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JP6300780B2 - アルコール飲料用乳化香料組成物 - Google Patents

アルコール飲料用乳化香料組成物 Download PDF

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JP6300780B2
JP6300780B2 JP2015252241A JP2015252241A JP6300780B2 JP 6300780 B2 JP6300780 B2 JP 6300780B2 JP 2015252241 A JP2015252241 A JP 2015252241A JP 2015252241 A JP2015252241 A JP 2015252241A JP 6300780 B2 JP6300780 B2 JP 6300780B2
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Description

本発明は、アルコール飲料用の乳化香料組成物、それを含有するアルコール飲料および高濃度のアルコールを含むアルコール飲料用濃縮シロップに関する。
飲料に風味・香味を付与する方法として、油溶性香料を乳化させた乳化香料が広く使用されている。乳化香料は水溶性香料とは異なる持続性のある風味・香味を付与することが可能である。近年、スポーツ飲料および果汁飲料などのソフトドリンクに加えて、チューハイ、サワー、カクテル、甘味果実酒、その他の雑酒およびリキュールなど外観が透明なアルコール飲料にも乳化香料が使用される機会が増えている。これらの商品は透明な外観が商品価値の一部であるために風味・香味を付与する目的で添加される乳化香料は透明に分散するものでなければならない。
また、アルコール飲料に使用される乳化香料は、アルコール飲料の製造工程においてアルコール飲料の数倍の濃度の濃縮シロップ中に乳化香料を添加する必要があるため、高濃度のアルコール溶液中での乳化安定性が求められる。通常、その濃縮倍率は4倍から6倍程度であり、アルコール飲料のアルコール濃度が7%の場合、5倍濃縮シロップのアルコール濃度は35%となる。
一般にアルコール飲料中に含まれるエタノールは乳化安定性に悪影響を与えることが知られている。これは、エタノールが油相にも水相にも相互に溶解するため、(i)界面が明確でなくなる、(ii)乳化剤の配向が阻止され液滴を維持できなくなる、(iii)相互溶解による物質移動が油水2層分離を促進する、ためであると考えられている。このため、乳化香料をソフトドリンクに使用した場合に乳化安定性に問題がなかったとしても、高濃度のアルコール溶液中で乳化安定性が十分に得られないことがあり、同じ乳化香料でもアルコール飲料への使用に適さない場合がある。したがって、アルコール飲料用の乳化香料を得るためには、アルコール飲料の製造工程をも考慮した検討が必要である。すなわち、高濃度のアルコール溶液中での乳化安定性が必要である。
アルコール飲料製品または炭酸飲料製品の香味を保持できる、乳化安定性および透明性を有する乳化香料として、酵素分解レシチンを0.1〜2質量%、ポリグリセリン脂肪酸エステルを3〜10質量%、ショ糖脂肪酸エステルを1〜5質量%、多価アルコールを50〜85質量%、水を1〜10質量%、および香料を1〜10質量%含む乳化組成物が提案されている(特許第4563438号公報、特許文献1)。また、透明性が高く、酸、熱およびアルコールに対する耐性を有する乳化香料として、HLBが10以上である親水性ポリグリセリン脂肪酸エステル、HLBが8以下である親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル、およびリゾレシチンを含む乳化香料組成物が提案されている(特許第5588048号公報、特許文献2)。
しかし、これらの乳化組成物または乳化香料組成物は、高濃度のアルコール溶液中で必要とされる乳化安定性を有しておらず、アルコール飲料に透明な外観を与え、かつアルコール飲料の風味・香味を損なわないことが求められる乳化香料としては、十分なものではなかった。
特許第4563438号明細書 特許第5588048号明細書
このような状況の下、アルコール飲料の製造工程においてアルコール飲料の数倍のアルコール濃度の濃縮シロップと混合した場合でも浮遊物や沈殿を生じず、安定な乳化状態を保ち、アルコール飲料に透明な外観を与え、かつアルコール飲料の風味・香味を損なわないアルコール飲料用乳化香料の提供が求められている。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行ったところ、香料を含む油溶性成分の乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルとレシチンの組み合わせを用いることが望ましいことを見出した。さらに、ポリグリセリン脂肪酸エステルなどの界面活性剤の性質を示す尺度として、一般的にはHLB(Hydrophilic‐Lipophilic Balance)が用いられるが、上記課題を解決するための望ましいポリグリセリン脂肪酸エステルは、HLBによって選択することが出来ず、1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いることが望ましいことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示したアルコール飲料用乳化香料組成物、それを含有してなるアルコール飲料およびアルコール飲料用濃縮シロップ等を提供するものである。
[1](a)香料を含む油溶性成分、
(b)1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル、および
(c)レシチン
を含むアルコール飲料用乳化香料組成物。
[2](c)レシチンが酵素分解されたものでない、[1]に記載のアルコール飲料用乳化香料組成物。
[3](b)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、デカグリセリンと、ステアリン酸、オレイン酸又はそれらの組み合わせから選ばれる脂肪酸とのエステルである、[1]又は[2]に記載のアルコール飲料用乳化香料組成物。
[4](b)ポリグリセリン脂肪酸エステル100質量部に対して、(c)レシチンを20〜135質量部含む、[1]から[3]の何れか一項に記載のアルコール飲料用乳化香料組成物。
[5][1]から[4]の何れか一項に記載の乳化香料組成物を含むアルコール飲料。
[6][1]から[4]の何れか一項に記載の乳化香料組成物を含む、アルコール飲料用濃縮シロップ。
[7]アルコール飲料用濃縮シロップのアルコール濃度が20容量%以上である、[6]に記載のアルコール飲料用濃縮シロップ。
