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JP6462557B2 - 車両ピッチ角推定装置 - Google Patents

車両ピッチ角推定装置 Download PDF

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JP6462557B2 JP2015218536A JP2015218536A JP6462557B2 JP 6462557 B2 JP6462557 B2 JP 6462557B2 JP 2015218536 A JP2015218536 A JP 2015218536A JP 2015218536 A JP2015218536 A JP 2015218536A JP 6462557 B2 JP6462557 B2 JP 6462557B2
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Description

本発明は、車載カメラの撮影画像に基づいて、走行中の自車両のピッチ角を推定する自車両ピッチ角推定装置に関する。
従来、車載カメラの撮影画像から車両のピッチ角を推定する装置が提案されている。この種の装置として、特許文献1に記載の走行状態判定装置がある。特許文献1に記載の装置は、車載カメラの撮影画像を車両の側面視画像に射影変換し、射影変換した側面視画像における路面境界線の傾きの時間変化から、車両のピッチ角を推定している。
特開2012−46081号公報
走行中の道路の勾配が変化した場合、車両が加減速した場合と同様に、撮影画像は勾配の変化方向に傾いた画像となる。そのため、道路の勾配が変化した場合には、車両が実際にはピッチングしていなくても、勾配の変化に応じた自車両のピッチ角が推定される。
特許文献1に記載の装置は、車両の加減速状態からピッチ角が加減速によるものか、路面の凹凸状態によるものかを識別しているが、道路の勾配変化を考慮しておらず、推定したピッチ角に対する加減速分の度合は算出していない。そのため、勾配変化のある道路で加減速をした場合には、勾配変化分のピッチ角も含めて加減速によるピッチ角と推定される可能性がある。特に、山道では、路面が凸凹して勾配変化が大きく加減速が行われる機会が多いため、特許文献1に記載の装置によるピッチ角の推定精度は低下する可能性がある。
本発明は、上記実情に鑑み、推定精度の低い車両のピッチ角の出力を抑制可能な車両ピッチ角推定装置を提供することを主たる目的とする。
本発明は、自車両(50)に搭載されたカメラ(10)により撮影された前記自車両の周辺の撮影画像から、前記自車両のピッチ角を推定する車両ピッチ角推定装置(30)であって、前回の前記撮影画像と今回の前記撮影画像との変化から、前記自車両の上下方向の動きを推定する上下運動推定部と、推定された前記上下方向の動きから前記自車両のピッチ角を推定するピッチ角推定部と、前記自車両の加減速に応じたピッチ角成分である加減速成分を推定する加減速推定部と、推定された前記ピッチ角から推定された前記加減速成分を除去し、前記加減速成分が除去された前記ピッチ角の低周波成分を推定する低周波推定部と、推定された前記低周波成分に基づいて、走行路が勾配変化のある勾配変化路か否かを判定する勾配判定部と、推定された前記ピッチ角を出力する出力制御部と、を備え、前記出力制御部は、前記勾配判定部により勾配変化路と判定された場合に、推定された前記ピッチ角から推定された前記低周波成分を除去したものを推定された前記ピッチ角として出力する、又は、前記ピッチ角の出力を停止する。
本発明によれば、前回の撮影画像と今回の撮影画像との変化から、自車両の上下方向の動きが推定され、推定された上下方向の動きから自車両のピッチ角が推定される。推定されたピッチ角には、路面の凹凸に伴うピッチングによる凹凸成分と、自車両の加減速に伴うピッチングによる加減速成分と、走行路の勾配変化に伴う見かけ上のピッチ角である勾配成分とが含まれる。そして、自車両の加減速成分が推定されるとともに、推定された自車両のピッチ角から加減速成分が除去され、加減速成分が除去された自車両のピッチ角の低周波成分が推定される。加減速成分が除去された自車両のピッチ角は、路面の凹凸に伴う凹凸成分と勾配変化に伴う勾配成分とを含む。凹凸成分は、勾配成分と比べて変動周期が短い高周波成分であるため、加減速成分が除去された自車両のピッチ角の低周波成分は、勾配成分となる。したがって、推定された低周波成分に基づいて、走行路が勾配変化路か否かが判定される。勾配変化路と判定された場合には、推定された自車両のピッチ角から勾配成分に相当する低周波成分が除去されたものが、推定された自車両のピッチ角として出力される。または、勾配変化路と判定された場合には、自車両のピッチ角の出力が停止される。したがって、推定精度の低い自車両のピッチ角の出力を抑制することができる。
