b、床面からの塵埃を回収するブラシ11と吸口5、補助輪10a、10b、10c、床面用測距センサー23a、23b、23c、および、サイドブラシ18a、18bの回転軸となるブラシホルダー19a、19b、後方ブラシ43の回動軸となる後方ブラシホルダー61が設けられている。
次に、図3、図4を用いて、自律走行型掃除機101の内部構造を説明する。図3は、自律走行型掃除機101を前後方向に切断した垂直断面図であり、図4は、上方から見た自律走行型掃除機101を水平に切断した水平断面図である。本実施例の自律走行型掃除機101は、バンパー3を設けた方向を前方とし、主にこの方向に移動する。従って、前方移動時に自律走行型掃除機101が障害物等に接触すると、まず、バンパー3が障害物等に接触し後方へ移動する。そして、バンパー3の後方への移動を後述するマイクロスイッチで検出することで、障害物との接触を検出することができる。以下で、バンパー3の構造や障害物検出の方法を詳細に説明する。
図3に示すように、バンパー3は、前後方向に揺動できるよう2つのバンパーバネ6a、6bで下ケース2bに支持され、前方から押されると後方に移動し、その力から開放されるとバネの復元力により元の位置に戻る。このバンパーバネ6a、6bは、薄い金属板であり、下ケース2bの外周面の左右に固定され、中央前側に向けて伸び、バンパー3に接している。バンパー3がスムーズに揺動できるように、バンパーバネ6a、6bの先端は湾曲しており、その湾曲部でバンパー3の内面と接している。また、バンパー3の正面からの力だけでなく左右どちらからの力が作用しても、バンパー3がスムーズに揺動できるように2つのバンパーバネ6a、6bは離れてバンパー3に接している。バンパー3の右側より力が作用したらバンパー3の右側のほうが大きく揺動し、バンパー3に左側より力が作用したらバンパー2の左側のほうが大きく揺動するように、図4のようにバンパーバネ6a、6bは上から見たときにハの字のように取り付けられる。このようにすることで、例えば右側から力がかかると、右側のバンパーバネ6aは容易にたわむが、左側のバンパーバネ6bはたわみ難く、その先端湾曲部でバンパー3を受け止めるようになり、結果右側のほうが大きく揺動する。
また、バンパー3の動きを検知するバンパーセンサー7a、7bが下ケース2bの左右に固定されている。バンパーセンサー7a、7bはマイクロスイッチであり、バンパー3の内側の左右に設けられた凸部3a、3bの先端に、マイクロスイッチの可動接点側が接している。バンパー3が後ろ側に押されるとマイクロスイッチの接点が接触し、バンパー3に力が作用していることを検知する。バンパーセンサー7aは右側にあり、主にバンパー3の右側に力が作用した場合に検知し、バンパーセンサー7bは左側にあり、主にバンパー3の左側に力が作用した場合に検知する。バンパー3の中央付近に力が作用した場合はバンパーセンサー7a、7bがともに検知し、中央付近に力がかかったことがわかる。
また、下ケース2bには前後方向略中央の位置に左右対称に2つの独立した車輪4a、4bを有している。2つの車輪4a、4bをそれぞれ独立に駆動することによって、前進、後退、回転を行うことができる。それぞれの車輪4a、4bの表面は凹凸をつけたゴムで覆われており、走行時に滑りにくくしている。
また、それぞれの車輪4a、4bは複数段の歯車で構成された減速機8a、8bを介して走行モーター9a、9bから動力が伝えられている。減速機8a、8bは走行音を低下させるために斜歯歯車であることが望ましい。特に、回転数の高い走行モーター9a、9bから1段目の歯車は低騒音化の効果が大きいため、斜歯歯車であることが望ましい。走行モーター9a、9bにはそれぞれ走行モーター用エンコーダー38a、38b(図5)が取り付けられ、回転速度、回転角度を検知し、減速機8a、8bおよび車輪4a、4bの径より自律走行型掃除機101の移動速度、移動距離を把握する。また、車輪4a、4b、走行モーター9a、9b、減速機8a、8bは左右それぞれで一塊のユニットとなっており、このユニットがサスペンション(図示せず)を介して下ケース2bに取り付けられている。自律走行型掃除機101が走行中の段差をスムーズに乗り降りするために、走行面に車輪4a、4bが接触している状態をできるだけ維持する必要があり、サスペンションにより車輪4a、4bが上下に揺動できるようになっている。
また、下ケース2bの底面前方および後方の左右には合計3つの補助輪10a、10b、10cが設けられている。底面前方の補助輪10aは他の補助輪10b、10cに比べて低く取り付けられており、平らな床面では底面前方の補助輪10aと車輪4a、4bにより自律走行型掃除機101を支え、下ケース2bの底面は床面から約10mmの高さで保たれている。また段差等に乗り上げるときには、前方が持ち上げられ、底面後方の左右に設けた補助輪10b、10cが床面に接し、スムーズに段差を乗り越えることが可能となる。
下ケース2bの中央付近に床面に対して略四角に開口した吸口5を持つ。吸口5は車輪4aの中心と車輪4bの中心とを結ぶ直線近傍に位置している。吸口5にはブラシ11が組み込まれており、そのブラシ11はブラシ用モーター12によって回転され、床面上の塵埃を効率的に吸い込むことができる。
吸口5の後方上部には開口部5aが設けられ、その後ろ側に集塵部が構成されている。集塵部は集塵ケース13と集塵フィルタ14で構成されている。集塵ケース13は開口部5aに対峙する位置に開口部を有し、その間はパッキンで繋がれており、吸口5から回収した塵埃は開口部5aを通って集塵ケース13に導かれる。集塵ケース13の後ろに位置するとともに、集塵ケース13の後方の壁を兼ねる集塵フィルタ14は、空気と塵埃を分離し、塵埃を集塵ケース13に集積させ、空気を集塵フィルタ14へ通過させる。この集塵ケース13は上ケース2aに設けた蓋15を開けることで脱着できる。
また、集塵フィルタ14の後方で本体1の幅方向の略中央に電動送風機16が設けられている。電動送風機16は下ケース2b内で弾性体を介して配される。弾性体を介することで電動送風機16が発生させる振動を減衰して本体1に伝えにくくし、振動騒音を低減させている。この電動送風機16により吸引力が発生し、床面にある塵埃は吸口5から吸い込まれ、集塵ケース13内を通過し、集塵フィルタ14でせき止められ、集塵ケース13に集積される。そして、塵埃を分離した空気が電動送風機16に吸い込まれ、電動送風機16の側面より吐出され、下ケース2bの後方に設けた格子状の排気口17から本体1の外側へ排気される。
排気口17は格子状のプラスチックもしくは金属でできており、その格子によって形成される空気の通過する穴は後ろ斜め上方へ向かうように作られている。そのため、電動送風機16からの排気は斜め後ろ上方へ向かって排気され、床面の塵埃を巻き上げないようにしている。
