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JP6327379B1 - 窒化ガリウム半導体装置および窒化ガリウム半導体装置の製造方法 - Google Patents

窒化ガリウム半導体装置および窒化ガリウム半導体装置の製造方法 Download PDF

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JP6327379B1 JP2017074038A JP2017074038A JP6327379B1 JP 6327379 B1 JP6327379 B1 JP 6327379B1 JP 2017074038 A JP2017074038 A JP 2017074038A JP 2017074038 A JP2017074038 A JP 2017074038A JP 6327379 B1 JP6327379 B1 JP 6327379B1
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Abstract

【課題】ゲートトレンチ部およびメサ部に起因する問題を解決する。【解決手段】プレーナゲート型の窒化ガリウム半導体装置であって、窒化ガリウム単結晶基板と、窒化ガリウム単結晶基板上の窒化ガリウム層と、窒化ガリウム層中に設けられ、少なくとも一部が窒化ガリウム層の表面に露出する第1導電型の第1のソース領域と、第1のソース領域の底部よりも下において窒化ガリウム層中に設けられ、第2導電型の不純物を有する、第1の埋込領域と、表面と平行な方向において第1のソース領域に隣接し、第1の埋込領域上に設けられ、少なくとも一部が表面に露出する第2導電型の第1のベース領域と、第1のベース領域よりも上方に設けられたゲート電極とを備え、窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、第1のベース領域における第2導電型不純物濃度は、第1の埋込領域の上端から表面に向けて徐々に低下する、窒化ガリウム半導体装置を提供する。【選択図】図2

Description

本発明は、窒化ガリウム半導体装置および窒化ガリウム半導体装置の製造方法に関する。
従来、エピタキシャル形成したp型の窒化ガリウム(以下、GaN)層を部分的に除去してゲートトレンチ部を設けることが知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、p型のGaN層を部分的に除去してGaN層のメサ部を形成し、当該メサ部の側部および底部にフィールドプレートを形成することが知られている(例えば、同文献参照)。なお、特許文献1には、GaN層にマグネシウム(以下、Mg)を部分的にイオン注入し、その後にMgを熱拡散させることにより拡散領域をp型化させることが記載されている。
[先行技術文献]
[非特許文献]
[非特許文献1] Tohru Oka et al.,"Vertical GaN‐based trench metal oxide semiconductor field‐effect transistors on a free‐standing GaN substrate with blocking voltage of 1.6 kV",Applied Physics Express,published 28 January 2014,Volume 7,Number 2,021002
[特許文献]
[特許文献1] 特開2007−258578号公報
ゲートトレンチ部およびメサ部を設ける場合には、ゲートトレンチ部の底部における角部およびメサ部の底部における角部において、電界集中が生じることにより耐圧が低下する。また、ゲートトレンチ部およびメサ部はフォトリソグラフィー工程における微細加工を妨げるという問題がある。さらに、ゲートトレンチ部およびメサ部を形成するときにGaN層の表面がダメージを受けるという問題がある。
本発明の第1の態様においては、プレーナゲート型の窒化ガリウム半導体装置を提供する。窒化ガリウム半導体装置は、窒化ガリウム単結晶基板と、窒化ガリウム層と、第1のソース領域と、第1の埋込領域と、第1のベース領域と、ゲート電極とを備えてよい。窒化ガリウム層は、窒化ガリウム単結晶基板上に設けられてよい。第1のソース領域は、窒化ガリウム層中に設けられてよい。第1のソース領域は、少なくとも一部が窒化ガリウム層の表面に露出してよい。第1のソース領域は、第1導電型であってよい。第1の埋込領域は、第1のソース領域の底部よりも下において窒化ガリウム層中に設けられてよい。第1の埋込領域は、第2導電型の不純物を有してよい。第1のベース領域は、表面と平行な方向において第1のソース領域に隣接してよい。第1のベース領域は、第1の埋込領域上に設けられてよい。第1のベース領域は、少なくとも一部が表面に露出してよい。第1のベース領域は、第2導電型であってよい。ゲート電極は、第1のベース領域よりも上方に設けられてよい。窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、第1のベース領域における第2導電型不純物濃度は、第1の埋込領域の上端から表面に向けて徐々に低下してよい。
第1の埋込領域は、予め定められた深さ位置に第2導電型不純物濃度分布のピークを有してよい。
窒化ガリウム半導体装置は、第1の下部拡散領域をさらに備えてよい。第1の下部拡散領域は、第1の埋込領域の下に直接接してよい。第1の下部拡散領域は、第1の埋込領域と窒化ガリウム単結晶基板との間に設けられてよい。第1の下部拡散領域は、第1の埋込領域よりも低い第2導電型不純物濃度を有してよい。窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、第1の下部拡散領域における第2導電型不純物濃度は、第1の埋込領域の下端から窒化ガリウム単結晶基板に向けて徐々に低下してよい。
窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、第1のベース領域における残留欠陥濃度は、第1の埋込領域の上端から表面に向けて徐々に低下してよい。
第1の埋込領域は、予め定められた深さ位置に残留欠陥濃度のピークを有してよい。
窒化ガリウム半導体装置の断面視において、窒化ガリウム層は、第2の埋込領域と、第2のベース領域と、ドリフト領域とを更に備えてよい。第2の埋込領域は、深さ方向と平行な方向に延びる線対称軸に対して第1の埋込領域に対応してよい。第2のベース領域は、線対称軸に対して第1のベース領域に対応してよい。ドリフト領域は、第1導電型の上部領域と、第1導電型の下部領域とを含んでよい。上部領域は、第1のベース領域および第1の埋込領域と第2のベース領域および第2の埋込領域との間に設けられてよい。下部領域は、上部領域と窒化ガリウム単結晶基板との間に設けられてよい。上部領域の第1導電型不純物濃度は、下部領域の第1導電型不純物濃度よりも高くてよい。
表面は、第1のソース領域の上端と、第1のベース領域の上端と、ドリフト領域における上部領域の上端とを含んでよい。第1のソース領域の上端と、第1のベース領域の上端と、ドリフト領域における上部領域の上端とは、一つの平面を構成してよい。
窒化ガリウム単結晶基板は、低転位自立型基板であってよい。
本発明の第2の態様においては、プレーナゲート型の窒化ガリウム半導体装置の製造方法を提供する。窒化ガリウム半導体装置の製造方法は、窒化ガリウム層を形成する段階と、第2導電型不純物をイオン注入する段階と、第2導電型の第1のベース領域を形成する段階と、窒化ガリウム層に第1導電型不純物をイオン注入する段階と、ゲート電極を形成する段階とを備えてよい。窒化ガリウム層は、窒化ガリウム単結晶基板上に形成されてよい。第2導電型不純物をイオン注入する段階は、窒化ガリウム層の予め定められた深さ位置に第1の埋込領域を形成することを目的とするイオン注入であってよい。第1のベース領域を形成する段階において、窒化ガリウム単結晶基板および窒化ガリウム層を熱処理することにより、第1のベース領域を形成してよい。第1導電型不純物をイオン注入する段階は、窒化ガリウム層のうち予め定められた深さ位置よりも上の領域に第1のソース領域を形成することも目的として実行されてよい。ゲート電極は、第1のベース領域よりも上方に形成されてよい。第1のベース領域を形成する段階の後において、第1のベース領域は、窒化ガリウム層の表面と平行な方向において第1のソース領域に隣接し、第1の埋込領域上に位置し、少なくとも一部が前記表面に露出していてよい。また、第1のベース領域を形成する段階の後において、窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、第1のベース領域における第2導電型不純物濃度は、第1の埋込領域の上端から表面に向けて徐々に低下してよい。