[8][6]または[7]に記載の濃縮シロップを希釈してアルコール飲料を製造する方法。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を用いることにより、油溶性香料をアルコール飲料に透明に分散させることが出来る。本発明の好ましい態様によれば、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を用いることにより、アルコール飲料製品の風味・香味を損なわず、嗜好性の高いアルコール飲料を提供することができる。また、本発明の好ましい態様によれば、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、アルコール飲料の製造工程においてアルコール飲料の数倍の濃度の濃縮シロップと混合した場合でも浮遊物や沈殿を生じず、安定な乳化状態を保持することができる。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、(a)香料を含む油溶性成分、(b)1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)レシチンを含む。本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、上記の(a)成分、(b)成分および(c)成分を含むことにより、油溶性香料をアルコール飲料に透明に分散させることができ、アルコール飲料中での乳化安定性を優れたものとすることができる。以下、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物に含まれる各成分について詳しく述べる。
(a)香料を含む油溶性成分
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、(a)香料を含む油溶性成分を含む。
(a)香料を含む油溶性成分に用いられる香料としては、一般に食品または飲料に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、エステル類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アセタール類、フェノール類、エーテル類、ラクトン類、フラン類、炭化水素類、酸類などの合成香料、および、天然香料などが挙げられる。
エステル類としては、例えば、アクリル酸エステル(メチル、エチル、等)、アセト酢酸エステル(メチル、エチル、等)、アニス酸エステル(メチル、エチル、等)、安息香酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、ゲラニル、リナリル、フェニルエチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセイニル、ベンジル、メチル、等)、アントラニル酸エステル(シンナミル、シス−3−ヘキセニル、メチル、エチル、リナリル、イソブチル、等)、N−メチルアントラニル酸エステル(メチル、エチル、等)、イソ吉草酸エステル(アミル、アリル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、テルペニル、リナリル、シンナミル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、ロジニル、等)、イソ酪酸エステル(イソアミル、ゲラニル、シトロネリル、テルペニル、シンナミル、オクチル、ネリル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニキシエチル、ブチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、ベンジル、メチル、エチル、リナリル、ロジニル、等)、ウンデシレン酸エステル(アリル、イソアミル、ブチル、エチル、メチル、等)、オクタン酸エステル(アリル、イソアミル、エチル、オクチル、ヘキシル、ブチル、メチル、リナリル、等)、オクテン酸エステル(メチル、エチル、等)、オクチンカルボン酸エステル(メチル、エチル、等)、カプロン酸エステル(アリル、アミル、イソアミル、メチル、エチル、イソブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル、等)、ヘキセン酸エステル(メチル、エチル、等)、吉草酸エステル(アミル、イソプロピル、イソブチル、エチル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シンナミル、フェニルエチル、メチル、等)、ギ酸エステル(アニシル、イソアミル、イソプロピル、エチル、オクチル、ゲラニル、シトロネリル、シンナミル、シクロヘキシル、テルピニル、フェニルエチル、ブチル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、ベンジル、リナリル、ロジニル、等)、クロトン酸エステル(イソブチル、エチル、シクロヘキシル、等)、ケイ皮酸エステル(アリル、エチル、メチル、イソプロピル、プロピル、3−フェニルプロピル、ベンジル、シクロヘキシル、メチル、等)、コハク酸エステル(モノメンチル、ジエチル、ジメチル、等)、酢酸エステル(アニシル、アミル、α−アミルシンナミル、イソアミル、イソブチル、イソプロピル、イソプレギル、イソボルニル、イソオイゲニル、オイゲニル、2−エチルブチル、エチル、3−オクチル、カルビル、ジヒドロカルビル、p−クレジル、o−クレジル、ゲラニル、α−又はβ−サンタリル、シクロヘキシル、シクロネリル、ジヒドロクミニル、ジメチルベンジルカルビニル、シンナミル、スチラリル、デシル、ドデシル、テルピニル、グアイニル、ネリル、ノニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、ブチル、フルフリル、プロピル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、シス−3−ノネニル、シス−6−ノネニル、シス−3,シス−6−ノナジエニル、3−メチル−2−ブテニル、メンチル、ヘプチル、ベンジル、ボルニル、ミルセニル、ジヒドロミルセニル、ミルテニル、メチル、2−メチルブチル、メンチル、リナリル、ロジニル、等)、サリチル酸エステル(アリル、イソアミル、フェニル、フェニルエチル、ベンジル、エチル、メチル、等)、シクロヘキシルアルカン酸エステル(シクロヘキシル酢酸エチル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル、シクロヘキシル酪酸アリル、シクロヘキシルセキサン酸アリル、シクロヘキシルデカン酸アリル、シクロヘキシル吉草酸アリル、等)、ステアリン酸エステル(エチル、プロピル、ブチル、等)、セバチン酸エステル(ジエチル、ジメチル、等)、デカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、メチル、等)、ドデカン酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、等)、乳酸エステル(イソアミル、エチル、ブチル、等)、ノナン酸エステル(エチル、フェニルエチル、メチル、等)、ノネン酸エステル(アリル、エチル、メチル、等)、ヒドロキシヘキサン酸エステル(エチル、メチル、等)、フェニル酢酸エステル(イソアミル、イソブチル、エチル、ゲラニル、シトロネリル、シス−3−ヘキセニル、メチル、等)、フェノキシ酢酸エステル(アリル、エチル、メチル、等)、フランカルボン酸エステル(フランカルボン酸エチル、フランラルボン酸ンメチル、フランカルボン酸ヘキシル、フランプロピオン酸イソブチル、等)、プロピオン酸エステル(アニシル、アリル、エチル、アミル、イソアミル、プロピル、ブチル、イソブチル、イソプロピル、ベンジル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、テトラヒドロフルフリル、トリシクロデセニル、ヘプチル、ボルニル、メチル、メンチル、リナリル、テルピニル、α−メチルプロピオニル、β−メチルプロピオニル、等)、ヘプタン酸エステル(アリル、エチル、オクチル、プロピル、メチル、等)、ヘプチンカルボン酸エステル(アリル、エチル、プロピル、メチル、等)、ミルシチン酸エステル(イソプロピル、エチル、メチル、等)、フェニルグリシド酸エステル(フェニルグリシド酸エチル、3−メチルフェニルグリシド酸エチル、p−メチル−β−フェニルグリシド酸エチル、等)、2−メチル酪酸エステル(メチル、エチル、オクチル、フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、ベンジル、等)、3−メチル酪酸エステル(メチル、エチル、等)、酪酸エステル(アニシル、アミル、アリル、イソアミル、メチル、エチル、プロピル、オクチル、グアイニル、リナリル、ゲラニル、シクロヘキシル、シトロネリル、シンナミル、ネリル、テルペニル、フェニルプロピル、β−フェニルエチル、ブチル、ヘキシル、シス−3−ヘキセニル、トランス−2−ヘキセニル、ベンジル、ロジニル、等)、ヒドロキシ酪酸エステル(3−ヒドロキシ酪酸のメチル、エチル、メンチル、等)などが使用される。