また、下ケース2bの底面には、車輪4a、4bの前側にサイドブラシ18a、18bが回転可能に設けられている。これらサイドブラシ18a、18bはブラシホルダー19a、19bとそれぞれ3束の刷毛とで構成されており、それら3束の刷毛は放射状に略等間隔にブラシホルダー19a、19bに取り付けられている。ブラシホルダー19a、19bは下ケース2bの底面に回転可能に取り付けられ、その回転軸は減速機20a、20bを介してサイドブラシ用モーター21a、21bにつながっており、サイドブラシ用モーター21a、21bによって回転させられる。また、サイドブラシ18a、18bの刷毛は先端に行くほど下方になるように傾斜しており、先端は床面に接している。サイドブラシ18aと18bは互いに逆の方向に回転しており、前側にある塵埃を吸口5に送り込むように、上から見たときに右側のサイドブラシ18aは反時計回りに、左側のサイドブラシ18bは時計回りに回転している。本実施例ではサイドブラシ18a、18bは左右に設けているが、右側、左側のどちらか片方だけでもよい。また刷毛の束数も3束でなくて1束、2束でも4束、5束でもよく、もしくは束にまとめずにブラシホルダー19a、19bの全周から放射状に広がっていてもよい。
また、自律走行型掃除機101は自律的に移動可能であり、本体1が部屋の壁や家具等に衝突することを防ぐために、本体1の前面から側面にかけて複数の測距センサー22a〜22gを設けている。本実施例では本体1の正面に1つ(22d)とその左右両側に側面に向けて3つずつ、計7つの測距センサーを設けている。これら測距センサー22a〜22gは赤外線による測距センサーであり、赤外線を発光させる発光部とその赤外線が対象物に反射して戻ってくる反射光を受光する受光部とからなっており、反射光の強さを検知することで反射したものまでの距離を計測するセンサーである。これらの測距センサー22a〜22gは下ケース2bの外周近傍に、外側に向かってそれぞれ異なる角度で配置されており、バンパー3を通して距離を検出している。そのためバンパー3の少なくとも測距センサー22a〜22gの近傍は赤外線が透過できるような樹脂もしくはガラスでできている。また、測距センサー22a〜22gによる距離計測のノイズを低減するために、バンパー3に設けた赤外線を通過させる樹脂もしくはガラスは、赤外線より短い波長である可視光を遮断させるような特性を有しているほうが望ましい。
測距センサー22a〜22gの検出方向はそれぞれ異なっている。具体的には側面に配置されている測距センサーほど側面を向くように設けられている。測距センサー22a〜22gの全てが異なる方向を向いている必要はないが、中央の測距センサー22dと最も側面にある測距センサー22a、22gは異なる方向を向いている必要あり、少なくとも異なる3方向を検知できるようになっている。また、自律走行型掃除機101は前方に直進することが多く、前方を監視することが重要であり、特に測距センサー22a〜22gのうち、本体1の前方正面に対して左右50度以内に設置している測距センサー22b〜22fは、本体1の外周の法線方向に検知方向を向けずに、法線方向よりやや正面に向けるように、5〜15度程度内側に向けて設置することが望ましい。また、最も側面にある測距センサー22a、22gは後述する壁際走行時に壁との距離を小誤差で検出するために、本体1の外周の法線方向に検知方向を向けずに、法線方向よりやや真横方向を向くように設置することが望ましい。
また、センサー22a〜22gは自律走行型掃除機101の高さ方向の略中央に位置することが望ましい。低すぎると床面を障害物と判断してしまう恐れがあり、高すぎるとベッドやソファーの底面を障害物と判断してしまい、その下の空間に入り込んで掃除することができない恐れがある。
また、測距センサー22a〜22gは反射光の強さを検知するタイプでなく、受光部における反射光の受光位置を計測し、その位置から対象物までの距離を計測するタイプでも良いし、赤外線でなく、可視光でもよい。可視光を用いた測距センサーの場合、バンパー3の少なくとも測距センサー22a〜22gの近傍は可視光が透過できる樹脂もしくはガラスで作られている必要がある。また、赤外線センサーでなく、超音波を用いた測距センサーでも良い。超音波センサーの場合、バンパー3は超音波が通過できるように穴があけられている必要がある。また、これらのセンサーを組み合わせてもよい。
また、測距センサーにより障害物までの距離を把握して適切に回避するためにも、測距センサーは距離に応じてセンサーの出力が変化することが望ましく、障害物の有無だけを判断する2値的なセンサーでなく、アナログ的にもしくは多段に変化するほうが望ましい。
また、床までの距離を計測する複数の床面用測距センサー23a〜23cが下ケース2bの下面に設けられている。下ケース2bの前側に23b、車輪4a、4bの前方でかつ外周近傍に23a、23cがそれぞれ下方に向けて設けられている。これらの床面用測距センサー23a〜23cも赤外線を用いた測距センサーであり、赤外線の発光部と受光部を有している。これらの床面用測距センサー23a〜23cは床面までの距離を計測しており、進行方向に階段等の大きな段差を検出するために設けられ、本体1がその段差から落下することを回避している。段差が小さければ、落下しても再びその段差を乗り越えて戻ってきて掃除を続行することができるが、乗り越えられない段差より大きな段差で落下した場合、元の床面に戻ることができず、掃除が途中で終了することになる。そのような事態を回避するために乗り越えられない段差より大きな段差を見つけ、落下しないように走行し続ける必要がある。具体的には30mm程度の段差を検知することを目的とし、段差を検知したら後退して進行方向を転換させて回避する。よって床面用測距センサー23a〜23cは30mm未満と30mm以上を区別できれば良いため、センサーの出力値が距離に応じてアナログ的に変化するセンサーでなく、2値的に変化するセンサーでよい。
上記のように自律走行型掃除機101は多くの測距センサーを備えているが、主に移動させる方向となる前側に測距センサーを多く配置し、障害物への接触や段差からの落下を防いでいる。
また、上ケース2aの上面には表示パネル24と掃除の開始、終了を指示するスタートボタン25と自律走行の走行モードを変更するための走行モード選択ボタン26と電源ボタン27を有している。表示パネル24は複数のLEDと7セグメントディスプレイで構成され、運転状態等を表示する。
これら操作ボタン25〜27からの指示と上記した複数のセンサーからの情報をもとに制御装置は走行モーター9a、9b、ブラシ用モーター12、電動送風機16、サイドブラシ用モーター21a、21bを駆動する。制御装置の構成を示すブロック図を図5に示す。
制御装置は制御基板31上に構成され、走行モーター9a、9bを回転させる走行モーター駆動装置33a、33bと、電動送風機16を回転させる電動送風機駆動装置34とブラシ用モーター12を回転させるブラシ用モーター駆動装置35と、サイドブラシ用モーター21a、21bを回転させるサイドブラシ用モーター駆動装置36a、36bと、表示パネル駆動装置37を有し、それらはマイコン32から制御される。またさらにマイコン32にはバンパーセンサー7a、7b、測距センサー22a〜22g、床面測距センサー23a〜23c、走行モーター9a、9bの回転を検知する走行モーター用エンコーダー38a、38b、走行モーター9a、9bの電流を計測する走行モーター用電流計測装置39a、39b、電動送風機16用電流計測装置40、ブラシ用モーター12用電流計測器41、サイドブラシ用モーター21a、21b用電流計測装置42a、42b、操作ボタン25〜27が接続されている。
