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JP6373629B2 - 水処理監視制御システム及びそれを有する水処理システム並びに水処理方法 - Google Patents

水処理監視制御システム及びそれを有する水処理システム並びに水処理方法 Download PDF

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JP6373629B2 JP2014091255A JP2014091255A JP6373629B2 JP 6373629 B2 JP6373629 B2 JP 6373629B2 JP 2014091255 A JP2014091255 A JP 2014091255A JP 2014091255 A JP2014091255 A JP 2014091255A JP 6373629 B2 JP6373629 B2 JP 6373629B2
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Description

本発明は、生活廃水や工業用排水等の下水を処理する水処理監視制御システム、水処理システム及び水処理方法に関する。
下水処理場をはじめとする水処理プラントにおいて、有機物除去を対象とした標準活性汚泥法が広く実施されている。標準活性汚泥法では、好気状態において好気性従属栄養菌が有機物を摂取し、有機物は除去される。
さらに、処理水質の向上を目的として有機物に加えて窒素やリンを除去する高度処理が各地の下水処理場で導入されてきている。一般的に、下水処理における生物学的窒素除去は、好気槽での硝化と無酸素槽での脱窒から実現される。硝化工程は好気状態で行われ、硝化菌により下水中のアンモニア性窒素(NH−N)は硝酸性窒素(NO−N)へ酸化される。脱窒工程は無酸素状態で行われ、脱窒菌によりNO-NはNガスへ還元される。Nガスは大気中へ放出されるため、液相中から窒素は除去される。この際、脱窒菌の周囲に有機物が十分に存在する場合は、その有機物を利用するため、脱窒速度は大きい。十分でない場合は、脱窒菌は自身で蓄えた有機物を用いてNO−Nを還元する。これは内生脱窒と呼ばれ、上述の脱窒と比較して脱窒速度が小さいため、十分な滞留時間を確保する必要がある。
窒素除去は好気槽と無酸素槽の配置から2種類に分類される。一つは循環式硝化脱窒法や嫌気―無酸素―好気法(AO法)のように無酸素槽を好気槽の前段に設置した方式である。この配置により、他の好気性従属栄養菌に先行して脱窒菌は有機物を摂取でき、脱窒性能の確保が期待できる。しかし、後段の好気槽から無酸素槽へNO−Nを多く含んだ硝化液を循環する必要がある。他方が、硝化内生脱窒法や嫌気―硝化・内生脱窒法(AOAO法)のような無酸素槽を好気槽の後段に設置した方式である。この方式では、(嫌気槽)、好気槽、無酸素槽、好気槽の順に反応槽が設置され、第1好気槽において硝化されたNO−Nは、続く無酸素槽において脱窒される。最後の好気槽は脱窒で生成した気泡により沈降性が悪化した活性汚泥から気泡を引き離すための槽で反応時間は短い。
上記のような下水処理において十分な窒素除去を行うには、好気槽での硝化と無酸素槽での脱窒を適切に行う必要がある。例えば、特開2012-66231号公報(特許文献1)では、好気槽内のアンモニア性窒素濃度を計測し、設定値との偏差に応じて曝気風量を調整する制御方式が提案されている。
特開2012-66231号公報
しかしながら、特許文献1の制御方式では、流入アンモニア濃度が大きい場合、好気槽で十分に硝化しきれず、無酸素槽で脱窒可能な量よりも少ない硝化量となる場合があり、窒素除去の観点から不利となるといった課題がある。
本発明は、脱窒促進による処理水質の向上と省エネ化が可能な水処理監視制御システム及びそれを用いた水処理システム並びに水処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の水処理監視制御システムは、(1)微生物を含む活性汚泥により、処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、(2)前記曝気風量制御部は、前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、(3)前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、(4)前記曝気風量制御部は、予め曝気運転時間及び曝気停止時間を保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合、前記予め保持された曝気運転時間継続して曝気運転し、曝気運転時間終了後、前記予め保持された曝気停止時間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、曝気運転中において、測定される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定以下の場合、前記微曝気運転に切り替えることを特徴とする。
また、本発明の他の水処理監視制御システムは、(1)微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、(2)前記曝気風量制御部は、前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、(3)前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、(4)前記硝化脱窒槽に硝酸センサを備え、前記曝気風量制御部は、第一硝酸性窒素濃度設定値、当該第一硝酸性窒素濃度設定値よりも低い第二硝酸性窒素濃度設定値、及び前記第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値である前記アンモニア性窒素濃度設定値を予め保持すると共に、前記微曝気運転時の曝気風量より小さく前記散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超え、前記硝酸センサにより測定される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下の期間、前記曝気運転し、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第一硝酸性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、微曝気運転することを特徴とする。
また、本発明の微生物を含む活性汚泥により処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽を用いた水処理方法は、前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が前記被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する微曝気運転とを切替え、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、予め曝気運転時間及び曝気停止時間を保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく前記硝化脱窒槽に設けられた散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記予め保持された曝気運転時間継続して曝気運転し、曝気運転時間終了後、前記予め保持された曝気停止時間、前記微小曝気風量値となるようブロワを制御し、曝気運転中において、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定以下の場合、前記微曝気運転に切り替えることを特徴とする。
