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JP6301823B2 - 磁気検知装置 - Google Patents

磁気検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、磁気センサと回路とを搭載したセンサ基板の接合面に、マザー基板に接合するための複数の接合ポイントが設けられている磁気検知装置に関する。
特許文献1に半導体装置が記載されている。この半導体装置は、集積回路を搭載した半導体チップの表面に薄膜磁気素子であるセンサ素子が形成されており、前記半導体チップに複数のパッド電極が設けられている。それぞれのパッド電極に半田ボールが形成され、半田ボールが実装基板の搭載面に接合されて、半導体装置が実装基板に実装される。そして、センサ素子が、パッド電極と厚さ方向で重ならないように配置されて、バンプ電極に集中する応力がセンサ素子に与える影響を軽減できるようにしている。
特許文献2に記載された半導体装置は、半導体基板に各種回路が搭載されているとともに、磁気センサとしてホール素子が搭載されている。この半導体装置も、半田ボールで形成されたコンタクト用ピンと、ホール素子とが重ならないように配置されている。
特開2005−277034号公報 特開2012−54339号公報
特許文献1に記載された半導体装置では、薄膜磁気素子であるセンサ素子がパッド電極の外側に配置されている。センサ素子とパッド電極は厚さ方向に重なってはいないが、センサ素子が半導体チップの縁とパッド電極との間の狭い領域に配置されているため、センサ素子とパッド電極とが接近することになり、パッド電極に集中する応力がセンサ素子に与える影響を確実に排除できるものではない。
特許文献2に記載された半導体装置は、コンタクト用ピンが、半導体基板の長手方向に沿って2列に配列して、ホール素子が2つの列に挟まれる位置に配置されている。半導体装置が実装基板に半田付けされると、それぞれのコンタクト用ピンに応力が集中する。特許文献2に記載されたものでは、コンタクト用ピンが長手方向に列を成して配列しているので、それぞれのコンタクト用ピンに集中する応力を長さ方向に分散することが可能であるが、長手方向と直交する短幅方向では、ホール素子の両側にコンタクト用ピンが接近して配置されているため、前記応力を短幅方向へ効果的に分散することができず、応力がホール素子に影響を与えるのを軽減することが困難である。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、マザー基板との接合ポイントに作用する応力が磁気センサに影響を与えにくい構造の磁気検知装置を提供することを目的としている。
本発明は、磁気センサと回路とを搭載したセンサ基板が接合面を有し、前記接合面に、マザー基板に接合される複数の接合ポイントが設けられている磁気検知装置において、
前記接合ポイントは、X方向に間隔を空けてY方向に延びる少なくとも2列の縦列と、Y方向に間隔を空けてX方向に延びる少なくとも2列の横列とに沿って配列し、前記磁気センサが、2つの前記縦列の間で且つ2つの前記横列の間であって、いずれの前記接合ポイントとも重ならない位置に配置され、
前記磁気センサが長尺形状の磁気抵抗効果素子であり、
X方向に間隔を空けて配置された前記接合ポイントの中心間を結ぶ応力伝達線と、Y方向に間隔を空けて配置された接合ポイントの中心間を結ぶ応力伝達線のいずれもが、前記磁気抵抗効果素子を長手方向に横断しない位置で、かつ、前記磁気抵抗効果素子を短幅方向に横断する位置に配置されていることを特徴とするものである。
本発明の磁気検知装置は、前記センサ基板が、前記回路を搭載するIC基板である。
本発明は、センサ基板の接合面に接合ポイントが縦列と横列に並んでおり、縦列と縦列との間および横列と横列との間の領域に磁気センサを配置したことにより、磁気センサの配置領域が複数の接合ポイントに囲まれることになる。接合ポイントに応力が集中したときに、この応力が、磁気センサの配置領域に対してX方向とY方向の双方に対して分散して作用することになるため、磁気センサが過大な応力が作用するのを防止できるようになる。
また、磁気センサとして長尺形状の磁気抵抗効果素子が使用されるときには、接合ポイントの中心間を通る応力伝達線が、磁気抵抗効果素子を長手方向へ横断しないように配置することによって、磁気抵抗効果素子に対する応力の影響を軽減することが可能になる。
