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JP6358292B2 - 変速機の同期装置 - Google Patents

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JP6358292B2
JP6358292B2 JP2016145344A JP2016145344A JP6358292B2 JP 6358292 B2 JP6358292 B2 JP 6358292B2 JP 2016145344 A JP2016145344 A JP 2016145344A JP 2016145344 A JP2016145344 A JP 2016145344A JP 6358292 B2 JP6358292 B2 JP 6358292B2
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Description

本発明は、車両に搭載される変速機の同期装置に関し、車両用変速機の技術分野に属する。
手動変速機等の車両に搭載される変速機として、エンジンなどの駆動源からの駆動力がクラッチを介して入力されるプライマリシャフトと、プライマリシャフトと平行に配置されたセカンダリシャフトと、プライマリシャフトとセカンダリシャフトとの間に設けられた複数の変速段用ギヤ列とを有し、運転者のチェンジレバー操作によって複数の変速段用ギヤ列のうちのいずれかを動力伝達状態として所定の変速段を達成するようにしたものが知られている。
前記変速段用ギヤ列は、プライマリシャフト又はセカンダリシャフトの一方に固定された固定ギヤと、プライマリシャフト又はセカンダリシャフトの他方に遊嵌合された遊転ギヤとが常時噛み合って構成され、所定の変速段への変速は、同期装置を用いて、変速段用ギヤ列の遊転ギヤと該遊転ギヤが遊嵌合されたプライマリシャフト又はセカンダリシャフトとを結合して該変速段用ギヤ列を動力伝達状態とすることにより行われる。
前記同期装置は一般に、プライマリシャフトやセカンダリシャフトなどの回転軸にスプライン嵌合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面にハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されてハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、回転軸に遊嵌合された遊転ギヤである被同期ギヤのハブ側に形成されたスプラインと、被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面にスプラインが形成されると共に内周面にコーン面が形成されたシンクロナイザリングとを備えている。
そして、チェンジレバー操作によってスリーブが被同期ギヤ側に移動されることによりシンクロナイザリングを被同期ギヤ側に移動させて、シンクロナイザリングのコーン面と被同期ギヤのコーン面との間で摩擦を発生させて回転軸と被同期ギヤの回転数を同期させ、その後にスリーブが被同期ギヤ側にさらに移動されてスリーブのスプラインがハブ、シンクロナイザリング及び被同期ギヤのスプラインに嵌合され、回転軸と被同期ギヤとが結合される。
このようにして構成される同期装置では、シフトアップの変速操作時に、回転軸と被同期ギヤの回転数を同期させた後にスリーブが被同期ギヤ側にさらに移動される際に、スリーブのスプラインが被同期ギヤのスプラインを掻き分けるときにチェンジレバー操作力が大きく変動して2段モーションを引き起こし得る。
この2段モーションを抑制するものとして、例えば特許文献1には、スリーブのスプラインに設けられたスリーブチャンファ部が、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称なチャンファ面を有する第1チャンファ部と、スリーブのスプラインにおけるスリーブの周方向の一方側から他方側に亘って傾斜するチャンファ面のみを有する第2チャンファ部とを備え、第2チャンファ部を第1チャンファ部より被同期ギヤ側に突出させるようにした同期装置が開示されている。
前記特許文献1に記載の同期装置では、シンクロナイザリングのスプラインは、第2チャンファ部が設けられたスリーブのスプラインに対応する部分に形成されることなく第1チャンファ部が設けられたスリーブのスプラインに対応する部分にのみ形成されている。また、シンクロナイザリングのスプラインに設けられたリングチャンファ部は、シンクロナイザリングのスプラインの軸方向中心線に対して対称なチャンファ面を有するように形成され、被同期ギヤのスプラインに設けられたギヤチャンファ部は、被同期ギヤのスプラインにおける被同期ギヤの周方向の一方側から他方側に亘って第2チャンファ部のチャンファ面と同一方向に傾斜するチャンファ面を有するように形成されている。
この同期装置によれば、シフトアップの変速操作時に、回転軸と被同期ギヤの回転数を同期させた後にスリーブが被同期ギヤ側にさらに移動される際に、第1チャンファ部によってシンクロナイザリングのスプラインを?き分けた後に第2チャンファ部によって被同期ギヤのスプラインを掻き分けるときにチェンジレバー操作力が大きくなることを抑制して2段モーションが発生することを抑制することが可能とされている。
特開平4−125318号公報
ところで、同期装置では、スリーブの軸方向一方側の端面を被同期ギヤに設けられたストッパ部に当接する当接面とし、スリーブを被同期ギヤ側に移動させる際にスリーブの軸方向一方側の当接面を被同期ギヤに設けられたストッパ部に当接させてスリーブの被同期ギヤ側への移動を規制するものが知られている。また、変速機の軸方向寸法の短縮等を図るために、スリーブのスプラインに設けられたスリーブチャンファ部をスリーブの軸方向一方側の端面である当接面より軸方向一方側に突出させるようにしたものも知られている。
かかる同期装置において、2段モーションを抑制するために、スリーブのスプラインに設けられたスリーブチャンファ部を、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称なチャンファ面を有する第1チャンファ部と、スリーブのスプラインにおけるスリーブの周方向の一方側から他方側に亘って傾斜するチャンファ面のみを有する第2チャンファ部とを備え、第2チャンファ部を第1チャンファ部より被同期ギヤ側に突出させるように構成した場合、同期不良時などに過剰な荷重が作用したときに第2チャンファ部が破損するおそれがある。
このことは、第2チャンファ部として、スリーブのスプラインの軸方向中心線からオフセットしたオフセット線に対してスリーブの周方向の一方側及び他方側に傾斜するスリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称なチャンファ面を有する第2チャンファ部を用いる場合においても同様である。
本発明は、前記技術的課題に鑑みてなされたものであり、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる変速機の同期装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、回転軸に結合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に前記ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されて前記ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向一方側において前記回転軸に遊嵌合された被同期ギヤのハブ側に形成された前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインと、前記被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されると共に内周面に前記被同期ギヤのコーン面に嵌合するコーン面が形成され、且つ前記回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブのスプラインの軸方向一方側にスリーブチャンファ部が設けられた変速機の同期装置であって、前記スリーブの軸方向一方側に、前記被同期ギヤに設けられた前記スリーブの軸方向一方側への移動を規制するストッパ部に当接する当