熱処理は、急速加熱処理であってよい。急速加熱処理において、1300℃以上の予め定められた温度で、10分未満の時間、窒化ガリウム層を加熱してよい。
急速加熱処理において、予め定められた温度に達するまで、窒化ガリウム層を数百℃/分の昇温速度で加熱してよい。
窒化ガリウム半導体装置の断面視において、窒化ガリウム半導体装置は、第2の埋込領域と、第2のベース領域と、第1導電型のドリフト領域とを更に備えてよい。第2の埋込領域は、深さ方向と平行な方向に延びる線対称軸に対して第1の埋込領域に対応してよい。第2のベース領域は、線対称軸に対して第1のベース領域に対応してよい。ドリフト領域は、第1導電型の上部領域と、第1導電型の下部領域とを含んでよい。上部領域は、第1のベース領域および第1の埋込領域と第2のベース領域および第2の埋込領域との間に設けられてよい。下部領域は、上部領域と窒化ガリウム単結晶基板との間に設けられてよい。窒化ガリウム半導体装置の製造方法は、上部領域に第1導電型の不純物をイオン注入する段階をさらに備えてよい。上部領域に第1導電型の不純物をイオン注入することにより、上部領域の第1導電型不純物濃度が下部領域の第1導電型不純物濃度よりも高くなってよい。
上部領域に第1導電型の不純物をイオン注入する段階は、窒化ガリウム単結晶基板および窒化ガリウム層を熱処理することにより第1のベース領域および第2のベース領域を形成する段階の前または後であってよい。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施形態における縦型MOSFET100の上面図である。 図1のA‐A断面およびB‐B断面を示す図である。 図2のC‐C断面における、Mg濃度分布および残留欠陥分布を示す図である。 縦型MOSFET100の製造工程を示すフロー図である。 段階S210を示す図である。 段階S220を示す図である。 段階S225を示す図である。 段階S230を示す図である。 段階S240を示す図である。 段階S250を示す図である。 段階S260を示す図である。 段階S265を示す図である。 段階S270を示す図である。 段階S280を示す図である。 段階S290を示す図である。 段階S300を示す図である。 段階S250における熱処理温度の時間変化を示す図である。 は、熱処理装置150の概要を示す図である。 第2実施形態における縦型MOSFET100の製造工程を示すフロー図である。 段階S265を示す図である。 段階S268を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1実施形態における縦型MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)100の上面図である。図1は、縦型MOSEFT100のX‐Y平面図でもある。本例において、X軸方向とY軸方向とは互いに垂直な方向であり、Z軸方向はX‐Y平面に垂直な方向である。X、YおよびZ軸は、いわゆる右手系を成す。
本例においては、Z軸の正方向を「上」と称し、Z軸の負方向を「下」と称する場合がある。「上」および「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。つまり、「上」および「下」の方向は、重力方向に限定されない。「上」および「下」は、領域、層、膜および基板等における相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎない。
本例の縦型MOSFET100は、活性領域110とエッジ終端領域130とを有する。本例の活性領域110は、ゲートパッド112およびソースパッド114を有する。ゲートパッド112およびソースパッド114は、後述のゲート電極44およびソース電極54にそれぞれ電気的に接続された電極パッドである。
エッジ終端領域130は、上面視において活性領域110の周囲を囲んで設けられる。エッジ終端領域130は、ガードリング構造、フィールドプレート構造およびJTE(Junction Termination Extension)構造の一以上を有してよい。エッジ終端領域130は、活性領域110で発生した空乏層をエッジ終端領域130まで広げることにより、活性領域110での電界集中を防ぐ機能を有してよい。
図2は、図1のA‐A断面およびB‐B断面を示す図である。A‐A断面およびB‐B断面は、各々Y‐Z平面に平行な断面である。A‐A断面は活性領域110の部分的な断面図であり、B‐B断面はエッジ終端領域130の部分的な断面図である。なお、A‐A断面は、MOSFETの繰り返し単位の構造を示す。MOSFETの繰り返し単位の構造は、Y軸方向において繰り返し設けられてよい。
(A‐A断面)本例の縦型MOSFET100は、活性領域110にプレーナゲート型の縦型MOSFETを有する。本例の縦型MOSFET100は、GaN基板10、GaN層16、ゲート絶縁膜42、ゲート電極44、ソース電極54およびドレイン電極56を有する。
GaN基板10はGaN単結晶基板の一例である。GaN基板10は、第1導電型の基板であってよい。本例のGaN基板10は、n型の基板である。GaN層16は、GaN基板10上に設けられてよい。本例のGaN層16は、GaN基板10上にエピタキシャル形成される。GaN層16は、第1導電型の層であってよい。本例のGaN層16は、n型の層である。
本例においては、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型とする。ただし、他の例においては第1導電型をp型とし、第2導電型をn型としてもよい。なお、nまたはpは、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。nまたはpの右肩に記載した+または−について、+はそれが記載されていないものよりもキャリア濃度が高く、−はそれが記載されていないものよりもキャリア濃度が低いことを意味する。
GaNに対する第1導電型(n型)不純物は、Si(シリコン)、Ge(ゲルマニウム)、およびO(酸素)の一種類以上の元素であってよい。本例においては、n型不純物としてSiを用いる。また、GaNに対する第1導電型(p型)不純物は、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Be(ベリリウム)およびZn(亜鉛)の一種類以上の元素であってよい。本例においては、p型不純物としてMgを用いる。
本例の縦型MOSFET100において、半導体材料はGaNであるが、半導体材料はアルミニウム(Al)およびインジウム(In)の一以上の元素を含んでもよい。半導体材料は、AlおよびInを微量に含んだ混晶半導体、即ちAlInGa1−x−yN(0≦x<1、0≦y<1)であってもよい。ただし、本例の半導体材料は、AlInGa1−x−yNにおいてx=y=0としたGaNである。
GaN基板10は、低転位自立型基板であってよい。本例のGaN基板10は、貫通転位密度が1E+7cm−2未満の自立基板である。GaN基板10を低転位密度とすることにより、GaN基板10上に形成したGaN層16の転位密度も低減することができる。さらに、このような低転位基板を用いることで、大面積のパワーデバイスを形成してもリーク電流を少なくすることができる。これにより、パワーデバイスを高い良品率で製造することができる。また、イオン注入された不純物が熱処理のときに転位に沿って深く拡散することを防止できる。