本発明の実施の形態の磁気検知装置の側面図、 図1に示す磁気検知装置の底面図、 磁気検知装置の部分断面図、 磁気検知装置の接合ポイントと磁気センサとの配置を示す底面図、 図4の一部拡大図、 本発明の実施の形態の磁気検知装置がマザー基板に取り付けられた状態を示す側面図、 磁気検知装置に作用する熱応力の影響を示す説明図、 基板から磁気検知装置に作用する応力の影響を示す説明図、
図1と図2に示す磁気検知装置1は、センサ基板2を有している。図3にセンサ基板2の断面図が示されているが、このセンサ基板2はIC基板(ICチップ)であり、内部に導電層や電子素子が多層に積層されて搭載されており、これら導電層と電子素子とでASICとして機能する集積回路が構成されている。
図2に示すように、磁気検知装置1を下面側から見たときのセンサ基板2の形状は正方形である。センサ基板2は、X方向に対向する縁部2x,2xと、Y方向に対向する縁部2y,2yを有している。
図3の断面図に示すように、センサ基板2は平面状の接合面2aを有している。接合面2aには、集積回路(ASIC)のための配線層3が形成されており、その表面が絶縁層4で覆われ、絶縁層4の表面に磁気センサ10が形成されている。磁気センサ10の表面が絶縁層5で覆われて、絶縁層5の上に再配線層6が形成されている。
図2と図4に示すように、磁気検知装置1の底部の8か所に接合ポイント20が設けられている。図4には、前記再配線層6の形状が実線で示されている。図3に示すように、再配線層6は厚めの表面絶縁層7で覆われている。表面絶縁層7には、フォトリソ工程で、断面が円形の接合穴7aが形成され、接合穴7aの内部に、再配線層6を電極とする電界メッキが施されて銅のメッキポスト21が形成されている。表面絶縁層7の表面7bとメッキポスト21の先端面21aとが同一面に加工され、メッキポスト21の先端面21aに半田ボール22が形成されて、メッキポスト21と半田ボール2とで接合ポイント20が構成されている。
図2と図4に示すように、磁気検知装置1を下面側から見た状態で、8か所の接合ポイント20は、X方向に間隔を空けてY方向に延びる2つの縦列Y1,Y2と、Y方向に間隔を空けてX方向に延びる2つの横列X1,X2に沿って配列している。接合ポイント20は、縦列Y1,Y2のそれぞれに沿って直線的に3か所で並んでおり、横列X1,X2のそれぞれに沿って直線的に3か所で並んでいる。縦列Y1,Y2に並ぶ接合ポイント20は、センサ基板2の縁部2x,2xに接近した位置で縁部2x,2xに沿って直線状に並び、横列X1,X2に並ぶ接合ポイント20は、センサ基板2の縁部2y,2yに接近した位置で縁部2y,2yに沿って直線状に並んでいる。
図4に示すように、磁気センサ10は、縦列Y1と縦列Y2とで挟まれた領域で且つ横列X1と横列X2とで挟まれた領域に配置され、いずれも接合ポイント20と重ならないように配置されている。すなわち、磁気センサ10は、X方向とY方向において接合ポイント20に挟まれ、8か所の接合ポイント20で囲まれた領域に設けられている。
磁気センサ10は、X軸センサ10xとY軸センサ10yおよびZ軸センサ10zとから構成されている。図5には、X軸センサ10xの平面形状が拡大されて示されている。X軸センサ10xは複数の長尺形状の素子部11を有している。素子部11はGMR素子(巨大磁気抵抗効果素子)である。
GMR素子は、固定磁性層ならびに自由磁性層と、前記固定磁性層と自由磁性層との間に挟まれた非磁性導電層とを有している。固定磁性層は、CoFe合金(コバルト−鉄合金)などの軟磁性材料で形成された2つの層と、この2つの層の間に介在するRu(ルテニウム)層を有する積層フェリ構造である。固定磁性層のうちの非磁性導電層に接合されているCoFe合金は、その磁化がX方向に固定されている。自由磁性層は、NiFe合金(ニッケル−鉄合金)などの軟磁性材料で形成されている。自由磁性層はY方向へ長手方向が向く長尺形状であり、形状異方性によって、磁化がY方向へ向けて揃えられている。非磁性導電層はCu(銅)層である。
複数の素子部11の長手方向の端部は、隣り合うものどうしが接合電極12で接合されたいわゆるミアンダ形状であり、複数の素子部11が直列に接続されている。直列の素子部11の両端部に検知電極13a,13bが設けられており、検知電極13a,13bは、配線層3に接続されて、センサ基板2内の集積回路(ASIC)に導通している。
X軸センサ10xは、X方向に向く外部磁界が、固定磁性層の固定磁化の方向と同じ向きに与えられると、抵抗値が最小になり、外部磁化がX方向において固定磁化の方向と逆向きに与えられると、抵抗値が最大になる。