アルコール類としては、例えば、脂肪族アルコール(イソアミルアルコール、イソプレゴール、2−エチルヘキサノール、1−オクタノール、3−オクタノール、1−オクテン−3−オール、1−デカノール、1−ドデカノール、2,6−ノナジエノール、ノナノール、2−ノナノール、シス−6−ノネノール、トランス−2,シス−6−ノナジエノール、シス−3,シス−6−ノナジエノール、ブタノール、ヘキサノール、シス−3−ヘキセノール、トランス−2−ヘキセノール、1−ウンデカノール、ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−メチル−1−ペンタノール、等)、テルペンアルコール(カルベオール、ボルネオール、イソボルネオール、カルベオール、ピペリトール、ゲラニオール、α−又はβ−サンタロール、シトロネロール、4−ツヤノール、テルピネオール、4−テルピネオール、ネロール、ミルセノール、ミルテノール、メントール、ジヒドロミルセノール、テトラヒドロミルセノール、ネロリドール、ヒドロキシシトロネロール、ファルネソール、ペリラアルコール、ロジノール、リナロール、1−メントール等)、芳香族アルコール(アニスアルコール、α−アミルシンナミックアルコール、イソプロピルペンジルカルビノール、カルバクロール、クミンアルコール、ジメチルペンジルカルビノール、シンナミックアルコール、フェニルアリルアルコール、フェニルエチルカルビノール、β−フェニルエチルアルコール、3−フェニルプロピルアルコール、ペンジルアルコール、等)などを好ましく例示することができる。
アルデヒド類としては、例えば、脂肪族アルデヒド(オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、2,6−ジメチル−5−ヘブタナール、3,5,5−トリメチルヘキサナール,シス−3,シス−6−ノナジエナール、トランス−2,シス−6−ノナジエナール、バレルアルデヒド、プロパナール、イソプロパナール、ヘキサナール、トランス−2−ヘキセナール、シス−3−ヘキセナール、2−ペンテナール、ドデカナール、テトラデカナール、トランス−4−デセナール、トランス−2−トリデセナール、トランス−2−ドデセナール、トランス−2−ウンデセナール、2,4−ヘキサジエナール、シス−6−ノネナール、トランス−2−ノネナール、2−メチルブタナール、等)、芳香族アルデヒド(アニスアルデヒド、α−アミルシンナミックアルデヒド、α−メチルシンナミックアルデヒド、シクラメンアルデヒド、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、エチルバニリン、クミンアルデヒド、サリチルアルデヒド、シンナミックアルデヒド、o−,m−またはp−トリルアルデヒド、バニリン、ビベロナール、フェニルアセトアルデヒド、ヘリオトロピン、ベンズアルデヒド、4−メチル−2−フェニル−2−ペンテナール、p−メトキシシンナミックアルデヒド、p−メトキシペンズアルデヒド、等)、テルペンアルデヒド(ゲラニアール、シトラール、シトロネラール、α−シネンサール、β−シネンサール、ペリラアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、テトラハイドロシトラール、ミルテナール、シクロシトラール、イソシクロシトラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、ネラール、α−メチレンシトロネラール、マイラックアルデヒド、ベルンアルデヒド、サフラナール、等)などを好ましく挙げることができる。
ケトン類としては、例えば、環式ケトン(メントン、イソメントン、カルボン、ジヒドロカルボン、プレゴン、ピペリトン、1−アセチル−3,3−ジメチル−1−シクロヘキセン、シスージャスモン、α−,β−又はγ−イロン、エチルマルトール、シクロテン、ジヒドロヌートカトン、3,4−ジメチル−1,2−シクロペンタジオン、ソトロン、α−,β−,γ−又はδ−ダマスコン、α−,β−又はγ−ダマセノン、ヌートカトン、2−sec−プチルシクロヘキサノン、マルトール、α−,β−又はγ一ヨノン、α−,β−又はγ−メチルヨノン、α−,β−又はγ−イソメチルヨノン、フラネオール、カンファ、等)、芳香族ケトン(アセトナフトン、アセトフェノン、アニシリデンアセトン、ラズベリーケトン、p−メチルアセトフェノン、アニシルアセトン、p−メトキシアセトフェノン、等)鎖式ケトン(ジアセチル、2−ノナノン、ジアセチル、2−ヘブタノン、2,3−ヘプタンジオン、2−ペンタノン、メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、β−メチルナフチルケトン、メチルヘブタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、3−オクタノン、2,3−ヘキサンジオン、2−ウンデカノン、ジメチルオクテノン、6一メチル−5−ヘプチン−3−オン、等)などが好ましく例示することができる。
アセタール類としては、例えば、アセトアルデヒドジエチルアセタール、アセトアルデヒドジアミルアセタール、アセトアルデヒドジヘキシルアセタール、アセトアルデヒドプロピレンレグリコールアセタール、アセトアルデヒドエチル シス−3−ヘキセニルアセタール、ベンズアルデヒドグリセリンアセタール、ベンズアルデヒドプロピレングリコールアセタール、シトラールジメチルアセタール、シトラールジエチルアセタール、シトラールプロピレングリコールアセタール、シトラールエチレングリコールアセタール、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、シトロネリルメチルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、ヘキサナールジメチルアセタール、ヘキサナールジヘキシルアセタール、ヘキサナールプロピレングリコールアセタール、トランス−2−ヘキセナールジエチルアセタール、トランス−2−ヘキセナールプロピレングリコールアセタール、シス−3−ヘキセナールジエチルアセタール、ヘプタナールジエチルアセタール、ヘプタナールエチレングリコールアセタール、オクタナールジメチルアセタール、ノナナールジメチルアセタール、デカナールジメチルアセタール、デカナールジエチルアセタール、2−メチルウンデカナールジメチルアセタール、シトロネラールジメチルアセタール、アンバーセージ(Givaudan社製)、アセト酢酸エチルエチレングリコールアセタールおよび2−フェニルプロパナールジメチルアセタールなどが好ましい例として挙げることができる。