車載カメラの車両の搭載位置を示す図。 車両ピッチ角推定装置の概略構成を示すブロック図。 (a)前フレームの特徴点を示す図。(b)現フレームの特徴点を示す図。 ピッチ角の凹凸成分の時間変化を示す図。 凹凸成分に加減速成分が加わったピッチ角の時間変化を示す図。 凹凸成分に勾配成分が加わったピッチ角の時間変換を示す図。 車両のピッチ角を出力する処理手順を示すフローチャート。
以下、車両ピッチ角推定装置を具現化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る車両ピッチ角推定装置は、車両に搭載された車載装置であり、ECU30から構成される。まず、本実施形態に係る車両ピッチ角推定装置の概略構成について、図1及び図2を参照して説明する。
ECU30は、CPU、ROM、RAM及びI/O等を備えたコンピュータを主体として構成されている。ECU30には、車載カメラ10、車速センサ11及び地図情報記憶装置12が接続されている。ECU30は、自車両50のピッチ角を推定する以外にも、自車両50の周辺の撮影画像に基づいて、車線を区画する白線(走行区画線)や他車両、詳しくは先行車両を認識する。ECU30により推定された自車両50のピッチ角を、白線認識や他車両認識に反映させることで、白線認識や他車両認識の認識精度、例えば他車両までの距離認識を向上させることができる。
車載カメラ10は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ、近赤外線センサ等の単眼カメラ、又はステレオカメラを含む装置である。車載カメラ10は、自車両50の周辺環境を撮影し、撮影した画像の画像情報をフレーム毎にECU30へ逐次送信する。車載カメラ10は、図1に示すように、自車両50の例えばフロントガラス上端付近に設置されており、撮像軸を中心に自車両50の前方に向かって所定角度の範囲で広がる領域を撮影する。そして、車載カメラ10は、所定周期で撮影した画像をECU30へ送信する。
車速センサ11は、自車両50の車速を検出するセンサである。車速センサ11は、検出した車速をECU30へ逐次送信する。地図情報記憶装置12は、地図情報が記憶されたHDD、SDメモリ、DVD等の記憶装置である。
ECU30は、CPUがROMに記憶されている各種プログラムを実行することにより、上下運動推定部31、ピッチ角推定部32、学習部33、加減速推定部34、低周波推定部35、勾配判定部36、及び出力制御部37の各種機能を実現する。
上下運動推定部31は、前回の撮影画像と今回の撮影画像との変化から、自車両50の上下方向の動きを推定する。具体的には、上下運動推定部31は、周知のオプティカルフローを用いた手法により、自車両50の上下方向の動きを推定する。オプティカルフローを用いた手法を簡単に説明すると、まず図3(a)に示すように、前回の撮影画像から特徴点を抽出する。特徴点の抽出手法としては、例えば、Good Features To Track、Harris、Features from Accelerated Test、Oriented FAST and Rotated BRIEF を用いることができる。次に図3(b)に示すように、今回の撮影画像からも同様に特徴点を抽出する。
そして、前回の撮影画像から抽出した特徴点と一致する場所の特徴点が、今回の撮影画像のどこにあるか探索する。一致する場所の特徴点を探索する手法としては、例えば、Block Matching を用いることができる。図3では、前回の撮影画像で抽出された山の頂点付近の特徴点Aと、今回の撮影画像で抽出された山の頂点付近の特徴点Bとが、一致する場所となる。よって、上下運動推定部31は、特徴点Aから特徴点Bへの上下方向の移動量を推定する。なお、前回の撮影画像と今回の撮影画像との変化から、オプティカルフロー以外の手法により、自車両50の上下方向の動きを推定してもよい。
ピッチ角推定部32は、推定された自車両50の上下方向の動きから、自車両50のピッチ角を推定する。具体的には、ピッチ角推定部32は、車載カメラ10のレンズ特性や、取付位置、取付向きに基づいて、上下方向の移動量に対応する画像のピクセル数を、自車両50の上下方向の傾きであるピッチ角に換算する。
ここで、自車両50の上下方向の動きは、路面に凹凸がある場合や、自車両50が急加速又は急減速した場合に発生する。また、実際には自車両50が上下方向に動いていなくても、走行路の勾配が変化した場合には、撮影画像上で上下方向の動きとして表れる。すなわち、前の撮影時と今回の撮影時とで走行路の勾配が変化すると、図3に示すように、同じ場所の特徴点が上下方向に移動する。