接面が設けられ、前記スリーブチャンファ部は、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して前記スリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1チャンファ面及び第2チャンファ面を有して前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称に形成された第1チャンファ部と、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線から前記スリーブの周方向にオフセットしたオフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して前記第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備え、前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部はそれぞれ、前記スリーブの軸方向一方側に設けられた前記当接面より軸方向一方側に突出し、前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられ、前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出すると共に、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられた前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びる複数の前記突出部を連結する連結部が設けられ、前記突出部及び前記連結部は、略面一になるように設けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記第2チャンファ部は、前記スリーブのスプラインにおける前記スリーブの周方向の一方側から他方側に亘って前記オフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を備え、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称に形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記第2チャンファ部は、前記オフセット線に対して前記スリーブの周方向の他方側及び一方側にそれぞれ所定角度傾斜する第3チャンファ面及び第4チャンファ面を備え、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称に形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記第2チャンファ部は、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられ、前記第2チャンファ部が設けられた前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインからなる第2チャンファスプラインセットが、前記スリーブの周方向に分散して複数設けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、回転軸に結合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に前記ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されて前記ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向一方側において前記回転軸に遊嵌合された被同期ギヤのハブ側に形成された前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインと、前記被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されると共に内周面に前記被同期ギヤのコーン面に嵌合するコーン面が形成され、且つ前記回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブのスプラインの軸方向一方側にスリーブチャンファ部が設けられた変速機の同期装置であって、前記スリーブの軸方向一方側に、前記被同期ギヤに設けられた前記スリーブの軸方向一方側への移動を規制するストッパ部に当接する当接面が設けられ、前記スリーブチャンファ部は、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して前記スリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1チャンファ面及び第2チャンファ面を有して前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称に形成された第1チャンファ部と、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線から前記スリーブの周方向にオフセットしたオフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して前記第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備え、前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部はそれぞれ、前記スリーブの軸方向一方側に設けられた前記当接面より軸方向一方側に突出し、前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられ、前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出すると共に、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられた前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びる複数の前記突出部を連結する連結部が設けられ、前記連結部は、前記スリーブの周方向に延び、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられた前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びる複数の前記突出部に亘ってのみ設けられていることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、回転軸に結合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に前記ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されて前記ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向一方側において前記回転軸に遊嵌合された被同期ギヤのハブ側に形成された前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインと、前記被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されると共に内周面に前記被同期ギヤのコーン面に嵌合するコーン面が形成され、且つ前記回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブのスプラインの軸方向一方側にスリーブチャンファ部が設けられた変速機の同期装置であって、前記スリーブの軸方向一方側に、前記被同期ギヤに設けられた前記スリーブの軸方向一方側への移動を規制するストッパ部に当接する当接面が設けられ、前記スリーブチャンファ部は、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して前記スリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1チャンファ面及び第2チャンファ面を有して前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称に形