また、後述するが、本実施例は本体1後方に後方ブラシ43を有しており、この後方ブラシ43を揺動させる後方ブラシ用モーター44を駆動する後方ブラシ用モーター駆動装置45に対してもマイコン32が指示する。また、後方ブラシ用モーター44用電流計測装置46と、後方ブラシ43の位置を検出する後方ブラシ用ホール素子47a、47bもマイコン32に接続されている。
これらのセンサー値や電流値がマイコン32に入力され、その都度マイコン32が状況を判断し、各駆動装置に対して指示している。各電流値は各種モーターのロック状態を検知するものであり、ロック状態のままモーターに通電させているとモーターの破損につながる恐れがあり、これを防止する制御に用いられる。
また、下ケース2bは車輪4a、4bと補助輪10aの間に電池格納部51を有しており、その内部に電力を供給する電池52を備えている。電池52および電池格納部51は下ケース2bの左右方向略中央となるよう配置されている。電池52には充電による再利用が可能な二次電池を使用する。この電池52により各駆動装置、各センサーおよび制御装置に電力が供給され、自律走行および掃除が行われる。
このような構成の自律走行型掃除機101は主に部屋の中で使用され、人に代わってその部屋を自動で掃除する。自律走行しながら床の上の埃やごみをブラシ11でかき込むと同時に電動送風機16で吸引し、吸口5から集塵ケース13へ回収していく。また本体1の前方において、サイドブラシ18a、18bを内側に向けて回転させることで、吸口5より外側にある埃やごみを吸口5の前へと移動させることができ、より多くの埃やごみを回収できる。
自律走行の様子を図6〜8に示す。図6〜8は部屋を上方から示す図であり、部屋の右上には棚55、左側の略中央にはソファー56が配置されている。これら棚55、ソファー56は自律走行型掃除機101にとっては障害物となる。これらの障害物や壁をバンパーセンサー7a、7b、および、測距センサー22a〜22fによって検出しながら走行している。なお、図中の点線は自律走行型掃除機101の走行軌跡を示している。
図6は壁や障害物に接触もしくは接近すると進行方向を変えながら掃除する反射走行パターンを示している。この走行パターンは部屋全体を掃除させるときに適した走行パターンである。壁や障害物は測距センサー22a〜22gやバンパーセンサー7a、7bで検出され、検出したらそれらから遠ざかるように走行モーター9a、9bを制御する。具体的には壁や障害物が検出されたら、走行モーター9a、9bを停止させた後、走行モーター9a、9bを互いに逆方向に回転させることで、本体1をその場で回転させ、方向転換する。方向転換させる角度は障害物の大きさ、および本体1に対する位置などによって異ならせるが、ランダムに変化させてもいる。方向転換後は前進させ、再び壁や障害物が検出されたら同様に走行モーター9a、9bを制御して方向転換させる。このときの方向転換させる角度は前回の方向転換させる角度と異なっていることが望ましい。同じ角度で方向転換させていると、障害物の配置によっては、同じところを何度も行き来する場合があり、これを回避するためにも方向転換させる角度をランダムに変化させたほうが良い。
また、図7は壁や障害物に接触もしくは接近すると進行方向を平行に移動させながら掃除する平行走行パターンを示している。この走行パターンも部屋全体を掃除させるときに適した走行パターンである。壁や障害物が検出されたら、走行モーター9a、9bを停止させた後、走行モーター9a、9bを互いに逆方向に回転させ、本体1をその場で約90度回転させる。その後吸口5の幅分前進させたら停止させ、本体1をその場でさらに約90度回転させる。この動作により壁や障害物を検知する前と較べると吸口5の幅だけ横にずれた位置に移動し、進行方向が反対を向いた状態になる。この状態から再び前進させ、壁や障害物が検出されたら同様に走行モーター9a、9bを制御して方向転換させ、部屋の中を規則的に平行に掃除する。
また、図8は部屋の壁際を掃除させるときの走行軌跡を示し、壁や障害物に沿って掃除する壁際走行パターンを示している。本体1の側面を壁もしくは障害物から15mm程度離れて隣接させた状態を維持しながら走行させる。この走行パターンでは、本体1を前進させるとともに、測距センサー22a〜22gのうち側面付近に配された測距センサー22aもしくは22gにより壁や障害物までの距離が略一定になるように走行モーター9a、9bを制御する。
ここで、壁際を時計回りに走行している場合を具体的に説明する。まず、測距センサー22a〜22gおよびバンパーセンサー7a、7bにより壁を検知した時点で走行モーター9a、9bを停止させて、壁近傍に本体1を位置させる。その後、走行モーター9a、9bを互いに逆方向に回転させ、本体1をその場で回転させる。このとき本体1の左側面の測距センサー22gが壁を検知できる状態まで回転させ、本体1の左側面が壁に隣接する状態にする。その後、走行モーター9a、9bの両方を前進方向に回転させ、本体1を前進させる。このとき測距センサー22gが所定の値になるように走行モーター9a、9bの速度をそれぞれ調整しながら本体1を前進させる。本体1の左側面の測距センサー22gの値が前記所定の値より大きい場合は、本体1が壁から遠ざかっているため、右側の走行モーター9aを左側の走行モーター9bより速く回転させ、本体1が左前に進むようにして壁に近づける。逆に、本体1の左側面の測距センサー22gの値が前記所定の値より小さい場合は、本体1が壁に近づいているため左側の走行モーター9bを右側の走行モーター9aより速く回転させ、本体1を右前に進むようにして壁から遠ざけるようにする。このとき、右側の走行モーター9aを速く回転させるとともに、左側の走行モーター9bを遅く回転させるが、どちらか一方の走行モーターだけの速度を変化させてもよい。なお、本体1と壁との距離は、近いほうが壁際の掃除性能を向上できるので、右側の走行モーター9aの回転速度を速くするのはごく短時間とするのが好ましい。このような制御により、本体1の向きを時々刻々右前、左前へと向きを変えながら前進し、壁際に沿った走行が可能となる。
自律走行型掃除機101は、図6の反射走行パターン、図7の平行走行パターンの少なくとも一方の走行パターンに、図8の壁際走行パターンを加えた少なくとも2走行パターンで走行可能であり、特にユーザーが走行パターンを指示しないで掃除させたときの自動モードは、少なくともこれら2つの走行パターンを組み合わせた走行モードとしている。また、走行パターンを組み合わせずに、反射走行パターンによる部屋全体を手早く掃除することを目的とした快速モードと、平行走行パターンによる部屋を丁寧に掃除することを目的とした丁寧モードと、壁際走行パターンによる壁際に溜まったごみをしっかりと掃除することを目的とした壁際モードの3つの個別走行モードも有している。これらの走行モードは走行モード選択ボタン26にて選択できる。