本例において、GaN層16とGaN基板10との界面を境界12とする。本例において、境界12はGaN基板10の第1主面である。GaN基板10の第2主面は、境界12と反対側の裏面18である。また、本例において、GaN層16の第1主面は、境界12と反対側の表(おもて)面14であり、GaN層16の第2主面は境界12である。
(イオン注入領域)GaN層16中には、不純物がイオン注入されてよい。本例において、GaN層16は、表面14から各々所定の深さ範囲に不純物がイオン注入された領域である、コンタクト領域25、ソース領域26および埋込領域28を有する。つまり、コンタクト領域25、ソース領域26および埋込領域28は、GaN層16中に設けられる。
コンタクト領域25および埋込領域28にはMgがイオン注入されてよい。コンタクト領域25および埋込領域28の各々は、イオン注入後の熱処理を経て、第2導電型領域になってよい。本例のコンタクト領域25および埋込領域28の各々は、熱処理後にp型となる。
埋込領域28がp型である場合に、埋込領域28は耐圧構造部として機能し得る。例えば、p型の埋込領域28が無い場合には、ベース領域23とドリフト領域22とのpn接合により形成される空乏層がベース領域23の上端にまで達することで、ゲートオフ時の耐圧が低下する場合がある。これに対して、埋込領域28を設けることにより、空乏層がベース領域23の上端にまで達することを防ぐことができるので、埋込領域28が無い場合に比べてゲートオフ時の耐圧を向上させることができる。
ソース領域26には、Siがイオン注入されてよい。これにより、ソース領域26は、第1導電型の不純物を有する。ソース領域26は、イオン注入後の熱処理を経て、第1導電型領域になってよい。本例のソース領域26は、熱処理後にn型となる。なお、本例のコンタクト領域25、ソース領域26および埋込領域28は、X軸方向に延伸するストライプ形状であってよい。
埋込領域28は、ソース領域26の底部よりも下に位置する。ソース領域26の底部と埋込領域28の上部との間には、ベース領域23が位置してよい。本例のGaN層16は、第1の埋込領域28‐1および第2の埋込領域28‐2を含む。第2の埋込領域28‐2は、線対称軸60に対して第1の埋込領域28‐1に対応してよい。なお、線対称軸60は、深さ方向と平行な方向に延びる仮想的な直線である。深さ方向とは、Z軸方向に平行な方向である。線対称軸60は、MOSFETの繰り返し単位の構造において一つ存在するとしてよい。本例の第1の埋込領域28‐1および第2の埋込領域28‐2は、線対称軸60に対して対称である。
ソース領域26は、電子電流が流れる経路を提供してよい。本例のソース領域26は、少なくとも一部が表面14に露出する。ソース領域26は、底部と内側の側部とがベース領域23に接し、外側の側部がコンタクト領域25に接してよい。なお、本例においては、一の領域において線対称軸60に近い位置を内側と称し、当該一の領域における線対称軸60から遠い位置を外側と称する場合がある。また、本例のGaN層16は、線対称軸60に対して対称である第1のソース領域26‐1および第2のソース領域26‐2を含む。
コンタクト領域25は、ソース電極54との接触抵抗を低減する機能、および、ゲートオフ時の正孔引き抜き経路を提供する機能を有してよい。本例のコンタクト領域25は、少なくとも一部が表面14に露出する。コンタクト領域25は、内側の側部がソース領域26およびベース領域23に接し、底部が埋込領域28に接してよい。また、本例のGaN層16は、線対称軸60に対して対称である第1のコンタクト領域25‐1および第2のコンタクト領域25‐2を含む。
(熱拡散領域)本例のGaN層16は、ベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29をさらに有する。つまり、ベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29は、GaN層16中に設けられる。本例のベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29は、埋込領域28を熱処理した結果、埋込領域28中の第2導電型の不純物が拡散することにより形成された領域である。これら熱拡散領域は、第2導電型領域である。本例のベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29は、埋込領域28よりも低い第2導電型不純物濃度を有する。本例のベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29は、p型またはp型である。
ベース領域23は、埋込領域28上に設けられる。本例のGaN層16は、線対称軸60に対して対称である第1のベース領域23‐1および第2のベース領域23‐2を含む。ベース領域23の一部である上部領域は、表面14に露出してよい。本例において、上部領域は、チャネル形成領域24に対応する領域である。本例の上部領域(チャネル形成領域24)は、表面14においてゲート絶縁膜42に接する。
本例のベース領域23は、チャネル形成領域24(上部領域)およびソース領域26の下に位置する下部領域を含む。ベース領域23における上部領域および下部領域の内側の側部は、各々ドリフト領域22に接する。また、本例のチャネル形成領域24は、表面14と平行な方向において、ソース領域26に隣接してよい。本例のチャネル形成領域24の外側は、ソース領域26に接する。なお、本例の下部領域の外側は、コンタクト領域25に接する。
本例の側部拡散領域27は、Y軸方向において埋込領域28に隣接する。本例のGaN層16は、線対称軸60に対して各々対称である、第1の側部拡散領域27‐1および第2の側部拡散領域27‐2と、第1の下部拡散領域29‐1および第2の下部拡散領域29‐2とを含む。側部拡散領域27は、埋込領域28よりも内側に位置する。
本例の下部拡散領域29は、埋込領域28の下に直接接する。本例の下部拡散領域29は、埋込領域28とGaN基板10との間に位置する。ベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29の内側の側部は、第2導電型不純物の熱拡散領域と第1導電型のドリフト領域22との間の連続的に設けられた境界17を構成してよい。
本例のドリフト領域22は、各々第1導電型である、上部領域22‐Tおよび下部領域22‐Bを含む。本例の上部領域22‐Tおよび下部領域22‐Bは、各々n型の領域である。上部領域22‐Tは、第1のベース領域23‐1、側部拡散領域27‐1、第1の埋込領域28‐1および第1の下部拡散領域29‐1と、第2のベース領域23‐2、側部拡散領域27‐2、第2の埋込領域28‐2および第2の下部拡散領域29‐2との間に設けられてよい。本例の上部領域22‐Tは、線対称軸60に対して対称に設けられた二つの境界17に間に位置する。また、本例において、上部領域22‐Tの上端は表面14に一致し、上部領域22‐Tの下端は下部拡散領域29の下端と同じ深さ位置に一致する。
下部領域22‐Bは、上部領域22‐TとGaN基板10との間に位置してよい。本例の下部領域22‐Bは、下部拡散領域29の下端とGaN基板10の上端(即ち、境界12)との間に位置する。下部領域22‐Bは、MOSFETの繰り返し単位の構造において、Y軸方向全体に渡って設けられてよい。
ゲート絶縁膜42は、少なくともチャネル形成領域24上に直接接して設けられてよい。本例のゲート絶縁膜42は、ドリフト領域22の上部領域22‐Tと、チャネル形成領域24と、ソース領域26の一部とに直接接して設けられる。本例のゲート絶縁膜42は、平坦な表面14上に設けられる。