よって、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角には、路面の凹凸に伴うピッチングによる凹凸成分と、自車両50の加減速に伴うピッチングによる加減速成分と、走行路の勾配変化に伴う勾配成分とが含まれ得る。走行路の勾配変化に伴う勾配成分は、実際には自車両50がピッチングしていない見かけ上のピッチ角成分である。したがって、本来、ECU30が推定して出力すべきピッチ角は、勾配成分を含まず、実際の自車両50の上下方向の動き応じた凹凸成分と加減速成分のみを含むピッチ角である。
図4にピッチ角の凹凸成分の時間変化、図5に凹凸成分に加減速成分が加わったピッチ角及び加減速の時間変化、図6に凹凸成分に勾配成分が加わったピッチ角の時間変化を示す。図4〜図6の横軸は、フレーム番号を表し、番号が小さいほど過去のフレームに対応する。また、図4〜図6の縦軸は、ピッチ角に換算する前のピクセル数で表された上下方向の移動量である。
路面に凹凸があり且つ勾配変化のない走行路を加減速しないで走行した場合、ピッチ角推定部32により推定されるピッチ角は、図4に示すように、変動周期が比較的短い高周波成分の凹凸成分のみとなる。また、路面に凹凸があり且つ勾配変化のない走行路の走行中において減速した場合、ピッチ角推定部32により推定されるピッチ角は、図5に示すように、高周波成分の凹凸成分に、変動周期が比較的長い低周波成分の加減速成分が加わったものとなる。また、路面に凹凸があり且つ勾配変化のある走行路を加減速しないで走行した場合、ピッチ角推定部32により推定されるピッチ角は、図6に示すように、高周波成分の凹凸成分に、変動周期が比較的長い勾配成分が加わったものとなる。
このように、加減速成分と勾配成分はどちらも同程度の低周波成分となるため、推定されるピッチ角に加減速成分と勾配成分の両方が含まれる場合には、加減速成分と勾配成分との判別が難しい。しかしながら、走行路によっては、推定されるピッチ角に、加減速成分と勾配成分の両方が含まれることがある。例えば、山道は、路面が凹凸していて勾配変化が比較的大きく、走行中に加減速が行われる機会も比較的多い。よって、山道を走行した場合には、推定されるピッチ角に、凹凸成分、加減速成分及び勾配成分が含まれることが多く、加減速成分と勾配成分とを判別しないと、ピッチ角の推定精度が低下するおそれがある。
そこで、まず、自車両50の加速度情報等に基づいて加減速成分を推定し、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角から加減速成分を除去する。加減速成分を除去したピッチ角には、高周波成分の凹凸成分と低周波成分の勾配成分のみが含まれるため、加減速成分を除去したピッチ角をなまして高周波成分を除き、低周波成分の凹凸成分を算出する。以下詳しく説明する。
加減速推定部34は、自車両50の速度情報、加速度情報、及びジャーク情報のうちのすくなくとも一つと加減速成分との対応を表すマップを有し、マップに基づいて、加減速成分を推定する。自車両50の加速度情報及びジャーク情報は、車速センサ11により検出された車速の一次微分及び二次微分からそれぞれ算出される。以下、自車両50の速度情報、加速度情報、及びジャーク情報のうちの少なくとも一つを速度情報等と称する。
学習部33は、撮影画像に基づいた白線の認識結果、撮影画像に基づいた他車両の認識結果、及び地図情報の少なくとも一つに基づいて、走行路の勾配変化があるか否か判定する。勾配変化がある場合には、前回と今回の撮影画像における消失点の上下方向の位置が比較的大きく変化する。また、勾配変化がある場合には、前回と今回の撮影画像における前方の他車両の上下方向の位置が比較的大きく変化する。よって、白線の認識結果、他車両の認識結果、及び地図情報の少なくとも一つに基づいて、勾配変化があるか否か判定される。そして、学習部33は、走行路の勾配変化が無いと判定した場合に、速度情報等と加減速成分とのマップを学習する。すなわち、学習部33は、勾配変化が無いとわかっていて、ピッチ角の低周波成分が加減速成分だけのときに、上記マップを学習する。加減速推定部34は、学習部33により学習されたマップを用いて、加減速成分を推定する。
具体的には、学習部33は、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角の低周波成分を推定し、推定した低周波成分を加減速成分として速度情報等に対応させて、上記マップを学習する。
学習部33は、入力信号の低周波成分を出力する応答フィルタであって、応答性の異なる応答フィルタを複数有し、その中から最適な応答フィルタを選択して、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角の低周波成分を推定する。
具体的には、学習部33は、応答フィルタとして、有限インパルス応答フィルタ及び無限インパルス応答フィルタを有する。有限インパルス応答フィルタは、過去の値に引きずられにくく応答性が比較的高いが、ノイズが比較的多いフィルタである。無限インパルス応答フィルタは、過去の値に引きずられやすく応答性が比較的低いが、ノイズが比較的少ないフィルタである。学習部33は、いずれか最適な方を選択して、ピッチ角の低周波成分を推定する。