次に、本実施例の自律走行型掃除機101が、二壁の交差する隅部を掃除する方法を説明する。例えば、平行走行パターン(図7)や壁際走行パターン(図8)の壁際走行中に前壁を検知すると(すなわち、二壁が交差する隅部を検知すると)、前壁の直前で自律走行型掃除機101を停止させた後、左右の車輪4a、4bを同速度で互いに逆回転させ、自律走行型掃除機101をその場で回転(超信地旋回)させる。このとき、本体1よりも外側に突出したサイドブラシ18a、18bが隅部の塵埃をかき出すことで隅部が掃除される。しかし、車輪4a、4bへの巻き込みを防ぐため、サイドブラシ18a、18bは車輪4a、4bに届かない程度の短かさとなっており、自律走行型掃除機101を超信地旋回させてもサイドブラシ18a、18bの先端が二壁の交差する隅部の奥まで到達せず、サイドブラシ18a、18bでは隅部を十分に掃除できない。
そこで、本実施例では、サイドブラシ18a、18bよりも長い後方ブラシ43を自律走行型掃除機101の後方に設け、隅部の奥にある塵埃を超信地旋回時に後方ブラシ43でかき出し、かき出した塵埃をサイドブラシ18で吸口5に導き集塵できるようにした。なお、超信地旋回を360°以上とすれば、後方ブラシ43は少なくとも1回隅部を通過するので、隅部から確実に塵埃をかき出すことができる。
また、図4に示すように、自律走行型掃除機101が内接する略正方形(図4では点線で図示)の領域の隅部を超える長さの後方ブラシ43を設けることで、壁際走行中にサイドブラシ18bでかき集めることができなかった壁際の塵埃を後方ブラシ43で前方へと移動させることもでき、隅部で超信地旋回した時に、壁際走行中に集めた壁際の塵埃も一緒に吸口5で集塵することができる。
なお、図4では、自律走行型掃除機101が内接する略正方形(図4では点線で図示)の隅部を超える長さの後方ブラシ43を例示したが、本実施例の自律走行型掃除機101の構成はこれに限定されるものではなく、本体1外方へのサイドブラシ18a、18bの突出長さより、後方ブラシ43の突出長さが長ければ、後方ブラシ43を設けない場合よりも清掃性能を高めることができる。
次に、後方ブラシ43の詳細を説明する。後方ブラシ43は、下ケース2bの内側で後方左寄りに固定されている後方ブラシ用モーター44に対して歯車を介して、下ケース2bの下面に揺動可能に取り付けられている。図4では後方ブラシ43が下ケース2bより外側に突出している状態を示しているが、後方ブラシ用モーター44により反時計回りに回転させることで下ケース2bの下に収納させることもできる。後方ブラシ43の突出時、収納時の位置は、後方ブラシ43の刷毛の根元部となる後方ブラシホルダー61の外周近傍に磁石(図示せず)を配し、この磁石を配した後方ブラシホルダー61の外周近傍に対峙する下ケース2bの2箇所に後方ブラシ用ホール素子47a、47b(図5)を設けることで、後方ブラシ43の回転位置を検知して、制御されている。
後方ブラシ43は後方ブラシホルダー61より一方向に伸びた1束の樹脂もしくは獣毛でできた刷毛であり、先端に行くにつれて広がっている。この後方ブラシ43の長さはサイドブラシ18a、18bの長さより長く、本体1を四角で囲んだときにできる隅部(図4のA部分)まで届く長さを有している。後方ブラシ43は、突出時、収納時ともに車輪4a、4bより後ろに配されており、車輪4a、4bに踏まれる恐れがなく、その長さは隅部までの距離より長くしても問題ない。このような構成により、後方ブラシ43をサイドブラシ18a、18bより遠くまで届かすことができる。
後方ブラシ43はサイドブラシ18a、18bより長いためたわみやすく、しっかり隅部の塵埃をかき出すために後方ブラシ43の刷毛より硬いほうが望ましい。そのため、サイドブラシ18a、18bより後方ブラシ43の毛自体の材質が硬い、もしくは毛が太いほうが望ましい。
また、後方ブラシ43の全ての毛が長い毛でなく、短い毛も有しているほうがより望ましい。長い毛は隅部まで届き、溜まった塵埃をかき出すことができるが、本体1側面に近い壁際(図4のB部分)に対しては長すぎるため、毛が大きくたわみ、壁面に沿って上方に向いて床面に接しない状態になり、壁際の塵埃をかき出せない場合がある。そのために長い毛だけでなく、短い毛も有しているほうが望ましい。また、後方ブラシ43が1束の刷毛ではなく、刷毛を扇状に広げたブラシでも良い。また複数の束の刷毛で構成されたブラシでも良く、その場合には束ごとに長さを異ならせても良い。複数の束は後方ブラシホルダー61を中心に等しい角度で配してもよいが、図9のように片側に寄せて配してもよい。
また、本実施例の刷毛は直線的な毛の束で構成されているが、湾曲している、もしくは折れ曲がっている、もしくは蛇行している刷毛で構成されていても良い。直線的な刷毛の場合、上記したように本体1側面に近いところでは床面に接しない可能性があり、あらかじめ曲がっている刷毛、もしくは蛇行している刷毛の場合はその曲がり部を中心にしてたわむことで、床面から刷毛の先端が離れる事を防ぐことができる。
このような後方ブラシ43を用いて隅部に溜まった塵埃をかき出す動作について図10を用いて説明する。まず、図10(a)は、側壁111の際に沿って本体1を移動させて壁際走行している様子を示す。このときは主に左側面の測距センサー22gを用いて、側壁111と本体1との距離を一定に保つように走行モーター9a、9bを制御しながら前進させている。このとき、サイドブラシ18a、18bは回転させており、壁際の塵埃を吸口5に向かってかき集めている。また、後方ブラシ43は走行中または停止中に人やペットに踏まれたり、その毛先が細い隙間に挟まり引き出せなくなったりする恐れがあるため、停止中および通常の走行時には走行の邪魔にならないように毛先を右側に向けて、下ケース2bの下に隠れる位置に収納させている。なお、このとき後方ブラシ43を突出させておき、壁際の塵埃をかき集めながら前進する構成としても良い。
図10(b)は、本体1の前方にある前壁112に近づき、測距センサー22a〜22fもしくはバンパーセンサー7a、7bにより前壁112を検知し、停止させた状態である。この状態は側壁111を測距センサー22gで検知するとともに、前壁112を他のセンサーで検知している状態であり、隅部を検知した状態となる。このように隅部を検知した後、本体1後方に設けた後方ブラシ43を時計回りに回転させ、その先端が下ケース43より突出させた状態にさせる。このときの後方ブラシ43は下ケース2bより一番突出できる状態に位置させるほうが望ましい。本実施例では後方ブラシ43は下ケース2bの左後方約45度に設けたため、後方ブラシ43も左後方約45度の方向に向けて突出させる。また、サイドブラシ18a、18bは隅部まで届いていないが、回転させ続け、あらかじめ隅部手前の塵埃113を吸口5の前にかき集めるようにする。