なお、X軸センサ10xは、X方向の幅寸法に比較してY方向の寸法が十分に長い素子部11を有していれば、ミアンダ形状に限られず、1本の帯形状のものであってもよい。
図4には、縦方向の応力伝達線Ycと横方向の応力伝達線Xcが示されている。応力伝達線Ycは、Y方向に対向する接合ポイント20の中心間を結んで磁気センサ10が配置されている中央領域を横断する仮想線であり、応力伝達線Xcは、X方向に対向する接合ポイントの中心間を結んで磁気センサ10が配置されている中央領域を横断する仮想線である。
図4と図5に示すように、X軸センサ10xは、長尺形状の素子部11が、縦方向の応力伝達線Ycと重ならない位置に配置されている。ただし、横方向の応力伝達線XcはX軸センサ10xを短幅方向に横断している。
Y軸センサ10yは、X軸センサ10xと同様に、GMR素子である長尺形状の素子部11を有しているが、素子部11の長尺方向の向きがX軸センサ10xと90度相違し、長尺方向がX方向に向けられている。Y軸センサ10yは、Y方向に向く外部磁界が、固定磁性層の固定磁化の方向と同じ向きに与えられると、抵抗値が最小になり、外部磁化がY方向において固定磁化の方向と逆向きに与えられると、抵抗値が最大になる。
Y軸センサ10yは、長尺形状の素子部11が、横方向の応力伝達線Xcと重ならない位置に配置されている。ただし、縦方向の応力伝達線YcはY軸センサ10yを短幅方向に横断している。
Z軸センサ10zは、X−Y平面と直交するZ軸方向の磁界を検知するものであり、Z方向の磁界を導いてX−Y平面に沿う磁場に変換する低透磁率の磁性材料で形成されたZ磁界変換部材を有している。Z軸センサ10zでは、図5に示したのと同等のGMR素子で形成された長尺状の素子部11がX−Y平面に沿って設けられ、素子部11の長手方向はX方向とY方向の少なくとも一方に向けられている。Z軸センサ10zは、応力伝達線XcとYcのいずれもが素子部11を長手方向に横断しない位置に配置されている。ただし、応力伝達線XcとYcのいずれかが素子部11を短幅方向へ横断している。
なお、図5に示すように、X軸センサ10xとY軸センサ10yおよびZ軸センサ10zの素子部11がミアンダ形状に接続されている場合において、素子部11が、応力伝達線Xc,Ycと重なっていないとの技術的意味、あるいは応力伝達線Xc,Ycが素子部11を長手方向へ横断していない、との技術的意味は、センサ全体の幅寸法Wの範囲内に応力伝達線XcとYcのいずれもが長手方向に向けて存在しないことである。
前記磁気検知装置1の使用方法および動作について説明する。
磁気検知装置1はX軸センサ10xで、X方向の磁界が検知され、Y軸センサ10yで、Y方向の磁界が検知され、Z軸センサ10zでZ方向の磁界が検知される。X−Y−Z方向の磁界は、例えば地磁気であり、この場合、磁気検知装置1は地磁気センサや地磁気検知ジャイロとして使用される。
図6に示すように、磁気検知装置1はマザー基板30に実装されて使用される。マザー基板30は、例えば携帯電話、携帯情報端末、カーナビゲーション装置などの各種電子機器のメイン基板やサブ基板あるいはフレキシブル基板などである。マザー基板30の表面には、接合ランド部31が形成されている。接合ランド部31は例えば銅バンプであり、マザー基板30の表面の配線パターンと導通している。磁気検知装置1は、リフロー工程でマザー基板30に実装され、半田ボール22が溶融して接合ランド部31に接合されて固定される。
この種の前記磁気検知装置1では、マザー基板30に実装された状態で、接合ポイント20およびセンサ基板2に応力が作用する問題がある。
半田ボール22の固相点は240℃程度である。リフロー工程後に半田が240℃で固まると、その後に常温となったときに接合ランド部31と半田との間に熱応力が発生する。図7は、熱応力によって、常温時に残留した歪みを−258μm/mとしたときの、最大主応力の分布のシミュレーション結果を示している。図7では残留応力の分布がモノクロで示されているが、黒色に近いほど残留応力が大きい。
また、リフロー工程の後では、磁気検知装置1を構成するセンサ基板2とマザー基板との間で熱歪みの差が発生し、その差により磁気検知装置1に歪みが与えられる。図8は、これを想定し、マザー基板に660μm/mの面方向への圧縮歪みが作用したときの、最大主応力の分布のシミュレーション結果を示している。図8では応力の分布がモノクロで示されているが、黒色に近いほど応力が大きい。