成された第1チャンファ部と、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線から前記スリーブの周方向にオフセットしたオフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して前記第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備え、前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部はそれぞれ、前記スリーブの軸方向一方側に設けられた前記当接面より軸方向一方側に突出し、前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられ、前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部の外周側からそれぞれ前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する第1突出部及び第2突出部と、前記第1突出部及び前記第2突出部を連結する連結部とが設けられ、前記連結部は、前記スリーブの周方向に延び、前記スリーブの周方向全体に亘って設けられ、前記第1突出部、前記第2突出部及び前記連結部は、略面一になるように設けられていることを特徴とする。
本願の請求項1に記載の発明によれば、スリーブチャンファ部は、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対してスリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1及び第2チャンファ面を有する第1チャンファ部と、スリーブのスプラインの軸方向中心線からオフセットしたオフセット線に対してスリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備えている。
そして、第1及び第2チャンファ部はそれぞれ、スリーブの軸方向一方側に設けられた被同期ギヤのストッパ部に当接する当接面より軸方向一方側に突出し、スリーブの軸方向一方側に、当接面より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられる。
これにより、変速操作時に、スリーブチャンファ部に備えられる第1チャンファ部がシンクロナイザリングのスプラインに設けられたリングチャンファ部に嵌合してからスリーブチャンファ部に備えられる第2チャンファ部が被同期ギヤのスプラインに設けられたギヤチャンファ部に嵌合するときに、2段モーションが発生することを抑制することができる。また、スリーブの軸方向一方側に、ストッパ部に当接する当接面より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられることにより、突出部によって第2チャンファ部を補強することができ、同期不良時などに過剰な荷重が作用したときに第2チャンファ部が破損することを抑制することができる。したがって、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
また、スリーブの軸方向一方側に、当接面より軸方向一方側に突出すると共に第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びる複数の突出部を連結する連結部が設けられ、突出部及び連結部は、略面一になるように設けられることにより、第2チャンファ部をさらに補強することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、第2チャンファ部は、スリーブのスプラインにおけるスリーブの周方向の一方側から他方側に亘ってオフセット線に対してスリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を備え、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称に形成されることにより、第2チャンファ部が軸方向中心線に対して対称に形成される場合に比して、第2チャンファ部が被同期ギヤのスプラインに設けられたギヤチャンファ部に嵌合するときに操作力が大きくなることを抑制することができ、2段モーションが発生することを有効に抑制することができる。
また、請求項3に記載の発明によれば、第2チャンファ部は、オフセット線に対してスリーブの周方向の他方側及び一方側にそれぞれ傾斜する第3チャンファ面及び第4チャンファ面を備え、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称に形成されることにより、第2チャンファ部が軸方向中心線に対して対称に形成される場合に比して、第2チャンファ部が被同期ギヤのスプラインに設けられたギヤチャンファ部に嵌合するときに操作力が大きくなることを抑制することができ、2段モーションが発生することを有効に抑制することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、第2チャンファ部が設けられたスリーブの周方向に隣接する複数のスリーブのスプラインからなる第2チャンファスプラインセットが、スリーブの周方向に分散して複数設けられることにより、変速操作時の操作力をスリーブの周方向に分散させてスリーブのスプラインを被同期ギヤのスプラインと嵌合させることができる。また、金属部材を用いてスリーブを鍛造にて成形する場合、第2チャンファスプラインセットを1つのみ設ける場合に比して成形性を向上させることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、請求項1に係る発明と同様、スリーブチャンファ部は、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対してスリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1及び第2チャンファ面を有する第1チャンファ部と、スリーブのスプラインの軸方向中心線からオフセットしたオフセット線に対してスリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備えている。
そして、第1及び第2チャンファ部はそれぞれ、スリーブの軸方向一方側に設けられた被同期ギヤのストッパ部に当接する当接面より軸方向一方側に突出し、スリーブの軸方向一方側に、当接面より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられる。
これにより、変速操作時に、スリーブチャンファ部に備えられる第1チャンファ部がシンクロナイザリングのスプラインに設けられたリングチャンファ部に嵌合してからスリーブチャンファ部に備えられる第2チャンファ部が被同期ギヤのスプラインに設けられたギヤチャンファ部に嵌合するときに、2段モーションが発生することを抑制することができる。また、スリーブの軸方向一方側に、ストッパ部に当接する当接面より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられることにより、突出部によって第2チャンファ部を補強することができ、同期不良時などに過剰な荷重が作用したときに第2チャンファ部が破損することを抑制することができる。したがって、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
また、スリーブの軸方向一方側に、当接面より軸方向一方側に突出すると共に第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びる複数の突出部を連結する連結部が設けられることにより、第2チャンファ部をさらに補強することができ、前記効果をより有効に奏することができる。
また、連結部は、スリーブの周方向に延び、スリーブの周方向に隣接する複数のスリーブのスプラインに設けられた第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びる複数の突出部に亘ってのみ設けられることにより、連結部がスリーブの周方向全体に設けられる場合に比して、重量の増加を抑制しつつ、前記効果を有効に得ることができる。