図10(c)、(d)は、隅部にたまった塵埃113をかき出す隅部動作を示している。左右の走行モーター9a、9bを同じ速度で互いに逆方向に回転させることで隅部近傍の位置からほとんど移動することなく、図中の矢印のように本体1をその場で回転させている。回転方向は図10(c)の矢印のように側壁111とは逆方向、左側に側壁111がある場合は時計回りに回転させる。本体1を約90度回転させると後方ブラシ43が隅部に届き(図10(c))、さらに回転させることにより後方ブラシ43がその刷毛をたわませながら隅部の塵埃113を前壁112に沿って送り出し、さらに回転させて約180度回転したところ(図10(d))において、たわんだ後方ブラシ43の刷毛がまっすぐ伸びる状態になり、塵埃113を弾き飛ばす。このように、後方ブラシ43は車輪4a、4bより後ろ側に配置されるため、刷毛の向きは前方向に対して少なくとも90度より大きな角度で取り付けられており、隅部に届かせるためには少なくとも45度以上回転させ、さらに塵埃113を弾き飛ばすために約90度回転させる必要があり、合計で少なくとも135度以上回転させる。つまりは側壁111と前壁112がなす角度以上に回転させることで隅部の塵埃113を弾き飛ばして掃除する。上記したように前壁112を検知して停止させたときの向きが側壁111に平行であるとは限らないため、本体1を1回転以上、具体的には3〜5回転させることで確実に掃除させる。また、本体1を側壁111の反対側に回転させることで塵埃113は前壁112に沿った方向に弾き飛ばされやすく、隅部掃除後に前壁112に沿って壁際走行するときに吸口5より回収できるため、側壁111の反対側に向かうように回転させるほうが望ましい。
図10(e)は、本体1を時計回りに回転させた後に反対向きに回転させている様子を示す。床面の凹凸などに引っかかり、時計回りでは移動させ難い塵埃に対して、反対側に回転させることで、移動させることができる場合もあり、頻度は少なくとも良いが反対側にも回転させるほうが望ましい。また、このように反対向き(反時計回り)に回転させた後、最後は時計回りに回転させ、塵埃を次の進行方向に送り出すほうが望ましい。その後、図10(f)のように前壁112に対して、壁際走行できるように、少なくとも左側面の測距センサー22gを監視しながら、進行方向が前壁112に略平行になるように本体1を右回転させる。その後、後方ブラシ43を反時計回りに回転させ、下ケース2bの下方に収め、前壁112に沿って壁際走行を継続し、かき出された塵埃を吸口5から回収していく。なお、図10(e)(f)を省略して、図10(d)の直後に図10(g)に示す制御に移行しても良い。
上記のように、本体1を一回転以上回転させる動作により、本体1に設けた後方ブラシ43が隅部の塵埃をかき出して、掃除することができる。本体1を回転させる動作は方向転換時に頻繁に行う動作であり、特に複雑な制御ではなく、また、後方ブラシ43も本体1に取り付けられているため特に複雑な機構を用いていない。
本実施例は壁際を時計回りに走行したときの動作を示したが、反時計回りの場合は本体1の回転の向きを逆にして同様に隅部の掃除をさせることができる。また、本実施例では後方ブラシ43を下ケース2bの左側に配しているが、右側に配してもかまわない。また、本実施例では隅部近傍に近づいた時点で後方ブラシ43を下ケース2bの外周外側に突出させ、隅部掃除動作終了後に下ケース2bの底面に隠れる位置に戻しているが、壁際走行の時点で下ケース2bの外周外側に突出させ、壁際走行終了時に下ケース2bの下方に収めてもよい。
また、本実施例では後方ブラシ43は揺動可能であり、隅部掃除の時に下ケース2bの外周外側に突出させた状態にしているが、後方ブラシ43は揺動させずに、その先端が下ケース2bの外周より突出する状態で下ケース2bの底面に固定されていてもかまわない。そのときは、できるだけ走行の邪魔にならないように後方ブラシ43は進行方向とは逆向きに伸び、その先端は本体1の左右幅より外側に出ていないほうが望ましい。
また、後方ブラシ43が扉の下まで入り込み、扉の裏側の塵埃まで掻き出せるように、後方ブラシの先端は床面より20mm以内の高さに抑えるほうが望ましい。
さらに、本実施例では、後方ブラシ43を下ケース2bの下方に収納できる構成を示したが、固定の後方ブラシ43を用い、常に後方ブラシ43が突出している構成としても良い。
次に、実施例2について、図11、12を用いて説明する。本実施例は実施例1よりもより効率的に隅部を掃除する構成を示す。なお、本実施例の自律走行型掃除機102に係る構成、効果のうち実施例1と共通する点については説明を省略する。
図11は本実施例の自律走行型掃除機102の内部を上面から見た断面図である。本実施例の後方ブラシ71は、本体1の幅方向の中央付近の下ケース2bの下面に設けられている。それに合わせて後方ブラシ用モーター72も本体1の幅方向の中央付近中央付近に固定されている。
このような自律走行型掃除機102による隅部の掃除動作について、図12を用いて説明する。まず、図12(a)は、壁101に沿って本体1を移動させて壁際走行をしている様子を示す。このときは主に左端の測距センサー22gを用いて、側壁111と本体1との距離を略一定に保つように走行モーター9a、9bを制御しながら前進させている。このとき、サイドブラシ18a、18bは回転させており、壁際の塵埃を吸口5に向かってかき集めている。また、後方ブラシ71は下ケース2bの下からはみ出さないようにその毛先を少し前に向けて収納されている。
次に、図12(b)は、本体1前方にある前壁112に近づき、測距センサー22a〜22f、もしくは、バンパーセンサー7a、7bにより前壁112を検知し、隅部であることを検知して停止させた状態である。
隅部で停止した後、図12(c)のように後方ブラシ71が隅部に近くなるように、隅部に向けて本体1を右に約135度回転させる。この本体1の回転角度は、走行モーター用エンコーダー38a、38bの出力値から得られた左右の走行モーター9a、9bの回転角度から算出され、制御される。本実施例では設けていないが、ジャイロセンサーを設けている場合は、ジャイロセンサーの値から本体1の回転角度を制御してもよい。
続いて、図12(d)、(e)は本体1の向きを図12(c)のままで、後方ブラシ71を連続的に側壁111とは反対向きである時計回りに回転させて、隅部を掃除している様子を示している。後方ブラシ71の長さはサイドブラシ18a、18bより長く、隅部まで届く長さである。本実施例のように後方ブラシ71は下ケース2bの後端付近に設けているため、車輪4a、4bまでの距離は遠く、車輪4a、4bに踏まれない範囲で刷毛を長くして、隅部まで届く長さにしている。このような構成により後方ブラシ71はサイドブラシ18a、18bより遠くまで到達させることができる。