また、本発明の微生物を含む活性汚泥により被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽を用いた他の水処理方法は、前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が前記被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する微曝気運転とを切替え、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、第一硝酸性窒素濃度設定値、当該第一硝酸性窒素濃度設定値よりも低い第二硝酸性窒素濃度設定値、及び前記第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値である前記アンモニア性窒素濃度設定値を予め保持すると共に、前記微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超え、前記硝化脱窒槽に設けられた硝酸センサにより計測される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下の期間、曝気運転し、前記計測される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微小曝気風量値となるようブロワを制御し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微曝気運転することを特徴とする。
更にまた、本発明の水処理システムは、(1)微生物を含む活性汚泥により、処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、前記硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、前記硝化脱窒槽の下流側に設置され、汚泥掻寄機を有し前記硝化脱窒槽より流入する被処理水から前記活性汚泥を沈降させ、上澄み液を分離し処理水として排出する最終沈殿池と、前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、(2)前記曝気風量制御部は、前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、(3)前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、(4)前記曝気風量制御部は、予め曝気運転時間及び曝気停止時間を保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合、前記予め保持された曝気運転時間継続して曝気運転し、曝気運転時間終了後、前記予め保持された曝気停止時間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、曝気運転中において、測定される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定以下の場合、前記微曝気運転に切り替えることを特徴とする。
また、本発明の他の水処理システムは、本発明の水処理システムは、(1)微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、前記硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、前記硝化脱窒槽の下流側に設置され、汚泥掻寄機を有し前記硝化脱窒槽より流入する被処理水から前記活性汚泥を沈降させ、上澄み液を分離し処理水として排出する最終沈殿池と、前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、(2)前記曝気風量制御部は、前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、(3)前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、(4)前記曝気風量制御部は、第一硝酸性窒素濃度設定値、当該第一硝酸性窒素濃度設定値よりも低い第二硝酸性窒素濃度設定値、及び前記第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値である前記アンモニア性窒素濃度設定値を予め保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超え、前記硝酸センサにより測定される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下の期間、前記曝気運転し、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第一硝酸性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微曝気運転することを特徴とする。
本発明によれば、脱窒促進により処理水質が向上されると共に、硝化が目標に達した後の過剰曝気を抑制して省エネ化を図ることができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の一実施形態に係る水処理システムの全体構成図である。 本発明の一実施例に係る実施例1の水処理監視制御システムの構成図である。 図2に示す水処理監視制御システムを構成する硝化脱窒槽におけるNH-N及びNO-Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例2の硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例3の硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例4の硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す図である。 本発明の他の実施例に係る実施例5の水処理監視制御システムの構成図である。 図7に示す水処理監視制御システムを構成する硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す図である。
図1に、本発明の一実施形態に係る水処理システムの全体構成図を示す。本発明の水処理システム1は、生活廃水又は工業用排水等の下水(以下、被処理水と称す)を、微生物群である活性汚泥により下水を処理する生物反応槽を介して処理するものである。図1に示すように、水処理システム1は、被処理水100の流入側より順に、好気槽10、硝化脱窒槽11、最終沈殿池16から構成される。好気槽10内には好気槽散気管12が設けられ、また、硝化脱窒槽11には硝化脱窒槽散気管13が設けられている。好気槽散気管12は、第1の風量調整弁17を介して硝化脱窒槽ブロワ15に接続され、硝化脱窒槽散気管13は、第2の風量調整弁18を介して硝化脱窒槽ブロワ15に接続される。また、硝化脱窒槽11にはアンモニアセンサ20が設置され、アンモニアセンサ20により計測されるアンモニア性窒素(NH−N)濃度を取り込み、設定値入力部22より設定された設定値に基づき曝気風量制御部21は曝気風量を演算し、硝化脱窒槽ブロワ15、第1の風量調整弁17及び第2の風量調整弁18を制御する。
ここで、曝気風量制御部21は、例えば、図示しないROM、RAM、外部記憶装置等の記憶装置を備えると共に、ROMに格納された各種プログラムを読み出し実行し、実行結果である演算処理結果をRAM又は外部記憶装置に格納するCPU等から構成される。
曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20によるアンモニア性窒素(NH−N)濃度の計測結果及び後述する設定値入力部22により設定された設定値に基づいて、硝化脱窒槽散気管13より硝化脱窒槽11内に供給する曝気風量を制御する。曝気風量制御部21は、硝化に適した曝気風量を供給する曝気運転、硝化脱窒槽11内の活性汚泥に含まれる微生物による酸素消費が可能な酸素量までは至らず(微生物にとっては、疑似無酸素状態の環境)、硝化脱窒槽11内で被処理水へ対流を生じさせる(攪拌)程度の曝気風量を供給する微曝気運転を切替え制御する。すなわち、微曝気運転において、供給される曝気風量は、硝化脱窒槽11内の被処理水中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量であり、上述のように、硝化脱窒槽11内の被処理水に対流を生じさせる程度の風量であることから、硝化脱窒槽11の底面への活性汚泥の沈殿を防止でき、硝化脱窒槽11内では硝化は生じず、脱窒が進行する。
最終沈殿池16は、硝化脱窒槽11より流入する被処理水100から活性汚泥を沈降させ、上澄み液を分離し処理水101として排出する。最終沈殿池16内には、底面に沈殿する活性汚泥を掻き寄せる汚泥掻寄機24が設けられている。
汚泥掻寄機24は、所定の間隔でチェーン30に取り付けられた複数のフライト31、最終沈殿池16の水上部に設置された駆動装置33により回転力が伝達される駆動軸の両端に設けられた駆動スプロケットホイール32a、駆動スプロケットホイール32aの下流側に配置された中間軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール32b、従動スプロケットホイール32bの下流側であって最終沈殿池16の底面付近に配置されたテール軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール32c、最終沈殿池16の底面付近であって従動スプロケットホイール32cの上流側に配置されたヘッド軸の両端に設けられた従動スプロケットホイール32dからなる。複数のフライト31が所定間隔にて取り付けられたチェーン30が、これら、駆動スプロケットホイール32a及び従動スプロケットホイール32b〜32dに2条平行に張架され、駆動装置33により循環駆動される。フライト31は、この2条平行に張架されたチェーン30を渡るように所定間隔にて取り付けられた平板形状を有する。
そして、矢印F1の方向(下流側から上流側へ向かう方向)に沿ってチェーン30が移動する際、チェーン30に取り付けられたフライト31により、最終沈殿池16の底面に沈殿する活性汚泥は汚泥ピットP1側に掻き寄せられる。また、最終沈殿池16の水面位置付近で矢印F2方向(上流側から下流側へ向かう方向)にチェーン30が移動する際、チェーン30に取り付けられたフライト31により水面に浮上するスカムはスカムスキマ34側に掻き寄せられ排出される。
汚泥掻寄機24により汚泥ピットP1側に掻き寄せられた活性汚泥は、汚泥返送ポンプ19により好気槽10へ戻される。
図1において、一点鎖線で囲まれる、好気槽10、硝化脱窒槽11、好気槽散気管12、硝化脱窒槽散気管13、硝化脱窒槽ブロワ15、第1の風量調整弁17、第2の風量調整弁18、アンモニアセンサ20、設定値入力部22及び曝気風量制御部21より、水処理監視制御システム2が構成される。
なお、図1では、硝化脱窒槽ブロワ15により、第1の風量調整弁17及び第2の風量調整弁18を介して、それぞれ、好気槽10及び硝化脱窒槽11を曝気する構成としたが、必ずしもこれに限られず、好気槽10及び硝化脱窒槽11をそれぞれ独立に曝気する2つのブロワを設ける構成としても良い。
また、生物処理槽として、好気槽10及び硝化脱窒槽11を有する構成としたが、硝化脱窒槽11のみを有する構成、あるいは、好気槽10及び硝化脱窒槽11を有し更に硝化脱窒槽11の後段に好気槽を配する構成としても良い。
本発明の水処理システム1によれば、処理水質を安定化できると共に、過剰曝気による電力消費を抑制することができる。
以下、本発明の実施例について、水処理システム1を構成する水処理監視制御システム2の詳細について図面を用いて説明する。
図2に、本発明の一実施例に係る水処理監視制御システムの構成図を示す。微生物群である活性汚泥により被処理水(下水)を処理する生物反応槽として、上流側に好気槽10と下流側に硝化脱窒槽11が設置され、好気槽10内には好気槽散気管12が、硝化脱窒槽11内には硝化脱窒槽散気管13が設置される。好気槽散気管12には好気槽ブロワ14が、硝化脱窒槽散気管13には硝化脱窒槽ブロワ15が連通する。硝化脱窒槽11にはアンモニアセンサ20が設置される。アンモニアセンサ20より計測されるアンモニア性窒素(NH-N)濃度値は曝気風量制御部21に送られる。曝気風量制御部21では設定値入力部22で設定した設定値に基づいて硝化脱窒槽ブロワ15の曝気風量を演算し、硝化脱窒槽ブロワ15を制御する。好気槽10の上流側からは被処理水100が流入し、好気槽10と硝化脱窒槽11で処理され、硝化脱窒槽11の下流側に処理水101として流出する。
設定値入力部22にて入力されるアンモニア性窒素濃度設定値及び微曝気風量設定値は、曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に格納される。図3に、図2に示す硝化脱窒槽11の水質変動履歴(NH−N及びNO−Nの濃度履歴)と硝化脱窒槽ブロワ15の曝気風量履歴との関係を示す。好気槽10からは、アンモニア性窒素(NH−N)と硝酸性窒素(NO−N)を含む被処理水100が硝化脱窒槽11に流入する。曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20で計測された硝化脱窒槽11内のNH−N濃度を取り込み、設定値入力部22を介して設定され、図示しない記憶装置に格納されたアンモニア性窒素濃度設定値と比較する。計測されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を超える場合、曝気風量制御部21は、硝化に適した曝気風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、通常の曝気運転を実行する。この状態が図3に示す期間Aである。なお、ここで、本実施例では曝気運転として一定曝気風量運転としている。図3に示すように、曝気運転期間である期間Aでは、NH−N濃度は減少(硝化)し、NO−N濃度は増加する。
曝気風量制御部21は、計測されたNH−N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値と比較し、計測されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下となった場合、硝化脱窒槽11内の被処理水100中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、微曝気運転に切り替える。この状態が図3に示す期間Bである。なお、ここで、硝化脱窒槽ブロワ15及び硝化脱窒槽散気管13を介して硝化脱窒槽11に供給される曝気風量は、微曝気運転としてあらかじめ設定し、曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に格納された微曝気風量設定値となる。微曝気風量設定値として、上述のように、硝化脱窒槽11内の活性汚泥に含まれる微生物による酸素消費が可能な酸素量までは至らず(微生物にとっては、疑似無酸素状態の環境)、硝化脱窒槽11内の被処理水中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量が設定される。