図7と図8のシミュレーション結果から明らかなように、磁気検知装置1は、接合ポイント20が配列している外周部分に応力が集中し、接合ポイント20で囲まれた中央領域には大きな応力が残らない。すなわち、接合ポイント20が、センサ基板2の縁部2x,2yに沿って配列しているため、応力は、縁部2xと縁部2yに沿って、接合ポイント20とその周辺に集中し、応力が周囲各方向に分散して集中するために、接合ポイント20で各方向が囲まれた中央領域には大きな応力が作用しにくくなっている。
磁気センサ10はGMR素子で構成されているため、応力が作用すると磁歪が発生し、正確な磁気検知ができなくなる。しかし、図4に示すように、磁気センサ10は接合ポイント20と重ならない位置で、さらに応力の集中しない中央領域に配置されているため、磁気センサ10が熱応力や基板応力の影響を受けにくくなり、磁気センサ10による磁界検知精度を高く保つことができる。なお、磁気センサ10としてはホール素子を使用可能であるが、ホール素子を使用する場合も、接合ポイント20と重ならない位置で、さらに応力の集中しない中央領域に配置することで、大きな応力が作用するのを防止でき、ホール素子の磁界検知精度を高く維持することができる。
図4に示すように、磁気センサ10が配置される中央領域には、Y方向に延びる応力伝達線YcとX方向に延びる応力伝達線Xcが横断している。前述のように、中央領域は周囲が接合ポイント20で囲まれているため、大きな応力が作用しにくいが、応力伝達線Yc上では、Y方向で対向する2つの接合ポイント20に集中する応力の影響で、その線Yc上に引っ張り応力または圧縮応力が伝達されやすい。これはX方向に延びる応力伝達線Xc上においても同じである。
磁気センサ10が、長尺形状の磁気抵抗効果素子で形成されている場合に、長尺方向に応力が作用すると磁歪の影響により磁気検知精度が低下する。その影響は、GMR素子の短幅方向へ応力が作用したときよりも、かなり大きくなる。
そこで、前記磁気検知装置1では、X軸センサ10xは、Y方向に長手方向が向けられる素子部11とY方向の応力伝達線Ycとが重なっておらず、X方向に延びる応力伝達線Xcが、X軸センサ10xの素子部11を短幅方向に横断しているだけである。したがって、X軸センサ10xでは、素子部11に対して長手方向へ過大な応力が作用することがなくなり、磁歪の影響を受けにくく、高い検知精度を維持できるようになる。
同様に、Y軸センサ10yにおいても、X方向に長手方向が向けられる素子部11と応力伝達線Xcとが重なっておらず、Y方向に延びる応力伝達線Ycが素子部11を短幅方向へ横断しているだけである。したがって、Y軸センサ10yにおいても、素子部11に対して長手方向へ向く応力が作用しにくくなり、磁歪の影響を受けにくくなる。
さらに、Z軸センサ10zも、X−Y平面に沿って形成される長尺状の素子部11を、応力伝達線Xc,Ycが素子の長手方向を横断しないように配置することにより、磁歪による影響を低減させることができる。
なお、本発明の磁気検知装置は、センサ基板2に磁気センサ10と共にコイルが形成されたいわゆるフラックスゲート型磁気センサとしても構成することが可能である。
1 磁気検知装置
2 センサ基板
10 磁気センサ
10x X軸センサ
10y Y軸センサ
10z Z軸センサ
11 素子部
20 接合ポイント
22 半田ボール
30 マザー基板
31 接合ランド部
X1,X2 横列
Xc 応力伝達線
Y1,Y2 縦列
Yc 応力伝達線

Claims (2)

  1. 磁気センサと回路とを搭載したセンサ基板が接合面を有し、前記接合面に、マザー基板に接合される複数の接合ポイントが設けられている磁気検知装置において、
    前記接合ポイントは、X方向に間隔を空けてY方向に延びる少なくとも2列の縦列と、Y方向に間隔を空けてX方向に延びる少なくとも2列の横列とに沿って配列し、前記磁気センサが、2つの前記縦列の間で且つ2つの前記横列の間であって、いずれの前記接合ポイントとも重ならない位置に配置され、
    前記磁気センサが長尺形状の磁気抵抗効果素子であり、
    X方向に間隔を空けて配置された前記接合ポイントの中心間を結ぶ応力伝達線と、Y方向に間隔を空けて配置された接合ポイントの中心間を結ぶ応力伝達線のいずれもが、前記磁気抵抗効果素子を長手方向に横断しない位置で、かつ、前記磁気抵抗効果素子を短幅方向に横断する位置に配置されていることを特徴とする磁気検知装置。
  2. 前記センサ基板は、前記回路を搭載するIC基板である請求項1記載の磁気検知装置。
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