詳しくは、学習部33は、所定期間における、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角と、推定されたピッチ角から応答フィルタにより推定した低周波成分との差分値の合計値が、最も小さくなる応答フィルタを選択する。所定期間は、過去のある時点のフレームから今のフレームまでの期間である。
低周波推定部35は、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角から、加減速推定部34により推定された加減速成分を除去する。これにより、推定されたピッチ角は、高周波成分の凹凸成分と低周波成分の勾配成分になる。よって、低周波推定部35は、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角から、加減速推定部34により推定された加減速成分が除去されたものの低周波成分を推定する。この低周波成分は勾配成分に相当する。
低周波推定部35は、学習部33と同様に、複数の応答性の異なる応答フィルタを有し、その中から最適な応答性フィルタを選択して、勾配成分に相当する低周波成分を推定する。
具体的には、低周波推定部35は、学習部33と同様に、応答フィルタとして、有限インパルス応答フィルタ及び無限インパルス応答フィルタを有し、いずれか最適な方を選択して、勾配成分に相当する低周波成分を推定する。
低周波推定部35は、学習部33と同様に、所定期間における、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角から加減速成分が除去されたものと、加減速成分が除去されたものから応答フィルタにより推定した低周波成分との差分値の合計値が、最も小さくなる応答フィルタを選択する。
勾配判定部36は、低周波推定部35により推定された低周波成分に基づいて、走行路が勾配変化のある勾配変化路か否かを判定する。低周波推定部35により推定された低周波成分は勾配成分に相当するので、勾配変化路であれば低周波成分の絶対値は所定値を超える値となる。
なお、学習部33は、白線の認識結果、他車両の認識結果及び地図情報の少なくとも一つに基づいて、勾配変化が無い走行路か否か判定している。よって、学習部33は、白線の認識結果等の情報がない場合には、勾配変化があるか否か判定できない。一方、勾配判定部36によれば、白線の認識結果等の情報がない場合でも、勾配変化があるか否かを判定できる。
出力制御部37は、推定された車両のピッチ角を出力する。具体的には、出力制御部37は、ECU30において、白線を認識する白線認識部や他車両を認識する他車両認識部へ、推定された車両のピッチ角を出力する。勾配判定部36により勾配変化路でないと判定された場合には、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角には勾配成分が含まれていない。よって、出力制御部37は、勾配変化路でないと判定された場合には、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角を、自車両50のピッチ角として出力する。
また、勾配判定部36により勾配変化路であると判定された場合には、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角には勾配成分が含まれている。よって、出力制御部37は、勾配変化路であると判定された場合には、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角から、低周波推定部35により推定された低周波成分を除去してピッチ角を補正し、補正したピッチ角を、自車両50のピッチ角として出力する。なお、勾配変化路でない場合は、低周波推定部35により推定される低周波成分は略ゼロとなる。よって、勾配変化路であるか否かに関わらず、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角から、低周波推定部35により推定された低周波成分を除去してピッチ角を補正し、補正したピッチ角を出力してもよい。
あるいは、出力制御部37は、勾配変化路であると判定された場合には、ピッチ角の出力を停止してもよい。すなわち、出力制御部37は、勾配変化路であると判定された場合には、ピッチ角をゼロに補正してもよい。勾配変化路では、ピッチ角推定部32により推定されたピッチ角の推定精度が低いので、ピッチ角の出力自体を止めて、推定精度の低いピッチ角が利用されることを抑止してもよい。
次に、推定したピッチ角を出力する処理手順について、図7のフローチャートを参照して説明する。本処理手順は、ECU30が所定間隔で繰り返し実行する。