後方ブラシ71を回転させると、今まで下ケース2bの下に収納されていた後方ブラシ71は、下ケース2bの外周より外側に現れ、側壁111の際を進み、隅部まで到達する(図12(d))。後方ブラシ71は隅部まで届き、隅部の塵埃113は後方ブラシ71の回転とともに前壁112に沿って送り出され、後方ブラシ71の先端が前壁112から離れるとともに右側に弾き飛ばされる(図12(e))。この後方ブラシ71の回転を連続的に行うことにより、隅部から塵埃がかき出される。サイドブラシ18a、18bと同様に、後方ブラシ71は連続的に回転しているが、サイドブラシ18a、18bとは異なり、塵埃を吸口5に送り込むわけでなく、隅部の塵埃をかき出すことが目的であり、かき出した塵埃をあまり遠くに飛ばさないためにもサイドブラシ18a、18bより遅く回転させたほうが望ましい。そのためサイドブラシ18a、18bは毎分約400回転で回転させているのに対し、後方ブラシ71は毎分約350回転程度であり、若干遅く回転させる。ただし、この回転速度は本体1を回転させる回転速度より速い。そのため実施例1より頻度良く隅部に後方ブラシ71を当てることができ、効率的である。また、側壁111の反対側に回転させることで塵埃113は前壁112に沿った方向に弾き飛ばされやすく、隅部掃除後に前壁112に沿って壁際走行するときに吸口5より回収できるため、側壁111の反対向きに回転させるほうが望ましい。
上記した後方ブラシ71の回転動作に加え、図12(f)、(g)のように本体1を左右に揺動させる、つまりは小刻みに本体1を時計回りと反時計回りに交互に回転させるほうが望ましい。図12(c)のように約135度回転させて後方ブラシ71と隅部が近くなるように対峙させているが、隅部を検知して停止させたときの本体1の向き、つまりは車輪4a、4bの向きは側壁111に対して平行ではなく、右前、左前を向いている場合もあり、正確に後方ブラシ71を隅部に対峙させることは困難である。そこで一旦約135度回転させた後に、本体1を左右に約30度ずつ揺動させることで後方ブラシ71の位置は移動され、たとえ隅部を検知して停止させたときに後方ブラシ71が隅部に正確に対峙していなくても、隅部に後方ブラシ71が届く状態を作り出すことができ、隅部の塵埃をかき出すことが可能になる。この揺動動作は約1秒周期で、10往復程度行い、合計10秒程度行う。
後方ブラシ71の回転に対して、非常に速く揺動させると、揺動動作を一往復させる間に、回転している後方ブラシ71の刷毛が隅部に近づけない場合がある。揺動動作一往復の間に少なくとも1回は後方ブラシ71の刷毛を隅部に近づけた状態にするためには、後方ブラシ71の束の数や回転速度を考慮すると、揺動動作の周期は約0.5秒以上必要と考える。また揺動動作の周期を長くすれば、後方ブラシ71の刷毛が隅部に近づいた状態になる回数を増やせるが、頻度よく後方ブラシ71の向きを変えることにより、床面の凹凸などに引っかかり、後方ブラシ71を一方向から当てるだけではかき出されにくい塵埃に対して、後方ブラシ71を異なる角度で頻度よく当ててかき出すためにも、ゆっくりとした揺動動作ではなく、5秒以下の周期で揺動させたほうが望ましい。
また、時間をかければ塵埃はより多くかき出されるが、電池52の限られた電池容量の中で部屋全体を掃除するためには、一箇所に長い時間留まらないほうがよい。そのためにも上記した隅部での塵埃のかき出し動作は、少なくとも壁際走行でないときに自律走行型掃除機102が90度回転するのに要する平均的な時間以上で、なおかつ、部屋を構成する向かい合う壁と壁の間を自律走行型掃除機102が一往復するのに要する時間程度以下であることが望ましく、2〜20秒程度が望ましい。なお、本実施例では左右に約30度ずつ揺動させたが、揺動動作の時間を効率的に短くするためにも、より小さな角度で揺動させてもかまわない。
このように所定の時間、隅部で塵埃をかき出した後、図12(h)のように前壁112に対して、壁際走行できるように、少なくとも左側面の測距センサー22gを監視しながら、進行方向が前壁112に略平行になるように本体1を右回転させる。その後、後方ブラシ71を回転させ、下ケース2bの下に隠れるように収納し、壁際走行を継続する。このとき壁際走行しながら前壁112に沿った方向にかき出された塵埃を吸口5から回収していく。
本実施例は時計回りに壁際を走行したときの動作を示したが、反時計回りの場合は、主に右側面の測距センサー22aを用いて壁際を走行するとともに、本体1の回転方向および後方ブラシ71の回転方向を逆にして同様に隅部の掃除をさせる。
また、本実施例では隅部近傍に近づいた時点で後方ブラシ71を下ケース2bの外周外側へ突出させ、隅部掃除動作終了後に下ケース2bの底面に隠れる位置に戻しているが、壁際走行の時点で下ケース2bの外周の外側に突出させ、壁際走行終了時に下ケース2bの下方に収めてもよい。
また、本実施例では後方ブラシ71を本体1の幅方向に対して略中央に配しているが、これは長い後方ブラシ71が左右の車輪4a、4bに踏まれないように、車輪4a、4bからできるだけ離れた位置に配するためであり、車輪4a、4bが後方ブラシ71を踏まない場合は、左側もしくは右側に寄せてもかまわない。その場合は隅部に対峙させるために本体1を135度ではなく、後方ブラシ71の位置に合わせた角度で回転させる。
また、本実施例では後方ブラシ71の回転速度は、サイドブラシ18a、18bの回転速度より遅く回転させているが、じゅうたんのように塵埃を移動させにくい場所によっては回転速度を速くしたほうが望ましい。
次に、実施例3について図13、14を用いて説明する。本実施例は本体1の前側に設けているサイドブラシを用いて隅部を掃除する例であり、より容易な構成となっている。なお、本実施例の自律走行型掃除機103に係る構成、効果のうち実施例1と共通する点については説明を省略する。
図13は、本実施例の自律走行型掃除機103の底部を下方から見た底面図である。本実施例では、本体1の前側の左右に設けたサイドブラシ81a、81bの刷毛の長さを、本体1が内接する略正方形の領域の隅部(図13のA部分)を超える長さとしている。また、左右の車輪4a、4bを本体1前後方向の中央より後方に配し、サイドブラシ81a、81bから遠ざけ、走行中にサイドブラシ81a、81bを踏まないようにしている。
本実施例のサイドブラシ81a、81bはその回転中心であるサイドブラシホルダー82a、82bより3方向に伸びた3束の刷毛で構成され、それぞれ先端に行くにつれて広がっている。刷毛の長さは本体1を四角で囲んだときにできる隅部(図13のA部分)まで届く長さを有している。ただし、刷毛の全ての毛が長い毛でなく、短い毛も有しているほうが望ましい。長い毛は隅部まで届き、溜まった塵埃をかき出すことができるが、本体1の側面に近い壁際(図13のB部分)に対しては長すぎるため、毛が大きくたわみ、壁面に沿って上方に向いてしまい床面に接しない状態になり、壁際の塵埃をかき出せない場合がある。そのために長い毛だけでなく、短い毛も有しているほうが望ましい。また、本実施例では3束の刷毛で構成しているが、4束、5束でもよく、束ごとに長さを異ならせても良い。また、複数の束にまとめずに、サイドブラシホルダー82a、82bの全周に渡って毛を広げたサイドブラシでもよく、その場合は長さを異ならせた毛を全周に渡って配してもよく、また短い毛の領域と長い毛の領域を分けて配してもよい。