また、請求項に記載の発明によれば、請求項1に係る発明と同様、スリーブチャンファ部は、スリーブのスプラインの軸方向中心線に対してスリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1及び第2チャンファ面を有する第1チャンファ部と、スリーブのスプラインの軸方向中心線からオフセットしたオフセット線に対してスリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備えている。
そして、第1及び第2チャンファ部はそれぞれ、スリーブの軸方向一方側に設けられた被同期ギヤのストッパ部に当接する当接面より軸方向一方側に突出し、スリーブの軸方向一方側に、当接面より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられる。
これにより、変速操作時に、スリーブチャンファ部に備えられる第1チャンファ部がシンクロナイザリングのスプラインに設けられたリングチャンファ部に嵌合してからスリーブチャンファ部に備えられる第2チャンファ部が被同期ギヤのスプラインに設けられたギヤチャンファ部に嵌合するときに、2段モーションが発生することを抑制することができる。また、スリーブの軸方向一方側に、ストッパ部に当接する当接面より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部の外周側からスリーブの径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられることにより、突出部によって第2チャンファ部を補強することができ、同期不良時などに過剰な荷重が作用したときに第2チャンファ部が破損することを抑制することができる。したがって、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
また、スリーブの軸方向一方側に、第1及び第2チャンファ部の外周側からそれぞれ径方向外方に延びると共に当接面より軸方向一方側に突出する第1及び第2突出部と、第1及び第2突出部を連結する連結部とが設けられ、連結部は、スリーブの周方向に延び、スリーブの周方向全体に亘って設けられ、第1突出部、第2突出部及び連結部は、略面一になるように設けられることにより、第1及び第2チャンファ部を有効に補強することができ、前記効果を有効に得ることができる。
本発明の第1実施形態に係る変速機の同期装置を示す断面図である。 図1に示す変速機の同期装置の要部を拡大して示す断面図である。 図1に示す変速機の同期装置の要部の別の断面図である。 図2におけるY4−Y4線に沿った同期装置のスリーブ、シンクロナイザリング及び被同期ギヤのスプラインの断面図である。 変速操作時における同期装置の状態を説明するための説明図である。 スリーブの平面図である。 図6に示すスリーブの要部を示す断面斜視図である。 スリーブの断面図である。 本発明の第2実施形態に係る変速機の同期装置のスリーブの平面図である。 本発明の第3実施形態に係る変速機の同期装置のスリーブ、シンクロナイザリング及び被同期ギヤのスプラインの断面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る変速機の同期装置を示す断面図であり、図1に示す変速機の同期装置の要部を拡大して示す断面図である。本発明の第1実施形態に係る変速機は、フロントエンジン・フロントドライブ車用の横置き式の手動変速機であって、前進6速、後退1速を達成可能に構成されている。
図1に示すように、変速機1の回転軸2上には、被同期ギヤとしての5速段用ギヤ3がローラベアリング4を介して回動可能に遊嵌合されていると共に、被同期ギヤとしての6速段用ギヤ5がローラベアリング6を介して回動可能に遊嵌合され、5速段用ギヤ3と6速段用ギヤ5との間に、5速段用ギヤ3又は6速段用ギヤ5を回転軸2に選択的に結合させて動力伝達状態とする同期装置10が設けられている。
同期装置10は、回転軸2に結合されて外周面にスプラインが形成されたハブ20と、内周面にハブ20のスプラインに嵌合するスプライン31が形成されてハブ20に軸方向に移動可能に支持されたスリーブ30と、5速段用ギヤ3、6速段用ギヤ5のハブ20側にそれぞれ形成されたスリーブ30のスプライン31が嵌合可能なスプライン3a、5aと、5速段用ギヤ3、6速段用ギヤ5のスプライン3a、5aよりハブ20側に形成されたコーン面3b、5bとを備えている。
同期装置10はまた、チェンジレバー(不図示)が5速又は6速に操作されたときに、スリーブ30が5速段用ギヤ3又は6速段用ギヤ5側に移動されることに伴って5速段用ギヤ3又は6速段用ギヤ5側に移動するシンクロナイザキー40と、シンクロナイザキー40の移動に伴って5速段用ギヤ3又は6速段用ギヤ5側に移動して回転軸2の回転と5速段用ギヤ3又は6速段用ギヤ5の回転とを同期させるシンクロナイザリング50、60とを有している。
シンクロナイザキー40は、図2に示すように、ハブ20の外周側に形成されたキー溝部21内に配置され、キースプリング11によってスリーブ30の内周面に押圧されている。シンクロナイザキー40は、外周面に外側に突出する突起部41を備え、突起部41は、スリーブ30の内周面に形成された凹部32に係合されている。
同期装置10について5速段用ギヤ3を回転軸2と結合させる部分と6速段用ギヤ5を回転軸2と結合させる部分とは同様に構成されているので、以下では5速段用ギヤ3を回転軸2と結合させる部分について説明する。
図2に示すように、シンクロナイザリング50は、外周面にスリーブ30の内周面に形成されたスプライン31に嵌合可能なスプライン51が形成され、内周面に5速段用ギヤ3のコーン面3bに嵌合するコーン面52が形成されている。シンクロナイザリング50のコーン面52と5速段用ギヤ3のコーン面3bとは、コーン面の傾きがほぼ同一に形成されている。
シンクロナイザリング50には、スプライン51よりハブ20側にシンクロナイザキー40と係合するキー溝部53が形成されている。図2に示すように、回転軸2と5速段用ギヤ3とが結合されていないニュートラル状態では、シンクロナイザキー40とキー溝部53との間に、回転軸2の軸方向及び径方向にそれぞれ間隙が設けられている。シンクロナイザキー40は、キー溝部53内に回転軸2の周方向に所定の遊び量を有して配置されている。シンクロナイザキー40は、例えばシンクロナイザリング50のスプライン51が周方向一方側及び他方側に中央位置からスプライン51のほぼ半分の幅だけずれることができるように配置されている。
シンクロナイザリング50は、シンクロナイザキー40とキー溝部53とが回転軸2の周方向に係合することにより回転軸2と共に回転されるようになっている。シンクロナイザキー40とキー溝部53とは、回転軸2の周方向の複数箇所に、例えば3箇所に設けられている。
図3は、図1に示す変速機の同期装置の要部の別の断面図である。図3では、同期装置10のスリーブ30の内周面にスプラインがない部分に対応する断面について示している。図3に示すように、同期装置10では、5速段用ギヤ3のスプライン3aの反ハブ側に外方に突出するストッパ部3cが設けられ、スリーブ30の5速段用ギヤ3側の端面にストッパ部3cに当接する当接面33が設けられている。
5速段用ギヤ3に設けられたストッパ部3cは、スリーブ30のスプライン31と5速段用ギヤ3に設けられたスプライン3aとが嵌合される際にスリーブ30の当接面33と当接してスリーブ30の5速段用ギヤ3側への移動を規制するように設けられている。
図4は、図2におけるY4−Y4線に沿った同期装置のスリーブ、シンクロナイザリング及び被同期ギヤのスプラインの断面図である。図4に示すように、スリーブ30のスプライン31の5速段用ギヤ3側に設けられたスリーブチャンファ部34は、スプライン31の軸方向中心線C1に対して対称に形成された第1チャンファ部35と、スプライン31の軸方向中心線C1に対して非対称に形成された第2チャンファ部36とを備えている。
第1チャンファ部35は、スプライン31の軸方向中心線C1に対してスリーブ30の周方向一方側及び他方側にそれぞれ所定角度θで傾斜する第1チャンファ面35a及び第2チャンファ面35bを有している。一方、第2チャンファ部36は、スプライン31におけるスリーブ30の周方向の一方側から他方側に亘ってスプライン31の軸方向中心線C1からスリーブ30の周方向一方側にオフセットしたオフセット線C2に対してスリーブ30の周方向の他方側に所定角度θで傾斜する第3チャンファ面36aのみを有している。