まず、ステップS10において、今回の撮影画像を取得する。続いて、ステップS11において、前回の撮影画像と今回の撮影画像における特徴点の移動量から、自車両50の上下方向の動きを推定する。続いて、ステップS12において、ステップS11で推定した自車両50の上下方向の動きから、自車両50のピッチ角を推定する。
続いて、ステップS13において、白線の認識結果、他車両の認識結果、及び地図情報の少なくとも一つに基づいて、勾配変化のない走行路か否かを判定する。ステップS13において、勾配変化のない走行路と判定した場合は、ステップS14において、加減速成分と速度情報等とのマップを学習し、ステップS15に進む。一方、ステップS13において、勾配変化のある走行路と判定した場合は、上記マップを学習することなくステップS15に進む。
ステップS15では、速度情報等と上記マップとを用いて、加減速成分を推定する。続いて、ステップS16では、ステップS12で推定したピッチ角から、ステップS15で推定した加減速成分を除去する。これにより、ピッチ角は、凹凸成分と勾配成分とになる。続いて、ステップS17において、ステップS16で加減速成分を除去したピッチ角の低周波成分を推定する。推定した低周波成分は勾配成分に相当する。
続いて、ステップS18において、ステップS17で推定した低周波成分に基づいて、勾配変化路か否か判定する。ステップS18において、勾配変化路であると判定した場合は、ステップS19において、ステップS12で推定したピッチ角から、ステップS17で推定した低周波成分を除去して補正したピッチ角を出力する。または、ステップS19において、ピッチ角の出力を停止する。
一方、ステップS18において、勾配変化路でないと判定した場合は、ステップS20において、ステップS12で推定したピッチ角を出力する。以上で本処理を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
・自車両50のピッチ角のうちの加減速成分が推定されるとともに、推定されたピッチ角から加減速成分が除去され、加減速成分が除去されたピッチ角の低周波成分が推定される。加減速成分が除去されたピッチ角は、高周波成分である凹凸成分と低周波成分である勾配成分とを含む。よって、加減速成分が除去されたピッチ角の低周波成分は、勾配成分に相当する。そして、推定された低周波成分に基づいて、走行路が勾配変化路か否かが判定される。勾配変化路と判定された場合には、推定されたピッチ角から勾配変化成分である低周波成分が除去されたものが、推定されたピッチ角として出力される。または、勾配変化路と判定された場合には、ピッチ角の出力が停止される。よって、勾配成分を含んだ推定精度の低いピッチ角の出力を抑制することができる。
・加減速成分と、自車両の速度や、加速度、ジャークとには対応関係がある。よって自車両の速度情報、加速度情報及びジャーク情報のうちの少なくとも一つと加減速成分との対応が設定されたマップに基づいて、加減速成分を推定することができる。
・白線の認識結果、他車両の認識結果、及び地図情報の少なくも一つに基づいて、勾配変化がないか否か判定される。そして、勾配変化が無いとわかっている場合には、推定されたピッチ角に勾配成分が含まれないので、推定されたピッチ角に基づいて、加減速成分のマップを好適に学習することができる。
・勾配変化が無い場合には、推定されたピッチ角は、高周波成分である凹凸成分と、低周波成分である加減速成分とを含む。よって、勾配変化が無い場合には、推定したピッチ角の低周波成分を加減速成分として推定し、加減速成分の上記マップを学習することができる。
・勾配変化が無いとわかっている場合には、有限インパルス応答又は無限インパルス応答に推定されたピッチ角を入力することで、加減速成分に相当する低周波成分を推定することができる。
・複数の応答性の異なる応答フィルタを有し、その中から状況に応じて最適な応答フィルタを選択することにより、加減速成分に相当する低周波成分を高精度に推定することができる。
・勾配変化が無いとわかっている場合には、所定期間における、推定されたピッチ角と、応答フィルタを用いて推定したピッチ角の低周波成分との差分値の合計値が、最も小さくなる応答フィルタを、最適な応答フィルタとして選択することができる。
・有限インパルス応答又は無限インパルス応答に、推定したピッチ角から加減速成分を除去したものを入力することで、勾配成分に相当する低周波成分を推定することができる。
・複数の応答性の異なる応答フィルタを有し、その中から状況に応じて最適な応答フィルタを選択することにより、勾配成分に相当する低周波成分を高精度に推定することができる。
・所定期間における、加減速成分が除去されたピッチ角と、応答フィルタを用いて推定した加減成分が除去されたピッチ角の低周波成分との差分値の合計値が、最も小さくなる応答フィルタを、最適な応答フィルタとして選択することができる。