微曝気運転時は、硝化脱窒槽11内は擬似無酸素状態となるため、脱窒および内生脱窒が進行し、NO−N濃度は減少する。図3に示す期間Bにおいても、好気槽10からNH−Nを含む被処理水100が硝化脱窒槽11に連続的に流入する。但し、好気槽10から流入する被処理水100中のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合には、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−Nはアンモニア性窒素濃度設定値以下となり、硝化脱窒槽11では微曝気運転が継続される。
また、微曝気運転中において、好気槽10から流入する被処理水100中のNH−N濃度が、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度よりも大きい場合、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度は上昇する。曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値を比較し、アンモニア性窒素濃度設定値を上回った場合、微曝気運転から再び曝気運転に切替える。すなわち、曝気風量制御部21は、硝化に適した曝気風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、通常の曝気運転に切替え制御する。この状態が、図3における期間Cである。
以上のとおり、本実施例では、曝気風量制御部21は、所定の周期でアンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度と、図示しない記憶装置に格納されるアンモニア性窒素濃度設定値を比較し、比較結果に応じて曝気運転と微曝気運転を切替え制御する。
硝化後に脱窒することで窒素を除去できるが、本実施例では、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度が大きい場合、曝気風量制御部21は硝化不十分と判断して硝化する。また、NH−N濃度が小さい場合、曝気風量制御部21は曝気風量を絞り硝化脱窒槽11内を擬似無酸素状態とすることで攪拌をしつつ脱窒を進行させる。すなわち、硝化脱窒槽11は硝化と脱窒の二つの役割を担うこととなる。
本実施例では、曝気運転(硝化運転)として一定曝気風量運転を例に説明したが、これに限られず、例えば、流量比例制御、DO(Dissolved Oxygen:溶存酸素)制御又はアンモニア制御など他の制御則にそった運転としても良い。また、好気槽ブロワ14及び硝化脱窒槽ブロワ15は、曝気風量制御部21によって制御される同一のブロワでも良い。すなわち、図1に示すように、ブロワを硝化脱窒槽ブロワ15のみとし、第1の風量調整弁17を介して好気槽10へ、また、第2の風量調整弁18を介して硝化脱窒槽11へ曝気風量を供給するよう構成しても良い。
本実施例では好気槽10と硝化脱窒槽11の2槽のみを示したが、上流側と下流側の槽構成については特に限定されるものではなく、例えば、好気槽10の前段に嫌気槽、硝化脱窒槽11の後段に脱窒槽と再曝気槽を配するAOAO法の構成としても良い。また、硝化脱窒槽11のみの構成でも良い。
本実施例によれば、硝化脱窒槽11内のアンモニア性窒素(NH−N)濃度に応じて、曝気運転(硝化運転)及び微曝気運転(攪拌、脱窒及び内生脱窒)が切り替えられることにより、脱窒が促進され処理水質を向上できると共に、過剰曝気が抑制され省エネ化を図ることができる。
図4に、本発明の他の実施例に係る硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す。本実施例における水処理監視制御システム2の構成は、図2に示す実施例1の構成と同一であるため、以下では説明を省略する。本実施例は、曝気風量制御部21が、微曝気運転中において、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度が、予め設定され格納されたアンモニア性窒素濃度設定値を超えた場合に、所定時間経過後に曝気運転(硝化運転)に切り替えるよう構成した点が実施例1と異なる。
曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20で計測された硝化脱窒槽11内のNH−N濃度を取り込み、記憶装置に格納されたアンモニア性窒素濃度設定値と比較する。計測されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定を上回る場合、曝気風量制御部21は、硝化に適した曝気風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、通常の曝気運転を実行する。この状態が図4に示す期間Aである。なお、ここで、本実施例では、実施例1と同様に曝気運転として一定曝気風量運転としている。図4に示すように、曝気運転期間である期間Aでは、NH−N濃度は減少(硝化)し、NO−N濃度は増加する。
曝気風量制御部21は、計測されたNH-N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値と比較し、計測されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下となった場合、硝化脱窒槽11内の被処理水100中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、微曝気運転に切り替える。この状態が図4に示す期間Bである。なお、ここで、硝化脱窒槽ブロワ15及び硝化脱窒槽散気管13を介して硝化脱窒槽11に供給される曝気風量は、微曝気運転としてあらかじめ設定し、曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に格納された微曝気風量設定値となる。微曝気風量設定値として、上述のように、硝化脱窒槽11内の活性汚泥に含まれる微生物による酸素消費が可能な酸素量までは至らず(微生物にとっては、疑似無酸素状態の環境)、硝化脱窒槽11内の被処理水中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量が設定される。
微曝気運転時は、硝化脱窒槽11内は擬似無酸素状態となるため、脱窒および内生脱窒が進行し、NO−N濃度は減少する。図4に示す期間Bにおいても、好気槽10からNH−Nを含む被処理水100が硝化脱窒槽11に連続的に流入する。但し、好気槽10から流入する被処理水100中のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合には、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−Nはアンモニア性窒素濃度設定値以下となり、硝化脱窒槽11では微曝気運転が継続される。
また、微曝気運転中において、好気槽10から流入する被処理水100中のNH−N濃度が、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度よりも大きい場合、硝化脱窒槽11内のNH-N濃度は上昇する。曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値を比較し、アンモニア性窒素濃度設定値を超えたとき、図4に示すように、アンモニア性窒素濃度設定値を超えた時点から所定時間(Δt)経過後に、微曝気運転から再び曝気運転に切替える。この状態が図4における期間Cである。