また、本実施例では刷毛が直線的な毛の束で構成されているが、湾曲している、もしくは折れ曲がっている、もしくは蛇行している毛で構成されていても良い。直線的な毛の場合、上記したように本体1側面に近いところでは床面に接しない状況が起こり得るが、あらかじめ曲がっている毛、もしくは蛇行している毛の場合はその曲がり部を中心にしてたわむことで、床面から毛の先端が離れる事を防ぐことができる。
また、サイドブラシホルダー82a、82bは刷毛より硬い略円形の樹脂でできており、本体1外周の内側に収まる大きさであるが、できるだけ本体1の外周近傍まで達しているほうが望ましい。サイドブラシ81a、81bは塵埃をかき出すためのものであり、本実施例のサイドブラシ81a、81bの毛は長いため、毛がたわみやすく、塵埃をかき出す性能が弱くなりがちである。そのためサイドブラシホルダー82a、82bを大きくして、できるだけ毛の部分を短くし、毛のたわみを小さくすることが望ましい。しかし、本体1外周より外側に突出していると、回転しているサイドブラシホルダー82a、82bが障害物等に接触して傷を付ける可能性があるため、本体1の外周より内側に収める必要がある。
このような隅部まで届くが車輪4a、4bまでは届かないサイドブラシ81a、81bを有した自律走行型掃除機103による隅部の掃除動作について、図14を用いて説明する。まず、図14(a)は、側壁111の際に沿って本体1を移動させて壁際走行をしている様子を示す。このときは主に側面の測距センサー22gを用いて、側壁111と本体1との距離を略一定に保つように走行モーター9a、9bを制御しながら前進させている。このとき、サイドブラシ81a、81bは走行時と同じ速度である約毎分400回転の速度で回転させており、壁際の塵埃を吸口5に向かってかき集めている。
次に、図14(b)は、自律走行型掃除機103が前壁112に近づき、測距センサー22a〜22fもしくはバンパーセンサー7a、7bにより前壁112を検知し、隅部であることを検知して停止させた状態である。サイドブラシ81a、81bの先端は隅部まで届いており、この状態を1〜5秒間保ち、隅部の塵埃113をかき出す。
続いて、より確実に隅部の塵埃113をかき出すために、図14(c)、(d)のように、サイドブラシ81a、81bを回転させながら、本体1を左右に揺動させる。隅部を検知して停止させたときの本体1の向き、つまりは車輪4a、4bの向きが側壁111に対して平行ではなく、右前、左前を向いている場合、サイドブラシ81bから隅部までの距離は最短ではなく、隅部にサイドブラシ81bの先端が届かない恐れがある。そのため、小刻みに本体1を時計回りと反時計回りに交互に回転させるほうが望ましい。例えば、本体1を隅部側である左に約30度回転させ、その後時計回りに約60度回転させることで、左右に約30度ずつ揺動させる。この揺動動作により、たとえ隅部を検知して停止させたときの本体1の向きが側壁111に対して平行でなく、サイドブラシ81bが隅部から遠ざかっていたとしても、サイドブラシ81bの位置が移動することで、隅部に近づくことができ、隅部までサイドブラシの81bの先端が届き、隅部の塵埃をかき出すことが可能になる。この揺動動作を約0.5秒周期で、10往復程度行い、合計5秒程度行う。
サイドブラシ81bの回転に対して、本体1を非常に速く揺動させると、揺動動作を一往復させる間に、回転しているサイドブラシ81bの刷毛が隅部に近づけない場合がある。揺動動作一往復の間に少なくとも1回はサイドブラシ81bの刷毛を隅部に近づけた状態にすることが望まれ、サイドブラシ81bの束の数や回転速度を考慮すると、揺動動作の周期を約0.2秒以上とした。また揺動動作の周期を長くすれば、サイドブラシ81bの刷毛が隅部に近づいた状態になる回数を増やせるが、頻度よくサイドブラシ81a、81bの向きを変えることにより、床面の凹凸などに引っかかり、サイドブラシ81a、81bを一方向から当てるだけではかき出しにくい塵埃に対して、サイドブラシ81a、81bを異なる角度で頻度よく当ててかき出すためにも、ゆっくりとした揺動動作ではなく、5秒以下の周期で揺動させたほうが望ましい。
また、時間をかければより塵埃はかき出されるが、電池52の限られた電池容量の中で部屋全体を掃除するためには、一箇所に長い時間留まらないほうがよい。そのためにも上記した隅部での塵埃のかき出し動作は、少なくとも壁際走行でないときに自律走行型掃除機103が90度回転するのに要する時間以上で、なおかつ、部屋を構成する向かい合う壁と壁の間を自律走行型掃除機103が一往復するのに要する時間程度以下であることが望ましく、2〜20秒程度が望ましい。
なお、本実施例では時計回り、反時計回りに約30度ずつ揺動させたが、揺動動作の時間を効率的に短くするためにも、より小さな角度で揺動させてもかまわない。
このように所定の時間、隅部で塵埃をかき出した後、図14(e)のように進行方向が前壁112に略平行になるように、少なくとも左側面の測距センサー22gを監視しながら、本体1を約90度時計回りに回転させる。その後、前壁112に対して壁際走行を継続する。
本実施例は時計回りに壁際を走行したときの動作を示したが、反時計回りの場合は、主に右側面の測距センサー22aを用いて壁際を走行するとともに、本体1の回転方向を逆にして、右側のサイドブラシ81aにより隅部の掃除をさせる。
また、本実施例では、隅部におけるサイドブラシ81a、81bの回転速度は、走行時の回転速度と同じであるが、床面の状況などに合わせて回転速度を変化させたほうが望ましい。
上記のように本実施例では本体1の前側に設けているサイドブラシ81a、81bを用いて隅部を掃除することができ、より容易な構成とするこができる。
最後に、実施例4について、図15〜18を用いて説明する。本実施例は本体1から排出される排気を利用して隅部を掃除する例であり、ブラシにより隅部の壁を傷つける恐れを少なくした構成となっている。なお、本実施例の自律走行型掃除機104に係る構成、効果のうち実施例1と共通する点については説明を省略する。
図15は本実施例の自律走行型掃除機104の幅方向の中央で切断した断面を左から見た図である。本実施例では、本体1の後方に設けた排気の向きを変化させる排気ルーバー機構91を電動送風機16の後ろに設けている。この排気ルーバー機構91の動作を図16、17に示す。また、図19は本実施例における隅部掃除の動作を示す図である。
図16に示すように、排気ルーバー機構91は3枚のルーバー92の一端が下ケース2bの後方に設けた排気口17に回転可能に取り付けられ、ルーバー92のもう一方の一端がアーム93に回転可能に取り付けられている。アーム93の下端には下ケース2bに固定されたソレノイド94が取けられており、ソレノイド94を駆動させることでアーム93が上下する。図16のようにアーム93が下げられているときは、ルーバー92が斜め上を向き、電動送風機16からの吐出される空気を斜め上方向に排気する。一方、図17のようにアーム93が上げられているときは、ルーバー92が斜め下を向き、電動送風機16からの吐出される空気を斜め下方向に排気する。