本例において、平坦な表面14とは、ゲートトレンチ部またはメサ構造を設けることを目的としたエッチングにより意図的な凹凸が設けられていない表面14を意味する。ただし、平坦な表面14は、後述のマスク80およびキャップ層85等のエッチングならびに熱処理に起因して、例えば、10nm程度の凹凸を有してもよい。凹凸は、例えば、最大高さ粗さRzにより評価してよい。最大高さ粗さRzとは、凹凸を示す輪郭曲線の平均線の方向に基準長さLだけ輪郭曲線を抜き取ったグラフにおいて、当該平均線から最も高い山頂までの高さRpと最も低い谷までの深さRvとの差を意味する。
本例の表面14は、ソース領域26の上端と、チャネル形成領域24の上端と、上部領域22‐Tの上端とを含む。本例においては、ソース領域26の上端と、チャネル形成領域24の上端と、上部領域22‐Tの上端と、コンタクト領域25の上端とが、表面14に一致する一つの平面を構成する。このように、本例においては、ゲートトレンチ部もメサ部も設けないので、ゲートトレンチ部の角部またはメサ部の角部において電界集中が生じることにより耐圧が低下するという問題を解消することができる。
ゲート電極44は、ベース領域23よりも上方に設けられてよい。本例のゲート電極44は、ゲート絶縁膜42上に直接接して、少なくともチャネル形成領域24上に設けられる。より具体的には、本例のゲート電極44は、上部領域22‐Tと、チャネル形成領域24と、ソース領域26の一部との上方に設けられる。このように、本例のゲート電極44は、平坦なゲート絶縁膜42上に設けられたプレーナ型である。ゲート電極44は、ゲートパッド112と異なる材料で形成されてよい。本例において、ゲート電極44は不純物をドープしたポリシリコンで形成され、ゲートパッド112はAlまたはAl‐Siの合金で形成される。
ソース電極54は、表面14上に設けられてよい。本例のソース電極54は、ソース領域26の一部とコンタクト領域25とに接して設けられる。ソース電極54は、層間絶縁膜を介してゲート電極44上にも設けられてよい。層間絶縁膜は、ゲート電極44がソース電極54と電気的に接続しないように、ゲート電極44の上部および複数の側部を被覆してよい。
なお、ソース電極54は、ソースパッド114と同一の材料で形成されてよい。本例においては、AlまたはAl‐Siの合金からなるソース電極54がソースパッド114も兼ねる。ソース電極54は、表面14とAl層またはAl‐Si層との間にバリアメタル層を有してもよい。バリアメタル層の材料としてチタン(Ti)を使用してもよい。つまり、ソース電極54は、Ti層およびAl層の積層、または、Ti層およびAl‐Siの合金層の積層であってもよい。ドレイン電極56は、裏面18に接して裏面18の下に設けられる。ドレイン電極56もソース電極54と同様の材料で構成されてよい。
ゲート端子、ソース端子およびドレイン端子を、それぞれG、DおよびSで示す。例えば、ゲート端子を介してゲート電極44に閾値電圧以上の電位が与えられると、チャネル形成領域24に反転層が形成される。反転層が形成された場合に、ドレイン電極56に所定の高電位が与えられ、かつ、ソース電極54に接地電位が与えられると、ドレイン端子からソース端子へ電流が流れる。また、ゲート電極44に閾値電圧よりも低い電位が与えられるとチャネル形成領域24における反転層が消滅し、電流が遮断される。これにより、縦型MOSFET100は、ソース端子およびドレイン端子間における電流をスイッチングすることができる。
(B‐B断面)本例の縦型MOSFET100は、エッジ終端領域130において、GaN基板10、GaN層16、電極58、保護膜70およびドレイン電極56を有する。なお、GaN基板10およびGaN層16は、エッジ終端領域130および活性領域110において、共通して設けられる。つまり、GaN基板10およびGaN層16の一部が活性領域110であり、GaN基板10およびGaN層16の他の一部がエッジ終端領域130である。ただし、エッジ終端領域130におけるGaN層16の内部の構造は、活性領域110と異なる。
エッジ終端領域130のGaN層16は、ドリフト領域22、上部拡散領域34、第1ドープ領域35、第2ドープ領域36、側部拡散領域37、埋込領域38および下部拡散領域39を有する。なお、本例において、第1ドープ領域35、第2ドープ領域36および埋込領域38は、Mgをイオン注入した領域である。これに対して、上部拡散領域34、側部拡散領域37および下部拡散領域39は、イオン注入した後の熱処理により形成された領域である。熱処理において、埋込領域38はp型領域となってよく、第1ドープ領域35、第2ドープ領域36、上部拡散領域34、側部拡散領域37および下部拡散領域39はp型またはp型領域となってよい。
上部拡散領域34は、埋込領域38上に直接接して設けられる。X‐Y平面において、第2ドープ領域36、第1ドープ領域35および上部拡散領域34の順にGaN層16の側端部に近い。第1ドープ領域35は、第2ドープ領域36と上部拡散領域34との間に位置する。側部拡散領域37は、埋込領域38の側部に位置し、深さ方向において第1ドープ領域35と下部拡散領域39との間に位置する。下部拡散領域39は、埋込領域38の底部に接して底部の下に位置する。
本例のエッジ終端領域130は、ガードリング構造74およびJTE(Junction Termination Extension)構造78を有する。本例においては、上部拡散領域34、側部拡散領域37、埋込領域38、下部拡散領域39および電極58が、ガードリング構造74を構成する。エッジ終端領域130は、互いに離間した複数のガードリング構造74を有してもよい。
電極58は、上部拡散領域34上に直接接して設けられる。電極58、上部拡散領域34、側部拡散領域37、埋込領域38および下部拡散領域39は、活性領域110をX‐Y平面において囲むようにリング状に設けられてよい。電極58は、接地電位を有してもよい。ガードリング構造74があることにより、ゲートオフ状態での空乏層がGaN層16の側端部に広がり易くなる。これにより、ガードリング構造74が無い場合に比べて縦型MOSFET100の耐圧を向上させることができる。
第1ドープ領域35および第2ドープ領域36は、JTE構造78を構成する。本例において、第2ドープ領域36のMg濃度は、第1ドープ領域35のMg濃度よりも低い。Mg濃度が低いほど空乏化する範囲が広くなる。GaN層16の側端部に近い第2ドープ領域36のMg濃度を相対的に低濃度とすることにより、ゲートオフ状態での空乏層が外側に広がり易くなる。これにより、JTE構造78が無い場合に比べて縦型MOSFET100の耐圧を向上させることができる。
図3は、図2のC‐C断面における、Mg濃度分布および残留欠陥分布を示す図である。C‐C断面は、ベース領域23(特に、チャネル形成領域24)、埋込領域28、下部拡散領域29および下部領域22‐Bを通るX‐Z平面に平行な断面である。
上側のグラフがMg濃度分布であり、下側のグラフが残留欠陥分布である。本例において、Mg濃度分布は、熱処理後のMg濃度分布を意味する。Mg濃度分布において、縦軸はMg濃度[cm−3]であり、横軸は深さ[nm]である。また、本例において、残留欠陥分布は、熱処理後における残留欠陥濃度の分布を意味する。それゆえ、縦軸は残留欠陥濃度[cm−3]であり、横軸は深さ[nm]である。残留欠陥は、例えば点欠陥である。
本例において、埋込領域28は、予め定められた深さ位置にp型不純物濃度分布のピークを有する。また、埋込領域28は、予め定められた深さ位置に残留欠陥濃度のピークを有する。本例において、埋込領域28におけるp型不純物濃度分布のピーク深さ位置と残留欠陥濃度のピーク深さ位置とは一致する。つまり、所定の深さ位置にMgイオンがイオン注入されるので、この所定の深さ位置においてMg濃度分布および残留欠陥分布は極大値を有する。
ベース領域23におけるp型不純物濃度は、GaN層16の深さ方向と平行な方向において、埋込領域28の上端から表面14に向けて徐々に低下してよい。なお、図3における埋込領域28の上端および下端を、破線で示す。埋込領域28からベース領域23にp型不純物が熱拡散することに起因して、p型不純物がZ軸の正方向において徐々に低下してよい。