フェノール類としては、例えば、オイゲノール、イソオイゲノール、2−メトキシ−4−ビニルフェノール、チモール、カルバクロール、グアヤコールおよびチャビコールなどが好ましく挙げられる。
エーテル類としては、例えば、アネトール、1,4−シネオール、1,8−シネオール、ジベンジルエーテル、リナロールオキシド、リモネンオキシド、ネロールオキシド、ローズオキシド、メチルイソオイゲノール、メチルチャビコール、イソアミルフェニルエチルエーテル、β−ナフチルメチルエーテル、フェニルプロピルエーテル、p−クレジルメチルエーテル、バニリルプチルエーテル、α−テルピニルメチルエーテル、シトロネリルエチルエーテル、ゲラニルエチルエーテル、ローズフラン、テアスビラン、デシルメチルエーテルおよびメチルフェニルメチルエーテルなどが好ましい例として挙げられる。
ラクトン類としては、例えば、γ−又はδ−デカラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−又はδ−ヘキサラクトン、γ−又はδ−オクタラクトン、γ−又はδ−ウンデカラクトン、δ−ドデカラクトン、δ−2−デセノラクトン、メチルラクトン、5−ヒドロキシ−8−ウンデセン酸δ−ラクトン、ジャスミンラクトン、メンタラクトン、ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリンおよび6−メチルクマリンなどが好ましい例として挙げられる。
フラン類としては、例えば、フラン、2−メチルフラン、3−メチルフラン、2−エチルフラン、2,5−ジエチルテトラヒドロフラン、3−ヒドロキシ−2−メチルテトラヒドロフラン、2−(メトキシメチル)フラン、2,3−ジヒドロフラン、メントフラン、フルフラール、5−メチルフルフラール、3−(2−フリル)−2−メチル−2−プロペナール、5−(ヒドロキシメチル)フルフラール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン(フラネオール)、4,5−ジメチル−3−ヒドロキシ−2(5H)−フラノン(ソトロン)、2−エチル−4−ヒドロキシ−5−メチル−3(2H)−フラノン(ホモフラノオール)、5−エチル−3−ヒドロキシ−4−メチル−2(5H)フラノン(ホモソトロン)、3−メチル−1,2−シクイロペンタンジオン(シクロテン)、2(5H)−フラノン、4−メチル−2(5H)−フラノン、5−メチル−2(5H)−フラノン、2−メチル−3(2H)−フラノン、5−メチル−3(2H)−フラノン、2−アセチルフラノン、2−アセチル−5−メチルフラン、フルフリルアルコール、2−フランカルボン酸メチル、2−フランカルボン酸エチルおよび酢酸フリフリルなどが好ましい例として挙げられる。
炭化水素類としては、例えば、α−又はβ−ビザボレン、β−カリオフィレン、p−サイメン、テルピネン、テルピノーレン、カジネン、ファルネセン、リモネン、オシメン、ミルセン、α−又はβ−ピネン、1,3,5−ウンデカトリエンおよびバレンセンなどが好ましい例として挙げられる。
また、酸類としては、例えば、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、2−デセン酸、ゲラン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、乳酸、フェニル酢酸、ピルビン酸、トランス−2−メチル−2−ペンテン酸、2−メチル−シス−3−ペンテン酸、2−メチル−4−ペンテン酸およびシクロヘキサンカルポン酸などを好ましく例示することができる。
さらに、天然香料としては、例えば、アニス、オレンジ、レモン、ライム、マンダリン、プチグレイン、ベルガモット、レモンバーム、グレープフルーツ、エレミ、オリバナム、レモングラス、ネロリ、マジョラム、アンゲリカルート、スターアニス、バジル、ベイ、カラマス、カモミール、キャラウエイ、カルダモン、カッシャ、シナモン、ペパーミント、スペアミント、ハッカ、ペニーロイヤル、ペッパー、シソ、サイプレス、オレガノ、カスカリラ、ジンジャー、パセリ、パインニードル、セージ、ヒソップ、ティートリー、マスタード、ホースラディッシュ、クラリセージ、クローブ、コニャック、コリアンダー、エストラゴン、ユーカリ、フェンネル、グアヤックウッド、ディル、カヤプテ、ワームシード、ピメント、ジュニパー、フェネグリーク、ガーリック、ローレル、メース、ミル、ナッツメグ、スプルース、ゼラニウム、シトロネラ、ラベンダー、ラバンジン、パルマローザ、ローズ、ローズマリー、サンダルウッド、オークモス、シダーウッド、ベチバー、リナロエ、ボアドローズ、パチョリ、ラブダナム、クミン、タイム、イランイラン、バーチ、カプシカム、セロリー、トルーバルサム、ジェネ、インモルテル、ベンゾイン、ジャスミン、カッシー、チョベローズ、レセダ、マリーゴールド、ミモザ、オポポナックス、オリス、バニラおよびリコリスなどが挙げられる。これらの天然香料に含有されている香料成分を使用することもできる。
(a)油溶性成分は、少なくとも香料を含んでいればよいが、香料に加えて、他の油溶性成分を含んでいてもよい。香料以外の油溶性成分としては、一般に食品または飲料に使用されるものを使用することができ、例えば、パーム油、ヤシ油、コーン油、菜種油、牛脂、豚脂、乳脂等の各種の植物油脂および動物油脂;炭素数8〜12の中鎖脂肪酸トリグリセライド、β−カロチン、パブリカ色素、アナトー色素およびクロロフィルなどの油溶性天然色素;ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの脂溶性ビタミン;酸化防止剤;ロジン、コーパル、ダンマル、エレミ、エステルガムなどの植物性樹脂などが挙げられる。
乳化香料組成物中の香料の配合量は、その香料の香りの強さによって適宜調整することが出来るが、通常、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.1〜5質量%である。
(b)ポリグリセリン脂肪酸エステル
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、(b)1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを含む。ポリグリセリン脂肪酸エステルは、グリセリンを重合して得られたポリグリセリンが有するヒドロキシ基の1つ以上に脂肪酸をエステル化して得られるものであり、グリセリンの重合度、脂肪酸の数(エステル化度)および脂肪酸の種類により多様な種類のものがある。本発明においては、それらのうち、1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルを使用する。上記透過率を有するポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することによって、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を高濃度のアルコールを含む濃縮シロップと混合した場合でも安定な乳化状態を保持することができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルの該透過率は65%以上であり、70%〜100%が好ましい。
本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成するポリグリセリンとしては、平均重合度が6〜10であることが好ましく、平均重合度が10であるデカグリセリンであることがより好ましい。
ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸は、炭素数14〜18のものが好ましく、ステアリン酸、オレイン酸またはこれらの組み合わせであることがより好ましい。
また、ポリグリセリン脂肪酸エステルのエステル化度としては、ポリグリセリン1モルに対して、脂肪酸0.1〜2モルをエステル化した、ポリグリセリン脂肪酸エステルが好ましく、脂肪酸1モルをエステル化した、ポリグリセリンモノ脂肪酸エステルがより好ましい。
本発明に特に好ましく用いられるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステルまたはこれらの組み合わせが挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、多様な種類のものが市販されている。それらの中でも、本発明に好ましく用いられる1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、Decaglyn 1−SVEX(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)、Decaglyn 1−OVEX(商品名、日光ケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
本発明において、ポリグリセリン脂肪酸エステルの透過率測定は、以下のようにして行う。まず、ポリグリセリン脂肪酸エステルを1質量%となるようにイオン交換水に分散し、80℃の湯浴で加熱しながら30分間攪拌し、均一な水溶液とする。その後、得られたポリグリセリン脂肪酸エステル水溶液を、25℃まで冷却して試験液とする。この試験液を、水を対照液として、光路長1cmのセルを用いて600nmにおける透過率を測定する。透過率の測定は通常の分光光度計を用いて行う。ポリグリセリン脂肪酸エステルを2種類以上使用する際は、その質量比率によって混合し、ポリグリセリン脂肪酸エステルとして1質量%となるように調製して測定を行う。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの乳化香料組成物中の配合量は、油溶性成分に対して多すぎると高アルコール濃度の濃縮シロップに分散させた際に沈殿や浮遊物を生じやすくなり、少なすぎると飲用濃度での濁りが強くなってしまう場合がある。このため、ポリグリセリン脂肪酸エステルの乳化香料組成物中の配合量は、(a)香料を含む油溶性成分100質量部に対して1〜200質量部が好ましく、5〜150質量部がより好ましく、5〜120質量部がさらに好ましい。
(c)レシチン
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物はさらに(c)レシチンを含む。本発明に用いられる(c)レシチンとしては、一般に食品または飲料に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、大豆レシチン、菜種レシチン、ひまわりレシチン、卵黄レシチンおよび酵素分解レシチンなどを用いることが出来る。中でも、酵素分解レシチンは添加量を増すと製品の風味を悪くし、苦味が増してしまう場合があることから、酵素分解されていないレシチンを用いることが好ましい。特に、酵素分解されていない大豆レシチン、菜種レシチンおよびひまわりレシチンが好ましい。このようなレシチンとしては、例えば、日清レシチンDX(商品名、日清オイリオ株式会社製)(大豆レシチン)、GIRALEC Premium(商品名、Lasenor社製)(ひまわりレシチン)などが好ましく挙げられる。
レシチンの乳化香料組成物中の配合量は、ポリグリセリン脂肪酸エステルに対して少なすぎると高アルコール濃度の濃縮シロップに分散させた際に沈殿や浮遊物を生じやすくなり、多すぎると飲用濃度での濁りが強くなってしまう場合がある。このため、レシチンの乳化組成物中の配合量は、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステル100質量部に対して5〜200質量部が好ましく、10〜150質量部がより好ましく、20〜135質量部がさらに好ましい。
また、レシチンの乳化香料組成物中の配合量は、油溶性成分に対して少なすぎると高アルコール濃度の濃縮シロップに分散させた際に沈殿や浮遊物を生じやすくなり、多すぎると飲用濃度での濁りが強くなってしまう場合がある。このため、レシチンの乳化組成物中の配合量は、(a)油溶性成分100質量部に対して1〜150質量部が好ましく、5〜80質量部がより好ましく、8〜80質量部がさらに好ましい。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物において、(a)油溶性成分、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)レシチンの配合量は、乳化香料組成物の全質量に対して0.1〜45質量%が好ましく、0.1〜22.5質量部がより好ましく、0.1〜15質量部がさらに好ましい。
(d)水溶性溶媒
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、(a)油溶性成分、(b)ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび(c)レシチンに加えて、(d)水溶性溶媒を含む。本発明に用いられる(d)水溶性溶媒としては、水および多価アルコール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、一般に食品または飲料に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、D−ソルビトール等が挙げられる。中でもグリセリンが好ましい。
水溶性溶媒の乳化香料組成物中の配合量は、油溶性成分などの濃度を調整するために適宜決定すればよく、特に制限されない。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物には、本発明の効果を妨げない範囲において、上記成分の他、水溶性香料、カラメル色素等の水溶性色素、増粘多糖類、果糖ブドウ糖液糖等の糖質、ペクチン等の食物繊維、アスパルテーム等の高甘味度甘味料をさらに含んでもいてもよい。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、乳化製剤の調製に用いられる公知の技術を利用して製造することができる。具体的には、ホモミキサーおよび高圧ホモジナイザー等の攪拌装置を用いて、油溶性成分と水溶性成分を攪拌および混合する方法が挙げられる。攪拌および混合の際には、任意で冷却又は加温してもよい。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を用いることにより、油溶性香料をアルコール飲料に透明に分散させることが出来る。ここで「アルコール飲料」とは、アルコール濃度が1容量%以上である飲料用組成物を意味する。飲料用組成物は、アルコール飲料用濃縮シロップであってもよく、アルコール飲料用濃縮シロップを、その後、適宜希釈して所望のアルコール濃度のアルコール飲料を調製してもよい。
本発明のアルコール飲料としては、アルコール濃度が1〜80容量%であることが好ましく、1〜60容量%であることがより好ましく、1〜50容量%であることがさらに好ましい。特にアルコール濃度が10容量%未満、すなわち、1〜10容量%のものが好ましい。