すなわち、曝気風量制御部21は、計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を超えた時点で直ちに、再び曝気運転に切り替えるのではなく、Δtの時間、微曝気運転(攪拌、脱窒及び内生脱窒)を継続する。所定時間Δtは、例えば、5分から30分までの範囲内で所望の時間が設定される。Δtの設定は、予め設定値入力部22を介して行われる。設定されたΔtは、曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に格納される。なお、この遅れ時間として設定されるΔtは、微曝気運転から曝気運転に切り替える際に使用され、曝気運転から微曝気運転へ切り替える際には使用されない。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、好気槽10より硝化脱窒槽11へ連続的に流入する被処理水100中のNH−N濃度が短周期で変動するような場合、すなわち、アンモニア性窒素濃度設定値を超える又は以下となる頻度が高い場合であっても、少なくともΔtの時間、微曝気運転(攪拌、脱窒及び内生脱窒)でき、脱窒が阻害されることはない。これにより、水質変動の激しい被処理水に対しても確実に脱窒を実行することが可能となる。
なお、本実施例では、曝気運転(硝化運転)として一定曝気風量運転を例に説明したが、これに限られず、流量比例制御、DO制御又はアンモニア制御など他の制御則にそった運転としても良い。また、好気槽ブロワ14及び硝化脱窒槽ブロワ15は、曝気風量制御部21によって制御される同一のブロワでも良い。
図5に、本発明の他の実施例に係る硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す。本実施例における水処理監視制御システム2の構成は、図2に示す実施例1の構成と同一であるため、以下では説明を省略する。本実施例は、曝気風量制御部21が、曝気運転(硝化運転)から微曝気運転への切替え判定を行うためのアンモニア性窒素濃度の第1の閾値であるアンモニア性窒素濃度設定1と、微曝気運転から曝気運転への切替え判定を行うためのアンモニア性窒素濃度の第2の閾値であるアンモニア性窒素濃度設定値2を設定し、切り替えるよう構成した点が実施例1と異なる。図5に示すように、これら2つの閾値の関係は、アンモニア性窒素濃度設定値2がアンモニア性窒素濃度設定値1よりも大の関係にある。
曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20で計測された硝化脱窒槽11内のNH−N濃度を取り込み、記憶装置に格納されたアンモニア性窒素濃度設定値1と比較する。計測されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定1を超える場合、曝気風量制御部21は、硝化に適した曝気風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、通常の曝気運転を実行する。この状態が図5に示す期間Aである。なお、ここで、本実施例では、実施例1と同様に曝気運転として一定曝気風量運転としている。図5に示すように、曝気運転期間である期間Aでは、NH−N濃度は減少(硝化)し、NO−N濃度は増加する。
曝気風量制御部21は、計測されたNH−N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値1と比較し、計測されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値1以下となった場合、硝化脱窒槽11内の被処理水100中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、微曝気運転に切り替える。この状態が図5に示す期間Bである。なお、ここで、硝化脱窒槽ブロワ15及び硝化脱窒槽散気管13を介して硝化脱窒槽11に供給される曝気風量は、微曝気運転としてあらかじめ設定し、曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に格納された微曝気風量設定値となる。微曝気風量設定値として、上述のように、硝化脱窒槽11内の活性汚泥に含まれる微生物による酸素消費が可能な酸素量までは至らず(微生物にとっては、疑似無酸素状態の環境)、硝化脱窒槽11内の被処理水中に活性汚泥がほぼ均一に分散する状態を維持できる程度の風量が設定される。
微曝気運転時は、硝化脱窒槽11内は擬似無酸素状態となるため、脱窒及び内生脱窒が進行し、NO−N濃度は減少する。図5に示す期間Bにおいても、好気槽10からNH−Nを含む被処理水100が硝化脱窒槽11に連続的に流入する。但し、好気槽10から流入する被処理水100中のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値1以下の場合には、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度はアンモニア性窒素濃度設定値1以下となり、硝化脱窒槽11では微曝気運転が継続される。
また、微曝気運転中において、好気槽10から流入する被処理水100中のNH−N濃度が、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度よりも大きい場合、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度は上昇する。曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20により計測される硝化脱窒槽11内のNH-N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値2を比較し、アンモニア性窒素濃度設定値2を超えた場合、図5に示すように、微曝気運転から再び曝気運転に切替える。この状態が図5における期間Cである。
また、曝気運転中(期間C)において、アンモニアセンサ20により測定される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値1以下となった場合、曝気風量制御部21は、曝気運転(硝化運転)から再び曝気運転に切り替える。この状態が図5における期間Dである。
ここで、アンモニア性窒素濃度設定値1及びアンモニア性窒素濃度設定値2は、予め設定値入力部22を介して曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に設定され、格納される。微曝気運転から曝気運転への切替え判定を行うためのアンモニア性窒素濃度設定値2として、例えば、硝化脱窒槽11より最終沈殿池16(図1)へ流入する被処理水100の水質目標値が設定される。あるいは、最終沈殿池16より排出される処理水101の水質目標値が設定される。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、好気槽10より硝化脱窒槽11へ連続的に流入する被処理水100中のNH−N濃度が短周期で変動するような場合であっても、微曝気運転(攪拌、脱窒及び内生脱窒)から曝気運転(硝化運転)への切替え判定を行うためのアンモニア性窒素濃度設定値2を、曝気運転から微曝気運転への切替え判定を行うためのアンモニア性窒素濃度設定値1より高い値に設定することにより、微曝気運転から曝気運転への切替えタイミングを遅延させることが可能となる。これにより、水質変動の激しい被処理水に対しても確実に脱窒を実行することが可能となる。
なお、本実施例では、設定するアンモニア性窒素濃度設定1及び2共に一定値としたが、これに限られず、アンモニアセンサ20の経年変化による測定誤差の発生を考慮し、可変設定可能としても良い。この場合、例えば、NH−N濃度<2mg-N/Lのような低濃度ではアンモニアセンサ20の経年変化が早まることが予想されるが、特に、アンモニアセンサ20を取り換えることなく継続的に使用することが可能となる。