(他の実施形態)
・ECU30は、学習部33の機能は備えていなくてもよい。すなわち、加減速成分と速度情報等との対応マップは、予め設定されたマップを学習することなく用いてもよい。
・学習部33及び低周波推定部35は、有限インパルス応答フィルタ及び無限インパルス応答フィルタのうちの一方のみを備えていてもよい。あるいは、学習部33及び低周波推定部35は、有限インパルス応答フィルタ及び無限インパルス応答フィルタ以外の応答フィルタを備えていてもよい。
・ECU30は、白線認識や先行車両認識を行うものでなくてもよい。この場合、ECU30は、白線認識や先行車両認識を行う他のECUへ自車両50のピッチ角を出力する。また、自車両50のピッチ角は、白線認識や先行車両認識以外の用途に用いてもよい。
10…車載カメラ、30…ECU、50…自車両。

Claims (10)

  1. 自車両(50)に搭載されたカメラ(10)により撮影された前記自車両の周辺の撮影画像から、前記自車両のピッチ角を推定する車両ピッチ角推定装置(30)であって、
    前回の前記撮影画像と今回の前記撮影画像との変化から、前記自車両の上下方向の動きを推定する上下運動推定部と、
    推定された前記上下方向の動きから前記自車両のピッチ角を推定するピッチ角推定部と、
    前記自車両の加減速に応じたピッチ角成分である加減速成分を推定する加減速推定部と、
    推定された前記ピッチ角から推定された前記加減速成分を除去し、前記加減速成分が除去された前記ピッチ角の低周波成分を推定する低周波推定部と、
    推定された前記低周波成分に基づいて、走行路が勾配変化のある勾配変化路か否かを判定する勾配判定部と、
    推定された前記ピッチ角を出力する出力制御部と、を備え、
    前記出力制御部は、前記勾配判定部により勾配変化路と判定された場合に、推定された前記ピッチ角から推定された前記低周波成分を除去したものを推定された前記ピッチ角として出力する、又は、前記ピッチ角の出力を停止する、車両ピッチ角推定装置。
  2. 前記加減速推定部は、前記自車両の速度情報、前記自車両の加速度情報、及び前記自車両のジャーク情報のうちの少なくとも一つと前記加減速成分との対応を表すマップを有し、前記マップに基づいて、前記加減速成分を推定する請求項1に記載の車両ピッチ角推定装置。
  3. 前記撮影画像に基づいた走行区画線の認識結果、前記撮影画像に基づいた他車両の認識結果、及び地図情報の少なくとも一つに基づいて、前記勾配変化がないと判定された場合に、前記マップを学習する学習部と、を備える請求項2に記載の車両ピッチ角推定装置。
  4. 前記学習部は、前記ピッチ角推定部により推定された前記ピッチ角の低周波成分を推定し、推定した前記ピッチ角の低周波成分を前記加減速成分として、前記速度情報、前記加速度情報、及び前記ジャーク情報の少なくとも一つに対応させて、前記マップを学習する請求項3に記載の車両ピッチ角推定装置。
  5. 前記学習部は、有限インパルス応答フィルタ又は無限インパルス応答フィルタを用いて、前記ピッチ角推定部により推定された前記ピッチ角の低周波成分を推定する請求項4に記載の車両ピッチ角推定装置。
  6. 前記学習部は、入力信号の低周波成分を出力する応答フィルタであって応答性の異なる前記応答フィルタを複数有し、その中から最適な前記応答フィルタを選択して、前記ピッチ角推定部により推定された前記ピッチ角の低周波成分を推定する請求項4又は5に記載の車両ピッチ角推定装置。
  7. 前記学習部は、前記ピッチ角推定部により推定された前記ピッチ角と、推定した前記ピッチ角の低周波成分との差分値の所定期間における合計値が最も小さくなる前記応答フィルタを選択する請求項6に記載の車両ピッチ角推定装置。
  8. 前記低周波推定部は、有限インパルス応答フィルタ又は無限インパルス応答フィルタを用いて、前記加減速成分が除去された前記ピッチ角の低周波成分を推定する請求項1〜7のいずれか1項に記載の車両ピッチ角推定装置。
  9. 前記低周波推定部は、入力信号の低周波成分を出力する応答フィルタであって応答性の異なる前記応答フィルタを複数有し、その中から最適な前記応答フィルタを選択して、前記加減速成分が除去された前記ピッチ角の低周波成分を推定する請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両ピッチ角推定装置。
  10. 前記低周波推定部は、前記加減速成分が除去された前記ピッチ角と、推定した前記加減速成分が除去された前記ピッチ角の低周波成分との差分値の所定期間における合計値が最も小さくなる前記応答フィルタを選択する請求項9に記載の車両ピッチ角推定装置。
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