図4では、5速段用ギヤ3側に設けられたストッパ部3cと当接するスリーブ30の当接面33を二点鎖線で示している。図4に示すように、第1チャンファ部35と第2チャンファ部36とは、スリーブ30の当接面33より5速段用ギヤ3側に突出するように設けられ、第2チャンファ部36は、第1チャンファ部35より5速段用ギヤ3側に突出するように設けられている。
第2チャンファ部36は、スリーブ30の周方向に隣接する複数のスリーブ30のスプライン31に設けられ、第2チャンファ部36が設けられたスリーブ30の周方向に隣接する複数のスリーブ30のスプライン31からなる第2チャンファスプラインセットS1が、スリーブ30の周方向に分散して複数設けられている。本実施形態では、これに限定されるものではないが、第2チャンファ部36が設けられた7つのスリーブ30のスプライン31からなる第2チャンファスプラインセットS1が、スリーブ30の周方向に等間隔に分散して3つ設けられている。
シンクロナイザリング50のスプライン51には、ハブ20側にリングチャンファ部54が設けられている。リングチャンファ部54は、スプライン51の軸方向中心線に対してシンクロナイザリング50の周方向一方側及び他方側にそれぞれ所定角度θで傾斜する第1チャンファ面54a及び第2チャンファ面54bを有してスプライン51の軸方向中心線に対して対称に形成されている。
シンクロナイザリング50のスプライン51はまた、図4において二点鎖線で示すように、第2チャンファ部36が設けられたスプライン31に対応する部分、すなわち第2チャンファ部36と当接し得る部分に形成されることなく、第1チャンファ部35が設けられたスプライン31に対応する部分、すなわち第1チャンファ部35と当接し得る部分にのみ形成されている。
また、5速段用ギヤ3に設けられたスプライン3aには、ハブ20側にギヤチャンファ部7が設けられている。ギヤチャンファ部7は、スプライン3aにおける5速段用ギヤ3の周方向一方側から他方側に亘ってスプライン3aの軸方向中心線から5速段用ギヤ3の周方向他方側にオフセットしたオフセット線に対して5速段用ギヤ3の周方向一方側に所定角度θで傾斜するチャンファ面7aのみを有してスプライン3aの軸方向中心線に対して非対称に形成されている。ギヤチャンファ部7のチャンファ面7aは、第2チャンファ部36の第3チャンファ面36aと同一方向に傾斜するように設けられている。
リングチャンファ部54の第1チャンファ面54a及び第2チャンファ面54bは、スリーブチャンファ部34の第1チャンファ部35の第2チャンファ面35b及び第1チャンファ面35aに対応して設けられ、ギヤチャンファ部7のチャンファ面7aは、スリーブチャンファ部34の第2チャンファ部36の第3チャンファ面36aに対応して設けられている。
本実施形態では、図4に示すように、矢印R1方向に回転軸2及びスリーブ30が回転するときに、回転方向前側が周方向一方側に対応すると共に回転方向後側が周方向他方側に対応し、シフトアップ時に、回転方向後側に位置する第2チャンファ部36の第3チャンファ面36aと回転方向前側に位置するギヤチャンファ部7のチャンファ面7aとが当接するようになっている。
図5は、変速操作時における同期装置の状態を説明するための説明図であり、
図4に対応するスリーブ、シンクロナイザリング及び被同期ギヤの断面を示している。同期装置10では、図2から図4に示す回転軸2と5速段用ギヤ3とが結合されていないニュートラル状態にある4速から5速へのシフトアップの変速操作時、チェンジレバー操作によってシフトフォークを介してスリーブ30が5速段用ギヤ3側に移動される。
スリーブ30が5速段用ギヤ3側に移動されると、スリーブ30の凹部32とシンクロナイザキー40の突起部41との係合によってシンクロナイザキー40も5速段用ギヤ3側に移動され、シンクロナイザキー40の5速段用ギヤ3側の端面がシンクロナイザリング50のキー溝部53と当接するとシンクロナイザリング50も共に5速段用ギヤ3側に移動される。
シンクロナイザリング50が5速段用ギヤ3側に移動されると、シンクロナイザリング50のコーン面52が5速段用ギヤ3のコーン面3bに押し付けられ、互いに接触するコーン面52、3bの摩擦によって回転軸2の回転と5速段用ギヤ3の回転とが同期される。
さらに、スリーブ30が5速段用ギヤ3側に移動されると、スリーブ30の凹部32とシンクロナイザキー40の突起部41との係合が解除されてスリーブ30のみが5速段用ギヤ3側にさらに移動され、図5(a)に示すように、スリーブ30のスプライン31に設けられた第1チャンファ部35の第1チャンファ面35aが、シンクロナイザリング50のスプライン51に設けられたリングチャンファ部54の第2チャンファ面54bと当接される。
スリーブ30が5速段用ギヤ3側にさらに移動されると、スプライン31に設けられた第1チャンファ部35によってシンクロナイザリング50のスプライン51が掻き分けられた後に、図5(b)に示すように、スプライン31に設けられた第2チャンファ部36が、5速段用ギヤ3のスプライン3aに設けられたギヤチャンファ部7と当接される。
スリーブ30が5速段用ギヤ3側にさらに移動されると、スプライン31に設けられた第2チャンファ部36によって5速段用ギヤ3のスプライン3aが掻き分けられて、図5(c)に示すように、スリーブ30のスプライン31が、シンクロナイザリング50のスプライン51及び5速段用ギヤ3のスプライン3aに嵌合され、シンクロナイザリング50を介して回転軸2と5速段用ギヤ3とが結合される。
同期装置10では、スリーブチャンファ部34が、スプライン31の軸方向中心線C1に対して傾斜する第1及び第2チャンファ面35a、35bを有して対称に形成された第1チャンファ部35と、スプライン31の軸方向中心線C1からオフセットしたオフセット線C2に対して傾斜する第3チャンファ面36aを有して第1チャンファ部35より5速段用ギヤ3に突出する第2チャンファ部36とを備えることで、第2チャンファ部36が5速段用ギヤ3のスプライン3aに設けられたギヤチャンファ部7に嵌合するときにチェンジレバー操作力が大きくなることを抑制して2段モーションが発生することを抑制することができる。
次に、図6から図8を参照して、本発明の第1実施形態に係る同期装置10のスリーブ30についてさらに説明する。
図6は、スリーブの平面図である。図7は、図6に示すスリーブの要部を示す断面斜視図であり、図6のA部を示す断面斜視図である。図8は、スリーブの断面図であり、図8(a)及び図8(b)はそれぞれ、図6におけるY8a−Y8a線及びY8b−Y8b線に沿ったスリーブの断面を示している。なお、図8(a)及び図8(b)では、図6におけるY8c−Y8c線に沿ったスリーブの断面を二点鎖線で示している。
前述したように、スリーブ30のスプライン31の5速段用ギヤ3側に設けられたスリーブチャンファ部34は、図6に示すように、第1チャンファ部35と第2チャンファ部36とを備えている。第2チャンファ部36は、スリーブ30の周方向に隣接する複数の、具体的には7つのスプライン31に設けられ、第2チャンファ部36が設けられたスリーブ30の周方向に隣接するスプライン31からなる第2チャンファスプラインセットS1が、スリーブ30の周方向に等間隔に分散して複数、具体的には3つ設けられている。
図7及び図8に示すように、スリーブ30の5速段用ギヤ3側には、当接面33より5速段用ギヤ3側に突出するスリーブチャンファ部34の外周側からスリーブ30のスプライン31と略同一幅を有してスリーブ30の径方向外方に延びると共に当接面33より5速段用ギヤ3側に突出する突出部37が設けられている。突出部37は、第1チャンファ部35の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びる第1突出部37aと、第2チャンファ部36の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びる第2突出部37bとを備えている。
スリーブ30の5速段用ギヤ3側にはまた、スリーブ30のスプライン31に設けられたスリーブチャンファ部34の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びる複数の突出部37を連結する連結部38が設けられ、連結部38は、突出部37の外周側においてスリーブ30の周方向に延びている。