同様に、ベース領域23における残留欠陥濃度は、GaN層16の深さ方向と平行な方向において、埋込領域28の上端から表面14に向けて徐々に低下してよい。埋込領域28からベース領域23にp型不純物が熱拡散することに起因して、欠陥も同様に熱拡散してよい。これにより、残留欠陥濃度がZ軸の正方向において徐々に低下してよい。なお、不純物濃度または欠陥濃度がZ軸方向において徐々に低下するとは、不純物濃度または欠陥濃度がZ軸方向において単調減少であることを意味してよい。
このように、本例のMg濃度分布および残留欠陥分布は、埋込領域28の上端から表面14に向けてテール領域を有する。詳細については、後述するが、チャネル形成領域24を埋込領域28の熱処理(特に、急速加熱処理)により形成することにより、低Mg濃度かつ低欠陥濃度のチャネル形成領域24を形成することができる。
また、GaN層16の深さ方向と平行な方向において、下部拡散領域29におけるp型不純物濃度は、埋込領域28の下端からGaN基板10に向けて徐々に低下してよい。埋込領域28からドリフト領域22の下部領域22‐Bにp型不純物が熱拡散することに起因して、p型不純物がZ軸の負方向において徐々に低下してよい。
さらに、下部拡散領域29における残留欠陥濃度は、GaN層16の深さ方向と平行な方向において、埋込領域28の下端からGaN基板10に向けて徐々に低下してよい。つまり、埋込領域28からドリフト領域22にp型不純物が熱拡散することに起因して、欠陥も同様に熱拡散してよい。これにより、残留欠陥濃度がZ軸の負方向において徐々に低下してよい。
本例においては、相対的に残留欠陥濃度が高い埋込領域28と下部領域22‐Bとでpn接合を形成するのではなく、相対的に残留欠陥濃度が低い下部拡散領域29と下部領域22‐Bとでpn接合を形成する。それゆえ、本例では、埋込領域28と下部領域22‐Bとでpn接合を形成する場合に比べて、逆バイアス時のリーク電流が少ない良好な空乏層を下部拡散領域29と下部領域22‐Bとにより形成することができる。
図4は、縦型MOSFET100の製造工程を示すフロー図である。本例の製造工程は、段階S210からS300の順に(即ち、番号の小さい順に)行われる。
図5Aは、段階S210を示す図である。段階S210においては、GaN基板10上にGaN層16をエピタキシャル形成する。本例の段階S210においては、有機金属成長法(MOCVD)またはハライド気相成長法(HVPE)等によりn型のGaN基板10上にn型のGaN層16をエピタキシャル形成する。エピタキシャル形成されたGaN層16は、1E+15cm−3以上5E+16cm−3以下のSiを有してよい。なお、Eは10の冪を表す。例えば、1E+15は、1×1015を意味する。GaN層16の厚み(即ち、境界12から表面14までの長さ)は、耐圧に応じて変えてよいが、例えば1μm以上50μm以下である。
図5Bは、段階S220を示す図である。本例の段階S220においては、第1ドープ領域35を形成するべく、エッジ終端領域130の一部にMgをイオン注入する。本例の段階S220においては、エッジ終端領域130の一部に開口を有するマスク80‐1を介してGaN層16にMgをイオン注入する。マスク80は、GaN層16に対して選択的に除去可能な二酸化シリコン(SiO)マスクまたはフォトレジストマスクであってよい。
イオン注入の加速エネルギーは、注入深さに応じて変えてよい。なお、加速エネルギーは、加速電圧に比例する。加速電圧が大きいほど不純物のエネルギーを大きくすることができる。加速電圧が大きいほど、注入深さが深くなる。
本例では、加速電圧10、20、40、70、110、150および200(単位は全てkeV)、ならびに、ドーズ量1E+12cm−2以上1E+14cm−2以下の多段注入によりMgをGaN層16にイオン注入する。注入深さは、表面14から0.4μmの範囲であってよい。イオン注入後に、マスク80‐1は除去してよい。他の工程においてもイオン注入後にマスク80は除去してよい。
図5Cは、段階S225を示す図である。本例の段階S225においては、第2ドープ領域36を形成するべく、エッジ終端領域130の他の一部にMgをイオン注入する。より具体的には、第1ドープ領域35に対してY軸正方向に隣接するエッジ終端領域130の他の一部に開口を有するマスク80‐2を介してGaN層16にMgをイオン注入する。段階S225における加速電圧および注入深さは段階S220と同じであるが、段階S225におけるドーズ量は段階S220よりも小さくてよい。これにより、第2ドープ領域36のMg濃度を、第1ドープ領域35よりも低くする。なお、他の例においては、先に段階S225を実行し、その後に段階S220を実行してもよい。
図5Dは、段階S230を示す図である。段階S230においては、活性領域110の埋込領域28およびエッジ終端領域130の埋込領域38を形成するべく、GaN層16の予め定められた深さ位置にMgをイオン注入する。本例の段階S230においては、埋込領域28および埋込領域38をイオン注入により同時に形成する。本例では、マスク80‐3を介して、加速電圧250keV以上500keV以下、ならびに、ドーズ量1E+14cm−2以上1E+15cm−2以下の条件でMgをGaN層16にイオン注入する。注入深さは、表面14から0.3μm以上0.5μm以下の範囲であってよい。
なお、上記の加速電圧およびドーズ量は、埋込領域28および埋込領域38を形成するための必要最低限の条件である。段階S230は、上記条件以外の加速電圧およびドーズ量でのイオン注入をさらに含んでもよい。段階S230のイオン注入は、多段注入としてもよい。つまり、段階S230のイオン注入は、所定の条件における一回のイオン注入ではなく、異なる加速電圧およびドーズ量による複数回のイオン注入であってもよい。これにより、埋込領域28および埋込領域38の厚みを制御することができる。
図5Eは、段階S240を示す図である。本例の段階S240においては、GaN層16の表面14上の全面に第1のキャップ層85‐1を形成する。なお、本例においては、GaN基板10、GaN層16およびキャップ層85の積層を積層体90と称する場合がある。
キャップ層85は、熱処理中においてGaN層16から窒素原子が放出されることを防ぐ機能を有してよい。窒素原子がGaN層16から放出された位置には窒素空孔が形成される。窒素空孔は、ドナー型欠陥として機能し得るので、p型特性の発現が阻害される可能性がある。本例においてはこれを防ぐべく、GaN層16の表面14に直接接するキャップ層85を設ける。
キャップ層85は、耐熱性が高く、表面14と良好な密着性を有し、キャップ層85からGaN層16へ不純物が拡散せず、かつ、GaN層16に対して選択的に除去可能であることが望ましい。キャップ層85の耐熱性が高いとは、1100℃以上1400℃以下の温度で熱処理された場合においてもキャップ層85にピット(貫通開口)が形成されない程度に、キャップ層85が実質的に分解しないことを意味する。
本例のキャップ層85は、AlN層であるが、二酸化シリコン(SiO)層または窒化シリコン(SiN)層であってもよい。ただし、SiまたはOがGaN層16へ拡散する可能性を排除するべくAlN層の方が望ましい。なお、キャップ層85は、AlN層上にさらにSiO層、SiN層およびGaN層の1以上を積層してもよい。この場合において、AlN層はn型不純物の拡散防止層としても機能してよい。
図5Fは、段階S250を示す図である。本例の段階S250においては、熱処理装置150を用いて、1300℃以上1400℃以下の温度で積層体90‐1を熱処理する。なお、後述するように、段階S250は急速加熱処理である。
段階S250の熱処理により、埋込領域28からMgを熱拡散させて、各々p型またはp型のベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29を形成する。同様に、埋込領域38からMgを熱拡散させて、上部拡散領域34、側部拡散領域37および下部拡散領域39を形成する。また、埋込領域28および埋込領域38中の不純物を活性化し、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