また、本実施例では、曝気運転(硝化運転)として一定曝気風量運転を例に説明したが、これに限られず、流量比例制御、DO制御又はアンモニア制御など他の制御則にそった運転としても良い。また、好気槽ブロワ14及び硝化脱窒槽ブロワ15は、曝気風量制御部21によって制御される同一のブロワでも良い。
図6に、本発明の他の実施例に係る硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す。本実施例における水処理制御監視システム2の構成は、図2に示す実施例1と同一であるため、以下では説明を省略する。本実施例では、曝気運転及び微曝気運転に加え、更に、微小曝気運転を設け、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度に応じて、曝気風量制御部21がこれら3種の運転状態を切り替えるよう構成した点が実施例1と異なる。
設定値入力部22では、実施例1でのアンモニア性窒素濃度設定値と微曝気風量設定値に加えて、曝気停止時間、曝気運転時間、微曝気風量よりも小さな曝気風量である微小曝気風量設定値が入力される。一般に曝気を停止した場合、生物反応槽中の活性汚泥や被処理水が散気管内部に逆流する。ここでの微小曝気風量値は微曝気風量値より小さく、生物反応槽内の被処理水に対する攪拌能力は無いものの、生物反応槽中の活性汚泥や被処理水が散気管内部を逆流しない程度の値に設定される。また、散気管として例えば膜式のものを使用した場合、曝気停止時に散気膜表面の孔が閉塞するため逆流することはない。その場合、微小曝気風量値は零として良い。以下では微小曝気風量値を零として説明する。なお、通常の曝気運転(硝化運転)における曝気風量値は、微曝気風量設定値よりも常に大きな曝気風量とする。
図6に本実施例による硝化脱窒槽11の水質変動履歴と硝化脱窒槽ブロワ15の曝気風量履歴の関係を示す。曝気風量制御部21は、アンモニアセンサ20にて計測される硝化脱窒槽11内の被処理水100中のNH−N濃度を取り込み、図示しない記憶装置に格納されるアンモニア性窒素濃度設定値と比較する。比較の結果、測定されたNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を超えるため、曝気風量制御部21は、硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、硝化脱窒槽散気管13より硝化に適した曝気量を供給する。すなわち、通常の曝気運転(硝化運転)を行う。ここでの曝気運転は、曝気風量制御部21内の記憶装置に格納された曝気運転時間の間、継続される。この状態が図6に示す期間Aである。
期間A終了後、曝気風量制御部21は、記憶装置(図示せず)に格納された曝気停止時間を読み出し、当該曝気停止時間の間、予め格納された微小曝気風量設定値となるよう硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、曝気停止運転を実行する。この状態が図6に示す期間Bである。期間Bにおける曝気停止運転の間、硝化脱窒槽11内の被処理水100中のNO−Nは脱窒のため減少する。
曝気停止時間(期間B)経過後、曝気風量制御部21は、硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、再び通常の曝気運転(硝化運転)を開始する。この曝気運転中(図6に示す期間C)において、曝気風量制御部21は、測定される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度とアンモニア性窒素濃度設定値を所定の周期で比較する。比較の結果、上記曝気運転時間が経過するよりも前に、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下となった場合、曝気風量制御部21は、微曝気風量設定値による微曝気運転に切り替える(期間Cの終了)。
微曝気運転へ切替え後、曝気風量制御部21は、所定の周期で計測される硝化脱窒槽11内のNH−N濃度とアンモニア性窒素濃度設定を比較し、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を超えるまで、微曝気運転を継続する。この状態が図6の期間Dである。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、このように所定の時間(一定時間)、曝気運転(硝化運転)と曝気停止運転を交互に繰り返すことで、硝化脱窒槽11を流出する処理水101の水質の安定性を向上することができる。また、一定時間で曝気運転(硝化運転)から曝気停止運転に切り替えることで被処理水中の有機物が全て酸化(硝化)する前に脱窒状態となるため、内生脱窒よりも脱窒速度が速い通常の脱窒反応を活用できる。
図7に、本発明の他の実施例に係る水処理監視制御システム2の構成図を示し、図8に図7に示す硝化脱窒槽におけるNH−N及びNO−Nの濃度履歴と曝気風量履歴の関係を示す。本実施例では、硝化脱窒槽11にアンモニアセンサ20に加え硝酸センサ23を設置し、曝気風量制御部21にて、アンモニア性窒素濃度設定値に加え、第一硝酸性窒素濃度設定値及び第二硝酸性窒素濃度設定値を用いて、曝気運転、微曝気運転及び曝気停止運転を切替え制御するよう構成した点が実施例1と異なる。
本実施例では、設定値入力部22により、実施例1と同様にアンモニア性窒素濃度設定値及び微曝気風量設定値が入力され、曝気風量制御部21内の図示しない記憶装置に格納される。更に、設定値入力部22により、第一硝酸性窒素濃度設定値、第二硝酸性窒素濃度設定値、微曝気風量よりも小さな曝気風量である微小曝気風量設定値が入力され、曝気風量制御部21内の記憶装置に格納される。一般に曝気を停止した場合、生物反応槽中の活性汚泥や被処理水が散気管内部に逆流する。ここでの微小曝気風量値は微曝気風量値より小さいため生物反応槽内の被処理水に対する攪拌能力は無いものの、生物反応槽中の活性汚泥や被処理水が逆流しない程度の値に設定される。また、散気管として例えば膜式のものを使用した場合、曝気停止時に散気膜表面の孔が閉塞するため逆流することはない。その場合、微小曝気風量値は零として良い。以下では微小曝気風量値を零として説明する。なお、通常の曝気運転(硝化運転)における曝気風量値は、微曝気風量設定値よりも常に大きな曝気風量とする。また、第一硝酸性窒素濃度設定値は、第二硝酸性窒素濃度設定値より常に高い値とする。
曝気風量制御部21は、所定の周期でアンモニアセンサ20及び硝酸センサ23より、それぞれ硝化脱窒槽11内の被処理水100中のNH−N濃度及びNO−N濃度を取得する。また、曝気風量制御部21は、計測されたNH−N濃度と予め記憶装置に格納されたアンモニア性窒素濃度設定値を比較すると共に、測定されたNO−N濃度と予め記憶装置に格納された第一硝酸性窒素濃度設定値及び第二硝酸性窒素濃度設定値を比較する。比較の結果、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を超える場合、曝気風量制御部21は、硝化脱窒槽ブロワ15を制御し曝気運転を開始し、測定されたNO−N濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値を超えるまで曝気運転を継続する。この状態が図8に示す期間Aである。
曝気風量制御部21は、所定の周期で測定されるNO−N濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値を超えた場合、硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、微小曝気風量設定値として曝気停止運転に切り替える。曝気停止運転の間、硝化脱窒槽11内のNO−N濃度は脱窒のため減少する。所定の周期で計測されるNO−N濃度が第二硝酸性窒素濃度設定値以下となるまで、曝気停止運転が継続される。この状態が図8に示す期間Bである。