同期装置10では、連結部38は、スリーブ30の周方向に隣接する第1突出部37aを連結すると共にスリーブ30の周方向に隣接する第2突出部37bを連結し、且つスリーブ30の周方向に隣接する第1突出部37a及び第2突出部37bを連結するようにスリーブ30の周方向全体に亘って設けられている。突出部37及び連結部38は、略面一になるようにスリーブ30の5速段用ギヤ3側に設けられている。
本実施形態では、第2チャンファ部36は、スリーブ30の周方向に隣接する複数のスプライン31に設けられているが、第2チャンファ部36を、スリーブ30の周方向に分散して設けてスリーブ30の周方向に隣接するスプライン31に設けないようにすることも可能である。
また、本実施形態では、4速から5速へのシフトアップ変速を例に説明したが、他の変速段へのシフトアップ変速に適用できることはもちろんであり、シフトダウン変速に適用することも可能である。
このように、本実施形態に係る変速機の同期装置10では、スリーブチャンファ部34は、スリーブ30のスプライン31の軸方向中心線C1に対してスリーブ30の周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1及び第2チャンファ面35a、35bを有する第1チャンファ部35と、スリーブ30のスプライン31の軸方向中心線C1からオフセットしたオフセット線C2に対してスリーブ30の周方向に傾斜する第3チャンファ面36aを有して第1チャンファ部35より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部36を備えている。
そして、第1及び第2チャンファ部35、36はそれぞれ、スリーブ30の軸方向一方側に設けられた被同期ギヤ3のストッパ部3cに当接する当接面33より軸方向一方側に突出し、スリーブ30の軸方向一方側に、当接面33より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部36の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びると共に当接面33より軸方向一方側に突出する突出部37が設けられる。
これにより、変速操作時に、スリーブチャンファ部34に備えられる第1チャンファ部35がシンクロナイザリング50のスプライン51に設けられたリングチャンファ部54に嵌合してからスリーブチャンファ部34に備えられる第2チャンファ部36が被同期ギヤ3のスプライン3aに設けられたギヤチャンファ部7に嵌合するときに、2段モーションが発生することを抑制することができる。また、スリーブ30の軸方向一方側に、ストッパ部3cに当接する当接面33より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部36の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びると共に当接面33より軸方向一方側に突出する突出部37が設けられることにより、突出部37によって第2チャンファ部36を補強することができ、同期不良時などに過剰な荷重が作用したときに第2チャンファ部36が破損することを抑制することができる。したがって、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
また、第2チャンファ部36は、スリーブ30のスプライン31におけるスリーブ30の周方向の一方側から他方側に亘ってオフセット線C2に対してスリーブ30の周方向に傾斜する第3チャンファ面36aを備え、スリーブ30のスプライン31の軸方向中心線C1に対して非対称に形成される。これにより、第2チャンファ部36が軸方向中心線C1に対して対称に形成される場合に比して、第2チャンファ部36が被同期ギヤ3のスプライン3aに設けられたギヤチャンファ部に嵌合するときに操作力が大きくなることを抑制することができ、2段モーションが発生することを有効に抑制することができる。
また、第2チャンファ部36が設けられたスリーブ30の周方向に隣接する複数のスリーブ30のスプライン31からなる第2チャンファスプラインセットS1が、スリーブ30の周方向に分散して複数設けられる。これにより、変速操作時の操作力をスリーブ30の周方向に分散させてスリーブ30のスプライン31を被同期ギヤ3のスプライン3aと嵌合させることができる。また、金属部材を用いてスリーブ30を鍛造にて成形する場合、第2チャンファスプラインセットを1つのみ設ける場合に比して成形性を向上させることができる。
また、スリーブ30の軸方向一方側に、当接面33より軸方向一方側に突出すると共に第2チャンファ部36の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びる複数の突出部37を連結する連結部38が設けられる。これにより、第2チャンファ部36をさらに補強することができる。
また、スリーブ30の軸方向一方側に、第1及び第2チャンファ部35、36の外周側からそれぞれ径方向外方に延びると共に当接面33より軸方向一方側に突出する第1及び第2突出部37a、37bと、第1及び第2突出部37a、37bを連結する連結部38とが設けられ、連結部38は、スリーブ30の周方向に延び、スリーブ30の周方向全体に亘って設けられる。これにより、第1及び第2チャンファ部35、36を有効に補強することができる。
図9は、本発明の第2実施形態に係る変速機の同期装置のスリーブの平面図である。本発明の第2実施形態に係る変速機の同期装置は、第1実施形態に係る同期装置と、突出部及び連結部が異なること以外は同様であるので、同様の構成については説明を省略する。
図9に示すように、第2実施形態に係る同期装置のスリーブ130についても、スリーブ130のスプライン31の5速段用ギヤ3側に設けられたスリーブチャンファ部34は、第1チャンファ部35と第2チャンファ部36とを備え、スリーブ130の5速段用ギヤ3側に、当接面33より5速段用ギヤ3側に突出するスリーブチャンファ部34の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びると共に当接面33より5速段用ギヤ3側に突出する突出部37が設けられている。
本実施形態では、突出部37は、第1チャンファ部35に対応する部分に形成されることなく、第2チャンファ部36の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びる第2突出部37bのみを備えている。
スリーブ130の5速段用ギヤ3側にはまた、スリーブ130のスプライン31に設けられたスリーブチャンファ部34の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びる複数の突出部37を連結する連結部38が設けられ、連結部38は、突出部37の外周側においてスリーブ130の周方向に延びている。
スリーブ130では、連結部38は、スリーブ130の周方向において、スリーブ130の周方向に隣接する複数のスリーブ130のスプライン31に設けられた第2チャンファ部36の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びる複数の突出部37、具体的には第2突出部37bに亘ってのみ設けられている。
本実施形態に係る変速機の同期装置についても、当接面33より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部36の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びると共に当接面33より軸方向一方側に突出する突出部37が設けられることにより、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
また、スリーブ130の軸方向一方側に、当接面33より軸方向一方側に突出すると共に第2チャンファ部36の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びる複数の突出部37を連結する連結部38が設けられることにより、第2チャンファ部36を補強することができる。
さらに、連結部38は、スリーブ130の周方向に延び、スリーブ130の周方向に隣接する複数のスリーブ130のスプライン31に設けられた第2チャンファ部36の外周側からスリーブ130の径方向外方に延びる複数の突出部37に亘ってのみ設けられる。これにより、連結部38がスリーブ130の周方向全体に設けられる場合に比して、重量の増加を抑制しつつ、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