図5Gは、段階S260を示す図である。本例の段階S260は、コンタクト領域25を形成するべく、Mgをイオン注入する段階である。本例では、マスク80‐4を介して、加速電圧10、20、40、70、110、150および200(単位は全てkeV)、ならびに、ドーズ量1E+15cm−2以上1E+16cm−2以下の多段注入により、Mgを活性領域110のGaN層16にイオン注入する。注入深さは、表面14から0.05μm以上0.1μm以下の範囲であってよい。イオン注入後に、マスク80‐4は除去してよい。
図5Hは、段階S265を示す図である。本例の段階S265においては、埋込領域28よりも上の領域にソース領域26を形成するべく、GaN層16にn型不純物をイオン注入する。本例では、マスク80‐5を介して、加速電圧10、20、40、70、110および150(単位は全てkeV)、ならびに、ドーズ量1E+15cm−2以上1E+16cm−2以下の多段注入により、Siを活性領域110のGaN層16にイオン注入する。
図5Iは、段階S270を示す図である。本例の段階S270においては、第2のキャップ層85‐2を形成する。第2のキャップ層85‐2は、第1のキャップ層85‐1と同じ材料および構成であってよい。第2のキャップ層85‐2も、GaN層16の表面14上の全面に形成する。これにより積層体90‐2を形成する。
図5Jは、段階S280を示す図である。本例の段階S280においては、熱処理装置150を用いて、段階S250よりも低い温度で積層体90‐2を熱処理する。段階S280の熱処理は、急速加熱処理でなくてよい。段階S280では、1100℃以上1200℃以下の温度で5分、積層体90‐2を熱処理してよい。これにより、コンタクト領域25およびソース領域26中の不純物を活性化し、イオン注入により生じた欠陥をある程度回復することができる。
本例においては、熱処理を段階S250および段階S280の二回に分けて行うが、他の例においては、一回の熱処理で段階S250および段階S280の熱処理を実行してもよい。当該他の例においては、本例の段階S230、段階S260および段階S265を実行し、その後に、段階S240および段階S250を実行する。これにより、本例の段階S270および段階S280を省略することができるので、製造工程数、製造時間および製造費用の点で有利である。
図5Kは、段階S290を示す図である。本例の段階S290においては、少なくとも表面14に露出するベース領域23を覆うゲート絶縁膜42を形成する。まず、化学気相成長法(CVD)により絶縁膜を形成して、その後フォトリソグラフィーおよびエッチング工程を経て当該絶縁膜を所定形状に成形する。これにより、ゲート絶縁膜42を形成してよい。ゲート絶縁膜42は、100nmの厚みを有してよい。ゲート絶縁膜42は、SiO膜であってよく、酸化アルミニウム(Al)膜であってもよい。
図5Lは、段階S300を示す図である。本例の段階S300においては、ゲート電極44、ソース電極54、ドレイン電極56、電極58および保護膜70を形成する。保護膜70は、パッシベーション膜である。ゲート電極44、ソース電極54、電極58およびドレイン電極56は、スパッタリング、フォトリソグラフィーおよびエッチング等を経て形成されてよい。
保護膜70は、エッジ終端領域130において表面14に露出するGaN層16を被覆してよい。これにより、表面14から不純物が入り込むことを防ぐことができる。本例の保護膜70は、SiO膜である。また、本例では、ゲート電極44上に層間絶縁膜を形成し、ゲート電極44に電気的に接続するゲートパッド112を形成する。これにより、縦型MOSFET100が完成する。
図6は、段階S250における熱処理温度の時間変化を示す図である。縦軸は温度[℃]であり、横軸は時間である。段階S250の熱処理は、急速加熱処理である。本例の急速加熱処理においては、目的とする温度での熱処理時間が、数十秒以上数分以下の短時間である。一例において、段階S250における熱処理では、1300℃以上の予め定められた温度で、10分未満の時間、積層体90‐1を加熱してよい。
時刻t0から時刻t1の間、積層体90‐1が配置された熱処理装置150の熱処理炉内部の温度を数百℃/分で昇温させてよい。これにより、予め定められた温度に達するまで、積層体90‐1を数百℃/分の昇温速度で加熱する。本例においては、1分間当たり200℃以上400℃以下の温度で、熱処理炉内部の温度を昇温させる。本例では、このように急速加熱することにより、後述するように欠陥のクラスターにp型不純物が補足されることを抑制することができる。
その後、時刻t1から時刻t2の間、熱処理炉内部の温度を一定の温度に維持してよい。ただし、一定の温度は±25℃程度の揺れを含んでもよい。本例においては、熱処理炉内部の温度を1300℃以上1400℃未満の所定温度で5分間、または、熱処理炉内部の温度を1400℃で30秒間維持する。その後、時刻t2から時刻t3の間、熱処理炉内部の温度を数百℃/分で降温させてよい。これにより、段階S250の急速加熱処理を完了する。
本例においては、1300℃以上1400℃以下の高温で熱処理することにより、埋込領域28および埋込領域38のMgを熱拡散させることができる。なお、本願の発明者の知見によれば、1100℃程度の温度では、埋込領域28および埋込領域38からMgは熱拡散しないと考えられる。
また、本例においては、数十秒以上数分以下の短時間で積層体90‐1を急速加熱処理する。これに対して、700℃以上1100℃以下の所定の温度で、1時間程度の長時間に渡って積層体90‐1を熱処理すると、GaN層16中の欠陥が凝集してクラスター(cluster)を形成する恐れがある。GaN層16における欠陥は、ガリウム(Ga)空孔であるVGa、および、窒素(N)空孔であるVがある。また、GaN層16における欠陥のクラスターには、1つのVGaおよび1つのVからなる複合欠陥であるVGa、1つのVGaおよび2つのVからなる複合欠陥VGa(V等がある。
欠陥のクラスターにp型不純物が一旦補足されると、クラスターからp型不純物が脱出するのは困難となる。これにより、p型不純物の熱拡散が阻害されるので、熱拡散によりp型またはp型のベース領域23等の形成が困難になる。これに対して、本例においては、積層体90‐1を急速加熱処理するので、p型不純物がクラスターに補足される前に、p型不純物を熱拡散することができる。
図7は、熱処理装置150の概要を示す図である。段階S250および段階S280においては、熱処理装置150を用いて熱処理してよい。本例の熱処理装置150は、制御部160、電源部170、熱処理炉200、シャッタ部210、および昇降部220を有する。図7中のZ軸方向は、図1〜図6のZ軸方向と同じである。
本例の熱処理炉200は、電気熱処理炉である。制御部160は、電源部170に制御信号を送ることにより、熱処理炉200へ投入する電力を制御する。これにより、制御部160は、熱処理炉200内部の温度を決定することができる。制御部160は、時間に対して投入電力を一定にしてよく、時間に対して投入電力を増加または減少させてもよい。
熱処理炉200は、Z軸方向に所定の温度分布を有してよい。熱処理炉200に電力が投入されている場合に、熱処理炉200内部の温度分布はZ軸の正方向に行くほど高くなってよい。説明の便宜上、熱処理炉200内部において、積層体90が配置可能である最も上部の位置をP1とし、最も下部の位置をP4とする。P4からP1に向かうにつれて、熱処理炉200内部の温度は高くなってよい。
本例の熱処理装置150は、積層体90の位置(例えば、P1〜P4)に応じて積層体90の熱処理温度を制御する。例えば、位置P4において積層体90の温度は1100℃であり、位置P3において積層体90の温度は1200℃である。また、位置P2において積層体90の温度は1300℃であり、位置P1において積層体90の温度は1400℃である。
制御部160は、シャッタ部210の開閉を制御してよい。シャッタ部210は、シャッタ214および駆動部212を有する。駆動部212は、制御部160からの指令に応じてシャッタ214を開閉する。