曝気風量制御部21は、NO−N濃度が第二硝酸性窒素濃度設定値以下となった場合、硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、再び通常の曝気運転(硝化運転)に切り替える。曝気運転の間、硝化脱窒槽11内のNH−N濃度は硝化により減少する。所定の周期で測定されるNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下となるまで、曝気運転が継続される。この状態が図8に示す期間Cである。
続いて、曝気風量制御部21は、NH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下となり、NO−N濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下であり第二硝酸性窒素濃度設定値を超えている場合、微曝気風量設定値により硝化脱窒槽ブロワ15を制御し、微曝気運転に切り替える。微曝気運転の間、硝化脱窒槽11内のNO−N濃度は脱窒のため減少する。NH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を上回るか、NO−N濃度が第二硝酸性窒素濃度設定値以下となるまで、微曝気運転は継続される。この状態が図8に示す期間Dである。
図8に示されるように、本実施例では、曝気運転(硝化運転)から曝気停止運転(脱窒運転)への切替え判定のための第一硝酸性窒素濃度設定値を、曝気停止運転から曝気運転への切替え判定のための第二硝酸性窒素濃度設値よりも高い値に設定し、更に、曝気運転から微曝気運転への切替え判定のためのアンモニア性窒素濃度設定値を、第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値に設定している。
本実施例によれば、実施例1の効果に加え、曝気運転(硝化運転)と曝気停止運転を交互に繰り返すことで、硝化脱窒槽11より流出する処理水101の水質の安定性を向上することが可能となる。また、曝気運転(硝化運転)から曝気停止運転に切り替えることで被処理水中の有機物が全て酸化する前に脱窒状態となるため、内生脱窒よりも脱窒速度が速い通常の脱窒反応を活用できる。
なお、本実施例では、曝気運転(硝化運転)として一定曝気風量運転を例に説明したが、これに限られず、流量比例制御、DO制御又はアンモニア制御など他の制御則にそった運転としても良い。また、好気槽ブロワ14及び硝化脱窒槽ブロワ15は、曝気風量制御部21によって制御される同一のブロワでも良い。
また、本実施例では好気槽10と硝化脱窒槽11の2槽のみを示したが、上流側と下流側の槽構成については限定されるものでは無く、例えば、好気槽10の前段に嫌気槽、硝化脱窒槽11の後段に脱窒槽と再曝気槽を追加したAOAO法の構成としても良い。また、生物処理槽として硝化脱窒槽11のみの構成としても良い。
また、本実施例では、硝化脱窒槽11内の被処理水100中のNH−N濃度がアンモニア性窒素濃度設定値を超える場合に、第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定を用いて、通常の曝気運転(硝化運転)と微小曝気風量による運転(曝気停止運転)を切り替えたが、実施例4での曝気運転時間と曝気停止時間を組み合わせても良い。すなわち、曝気運転時間の間、通常曝気運転(硝化運転)を実行し、その後、NO−N濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下から第二硝酸性窒素濃度値を上回るまでの間、微小曝気風量設定値として曝気停止運転を実行するよう構成しても良い。あるいは、曝気停止時間の間、微小曝気風量による曝気停止運転を実行し、NO−N濃度が第二硝酸性窒素濃度を超え第一硝酸性窒素濃度以下となると、再び通常の曝気運転(硝化運転)を実行するよう構成しても良い。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の実施例の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1・・・水処理システム、2・・・監視制御システム、10・・・好気槽、11・・・硝化脱窒槽、12・・・好気槽散気管、13・・・硝化脱窒槽散気管、14・・・好気槽ブロワ、15・・・硝化脱窒槽ブロワ、16・・・最終沈殿池、17・・・第1の風量調整弁、18・・・第2の風量調整弁、19・・・汚泥返送ポンプ、20・・・アンモニアセンサ、21・・・曝気風量制御部、22・・・設定値入力部、23・・・硝酸センサ、24・・・汚泥掻寄機、30・・・チェーン、31・・・フライト、32a・・・ 駆動スプロケットホイール、32b,32c,32d・・・従動スプロケットホイール、33・・・駆動装置、34・・・スカムスキマ、100・・・被処理水、101・・・処理水

Claims (6)

  1. 微生物を含む活性汚泥により、処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、
    前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、
    硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、
    前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、
    前記曝気風量制御部は、
    前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、
    前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、
    前記曝気風量制御部は、予め曝気運転時間及び曝気停止時間を保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合、前記予め保持された曝気運転時間継続して曝気運転し、曝気運転時間終了後、前記予め保持された曝気停止時間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、曝気運転中において、測定される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定以下の場合、前記微曝気運転に切り替えることを特徴とする水処理監視制御システム。
  2. 微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、
    前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、
    硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、
    前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、
    前記曝気風量制御部は、
    前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、
    前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、