図10は、本発明の第3実施形態に係る変速機の同期装置のスリーブ、シンクロナイザリング及び被同期ギヤのスプラインの断面図である。本発明の第3実施形態に係る変速機の同期装置は、第1実施形態に係る同期装置と、第2チャンファ部の形状が異なること以外は同様であるので、同様の構成については説明を省略する。
図10に示すように、第3実施形態に係る同期装置のスリーブ230についても、スリーブ230のスプライン31の5速段用ギヤ3側に設けられたスリーブチャンファ部34は、第1チャンファ部35と第2チャンファ部36´とを備えている。
本実施形態では、第2チャンファ部36´は、図10に示すように、スプライン31の軸方向中心線C1に対して非対称に形成されるものの、スプライン31の軸方向中心線C1からスリーブ230の周方向の一方側にオフセットしたオフセット線C2に対してスリーブ30の周方向の他方側及び一方側にそれぞれ所定角度θで傾斜する第3チャンファ面36a´及び第4チャンファ面36b´を有している。
スリーブ230についても、スリーブ230の5速段用ギヤ3側には、当接面33より5速段用ギヤ3側に突出する第1チャンファ部35及び第2チャンファ部36´の外周側からスリーブ30の径方向外方に延びると共に当接面33より5速段用ギヤ3側に突出する突出部37、具体的には第1突出部37a及び第2突出部37bが設けられると共に、突出部37を連結する連結部38が設けられている。
本実施形態に係る変速機の同期装置についても、スリーブチャンファ部34は、スリーブ230のスプライン31の軸方向中心線C1に対してスリーブ230の周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1及び第2チャンファ面35a、35bを有する第1チャンファ部35と、スリーブ230のスプライン31の軸方向中心線C1からオフセットしたオフセット線C2に対してスリーブ30の周方向に傾斜する第3チャンファ面36a´を有して第1チャンファ部35より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部36´を備えている。
そして、第1及び第2チャンファ部35、36´はそれぞれ、スリーブ230の軸方向一方側に設けられた当接面33より軸方向一方側に突出し、スリーブ230の軸方向一方側に、当接面33より軸方向一方側に突出した第2チャンファ部36´の外周側からスリーブ230の径方向外方に延びると共に当接面33より軸方向一方側に突出する突出部37が設けられる。これにより、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することができる。
また、第2チャンファ部36´は、オフセット線C2に対してスリーブ230の周方向の他方側及び一方側にそれぞれ傾斜する第3チャンファ面36a´及び第4チャンファ面36b´を備え、軸方向中心線C1に対して非対称に形成される。これにより、第2チャンファ部36´が軸方向中心線C1に対して対称に形成される場合に比して、第2チャンファ部36´が被同期ギヤ3のスプライン3aに設けられたギヤチャンファ部7に嵌合するときに操作力が大きくなることを抑制することができ、2段モーションが発生することを有効に抑制することができる。
本実施形態では、第1チャンファ部35の第1及び第2チャンファ面35a、35bはスリーブ30のスプライン31の軸方向中心線C1に対して同一の所定角度θで傾斜すると共に、第2チャンファ部36の第3及び第4チャンファ面36a、36a´及び36b´はスリーブ30のスプライン31の軸方向中心線C1からオフセットしたオフセット線C2に対して同一の所定角度θで傾斜するように設けられているが、チャンファ面の傾斜角度は適宜好適に設定することが可能である。
また、シンクロナイザリング50として1つのシンクロナイザリングが用いられているが、外周面にスプラインが形成されると共に内周面にコーン面が形成され、且つ回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングを2つのシンクロナイザリングや3つのシンクロナイザリングなどによって構成することも可能である。
本実施形態に係る同期装置10は、フロントエンジン・フロントドライブ車用の横置き式の手動変速機の同期装置であるが、フロントエンジン・リヤドライブ車用等の縦置き式の手動変速機の同期装置についても同様に適用することが可能である。
本発明は、例示された実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能である。
以上のように、本発明によれば、変速機の同期装置において、変速操作時に2段モーションが発生することを抑制すると共にチャンファ部が破損することを抑制することが可能となるから、変速機ないしこれを搭載する車両の製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 変速機
2 回転軸
3、5 被同期ギヤ
3a、5a 被同期ギヤのスプライン
3b、5b 被同期ギヤのコーン面
3c ストッパ部
10 同期装置
20 ハブ
30、130、230 スリーブ
31 スリーブのスプライン
34 スリーブチャンファ部
33 当接面
35 第1チャンファ部
35a 第1チャンファ面
35b 第2チャンファ面
36、36´ 第2チャンファ部
36a、36a´ 第3チャンファ面
36b´ 第4チャンファ面
37 突出部
37a 第1突出部
37b 第2突出部
38 連結部
50、60 シンクロナイザリング
51 シンクロナイザリングのスプライン
52 シンクロナイザリングのコーン面
S1 第2チャンファスプラインセット

Claims (6)

  1. 回転軸に結合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に前記ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されて前記ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向一方側において前記回転軸に遊嵌合された被同期ギヤのハブ側に形成された前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインと、前記被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されると共に内周面に前記被同期ギヤのコーン面に嵌合するコーン面が形成され、且つ前記回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブのスプラインの軸方向一方側にスリーブチャンファ部が設けられた変速機の同期装置であって、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記被同期ギヤに設けられた前記スリーブの軸方向一方側への移動を規制するストッパ部に当接する当接面が設けられ、
    前記スリーブチャンファ部は、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して前記スリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1チャンファ面及び第2チャンファ面を有して前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称に形成された第1チャンファ部と、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線から前記スリーブの周方向にオフセットしたオフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して前記第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備え、
    前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部はそれぞれ、前記スリーブの軸方向一方側に設けられた前記当接面より軸方向一方側に突出し、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられ
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出すると共に、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられた前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びる複数の前記突出部を連結する連結部が設けられ、
    前記突出部及び前記連結部は、略面一になるように設けられている、
    ことを特徴とする変速機の同期装置。
  2. 前記第2チャンファ部は、前記スリーブのスプラインにおける前記スリーブの周方向の一方側から他方側に亘って前記オフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を備え、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の同期装置。
  3. 前記第2チャンファ部は、前記オフセット線に対して前記スリーブの周方向の他方側及び一方側にそれぞれ傾斜する第3チャンファ面及び第4チャンファ面を備え、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して非対称に形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の変速機の同期装置。
  4. 前記第2チャンファ部は、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられ、
    前記第2チャンファ部が設けられた前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインからなる第2チャンファスプラインセットが、前記スリーブの周方向に分散して複数設けられている、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の変速機の同期装置。
  5. 回転軸に結合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に前記ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されて前記ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向一方側において前記回転軸に遊嵌合された被同期ギヤのハブ側に形成された前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインと、前記被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されると共に内周面に前記被同期ギヤのコーン面に嵌合するコーン面が形成され、且つ前記回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブのスプラインの軸方向一方側にスリーブチャンファ部が設けられた変速機の同期装置であって、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記被同期ギヤに設けられた前記スリーブの軸方向一方側への移動を規制するストッパ部に当接する当接面が設けられ、
    前記スリーブチャンファ部は、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して前記スリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1チャンファ面及び第2チャンファ面を有して前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称に形成された第1チャンファ部と、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線から前記スリーブの周方向にオフセットしたオフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して前記第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備え、
    前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部はそれぞれ、前記スリーブの軸方向一方側に設けられた前記当接面より軸方向一方側に突出し、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられ、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出すると共に、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられた前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びる複数の前記突出部を連結する連結部が設けられ、
    前記連結部は、前記スリーブの周方向に延び、前記スリーブの周方向に隣接する複数の前記スリーブのスプラインに設けられた前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びる複数の前記突出部に亘ってのみ設けられている、
    ことを特徴とする変速機の同期装置。
  6. 回転軸に結合されると共に外周面にスプラインが形成されたハブと、内周面に前記ハブのスプラインに嵌合するスプラインが形成されて前記ハブに軸方向に移動可能に支持されたスリーブと、前記ハブの軸方向一方側において前記回転軸に遊嵌合された被同期ギヤのハブ側に形成された前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインと、前記被同期ギヤのスプラインよりハブ側に形成されたコーン面と、外周面に前記スリーブのスプラインが嵌合可能なスプラインが形成されると共に内周面に前記被同期ギヤのコーン面に嵌合するコーン面が形成され、且つ前記回転軸と共に回転されるシンクロナイザリングとを備え、前記スリーブのスプラインの軸方向一方側にスリーブチャンファ部が設けられた変速機の同期装置であって、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記被同期ギヤに設けられた前記スリーブの軸方向一方側への移動を規制するストッパ部に当接する当接面が設けられ、
    前記スリーブチャンファ部は、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して前記スリーブの周方向の一方側及び他方側にそれぞれ傾斜する第1チャンファ面及び第2チャンファ面を有して前記スリーブのスプラインの軸方向中心線に対して対称に形成された第1チャンファ部と、前記スリーブのスプラインの軸方向中心線から前記スリーブの周方向にオフセットしたオフセット線に対して前記スリーブの周方向に傾斜する第3チャンファ面を有して前記第1チャンファ部より軸方向一方側に突出する第2チャンファ部とを備え、
    前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部はそれぞれ、前記スリーブの軸方向一方側に設けられた前記当接面より軸方向一方側に突出し、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第2チャンファ部の外周側から前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する突出部が設けられ、
    前記スリーブの軸方向一方側に、前記当接面より軸方向一方側に突出した前記第1チャンファ部及び前記第2チャンファ部の外周側からそれぞれ前記スリーブの径方向外方に延びると共に前記当接面より軸方向一方側に突出する第1突出部及び第2突出部と、前記第1突出部及び前記第2突出部を連結する連結部とが設けられ、
    前記連結部は、前記スリーブの周方向に延び、前記スリーブの周方向全体に亘って設けられ
    前記第1突出部、前記第2突出部及び前記連結部は、略面一になるように設けられている、
    ことを特徴とする変速機の同期装置。
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