制御部160は、昇降部220における駆動部180の動作も制御してよい。駆動部180は、ステージ182をZ軸方向に対して平行に移動させる。これにより、トレイ184および積層体90は、Z軸方向に移動することができる。トレイ184はステージ182におけるZ軸の正方向の端部に設けられ、積層体90はトレイ184上に載置される。
シャッタ214が開状態の場合に、トレイ184はZ軸方向において熱処理炉200を出入りしてよい。また、シャッタ214が閉状態の場合に、トレイ184は、熱処理炉200の内部において静止してよく、熱処理炉200の内部においてZ軸方向に移動してもよい。
段階S250および段階S280の熱処理の具体的な手順は、例えば以下のようになる。まず、シャッタ214を開状態とする。その後、積層体90が載置されたトレイ184を熱処理炉200の内部に位置させる。その後、シャッタ214を閉状態とする。その後、目的とする温度に応じたZ軸方向の位置(例えば、P1〜P4)に、所定時間、積層体90を位置させることにより積層体90を熱処理する。
段階S250の熱処理においては、位置P2以上位置P1以下の所定の位置において積層体90を1300℃以上1400℃以下の温度で熱処理する。また、段階S280の熱処理においては、位置P4以上位置P3以下の所定の位置において積層体90を1100℃以上1200℃以下の温度で熱処理する。なお、熱処理する際に、熱処理炉200の内部に窒素(N)およびアンモニア(NH)を含むガスを充填してもよい。熱処理後、シャッタ214を開状態として、積層体90およびトレイ184を駆動部212へ移動させる。
図8は、第2実施形態における縦型MOSFET100の製造工程を示すフロー図である。第2実施形態においては、段階S265において形成されるベース領域23、側部拡散領域27および下部拡散領域29のY軸方向の範囲が、第1実施形態よりも広い。また、第2実施形態は、段階S265と段階S270との間にS268をさらに有する。係る点において、第1実施形態と異なり、その他の点は第1実施形態と同じである。
図9Aは、段階S265を示す図である。段階S265は、GaN層16にn型不純物をイオン注入する段階である。ただし、本例においては、積層体90‐1を熱処理することによりベース領域23等を形成したことに起因して、ドリフト領域22の上部領域22‐Tが消滅している。つまり、ベース領域23‐1およびベース領域23‐2が、Y軸方向において互いに接続している。なお、側部拡散領域27‐1および側部拡散領域27‐2、ならびに、下部拡散領域29‐1および下部拡散領域29‐2も、Y軸方向において互いに接続している。
図9Bは、段階S268を示す図である。本例の段階S268においては、マスク80‐6を介して、上部領域22‐Tのn型不純物濃度が下部領域22‐Bのn型不純物濃度よりも高くなるように、上部領域22‐TにSiをイオン注入する。
本例の段階S265のように線対称軸60にまでp型不純物が熱拡散してn型の上部領域22‐Tが消滅した場合、縦型MOSFET100のオン動作ができなくなる。また、上部領域22‐Tが消滅しなくても、Y軸方向の幅が狭くなった場合には、縦型MOSFET100のオン抵抗が上昇する。そこで、本例においては、動作不良またはオン抵抗の上昇を防ぐべく、線対称軸60の近傍かつ下部拡散領域29の下端よりも上の領域にn型不純物をイオン注入する。これにより、線対称軸60の位置にまで拡散したp型の拡散領域をカウンタードープする。カウンタードープ後に熱処理することにより、n型の上部領域22‐Tを形成する。
カウンタードープによりn型の上部領域22‐Tを形成する場合に、上部領域22‐Tのn型不純物濃度は、下部領域22‐Bのn型不純物濃度よりも高くてよい。つまり、上部領域22‐Tには、エピタキシャル形成された時点のn型不純物濃度に加えて、カウンタードープによってさらにn型不純物が追加されてよい。これにより、チャネル形成領域24に接するドリフト領域22を確保するので、カウンタードープしない場合に比べてオン抵抗の上昇を防ぐことができる。
カウンタードープによりn型の上部領域22‐Tを形成する場合に、上部領域22‐Tのn型不純物濃度分布は、深さ方向においてn型不純物濃度分布が平坦な領域を有するBOX型プロファイルであってよい。
これに代えて、上部領域22‐Tのn型不純物濃度分布は、深さ方向においてピークを有してもよい。ピークの深さ位置は、埋込領域28が設けられる深さ範囲内の特定の深さに位置してよい。埋込領域28が設けられる深さ範囲は、上部領域22‐Tにおいてp型不純物が比較的高いと考えられる。ピークを設ける例においては、上部領域22‐Tを深さ方向全体において比較的高濃度にする場合と比較して、埋込領域28が設けられる深さ範囲にn型不純物濃度分布のピークを設けることにより、埋込領域28の深さ方向における実質的なキャリア濃度を一定にすることができる。
本例においては側部拡散領域27が残存するが、他の例においては本例よりもマスク80‐6の開口を拡張させてイオン注入することにより側部拡散領域27を消滅させてもよい。また、さらなる他の例においては、段階S250の前に段階S268のイオン注入を実行することにより、熱処理前に予め上部領域22‐Tに対応する領域のn型不純物濃度を高くしておいてもよい。
なお、第2実施形態においては、積層体90‐1を熱処理する段階(S250)の後に上部領域22‐Tにn型不純物をイオン注入する(S268)。しかしながら、積層体90‐1を熱処理する段階(S250)の「前」に上部領域22‐Tに対応する領域にn型不純物をイオン注入してもよい。つまり、熱処理する段階(S250)の前に、上部領域22‐Tに対応する領域に所定濃度のn型不純物をイオン注入してよい。所定濃度は、p型不純物の拡散の程度を考慮して定めてよい。上部領域22‐Tに対応する領域のn型不純物濃度を予め相対的に高くしておくことにより、熱処理する段階(S250)の直後に上部領域22‐Tが消滅することを防ぐことができる。
なお、第1実施形態において述べたように、第2実施形態の他の例においても、熱処理を段階S250および段階S280の二回に分けずに、一回の熱処理で段階S250および段階S280の熱処理を実行してもよい。当該他の例においては、本例の段階S230、段階S260、段階S265および段階S268を実行し、その後に、段階S240および段階S250を実行する。これにより、本例の段階S270および段階S280を省略することができるので、製造工程数、製造時間および製造費用の点で有利である。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
10・・GaN基板、12・・境界、14・・表面、16・・GaN層、17・・境界、18・・裏面、22・・ドリフト領域、22‐T・・上部領域、22‐B・・下部領域、23・・ベース領域、24・・チャネル形成領域、25・・コンタクト領域、26・・ソース領域、27・・側部拡散領域、28・・埋込領域、29・・下部拡散領域、34・・上部拡散領域、35・・第1ドープ領域、36・・第2ドープ領域、37・・側部拡散領域、38・・埋込領域、39・・下部拡散領域、42・・ゲート絶縁膜、44・・ゲート電極、54・・ソース電極、56・・ドレイン電極、58・・電極、60・・線対称軸、70・・保護膜、74・・ガードリング構造、78・・JTE構造、80・・マスク、85・・キャップ層、90・・積層体、100・・縦型MOSFET、110・・活性領域、112・・ゲートパッド、114・・ソースパッド、130・・エッジ終端領域、150・・熱処理装置、160・・制御部、170・・電源部、180・・駆動部、182・・ステージ、184・・トレイ、200・・熱処理炉、210・・シャッタ部、212・・駆動部、214・・シャッタ、220・・昇降部

Claims (11)

  1. プレーナゲート型の窒化ガリウム半導体装置であって、
    前記窒化ガリウム半導体装置は、活性領域と、前記窒化ガリウム半導体装置の上面視において前記活性領域を囲んで設けられたエッジ終端領域とを有し、
    前記活性領域は、
    窒化ガリウム単結晶基板と、