    前記硝化脱窒槽に硝酸センサを備え、前記曝気風量制御部は、第一硝酸性窒素濃度設定値、当該第一硝酸性窒素濃度設定値よりも低い第二硝酸性窒素濃度設定値、及び前記第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値である前記アンモニア性窒素濃度設定値を予め保持すると共に、前記微曝気運転時の曝気風量より小さく前記散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超え、前記硝酸センサにより測定される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下の期間、前記曝気運転し、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第一硝酸性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、微曝気運転することを特徴とする水処理監視制御システム。
  3. 微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽を用いた水処理方法であって、
    前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する微曝気運転とを切替え、
    予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、
    予め曝気運転時間及び曝気停止時間を保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく前記硝化脱窒槽に設けられた散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記予め保持された曝気運転時間継続して曝気運転し、
    曝気運転時間終了後、前記予め保持された曝気停止時間、前記微小曝気風量値となるようブロワを制御し、曝気運転中において、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定以下の場合、前記微曝気運転に切り替えることを特徴とする水処理方法
  4. 微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽を用いた水処理方法であって、
    前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を前記硝化脱窒槽へ供給する微曝気運転とを切替え、
    予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、
    第一硝酸性窒素濃度設定値、当該第一硝酸性窒素濃度設定値よりも低い第二硝酸性窒素濃度設定値、及び前記第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値である前記アンモニア性窒素濃度設定値を予め保持すると共に、前記微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超え、前記硝化脱窒槽に設けられた硝酸センサにより計測される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下の期間、曝気運転し、前記計測される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微小曝気風量値となるようブロワを制御し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微曝気運転することを特徴とする水処理方法
  5. 微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、
    前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、
    前記硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、
    前記硝化脱窒槽の下流側に設置され、汚泥掻寄機を有し前記硝化脱窒槽より流入する被処理水から前記活性汚泥を沈降させ、上澄み液を分離し処理水として排出する最終沈殿池と、
    前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、
    前記曝気風量制御部は、
    前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、
    前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、
    前記曝気風量制御部は、予め曝気運転時間及び曝気停止時間を保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合、前記予め保持された曝気運転時間継続して曝気運転し、曝気運転時間終了後、前記予め保持された曝気停止時間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、曝気運転中において、測定される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定以下の場合、前記微曝気運転に切り替えることを特徴とする水処理システム。
  6. 微生物を含む活性汚泥により、被処理水である下水に対し硝化及び脱窒を行う硝化脱窒槽と、
    前記硝化脱窒槽に設置されたアンモニアセンサと、
    前記硝化脱窒槽内に設置された散気管を介して前記硝化脱窒槽へ酸素を供給するブロワと、
    前記硝化脱窒槽の下流側に設置され、汚泥掻寄機を有し前記硝化脱窒槽より流入する被処理水から前記活性汚泥を沈降させ、上澄み液を分離し処理水として排出する最終沈殿池と、
    前記ブロワの曝気風量を制御する曝気風量制御部と、を備え、
    前記曝気風量制御部は、
    前記アンモニアセンサにより計測される前記硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度に応じて、硝化に適する曝気風量を供給する曝気運転と、前記微生物にとっては疑似無酸素状態であって前記活性汚泥が被処理水中に分散する状態を維持し得る曝気風量を供給する微曝気運転とを切替え制御するものであって、
    前記曝気風量制御部は、予め設定されたアンモニア性窒素濃度設定値を保持し、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度設定値以下の場合前記微曝気運転に切り替え、前記計測される硝化脱窒槽内のアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超える場合前記曝気運転に切り替え、且つ、
    前記曝気風量制御部は、第一硝酸性窒素濃度設定値、当該第一硝酸性窒素濃度設定値よりも低い第二硝酸性窒素濃度設定値、及び前記第一硝酸性窒素濃度設定値と第二硝酸性窒素濃度設定値の間の値である前記アンモニア性窒素濃度設定値を予め保持すると共に、微曝気運転時の曝気風量より小さく散気管内部への前記被処理水の逆流を防止し得る微小曝気風量値を保持し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値を超え、前記硝酸センサにより測定される硝酸性窒素濃度が第一硝酸性窒素濃度設定値以下の期間、前記曝気運転し、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第一硝酸性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微小曝気風量値となるよう前記ブロワを制御し、前記計測されるアンモニア性窒素濃度が前記アンモニア性窒素濃度設定値以下で、前記計測される硝酸性窒素濃度が前記第二硝酸性窒素濃度設定値を超える期間、前記微曝気運転することを特徴とする水処理システム。
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