このように排気の向きを変化させる排気ルーバー機構91を備えた自律走行型掃除機104による隅部の掃除について、図19を用いて説明する。
まず、図18(a)は、側壁111の際に沿って本体1を移動させて壁際走行をしている様子を示す。このときは主に左側面の測距センサー22gを用いて、側壁111と本体1との距離を略一定に保つように走行モーター9a、9bを制御しながら前進させている。このときサイドブラシ18a、18bは回転させており、壁際の塵埃を吸口5に向かってかき集めている。また、排気ルーバー92を斜め上方に向け、斜め上方向に排気し、床面の塵埃をまき散らさないようにしている。
次に、図18(b)は、自律走行型掃除機104が前壁112に近づき、測距センサー22a〜22fもしくはバンパーセンサー7a、7bにより前壁112を検知し、隅部であることを検知して停止させた状態である。この状態において、ソレノイド94を操作して、排気ルーバー92を斜め下方に向け、斜め下方向に排気する。
続いて、図18(c)のように下ケース2b後方の排気口17と隅部が近くなるように本体1を時計回りに約135度回転させる。この本体1の回転角度は、走行モーター用エンコーダー38a、38bの出力値から得られた左右の走行モーター9a、9bの回転角度から算出され、制御される。本実施例では設けていないが、ジャイロセンサーを設けている場合は、ジャイロセンサーで本体1の回転角度を制御してもよい。
この回転中における排気口17からの斜め下向きの排気は、側壁111の際に届き、本体1の回転とともに、隅部近傍に溜まった塵埃を前壁112の方向へ押し込んでいき、最終的には図18(c)のように前壁112の壁に沿って右側に吹き飛ばし、隅部を掃除する。
さらに、図18(d)、(e)のように自律走行型掃除機104の本体1を小刻みに時計回りと反時計回りに交互に回転させて、揺動させる。図18(c)のように約135度回転させて排気口17と隅部が近くなるように対峙させるが、隅部を検知して停止させたときの本体1の向きのばらつきなどにより正確に排気口17を隅部に対峙させることは困難である。そこで一旦約135度回転させた後に揺動させることで、正確に排気口17が隅部に対峙していなくても、隅部に排気口17からの排気が届く状態を作り出すことができ、隅部の塵埃を吹き飛ばすことが可能になる。揺動させる範囲は左右に30度以下ずつであり、その周期は5秒以下が望ましい。床の微小な凹凸などにより、一様な風速、風向だけでは吹き飛ばしにくい塵埃は、風向を変えることで吹き飛ばされることもあり、頻度よく排気口17の向きを変化させるほうが望ましい。そのためにもゆっくりとした揺動動作ではなく、5秒以下の周期で揺動させたほうが望ましい。
また、時間をかければより塵埃は吹き飛ばされるが、電池52の限られた電池容量の中で部屋全体を掃除するために、一箇所に長い時間留まらないほうがよい。そのためにも上記の隅部における掃除動作は2〜20秒程度が望ましく、少なくとも壁際走行でないときに自律走行型掃除機104が90度回転するのに要する時間以上で、なおかつ、部屋を構成する向かい合う壁と壁の間を自律走行型掃除機104が走行するのに要する時間程度以下であることが望ましい。
このように所定の時間、隅部で塵埃を押し出した後、図18(f)のように前壁112に対して、壁際走行できるように、少なくとも左側面の測距センサー22gを監視しながら、本体1の向きを反時計回りに約45度変え、排気ルーバー機構91を操作して排気を斜め上方向に戻して、壁際走行を継続する。このとき右側に押し出された塵埃を壁際走行とともに吸口5から回収していく。
上記のように本実施例では本体1から排出される排気を用いて隅部を掃除することができ、ブラシにより隅部の壁を傷つける恐れを少なくできる。
本実施例は時計回りに壁際を走行したときの動作を示したが、反時計回りの場合、主に右側面の測距センサー22aを用いて壁際を走行するとともに、本体1の回転方向を逆にして同様に隅部の掃除をさせる。
また、本実施例では隅部近傍に近づいた時点で排気ルーバー機構91を操作して排気を斜め下方向に変化させたが、壁際走行の時点で排気を斜め下方向に変化させてもよい。
また、本実施例では排気口17を本体1の幅方向に対して略中央に配しているが、左側もしくは右側でもかまわない。その場合は隅部に対峙させるために本体1を回転させる角度を135度ではなく、排気口17の位置に合わせた角度で本体1を回転させる。
また、排気口17を本体1の左右に分割して設けてもよい。壁際を時計回りに走行する場合は左側の排気口を隅部に向ければよく、壁際を反時計回りに走行する場合は右側の排気口を隅部に向ければよい。これにより本体1を回転させる角度を小さくすることができ、短時間で排気口を隅部に対峙させることができ、効率的である。さらに、隅部に対峙していない側の排気口について、その開口面積を小さくする、もしくは排気口を閉じるような機能を有していると、隅部に対峙している側の排気口からの排気量を増やすことができ、より塵埃を吹き飛ばすことができるため、なお良い。
また、本実施例では排気ルーバー機構91を搭載して排気の方向を変化させたが、排気ルーバー機構91を搭載せずに、あらかじめ排気口17の向きを水平もしくは若干下方に向けておき、排気口17を隅部に向ける動作により、隅部を掃除してもよい。そのときの排気口17は吸口5もしくはサイドブラシ18a、18bよりも後ろに設けることで、前進中においては排気が当たる床は、吸口5もしくはサイドブラシ18a、18bにより一旦掃除されているため、巻き上げる塵埃を減らすことができる。
なお、本発明は上記した4つの実施例に限定されるものではなく、さまざまな変形例が含まれる。例えば、上記した実施例を組み合わせて隅部を掃除させても良い。また、上記した構成をすべて含むものでなくても良い。
また第1〜3の実施例では、後方ブラシもしくはサイドブラシは隅部まで届く長さを有しているが、たとえ隅部まで届かないブラシの場合でも、第1〜3の実施例で示した隅部掃除動作を行うことで、隅部を検知して停止させたときの本体1の向きのばらつきによりかき出せない塵埃や、床の微小な凹凸などで取り除きにくかった塵埃をより確実に取り除くことが可能になるため、上述した隅部掃除動作を行うほうが望ましい。
以上の実施例により略円形状の自律走行型掃除機では掃除し難い隅部に対して、本体1後方にサイドブラシより長い後方ブラシを設け、本体1を回転させることにより、隅部の塵埃をかき出して掃除することができる。また、隅部まで届く長いブラシを設け、自律走行型掃除機自体を揺動させることで隅部の塵埃をよりかき出して掃除することができる。また自律走行型掃除機の排気口を隅部に向けて排気することで隅部の塵埃を吹き飛ばして掃除することができる。またこれらの動作のように隅部近傍において単に方向転換させるだけでなく、隅部を掃除する動作を追加することで隅部の掃除を行う。