    前記窒化ガリウム単結晶基板上の窒化ガリウム層と、
    前記窒化ガリウム層中に設けられ、少なくとも一部が前記窒化ガリウム層の表面に露出する第1導電型の第1のソース領域と、
    前記第1のソース領域の底部よりも下において前記窒化ガリウム層中に設けられ、第2導電型の不純物を有する、第1の埋込領域と、
    前記表面と平行な方向において前記第1のソース領域に隣接し、前記第1の埋込領域上に設けられ、少なくとも一部が前記表面に露出する第2導電型の第1のベース領域と、
    前記第1のベース領域よりも上方に設けられたゲート電極と
    を備え、
    前記エッジ終端領域は、前記窒化ガリウム単結晶基板と、前記窒化ガリウム層とを備え、
    前記エッジ終端領域は、前記窒化ガリウム層において、第3の埋込領域と、前記第3の埋込領域上に接して設けられる上部拡散領域とを有し、
    前記窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、前記第1のベース領域における第2導電型不純物濃度は、前記第1の埋込領域の上端から前記表面まで徐々に低下する単調減少であり
    前記窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、前記上部拡散領域における第2導電型不純物濃度は、前記第3の埋込領域の上端から前記表面まで徐々に低下する単調減少である
    窒化ガリウム半導体装置。
  2. 前記第1の埋込領域は、予め定められた深さ位置に第2導電型不純物濃度分布のピークを有する
    請求項1に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  3. 前記第1の埋込領域の下に直接接し、前記第1の埋込領域と前記窒化ガリウム単結晶基板との間に設けられ、前記第1の埋込領域よりも低い第2導電型不純物濃度を有する第1の下部拡散領域をさらに備え、
    前記窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、前記第1の下部拡散領域における前記第2導電型不純物濃度は、前記第1の埋込領域の下端から前記窒化ガリウム単結晶基板に向けて徐々に低下する
    請求項1または2に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  4. 前記窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、前記第1のベース領域における残留欠陥濃度は、前記第1の埋込領域の上端から前記表面に向けて徐々に低下する
    請求項1から3のいずれか一項に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  5. 前記第1の埋込領域は、予め定められた深さ位置に残留欠陥濃度のピークを有する
    請求項1から4のいずれか一項に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  6. 前記窒化ガリウム半導体装置の断面視において、前記窒化ガリウム層は、
    前記深さ方向と平行な方向に延びる線対称軸に対して前記第1の埋込領域に対応する第2の埋込領域と、
    前記線対称軸に対して前記第1のベース領域に対応する第2のベース領域と、
    前記第1のベース領域および前記第1の埋込領域と前記第2のベース領域および前記第2の埋込領域との間に設けられた第1導電型の上部領域と、前記上部領域と前記窒化ガリウム単結晶基板との間に設けられた第1導電型の下部領域とを含む、ドリフト領域と
    を更に備え、
    前記上部領域の第1導電型不純物濃度は、前記下部領域の第1導電型不純物濃度よりも高い
    請求項1から5のいずれか一項に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  7. 前記表面は、前記第1のソース領域の上端と、前記第1のベース領域の上端と、前記ドリフト領域における前記上部領域の上端とを含み、
    前記第1のソース領域の前記上端と、前記第1のベース領域の前記上端と、前記ドリフト領域における前記上部領域の前記上端とは、一つの平面を構成する
    請求項6に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  8. 前記窒化ガリウム単結晶基板は、低転位自立型基板である
    請求項1から7のいずれか一項に記載の窒化ガリウム半導体装置。
  9. 活性領域と、上面視において前記活性領域を囲んで設けられたエッジ終端領域とを有するプレーナゲート型の窒化ガリウム半導体装置を製造する方法であって、
    窒化ガリウム単結晶基板上に窒化ガリウム層を形成する段階と、
    前記窒化ガリウム層の予め定められた深さ位置に、前記活性領域における第1の埋込領域と前記エッジ終端領域における第3の埋込領域を形成するべく、第2導電型不純物をイオン注入する段階と、
    前記窒化ガリウム単結晶基板および前記窒化ガリウム層を熱処理することにより、第2導電型の第1のベース領域と、第2導電型の上部拡散領域を形成する段階と、
    前記窒化ガリウム層のうち前記予め定められた深さ位置よりも上の領域に第1のソース領域を形成するべく、前記窒化ガリウム層に第1導電型不純物をイオン注入する段階と、
    前記第1のベース領域よりも上方にゲート電極を形成する段階と
    を備え、
    前記第1のベース領域を形成する段階の後において、
    前記第1のベース領域は、前記窒化ガリウム層の表面と平行な方向において前記第1のソース領域に隣接し、前記第1の埋込領域上に位置し、少なくとも一部が前記表面に露出しており、
    前記窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、前記第1のベース領域における第2導電型不純物濃度は、前記第1の埋込領域の上端から前記表面に向けて徐々に低下しており、
    前記上部拡散領域は、前記第3の埋込領域上に接して設けられ、
    前記窒化ガリウム層の深さ方向と平行な方向において、前記上部拡散領域における第2導電型不純物濃度は、前記第3の埋込領域の上端から前記表面に向けて徐々に低下しており、
    前記熱処理は、前記予め定められた温度に達するまで、前記窒化ガリウム層を数百℃/分の昇温速度で加熱し、1300℃以上の予め定められた温度で、10分未満の時間、前記窒化ガリウム層を加熱する急速加熱処理である
    化ガリウム半導体装置の製造方法。
  10. 前記窒化ガリウム半導体装置の断面視において、前記窒化ガリウム半導体装置は、
    前記深さ方向と平行な方向に延びる線対称軸に対して前記第1の埋込領域に対応する第2の埋込領域と、
    前記線対称軸に対して前記第1のベース領域に対応する第2のベース領域と、
    前記第1のベース領域および前記第1の埋込領域と前記第2のベース領域および前記第2の埋込領域との間に設けられた第1導電型の上部領域と、前記上部領域と前記窒化ガリウム単結晶基板との間に設けられた第1導電型の下部領域とを含む、ドリフト領域と
    を更に備え、
    前記窒化ガリウム半導体装置の製造方法は、
    前記上部領域の第1導電型不純物濃度が前記下部領域の第1導電型不純物濃度よりも高くなるように、前記上部領域に第1導電型の不純物をイオン注入する段階をさらに備える
    請求項に記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
  11. 前記上部領域に第1導電型の不純物をイオン注入する段階は、前記窒化ガリウム単結晶基板および前記窒化ガリウム層を熱処理することにより前記第1のベース領域および前記第2のベース領域を形成する段階の前または後である
    請求項10に記載の窒化ガリウム半導体装置の製造方法。
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