アルコール飲料用濃縮シロップのアルコール濃度は、使用目的などを考慮して適宜決定すればよく特に制限されないが、一般的には、20容量%以上であることが好ましく、20〜60容量%であることがより好ましく、20〜50容量%であることがさらに好ましい。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を添加して得られるアルコール飲料としては、例えば、サワー、酎ハイ、カクテル、甘味果実酒、その他の雑酒、リキュールなどが挙げられる。本発明において、アルコール飲料は、炭酸や果汁を含んでいてもよい。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物の添加量は、使用目的などを考慮して適宜決定すればよく、特に制限されないが、得られるアルコール飲料の合計量に対して0.01〜0.5質量%が好ましく、0.03〜0.2質量%がより好ましい。
本発明においては、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を直接アルコール飲料に添加してもよいし、アルコール飲料の製造工程において、アルコール飲料を濃縮したアルコール飲料用濃縮シロップ中に添加することもできる。本発明の好ましい態様によれば、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、このような高アルコール濃度の濃縮シロップ中に添加した場合でも浮遊物や沈殿を生じず、安定な乳化状態を保持することができる。
本発明のアルコール飲料用乳化組成物をアルコール濃縮シロップ中に添加した場合は、得られたシロップ溶液を水および炭酸水等の水溶性溶媒で薄めることにより、所望のアルコール飲料を調製することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。尚、ポリグリセリン脂肪酸エステルの透過率は、以下の方法で測定した。
<ポリグリセリン脂肪酸エステルの透過率の測定>
まず、ポリグリセリン脂肪酸エステルを1質量%となるようにイオン交換水に分散し、80℃の湯浴で加熱しながら30分間攪拌し、均一な水溶液とした。その後、得られたポリグリセリン脂肪酸エステル水溶液を、25℃まで冷却して試験液とした。この試験液を、水を対照液として、光路長1cmのセルを用いて600nmにおける透過率を測定した。透過率の測定は、株式会社島津製作所製紫外可視分光光度計UV−1700を使用した。ポリグリセリン脂肪酸エステルを2種類以上使用する際は、その質量比率によって混合し、ポリグリセリン脂肪酸エステルとして1質量%となるように調製して測定を行った。
[実施例1]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が85.5%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:Decaglyn 1−SVEX/日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.5)7.5gをグリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)219.6gおよび水62.4gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、レモンライム香料(高砂香料工業製)7.5gと大豆レシチン(商品名:日清レシチンDX/日清オイリオ株式会社製)3gを予め混合均一化したものをさらに加え、9000rpmで10分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。
[実施例2]
ポリグリセリン脂肪酸エステルを、1質量%水溶液の600nmにおける透過率が73.5%である商品名:Decaglyn 1−OVEX(日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、HLB:12.0)に変えたほかは実施例1と同様に乳化香料組成物を調製した。
[実施例3]
水および大豆レシチンの配合量を表1に記載のとおりに変えたほかは実施例1と同様に乳化香料組成物を調製した。
[実施例4]
水および大豆レシチンの配合量を表1に記載のとおりに変えたほかは実施例1と同様に乳化香料組成物を調製した。
[実施例5]
ポリグリセリン脂肪酸エステルおよび水の配合量を表1に記載のとおりに変えたほかは実施例1と同様に乳化香料組成物を調製した。
[比較例1]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が85.5%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:Decaglyn 1−SVEX/日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.5)7.5gをグリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)219.6gおよび水65.4gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、レモンライム香料(高砂香料工業製)7.5gを加え、9000rpmで10分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。
[比較例2]
ポリグリセリン脂肪酸エステルを、1質量%水溶液の600nmにおける透過率が60.2%である商品名:Decaglyn 1−SVF(日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.0)に変えたほかは実施例1と同様に乳化香料組成物を調製した。
[比較例3]
ポリグリセリン脂肪酸エステルを、1質量%水溶液の600nmにおける透過率が39.2%である商品名:ポエム J−0381V(理研ビタミン株式会社製、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、HLB:14.0)に変えたほかは実施例1と同様に乳化香料組成物を調製した。
表1に実施例1〜5および比較例1〜3の乳化香料組成物の組成(質量%)を示す。
Figure 0006300780
[試験例1]乳化状態の安定性
〔1〕5倍濃縮シロップの調製
95%エタノール368ml、果糖ぶどう糖液糖230g、クエン酸18gおよびクエン酸ナトリウム4gに水を加えて1000mlとし、アルコール飲料の5倍濃縮シロップ(アルコール濃度35容量%)を調製した。この5倍濃縮シロップに、実施例1、比較例1および2で調製した乳化香料組成物をそれぞれ0.5質量%加えた。
〔2〕評価方法
実施例1〜5および比較例1〜3の乳化組成物をそれぞれ添加した5倍濃縮シロップを、室温にて1週間保管後、シロップの状態を観察した。評価結果を表2に示す。
Figure 0006300780
実施例1〜5の乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して1週間経過後も均一で良好な乳化安定性を示した。一方、比較例1〜3の乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して1週間経過すると綿状の白色浮遊物を生じ、不均一な状態であった。
[試験例2]飲用濃度に希釈した際の透明性の評価
試験例1において、1週間後の評価を行った5倍濃縮シロップ(実施例1、2、3、4および5)を、水で5倍希釈してアルコール飲料を調製した。そして、透明性を目視観察と透過率の測定により評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 0006300780
実施例1〜5で調製した乳化香料組成物を、5倍濃縮シロップに添加して常温で1週間保管した後に水で5倍希釈しても、均一で透明な外観のアルコール飲料が得られた。
[実施例6]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が85.5%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:Decaglyn 1−SVEX/日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.5)13.5gを、グリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)212.1gおよび水53.1gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、レモン香料(高砂香料工業製)15g、大豆レシチン(商品名:日清レシチンDX/日清オイリオ株式会社製)6gおよびビタミンE(エーザイ株式会社製)0.3gを予め混合均一化したものを加え、9000rpmで20分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。
[実施例7]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が99.2%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:リョートー ポリグリエステル M−7D/三菱化学フーズ株式会社製、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、HLB:16)15gおよびショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステル SS/第一工業製薬株式会社製)6gを、グリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)231gおよび水29.7gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、レモン香料(高砂香料工業製)15g、酵素分解レシチン(商品名:Emultop/カーギルジャパン株式会社製)3gおよびビタミンE(エーザイ株式会社製)0.3gを予め混合均一化したものを加え、9000rpmで20分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。
[比較例4]
ポリグリセリン脂肪酸エステルとして、商品名:Decaglyn 1−M(日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、HLB:14)15g、商品名:Decaglyn 1−OV(日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノオレイン酸エステル、HLB:12.0)3g、および商品名:リョートー ポリグリエステル O−50D(三菱化学フーズ株式会社製、デカグリセリンオレイン酸エステル、HLB:7)0.3gの3種類を使用し、グリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)210gおよび水55.2gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機で攪拌しながら、レモン香料(高砂香料工業製)15g、酵素分解レシチン(商品名:Emultop/カーギルジャパン株式会社製)0.6g、ビタミンE(エーザイ株式会社製)0.3gおよび中鎖脂肪酸トリグリセライド(商品名:スコレー/日清オイリオ株式会社製)0.6gを予め混合均一化したものを加え、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)を用いて9000rpmで20分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。
尚、ポリグリセリン脂肪酸エステル3種類を上記配合比で1質量%水溶液とした時、600nmにおける透過率は55.8%であった。
[比較例5]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が60.2%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:Decaglyn 1−SVF/日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.0)13.5gおよびショ糖脂肪酸エステル(商品名:DKエステル SS/第一工業製薬株式会社製)3gを、グリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)237.3gおよび水29.7gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、レモン香料(高砂香料工業製)15g、酵素分解レシチン(商品名:Emultop/カーギルジャパン株式会社製)1.2gおよびビタミンE(エーザイ株式会社製)0.3gを予め混合均一化したものを加え、9000rpmで20分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。
表4に実施例6、7、比較例4および5の乳化香料組成物の組成(質量%)を示す。
Figure 0006300780
[試験例3]乳化状態の安定性
実施例6、7、比較例4および5の乳化香料組成物を用いて、試験例1と同様に乳化状態の安定性を評価した。評価結果を表5に示す。
Figure 0006300780
実施例6および実施例7の乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して1週間経過後も均一で良好な乳化安定性を示した。一方、比較例4の乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して1週間経過すると油がシロップの上部に浮いており、不均一な状態であった。また、比較例5の乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して1週間経過すると綿状の白色浮遊物を生じ、不均一な状態であった。
[試験例4]飲用濃度に希釈した際の透明性の評価
試験例3において、1週間後の評価を行った5倍濃縮シロップ(実施例6および7)を、さらに水で5倍希釈してアルコール飲料を調製した。そして、その透明性を目視観察と透過率の測定により評価した。結果を表6に示す。
Figure 0006300780
実施例6で調製した乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して常温で1週間保管した後に水で5倍希釈しても、均一で透明な外観のアルコール飲料を作ることが可能であった。一方、実施例7で調製した乳化香料組成物は、5倍濃縮シロップに添加して常温で1週間保管した後に水で5倍希釈すると、均一ではあるが、やや濁った外観のアルコール飲料となってしまった。
[試験例5]乳化香料組成物を添加したアルコール飲料の風味・香味の評価
アルコール度数50%のウォッカ140ml、クエン酸3.6gおよびクエン酸ナトリウム0.8g、ビタミンC0.1g、アセスルファムカリウム0.13g、スクラロース0.016gに水を加えて1000mlとし、アルコール度数7%のアルコール飲料を調製した。実施例6、7および比較例4で調製した乳化香料組成物をそれぞれ0.1質量%加えて乳化香料組成物を含むアルコール飲料を調製した。
これらのアルコール飲料を用いて官能評価を行った。
<方法>
社内の専門パネラー8名によって、1を最も苦味が弱い、5を最も苦味が強いとして、5段階で評価を行った。8名の評価結果を平均値としてまとめたものを表7に示す。
Figure 0006300780
実施例7および比較例4で調製した乳化香料組成物を含むアルコール飲料は、苦味が強くアルコール飲料の風味・香味を損なってしまうのに対して、実施例6で調製した乳化香料組成物を含むアルコール飲料は、苦味が弱くアルコール飲料の風味・香味を損なわないという結果となった。
[実施例8]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が85.5%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:Decaglyn 1−SVEX/日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.5)0.9gをグリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)244.2gおよび水42.9gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、中鎖脂肪酸トリグリセライド0.9gを含むウメ香料(高砂香料工業製)10.8g、ひまわりレシチン(商品名:GIRALEC Premium/Lasenor社製)0.9gおよび抽出トコフェロール(商品名:理研Eオイルスーパー80N/理研ビタミン株式会社製)0.3gを予め混合均一化したものを加え、9000rpmで10分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。表8に実施例8の乳化香料組成物の組成(質量%)を示す。
Figure 0006300780
[試験例6]乳化状態の安定性
実施例8の乳化香料組成物を用いて、試験例1と同様に乳化状態の安定性を評価したところ、5倍濃縮シロップに添加して1週間経過後も均一で良好な乳化安定性を示した。
[試験例7]飲用濃度に希釈した際の透明性の評価
試験例6において、1週間後の評価を行った5倍濃縮シロップ(実施例8)を、さらに水で5倍希釈してアルコール飲料を調製した。そして、その透明性を目視観察と透過率の測定により評価したところ、外観は透明で、透過率は95.5%であった。実施例8で調製した乳化香料組成物を、5倍濃縮シロップに添加して常温で1週間保管した後に水で5倍希釈しても、均一で透明な外観のアルコール飲料が得られた。
[実施例9]
1質量%水溶液の600nmにおける透過率が85.5%である、ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:Decaglyn 1−SVEX/日光ケミカルズ株式会社製、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、HLB:12.5)1.8gをグリセリン(商品名:精製グリセリン/花王株式会社)231.6gおよび水57.9gに加温溶解させた。得られた溶液を、高速攪拌機(ホモミクサーMARK II、プライミクス株式会社製)で攪拌しながら、オレンジ香料(高砂香料工業製)6.0g、ひまわりレシチン(商品名:GIRALEC Premium/Lasenor社製)2.4gおよびビタミンE(エーザイ株式会社製)0.3gを予め混合均一化したものを加え、9000rpmで10分間乳化処理を行い、乳化香料組成物を調製した。表9に実施例9の乳化香料組成物の組成(質量%)を示す。
Figure 0006300780
[試験例8]乳化状態の安定性
95%エタノール526ml、果糖ぶどう糖液糖280g、クエン酸16gおよびクエン酸ナトリウム4.5gに水を加えて1000mlとし、アルコール飲料の5倍濃縮シロップ(アルコール濃度50容量%)を調製した。この5倍濃縮シロップに、実施例9で調製した乳化香料組成物を0.15質量%加えて1週間経過後も均一で良好な乳化安定性を示した。
[試験例9]飲用濃度に希釈した際の透明性の評価
試験例8において、1週間後の評価を行った5倍濃縮シロップ(実施例9)を、さらに水で5倍希釈してアルコール飲料を調製した。そして、その透明性を目視観察と透過率の測定により評価したところ、外観は透明で、透過率は98.9%であった。実施例9で調製した乳化香料組成物を、5倍濃縮シロップに添加して常温で1週間保管した後に水で5倍希釈しても、均一で透明な外観のアルコール飲料が得られた。
上記のとおり、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、アルコール飲料に配合すると嗜好性の高い透明な外観を与え、高濃度のアルコールを含むアルコール飲料用濃縮シロップと混合した場合でも浮遊物や沈殿を生じず、安定な乳化状態を保つことができる。また、本発明の好ましい態様によれば、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、アルコール飲料製品の風味・香味を損なわない。したがって、本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物は、アルコール飲料用の乳化香料組成物として有用である。
本発明のアルコール飲料用乳化香料組成物を用いることにより、嗜好性の高い透明な外観と風味・香味を有するアルコール飲料およびアルコール飲料用濃縮シロップを提供することが出来る。

Claims (8)

  1. (a)香料を含む油溶性成分、
    (b)1質量%水溶液の600nmにおける透過率が65%以上であるポリグリセリン脂肪酸エステル、および
    (c)酵素分解されていないレシチン
    を含むアルコール飲料用乳化香料組成物(ただし、前記組成物が酵素分解レシチンを含む場合を除く)
  2. (c)レシチンが、大豆レシチン、菜種レシチンおよびひまわりレシチンからなる群から選ばれるものである、請求項1に記載のアルコール飲料用乳化香料組成物。
  3. (b)ポリグリセリン脂肪酸エステルが、デカグリセリンと、ステアリン酸、オレイン酸又はそれらの組み合わせから選ばれる脂肪酸とのエステルである、請求項1又は2に記載のアルコール飲料用乳化香料組成物。
  4. (b)ポリグリセリン脂肪酸エステル100質量部に対して、(c)レシチンを20〜135質量部含む、請求項1から3の何れか一項に記載のアルコール飲料用乳化香料組成物。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の乳化香料組成物を含むアルコール飲料。
  6. 請求項1から4の何れか一項に記載の乳化香料組成物を含む、アルコール飲料用濃縮シロップ。
  7. アルコール飲料用濃縮シロップのアルコール濃度が20容量%以上である、請求項6に記載のアルコール飲料用濃縮シロップ。
  8. 請求項6または7に記載の濃縮シロップを希釈してアルコール飲料を製造する方法。
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